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JP2005325012A - 炭素質材料の処理方法、グラファイト性の向上した炭素質材料およびそれを用いた電子放出材料、電池電極材料。 - Google Patents

炭素質材料の処理方法、グラファイト性の向上した炭素質材料およびそれを用いた電子放出材料、電池電極材料。 Download PDF

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Masahiro Inohara
雅博 井ノ原
Yuji Ozeki
雄治 尾関
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Abstract


【課題】
ホウ素処理した炭素質材料およびそれを用いた電子放出材料、電池電極材料、ならびにこれらの安価な製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
炭素質材料をホウ素を含む材料で60℃以上500℃以下で処理することにより、グラファイト性の向上した炭素質材料を提供する、炭素質材料の処理方法、特に、炭素質材料がカーボンナノチューブを含有することを特徴とし、カーボンナノチューブが1〜5層であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素質材料の処理方法に関するものであり、特にカーボンナノチューブを含有する炭素質材料をホウ素処理することで得られる、炭素質材料、およびそれを用いた電子放出材料、電池電極材料、ならびにこれらの製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。
カーボンナノチューブは、高い機械的強度、高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材として期待されており、さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセットとして期待されており、また、ナノサイズの空間を有することから、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤として期待されている。 いずれの用途の場合にも、高純度のカーボンナノチューブが要求されており、カーボンナノチューブとしては直径の細い単層や2層のカーボンナノチューブが有利であり、グラファイト層の欠陥が少ない方が特性的に優れている。
炭素質材料の導電性や熱伝導性を改善するための処理方法として、いくつかの方法が提案されているが、なかでも、高温で処理する方法(特許文献1)や、高温でホウ素を導入する方法(特許文献2)が提案されている。しかしいずれも1000℃以上の高温での処理が必要であり、製造コストが高くなるという問題があった。
特開2003−115302号公報 特許3461805号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、ホウ素処理した炭素質材料およびそれを用いた電子放出材料、電池電極材料、ならびにこれらの製造方法の提供を目的とする。
前記課題を達成するため、本発明は主として次のような構成をとる。
すなわち、炭素質材料をホウ素を含む材料とともに60℃以上500℃以下で処理することを特徴とする、炭素質材料の処理方法、特に、炭素質材料がカーボンナノチューブを含有することを特徴とし、カーボンナノチューブが1〜5層であることを特徴とする。
本発明によれば、ホウ素を含む炭素質材料およびその組成物を、低温で、安価に得ることができる。
本発明の方法により、グラファイト性が向上した炭素質材料を得ることができる。
本発明により得られた炭素質材料を用いることにより、電子放出特性の良好な材料を得ることができる。
本発明により得られた炭素質材料は、塗料や樹脂への添加剤用途、電子部品用途、医療用途など、その用途は広く期待できる。さらに、本発明によりグラファイト性が向上したことにより、各用途での電気的特性が向上し、性能向上が期待できる。
以下、本発明の最良の実施形態の例を説明する。
本発明は、処理空間内に炭素質材料とホウ素を含む材料を供給した状態で、60℃以上、500℃以下で炭素質材料を処理する方法を特徴とする。
炭素質材料は、例えばカーボンナノチューブ、フラーレン、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、アモルファスカーボン、炭素繊維などを挙げることができる。なかでも、カーボンナノチューブの処理に好ましく、1〜5層のカーボンナノチューブの処理に特に好ましい。
本発明でのホウ素を含む材料との処理方法は、固体状態の炭素質材料と、ホウ素含有材料とを接触させることが特徴であるが、ホウ素含有材料の状態としては、気相および液相、固相状態のいずれでも良く、特に反応温度を低く抑えることができるので、液相状態にあることが好ましい。
本発明における処理温度は、60℃以上、500℃以下であることが必須であるが、ホウ素が炭素質材料中に導入されれば、特に限定されるものではない。
気相状態のホウ素を含む材料としては、どのような種類のものを用いても良いが、ホウ素、酸化ホウ素、窒化ホウ素、ホウフッ化アンモニウムなど、気相になりやすいものが好ましい。処理する際、減圧状態にすると、ホウ素化合物が気相状態になりやすく好ましい。
気相状態での処理方法の場合、炭素質材料を保護する目的で、酸素を含まない状況での処理が好ましい。酸素を含んだ状態で処理すると、炭素質材料が燃えてなくなってしまう可能性がある。
液相状態のホウ素を含む材料としては、どのような種類のものを用いても良いが、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素、窒化ホウ素、ホウフッ化アンモニウムなど、溶液状態となるものが好ましい。
液相でホウ素を含む材料と処理する場合、ホウ素を含む材料を融解する温度まで上げて反応させてもかまわないが、ホウ素含有材料が溶解する溶剤を用いると、反応温度を下げることができるので好ましい。
ホウ素含有材料を溶解する溶剤としては、ホウ素含有材料が溶解すればどのようなものでもかまわないが、操作性、安全性、価格などの点から、一般に市販されている有機溶剤、水などが好ましく、特に水が好ましい。
液相状態のホウ素含有材料と炭素質材料を処理する場合、ホウ素を含む液相中に炭素質材料を浸すことで処理できるが、温度をかけた処理をする場合、還流操作などを併用することが好ましい。
炭素質材料とホウ素を含む液相を接触させる際、固液比として1/10〜1/10000の比率で接触させることが好ましく、特に好ましくは1/20〜1/5000の比率で接触させることが好ましい。
ホウ素を含む液相としては、溶融状態のものであれば濃度は100%であるが、溶液状態とする場合、濃度が高いほど好ましい。しかし、各溶媒への溶解性は限度があるので、飽和溶液状態で反応させることが好ましい。具体的には、5wt%〜80wt%の溶液を用いることが好ましく、特に好ましくは10wt%〜70wt%の溶液を用いることが好ましい。
液相でホウ素を含む材料と処理する場合、その処理条件は撹拌しながら行うことが好ましく、その反応温度は高い程良いが、操作性の点から、溶剤の沸点付近で還流させながら行うことが好ましい。
固相状態のホウ素を含む材料としては、どのような種類のものを用いても良く、具体的にはホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素、窒化ホウ素、ホウフッ化アンモニウムなどが挙げられる。
固相でホウ素を含む材料と処理する場合、その処理条件は撹拌しながら行うことが好ましい。
固相状態のホウ素含有材料と炭素質材料を処理する場合、ハイブリッドミキサー、ホモジナイザー、ミキサー、混練機などを用いて混ぜ込むことが好ましい。
ホウ素を含む材料との処理によって、炭素質材料中にホウ素が含まれ、該炭素質材料のグラファイト性が改良できる。この理由は現時点で明らかではないが、以下のように推察される。炭素質材料のグラファイト層には欠陥があり、その欠陥がグラファイト性を阻害している。この欠陥部分にホウ素が入り込むことにより、炭素質材料のグラファイト性が修復され、向上すると考えられる。このホウ素が入り込むことによってグラファイト性が向上するのは、ホウ素の電子構造により、構造が安定化されるものと考えられる。そのため、同じ電子構造を持つ13族(IIIA族)元素を用いても同じ効果を得ることができると考えられる。13族(IIIA族)元素としては、ホウ素の他にアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムが挙げられる。
本発明は、特にカーボンナノチューブを含有する炭素質材料をホウ素を含む材料と処理することを特徴とする。カーボンナノチューブは、高い機械的強度、高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材として期待されており、さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセットとして期待されており、また、ナノサイズの空間を有することから、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤として期待されている。
カーボンナノチューブの形態は、高分解能透過型電子顕微鏡で調べることができる。グラファイトの層は、透過型電子顕微鏡でまっすぐにはっきりと見えるほど好ましいが、グラファイト層は乱れていても構わない。グラファイト層が乱れたものは、カーボンナノファイバーと定義することがあるが、このようなカーボンナノファイバーも本発明においてはカーボンナノチューブに含むものとする。カーボンナノチューブは、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。篠原らが報告しているようにゼオライトを触媒の担体としてアセチレンを原料に熱CVD法で作る方法は、特に精製することなく、多少の熱分解炭素等の炭素被覆はあるものの、純度が高く、良くグラファイト化されたカーボンナノチューブが得られる点で特に好ましい方法である(Chemical Physics Letters 303(1999) 117−124)。このようなカーボンナノチューブを使えば、ホウ素を含む材料と処理することにより、特にグラファイト性の高い炭素質材料を得ることができる。
カーボンナノチューブの層数は、高分解能透過型電子顕微鏡で調べることができる。日立製H−9000UHR IIIなどの高性能な顕微鏡であれば、100万倍の倍率で拡大して観察したとき、グラファイト層の1枚1枚を観察することができ、カーボンナノチューブの層数を数えることができる。また、グラファイト層の間隔は0.3nm〜0.5nmの間隔であるのに対し、カーボンナノチューブの内径は0.5nm以上あり、カーボンナノチューブの内径および外径、層数を測定することができる。
本発明におけるカーボンナノチューブ含有炭素質材料は共鳴ラマン分光法により評価が可能である。ラマンスペクトルにおいて1590cm−1付近に見られるラマンシフトはグラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm−1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いほどグラファイト化度が高く、高品質なカーボンナノチューブを意味する。
本発明におけるホウ素を含有する材料と処理する前に、酸などの薬液処理により、炭素質材料の表面に欠陥部分を付与することが望ましい。欠陥部分を付与することにより、導入されるホウ素の量が増え、炭素質材料のグラファイト性がさらに向上することが期待されるので好ましい。
また、前処理する薬液としては、炭素質材料の表面に欠陥部分を作れれば特に限定されないが、硫酸、硝酸、塩酸などの酸が有効であり、単一で用いても混合して用いても良いが、グラファイト層の処理という点では、より強力に処理できる硫酸、硝酸またはこれらの混合物が好ましい。
本発明のホウ素を含む材料との処理は、特に、層数の少ないカーボンナノチューブに好ましく、1〜5層のカーボンナノチューブに好ましい。層数の少ないカーボンナノチューブは、層数の多いカーボンナノチューブに比べ、耐酸化性など耐久性が無く、例えば、高温で処理する方法によって、グラファイト性を改良する手段が知られているが、これらは酸化のコントロールが難しく、層数の少ないカーボンナノチューブをすべて燃やしてしまうなどの欠点がある。それに比較して本発明の方法は低温で処理できるので、層数の少ないナノチューブの構造を破壊することなく、グラファイト性、導電性を改良できる。
本発明での手法により、ホウ素を含有し、多本数のカーボンナノチューブを含有する構成からなり、そのカーボンナノチューブ総本数の10%以上が1〜5層のカーボンナノチューブである炭素質材料を得ることが可能となった。
ここで、カーボンナノチューブ総本数中の10%以上が1〜5層のカーボンナノチューブであるとは、カーボンナノチューブ含有組成物を透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%がカーボンナノチューブで、かつ10本以上のカーボンナノチューブが含まれ、そのうちの10%以上の本数が1〜5層のカーボンナノチューブである写真を撮ることができるような組成物のことであり、上記測定を10箇所について行った平均値で評価する。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物において、1〜5層カーボンナノチューブの割合は多いほど好ましく、より好ましくは50%以上であるようにするのがよい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物において、伝導度を向上するために、グラファイト骨格中にホウ素が含まれることが好ましい。
炭素質材料中にホウ素が含まれるかどうかは、一般に用いられる元素分析によって確認できる。本発明により得られる炭素質材料として、ホウ素元素は0.1%以上含有されることが好ましく、さらに好ましくは0.5%以上含有されることが好ましい。
また、グラファイト骨格中にホウ素が含まれるようになったかどうかは、XPS分析による組成分析により、ホウ素−炭素結合の存在を確認することで実施できる。
炭素質材料中にホウ素が含まれることにより、該炭素質材料のグラファイト性が改良できる。この理由は現時点で明らかではないが、以下のように推察される。炭素質材料のグラファイト層には欠陥があり、その欠陥がグラファイト性を阻害している。この欠陥部分にホウ素が入り込むことにより、炭素質材料のグラファイト性が修復され、向上すると考えられる。
また、炭素質材料のグラファイト性が向上することにより炭素質材料の導電性が高くなることが考えられる。このように導電性が向上した炭素質材料を用いることにより、電子放出材料、電池電極材料としての特性が向上すると考えられる。
上記方法によってグラファイト性を向上した炭素質材料は、電子放出材料、電池電極材料への適用が好適な使用形態の例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
電子放出材料としてはフィールドエミッションディスプレー(FED)への適用が例示されるが、特に限定されるものではない。
電池電極材料としては、リチウムイオン二次電池の陽極基材および陰極基材、燃料電池の電極基材、燃料電池用触媒担体などへの適用が好ましいが、特に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はここに掲げる実施例によって限定されるものではない。
(カーボンナノチューブの合成)
K.Hernadi、A.Fonsecaらによる報告を参照(Zeolites 17:416−423、1996)し、酢酸鉄(2g)、酢酸コバルト(2g)、Y型ゼオライト(東ソー社製HSZ−310NAA Lot.No.GZ−143−3〜5)(10g)を秤量し、メタノール(100ml)を加えて、振とう器にて1時間攪拌後、メタノール分を乾燥除去し、触媒を得た。次に、内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、窒素ガスを30cc/分で供給した。窒素ガスの供給を続けながら、石英管を電気炉中に設置して、中心温度を600℃に加熱した(昇温時間60分)。600℃に到達した後、窒素ガスの他に高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を6cc/分で5時間供給した後、アセチレンガスの供給をやめ、温度を室温まで冷却し、反応物を取り出した。
(カーボンナノチューブの確認)
上記で得られた触媒とカーボンナノチューブの混合物を、フッ化水素酸10%水溶液中で3時間攪拌後、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Filter Paper 2号 125mm)を用いてろ過し、ろ紙上の固形物を、イオン交換水、アセトン溶液にて洗浄後、乾燥し、カーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で測定したところ、外径が20nm以下で内径が5nm程度の細い中空状ナノファイバーが主成分であることがわかった。また、SEMのEDXを用いて元素分析を行ったところ、Y型ゼオライトの存在率はEDXの測定限界以下(ほぼ0%)である結果を得た。さらに、共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、1.6であった。
<実施例1>(ホウ酸処理)
上記で得られたカーボンナノチューブ0.4gを、300mLナスフラスコに測り取り、ホウ酸19g、水50mLを加え、80℃で2時間撹拌しながら処理を行った。処理後、ろ取、水洗し、ホウ素処理した炭素材料を得た。得られたカーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で測定したところ、外径が20nm以下で内径が5nm程度の細い中空状ナノファイバーが主成分であることがわかった。また、共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、2.2であった。
<実施例2>
(電界電子放出源の作成)
100mlビーカーに実施例1にて得られたカーボンナノチューブを50mgおよびアセトン100mlを入れ、超音波を30分間照射した。本分散液を、これとは別に銅板を入れたビーカーに入れ、静置してアセトンを自然蒸発させることにより、表面にカーボンナノチューブを堆積させた銅板を得た。
(電界電子放出能の評価)
得られた銅板をカソードにしアノード電極と対向させ、この2極管構造物を評価用チャンバーに導入し、電界電子放出能を評価した。その結果、本実施例で得られたカーボンナノチューブは良好な電界電子放出能を示した。
<実施例3>
(触媒評価用電極の調製方法)
実施例1で得られたカーボンナノチューブにPt、Ruエタノール溶液を加えて混合した後、30分間超音波処理して十分に分散させた後、乾燥した。その後、得られた粉末を水素/窒素(1:9)混合気体を流通させながら、200℃で2時間熱分解を行いPt−Ru/カーボンナノチューブ触媒を調製した。
本触媒にメタノールを加え、30分間超音波にて均一に分散させた後、得られた分散液をグラッシーカーボン(GC)電極上に滴下し、乾燥させた。その後、メタノールで希釈した5%Nafion(登録商標)溶液(Aldrich社製)を滴下し電極触媒を固定化、乾燥し、試験電極とした。
(メタノール酸化電流値測定法)
メタノールを含む硫酸水溶液を電解液とした半電池による電極触媒のメタノール酸化活性を評価した。電解液に1Mとなるようにメタノールを加えた0.5M−硫酸水溶液を用いた。測定は電位ステップ定電位分極法により行った。このときのステップ電位は、75mV(vs.RHE(可逆水素電極))から500mV(vs.RHE)と変化させ、500mVに変化させてから30分後の酸化電流値を触媒性能の目安として比較した。その結果、測定開始後30分で28A/g−Ptを示した。
<実施例4>
市販の多層カーボンナノチューブ0.4gを用い、実施例1と同様にして、ホウ素処理した炭素材料を得た。得られたカーボンナノチューブを共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、1.0であった。
<実施例5>
市販の多層カーボンナノチューブ0.4gに60%硝酸12gと96%硫酸120gを加え、120℃で10分間処理し、水で5倍に希釈した後にろ取、水洗を行った。得られたカーボンナノチューブを共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、0.8であった。
得られた前処理済み多層カーボンナノチューブを実施例1と同様にホウ酸で処理し、得られた多層カーボンナノチューブを共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、1.1であり、炭素質材料のグラファイト性が向上したことが分かった。
<比較例1>
市販の多層カーボンナノチューブを共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でラマン分光を測定し、G/D比を求めたところ、0.8であった。
<比較例2>
ホウ素処理を行う前のカーボンナノチューブを用い、実施例3と同様に触媒を調製した。得られた触媒のメタノール酸化電流値を測定したところ、15A/g−Ptであった。
本発明で得られた炭素質材料は、電子放出材料、電池電極材料、燃料電池用触媒担体に限らず、燃料電池やリチウム2次電池用電極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセット、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
実施例1で得たカーボンナノチューブのTEM写真(×100000)。

Claims (11)

  1. 炭素質材料をホウ素を含む材料と共に60℃以上500℃以下の温度で処理することを特徴とする、炭素質材料の処理方法。
  2. ホウ素を含む材料として、酸化ホウ素、ホウ素、ホウ酸、および窒化ホウ素から選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とする、請求項1記載の炭素質材料の処理方法。
  3. ホウ素を含む材料と処理する際に、ホウ素を含む材料を溶液として用いることを特徴とする、請求項1または2記載の炭素質材料の処理方法。
  4. 炭素質材料がカーボンナノチューブを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素質材料の処理方法。
  5. 含まれるカーボンナノチューブの総本数のうち、10%以上が1〜5層であることを特徴とする、請求項4記載の炭素質材料の処理方法。
  6. 炭素質材料をホウ素を含む材料と処理する前に、あらかじめ薬液によって処理しておくことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素質材料の処理方法。
  7. 薬液が酸を含むことを特徴とする請求項6記載の炭素質材料の処理方法。
  8. ホウ素を含有し、カーボンナノチューブの総本数の10%以上が層数1〜5層のカーボンナノチューブであることを特徴とする炭素質材料
  9. カーボンナノチューブの骨格中にホウ素を含有することを特徴とする請求項8記載の炭素質材料
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で得られた炭素質材料または請求項8または9記載の炭素質材料を含有する電子放出材料。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で得られた炭素質材料または請求項8または9記載の炭素質材料を含有する電池電極材料。
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