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JP2005284143A - 感光性組成物および感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性組成物および感光性平版印刷版 Download PDF

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JP2005284143A
JP2005284143A JP2004100554A JP2004100554A JP2005284143A JP 2005284143 A JP2005284143 A JP 2005284143A JP 2004100554 A JP2004100554 A JP 2004100554A JP 2004100554 A JP2004100554 A JP 2004100554A JP 2005284143 A JP2005284143 A JP 2005284143A
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photosensitive
ring
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Kunihiro Doi
邦博 土井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、高感度で、露光後の加熱処理やオーバーコート層を必要とせず、潜像退行のない感光性組成物、及びこれを利用した感光性平版印刷版を提供することを課題とする。特に、感度を変化させることなく、塗膜強度を向上させ、経時保存に於いても非画像部の溶出性が悪化しない、感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することを課題とする。
【解決手段】側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤とを含有する感光性組成物に於いて、チオエーテル結合を有し、且つ重合性を有さない化合物を併せて含有することを特徴とする感光性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は感光性組成物に関し、更にこれを利用した感光性平版印刷版に関する。更に詳しくは、レーザー等の走査露光装置を用いて画像形成可能な感光性組成物および感光性平版印刷版に関する。更に、プリント配線基板作成用レジストや、カラーフィルター、蛍光体パターンの形成等に好適な感光性組成物に関する。
感光性組成物は、光反応によって分子構造が化学変化を起こし、その結果、物理現象(物性)に変化が生じる。この光の作用による化学変化としては、架橋・重合・分解・解重合・官能基変換などがあり、溶解度・接着性・屈折率・物質浸透性および相変化など多様である。このような感光性組成物は、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。さらに、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いるフォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォトレジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもので、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計が必要となっている。
広く用いられているタイプの平板印刷版は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。このような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インクが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移することを利用するものである。パターン上に転移したインクはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
上記した光反応による溶解度の変化を利用してレリーフ像を形成する感光性組成物は、従来から多くの研究が成されており、また実用化されている。例えば、特公昭49−34041号、同平6−105353号等には側鎖にエチレン性不飽和結合を有する重合体と架橋剤と光重合開始剤を主体とする感光性組成物が開示されている。これらは、400nm以下の紫外線領域を中心とした短波長の光に対して感光性を有するものである。
一方、近年、画像形成技術の進歩に伴い、可視光に対して高感度を示す感光性材料が求められるようになってきた。例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等を用いた出力機に対応した感光性材料及び感光性平版印刷版の研究も活発に行われている。
更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する感光性材料及び感光性平版印刷版が注目されている。
上記可視光〜近赤外光に感光性を有する光重合性組成物として、特開平9−134007号公報にはエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合可能な化合物と400〜500nmに吸収ピークを持つ光増感色素と重合開始剤とを含有する平版印刷版材料が開示され、特開昭62−143044号、同昭62−150242号、同平5−5988号、同平5−194619号、同平5−197069号、同2000−98603号公報等には、有機ホウ素アニオンと色素との組み合わせが開示され、特開平4−31863号、同平6−43633号公報には色素とs−トリアジン系化合物との組み合わせが開示され、特開平7−20629号、同平7−271029号公報にはレゾール樹脂、ノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び光酸発生剤の組み合わせが開示され、特開平11−212252号、同平11−231535号公報には特定の重合体と光酸発生剤と近赤外増感色素の組み合わせが開示されている。
しかしながら、上記したような光重合開始剤あるいは光酸発生剤を用いた重合性組成物は、可視光〜近赤外領域に充分高い感光性を付与するのは難しく、特に各種レーザー光を用いた走査露光に適用するには感光性が不足していた。
また、上記したような重合性組成物は、露光後、潜像が退行するという問題があった。即ち、本来露光された部分は現像後に像を形成するが、露光してから現像処理するまでの時間経過によって、像を十分に形成しないという、いわゆる潜像退行の問題がある。この現象は、温度湿度及び露光量等の条件よっては、露光後数十分から数時間の間に起こり得るものである。
また、上記した感光性組成物は、感度等の安定性、長期保存性を確保するのが難しいという問題があり、このために、感光層上部に酸素バリア性を高めるとともに表面の傷防止等を目的としたポリビニルアルコール等からなるオーバー層を設けることが通常行われている。このようなオーバー層の存在によりレーザー露光の際に光の散乱等による画質の低下の問題や、現像の際に、アルカリ現像に先立ってオーバー層除去のためのプレ水洗工程が必要となること、および製造にあたって感光層塗布後に更にオーバー層を塗布する工程が必要である等の問題があった。
また、光重合開始剤あるいは光酸発生剤による重合は、露光のみでは不十分な場合が多く、露光後あるいは現像処理後に加熱処理して、重合を促進完結させる必要があった。特に、可視光〜赤外光の波長域に感光性を付与した感光性平版印刷版材料の場合は、加熱処理は重要な製版工程であった。しかしながら、加熱処理は生産効率を低下させるのみではなく、品質を不安定にする要因を含んでいる。例えば、露光部/未露光部の溶解性の差を一定に保つのは難しく、十分な加熱が行われなければ現像液により露光部まで溶解する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未露光部が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等の問題点がある。
上記問題点を解決するために、特開2001−290271号公報等に高い感光性を有する感光性組成物が開示されている。この感光性組成物を平版印刷版に応用した場合には、高感度で高耐刷性の印刷版を与えたものの、塗膜強度や保存安定性の更なる向上等、実用面での更なる改善が望まれている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2001−290271号公報
本発明は、高感度で、露光後の加熱処理やオーバーコート層を必要とせず、潜像退行のない感光性組成物、及びこれを利用した感光性平版印刷版を提供することを課題とする。特に、感度を変化させることなく、塗膜強度を向上させ、経時保存に於いても非画像部の溶出性が悪化しない、感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に記載の感光性組成物を用いることによって上記課題を基本的には解決できることを見出した。
1)側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤とを含有する感光性組成物に於いて、チオエーテル結合を有し、且つ重合性を有さない化合物(以下、単にチオエーテル化合物と略す)を併せて含有することを特徴とする感光性組成物。
2)前記1)に於けるチオエーテル化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする感光性組成物。
Figure 2005284143
[式(1)中、Z1は置換されていてもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、R1は置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基を表す。]
3)走査露光用である上記1)または2)に記載の感光性組成物。
4)750〜1100nmの近赤外レーザーによる露光用である上記1)〜3)に記載の感光性組成物。
5)400〜430nmの青色半導体レーザーによる露光用である上記1)〜3)に記載の感光性組成物。
6)上記1)〜5)のいずれか1つに記載の感光性組成物を利用した平版印刷版。
本発明により、高感度で、露光後の加熱処理やオーバーコート層を必要とせず、潜像退行のない感光性組成物、及びこれを利用した感光性平版印刷版を提供することができる。特に、感度に影響を与えることなく、塗膜強度を向上させ、経時保存に於いても非画像部の溶出性が悪化しない、感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することができる。
本発明に用いられるチオエーテル化合物は、上記一般式(1)で表される。式(1)中、Z1は、芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等)、及びヘテロ環(例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等)を表し、これらの環は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
式(1)中、R1は、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、及び複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基等)を表し、これらの基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、置換基を含めて炭素数が3〜20の範囲にあるものが特に好ましい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
Figure 2005284143
Figure 2005284143
本発明の感光性組成物は、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤を必須成分とし、チオエーテル化合物を併せて含有する。本発明に用いられるチオエーテル化合物は、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して1〜1000質量%の割合で含有されることが好ましく、更に5〜100質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
本発明の感光性組成物に用いられる側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体としては、下記一般式(2)で表される構造を分子内に有する重合体であれば、特に制限されず、これら重合体の中でも、特開2001−290271号公報等に記載のアルカリ可溶性樹脂や特開2003−215801号公報に記載の水溶性樹脂を用いることが特に好ましい。側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体の分子量は、質量平均分子量で1000〜100万の範囲にあることが好ましく、1万〜30万の範囲にあることが特に好ましい。側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体は1種のみの単独で用いても良いし、任意の2種以上を混合して用いても良い。
Figure 2005284143
式(2)中、R2、R3及びR4は、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R2が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であり、R3及びR4が水素原子であるものが特に好ましい。
式(2)中、R5はハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等の置換可能な基を表す。また、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
式(2)中、m1は0〜4の整数を表し、p1は0または1の整数を表す。
式(2)中、L1は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または原子群からなる2価の連結基を表す。具体的には下記化5に例示される構造単位より構成される基及び下記に示す複素環基が挙げられる。これらの基は単独でも任意の2つ以上が組み合わされていても良い。更には、これらの基は置換基を有していても良い。
Figure 2005284143
1を構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
上述した2価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体と共に、任意の公知の各種バインダー樹脂を混合して用いることもできる。この場合のバインダー樹脂は特に制限されず、任意のモノマーから構成される重合体をバインダー樹脂として用いることができる。これらバインダー樹脂としてはアルカリ可溶性または水溶性であることが好ましい。
本発明の感光性組成物に用いられる光ラジカル発生剤としては、特に制限されず、光または電子線の照射によりラジカルを発生し得る化合物であれば任意の化合物を用いることができる。そのような光ラジカル発生剤の例としては、特開2001−290271号公報等に例示された化合物を使用することができ、具体的には、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、アジニウム化合物、活性エステル化合物、メタロセン化合物、トリハロアルキル置換化合物、有機ホウ素化合物、芳香族ジアゾニウム塩化合物、o−ニトロベンジルエステル類、スルホン酸エステル誘導体、スルホン類、リン酸エステル誘導体及びスルホニルジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
上記光ラジカル発生剤は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。特に、トリハロアルキル置換化合物と有機ホウ素塩化合物を組み合わせて用いた場合には、感度が大幅に向上するために好ましい。光ラジカル発生剤は、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更に1〜40質量%の範囲が特に好ましい。
本発明の感光性組成物に用いられる増感剤としては、各種増感色素が好ましく用いられる。このような増感色素として、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、クマリン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、スクアリリウム化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物が挙げられ、更に、欧州特許第0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同5,227,227号公報等に記載の化合物も用いることができる。
これらの増感剤の中でも、近年開発された、400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザーに対応する増感剤としては、ピリリウム化合物またはチオピリリウム化合物が好ましい。また、近赤外から赤外光、即ち700nm以上、更には750〜1100nmの波長領域のレーザー光を用いた走査露光に対応する増感剤としては、シアニン色素、ポリメチン色素、スクワリリウム色素が好ましい。増感剤は、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して、0.01〜15質量%の割合で含有されることが好ましく、0.1〜10質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
本発明の感光性組成物には、上述した要素以外にも種々の目的で他の要素を添加してもよい。
感光性組成物を構成する他の要素として、分子内に重合性不飽和結合基を有する重合性モノマー或いは重合性オリゴマーを挙げることができる。特に、分子内に重合性不飽和結合基を2つ以上有する多官能重合性モノマー或いはオリゴマーを使用することが好ましい。このような重合性モノマーの例としては、、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマー、1,4−ジビニルベンゼン、1,4−ビス(4−ビニルベンジルオキシ)ベンゼン、1,1,2,2−テトラキス[4−(4−ビニルベンジルオキシ)フェニル]エタン等の多官能スチレン誘導体、イタコン酸エステル系モノマー、クロトン酸エステル系モノマー、マレイン酸エステル系モノマー等が挙げられる。このような重合性モノマー或いは重合性オリゴマーは、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して1〜1000質量%の割合で含有されることが好ましく、更に5〜100質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
感光性組成物を構成する他の要素として、重合性不飽和結合基の熱重合或いは熱架橋を防止し、長期にわたる保存性を向上させる目的で、種々の重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物等が好ましく使用され、特にハイドロキノンが好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する他の要素として、着色剤の添加も好ましく行うことができる。着色剤としては、露光及び現像処理後に於いて、画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素及び顔料を使用することができ、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体に対して0.5〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する要素については、上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して添加することもできる。例えば、感光性組成物のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子或いは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
感光層は上述した要素から構成される感光性組成物の塗液を、支持体上に塗布、乾燥して作製される。塗布方法としては、公知の種々の方法を用いることができ、例えば、バーコーター塗布、カーテン塗布、ブレード塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、回転塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。平版印刷版として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、更に1μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために好ましい。
上記感光性組成物の塗液が塗布される支持体については、公知の種々の支持体を使用することができる。例えば、紙、ポリエチレン被覆紙、フィルム、金属板等を挙げることができる。特に平版印刷版として使用する場合には、未露光部の支持体表面が非画像部となるため、親水性表面を有する支持体が使用される。このための支持体としては、粗面化処理され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板が特に好ましく用いられる。
平版印刷版の支持体として用いられる好適なアルミニウム板は、感光層との接着性を良好にし、非画像部に保水性を与える目的で、機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗面化等によって粗面化され、続いて陽極酸化処理が施される。また必要に応じて各種親水化処理や封孔処理等が施され、そのような親水化処理の例としては、アルカリ金属のケイ酸塩水溶液を用いたシリケート処理、フッ化ジルコン酸カリウムによる処理、ポリビニルホスホン酸による処理等が挙げられる。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する感光性組成物は、密着露光或いはレーザー走査露光を行った後、現像液により未露光部を除去することでパターン形成が行われる。露光された部分は架橋することで現像液に対する溶解性が低下し、画像部が形成される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、その効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで、該塗液を、厚みが0.30mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布、75℃で10分間乾燥して試料を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(下記BP−1) 10.0質量部
光重合開始剤(下記PI−1) 1.0質量部
チオエーテル化合物(下表1) 0.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.0質量部
増感剤(下記SD−1) 0.3質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
1,3−ジオキソラン 50.0質量部
Figure 2005284143
上記バインダー樹脂(BP−1)及び後述するバインダー樹脂(BP−2)の構造式中の添え数字は、バインダー樹脂の総量に対する各繰り返し単位の質量%を表す。
(比較例1)
チオエーテル化合物を使用せずに、実施例1と同様に試料を作製した。
得られた試料を、連続加重式引掻強度試験機[新東科学(株)製;HEIDON-18]にて、500μm針(先端角度60°)を使用し、10〜100gまで10g毎に加重し、膜面に傷を入れた後、メタ珪酸ナトリウムを0.7質量%含有する水溶液を現像液として30℃で15秒間現像を行い、傷跡が残膜となる加重を目視で判定した。この数字が大きいほど引掻強度が高いことを表す。結果を表1に示した。
Figure 2005284143
実施例1で得られた試料を、35℃で相対湿度60%に調節された加温庫に入れ、4週間経時させ、経時保存による感度と溶出性の変化を調べた。経時前後の試料を、タングステンランプを光源とする密着露光機[三菱製紙(株)製;ヒシラコピープリンター]を使用して、780nm以下の光を遮断するフィルターを通して3mW/cm2の光量で780nm以上の波長の光を通過させ、このフィルター上に濃度差0.15間隔のコントロールウェッジ[富士写真フイルム(株)製]を通して30秒間露光を行った。露光後、実施例1と同様に現像を行い、非画像部が完全に溶出される時間を測定した。更に、現像処理後に、アルミニウム板上に形成されたステップウェッジのパターンに於いて、画像として残る最大のステップ段数を感度として求めた。結果を表2に示した。このステップ段数の数字が大きいほど感度が高いことを表す。
Figure 2005284143
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで、該塗液を、厚みが0.24mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、75℃で5分間乾燥を行って、平版印刷版を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(下記BP−2) 12.0質量部
光重合開始剤(上記PI−1) 0.8質量部
光重合開始剤(下記PI−2) 0.8質量部
チオエーテル化合物(TE−23) 0.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.0質量部
増感剤(下記SD−2) 0.3質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
メタノール 20.0質量部
1,4−ジオキサン 30.0質量部
Figure 2005284143
上記のようにして作製した平版印刷版を、青色半導体レーザー搭載出力機;ESCHER GRAD社製イメージセッターCobalt8CTP(発振波長410nm、出力30mW)を使用して露光試験を行った。露光後、30℃に温度調整を行った水道水を使用して30秒間現像を行ったところ、未露光部が溶出され、鮮明な画像パターンを得た。また、オフセット印刷機[リョービ(株)製;Ryobi560]、インキ[大日本インキ化学工業(株)製;FINE INKニューチャンピオン墨(N)]及び湿し水[(株)日研化学研究所製;アストロマークIIIの1%水溶液]を用いて印刷版としての性能を評価した結果、10万枚まで鮮明な印刷物が得られた。
下記組成の感光性組成物の塗液を作製した。次いで該塗液を、厚みが0.3mmの砂目立て処理及び陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、乾燥厚みが2.0μmになるよう塗布し、75℃で5分間乾燥を行い、平版印刷版を作製した。
<塗液>
バインダー樹脂(上記BP−1) 10.0質量部
光重合開始剤(上記PI−1) 1.0質量部
光重合開始剤(下記PI−3) 0.5質量部
チオエーテル化合物(TE−18) 0.5質量部
重合性モノマー(下記CL−1) 2.5質量部
増感剤(上記SD−1) 0.3質量部
ベーシックブルー7 0.1質量部
1,4−ジオキサン 50.0質量部
Figure 2005284143
上記のようにして作製した平版印刷版を、830nmに発光する半導体レーザーを搭載したイメージセッター[大日本スクリーン製造(株)製、PTR−4000]を使用して、2400dpi、ドラム回転速度1000rpm、版面露光エネルギー100mJ/cm2で露光を行った。露光後1分以内及び露光後5時間後に、実施例1と同様の現像処理を行い、オフセット印刷機[リョービ(株)製;Ryobi560]に取り付け、インキ[大日本インキ化学工業(株)製;FINE INKニューチャンピオン墨(N)]及び湿し水[(株)日研化学研究所製;アストロマークIIIの1%水溶液]を用いて印刷を行った。露光後1分以内及び露光後5時間後に現像を行った場合共に、印刷画質に変化のない良質な印刷物が16万枚得られ、潜像退行による現像性及び印刷特性への変化は認められなかった。
上記実施例1〜4の結果より明らかなように、本発明により高感度で、露光後の加熱処理やオーバーコート層を必要とせず、潜像退行のない感光性組成物、及びこれを利用した感光性平版印刷版を提供できる。特に、感度を変化させることなく、塗膜強度を向上させ、経時保存に於いても非画像部の溶出性が悪化しない、感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供することができる。

Claims (6)

  1. 側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤とを含有する感光性組成物に於いて、チオエーテル結合を有し、且つ重合性を有さない化合物を併せて含有することを特徴とする感光性組成物。
  2. 前記請求項1に於ける、チオエーテル結合を有し、且つ重合性を有さない化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする感光性組成物。
    Figure 2005284143
    [式(1)中、Z1は置換されていてもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、R1は置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基を表す。]
  3. 走査露光用である請求項1または2に記載の感光性組成物。
  4. 750〜1100nmの近赤外レーザーによる露光用である請求項1〜3に記載の感光性組成物。
  5. 400〜430nmの青色半導体レーザーによる露光用である請求項1〜3に記載の感光性組成物。
  6. 上記請求項1〜5のいずれか1つに記載の感光性組成物を利用した感光性平版印刷版。
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