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JP2005330246A - 膨潤性ヒドロゲルマトリックスを含む医薬組成物 - Google Patents

膨潤性ヒドロゲルマトリックスを含む医薬組成物 Download PDF

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Mariko Morishita
真莉子 森下
Kozo Takayama
幸三 高山
Keiji Watanabe
恵史 渡辺
Takao Aoki
孝夫 青木
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】生理活性タンパク質、特にインターフェロンについて、患者のQOL向上に望ましい経口投与を可能とすること。
【解決手段】膨潤性ヒドロゲルマトリックスと薬効成分としてインターフェロンまたは生理活性タンパク質因子を含む医薬組成物であって、前記ヒドロゲルマトリックスがメタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートとのコポリマーを含んでなる医薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はインターフェロンや生理活性タンパク質因子(各種増殖因子、サイトカイン類、例えばエリスロポエチン、G-CSF、HGF, EGF, VEGF, FGF, TNFa, インターロイキンなど)を経口投与により脊椎動物の腸にデリバリーし、腸管吸収させるための膨潤性ヒドロゲルマトリックスを含む組成物に関する。
これまでに、ペプチドやタンパク質からなるいくつかの生理活性物質が臨床現場に登場し、顕著な治療効果を示している。しかしながら、現在その投与方法は注射剤に限られている。これは、ペプチドやタンパク質は経口投与をした際には、胃腸管に存在するプロテアーゼにより分解を受けること、また、分子量が大きいため腸管からの吸収が困難な2点が原因として考えられている。現在のところ、タンパク質に比べ分子量が小さいペプチド製剤(インシュリン、カルシトニンなど)に関しては経口・経肺・経鼻などの非注射剤が検討されている。
とくに、本発明者らによるポリエチレングリコール グラフト化ポリメタクリル酸(P(MAA-g-EG))は、(1)優れた放出制御能力、(2)蛋白分解酵素阻害作用、(3)吸収促進作用、および(4)粘膜付着性作用をすべて有する剤形であり、インスリン経口デリバリー製剤として有望であることが報告されている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。
しかしながら、製品として臨床現場で使用されているものは皆無である。さらに、ペプチド製剤に比べ分子量の大きい例えば分子量1万以上の生理活性タンパク質の経口吸収に関しては未だに実験レベルでも成功例はほとんど報告されていない。
特表2002−512607 森下真莉子(Mariko Morishita)ら、外4名、ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース(Journal of controlled release)、2002年、第81巻、p.25−32 アンソニー・エム・ローマン(Anthony M. Lowman)ら、外4名、ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンスイズ(Journal of pharmaceutical sciences)、1999年、第88巻、第9号、p.933−937
本発明においては、これまで、経口投与にはほとんど成功しておらず臨床現場で多くの患者に注射製剤として投与されている生理活性タンパク質、特にインターフェロン(α、β、γ)や、生理活性タンパク質因子(各種増殖因子、サイトカインーex.エリスロポエチン、G-CSF、HGF, EGF, VEGF, FGF, TNFa, インターロイキンなど)について、患者のQOL向上に望ましい経口投与を可能とすることを課題とするもので、そのための製剤の提供を目的とする。
上記課題を克服するために、本発明者らは、膨潤性ヒドロゲルと医薬品として使用されている不安定なタンパク質を組み合わせた組成物について検討し、本発明に至った。ここに用いられる不安定なタンパク質とは、低pHやタンパク分解酵素により生理活性を失う医薬品として用いられるタンパク質、とくにインターフェロン(α、β、γ)、生理活性タンパク質因子(各種増殖因子、サイトカインーex.エリスロポエチン、G-CSF、HGF, EGF, VEGF, FGF, TNFa, インターロイキンなど)などを含む。
膨潤性ヒドロゲルとしては、特許文献1に開示されるように、メタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレート(又はモノアクリレート)とのコポリマーを含むものであり、実質的膨張を起こさずに胃を通過し、小腸に局在化し、そこで膨潤し同時にその内容物を放出するヒドロゲルである。すなわち酸性条件にさらされる際、ポリメタクリレート基とペンダントポリ(アルキレングリコール)基との間の水素結合により、一時的物理的架橋を形成する。これらの架橋は可逆的であり、環境のpH及びイオン強度に依存し、塩基性溶液では封入物を放出する。
従って、本ヒドロゲルにタンパク質を封入することによって、低pHの胃内において、内容物を保護し、さらに腸内でヒドロゲルが膨潤することによってタンパク質を放出し、生体に吸収させることが出来る。従って、このヒドロゲルを酵素に感受性を持ち、腸管吸収が極めて困難である生理活性タンパク質を経口化するための担体として用いることにより、ペプチド製剤に比べ分子量の大きい生理活性タンパク質においても経口吸収が可能となった。
本発明により、ペプチド製剤に比べ分子量の大きい生理活性タンパク質(特にインターフェロンや)の経口吸収が可能となり、従来の注射による投与法に比べ、簡便で患者に優しい薬物治療が可能となる。
本発明において、膨潤性ヒドロゲルマトリックスはポリメタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートを含むコポリマーからなる。
膨潤性ヒドロゲルマトリックスは、好適にはメタクリル酸およびポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートを共重合することによって合成される。さらに好ましくは、架橋剤を共存させた架橋ポリマーとすることが望ましい。上記架橋剤は、テトラエチレングリコール ジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ジエチレン ジメタクリレート、トリエチレン ジメタクリレート、テトラエチレン ジメタクリレート、ペンタエチレン ジメタクリレート、これらに対応するジアクリレート類、またはメタクリレート、アクリレートまたはメチレン ビス−アクリルアミド基を含むスターポリマー等、公知の種々様々の生体適合性架橋剤から選択できる。重合は、公知の有機ペルオキシド類またはUVラジカル開始剤を含む熱開始剤のような、遊離ラジカル開始剤で開始する。
本発明において、“ポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレート”は、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)モノメタクリレートおよびポリ(エチレン/プロピレングリコール)モノメタクリレートを含む。この際ポリ(エチレン/プロピレングリコール)モノメタクリレートはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物の、ヒドロキシ官能性メタクリレートで開始する重合によって生成するポリマーである。生成したペンダントポリ(アルキレングリコール)基は分子量範囲約200ないし約4000、より典型的には約200ないし約2000を有し、さらに好ましくは約200ないし約1200である。メタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレート(またはモノアクリレート)モノマーとのモル比は約4:1ないし約1:4が好ましい。
膨潤性ヒドロゲルマトリックスとしては、テトラエチレングリコールジメタクリレートで架橋されたメタクリル酸とポリ(エチレングリコール)モノメタクリレートとのポリマー“P(MAA−g−EG)ヒドロゲル”が特に好ましい。上記ポリマーの製造において、分子量約200ないし約2000、より典型的には約200ないし約1200を有するポリ(エチレングリコール)モノメタクリレートはメタクリル酸およびテトラエチレングリコール ジメタクリレートと共重合する。メタクリル酸およびポリ(エチレングリコール)モノメタクリレートモノマー類のモル比は約4:1から約1:4の範囲である。メタクリル酸およびポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート モノマー類のモル比は約1:1である。架橋剤は約0.25ないし約10.00モル%、より好適には約0.25ないし約1.00モル%、そして一実施態様では約0.75モル%が加えられる。
膨潤性ヒドロゲルマトリックスに薬効成分としてインターフェロンまたは生理活性タンパク質因子を担持する方法はとくに限定されるものではなく、例えば微粒子状とした膨潤性ヒドロゲルマトリックスとインターフェロンまたは生理活性タンパク質因子の溶液または懸濁液を共存させ、液のpHを調整することでヒドロゲルマトリックス中へタンパク質を包含できる。例えば、P(MAA−g−EG)ヒドロゲルは粒子の直径が約1μmから約500μmまで、より好適には直径約100ないし200μmの範囲の微小粒子とする。このようなヒドロゲル微小粒子は、重合マトリックスを形成し、上記マトリックスを磨砕して所望平均粒度のヒドロゲル粒子を形成するという方法で形成されるが、その方法に限定されるものでは無い。ヒドロゲル微小粒子は、薬効成分を担持し、懸濁液とするほか、標準的錠剤またはカプセル形にすることができる。ヒドロゲルマトリックス内もしくはヒドロゲルマトリックスと共存して、プロテアーゼインヒビター、薬物学的に容認される担体、安定剤および公知の生体適合性フィラーも含むことができる。
本発明に用いられるインターフェロンはα、β、γ、コンセンサスあるいはハイブリッド型のいずれでも良く、また由来も天然型、遺伝子組換え型あるいは化学合成型のいずれでも良い。好ましくは遺伝子組換え型インターフェロンβおよび天然型インターフェロンβが用いられ、天然型インターフェロンβが最も好ましく用いられる。これらのインターフェロン自体は公知であり、公知の方法により製造することもできるし、市販もされているので市販品を利用することもできる。
遺伝子組換え型技術を利用してインターフェロンを調製する場合には、宿主細胞として、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、マウスC127細胞などの哺乳動物細胞、カイコ、夜盗蛾などの昆虫細胞、大腸菌、枯草菌、酵母などの微生物などを用いることができる。さらに、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシなどを用いることができる。このようにして調製されたインターフェロンは、原料となる細胞培養上清、虫体抽出液、菌抽出液、生体抽出液から種々のクロマトグラフィーにより、精製分離することができる。用いるクロマトグラフィーはインターフェロンに親和性を有するものであればいずれでも良いが、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)やリン酸カルシウム、金属キレートカラム、イオン交換カラム、ゲル濾過カラムなどである。
一方、天然型インターフェロンβを調整する場合には、通常ガラスもしくはプラスチックなどの表面、またはDEAE化デキストランのマイクロキャリアー表面上などで培養されたインターフェロンβ産生細胞を、例えば、Poly I:Cのような合成二本鎖RNAによる誘発処理と、続いて行う超誘発処理(例えばシクロヘキシミドとアクチノマイシンDの組合せによる代謝阻害法または紫外線照射法など)に付した後、細胞を培養液中に20〜48時間培養することにより、この培養液中に産生され、インターフェロンβを含有する産生液として取得される。
このようにして得られた産生液中のインターフェロンβは、一般的に低濃度であり、この産生液にはインターフェロンβの他に細胞由来または添加物由来の多くの夾雑物を含んでいるので、医療に用いるにはインターフェロンβを濃縮精製することが必要である。インターフェロンβの濃縮精製法としては、特に限定されないが、ブルー色素を結合させた不溶性担体および金属キレート基結合担体を用いるクロマトグラフィーによる方法が好ましい。すなわち、粗インターフェロンβ含有液を、ブルー色素を結合させた不溶性担体と接触させた後、溶出液を用いて該インターフェロンβを溶液として回収し、ついでこのインターフェロンβ溶液を亜鉛などの金属をキレート化させたキレート基結合担体に接触させた後、溶出液を用いて回収し、濃縮精製されたインターフェロンβを得るという方法である。
本発明において、生理活性タンパク質因子としてはとくに限定されるものではないが、各種増殖因子、サイトカイン類、例えばエリスロポエチン、G-CSF、HGF, EGF, VEGF, FGF, TNFa, インターロイキンなどをいう。
本発明において、安定化剤としてヒト血清アルブミン、ヒト免疫グロブリン、α2マクログロブリン、アミノ酸などを添加することができ、また分散剤あるいは吸収促進剤としてインターフェロンの生理活性を損なわない範囲でアルコール、糖アルコール、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを添加することができる。また、微量金属や有機酸塩も必要に応じて加えることができる。
経口投与のための剤型としては、とくに限定されるものではなく、ハードカプセル、ソフトカプセル、腸溶カプセルなどのカプセル剤や、そのほか錠剤、丸剤、、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。かかる剤型は、自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、ラクトース、マルトース、サッカロース、澱粉、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものでない。
実施例1
ヒドロゲルの調製
以下の実施例で用いたヒドロゲルは、非特許文献2に記載の方法により調製した。すなわち、メタクリル酸(以下MAA)とポリエチレングリコールモノメタクリレート(以下PEGMA)を1:1の混合比で重合剤TEGDMA(0.0.5mol/MAA)、AIBN(0.5%), DMS (1%)存在下、窒素置換した水溶液中に溶解する。この溶液をシリコン油中において攪拌しつつ、70℃で2時間、さらに90℃で2時間反応させ、重合化を行う。温度を37℃まで下げたのち、精製したヒドロゲルポリマーを洗浄し、減圧乾燥する。
実施例2
ヒドロゲルによるインターフェロンβの包含
1.5mlエッペンドルフチューブに3.5mgのヒドロゲルをいれ、0.05% Tween20を含む500 ulのインターフェロンβ溶液(PBS)40000 IU/mlを500ul/tube加える。これらのサンプルを2.5, 5, 10, 30, 60, 90, 120min.間室温で緩く攪拌した後、サンプルをそのまま、もしくは0.01N HCl溶液を500 ul/tube加え遠心分離し(13,400g x 3 min), 上清に残るインターフェロンβをEIA 測定キット(東レ)により測定し、ヒドロゲルに封入されたインターフェロンβ量を計測した。その結果図1に示すように、中性条件下、酸性条件下、いずれの場合でもヒドロゲルはインターフェロンβを約80%以上包含することが判明した。
実施例3
ヒドロゲルからのインターフェロンβの放出実験
<方法>
・ インターフェロンβ封入ハイドロゲルの調製方法―600万IU/mlのインターフェロンβ(0.05% Tween添加PBS(希釈液)中)500mlに2.5 mlの希釈液を加え、100万IU/mlの溶液を調製する。次にヒドロゲル3.5 mgを1. 5 mlエッペンドルフチューブ(シリコナイズ)に正確に計量し、インターフェロンβ溶液(100万 IU/ml)500 mlを加え2時間緩やかに攪拌する。この懸濁液に0.01M 塩酸 500 mlを加え、1分間緩やかに攪拌しヒドロゲルを収縮させる。遠心分離(13,000 rpm x 3 min)を行い、ヒドロゲルを沈殿させ、これを回収し、このインターフェロン含有ヒドロゲルを24時間減圧乾燥し、その後4℃で保存する。
・ 放出実験−インターフェロンの容器への吸着を防ぐため、実験に使用する50 mlの遠沈管はあらかじめ 5 % BSA溶液で45分間満たし、その後乾燥させることによりコーティングを施しておく。コーティング済みの50 ml遠沈管に日本薬局方崩壊試験 第一液(pH 1.2) もしくは第二液(pH 6.8) 50 mlを量り取り、正確に計量したインターフェロン含有ヒドロゲル 0.3 mgを添加する。これらのサンプルを2.5, 5, 10, 20, 30, 60, 120,180 min.間室温で緩く攪拌した後、サンプルを遠心分離し(13,000rpm x 3 min), 上清に残るインターフェロンβをEIA 測定キット(東レ)により測定し、ヒドロゲルより放出されたインターフェロンβ量を算出した。
<結果>
図2に示されるように、第一液(酸性)及び第二液(中性)においてヒドロゲルは時間に関わらず迅速に約10%の内含フェロンを放出する。本結果は外液の交換を行っていないため、放出が約10%で飽和に達しているが、外液を交換することで内含フェロンが外液に徐放されるものと考えられた。
実施例4
インターフェロンの腸管吸収
<方法>
・ インターフェロンβ封入ヒドロゲル(INLP)の調製方法―600万U/mlのインターフェロンβ(0.05% Tween入りPBS(希釈液)中)40 ulに0.56 mlの希釈液を加え、濃度を40万U/mlに調整する。同様に、600万U/mlのインターフェロンβ120ulに0. 48 mlの希釈液を加え、120万U/mlの溶液を調製する。次にハイドロゲル3.5 mgを1. 5 mlエッペンドルフチューブ(シリコナイズ)に正確に計量し、インターフェロンβ溶液(40万U/ml, もしくは120万 U/ml)500 ulを加え2時間緩やかに攪拌する。この懸濁液に0.01M 塩酸 500 ulを加え、1分間緩やかに攪拌しヒドロゲルを収縮させる。遠心分離(13,400gx 3 min)を行い、ヒドロゲルを沈殿させ、これを回収し、24時間減圧乾燥することによって、インターフェロン含有ハイドロゲルを調製し、4℃で保存する。
2.腸管吸収実験―24時間絶食した体重約200 gのSD系雄性ラットにペントバルビタールナトリウム 50 mg/kgを腹腔内注射することにより麻酔した後、正中線に沿って開腹し、回腸部を露出する。ラットは白熱電球で照らすと同時に、37℃に保ったホットプレート上で背位に固定し体温調節を行う。
回腸は盲腸から上部約5 cmの部位とする。空腸側を結索しその上に小さく切れ込みをいれ、ゾンデを挿入し縫合糸によりしっかりと結紮する。盲腸側には、同様にシリコンチューブを挿管し、縫合糸により結紮、固定し5〜6cmのloopを作成する。
ループ内に予め37 ℃に加温したpH 7.4 のPBS 20 mLを送液し内容物を排出させる。
loopをゾンデのみを残し、腹腔内に戻して切開部をクリップで閉じ、30分間放置する。
腸管を取り出し、INLPのPBS懸濁液 (0.5 mL)を調製し、インターフェロンbの投与量を8.0×105IU/kgもしくは 2.25×106IU/kgとして、直接loop内に投与する。コントロールにはインターフェロンb PBS溶液 (2.25×106IU/kg) を用いた。
投与前、投与後7.5,15,30,60,120,180,240,360分にヘパリンナトリウムを通したシリンジを用いて頸静脈から約0.25 mLずつ採血を行う。
血液を遠心分離 (13,400g,1 min)により血漿を分取する。
3.血中インターフェロンβ濃度の測定
インターフェロン測定ELISAキット(東レ)説明書にある手順に従い測定する。必要であれば、試料はキット付属の希釈液を用いて希釈する。
<結果>
図3に示されるように、インターフェロン含有したヒドロゲル製剤によって、インターフェロンが腸管より血中に吸収されていることが示された。腸管投与から10分後には既にインターフェロンβの濃度が血中では有意に上昇する。インターフェロンβの血中濃度は投与後360分経っても、検出可能であった。
本発明により、これまで注射剤として用いられてきた生理活性タンパク質の経口投与化が可能となり、患者のコンプライアンスを大幅に改善する薬剤を開発することが出来る。これらの注射剤が患者に与える苦痛や通院の不便を改善することは医療現場における患者本位の医療を実現するだけではなく、これまでのタンパク質製剤の概念を根底から変え、画期的製剤の創製につながる。
中性、酸性条件下におけるハイドロゲルによるインターフェロンβの経時的な包含プロファイル 酸性、中性条件下におけるハイドロゲルからのインターフェロンβの放出 ハイドロゲルを用いたインターフェロンβの腸管吸収による血中濃度の変移

Claims (8)

  1. 膨潤性ヒドロゲルマトリックスと薬効成分としてインターフェロンまたは生理活性タンパク質因子を含む医薬組成物であって、前記膨潤性ヒドロゲルマトリックスがメタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートとのコポリマーを含んでなる医薬組成物。
  2. ポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートがポリ(エチレングリコール)モノメタクリレートである請求項1記載の医薬組成物。
  3. ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレートが200ないし4000の分子量を有する請求項2記載の医薬組成物。
  4. 前記メタクリル酸とポリ(アルキレングリコール)モノメタクリレートとのコポリマーが2官能性ビニル化合物で架橋されている請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 2官能性ビニル化合物がテトラエチレングリコールジメタクリレートである請求項4記載の医薬組成物。
  6. 前記インターフェロンがα、β、γから選ばれる1種以上のインターフェロンである請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. 前記生理活性タンパク質因子が、エリスロポエチン、G-CSF、HGF, EGF, VEGF, FGF, TNFa, インターロイキンから選ばれる1種である請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物
  8. 膨潤性ヒドロゲルマトリックスが粒状である請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
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