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JP2005277988A - 超音波トランスデューサアレイ - Google Patents

超音波トランスデューサアレイ Download PDF

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JP2005277988A
JP2005277988A JP2004090850A JP2004090850A JP2005277988A JP 2005277988 A JP2005277988 A JP 2005277988A JP 2004090850 A JP2004090850 A JP 2004090850A JP 2004090850 A JP2004090850 A JP 2004090850A JP 2005277988 A JP2005277988 A JP 2005277988A
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Atsushi Osawa
敦 大澤
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Abstract

【課題】 広帯域の超音波を効率良く伝播させることができると共に、製造が容易な超音波トランスデューサアレイを提供する。
【解決手段】 第1の周波数成分を含む超音波と該第1の周波数と異なる周波数を有する第2の周波数成分を含む超音波とを送受信する複数の超音波トランスデューサが配列された超音波トランスデューサアレイであって、第1の周波数成分を含む超音波を送受信するために用いられる第1群の圧電体と、第2の周波数成分を含む超音波を送受信するために用いられる第2群の圧電体と、第1群及び第2群の圧電体の一端に電極を介してそれぞれ形成された第1群及び第2群の音響整合層とを具備する。第1群の音響整合層における内部音速と密度との積は、第2群の音響整合層における内部音速と密度との積と実質的に等しく、第1群の音響整合層の厚さは、第2群の音響整合層の厚さと実質的に等しい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用や構造物探傷用の超音波撮像装置において用いられ、超音波を送信及び/又は受信する複数の超音波トランスデューサが配列された超音波トランスデューサアレイに関する。
従来より、超音波を送信及び/又は受信する超音波トランスデューサとしては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミック等の圧電体の両端に電極を形成した振動子が一般的に用いられてきた。このような振動子の電極に電圧を印加すると、圧電効果により圧電体が伸縮して超音波を発生する。さらに、複数の振動子を1次元又は2次元状に配列し、所定の遅延を与えた複数の駆動信号によって駆動することにより、超音波ビームを所望の方向に向けて形成することができる。一方、それぞれの振動子は、超音波を受信することによって伸縮して電気信号を発生する。
図8は、従来の超音波トランスデューサアレイの構造を示す斜視図である。図8に示すように、この超音波トランスデューサアレイは、各々が圧電体及び2つの電極を有し超音波を送受信する複数の超音波トランスデューサ100と、音響整合層101と、配線板102と、バッキング層103とを含んでいる。また、複数の圧電体の間には、充填材104が充填されている。
音響整合層101は、超音波トランスデューサ100と被検体との間で音響インピーダンスをマッチングさせるために設けられている。超音波トランスデューサ100によって発生された超音波を効率よく被検体に伝播させ、また、被検体内部において反射された超音波を効率よく超音波トランスデューサ100に伝播させるために、音響整合層101の厚さは、音響整合層101内における超音波の波長の1/4程度とされている。また、バッキング層103は、超音波トランスデューサ100から発生した不要な超音波を減衰させるために設けられている。
ところで、人体には、筋肉等の軟部組織や骨等の硬部組織のような様々な組織が含まれている。超音波撮像においては、これらの組織を区別するための情報として、超音波エコーに含まれている複数の周波数成分を利用することが考えられる。これらの周波数成分を同時に取得するために、広帯域の超音波を送信及び/又は受信することが可能な超音波トランスデューサアレイが望まれている。
しかしながら、圧電体が厚いと、共振周波数が低くなり、圧電体から発信される超音波の強度において、低い周波数における減衰は小さいが、高い周波数における減衰は大きい。その逆に、圧電体が薄いと、共振周波数が高くなり、圧電体から発信される超音波の強度において、高い周波数における減衰は小さいが、低い周波数における減衰は大きい。従来の超音波トランスデューサアレイにおいては、複数の圧電体の厚さが均一、かつ、圧電材料が同一なので、超音波トランスデューサアレイが送受信できる超音波の周波数帯域が狭いという問題があった。
関連する技術として、下記の特許文献1には、ソナーや超音波診断装置等に使用する広帯域の周波数特性を有する複合圧電体が開示されている。特許文献1によれば、複合圧電体の厚さを不均一とし、圧電素子の太さと長さをほぼ一定比率とし、かつ、圧電素子の配列間隔を不均一としている。これにより、それぞれの厚みに対応した周波数の振動モードを均一に発生することができ、また、複合圧電体の厚みの範囲に対応した広い周波数帯域特性を得ることができる。しかしながら、特許文献1には、音響整合層の詳細については述べられていない。
下記の特許文献2には、被検部までの距離に応じて共振周波数を大きく変化させることができると共に、歪みのない超音波波形を得ることができ、近距離から遠距離まで高い指向性と高分解能を得ることができる広帯域の超音波探触子が開示されている。特許文献2によれば、複数の振動子を互いに直交する2つの方向に沿って2次元状に配列し、その2つの方向の少なくとも1方向の振動子の開口幅Wとその厚さTとの比W/Tを、配列の中央部の振動子はW/T>3とし、この振動子の外部の振動子ではW/T≦0.3としている。これにより、配列の中央部において発生する超音波の共振周波数が高く、外側部において発生する超音波の共振周波数が低くなると共に、不要振動が現われることがなく、歪みのない超音波波形を得ることができる。また、配列の中央部に対応する部分の音響整合層の厚さと、配列の外側部に対応する部分の音響整合層の厚さを、各部の共振周波数の違いに応じて異ならせているので、音響整合層を有効に利用することができ、超音波波形の短パルス化と高感度化を図ることができる。
しかしながら、この超音波探触子が超音波を送受信する領域は、共振周波数が高い振動子が配置されている領域と、共振周波数が低い振動子が配置されている領域とに分離されるので、超音波探触子の大きさと比較して、各周波数を送受信するための有効面積が制限されてしまう。また、振動子の開口幅Wを大きくした場合には、超音波画像の解像度が劣化するという問題がある。
下記の特許文献3には、ソナーや超音波診断装置などに使用し、広帯域の周波数特性を有し、被検深度が深く、分解能の高い超音波画像を得ることができる複合圧電体が開示されている。特許文献3によれば、1次元のつながりを有する複数個の圧電体素子と、これら圧電体素子の間隙に充填され、3次元のつながりを有する有機高分子とを備え、全体を不均一な厚みに形成すると共に、圧電体素子の配列間隔と有機高分子の幅を不均一に形成している。これにより、それぞれの厚みに対応した周波数の振動モードを発生することができ、厚みの範囲に対応した広い周波数帯域特性を得ることができる。しかしながら、特許文献3には、音響整合層の詳細については述べられていない。
下記の特許文献4には、広帯域化、高分解能化することのできる超音波探触子が開示されている。特許文献4によれば、圧電素子の音響インピーダンスが中心部から端部に向かうにつれて大きくなるような構成にしたので、広帯域の周波数特性と、超音波ビームを深い領域まで絞れるために分解能の高い超音波像を得ることができる。しかしながら、中心部及び端部で音響整合層の厚みを均一に設定する場合には、中心部及び端部から送信されるそれぞれの超音波の波長の1/4に音響整合層の厚みを合わせることができず、超音波の伝播における効率が低下してしまう。一方、中心部及び端部から送信されるそれぞれの超音波の波長に対応して音響整合層の厚みを設定する場合には、音響整合層の厚さが異なり、音響整合層の両端面を揃えることができないので、超音波探触子の製造は困難である。
特開平6−78399号公報(第1〜3頁、図1) 特開平6−121390号公報(第1〜3頁、図5) 特開平6−154208号公報(第1,3〜4頁、図1) 特開2002−209292号公報(第1,7,10頁、図6)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、広帯域の超音波を効率良く伝播させることができると共に、製造が容易な超音波トランスデューサアレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る超音波トランスデューサアレイは、第1の周波数成分を含む超音波と該第1の周波数と異なる周波数を有する第2の周波数成分を含む超音波とを送信及び/又は受信する複数の超音波トランスデューサが配列された超音波トランスデューサアレイであって、第1の周波数成分を含む超音波を送信及び/又は受信するために用いられる第1群の圧電体と、第2の周波数成分を含む超音波を送信及び/又は受信するために用いられる第2群の圧電体と、第1群及び第2群の圧電体の一端に電極を介してそれぞれ形成された第1群及び第2群の音響整合層であって、第1群の音響整合層の有する内部音速と密度との積が、第2群の音響整合層の有する内部音速と密度との積と実質的に等しく、かつ、前記第1群の音響整合層の厚さが、前記第2群の音響整合層の厚さと実質的に等しい、第1群及び第2群の音響整合層とを具備する。
本発明によれば、超音波の周波数に合わせて圧電体の厚さと音響整合層の内部音速及び密度を変えることにより、広帯域の超音波を効率良く伝播させることができると共に、製造が容易な超音波トランスデューサアレイを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構造を示す斜視図である。図1に示すように、この超音波トランスデューサアレイは、送受信する超音波の周波数に合わせて厚さが異なる第1群の圧電体1及び第2群の圧電体2と、第1群の圧電体1及び第2群の圧電体2の一端にそれぞれ形成された第1群のバッキング層3及び第2群のバッキング層4と、第1群の圧電体1及び第2群の圧電体2の他端に共通電極6を介してそれぞれ形成された第1群の音響整合層7及び第2群の音響整合層8と、配線板9と、共通バッキング層10とを含んでいる。また、これらの圧電体の間には、充填材5が充填されている。
第1群の圧電体1及び第2群の圧電体2の材料としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)が用いられる。本実施形態においては、低い周波数において第1群の圧電体1の効率を向上させ、高い周波数において第2群の圧電体2の効率を向上させるために、第2群の圧電体2の厚さを第1群の圧電体1の厚さよりも小さくしている。
第1群のバッキング層3及び第2群のバッキング層4は、第1群の圧電体1及び第2群の圧電体2の厚さに対して相補的な厚さを有する。即ち、第1群の圧電体1の厚さと第1群のバッキング層3の厚さとの和は、第2群の圧電体2の厚さと第2群のバッキング層4の厚さとの和にほぼ等しくなっている。
これらのバッキング層は、圧電体から発生した不要な超音波を減衰させる。また、第1群のバッキング層3の一部の領域をメッキすることによって電極3aが形成されており、第2群のバッキング層4の一部の領域をメッキすることによって電極4aが形成されている。これらのバッキング層においては、メッキが施されていない部分によってそれぞれの電極が互いに絶縁される。複数の電極3aと共通電極6とによって第1群の圧電体1をそれぞれ挟むことにより第1群の超音波トランスデューサが形成され、複数の電極4aと共通電極6とによって第2群の圧電体2をそれぞれ挟むことにより第2群の超音波トランスデューサが形成される。
第1群の音響整合層7は、第1群の超音波トランスデューサと被検体との間で音響インピーダンスのマッチングをとり、第2群の音響整合層8は、第2群の超音波トランスデューサと被検体との間の音響インピーダンスのマッチングをとる。超音波を効率良く被検体内に伝播させるためには、音響整合層の厚さが、音響整合層の内部における超音波の波長の1/4であることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、第1群の音響整合層7と第2群の音響整合層8とにおいて、内部音速と密度の異なる材料を使い分けることにより、これらの音響整合層の厚さを同一としながら、その厚さが音響整合層の内部における超音波の波長の1/4となる条件を満たすようにしている。
複数の圧電体間、及び、第1群の圧電体1と第2群のバッキング層4との間には、充填材5が充填されている。これにより、複数の圧電体間における干渉を低減し、圧電体の横方向の振動を抑え、圧電体が上下方向のみに振動するようにしている。
配線板9は、バッキング層3及び4の下部に配置されており、超音波を送信するために電極3a及び4aにそれぞれの駆動信号を印加し、又は、超音波を受信することによって電極3a及び4aに発生したそれぞれの検出信号を伝送するための配線パターンが設けられている。なお、本実施形態においては、共通電極6が接地電位となるようにしている。
共通バッキング層10は、配線板9の下部に配置され、第1群及び第2群の圧電体1及び2から第1群及び第2群のバッキング層3及び4をそれぞれ介して伝播する超音波をさらに減衰させる。なお、第1群及び第2群のバッキング層3及び4によって超音波を充分に減衰させることができる場合には、共通バッキング層10は不要である。
次に、第1群及び第2群の音響整合層7及び8に用いる材料について説明する。音響整合層の内部における超音波の波長λは、次式(1)で表される。
λ=v/f ・・・(1)
ここで、vは音響整合層の内部における超音波の音速を表し、fは超音波の周波数を表している。
第1群の超音波トランスデューサによって、周波数fの成分を含む超音波を送信又は受信し、第2群の超音波トランスデューサによって、周波数fの成分を含む超音波を送信又は受信するものとする(f<f)。なお、これら2種類の超音波は、順次送信しても良いし、別個の超音波トランスデューサによって同時に送信しても良いし、同じ超音波トランスデューサによって重畳して送信しても良い。
周波数fにおける第1群の超音波トランスデューサの伝播効率と周波数fにおける第2群の超音波トランスデューサの伝播効率とを揃え、かつ、第1群の音響整合層7の厚さと第2群の音響整合層8の厚さとを揃えるためには、第1群の音響整合層7の内部における周波数fの超音波の波長と第2群の音響整合層8の内部における周波数fの超音波の波長とがほぼ等しくなる必要がある。
λ=v/f=v/f ・・・(2)
ここで、vは音響整合層7の内部における超音波の音速であり、vは音響整合層8の内部における超音波の音速である(v<v)。即ち、式(2)を満たすように、第1群及び第2群の音響整合層7及び8の材料を選定すれば良い。
しかしながら、材料が異なると音響インピーダンスZも異なるので、それだけでは、第1群の超音波トランスデューサの伝播効率と第2群の超音波トランスデューサの伝播効率とが異なってしまう。第1群の超音波トランスデューサの伝播効率と第2群の超音波トランスデューサの伝播効率とを揃えるためには、第1群の音響整合層7の音響インピーダンスと第2群の音響整合層8の音響インピーダンスとがほぼ等しくなる必要がある。
Z=ρ・v=ρ・v ・・・(3)
ここで、ρは音響整合層7の密度であり、ρは音響整合層8の密度である(ρ>ρ)。
本実施形態においては、式(2)及び(3)を満たすように、第1群及び第2群の音響整合層7及び8の材料を選定しているが、ソルバー計算に基づいて、特性の類似する材料を選定するようにしても良い。なお、ソルバー計算とは、目的となる数式に直接的又は間接的に関連付けられたデータベースを用いることにより最も近い解を求める計算のことをいう。
さらに、周波数fにおける第1群の超音波トランスデューサの伝播効率と周波数fにおける第2群の超音波トランスデューサの伝播効率を向上させるためには、第1群及び第2群の音響整合層7及び8の厚さTが、これらの音響整合層の内部における超音波の波長λの1/4にほぼ等しくなる必要がある。
T=λ/4=v/(4f)=v/(4f) ・・・(4)
図2に、音響インピーダンスと音響整合層の最適な厚さとに対する複数の材質の分布を示す。図2においては、周波数をパラメータとして、波長λの1/4として求めた音響整合層の厚さを示している。ここで、音響整合層の厚さは、各材質の内部音速と超音波の周波数とに基づいて、式(4)を用いて算出している。
図2に示すように、天然ゴムの音響インピーダンスとナイロン−6,6の音響インピーダンスとは、非常に近い値となっている。また、周波数が3MHzの超音波に対する天然ゴムによって形成された音響整合層の最適な厚さと、周波数が7MHzの超音波に対するナイロン−6,6によって形成される音響整合層の最適な厚さとは、非常に近い値となっている。これは、周波数が3MHzの超音波の天然ゴムにおける波長と、周波数が7MHzの超音波のナイロン−6,6における波長とがほぼ等しいからである。
従って、周波数が3MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサのための音響整合層の材料として天然ゴムを用い、周波数が7MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサのための音響整合層の材料としてナイロン−6,6を用いることにより、音響整合層の厚さを等しくした場合においても、超音波が被検体に伝播する効率を同等にすることができる。
図3に、超音波の各周波数に対応する天然ゴム及びナイロン−6,6によって形成される音響整合層の最適厚さを示す。ここで、音響整合層の厚さは、各材質の内部音速と超音波の周波数とに基づいて、式(4)を用いて算出している。図3に示すように、天然ゴムを透過する超音波の周波数を4.6MHzとし、ナイロン−6.6を透過する超音波の周波数を8MHzとした場合には、音響整合層の最適厚さは両者共に82μmとなる。
従って、図4に示すように、周波数f=4.6MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサと周波数f=8MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサとを有する超音波トランスデューサアレイにおいては、音響整合層の材料として、天然ゴムとナイロン−6.6のペアを用いることができる。
ここで、周波数f=4.6MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサにおいては、圧電体(PZT)の厚さを421μmとし、周波数f=8MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサにおいては、圧電体(PZT)の厚さを242μmとしている。
これらのPZT上に、共通電極を介して、周波数f=4.6MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサのための音響整合層を天然ゴムを用いて形成し、周波数f=8MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサのための音響整合層をナイロン−6.6を用いて形成し、それぞれの音響整合層の厚さを共に82μmとすれば良い。
同様に、再び図3を参照すると、周波数が5.2MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサと周波数が9MHzの超音波を送受信する超音波トランスデューサとを有する超音波トランスデューサアレイにおいては、天然ゴムの音響整合層とナイロン−6.6の音響整合層の厚さを共に73μmとすれば良い。
また、周波数が5.7MHzの成分を送受信する超音波トランスデューサと周波数が10MHzの超音波を送受信する超音波トランスデューサとを有する超音波トランスデューサアレイにおいては、天然ゴムの音響整合層とナイロン−6.6の音響整合層の厚さを共に66μmとすれば良い。
このように、音響整合層に用いる材料を選定し、音響整合層の最適な厚さを揃えることにより、それぞれの周波数における超音波の被検体内への伝播能率を高めることが可能となり、また、超音波トランスデューサアレイの製造が容易となる。
再び図2を参照しながら、音響整合層として用いることができるその他の材料について説明する。図2に示すように、周波数が2MHzの超音波に対するスズの特性と、周波数が8MHzの超音波に対するベリリウムの特性とは近似している。従って、周波数が2MHzの成分を送受信する第1群の超音波トランスデューサのための音響整合層としてスズを用い、周波数が8MHzの成分を送受信する第2群の超音波トランスデューサのための音響整合層としてベリリウムを用いることにより、それぞれの周波数における超音波の被検体内への伝播能率を高めることが可能となり、また、超音波トランスデューサアレイの製造が容易となる。
また、第1群の音響整合層としてADP(NHPO)を用いると共に、第2群の音響整合層としてマグネシウムを用いる場合や、第1群の音響整合層としてフリントガラスを用いると共に、第2群の音響整合層としてシリコン(100%)を用いる場合や、第1群の音響整合層としてチタニウムを用いると共に、第2群の音響整合層としてベリリウムを用いる場合においても、同様の効果が期待できる。
次に、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法について説明する。図5〜図7は、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。
まず、図5の(A)に示すように、音響減衰の大きい材料(バッキング材)によって形成されているバッキング層の全面にメッキ加工を施す。バッキング材は、たとえば、エポキシ樹脂やゴムに、フェライトや金属やセラミックスの粉体を混入して形成される。本実施形態においては、バッキング層の表面に金メッキ加工を施している。これにより、超音波トランスデューサの一方の電極が形成される。さらに、複数のバッキング層を密着させて配置する際にバッキング層のメッキが接触しないように、バッキング層の側面を研磨すると共に面取り加工によってメッキの一部を除去する。
次に、図5の(B)に示すように、所望の周波数の超音波を送受信するのに適した厚さLを有する圧電体(PZT)を、バッキング層に形成された電極に接着して、振動子を形成する。なお、バッキング層の厚さLは、次式(5)を満たすようにする。
+L=(一定) ・・・(5)
次に、図6の(A)に示すように、それぞれの周波数の超音波を送受信するのに適した2種類の振動子を、基板上において密着させて配置する。なお、式(5)を満たすようにバッキング層を形成したので、圧電体の上部の端面は、略同一平面上に揃っている。
次に、図6の(B)に示すように、複数の圧電体の間、及び、圧電体とバッキング層との間に充填材を充填する。これにより、複数の振動子が所定の配列で固定される。その後、基板を除去する。
次に、図7の(A)に示すように、圧電体の上部に共通電極及び音響整合層を形成し、バッキング層の下部に配線板を固定する。ここで、音響整合層においては、圧電体から発生される超音波の周波数に基づいて選定された材料及び厚さを用いている。さらに、図7の(B)に示すように、配線板の下部に、共通バッキング層を形成する。
なお、本実施形態においては、充填材によって振動子を固定した後に共通電極及び音響整合層を形成しているが、個々の振動子を形成する際に、個々の圧電体の上部に個々の電極及び音響整合層を形成し、複数の振動子を密着させて固定する際に、それらの電極を接続させて共通電極とするようにしても良い。
また、本実施形態においては、各々の音響整合層を一層として説明したが、各々の音響整合層を複数の材料を用いて複数の層として形成しても良い。例えば、低い周波数の超音波を送受信する第1群の超音波トランスデューサのための音響整合層を、天然ゴム、フリントガラス、及び、チタニウムを用いて形成し、高い周波数の超音波を送受信する第2群の超音波トランスデューサのための音響整合層を、ナイロン−6,6、シリコン、及び、ベリリウムを用いて形成しても良い。但し、音響整合層の合計の厚さを同一とし、音響整合層の上位の層に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなるようにする必要がある。さらに、PZTの音響インピーダンスは35MRayl程度なので、音響インピーダンスが1.5MRayl程度の人体を被検体とする場合には、音響インピーダンスが1.5MRayl程度よりも大きく、35MRayl程度よりも小さい材料を選定する必要がある。
本発明は、医療用や構造物探傷用の超音波撮像装置において用いられ、超音波を送信及び/又は受信する超音波用探触子において利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構造を示す斜視図である。 音響インピーダンスと音響整合層の最適な厚さとに対する複数の材質の分布を示す図である。 超音波の各周波数に対応する天然ゴム及びナイロン−6,6によって形成される音響整合層の最適厚さを示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの一部を示す図である。 本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 従来の超音波トランスデューサアレイの構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 第1群の圧電体
2 第2群の圧電体
3 第1群のバッキング層
3a 電極
4 第2群のバッキング層
4a 電極
5 充填材
6 共通電極
7 第1群の音響整合層
8 第2群の音響整合層
9 配線板
10 共通バッキング層

Claims (4)

  1. 第1の周波数成分を含む超音波と該第1の周波数とは異なる周波数を有する第2の周波数成分を含む超音波とを送信及び/又は受信する複数の超音波トランスデューサが配列された超音波トランスデューサアレイであって、
    第1の周波数成分を含む超音波を送信及び/又は受信するために用いられる第1群の圧電体と、
    第2の周波数成分を含む超音波を送信及び/又は受信するために用いられる第2群の圧電体と、
    前記第1群及び第2群の圧電体の一端に電極を介してそれぞれ形成された第1群及び第2群の音響整合層であって、前記第1群の音響整合層における内部音速と密度との積が、前記第2群の音響整合層における内部音速と密度との積と実質的に等しく、かつ、前記第1群の音響整合層の厚さが、前記第2群の音響整合層の厚さと実質的に等しい、前記第1群及び第2群の音響整合層と、
    を具備する超音波トランスデューサアレイ。
  2. 前記第1群の音響整合層における第1の周波数成分の波長が、前記第2群の音響整合層における第2の周波数成分の波長と実質的に等しい、請求項1記載の超音波トランスデューサアレイ
  3. 電極を介して前記第1群及び第2群の音響整合層がそれぞれ形成される前記第1群及び第2群の圧電体の一端が実質的に揃っている、請求項1又は2記載の超音波トランスデューサアレイ。
  4. 前記第1群の音響整合層の厚さが、前記第1群の音響整合層の内部における第1の周波数成分の波長の実質的に1/4であり、前記第2群の音響整合層の厚さが、前記第2群の音響整合層の内部における第2の周波数成分の波長の実質的に1/4である、請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイ。
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