JP2005321225A - 水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システム - Google Patents
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Abstract
【課題】水中又は水上を移動可能な移動体の位置を容易に測位できるようにする水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムを提供する。
【解決手段】かかる課題を課題するために、本発明の音響測位システムは、水中に設置され、水上又は水中を移動可能な移動体の位置を上記移動体側で計測させるための音響信号を定期的に送出する少なくとも2基以上の水中音源装置と、各水中音響装置が送出した音響信号の受信時刻と送信時刻とに基づいて、各水中音源装置と移動体との距離から、三角測量により移動体の位置を計測する音響測位装置を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】かかる課題を課題するために、本発明の音響測位システムは、水中に設置され、水上又は水中を移動可能な移動体の位置を上記移動体側で計測させるための音響信号を定期的に送出する少なくとも2基以上の水中音源装置と、各水中音響装置が送出した音響信号の受信時刻と送信時刻とに基づいて、各水中音源装置と移動体との距離から、三角測量により移動体の位置を計測する音響測位装置を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムに関し、例えば、有人又は無人の潜水船や水中作業ロボット等の水中移動体や水上を移動する水上移動体の位置を計測する音響測位システム及びこのシステムを構成する装置に適用し得る。
従来、水中移動体の水中測位方法として音響測位法や慣性航法などがある(非特許文献1参照)。
音響測位法は、予め設置位置を認識してある送受波器を海底に設置し、送受波器と水中移動体との間で音響信号の送受信を行なうことで水中移動体の位置を計測する方法である。
また、音響測位法は、長基線(LBL:Long Base−Line)方式、短基線(SBL:Short Base−Line)方式、超短基線(SSBL:Super Short Base−Line)方式がある(非特許文献1参照)。
以下では、音響測位法の代表例としてLBL方式による水中測位方法について説明する。LBL方式の場合、海底に3基の送受波器を設置する必要がある。
まず、水中移動体が装備する送受波器が質問信号パルスを送出し、この質問信号パルスを受波した海底送受波器(例えばトランスポンダ)が応答パルスを返信する。
そして、応答パルスを受波した水中移動体が、質問信号パルスの送波から応答パルスの受波までの往復伝播時間を計測し、往復伝播時間に音速を乗じて2で割ることで、水中移動体とトランスポンダとの間の直距離を求める。
なお、海底設置した各送受波器の送信周波数をそれぞれ異なる周波数とすることで、どのトランスポンダからの応答であるかを識別させることができる。
少なくとも3基のトランスポンダとの直距離を求めた水中移動体は、各距離をベースラインとした三角測量を行なうことで、水中位置を計測している。
なお、SBL方式やSSBL方式の場合は、水中移動体とトランスポンダとの距離と方位を計測することで水中移動体の水中位置を計測するものであるが、設置するトランスポンダを1本とするものである。
また、慣性航法は、水中移動体が進行速度、方位のセンサーを持ち、水中移動体の移動によりセンサーが受けた反作用力を測定することで移動量を測定し、初期位置から移動量を積算していくことで測位する方法である。
"海中ロボット総覧"、成山堂書店、H6年2月発行、p.134〜p.140.
"海中ロボット総覧"、成山堂書店、H6年2月発行、p.134〜p.140.
しかしながら、従来の音響測位法による水中測位可能距離には限界(概ね10km以下)があった。このように、水中測位可能距離の限界は、例えば送出音圧や周囲雑音などとの関係等から生じ得るものである。
従って、例えば、海底ケーブルの埋設状況検査やその他の高度作業をする水中作業ロボット(例えば自律型海中ロボット(AUV:Autonomous Underwater Vehicles)等)が長距離移動(例えば数百km以上)をする場合、水中移動体の航路に沿って、例えば10kmメッシュで多数の送受波器を海底に事前設置する必要があり、水中移動体が水中測位可能範囲からでてしまうと、水中移動体の測位が不可能となり行方不明になるおそれがある。
また、水中移動体が長距離移動をする場合、多数の送受波器の海底設置作業及び海底からの回収作業には、多大な労力及び高額な設備投資が必要となる。
さらに、従来の音響測位法による送受波器で長距離伝搬を行なうとすると、水中による吸収損失や送波音圧を大きくすることなどが必要であるため、音源装置を大型化し、音源装置の製造コストが高くなる。
また、従来の音響測位法の場合、水中移動体と海底の送受波器との間の音響信号の送受信を行なうこととしているので専用の送受波器が必要であり、多種類の水中移動体が共通して利用できるシステムがなかった。
また、慣性航法では、相対的な移動量しか計測できないため、水中移動体の長時間の航走により誤差が累積し大きな誤差になっていってしまうというおそれがある。
そのため、上記課題のいずれかを解決し、長距離移動可能な水中移動体の位置を計測することができる水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムが求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の水中音源装置は、水中に設置され、水上又は水中を移動可能な移動体の位置を移動体側で計測させるための音響信号を送出する水中音源装置であって、音響信号を送出する送波手段と、時刻情報を管理する時刻管理手段と、時刻管理手段が管理する時刻情報に基づいて音響信号を定期的に送出制御する音響信号送出制御手段とを備えることを特徴とする。
また、第2の本発明の音響装置は、予め水中設置位置が認識されている少なくとも2基以上の水中音源装置から、定期的に送出された音響信号に基づいて、当該音響測位装置を備える水中又は水上の移動体の位置を、計測する音響測位装置であって、各水中音源装置が送出する音響信号の送信時刻を予め管理する送信時刻管理手段と、水中を介して受波した各音響信号の受信時刻を検出する受信時刻検出手段と、受信時刻検出手段が検出した各音響信号の各受信時刻と、送信時刻管理手段が管理する各音響信号に対応する各送信時刻とに基づいて、各音響信号を送出した各水中音響装置のそれぞれと移動体との間の距離を求め、これら距離から三角測量により移動体の位置を計測する計測手段とを備えることを特徴とする。
さらに、第3の本発明の音響測位システムは、予め水中設置位置が認識されており、定期的に音響信号を送出する第1の本発明の少なくとも2基以上の水中音源装置と、各水中音響装置により送出された音響信号に基づいて、当該音響測位装置を備える水中又は水上の移動体の位置を、計測する第2の本発明の音響測位装置とを備えることを特徴とする。
本発明の水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムによれば、予め定められた時刻に水中音源装置から送出される音響信号に基づいて移動体を測位することができるので、従来に比べて構成規模を小さくすることができ、また音響測位装置を備える多種の水中移動体に広く利用することが可能となる。
また、本発明の水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムによれば、音響信号を長距離伝搬することができるので、長距離移動可能な移動体に対しても移動体の測位を行なうことができる。
以下、本発明の水中音源装置、音響測位装置及び音響測位システムを実施するための最良の形態について説明する。
(A)実施形態
以下、実施形態の音響測位システムについて図面を参照して説明する。実施形態では、水中移動体である潜水船の水中測位を計測する場合の水中測位システムについて説明する。
以下、実施形態の音響測位システムについて図面を参照して説明する。実施形態では、水中移動体である潜水船の水中測位を計測する場合の水中測位システムについて説明する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態の音響測位システムの全体構成例を示す。図1において、本実施形態の音響測位システム1は、潜水船40、3基の音源装置20(20−1〜20−3)を主要な構成として備える。なお、以下で音源装置の共通構成を説明する場合、音源装置20と示して説明する。
図1は、実施形態の音響測位システムの全体構成例を示す。図1において、本実施形態の音響測位システム1は、潜水船40、3基の音源装置20(20−1〜20−3)を主要な構成として備える。なお、以下で音源装置の共通構成を説明する場合、音源装置20と示して説明する。
また、図1では、3基の音源装置20を示した場合を示すが、少なくとも2基以上であればよい。
潜水船40は、有人又は無人であるか否かを問わず、水中で移動可能なものである。また、潜水船40は、水上又は水中移動体の例であり、水中を介して音源装置20からの音響信号を受波可能であれば、水上又は水中を移動可能な移動体、例えば水中作業ロボットや、水中に受信装置10を備えた船舶などに広く適用することができるものである。
また、潜水船40は、後述する音源装置20から送信される送波信号を受信し、当該潜水船40の位置を測位する受信装置10を備える。潜水船40が受信装置10を備える位置は、音源装置20からの送波信号を受波可能な位置であればよく、例えば、潜水船40の移動架台などに設置可能である。なお、この受信装置10の内部構成については後述する。
音源装置20は、予め定められた時刻に音響信号である送波信号を送出するものである。音源装置20は予め海底に設置されるものであり、それぞれの設置位置は少なくとも潜水船40側で予め認識されている。また、音源装置20は、水上に位置するGPS受信機30(30−1〜30−3:以下、共通構成を説明する場合GPS受信機30と示す。)と例えばケーブルなどで接続するものである。
なお、GPS受信機30は、GPS衛星50からのGPS情報を受信可能であり、受信したGPS情報を音源装置20に与えることができればよい。
従って、GPS受信機30は、例えば、GPS情報を送信するための電源と共に浮遊体に固定的に設置したり、また例えば、音源装置30の設置位置が陸地から近い位置であれば、陸地に電源と共に設置したりしてもよい。
また、図1では、各音源装置20のそれぞれに各GPS受信機30を接続するようにしたが、音源装置20にGPS情報を与えることができれば、1基のGPS受信機30と複数の音源装置30とを接続するようにしてもよい。
GPS衛星50は、GPS情報を送出する一般的なものである。
次に、音源装置20の内部構成について図2を参照して説明する。図2は、音源装置20の主要な内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、音源装置20は、制御部21、記憶部22、高精度時計部23、D/A変換部24、送波アンプ部25、送波器26を少なくとも有する。
制御部21は、例えばCPU等が該当し、音源装置20の機能を制御するものである。制御部21は、記憶部22に格納されている処理プログラムを読み出し実行することにより、音源装置20の所定の機能を実現するものである。また、制御部21の制御機能として、送波信号生成機能21a、時刻校正機能21bを少なくとも有する。
送波信号生成機能21aとは、高精度時計部23から受け取った起動信号をトリガとし、予め記憶部22に記憶されている送信波形信号22aを読み出し、その送信波形信号22aに基づいて超音波を生成する機能である。
時刻校正機能21bは、GPS受信機30から与えられた時刻情報(GPS情報)に基づいて高精度時計部23が管理する時刻を校正させる機能である。
記憶部22は、例えばROMなどの記憶手段が該当し、制御部21に実行させる処理プログラムや送信波形信号22aを記憶するものである。
ここで、送信波形信号22aは、M系列符号パターンを用いて正弦波波形を変調した波形信号である。また、それぞれの音源装置20−1〜20−3は、それぞれ異なるM系列符号パターンが予め割り当てられている。このように、M系列符号パターンにより変調された送信波形信号22aに基づく送波信号を送信することにより、その送波信号を受信した受信装置10では、受信した送波信号の相関を求めることにより、どの音源からの送波信号であるかを認識することができる。また、受信装置10において、受信した送波信号の相関をとることで、非常に鋭いピークを持った信号に圧縮することができるので、高いS/N比(信号対雑音電力比)を得ることができる。また、送波信号の秘匿性を高めることもできる。
なお、本実施形態では、予めM系列符号パターンで変調した送信波形信号22aを格納する場合について説明するが、これに限らず、例えば、音源装置20が、例えばロジック回路で構成された系列パターン発生部を備え、送波信号の送信時に発生させたM系列符号パターンを用いて正弦波波形を変調するようにしてもよい。また、系列パターン発生部により発生させたM系列符号パターンそのものを使用して正弦波波形を変調した波形信号を記憶部22に格納し、その格納した送信波形信号を使用するようにしてもよい。
またなお、本実施形態では、M系列符号パターンを使用する場合について説明するが、これに限らず、送波信号を受信した受信装置10側で高いS/N比を得ることができればGold系列符号パターンなどの拡散符号を広く適用することができる。
高精度時計部23は、音源装置20の機能動作時刻を決定付けるための時計部である。また、高精度時計部23は、制御部21の制御を受けて、GPS受信機30からGPS情報である時刻情報を受け取り、その時刻情報に基づいて管理する時刻を構成するものである。また、高精度時計部23は、起動信号発生部23aを備える。
ここで、GPS受信機30からの時刻情報による時刻校正について説明する。高精度時計部23が管理する時刻は、管理期間に応じて標準時刻(本実施形態ではGPS情報の時刻情報する)に対してずれ(ドリフト)が生じてしまうおそれがある。従って、高精度時計部23は、GPS受信機30が受信したGPS情報の時刻情報に基づいて管理する時刻を定期的又は常時校正することで正確な時刻を管理する。時刻校正方法として、例えば、高精度時計部23の管理時刻と標準時刻との差分に基づいて管理時刻を補正したり、GPS受信機30が受信した時刻情報をそのまま管理時刻に変更したりしてもよい。
これにより、複数の音源装置20間で同期をとることができ、かつ、起動信号を同時刻に送信することができることから、音源装置20から送信する送波信号を同時刻にすることができる。
また、高精度時計部23の時刻の校正タイミングは定期的に校正できればよく、例えば、起動信号を送信した後に校正したり、また1時間おきや1日おき等に校正したりしてもよい。また、この校正タイミングは変更可能である。
起動信号発生部23aは、予め定められた時刻に起動信号を発生させ、この発生させた起動信号を制御部21に与えるものである。この予め定められた時刻とは、音源装置20から送波信号を送出する時刻であり、例えば予め定められた等間隔の一定時刻(例えば毎時2回〜4回)とすることができる。
これにより、制御部21による送波信号生成機能を実行させることができ、音源装置20から予め定められた時刻に送波信号を送出させることが可能となる。なお、後述するが、音源装置20から送波信号が送出される時刻は、受信装置10(潜水船40)側においても予め認識されているものである。
D/A変換部24は、制御部21により読み出された送信波形信号を受け取り、その送信波形信号をアナログ変換して送波アンプ部25に与えるものである。
送波アンプ部25は、D/A変換部24によりアナログ変換されたアナログ信号を受け取り、そのアナログ信号を所定の利得を加えることで増幅し、その増幅したアナログ信号を送波器26に与えるものである。
送波器26は、送波アンプ部25により増幅されたアナログ信号を受け取り、所定の低周波数を送波周波数とする超音波に変換し、その変換された超音波を送波信号として水中に送出するものである。これにより、音源装置20から長距離に位置する移動体に対しても音源信号を伝搬することが可能になるので、移動体の測位可能距離を広くすることが可能となる。
なお、送波器26が送出する送波信号(超音波)の送波周波数は、その音源装置20が送波信号を伝搬する伝搬距離や距離精度などに応じて変更可能である。従って、例えば、伝搬距離を1000km以上とする場合にも、その伝搬距離に応じた低周波数を送波周波数として設定可能である。
以上のように、音源装置20は、潜水船40(受信装置10)での測位のための送波信号を、予め決められた時刻に送出することができ、かつ、音響信号の伝搬距離を長距離まで伝搬させることができる。
次に、受信装置10の内部構成について図3を参照して説明する。図3は、受信装置10の主要な内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、受信装置10は、受波器101、受信アンプ部102、直交検波部103、A/D変換部104、相関演算部105、信号処理部106、制御部107、記憶部108、高精度時計部109、深度計120、慣性航法装置121などを備える。
受波器101は、音源装置20から水中に送出された送出信号(超音波)を受波するものである。受波器101は、受波した送波信号を電気信号に変換し、その変換した電気信号を受信信号として受信アンプ部102に与えるものである。
受信アンプ部102は、受波器101から受信信号を受け取り、その受信信号に所定の利得を与えて増幅して、直交検波部103に与えるものである。
直交検波部103は、受信アンプ部102により増幅された受信信号を受け取り、直交検波してA/D変換部104に与えるものである。
A/D変換部104は、直交検波された受信信号を直交検波部103から受け取り、その受信信号をディジタル変換して、相関演算器105に与えるものである。
相関演算器105は、ディジタル変換された受信信号を受け取り、その受信信号について相関処理をして、相関が得られた受信信号を信号処理部106に与えるものである。相関演算器105は、記憶部108に予め格納されているM系列符号パターン(参照符号パターンともいう)を読み出し、そのM系列符号パターンを用いて受信信号の相関を求めるものである。なお、記憶部108に格納されているM系列符号パターンは、各音源装置20に割り当てたM系列符号パターンに対応するものである。
また、相関演算器105の相関処理は、各音源装置20に割り当てたM系列符号パターンと実質的に同一のM系列符号パターンを用いて自己相関関数を計算し、M系列符号パターンが完全に一致したときにピークとなるパルス圧縮された鋭いパルス波形を得ることができる。これにより、精度の高いS/N比のよい受信信号を検出することができる。
さらに、相関演算器105の相関処理は、M系列符号パターンを使用して行なうので、どの音源装置20からの送波信号であるか認識することができる。これにより、測位に参照する送波信号を選択的に受信することが可能となる。また、音源装置20のM系列符号パターンを認識していないと正しく復調できないので秘匿性を向上させることができる。
信号処理部106は、相関演算器105から受信信号を受け取り、その受信信号を例えば数ms程度までパルス圧縮し、そのパルス圧縮した受信信号の電力値が予め定められた閾値(スレッショルド値)を越えた時刻を受信時刻とし、音源装置20が送波信号を送出した送信時刻と、計測した受信時刻とに基づいて音源装置20から潜水船40までの送波信号の伝搬時間を求め、更にその伝搬時間に基づいて潜水船40の位置を計測するものである。そして、信号処理部106により計測された測位を出力するものである。
信号処理部106による受信時刻は、受信信号の電力値がスレッショルド値を超えた際、潜水船40(受信装置10)が備える高精度時計部109の管理時刻に基づくものである。また、受信装置10は、音源装置20が送波信号を送出する時刻を予め格納されており認識している。
なお、信号処理部106による伝搬時間及び潜水船40の位置の算出方法の詳細は動作の説明で具体的な例を示して説明する。
また、信号処理部106は、制御部107の制御により、受信した送波信号の数に応じて高精度時計部109が管理する時刻校正、送波信号(超音波)が水中を介して伝達してくる速度の補正(音速補正)、潜水船40が移動する場合にその移動量を考慮した位置補正などを実行するものである。
なお、信号処理部106による時刻校正、音速補正、潜水船40の移動量を考慮した位置補正などについても、動作の説明で具体的な例を示して説明する。
制御部107は、受信装置10の機能を制御するものであり、例えば、CPUが該当する。制御部107は、記憶部108に格納されている処理プログラムを実行することにより所定機能を実現するものである。この制御部107が制御する機能として、測位機能107a、音速補正機能107b、時刻校正機能107c、移動量補正機能107d等を少なくとも有する。
記憶部108は、制御部107により実行される処理プログラムや、処理に必要なデータなどを格納する記憶手段であり、例えば、RAM、ROMなどが該当する。記憶部108が予め格納するデータとしては、各音源装置20に割り当てられているM系列符号パターン108a、各音源装置20の設置位置108bなどである。
高精度時計部109は、潜水船40(受信装置10)内で管理する時計部である。高精度時計部109は、相関が得られ検出された受信信号の受信時刻を得るためのものである。
深度計20は、潜水する潜水船40の潜水深度を測定する一般的な深度計である。
慣性航法装置121は、例えば、ジャイロ、磁気コンパス、加速度計、対水・対地速度計などの移動量計測装置であり、移動する潜水船40の移動量を計測するものである。
(A−2)実施形態の動作
次に、本実施形態の音響測位システムによる潜水船40の位置計測について図面を参照して詳細に説明する。
次に、本実施形態の音響測位システムによる潜水船40の位置計測について図面を参照して詳細に説明する。
図4は、潜水船40及び音源装置20の構成を水上上部から見たときのイメージ図である。なお、図4は、潜水船40及び音源装置20について、同一平面上にあり、それぞれが管理する時刻に時間的なずれがない場合を仮定する。
(A−2−1)音源装置20による送波信号の送出動作
予め複数の音源装置20が海底に設置される。また、設置された音源装置20の設置位置が計測され受信装置10の記憶部108に格納されている。
予め複数の音源装置20が海底に設置される。また、設置された音源装置20の設置位置が計測され受信装置10の記憶部108に格納されている。
なお、図4では、音源装置20−1の設置座標は(X1,Y1)とし、音源装置20−2の設置座標は(X2,Y2)とし、音源装置20−3の設置座標は(X3,Y3)とする。
図5は、音源装置20の動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、海底に設置された音源装置20の高精度時計部23において、現在の時刻が予め定められた送信時刻であるか否か判断される(S1)。高精度時計部23により現在時刻が送信時刻でないと判断されるとS1に戻り動作を繰り返す。
一方、高精度時計部23により、現在時刻が送信時刻であると判断されると、起動信号発生部23aにより起動信号が発生され、その起動信号が制御部21に与えられる(S2)。
ここで、高精度時計部23は、接続するGPS受信機30から与えられる時刻情報に基づいて管理する時刻が定期的に校正される。図6は、高精度時計部23の管理時刻の校正動作を示す。
図6に示すように、GPS衛星50から送出されるGPS情報(時刻情報)は、GPS受信機30に与えられ例えばケーブルなどを通じて高精度時計部23に与えられる(S11)。
時刻情報がGPS受信機30から高精度時計部23に与えられると、高精度時計部23が管理する時刻が時刻情報に基づいて校正される(S12)。
このようにGPS情報(時刻情報)により、高精度時計部23の管理時刻を定期的に校正することにより、各音源装置20−1〜20−3の管理時刻を同期することができる。
図5に戻り、S2において、起動信号が制御部21に与えられると、記憶部22に予め格納されている送信波形信号22aが制御部21により読み出される(S3)。
この送信信号波形22aは、予め割り当てられたM系列符号パターンにより正弦波波形が変調された波形信号である。
制御部21により読み出された送信波形信号は、D/A変換部24に与えられ、アナログ変換される(S4)。そして、アナログ変換された信号は、送波アンプ部25に与えられる。
アナログ変換された信号は、送波アンプ部24により、所定の利得が与えられて増幅される(S5)。送波アンプ部24により増幅処理された信号は、送波器26に与えられる。
増幅処理された信号は、送波器26により、所定の送信周波数の超音波に変換され、その変換された超音波が水中に送出される(S6)。
なお、送波器26から送出される送波信号は、数十秒から数分間にわたって連続して送出される。
以上のように、各音源装置20−1〜20−3はそれぞれ割り当てられたM系列符号パターンにより変調された送波信号を予め定められた時刻に送出することができる。
(A−2−2)受信装置10による受信時刻の検出
次に、各音源装置20−1〜20−3から送出された送波信号の受信装置10による受信時刻の検出について説明する。
次に、各音源装置20−1〜20−3から送出された送波信号の受信装置10による受信時刻の検出について説明する。
各音源装置20−1〜20−3から送出された送波信号は受信装置10の受波器101により受波される。
受波器101により送波信号が受波されると、その送波信号は電気信号に変換され、変換された電気信号が受信アンプ102に与えられる。
受信信号が受信アンプ102に与えられると、受信アンプ102により所定の利得が与えられて増幅されて直交検波部102に与えられ、増幅された受信信号は直交検波部103により直交検波される。
直交検波された受信信号はA/D変換部104に与えられ、A/D変換部1−4によりディジタル変換されて、相関演算器105に与えられる。このとき、A/D変換部104によりディジタル変換された受信信号の振幅と位相が検出される。なお、受信信号の位相のプラス、マイナスはM系列符号の1、0に対応する。
ディジタル変換された受信信号が相関演算器105に与えられると、記憶部108に予め格納されているM系列符号パターン108aが相関演算器105に読み取られ、読み取られたM系列符号パターンと受信信号との間の相関をとると、M系列符号パターンの自己相関関数が計算される。
そして、このM系列符号パターンの自己相関関数を計算し、M系列符号パターンが完全に一致した場合、音源装置20から数十秒から数分間送出された送波信号を、鋭いピークからなる数ms程度にパルス圧縮されたパルス波形を得ることができ、精度の高いS/N比の受信信号が得られる。
パルス圧縮された受信信号が信号処理部106に与えられると、信号処理部106により、受信信号の電力値がスレッショルド値を超えた時刻を、高精度時計部109から読み出し、その時刻を受信時刻として検出する。
以上のようにして、各音源装置20から送出された送波信号の受信時刻を検出することができる。
(A−2−3)受信装置10による測位
次に、送波信号の受信時刻を検出した受信装置10による測位について説明する。
次に、送波信号の受信時刻を検出した受信装置10による測位について説明する。
以下では、まず、受信装置10が図4に示す同一平面上における潜水船40の位置を計測する場合について説明する。
図7は、図4を例とした場合における潜水船40の平面的な位置の計測を動作示すフローチャートである。なお、図4では、潜水船40が有する高精度時計部109及び各音源装置20の高精度時計部23が管理する時刻は一致しているものとする。
受信装置10において、上述したようにして、各音源装置20−1〜20−3から送出された各送波信号の受信時刻が検出される(S21)。
各送波信号の受信時刻が検出されると、下記式(1)〜(3)に基づいて各音源装置20−1〜20−3と潜水船40との間の距離が計測される(S22)。
なお、下記式(1)〜(3)において、R1、R2及びR3は各音源装置20−1〜20−3と潜水船40との間の距離とし、Tは各音源装置20による送波信号の送信時刻とし、Cは音速とする。また、t1、t2及びt3は音源装置20−1〜20−3からの送波信号の受信時刻とする。
R1=C×(t1−T)…(1)
R2=C×(t2−T)…(2)
R3=C×(t3−T)…(3)
上記式(1)〜(3)に示すように、受信装置10が検出した各音源装置20からの受信時刻と予め認識されている送信時刻との差に、音速Cを乗算することで、潜水船40と各音源装置20との間の距離を求めることができる。
R2=C×(t2−T)…(2)
R3=C×(t3−T)…(3)
上記式(1)〜(3)に示すように、受信装置10が検出した各音源装置20からの受信時刻と予め認識されている送信時刻との差に、音速Cを乗算することで、潜水船40と各音源装置20との間の距離を求めることができる。
つまり、本実施形態では、各音源装置20から定期的に送出された送波信号の受信時刻に基づいて距離を算出できるため、上述した従来の音響測位法のように、潜水船(水中移動体)から質問信号パルスを送出する必要がない。
これにより、潜水船40及び音源装置20が装備する装置を簡単化することができ、また潜水船40側の装置による距離算出処理の負担を軽減化することができる。
S22において、各音源装置20と潜水船40との間の距離R1〜R3が計測されると、計測した各音源装置20の設置位置108bが記憶部108から読み出される(S23)。
この各音源装置20の設置位置108bの読み出しは、例えば、M系列符号パターンとそれが割り当てられた各音源装置20とを対応させた情報が予め記憶部108に格納されており、相関処理の際に使用したM系列符号パターンに基づいて、記憶部108を参照して対応する音源装置20の設置位置108bを読み出すようにしてもよい。
また、各音源装置20と潜水船40との距離R1〜R3が計測され、かつ、各音源装置20の設置位置が読み出されると、下記式(4)〜(6)に基づく連立方程式を計算することで、潜水船40の図4における平面的な位置を計測することができる(S24)。
なお、下記式(4)〜(6)において、図4における潜水船40の設置座標を(XS,YS)とする。
R1={(X1−XS)2+(Y1−YS)2}1/2…(4)
R2={(X2−XS)2+(Y2−YS)2}1/2…(5)
R3={(X3−XS)2+(Y3−YS)2}1/2…(6)
上記式(4)〜(6)は、S22で計測した潜水船40と各音源装置20との間の距離をベースライン長とした三角測量を示す式である。上記式(4)〜(6)に基づいて、連立方程式を計算することで未知数であるXS,YSを算出できる。
R2={(X2−XS)2+(Y2−YS)2}1/2…(5)
R3={(X3−XS)2+(Y3−YS)2}1/2…(6)
上記式(4)〜(6)は、S22で計測した潜水船40と各音源装置20との間の距離をベースライン長とした三角測量を示す式である。上記式(4)〜(6)に基づいて、連立方程式を計算することで未知数であるXS,YSを算出できる。
また、ここでは、図4における潜水船40の平面的な座標(XS,YS)、すなわち2個の未知数を算出する場合である。つまり、上記式(4)〜(6)のうち2個の式があれば、潜水船40の平面的な座標を計測できる。
従って、この場合、信号処理部106が、検出した3個以上の送波信号の受信時刻や、計測した3個以上の各音源装置20との間の距離の中から2個の受信時刻や2個の距離を選択するようにしてもよい。
例えば、この信号処理部106による選択として、検出した受信時刻の中から受信時刻が早いものから順に2個を選択するようにしてもよい、また計測した距離から距離が短いものを順に2個選択するようにしてもよい。
また、上記式(4)〜(6)の中から複数組の連立方程式を計算することで位置座標(XS,YS)を複数計測し、それら複数の位置座標の平均値を潜水船40の位置座標としてもよい。
以上のように、潜水船40の平面的な位置座標(2基未知数)を求める場合には、少なくとも2基の音源装置20を設置することで求めることが可能である。
また、潜水船40の平面上の位置を計測する場合には2基の音源装置20を設置するだけで計測できるが、3基以上の音源装置20を設置する場合に、これらの未知数に加えてさらに他の未知数も計測することが可能となる。
そこで、以下では、3基の音源装置20を設置した場合における第3の未知数を計測する場合について説明する。
(A−2−4)音速の計測
一般的に、水中における音速は水温や圧力によって異なる。上記式(1)〜(3)において、音速Cに誤差が生じていると、潜水船40と各音源装置20との間の距離R1〜R3にも誤差が生じ得る。その結果、潜水船40の測位結果にも誤差が生じるおそれがある。
一般的に、水中における音速は水温や圧力によって異なる。上記式(1)〜(3)において、音速Cに誤差が生じていると、潜水船40と各音源装置20との間の距離R1〜R3にも誤差が生じ得る。その結果、潜水船40の測位結果にも誤差が生じるおそれがある。
そこで、制御部107の制御により、上記式(4)〜(6)の3個の式において、第3の未知数を音速Cとして連立方程式を計算することで、潜水船40の位置座標であるXS,YSに加えて、さらに音速Cを求めることが可能となる。
これにより、音速誤差を補正することができ、潜水船40の位置をより正確に求めることができる。
(A−2−5)時刻の校正
受信装置10(又は潜水船40)が備える高精度時計部109が管理する時刻は、管理期間に応じて標準時刻に対してずれ(ドリフト)が生じてしまうおそれがある。
受信装置10(又は潜水船40)が備える高精度時計部109が管理する時刻は、管理期間に応じて標準時刻に対してずれ(ドリフト)が生じてしまうおそれがある。
高精度時計部109の管理時刻に誤差が生じると、各音源装置20からの送波信号の送信時刻及び受信時刻に誤差が生じ得るので、潜水船40と各音源装置20との間の距離も誤差が生じ得る。その結果として潜水船40の測位結果にも誤差が生じるおそれがある。
そこで、制御部107の制御により、以下のようにして、高精度時計部109の管理する時刻は補正される。
以下では、高精度時計部109が管理する時刻が標準時刻(本実施形態ではGPS情報の時刻情報)に対してΔtの時刻のずれが生じているものとする。なお、音速Cについて誤差がないものとする。
この場合、時刻のずれΔtを考慮すると、上記式(1)〜(3)は下記式(7)〜(9)のようになる。
R1=C×{(t1−Δt)−T}…(7)
R2=C×{(t2−Δt)−T)…(8)
R3=C×{(t3−Δt)−T}…(9)
上記式(7)〜(9)に示すように、高精度時計部109の管理時刻にΔtのずれが生じている場合、潜水船40と各音源装置20との間の距離R1〜R3には、「C×Δt」の距離誤差が含まれることとなる。
R2=C×{(t2−Δt)−T)…(8)
R3=C×{(t3−Δt)−T}…(9)
上記式(7)〜(9)に示すように、高精度時計部109の管理時刻にΔtのずれが生じている場合、潜水船40と各音源装置20との間の距離R1〜R3には、「C×Δt」の距離誤差が含まれることとなる。
従って、上記式(7)〜(9)の3個の式に基づいて連立方程式を計算することで、潜水船40の位置座標であるXS,YSに加えて、さらに高精度時計部109の時刻のずれΔtも求めることが可能とである。
これにより、制御部107の制御により求めた時刻のずれΔt分だけ、高精度時計部109の管理時刻を補正することで、高精度時計部109の時刻を校正することができ、その後の潜水船40の位置について正確に求めることができる。
なお、音源装置20を3基とした場合の適用について説明したが、音源装置20を4基備えることで、潜水船40の座標位置XS、YSのほかに、音速Cの誤差及び時刻のずれΔtを同時に求めることができ、それぞれを補正するようにしてもよい。
(A−2−6)潜水船移動量の補正
受信装置10が計測する潜水船40と複数の音源装置20との間の距離はそれぞれ異なるから、受信装置10が受波する送波信号の受信時刻もそれぞれ異なる。
受信装置10が計測する潜水船40と複数の音源装置20との間の距離はそれぞれ異なるから、受信装置10が受波する送波信号の受信時刻もそれぞれ異なる。
このとき、潜水船40が移動している場合、受信装置10の位置座標は、各送波信号の受信時刻毎に異なることになる。
そのため、以下では、潜水船40が移動している場合に、潜水船40の移動量を考慮して潜水船40の位置座標を求めるようにする。
図8は、潜水船40が移動している場合において、受信装置10の送波信号の受信時刻と、受信時の潜水船40の位置座標との関係を示す説明図である。なお、図8では、各音源装置20の送波信号の送信時刻はTであり、音速Cの誤差はないとする。
図8において、受信装置10は、音源装置20−1からの送波信号の受信時における位置座標を(XS,YS)とし、音源装置20−2からの送波信号の受信時における位置座標を(XS+ΔX1,YS+ΔY1)とし、音源装置20−3からの送波信号の受信時の位置座標を(XS+ΔX2,YS+ΔY2)とする。なお、ΔX1、ΔX2、ΔY1及びΔY2は、音源装置20−1からの送波信号の受信時の位置座標を基準位置とした場合の潜水船40の移動量である。
この場合、上記式(4)〜(6)について、移動量ΔX1、ΔX2、ΔY1及びΔY2を考慮すると、下記式(10)〜(12)のようになる。
R1={(X1−XS)2+(Y1−YS)2}1/2…(10)
R2={(X2−(XS+ΔX1))2+(Y2−(YS+ΔY1))2}1/2…(11)
R3={(X3−(XS+ΔX2))2+(Y3−(YS+ΔY2))2}1/2…(12)
上記式(10)〜(12)において、移動量ΔX1、ΔX2、ΔY1及びΔY2が、新たに未知数として加わることになるが、これらの移動量について、受信装置10が備える慣性航法装置121が計測した各計測結果(移動量)を、上記式(10)〜(12)に代入することで、移動量補正をした潜水船40の正確な位置を計測することが可能となる。
R2={(X2−(XS+ΔX1))2+(Y2−(YS+ΔY1))2}1/2…(11)
R3={(X3−(XS+ΔX2))2+(Y3−(YS+ΔY2))2}1/2…(12)
上記式(10)〜(12)において、移動量ΔX1、ΔX2、ΔY1及びΔY2が、新たに未知数として加わることになるが、これらの移動量について、受信装置10が備える慣性航法装置121が計測した各計測結果(移動量)を、上記式(10)〜(12)に代入することで、移動量補正をした潜水船40の正確な位置を計測することが可能となる。
つまり、制御部107の制御により、慣性航法装置121が計測した計測結果(移動量)を制御部107が取り込み、制御部107において、その取り込んだ移動量を上記式(10)〜(12)に代入して求めることにより、受信時の移動量を補正した潜水船40の位置座標XS、YSを計測することができる。
なお、慣性航法装置121は、長期間にわたり絶対位置を計測することはできないが、図8に示すように、ある基準位置からの相対的な移動量を計測することができるため、本実施形態の受信装置10による潜水船40の測位と融合させることで、より精度の高い測位を可能とする。
(A−3)実施形態の効果
以上、本実施形態によれば、GPS情報の時刻情報により複数の音源装置20間で同期可能にした2基以上の音源装置20が、予め決められた時刻に送波信号を送出することができ、かつ、受信装置10が各送波信号を受波するようにしたので、音源装置20及び受信装置10の構成を軽減化し、かつ、潜水船40の位置を容易に計測することができる。
以上、本実施形態によれば、GPS情報の時刻情報により複数の音源装置20間で同期可能にした2基以上の音源装置20が、予め決められた時刻に送波信号を送出することができ、かつ、受信装置10が各送波信号を受波するようにしたので、音源装置20及び受信装置10の構成を軽減化し、かつ、潜水船40の位置を容易に計測することができる。
また、本実施形態によれば、音源装置20の高精度時計部23の時刻を、GPS情報の時刻情報に基づいて校正可能にしたので、正確な時刻に送波信号の送信をさせることができる。
さらに、本実施形態によれば、音源装置20が長時間のM系列符号化パターンを用いて変調した送波信号を送出し、その送波信号を受波した受信装置10が相関処理を行ないパルス圧縮することで、S/N比を大幅に改善することができる。
さらにまた、本実施形態によれば、音源装置20の送波器26が、水中を伝播しやすい低周波の超音波を送波信号として送出することにより、送波信号の伝搬距離を従来よりも長くすることができる。これにより、例えば伝搬距離を1千km〜1万kmなどすることが可能となる。
また、本実施形態で説明した音源装置20を複数設置しておくことで、受信装置10を備える複数の水中移動体が同時に利用することが可能であり、広い海洋空間を自由に航行することが可能となる。
(B)他の実施形態
(B−1)上述した実施形態では、第3の未知数の計測例として、音速補正や時刻校正などについて説明したが、上記以外の測位に係る算出要素(未知数)を求めることが可能である。例えば、潜水船40の深度を計測できるようにしてもよい。
(B−1)上述した実施形態では、第3の未知数の計測例として、音速補正や時刻校正などについて説明したが、上記以外の測位に係る算出要素(未知数)を求めることが可能である。例えば、潜水船40の深度を計測できるようにしてもよい。
潜水船40の深度を計測する場合、水中空間における潜水船40の深度を新たな未知数とし、3基の音源装置20との各距離と水中空間の位置座標との関係式に基づいて連立方程式を計算することで計測できる。なお、この場合、各音源装置20の深度を予め認識しておくことが必要である。上述した実施形態では、音源装置20から送出される音響信号の水中での屈折率等の影響を考慮して、潜水船40の深度に関しては従来の深度計120により深度を計測するものとして説明した。
(B−2)上述した実施形態では、予め定められた送信時刻に、各音源装置20が一斉同時に送波信号を送出する場合について説明したが、受信装置10側が各音源装置20の送信時刻を管理可能であれば、一斉同時に送信させる必要はない。
つまり、各音源装置20から潜水船40までの送波信号の各送信時刻が受信装置10側で認識でき、各音響信号の伝搬時間が認識できればよい。
10…受信装置、
101…受波器、105…相関演算器、106…信号処理部、
107…制御部、108…記憶部、109…高精度時計部、40…潜水船、
20(20−1〜20−3)…音源装置、
21…制御部、22…記憶部、23…高精度時計部、26…送波器、
30…GPS受信機、
1…音響測位システム。
101…受波器、105…相関演算器、106…信号処理部、
107…制御部、108…記憶部、109…高精度時計部、40…潜水船、
20(20−1〜20−3)…音源装置、
21…制御部、22…記憶部、23…高精度時計部、26…送波器、
30…GPS受信機、
1…音響測位システム。
Claims (11)
- 水中に設置され、水上又は水中を移動可能な移動体の位置を上記移動体側で計測させるための音響信号を送出する水中音源装置であって、
上記音響信号を送出する送波手段と、
時刻情報を管理する時刻管理手段と、
上記時刻管理手段が管理する上記時刻情報に基づいて上記音響信号を定期的に送出制御する音響信号送出制御手段と
を備えることを特徴とする水中音源装置。 - 上記時刻管理手段が、受信したGPS情報の標準時刻情報に基づいて当該時刻管理手段が管理する上記時刻情報を校正することを特徴とする請求項1に記載の水中音源装置。
- 上記音響信号は、拡散符号系列により正弦波波形信号が変調された超音波パルス信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水中音源装置。
- 予め水中設置位置が認識されている少なくとも2基以上の水中音源装置から、定期的に送出された音響信号に基づいて、当該音響測位装置を備える水中又は水上の移動体の位置を、計測する音響測位装置であって、
上記各水中音源装置が送出する上記音響信号の送信時刻を予め管理する送信時刻管理手段と、
水中を介して受波した上記各音響信号の受信時刻を検出する受信時刻検出手段と、
上記受信時刻検出手段が検出した上記各音響信号の各受信時刻と、上記送信時刻管理手段が管理する上記各音響信号に対応する各送信時刻とに基づいて、上記各音響信号を送出した上記各水中音響装置のそれぞれと上記移動体との間の距離を求め、これら距離から三角測量により上記移動体の位置を計測する計測手段と
を備えることを特徴とする音響測位装置。 - 上記受信時刻検出手段が、
時刻情報を管理する時刻管理部と、
ディジタル変換された上記各音響信号の相関処理を行なう相関処理部と、
上記相関処理部により相関が得られた信号電力値が閾値を超えたときの時刻を受信時刻とする受信時刻検出部と
を有することを特徴とする請求項4に記載の音響測位装置。 - 上記移動体の相対的な移動量を計測する移動量計測手段を備え、
上記計測手段が、上記移動量計測手段により計測された上記移動体の相対的な移動量を用いて、上記移動体の移動位置を考慮して上記移動体の位置を計測することを特徴とする請求項4又は6に記載の音響測位装置。 - 上記計測手段が、少なくとも3基以上の上記各水中音源装置と上記移動体との間の関係式から、上記移動体の位置に加えて、上記移動体の測位に係る算出要素をも計測することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の音響測位装置。
- 上記移動体の測位に係る算出要素が、上記音響信号の伝搬速度であることを特徴とする請求項7に記載の音響測位装置。
- 上記移動体の測位に係る算出要素が、上記時刻管理部が管理する時刻情報の標準時刻からの誤差であることを特徴とする音響測位装置。
- 上記計測手段が、計測した上記時刻情報の誤差に基づいて、上記時刻管理部が管理する時刻情報を補正する時刻補正部を有することを特徴とする請求項9に記載の音響測位装置。
- 予め水中設置位置が認識されており、定期的に音響信号を送出する請求項1〜3のいずれかに記載の少なくとも2基以上の水中音源装置と、
上記各水中音響装置により送出された上記音響信号に基づいて、当該音響測位装置を備える水中又は水上の移動体の位置を、計測する請求項4〜10のいずれかに記載の音響測位装置と
を備えることを特徴とする音響測位システム。
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