JP2005344810A - 磁気ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高い磁気複合ダンパを得る。
【解決手段】 磁気複合ダンパ10では、磁石30と鉄リング26とを相対変位させることで、相対変位に応じた磁気吸引力と、相対速度に応じた渦電流損に基づく減衰力とが、非接触で発生する。すなわち、磁石30と鉄リング26とが磁気ばね及び磁気ダンパを共に構成する。この磁気ばねをコイルばね22と組み合わせることで、磁石30と鉄リング26との中立位置や、磁石30及び鉄リング26の長さの設定によって、他の変位領域よりもばね定数が小さくなる不感帯を、所望の位置に所望の幅の生じさせることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁気複合ダンパ10では、磁石30と鉄リング26とを相対変位させることで、相対変位に応じた磁気吸引力と、相対速度に応じた渦電流損に基づく減衰力とが、非接触で発生する。すなわち、磁石30と鉄リング26とが磁気ばね及び磁気ダンパを共に構成する。この磁気ばねをコイルばね22と組み合わせることで、磁石30と鉄リング26との中立位置や、磁石30及び鉄リング26の長さの設定によって、他の変位領域よりもばね定数が小さくなる不感帯を、所望の位置に所望の幅の生じさせることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば構造物や装置等の振動を抑制する防振装置や動吸振器等に適用される磁気複合ダンパに関する。
例えば、自動車等の車両では、エンジンの振動を車体側に伝達することを抑制するためにエンジンマウントが用いられている。エンジンマウントとしては、ゴムマウントや液封マウントが採用されている。このようなエンジンマウントでは、ゴム材の経年劣化や周囲温度による液体の粘性変化により、十分な性能を発揮できない場合がある。また、マウント自体をアクチュエータにて駆動しエンジン振動に対し反位相の振動を生じさせて車体振動を抑えるアクティブマウントも考えられているが、消費エネルギが大きいという問題がある。これに対して、ばね定数や減衰係数等の振動特性を与えるパラメータを可変とし、その数値を制御して振動を抑えるセミアクティブマウントも考えられている。このようなセミアクティブマウントであれば、消費エネルギを抑えつつ振動特性に合わせた防振を行なうことができるため、今後は主流になると考えられる。
また例えば、洗濯槽と脱水槽とを兼ねるドラムを有する洗濯機では、ドラムの振動を抑えるためにショックアブソーバ等のダンパが用いられている。このようなショックアブソーバは、ドラム共振点に合わせて減衰(ダンピング)を設定すると、ドラムが共振点を超えて定格回転数に達した後に不要な減衰を与え、洗濯機を設置した床への伝達力が増加してしまう。そこで、洗濯機には可変ダンパを組み込み、共振点以下の振動数では減衰を大きく、共振点を超えた振動数では減衰を小さくすることが有効であるとされている。したがって、この場合も、振動特性を与えるパラメータを可変としたセミアクティブダンパが有効であると考えられる。
ところで、磁石と非磁性導体との相対変位に伴って生じる渦電流損(ローレンツ力)によるエネルギ消費を減衰に用いる磁気ダンパが考えられている。このような磁気ダンパは、非接触で使用でき、周囲の温度変化に対し鈍感であるため、使用時の特性が安定しており、かつ経年劣化が少ないというメリットを有する。そして、磁気ダンパにおいて、大きな減衰を得るために、多段反転磁極を組み合わせたものが考えられている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
一方、磁気ダンパとは別に、磁石同士の磁気吸引力または磁気反発力を利用した磁気ばねについても知られている。また、このような磁気ばねを金属製のトーションバーと組み合わせ、特定の変位範囲(着座中立点)におけるばね定数が他の範囲におけるばね定数よりも小さくなる、変位に対する不感帯を作り、小型トラック用のシートサスペンションの振動低減に応用する技術が知られている(例えば、非特許文献3参照)。すなわち、所要の変位範囲で他の範囲とばね特性が異なるという、防振ターゲットが決まっている場合のセミアクティブ制御に類似した特性の付与を、パッシブな構成によって行うことが可能とされている。
さらに、磁気ダンパと磁気ばねとを組み合わせた制振装置(動吸振器)が考えられている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。このような制振装置では、制振対象である主振動系を構成する振動体と、副振動系の質量要素である補助質量(可動質量)とにそれぞれ設けた磁石を互いに対向させて磁気ばねを構成し、振動体及び補助質量の何れか一方に取り付けた磁石と他方に取り付けた非磁性導体とで磁気ダンパを構成している。また、特許文献1及び特許文献2の構成では、補助質量に取り付けた磁石が磁気ばねと磁気ダンパとを共に構成するようになっている。
これにより、上記磁気ばねと磁気ダンパと補助質量とで構成される制振装置では、振動体と補助質量とを基本的に非接触とすることができ、経年劣化の影響が少なく、微小振動に対しても有効な制振作用が得られるとされている。さらに、特許文献2及び特許文献3の構成では、磁石の一部を電磁石とすることで、ばね定数及び減衰係数を可変としている。これにより、振動体の振動特性の変化に応じた制振作用が果たされるとされている。
特開2000−205331号公報
特開2001−248682号公報
特開2003−307255号公報
長屋、関口、「反転磁極の組合せによる高減衰磁気ダンパの開発とその解析」、日本機械学会論文集(C編)、57巻、544号、1991年
長屋、横田、「多段反転磁極を有する磁気ダンパの解析」、日本機械学会論文集(C編)、59巻、559号、1993年
川添、他2名、「磁気複合式シートサスペンションの開発」、三菱自動車テクニカルレビューNo.15、2003年
しかしながら、上記非特許文献3の構成では、減衰要素としてコンベンショナルなショックアブソーバを用いているため、摩擦の影響を排除することが困難である。また、磁石同士の相対移動による磁気ばね力を得る構成であるため、換言すれば、磁気反発力と磁気吸引力とのバランス点で中立位置(弾性ばねの自由長に相当)が決まる構成であるため、トーションバーとの組み合わせにおいて、磁気ばねの中立位置を挟む部分にしか上記不感帯を設定することができない。
また、上記各特許文献の構成では、ばね要素として磁気ばねのみを用いているため、適用できる補助質量の質量や振幅に制約がある。特に、動吸振器としてではなく、磁気ばねと磁気ダンパとで主振動系を構成する場合に、この問題が顕著となる。また、磁気ばねと磁気ダンパとをそれぞれ独立して構成しているため、すなわち、例えば振動体側に固定側磁石及び非磁性導体を設けると共に補助質量側に可動側磁石を設ける構成であるため、構造が複雑である。
本発明は、上記事実を考慮して非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高い磁気複合ダンパを得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る磁気複合ダンパは、磁石と磁性体とを相対変位させることで、相対変位に応じた磁気吸引力及び相対速度に応じた減衰力を共に生じさせる。
請求項1記載の磁気複合ダンパは、例えば、振動体と基礎または補助質量(以下、基礎等という)との間に設けられる。振動体及び基礎等の何れか一方には磁石が設けられ、他方には磁性体が設けられる。そして、この磁石と磁性体(誘電体でもある)との相対変位によって、磁気吸引力に基づくばね力(変位似応じて変化する力)と、渦電流損に基づく減衰力とが作用する。すなわち、単なる磁石と磁性体との相対変位によってばね要素と減衰要素とが構成される。また、磁石と磁性体との間には磁気反発力は作用しないため、磁石と磁性体とを所望の相対位置に配置することができ、所要の変位領域で磁気吸引力を作用させる設定を容易に行なうことができる。したがって例えば、この磁気複合ダンパを弾性ばねと組み合わせて構成すれば、他の領域よりもばね定数が小さくなる不感体を所望の位置に生じさせることができる。
このように、請求項1記載の磁気複合ダンパでは、非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高い。なお、磁石と磁性体との相対変位は、例えば、直線変位であっても回転変位であっても良い。
上記目的を達成するために請求項2記載の発明に係る磁気複合ダンパは、磁石と磁性体との相対変位に応じた磁気吸引力を生じる磁気ばねと、前記磁気ばねと同じだけ変位するように設けられた弾性体と、磁石と導体との相対変位によって生じる渦電流損に基づく減衰力を生じる磁気ダンパと、を備えている。
請求項2記載の磁気複合ダンパでは、例えば、振動体と基礎または補助質量(以下、基礎等という)との間に弾性体と磁気ばねと磁気ダンパとが設けられ、振動系を構成する。この振動系では、弾性体と磁気ばねとがばね要素として機能し、磁気ダンパが減衰要素として機能する。
ここで、弾性体と磁気ばねとで構成されるばね要素は、変位に対する荷重変化が他の変位領域よりも小さい、すなわち他の領域よりもばね定数が小さい不感帯を生成する。しかも、磁石と磁性体との磁気吸引力のみによるばね力を生じる磁気ばねは、この不感帯を複数の変位領域に生成したり、所望の変位領域に生成したりすることが可能である。すなわち、ばね特性の設計の自由度が高い。
このように、請求項2記載の磁気複合ダンパでは、非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高い。なお、磁石と磁性体との相対変位は、例えば、直線変位であっても回転変位であっても良い。
請求項3記載の発明に係る磁気複合ダンパは、請求項2記載の磁気複合ダンパにおいて、前記磁気ダンパは、前記導体を挟むように配置され互いに磁極の異なる磁石対を、該導体との相対変位方向に隣り合う磁石の磁極が反転するように複数配置して構成されている。
請求項3記載の磁気複合ダンパでは、磁気ダンパを構成する複数の磁石対は、導体との相対変位方向に隣り合う磁石対の磁石とは磁極が反転されているため、導体との相対変位に伴い生じる渦電流の流れ方向が各磁石(対)直下で反転し、ローレンツ力が増大する。これにより、簡単な構造で大きな減衰を得ることができる。なお、磁石対は、導体との相対変位方向に交差(直交)する方向にも負数配置しても良い。
請求項4記載の発明に係る磁気複合ダンパは、請求項2または請求項3記載の磁気複合ダンパにおいて、前記磁気ダンパを構成する導体を磁性体にて構成し、該磁気ダンパを前記磁気ばねと一体化した。
請求項4記載の磁気複合ダンパでは、相対変位する磁石と磁性体とで、磁気ばね及び磁気ダンパを構成するため、構造が簡単である。
請求項5記載の発明に係る磁気複合ダンパは、請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の磁気複合ダンパにおいて、前記弾性体を金属ばねとした。
請求項5記載の磁気複合ダンパでは、弾性体として線形性の高い金属ばねを用いるため、ばね特性の設計が容易である。金属ばねとしては、例えば、トーションバー、コイルばね、捩りコイルばね、板ばね等を用いることができる。
以上説明したように本発明に係る磁気複合ダンパは、非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高いという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気複合ダンパ10について、図1乃至図22に基づいて説明する。
図1には、磁気複合ダンパ10の概略全体構成が断面図にて示されている。この図に示される如く、磁気複合ダンパ10は、円筒状に形成されたシリンダ12と、シリンダ12に対しリニアブッシュ14を介して軸線方向の相対移動可能に支持されたロッド16と、ロッド16における常にシリンダ12内に位置する一端部に設けられたばね受け部18とで構成されたガイド機構20を備えている。ガイド機構20は、ロッド16及びばね受け部18を、シリンダ12に対し該シリンダ12の軸線方向に沿う矢印A方向または矢印Aとは反対向きの矢印B方向にのみ変位可能に支持する構造とされている。
このガイド機構20におけるばね受け部18とシリンダ12との間には、弾性体としての金属製のコイルばね22が配設されている。本第1の実施形態では、コイルばね22は、一端部がばね受け18の矢印B側の面に係止されると共に、他端部がシリンダ12における矢印B側端部でリニアブッシュ14を保持している端部12Aに係止され、その内側にロッド16を挿通させた状態で配置されている。したがって、コイルばね22は、ロッド16がシリンダ12に対し矢印A側に変位すると伸長し、ロッド16がシリンダ12に対し矢印B側に変位すると圧縮されるようになっている。
また、シリンダ12における矢印A側の底部12Bからは、円筒状に形成されたリング支持部24が同軸的に突設されており、リング支持部24には該リング支持部24と略同軸同径とされた円筒状の鉄リング26が取り付けられている。この鉄リング26が本発明における「導体」、「磁性体」に相当する。なお、本第1の実施の形態では、シリンダ12(底部12B)は、鉄リング26と後述する磁石30とで形成する磁場に影響を与えないように、エンジニアリングプラスチック等の樹脂材またはジュラルミン等の非磁性金属材にて構成している。
さらに、ばね受け部18の矢印A側からは、2重円筒状の磁石保持部28が設けられている。磁石保持部28は、外径が鉄リング26の内径よりも若干小とされた円筒状の内側磁石保持部28Aと、内径が鉄リング26の外径よりも若干大とされた円筒状の外側磁石保持部28Bとがそれぞれ鉄リング26に対し同軸的に配置されて構成されている。
そして、磁石保持部28には、磁石30が固定的に取り付けられており、磁石30は、内側磁石30Aと外側磁石30Bとを有して構成されている。具体的には、内側磁石保持部28Aの先端には、これと略同軸同径の円筒状に形成された内側磁石30Aが固着されており、外側磁石保持部28Bの先端には、これと略同軸同径の外側磁石30Bが固着されている。図2にも示される如く、内側磁石30Aと外側磁石30Bとは、それぞれ軸線方向の両端に互いに異なる磁極を有する永久磁石とされており、互いの磁極が反対になる(反転する)ように配置されている。なお、磁石保持部28も、シリンダ12と同様に樹脂材または非鉄金属材にて構成されている。
内側磁石30Aと外側磁石30Bとは、互いに軸線方向の長さ(以下、高さという)が同じとされ、かつ矢印A側端及び矢印B側端の位置が互いに一致している。また、内側磁石30A及び外側磁石30Bは、それぞれの高さが鉄リング26の高さと一致しており、かつ高さ方向の中央部(磁極の境界部分)を鉄リング26の高さ方向の中央部に一致させる位置が中立位置とされている。本第1の実施形態では、磁石30の高さを10mmとしている。
以上説明した磁気複合ダンパ10では、鉄リング26と磁石30とが磁気ばね及び磁気ダンパをそれぞれ構成するようになっている。すなわち、磁気複合ダンパ10では、シリンダ12に対するロッド16の変位に伴って鉄リング26と磁石30との間に相対変位が生じると、渦電流損に基づく相対速度に比例する減衰力、及び鉄リング26と磁石30との磁気吸引力がそれぞれ作用する構成とされている。
また、磁気複合ダンパ10では、上記の如く配設されたコイルばね22の変位と、磁気ばね(鉄リング26に対する磁石30の変位)が一致するようになっている。すなわち、コイルばね22と磁気ばねとは並列ばねとされている。なお、コイルばね22と磁気ばねとの配置は、上記構成には限定されず、例えば、磁気ばねの廻りにコイルばね22を配置しても良く、磁気ばねとコイルばね22とを平行に配置しても良い。
(減衰力について)
磁石30と導体である鉄リング26との相対変位によって、内側磁石30Aと外側磁石30Bとの間いに形成された磁界を鉄リング26が横切ると、鉄リング26には電磁誘導によって誘導起電力Eが生じて渦電流Ieが流れる。この渦電流Ieと磁石30の磁界(磁束φ)とが作用して、鉄リング26と磁石30との間には、該鉄リング26と磁石30との相対変位方向とは反対向きの抵抗力Fdが作用する。この抵抗力Fdはリング26と磁石30との相対速度に比例するため、減衰力として作用する。
磁石30と導体である鉄リング26との相対変位によって、内側磁石30Aと外側磁石30Bとの間いに形成された磁界を鉄リング26が横切ると、鉄リング26には電磁誘導によって誘導起電力Eが生じて渦電流Ieが流れる。この渦電流Ieと磁石30の磁界(磁束φ)とが作用して、鉄リング26と磁石30との間には、該鉄リング26と磁石30との相対変位方向とは反対向きの抵抗力Fdが作用する。この抵抗力Fdはリング26と磁石30との相対速度に比例するため、減衰力として作用する。
具体的には、磁束をφ、磁石30と鉄リング26との相対変位をx、時間をtとすると、誘導起電力Eの大きさは、数式1にて示す如く表される。
また、鉄リング26の周方向の電気抵抗をRfeとすると、渦電流Ieは、数式2の如く表わすことができる。
そして、渦電流のエネルギ(=E・Ie)と鉄リング26が受ける抵抗による仕事とが等しいことから、上記抵抗力Fdは、数式3の如く表わすことができる。
この数式3から、抵抗力Fdは、磁石30と鉄リング26との相対速度(変位xの時間微分値)に比例する減衰力(粘性減衰力)として作用することがわかる。
ここで、図3は、高さHmが10mmである磁石30による磁束密度Bの相対変位x方向の分布B(x)を実測した結果を示す線図である。この図において、磁石30の鉄リング26に対する中立位置から矢印A側の変位を正、矢印B側の変位を負としている。そして、鉄リング26の高さ、内径、外径をそれぞれHf、rfi、rfoとすると、磁束φは、数式4の如く表わすことができる。
また、上記電気抵抗をRfeは、鉄の固有抵抗をρとして、数式5の如く表わすことができる。
したがって、図3の磁束密度Bの近似曲線B(x)を用いた数式4、及び数式5を数式3に代入することによって、抵抗力Fdを算出することが可能である。
(磁気吸引力について)
磁石30と強磁性体である鉄リング26との間に磁気吸引力Fsが作用する。磁気吸引力は、鉄リング26と磁石30との間の磁気エネルギ変化量と、吸引力による仕事とが等しくなるように発生する。したがって、磁気吸引力は、鉄リングの端面及び側面(内外周面)にそれぞれ発生するが、本第1の実施形態では、磁石30及び鉄リング26が軸対称に形成されているため、径方向の力が相殺されて軸方向の磁気吸引力Fsのみが作用する。
磁石30と強磁性体である鉄リング26との間に磁気吸引力Fsが作用する。磁気吸引力は、鉄リング26と磁石30との間の磁気エネルギ変化量と、吸引力による仕事とが等しくなるように発生する。したがって、磁気吸引力は、鉄リングの端面及び側面(内外周面)にそれぞれ発生するが、本第1の実施形態では、磁石30及び鉄リング26が軸対称に形成されているため、径方向の力が相殺されて軸方向の磁気吸引力Fsのみが作用する。
すなわち、磁気吸引力は、図4(A)に示される、鉄リング26における内側磁石30A、外側磁石30B間から突出した端面と、該内側磁石30A、外側磁石30Bの端面との間に働く成分Fsu、Fsb、及び、図4(B)に示される、鉄リング26における内側磁石30A、外側磁石30B間から突出した側面と、該内側磁石30A、外側磁石30Bの端面との間に働く成分Fssの和となる。
鉄リング26の矢印B側端面、矢印A側端面、側面に作用する吸引力をそれぞれFsu、Fsb、Fssとすると、磁気吸引力Fsは数式6に示す如く表され、真空の透磁率をμ0とすると、吸引力Fsu、Fsb、Fssは、それぞれ数式7乃至数式9に示される如く表される。
なお、x≧Hm/2、または0>x≧−Hm/2の範囲で、sgn(x)=1であり、Hm/2>x≧0、または−Hm/2>xの範囲で、sgn(x)=−1である。また、図5に示される如く、長さLiuは、鉄リング26における磁石30の高さ方向中央部よりも矢印B側部分と対向(オーバラップ)する長さであり、長さLibは、鉄リング26における磁石30の高さ方向中央部よりも矢印A側部分と対向する長さであり、長さLouは、鉄リング26における磁石30の矢印B側端部よりも矢印B側に突出して位置する部分の長さであり、長さLobは、鉄リング26における磁石30の矢印A側端部よりも矢印B側に突出して位置する部分の長さであり、それぞれ相対変位xの関数である。具体的には、長さLiu、Lib、Lou、Lobと変位xとの関係は、図6(A)に示す如くなる。なお、図5では、後述する鉄リング26Bを含め理解を容易にするために、鉄リング26を磁石30よりも高く描いている。
そして、図7(A)は、図3の磁束密度Bの近似曲線B(x)を用いて数式6(数式7乃至数式9)の計算を行なった結果であり、相対変位x(横軸)に対する磁気吸引力(縦軸)の関係を示している。なお、この計算では、0≦x≦5mmの範囲で磁束密度B(x)を直線近似し、x>5mmの範囲で磁束密度B(x)を指数関数で近似し、磁束密度B(x)が中立位置に対し対称であるとして、x<0の範囲については上記各近似関数を正負逆にして用いている。一方、図7(B)は、相対変位xに対する磁気吸引力の実測結果である。これらの図から、磁気吸引力の実測値と計算値とがほぼ一致することが判る。そして、これらの図に示す磁気吸引力の変位xに対する傾きが、磁石30と鉄リング26とで構成される磁気ばねのばね定数である。
(不感帯について)
磁石30と鉄リング26とで構成され上記図7に示す特性を有する磁気ばねと、金属ばねであるコイルばね22とを組み合わせることにより、相対変位xに対するばね力の変化が他の領域よりも小さくなる不感帯が生成される。
磁石30と鉄リング26とで構成され上記図7に示す特性を有する磁気ばねと、金属ばねであるコイルばね22とを組み合わせることにより、相対変位xに対するばね力の変化が他の領域よりも小さくなる不感帯が生成される。
具体的には、図8に示される如く、変位に対し線形であるコイルばね22の復元力(一点鎖線参照)と、上記の通り非線形である磁気ばねの磁気吸引力(破線参照)とを重ね合わせた復元力は、静的には実線にて示される特性となり、変位(絶対値)の増加に対する復元力の増加幅、すなわち、ばね定数が他の変位量域のばね定数よりも小さくなる不感帯が形成される。本第1の実施形態では、変位xの正負とも略1mm乃至6mmの範囲、略11mm乃至14mmの範囲に不感帯が生成されることがわかる。
以上説明した磁気複合ダンパ10は、例えば、自動車等のエンジンとフレーム等との間、洗濯機のドラムとボディとの間、装置や構造物、建築物等とこれらの基礎との間に配置されて防振装置として適用されたり、振動体と補助質量との間に配置されて動吸振器として適用されたりする。そして、上記の如く、磁気複合ダンパ10は、不感帯を形成することにより、同じ固有振度数を与える単なる線形ばねを有する構成と比較して、振動遮断性(伝達荷重の低減等)が良好となる。
(加振実験結果・数値計算結果)
次に、上記構成の磁気複合ダンパを用いた加振実験結果、及び数値計算結果を示す。
次に、上記構成の磁気複合ダンパを用いた加振実験結果、及び数値計算結果を示す。
図9乃至図11は、ロッド16のシリンダ12外に位置する端部に質量要素としての錘を取り付け、シリンダ12に矢印A、B方向の周期的な変位を与えた場合の錘(ロッド16)の応答変位と荷重との関係を示すリサージュ曲線である。
図9は、加振周波数を5Hzとした場合のリサージュ曲線であり、(A)は加振振幅1mmの場合の実測結果、(B)は加振振幅2mmの場合の実測結果、(C)は加振振幅3mmの場合の実測結果、(D)は加振振幅1mmの場合の計算結果、(E)は加振振幅2mmの場合の計算結果、(F)は加振振幅3mmの場合の計算結果をそれぞれ示している。また、図10は、加振周波数を10Hzとした場合のリサージュ曲線であり、(A)は加振振幅1mmの場合の実測結果、(B)は加振振幅2mmの場合の実測結果、(C)は加振振幅3mmの場合の実測結果、(D)は加振振幅4mmの場合の実測結果、(E)は加振振幅1mmの場合の計算結果、(F)は加振振幅2mmの場合の計算結果、(G)は加振振幅3mmの場合の計算結果、(H)は加振振幅4mmの場合の計算結果をそれぞれ示している。さらに、図11は、加振周波数を20Hzとした場合のリサージュ曲線であり、(A)は加振振幅1mmの場合の実測結果、(B)は加振振幅2mmの場合の実測結果、(C)は加振振幅3mmの場合の実測結果、(D)は加振振幅1mmの場合の計算結果、(E)は加振振幅2mmの場合の計算結果、(F)は加振振幅3mmの場合の計算結果をそれぞれ示している。
これらの図から、振動(動的)状態において、実験結果と計算結果とが良く一致し、また加振周波数、加振振幅に依存することなく、ほぼ一定の位置(変位領域)に不感帯が生じることが判る。また、この不感帯が生じる位置は、上記図8に示す静特性における不感帯の生成位置にほぼ一致することが判る。
また、磁気複合ダンパ10の減衰力については、殆どがリニアブッシュ14とロッド16との摩擦によるものと推定され、磁石30と鉄リング26とで構成する磁気ダンパによる減衰力は比較的小さいことが判る。なお、数値計算の結果から、磁石30と鉄リング26とで構成される磁気ダンパによる減衰(損失エネルギ)は、磁石30と鉄リング26との相対速度(振動速度)が大きいほど大きくなることが確かめられている。
(鉄リングの位置、高さの変更)
次に、鉄リング26に対する磁石30の中立位置(上記長さLiu、Lib、Lou、Lob)を変更した場合、鉄リング26の高さHfを変更した場合について説明する。図12(A)には、ばね受け部18と磁石保持部28との間にスペーサ32を配置して磁石30の鉄リング26に対する中立位置を矢印B側に8mmオフセットした磁気複合ダンパ10が示されている。図12(B)には、鉄リング26の高さHfを20mmとし、その高さ方向中央部に磁石30の高さ方向中央部を一致させた位置が中立位置とされた磁気複合ダンパ10が示されている。図12(C)には、図12(B)の磁気複合ダンパにスペーサ32を設け、中立位置を矢印B側に8mmオフセットした磁気複合ダンパ10が示されている。
次に、鉄リング26に対する磁石30の中立位置(上記長さLiu、Lib、Lou、Lob)を変更した場合、鉄リング26の高さHfを変更した場合について説明する。図12(A)には、ばね受け部18と磁石保持部28との間にスペーサ32を配置して磁石30の鉄リング26に対する中立位置を矢印B側に8mmオフセットした磁気複合ダンパ10が示されている。図12(B)には、鉄リング26の高さHfを20mmとし、その高さ方向中央部に磁石30の高さ方向中央部を一致させた位置が中立位置とされた磁気複合ダンパ10が示されている。図12(C)には、図12(B)の磁気複合ダンパにスペーサ32を設け、中立位置を矢印B側に8mmオフセットした磁気複合ダンパ10が示されている。
以下の説明で各構成の磁気複合ダンパ10を区別する場合には、図1に示す磁気複合ダンパ10を磁気複合ダンパ10A、図12(A)に示す磁気複合ダンパ10を磁気複合ダンパ10B、図12(B)に示す磁気複合ダンパ10を磁気複合ダンパ10C、図12(C)に示す磁気複合ダンパ10を磁気複合ダンパ10Dということとする。また、鉄リング26を区別する場合には、長さ10mmの鉄リング26を鉄リング26A、長さ20mmの鉄リング26を鉄リング26Bということとする。
図13乃至図15は、磁気複合ダンパ10Bの加振実験結果及び数値計算結果を示しており、その条件は磁気複合ダンパ10Aの加振実験結果及び数値計算結果を示す図9乃至図11に対応している。また、図16乃至図18は、磁気複合ダンパ10Cの加振実験結果及び数値計算結果を示しており、その条件は磁気複合ダンパ10Aの加振実験結果及び数値計算結果を示す図9乃至図11に対応している。さらに、図19乃至図21は、磁気複合ダンパ10Dの加振実験結果及び数値計算結果を示しており、その条件は磁気複合ダンパ10Aの加振実験結果及び数値計算結果を示す図9乃至図11に対応している。但し、磁気複合ダンパ10Dでは、加振周波数5Hzにおける加振振幅3mmでの計測が不能であったことから、図19(C)、(D)では、加振周波数8Hzにおける加振振幅3mm、4mmの実験結果を示し、図19(G)、(H)では同条件の数値計算結果を示している。したがって、図19(E)、(F)が5Hzの加振における図19(A)、(B)の実験結果に対応する数値計算結果である。
なお、各磁気複合ダンパ10の数値計算には、図3の磁束密度Bの近似曲線B(x)を用いている。また、磁気複合ダンパ10Bの計算における長さLiu、Lib、Lou、Lobは、図6(A)に示す変位xとの関係を8mmオフセットして用い、磁気複合ダンパ10Cおける長さLiu、Lib、Lou、Lobは、図6(B)に示す変位xとの関係を用い、磁気複合ダンパ10Dの計算における長さLiu、Lib、Lou、Lobは、図6(B)に示す変位xとの関係を8mmオフセットして用いている。
図13乃至図15から、磁気複合ダンパ10Bでは、不感帯の位置が加振周波数、加振振幅に依存することなく、ほぼ一定の位置(変位領域)に不感帯が生じることが判る。また、不感帯の生じる位置は、実験結果では−7mm<x<−2mm、3mm<x<7mmの範囲であり、数値計算結果では3mm<x<7mmであり、磁気複合ダンパ10Aにおける不感帯の生じる位置からずれていることが判る。
また、図16乃至図18から、磁気複合ダンパ10Cでは、不感帯の位置が加振周波数、加振振幅に依存することなく、ほぼ一定の位置(変位領域)に不感帯が生じることが判る。また、不感帯の生じる位置は、実験結果では3mm<x<8mmの範囲であり、数値計算結果では3mm<x<7mmであり、磁気複合ダンパ10Aにおける不感帯の生じる位置からずれている。これらの図からは、鉄リング26Aよりも高さHfが大きい鉄リング26Bを用いることにより、減衰力(磁気抵抗力Fd)が大きくなることも判る。これは、渦電流の流れる面積が大きくなるためであると考えられる。
さらに、図19乃至図21から、磁気複合ダンパ10Dでは、不感帯の位置が加振周波数、加振振幅に依存することなく、ほぼ一定の位置(変位領域)に不感帯が生じることが判る。また、不感帯の生じる位置は、実験結果では−3mm<x<−8mmの範囲であり、数値計算結果では−6mm<x<−1mmであり、磁気複合ダンパ10A、10Cにおける不感帯の生じる位置からずれている。
以上により、上記各磁気複合ダンパ10では、不感帯の幅(変位xの範囲)は略5mmであり、これは磁石30の高さHm(=20mm)の半分であると考えられる。また、上記結果から不感帯が生じる位置は、磁石30の端面が鉄リング26の端面に並ぶ位置から、磁石30の高さ方向中央部が鉄リング26の端面に並ぶ位置までの範囲にほぼ一致することが判る。したがって、磁石30の高さと、鉄リング26の端面に対する磁石30の中立位置をパラメータとして、所望の幅を有する不感帯を所望の位置に生じさせることができる。また、実験結果と計算結果とがほぼ一致することから、不感体の位置及び幅を計算によって設計することができる。
ここで、不感帯を生じさせる条件は、コイルばね22のばね定数Kと磁気ばねのばね定数(吸引力の傾き、すなわち、数式6の変位xによる微分)との和が0になること、すなわち、以下の数式10を満たすことである。
なお、B’(x)は、磁束密度分布B(x)を変位xで微分したものであり、c1(x)、c2(x)、c3(x)、c4(x)は、それぞれ以下の数式11乃至14に示す通りである。
これにより、渦電流損による抵抗力Fdよりも磁気吸引力Fsが十分に大きい場合の不感帯の設計が可能となる。具体的には、図22に示すフローチャートにしたがって説明すると、先ず、ステップ40にて不感帯の幅を決定し、ステップ42では磁石30の高さHmを俯瞰帯の幅の2倍に設定する。次いで、ステップ44にて不感帯の位置を決定し、ステップ46では上記決定した不感帯位置に合わせて磁石30の鉄リング26に対する中立位置(x=0のときのLou、Lob)を決める。また、ステップ48にて磁気複合ダンパ10が適用される振動系に応じたコイルばね22のばね定数を決める。ステップ48は、ステップ46の後に行なわれる必要はない。そして、ステップ50にて、数式10を用いて鉄リング26の高さHfを決定する。このように、本磁気複合ダンパ10の設計方法では、所望の幅を有する不感帯を所望の位置に生じさせることができる。
以上説明した磁気複合ダンパ10は、磁石30と鉄リング26との相対変位によって、磁気吸引力に基づくばね力と、渦電流損に基づく減衰力とが作用するため、換言すれば、単なる磁石と磁性体との相対変位によってばね要素と減衰要素とが構成されるため、非接触でばね力及び減衰力を共に発生する機能を簡単な構造で実現することができる。すなわち、経年劣化の影響が少なく、温度変化等の周囲環境に鈍感な磁気複合ダンパ10を、従来の如く磁気ばねを相対変位する磁石同士で構成すると共に磁気ダンパを相対変位する磁石と非磁性導体とで構成するダンパ(吸振器)と比較して、簡単な構造で実現している。また、磁気複合ダンパ10は、適用される振動系に応じて減衰を大きくするためには、磁石30の高さHmに対し鉄リング26の高さHfを大きくすることが有効である。
さらに、磁気複合ダンパ10では、金属ばねであるコイルばね22を磁石30と鉄リング26とで構成される磁気ばねとの並列ばねとして設けているため、変位に対する荷重変化が他の変位領域よりも小さい、すなわち他の領域よりもばね定数が小さい不感帯が生成される。そして、鉄リング26の端面と磁石30との位置に応じて不感帯が生成されるため、この不感帯を複数の変位量域に生成することができる。しかも、磁石30の高さHmと鉄リング26との相対位置に応じて不感帯を所望の位置に生成することができる。以上により、磁気複合ダンパ10が適用されて形成する振動系に応じて、特定の振幅範囲で伝達荷重を低減する特性を容易に設定することが可能である。
このように、本第1の実施形態に係る磁気複合ダンパ10では、非接触でばね力及び減衰力を発生する機能を実現することができ、設計の自由度が高い。
また、磁気ばねと組み合わされる弾性体として金属ばねであるコイルばね22を用いているため、換言すれば、弾性体の線系正が高いため、不感帯の設計が容易である。また、ゴム等の弾性体と比較すると、経年劣化や周囲環境による特性変化が小さく、信頼性が高い。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る磁気複合ダンパ60について図23乃至図26に基づいて説明する。なお、上記第1の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る磁気複合ダンパ60について図23乃至図26に基づいて説明する。なお、上記第1の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図23には、磁気複合ダンパ60の概略全体構成が断面図にて示されている。この図に示されるごとく、磁気複合ダンパ60は、磁石30と鉄リング26とで構成される磁気ダンパに加え、磁気ダンパ62を備える点で磁気複合ダンパ10とは異なる。
磁気ダンパ62は、円筒状に形成された導体(誘電体)リング64と、磁石群66とで構成されている。本第2の実施形態では、導体リング64はシリンダ12の端部12Aに同軸的に固着されている。また、磁石群66は、ばね受け部18の矢印A側に固着された二重円筒状の磁石保持部68に保持されている。磁石保持部68は、樹脂またはジュラルミン等の非磁性材にて構成されている。
図24及び図25に示される如く、磁石群66は、導体リング64の内周面と対向する内側磁石群70と、導体リング64の外周面と対向する外側磁石群72とで構成されている。内側磁石群70は、導体リング64の周方向及び軸線方向に沿って円筒をそれぞれ2分割した如く形成された平面視円弧状の計4つの内側磁石70Aにて構成されている。各内側磁石70Aは、それぞれ内外周面で(径方向に)異なる磁極を有する永久磁石とされており、周方向、軸線方向に隣り合う内側磁石70Aとは磁極が反転されて配置されている。
一方、外側磁石群72は、導体リング64の周方向及び軸線方向に沿って円筒をそれぞれ2分割した如く形成された平面視円弧状の計4つの外側磁石72Aにて構成されている。各外側磁石72Aは、それぞれ内外周面で(径方向に)異なる磁極を有する永久磁石とされており、周方向及び軸線方向の各縁部の位置が対応する内側磁石70Aの周方向及び軸線方向の略縁部に一致するように、形成、配置されている。すなわち、計4対の内側磁石70Aと外側磁石72Aとが、それぞれ導体リング64の所定の領域を挟むように(非接触で)位置している。また、各対の内側磁石70Aと外側磁石72Aとは、互いに磁極が反転されている。
以上により、磁気ダンパ62は、多段反転磁気ダンパとして構成されている。この磁気ダンパ62では、導体リング64(シリンダ12)と磁石群66(ロッド16)との相対変位によって渦電流が生じるが、周方向、軸線方向に隣り合う磁石対(内側磁石70Aと外側磁石72Aとで構成する磁石対)の磁極が反転しているため、磁石直下で渦電流の向きも反転し、ローレンツ力が増大する。これにより、磁気ダンパ62が発生する減衰力が大きくなる。
ここで、磁気ダンパ62による減衰係数Cは、磁極表面から1mmの位置での磁束密度をB1と仮定すると、磁石の配置によって決まる無次元減衰係数をC0、導体リング64の厚みをt、内外の磁石70A、72Aの高さをα、周方向に隣り合う磁石70A、72Aの周長の和をβとして、数式15で表される。
無次元減衰係数をC0については、その算出方法が公知(非特許文献2参照)であるため説明を省略するが、上記磁石群66の配置では、C0=3.69となることが知られている。例えば、導体リング64を強磁性体である鉄にて構成し、その内外径をそれぞれ18mm、28mmとし、内側磁石70Aを高さ10mm、外径17mmとし、外側磁石72Aを高さ10mm、内径29mmとした場合における減衰係数Cの算出を試みる。ここで、導体リング64を磁石群66に対し十分に高くし、その高さを無限であるとみなすと、磁束密度B1を一定として、減衰係数Cを容易に算出することができる。この磁束密度B1を0.45[T](図3における最大値に相当)とすると、C=57.46[Ns/m]となる。これは、磁気複合ダンパ10の減衰係数の略10倍の値である。また、上記仮定のもとでは、この減衰係数Cは、振動速度に対し一定の値となる。
図26は、磁気複合ダンパ60の代表的なリサージュ曲線(数値計算結果)を示している。計算条件は、磁気複合ダンパ10Aに磁気ダンパ62を付加した磁気複合ダンパ60において、加振周波数5Hz、加振振幅2mmとしている。なお、図26には、比較のために、同条件の磁気複合ダンパ10Aのリサージュ曲線(図9(E)に相当)を一点鎖線にて示している。これらのリサージュ曲線から、磁気複合ダンパ60では、磁気複合ダンパと比較して減衰能が大幅に向上することが判る。
本第2の実施形態に係る磁気複合ダンパ60では、振動速度が小さい低周波数領域や小振幅の領域でも大きな減衰を得ることができる。
なお、磁気ダンパ62がばね特性、特に不感帯の幅や位置に影響を与えないように、導体リング64を非磁性または弱磁性の導体にて構成することも可能である。また、磁気ダンパ62では、変位によらず略一定の減衰係数が得られる構成としたが、減衰に振幅依存性を持たせたい場合には、例えば、磁力の異なる複数の磁石を変位方向に沿って配置し、所定の振幅範囲内では導体リング64が磁束密度の低い領域内でのみ振動し、該所定の振幅を超えると導体リング64が磁束密度の高い領域内に入る構成とすることもできる。この構成では、所定の振幅以上で減衰が大きくなる磁気複合ダンパ60が実現される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る磁気複合ダンパ80について図27に基づいて説明する。なお、上記第1または第2の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1または第2の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る磁気複合ダンパ80について図27に基づいて説明する。なお、上記第1または第2の実施形態と基本的に同一の部品・部分については、上記第1または第2の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図27には、磁気複合ダンパ80が断面図にて示されている。この図に示される如く、磁気複合ダンパ80は、鉄リング26(リング支持部24)、磁石30(磁石保持部28)に代えて、磁気ダンパ62が設けられている点で、磁気複合ダンパ10、60とは異なる。すなわち、磁気複合ダンパ80では、磁気ダンパ62が磁気ばねの機能を果たすようになっている。
磁気複合ダンパ80では、導体リング64は強磁性体(本第3の実施形態では鉄)にて構成されており、シリンダ12の底部12Bに固着されている。一方、磁石群66は、ばね受け部18の矢印A側に固着された磁石保持部68に保持されている。導体リング64が強磁性体にて構成されていることにより、上記第2の実施形態で説明した通り大きな減衰を得る機能を維持しつつ、該導体リング64と磁石群66との間には磁気吸引力が作用する。
ここで、磁気ダンパ62がコイルばね22との組み合わせで不感帯を生成するためには、少なくとも軸線方向の一方側(矢印A側または矢印B側)の内側磁石70A、外側磁石72Aの端面が、導体リング64との相対変位に伴って該導体リング64の端面を通過するように配置される必要がある。すなわち、磁束密度Bが急激に変化する変位xの領域が存在する(例えば、磁束密度Bが変位xに対し極値を有する)必要がある。このため、本第3の実施形態では、軸線方向に二段配置された磁石群66における矢印B側の内側磁石70A、外側磁石72Aが主に不感帯を生成し、矢印A側の内側磁石70A、外側磁石72Aが主に減衰力を発生するように配置されている。この場合、減衰は、第2の実施形態における減衰よりも小さくなるが、矢印A側の磁石をさらに複数段に分割したり、導体リング64を延伸すると共に磁石群66を構成する磁石数を増加することで大きな減衰を得るようにすることができる。また、主に不感帯を生成する矢印B側の内側磁石70A、外側磁石72Aは、磁石30と同様に軸線方向の両端に異なる磁極を有する磁石とすることが望ましい。
本第3の実施形態に係る磁気複合ダンパ80では、コイルばねとの組み合わせで不感帯を生成する磁気ばねと、大きな減衰を得る多段反転磁気ダンパとが、強磁性体である導体リング64と磁石群66とで成る磁気ダンパ62にて一体に構成されているため、簡単な構造でありながら不感帯及び大きな減衰を共に実現する磁気複合ダンパ80が得られる。
なお、上記の各実施形態では、磁気複合ダンパ10、60、80がシリンダ12とロッド16とを主要構成要素とするガイド機構20を備えた構成としたが、本発明は、ガイド機構の有無や構成によって限定されることはない。したがって、磁気複合ダンパ10等は、直線方向の振動抑制に適用される構成に限定されることもなく、例えば、磁石30、磁石群66と鉄リング26、導体リング64との相対変位方向を回転方向とすることで、回転振動を防止または抑制する用途に適用されても良い。
また、上記各実施形態では、磁石30、磁石群66、鉄リング26、導体リング64が円筒状に形成されるか、全体として円筒状に配置された構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、磁石30、磁石群66、鉄リング26、導体リング64を平板状に形成しても良く、その他任意の形状に形成することができる。
さらに、上記各実施形態では、磁石30、磁石群66を構成する磁石が全て永久磁石である構成としたが、本発明はこれに限定されず、磁石30、磁石群66を構成する磁石の一部または全部を電磁石としても良い。この場合、電磁石への給電電流を制御することで、ばね特性及び減衰特性の一方または双方を変更可能なセミアクティブダンパとすることも可能である。
10 磁気複合ダンパ
22 コイルばね(弾性体)
26 鉄リング(磁性体、導体、磁気ばね、磁気ダンパ)
30 磁石(磁気ばね、磁気ダンパ)
60 磁気複合ダンパ
62 磁気ダンパ(磁気ばね)
64 導体リング(導体、磁性体)
66 磁石群(磁石、磁石対)
70 内側磁石群(磁石、磁石対)
72 外側磁石群(磁石、磁石対)
80 磁気複合ダンパ
22 コイルばね(弾性体)
26 鉄リング(磁性体、導体、磁気ばね、磁気ダンパ)
30 磁石(磁気ばね、磁気ダンパ)
60 磁気複合ダンパ
62 磁気ダンパ(磁気ばね)
64 導体リング(導体、磁性体)
66 磁石群(磁石、磁石対)
70 内側磁石群(磁石、磁石対)
72 外側磁石群(磁石、磁石対)
80 磁気複合ダンパ
Claims (5)
- 磁石と磁性体とを相対変位させることで、相対変位に応じた磁気吸引力及び相対速度に応じた減衰力を共に生じさせる磁気複合ダンパ。
- 磁石と磁性体との相対変位に応じた磁気吸引力を生じる磁気ばねと、
前記磁気ばねと同じだけ変位するように設けられた弾性体と、
磁石と導体との相対変位によって生じる渦電流損に基づく減衰力を生じる磁気ダンパと、
を備えた磁気複合ダンパ。 - 前記磁気ダンパは、前記導体を挟むように配置され互いに磁極の異なる磁石対を、該導体との相対変位方向に隣り合う磁石の磁極が反転するように複数配置して構成されている請求項2記載の磁気複合ダンパ。
- 前記磁気ダンパを構成する導体を磁性体にて構成し、該磁気ダンパを前記磁気ばねと一体化した請求項2または請求項3記載の磁気複合ダンパ。
- 前記弾性体を金属ばねとした請求項2乃至請求項4の何れか1項記載の磁気複合ダンパ。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102011828A (zh) * | 2010-12-07 | 2011-04-13 | 哈尔滨工业大学 | 混合励磁直线电磁阻尼器 |
KR101499886B1 (ko) * | 2013-10-24 | 2015-03-12 | 주식회사 브이테크 | 영구자석 댐퍼 및 이를 가지는 동조 질량 감쇠기 |
CN107061587A (zh) * | 2017-05-24 | 2017-08-18 | 南京理工大学 | 一种双层永磁体型轴向电涡流制退复进装置 |
CN112664600A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-16 | 湖南大学 | 一种电涡流阻尼装置及其安装方法 |
-
2004
- 2004-06-02 JP JP2004164482A patent/JP2005344810A/ja active Pending
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