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JP2005302861A - Iii−v族窒化物半導体を用いた半導体装置 - Google Patents

Iii−v族窒化物半導体を用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】障壁層に電子が蓄積され不要な電子の伝導パスが形成されることを防止し、性能劣化が生じない半導体装置を実現できるようにする。
【解決手段】サファイア基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、AlGaNからなる障壁層13が積層され、障壁層13にはヘテロ接合界面19に電子を供給するn型のδ−ドープ層17が動作層12と障壁層13とのヘテロ接合界面19から2nmの位置に形成されている。n型不純物のドープ層をδ−ドープ層にすると共に、ヘテロ接合界面19の近傍に設けることにより、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが低下することを防止できる。これにより、障壁層13に不要な電子の伝導パスは形成されず、性能劣化の生じない半導体装置が実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III-V族窒化物半導体を用いた半導体装置に関する。
III-V族窒化物半導体とは、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1; 0≦w,x,y,z≦1)によって表される、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)と窒素(N)との化合物からなる化合物半導体をいう。
III-V族窒化物半導体はその大きいバンドギャップとそれに伴う高い破壊電圧、高い電子飽和速度及び高い電子移動度、並びにヘテロ接合における高い電子濃度等の利点を有することから、短波長発光素子、高出力高周波素子及び高周波低雑音増幅素子等への応用を目的として、研究開発が進んでいる。とりわけ、III-V族元素の組成比を変化させた互いのバンドギャップが異なるIII-V族窒化物半導体層を積層したヘテロ接合構造又はこれらを複数積層した量子井戸構造若しくは超格子構造は、素子内の電子濃度の変調度を制御することができるため、上記素子の基本構造として利用されている。
図9は従来のIII-V族窒化物半導体装置におけるヘテロ接合を利用する最も一般的な形態を示している(例えば特許文献1又は特許文献2を参照)。図9(a)において、基板81の上に窒化ガリウム(GaN)からなる動作層82及び窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなる障壁層83が順次積層されており、互いに異なるバンドギャップを有する動作層82と障壁層83とが積層された界面には、ヘテロ接合が形成されている。
障壁層83の上には、ソース電極84、ドレイン電極85及びゲート電極86が形成され、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(Heterojunction Field Effect Transistor、以下HFETと略称する。)として動作する。
障壁層83は、動作層82側から順に積層された、スペーサー層87、n型不純物がドープされたキャリア供給層88及び絶縁層89により構成されている。
図9(b)は、図9(a)に示したHFETについてゲート電極86の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。ゲート電極86と障壁層83とはショットキー障壁を形成し、障壁層83と動作層82とのヘテロ接合界面には、障壁層83と動作層82との自然分極量差及びピエゾ分極量差、キャリア供給層88のn型不純物並びに半導体層内の他の制御不能な欠陥に由来する電子が高濃度に蓄積し、二次元電子ガス(2DEG)を形成し、電界効果トランジスタのチャネルキャリアとして動作する。
このような、HFETの特性を高めるためには、チャネルキャリアである電子は障壁層83と動作層82とのヘテロ接合界面に局在していることが好ましく、とりわけ、障壁層83内に進入しないことが好ましい。
特開2002−16245号公報 米国特許第6316793号明細書
しかし、上記従来のIII-V族窒化物半導体を用いたHFETの構成において、障壁層83に設けられたキャリア供給層88にはn型不純物がドープされており、相対的に伝導帯底のエネルギーレベルが低くなっている。このため、平衡状態において障壁層83の中心付近における伝導帯底のエネルギーレベルは著しく引き下げられ下側に湾曲する。このため、ゲートからトンネル等による電子のリークが発生しやすく、リークした電子は障壁層83の内部に閉じ込められるため、動作層82と障壁層83とのヘテロ接合界面以外に障壁層83の内部にも電子の伝導パスが形成され、ゲートの変調特性が悪化する等の性能劣化を引き起こすという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決し、障壁層に電子が蓄積され不要な電子の伝導パスが形成されることを防止し、性能劣化が生じない半導体装置を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、第1のIII-V族窒化物半導体層と第1III-V族窒化物半導体層よりバンドギャップが大きな第2のIII-V族窒化物半導体層とがヘテロ接合界面を形成している半導体装置を、第1の半導体層におけるヘテロ接合界面の下側に電子を供給するn型不純物層の厚み及び形成位置を最適化する構成とする。
具体的には、本発明の第1の半導体装置は、基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体層とを備え、第2のIII-V族窒化物半導体層は、第1のIII-V族窒化物半導体層における該第1のIII-V族窒化物半導体層との間で形成されるへテロ接合界面の下側の領域に電子を供給するn型不純物層を有していることを特徴とする。
本発明に係る第1の半導体装置によれば、第1のIII-V族窒化物半導体層におけるヘテロ接合界面の下側の領域にキャリアとなる電子を供給するn型不純物層を第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の半導体層の内部に形成しているため、第2の半導体層における伝導帯底のエネルギーレベルの低下を抑えられるので、ヘテロ接合界面に電子を供給することができ、第1の半導体層に確実に電子の伝導パスを形成できる。
本発明の第1の半導体装置において、n型不純物層は、δ−ドープ層であることが好ましい。このような構成にすることにより、イオン化により伝導帯底のエネルギーレベルを低下させるn型不純物層の厚さを原子数層程度にまで薄くできるため、伝導帯底のエネルギーレベルの低下を最小限にすることが可能となるので、第2の半導体層の中心付近に不要な電子の伝導パスが形成されることを確実に防止できる。従って、第2の半導体層の内部に電子の蓄積による不要な電子の伝導パスが形成されることを防止できるようになり、その結果、性能劣化のないIII-V族窒化物半導体装置を実現することができる。
第1の半導体装置においてn型不純物層は、ヘテロ接合界面から10nm以内の位置に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、伝導帯底のエネルギーレベルを低下させるn型不純物層がヘテロ接合界面の極めて近くに存在するため、第2の半導体層の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しないので、第2の半導体層の中心付近に不要な電子の伝導パスが形成されることを確実に防止できる。
さらに、n型不純物層は、ヘテロ接合界面の近傍に形成されていることが好ましい。これにより、第2の半導体層における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面の近傍において最も低くなるため、第2の半導体層の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが低下することを確実に防止できる。
第1の半導体装置において、第2のIII-V族窒化物半導体層は、n型不純物層の下側の組成がn型不純物層の上側の組成と比べてバンドギャップが小さくなるように設定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、第2の半導体層のヘテロ接合界面側における伝導帯底のエネルギーレベルがn型不純物層におけるエネルギーレベルと比べて高くなることを防ぐことができ、第2の窒化物半導体層内中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが下側に湾曲することを確実に防止できる。
また、第2のIII-V族窒化物半導体層は、n型不純物層の組成がn型不純物層を除く部分の組成と比べてバンドギャップが大きくなるように設定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、n型不純物層のイオン化による伝導帯底のエネルギーレベルの低下をあらかじめ補償することができ、第2の半導体層の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが低下することを防止できる。
さらに、n型不純物層の組成は、第2のIII-V族窒化物半導体層におけるn型不純物層を除く部分の組成と比べてバンドギャップが5%以上大きくなるように設定されていることが好ましい。これにより、伝導帯低のエネルギーレベルの低下を確実に補償することができる。
第1の半導体装置において、第2のIII-V族窒化物半導体層の上面とn型不純物層との間にp型不純物層が形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、n型不純物層のイオン化による伝導帯底のエネルギーレベルの低下をp型不純物層のイオン化による伝導帯底のエネルギーレベルの上昇により補償することができる。その結果、第2の半導体層の中心付近に電子の伝導パスが形成されることを確実に防止することができる。
また、n型不純物層とp型不純物層とは、pn接合を形成していることが好ましく、さらに、p型不純物層は、δ−ドープ層であることが好ましい。
本発明に係る第2の半導体装置は、基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体層と、第2のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、n型不純物がドープされたn型半導体層とを備えていることを特徴とする。
本発明の第2の半導体装置によれば、第1の半導体層におけるヘテロ接合界面の下側にキャリアを供給するn型不純物層が第2の半導体層の外部に形成されているため、第2の半導体層において伝導帯底のエネルギーレベルの低下が生じない。従って、第2の半導体層に電子の蓄積による不要な電子の伝導パスが形成されることがなくなるので、性能劣化のない半導体装置を実現することが可能となる。
本発明の第3の半導体装置は、基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成された第2のIII-V族窒化物半導体層とがヘテロ接合界面を形成している半導体装置を対象とし、第2のIII-V族窒化物半導体層は、へテロ接合界面側から第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第1の半導体膜と、第1の半導体膜と比べてバンドギャップが小さい第2の半導体膜とが交互に積層された積層構造を有し、第1の半導体膜におけるへテロ接合界面の近傍、及び各第2の半導体膜と該第2の半導体膜と接する各第1の半導体膜とのそれぞれの界面の近傍がn型不純物によりドープされていることを特徴とする。
本発明の第3の半導体装置によれば、第2の半導体層はバンドギャップが異なる2つの半導体膜が交互に積層された積層構造を有しており、2つの半導体膜の界面の近傍がn型不純物によりドープされているため、第2の半導体層の上面近傍におけるイオン化率が低くなるので、第2の半導体層において伝導帯底のエネルギーレベルは低下することがない。その結果、第2の半導体層内に電子が蓄積され不要な電子の伝導パスが形成されることを防止できるので、性能劣化のない半導体装置を実現することが可能となる。
本発明の半導体装置によれば、障壁層の中心付近における伝導帯底のエネルギーレベルが低下しないため、障壁層の内部に電子の蓄積による不要な電子の伝導パスが形成されることを防止できる。このため、性能劣化のないIII-V族窒化物半導体装置を実現することが可能となる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について図1を参照しながら説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図1(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
障壁層13におけるヘテロ接合界面19から2nm上側には、厚さが1nmのn型不純物層であるn型のδ−ドープ層17が形成されている。なお、本実施形態において障壁層13におけるAlの混晶比xは0.25としている。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。以下にその理由を説明する。
図1(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図1(b)に示すように、障壁層13の内部にはイオン化により伝導帯底のエネルギーレベルを低下させるn型不純物層であるn型のδ−ドープ層17が形成されているため、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、障壁層13の上面からn型のδ−ドープ層17に向けて次第に低くなる。しかし、n型のδ−ドープ層17の厚さは約1nmと極めて薄いため、伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下する範囲は極めて狭い。これにより障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルの低下を抑えることができる。
さらに、n型のδ−ドープ層17は、ヘテロ接合界面19の近傍に局在しているため、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面19の近傍において最低となる。従って、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが低下することはなく、障壁層13の内部に電子が蓄積されることはない。
図1(c)は本実施形態に係る半導体装置に、ドレインソース電圧(Vds)が10Vでゲートソース電圧(Vgs)が0Vのバイアスを与えた場合のゲート電極16の直下における電子濃度のプロファイルを示している。図1(c)において、縦軸は電子濃度(cm-3)であり、横軸は表面障壁層13の上面からの深さ(μm)である。
図1(c)に示すように、障壁層13の内部にはほとんど電子が存在せず、動作層12におけるヘテロ接合界面19の近傍にのみ電子が高濃度で存在している。つまり、障壁層13にチャネル以外の電子の伝導パスが形成されていないことがわかる。
次に、n型のδ−ドープ層17を設ける位置について説明する。
図2は、本実施形態の半導体装置において障壁層13に形成されたn型のδ−ドープ層17の位置とドレイン電流(Ids)及びゲートリーク電流の絶対値(|Ig|)との関係を示している。図2において横軸はn型のδ−ドープ層17のヘテロ接合界面19からの距離(nm)であり、縦軸はIds及び|Ig|(A/mm)である。また、測定の際のバイアス条件はVdsが15Vであり、Vgsが0Vである。
図2に示すようにn型不純物のδ−ドープ層17を形成する位置がヘテロ接合界面19から離れるに従いIdsの値が減少し、|Ig|の値が増大する。特にn型不純物のδ−ドープ層17を形成する位置がヘテロ接合界面19から10nm以上離れると|Ig|の値が急激に上昇する。また、この場合Idsの値も0.5以下となりデバイスの特性が大きく劣化する。従って、n型不純物のδ−ドープ層17はヘテロ接合界面19から10nm以内の位置に形成することが好ましく、より好ましくは5nm以内の位置に形成すればよい。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置においては、障壁層13に設けられるn型不純物層をn型のδ−ドープ層17とすることにより極めて薄くすると共に、n型のδ−ドープ層17をヘテロ接合界面19の近傍に形成しているため、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。従って、障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
以下に本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について図3を参照しながら説明する。
図3(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図3(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
障壁層13におけるヘテロ接合界面19から5nm上側には、厚さが1nmのn型のδ−ドープ層17が形成されている。なお、本実施形態において障壁層13はバンドギャップの異なる2つの領域から形成されており、n型のδ−ドープ層17よりヘテロ接合界面19側にバンドギャップの小さな障壁層下部領域13a(x=0.15)が形成され、n型のδ−ドープ層17より上面側にはバンドギャップの大きな障壁層上部領域13b(x=0.25)が形成されている。また、n型のδ−ドープ層17におけるAlの混晶比xは障壁層上部領域13bと同じ0.25である。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。以下にその理由を説明する。
図3(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図3(b)に示すように、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、障壁層13の上面からn型のδ−ドープ層17に向けて次第に低下する。しかし、イオン化により伝導帯底のエネルギーレベルを相対的に低下させるn型のδ−ドープ層17の厚さが約1nmと極めて薄いため、伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下する範囲は極めて狭い。また、障壁層下部領域13aのバンドギャップは、n型のδ−ドープ層17のバンドギャップと比べて小さいため、障壁層下部領域13aにおける伝導帯底のエネルギーレベルは、n型のδ−ドープ層17における伝導帯底のエネルギーレベルと比べて低くなる。
従って、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面19において最も低くなり、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。
図3(c)は本実施形態に係る半導体装置に、Vdsが10VでVgsが0Vのバイアスを与えた場合のゲート電極16の直下における電子濃度のプロファイルを示している。図3(c)に示すように、障壁層13の内部にはほとんど電子が存在せず、動作層12におけるヘテロ接合界面19の近傍にのみ電子が高濃度で存在している。つまり、障壁層13にチャネル以外の電子の伝導パスが形成されていないことがわかる。
ゲート電極16の直下における、障壁層下部領域13aのバンドギャップは、n型のδ−ドープ層17のバンドギャップと比べて小さい。これにより、障壁層13の伝導帯から動作層12の伝導帯ヘ電子が流れ込むため、障壁層13の内部に電子は蓄積されず、電子の伝導パスは形成されない。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置によれば、障壁層下部領域13aにおけるバンドギャップを障壁層13の他の部分におけるバンドギャップと比べて相対的に小さくすることにより、n型のδ−ドープ層17よりヘテロ接合界面19側において伝導帯底のエネルギーレベルを低くできる。これにより障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下に本発明の第3の実施形態における半導体装置について図4を参照しながら説明する。
図4(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図4(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
障壁層13におけるヘテロ接合界面から5nm上側には、厚さが1nmのn型のδ−ドープ層17が形成されている。本実施形態において、n型のδ−ドープ層17におけるAlの混晶比xは0.35であり、障壁層13のδ−ドープ層17を除くノンドープ領域13cにおけるAlの混晶比xは0.25である。このため、δ−ドープ層17におけるバンドギャップは、ノンドープ領域13cにおけるバンドギャップと比べて大きくなっている。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。以下にその理由を説明する。
図4(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図4(b)に示すように、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、障壁層13の上面からn型のδ−ドープ層17に向けて次第に低下する。しかし、伝導帯底のエネルギーレベルを相対的に低下させるn型のδ−ドープ層17の厚さは約1nmと極めて薄いため、伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下する範囲も極めて狭い。また、n型のδ−ドープ層17におけるAlの混晶比xがノンドープ領域13cと比べて大きいため、n型のδ−ドープ層17におけるバンドギャップは、ノンドープ領域13cにおけるバンドギャップと比べて大きい。このため、n型不純物がドープされたことにより生じる伝導帯底のエネルギーレベルの低下を、バンドギャップの増大による伝導帯底のエネルギーレベルの上昇により補償することができる。
従って、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面19において最も低くなり、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。
図4(c)は本実施形態に係る半導体装置に、Vdsが10VでVgsが0Vのバイアスを与えた場合のゲート電極16の直下における電子濃度のプロファイルを示している。
図4(c)に示すように、障壁層13の内部にはほとんど電子が存在せず、動作層12におけるヘテロ接合界面19の近傍にのみ電子が高濃度で存在している。つまり、障壁層13にチャネル以外の電子の伝導パスが形成されていないことがわかる。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置においては、イオン化により伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下するn型のδ−ドープ層17のバンドギャップをノンドープ領域13cのバンドギャップと比べて大きく設定しているため、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。従って、障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
n型不純物にSiを用いる場合に、n型のδ−ドープ層17にドープ可能なSiの最大濃度は、約1×1020cm-3である。この場合において動作層12におけるヘテロ接合界面19近傍にチャネル層を形成するためには、経験上動作層12と障壁層13との間に約0.1eVのバンドオフセットが必要となる。また、経験上伝導帯のバンドオフセットの大きさはバンドギャップの差の約70%であることから、障壁層13のバンドギャップは動作層12より0.14eV以上大きくなければならない。
一方、本実施形態において障壁層13は、バンドギャップの大きなn型のδ−ドープ層17とバンドギャップの小さなノンドープ領域13cとによって構成されている。このため、動作層12にチャネルを形成するためには少なくともノンドープ領域13cのバンドギャップが動作層12と同一であり、n型のδ−ドープ層17のバンドギャップが動作層12のバンドギャップと比べて0.14eV以上大きい必要がある。
例えば、動作層12に通常用いられるバンドギャップが3.4eVであるGaNを用いる場合には、障壁層13のノンドープ領域13cにおけるバンドギャップは少なくともGaNのバンドギャップと同じ3.4eV以上でなければならず、n型のδ−ドープ層17のバンドギャップは少なくともノンドープ領域13cのバンドギャップ(3.4eV)と比べて約5%大きな3.54eV以上でなければならない。従って、n型のδ−ドープ層17のバンドギャップは、ノンドープ領域13cのバンドギャップと比べて少なくとも5%以上大きいことが好ましい。
(第4の実施形態)
以下に本発明の第4の実施形態に係る半導体装置について図5を参照しながら説明する。
図5(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図5(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
障壁層13におけるヘテロ接合界面19から5nm上側には、厚さが2nmのn型のδ−ドープ層17が形成され、さらにn型のδ−ドープ層17の上にはp型の不純物がドープされた厚さが10nmのp型不純物層48が形成されており、n型のδ−ドープ層17及びp型不純物層48がpn接合を形成している。なお、本実施形態において障壁層13におけるAlの混晶比xは0.25としている。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。以下にその理由を述べる。
図5(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図5(b)に示すように、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、障壁層13の上面からn型のδ−ドープ層17に向けて次第に低下する。しかし、n型のδ−ドープ層17の厚さは約2nmと極めて薄いため、伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下する範囲は極めて狭く、また、n型のδ−ドープ層17の上側に設けられたp型不純物層48により障壁層13における伝導体底のエネルギーレベルは全体に引き上げられており、n型のδ−ドープ層17による伝導帯底のエネルギーレベルの低下を補償することができる。
従って、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面19近傍において最も低くなり、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。これにより障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
なお、p型不純物層48は、n型のδ−ドープ層17よりも障壁層13の上面側に形成されていればよく、必ずしもpn接合を形成している必要はない。
また、p型不純物層48の上にソースオーミック電極14、ドレインオーミック電極15及びゲート電極16が形成されている構成であっても同様の効果が得られる。
(第5の実施形態)
以下に本発明の第5の実施形態に係る半導体装置について図6を参照しながら説明する。
図6(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図6(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
障壁層13におけるヘテロ接合界面19から3nm上側には、厚さが1nmのn型のδ−ドープ層17が形成され、さらに、最上面から3nm下側には厚さが2nmのp型不純物層であるp型のδ−ドープ層58が形成されている。なお、本実施形態において障壁層13におけるAlの混晶比xは0.25としている。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。以下にその理由を述べる。
図6(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図6(b)に示すように、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、障壁層13の上面からn型のδ−ドープ層17に向けて次第に低くなる。しかし、n型のδ−ドープ層17の厚さは約1nmと極めて薄いため、伝導帯底のエネルギーレベルが相対的に低下する範囲は極めて狭く、また、n型のδ−ドープ層17の上側に設けられたp型のδ−ドープ層58により障壁層13における伝導体底のエネルギーレベルは全体に引き上げられており、n型のδ−ドープ層17による伝導帯底のエネルギーレベルの低下を補償することができる。
従って、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルは、ヘテロ接合界面19近傍において最も低くなり、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。これにより障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
(第6の実施形態)
以下に本発明の第6の実施形態に係る半導体装置について図7を参照しながら説明する。
図7(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図7(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に、厚さが25nmのAlxGa(1-x)N(0<x<1)からなる障壁層13が積層されており、動作層12と障壁層13とからヘテロ接合界面19が形成されている。障壁層13の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
本実施形態の半導体装置の構成においては、チャネルへの必要なキャリアは、障壁層13の上に設けられたn型半導体層67によって供給され、障壁層13の内部にはn型の不純物ドープ層が存在しない。
図7(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図7(b)に示すように、障壁層13の内部にはn型の不純物ドープ層が存在しないので、障壁層13における伝導帯低のエネルギーレベルは障壁層の表面からヘテロ接合界面19に向けて直線的に低下する。従って、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルは低下しない。また、障壁層13の上に設けられたn型半導体層67は厚さが1nmと非常に薄いため、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の形成において、アロイ化などのプロセス上の障害とはならない。
また、n型半導体層67の厚さが1nmと非常に薄いことから、ゲート電極16のショットキー特性もn型半導体層67が無い場合と同様に、ゲート金属のフェルミレベルと障壁層13の伝導帯底のエネルギーレベルの違いにより決まる高い障壁高さを保つことが可能である。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、障壁層13の内部にイオン化により伝導帯底のエネルギーレベルを低下させるn型の不純物層が形成されていないため、障壁層13の中心付近において伝導帯底のエネルギーレベルの低下は生じない。これにより障壁層13の内部には電子が蓄積されないので、障壁層13に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
なお、本実施形態においてn型半導体層67としてSiからなる半導体層を用いたが、これに限らずAlxGayInzAs(x+y+z=1;0≦x,y,z≦1)、AlxGayInzP(x+y+z=1;0≦x,y,z≦1)、AlxGayInzN(x+y+z=1;0≦x,y,z≦1)、ZnxCdypqSer(x+y=1;0≦x,y≦1、p+q+r=1;0≦p,q,r≦1),又はSixGeyz(x+y+z=1;0≦x,y,z≦1)等のIII-V族、II-VI 族、IV族半導体またはこれらの混晶を用いることができる。
本発明に係る第1から第6の実施形態において、動作層にGaNを、障壁層にAlxGa1-xN(0<x<1)を用いたが、これに限らず一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1;0≦w,x,y,z≦1)によって表されるIII-V族窒化物半導体の中から選択したバンドギャップが異なる2種類の化合物の組み合わせを用いることができる。
(第7の実施形態)
以下に本発明の第7の実施形態に係る半導体装置について図8を参照しながら説明する。
図8(a)は、本実施形態に係る半導体装置の断面を模式的に示している。
図8(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に形成されたGaNからなる動作層12の上に障壁層として機能する積層構造体73が形成されている。
積層構造体73の最下層には厚さが2nmのAl0.25Ga0.75N層73aが設けられており、動作層12と最下層のAl0.25Ga0.75N層73aとの間にはヘテロ接合界面19が形成されている。
最下層のAl0.25Ga0.75N層73aの上にはさらに厚さが2nmのAl0.15Ga0.85N層73bと厚さが2nmのAl0.25Ga0.75N層73aとが交互に9周期分、エピタキシャル成長によって積層されている。
積層構造体73の上には、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15が互いに間隔をおいて形成され、ソースオーミック電極14及びドレインオーミック電極15の間にはゲート電極16が形成されている。
積層構造体73において、最下層に形成されたAl0.25Ga0.75N層73aのヘテロ接合界面19の近傍及びAl0.15Ga0.85N層73bとこれに接するAl0.25Ga0.75N層73aとの各界面の近傍がn型不純物により高濃度にドープされている。
本実施形態の半導体装置の構成によれば、障壁層13における伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。以下にその理由を説明する。
図8(b)は本実施形態に係る半導体装置のゲート電極16の下側におけるエネルギーバンドダイアグラムを示している。
図8(b)に示すように、積層構造体73の上面の近傍においてはイオン化率が極めて低くなるため、イオン化による伝導帯底のエネルギーレベルの低下は生じない。また、積層構造体73とGaN層12とのヘテロ接合界面19に形成されるチャネルへのキャリアは、積層構造体73の最下層に位置するAl0.25Ga0.75N層73aに設けられたn型不純物ドープ層により供給され、このn型不純物ドープ層は、高濃度のδ−ドープ層として作用する。
従って、障壁層である積層構造体73において伝導帯底のエネルギーレベルが引き下げられることはない。このため、積層構造体73の内部には電子が蓄積されないので、積層構造体73に不要な電子の伝導パスが形成されることを防止でき、その結果、性能劣化がない半導体装置を実現することが可能となる。
なお、本実施形態において積層構造体73はAl0.15Ga0.85N13bとAl0.25Ga0.75N13aとを9周期積層しているが、これに限らず、積層構造体73がゲートからの電子のリークに対する障壁として機能できればよく、Al0.15Ga0.85N13bとAl0.25Ga0.75N13aとを1周期以上積層していれば同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、動作層12及び障壁層である積層構造体73にGaN、Al0.25Ga0.75N及びAl0.15Ga0.85Nの組み合わせを用いたが、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1;0≦w,x,y,z≦1)によって表されるIII-V族窒化物半導体の中から選択したバンドギャップが異なる3種類の化合物の組み合わせを用いることができる。
また、本発明に係る第1から第7の実施形態において、基板11としてサファイアからなる基板を用いたが、GaN、Si、SiC又はGaAs等からなる基板を用いてもよい。
本発明の半導体装置は、障壁層の中心付近における伝導帯底のエネルギーレベルが低下しないため、障壁層の内部に電子の蓄積による不要な電子の伝導パスが形成されることを防止できる。このため、性能劣化のないIII-V族窒化物半導体装置を実現することが可能となり、III-V族窒化物半導体を用いた半導体装置等に有用である。
(a)から(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムであり、(c)は電子濃度のプロファイルである。 はn型不純物のδ−ドープ層の位置とドレイン電流(Ids)及びゲート電流の絶対値(|Ig|)との関係を示すグラフである。 (a)から(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムであり、(c)は電子濃度のプロファイルである。 (a)から(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムであり、(c)は電子濃度のプロファイルである。 (a)及び(b)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムである。 (a)及び(b)は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムである。 (a)及び(b)は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムである。 (a)及び(b)は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)エネルギーバンドダイアグラムである。 (a)及び(b)は従来のIII-V族窒化物半導体によるヘテロ接合電界効果トランジスタを示し、(a)は断面図であり、(b)はエネルギーバンドダイアグラムである。
符号の説明
11 基板
12 動作層
13 障壁層
13a 障壁層下部領域
13b 障壁層上部領域
13c ノンドープ領域
14 ソースオーミック電極
15 ドレインオーミック電極
16 ゲート電極
17 n型のδ−ドープ層
19 ヘテロ接合界面
48 p型不純物層
58 p型のδ−ドープ層
67 n型半導体層
73 積層構造体
73a Al0.25Ga0.75N層
73b Al0.15Ga0.85N層

Claims (12)

  1. 基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、
    前記第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、前記第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体層とを備え、
    前記第2のIII-V族窒化物半導体層は、前記第1のIII-V族窒化物半導体層における該第1のIII-V族窒化物半導体層との間で形成されるへテロ接合界面の下側の領域に電子を供給するn型不純物層を有していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記n型不純物層は、δ−ドープ層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記n型不純物層は、前記ヘテロ接合界面から10nm以内の位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記n型不純物層は、前記ヘテロ接合界面の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記第2のIII-V族窒化物半導体層は、前記n型不純物層の下側の組成が、前記n型不純物層の上側の組成と比べてバンドギャップが小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記第2のIII-V族窒化物半導体層は、前記n型不純物層の組成が前記n型不純物層を除く部分の組成と比べてバンドギャップが大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記n型不純物層の組成は、前記第2のIII-V族窒化物半導体層における前記n型不純物層を除く部分の組成と比べてバンドギャップが5%以上大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記第2のIII-V族窒化物半導体層の上面と前記n型不純物層との間にp型不純物層が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記n型不純物層と前記p型不純物層とは、pn接合を形成していることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記p型不純物層は、δ−ドープ層であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、
    前記第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、前記第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体層と、
    前記第2のIII-V族窒化物半導体層の上に形成され、n型不純物がドープされたn型半導体層とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  12. 基板の上に形成された第1のIII-V族窒化物半導体層と、該第1のIII-V族窒化物半導体層の上に形成された第2のIII-V族窒化物半導体層とがヘテロ接合界面を形成している半導体装置であって、
    前記第2のIII-V族窒化物半導体層は、前記へテロ接合界面側から前記第1のIII-V族窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜と比べてバンドギャップが小さい第2の半導体膜とが交互に積層された積層構造を有し、
    前記第1の半導体膜におけるの前記へテロ接合界面の近傍、及び前記各第2の半導体膜と該第2の半導体膜と接する前記各第1の半導体膜とのそれぞれの界面の近傍がn型不純物によりドープされていることを特徴とする半導体装置。

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