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JP2005267863A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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JP2005267863A JP2004073895A JP2004073895A JP2005267863A JP 2005267863 A JP2005267863 A JP 2005267863A JP 2004073895 A JP2004073895 A JP 2004073895A JP 2004073895 A JP2004073895 A JP 2004073895A JP 2005267863 A JP2005267863 A JP 2005267863A
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Masao Nanba
政雄 難波
Naoki Uchida
直喜 内田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

【課題】 被加熱物を短時間に高温に加熱でき、しかも均一に加熱できるだけでなく、高速昇温、降温の繰り返しや酸化性雰囲気での多サイクル加熱に耐える誘導加熱装置の提供。
【解決手段】発熱体と、前記発熱体を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えてなる誘導加熱装置であって、前記発熱体は、炭素/炭素繊維複合体から形成されてなるとともに、発熱体のマクロ表面および炭素繊維のミクロ表面が耐熱性耐熱性耐酸化性皮膜で被覆されてなることを特徴とする誘導加熱装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導加熱装置に関し、特に、高温までの高速昇温および高速降温を行っても発熱体に亀裂が生じることがなく、また、酸化性雰囲気で使用しても発熱体が酸化劣化することのない誘導加熱装置に関する。
シリコンウェハーのような大面積の被加熱物を加熱する加熱装置としては、従来は、工業用高輝度加熱ランプや抵抗加熱装置が一般的に使用されてきた。
工業用高輝度ランプは、通常は、小さなバルブや細い管で構成されているから、大面積を均一に加熱する場合には、加熱側とは反対側に傘状の遮蔽板を設けた工業用高輝度ランプを多数等間隔に並べて配置する。たとえば、直径300mmのシリコンウェハーを加熱する場合には、約250個の工業用高輝度ランプが使用される。各工業用高輝度ランプは、内部に電極フィラメントが設けられ、不活性ガスが封入されている。そして、前記遮蔽板には冷却水を流し、照射面以外が加熱されないようにしている(特許文献1)。
一方、抵抗加熱装置においては、各種の電気抵抗体でシリコンウェハーを加熱する(特許文献2)。
特開平10−144619号公報 特開2003−229344号公報
しかしながら、高輝度加熱ランプを用いた加熱装置においては、大面積を加熱する場合には多数の加熱ランプが必要になるので、温度制御が極めて困難である。また、加熱ランプ内のフィラメントは細く、エネルギー密度が小さい。しかも、加熱ランプ毎に遮蔽板を設け、これを水冷するから、エネルギー損失が非常に大きい。更に、加熱対象が、加熱ランプの配列によって形成される形状とほぼ同一面でなければ均一な加熱はできない。たとえば、被加熱物の加熱対象面がシリコンウェハーのように円形の場合は、加熱ランプの配列を、その面内に被加熱物が収まるような矩形面状にするか、加熱対象面の形状に合わせた円形にするかする必要があった。しかし、加熱ランプをこのように配列した場合には、加熱温度にむらが生じ、精度のよい加熱ができないという問題があった。
また、抵抗加熱装置では、加熱対象物を、1000〜1350℃程度の温度まで短時間に昇温し、所定時間(10分程度)その温度に保持したのち、急速降温することが困難である。また、均熱性の点でも問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、被加熱物を短時間に高温に加熱でき、しかも均一に加熱できるだけでなく、高速昇温および高速降温のサイクルを多数回繰り返しても発熱体に亀裂が生じることがなく、また、酸化性雰囲気で長時間加熱を行っても発熱体が酸化劣化することのない誘導加熱装置の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、発熱体と、前記発熱体を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えてなる誘導加熱装置であって、前記発熱体は、炭素/炭素繊維複合体から形成されてなるとともに、前記発熱体のマクロ表面および炭素繊維のミクロ表面が耐熱性耐酸化性皮膜で被覆されてなることを特徴とする誘導加熱装置に関する。
誘導加熱装置においては、誘導加熱コイルに交番電流を流すと交番磁場が生じて発熱体を横切るように流れるから、発熱体には大きな誘導電流が流れてジュール加熱される。そして、誘導加熱コイルへの交番電流の供給を停止すると、発熱体に流れていた誘導電流は止まるから、発熱体のジュール加熱も停止し、発熱体は放冷される。
ここで、発熱体は、炭素/炭素繊維複合体であるから、厚さ1〜1.5mm、またはそれ以下の厚さのものが容易に作成でき、発熱体の熱容量を小さくできる。また、繊維だけでなくマトリックスも炭素であるから、導電性だけでなく、熱伝導性も高い。したがって、前記誘導加熱装置においては、誘導加熱コイルに交番電流を流すと発熱体は急速に加熱され、誘導加熱コイルへの交番電流の供給を停止すると、発熱体は急速に冷却される。
また、急激な昇温、降温に伴う熱応力によって発熱体のマトリックス中に亀裂が生じても、マトリックス中の主亀裂が繊維表面被覆材に進入したときに、被覆材内部の繊維方向への副亀裂の伸展や、被覆材と繊維との界面での亀裂の繊維方向伸展が生じて前記主亀裂の方向が変更し、結果的に亀裂進行が抑制される。したがって急速昇温、急速降温を繰り返しても、通常の当方性黒鉛とは異なり、亀裂が進展することがない。
加えて、前記発熱体は、耐熱性耐酸化性皮膜で被覆されているから、雰囲気中の酸化性ガスの発熱体内部に拡散、侵入が抑制される。
更に加えて、耐熱性耐酸化性皮膜は、通常はCVDなどの手法によって形成されるから、発熱体全体に対する耐熱性耐酸化性皮膜の体積分率は極めて小さい。したがって、発熱体全体としての導電率および熱伝導率は、被覆材なしの場合と殆ど差がない。
したがって、前記発熱体は、1000〜1350℃程度の高温と常温とを10秒程度の時間で往復するような急激な昇温、降温を繰り返しても、発熱体の強度が低下したり、亀裂が入ったりすることがない上に、高い発熱性能を達成できるから、半導体製造用シリコンウェハーの加熱に好適に使用できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の誘導加熱装置において、前記耐熱性耐酸化性皮膜が、耐熱性炭化物、耐熱性酸化物、熱分解性炭素、および六方晶窒化硼素の少なくとも1種からなる1層または2層以上の皮膜である誘導加熱装置に関する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の誘導加熱装置において、前記耐熱性耐酸化性皮膜に使用される耐熱性炭化物は、炭化珪素、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、および炭化タングステンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、前記耐熱性耐酸化性皮膜に使用される耐熱性酸化物は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウムからなる群から選択された少なくとも1種の化合物である誘導加熱装置に関する。
耐熱性炭化物、耐熱性酸化物、熱分解性炭素、および六方晶窒化硼素の皮膜は、何れもCVDによって容易に形成できる。また、耐熱性炭化物および耐熱性酸化物のうちでも請求項3に挙げたものは、特に耐熱性や耐酸化性に優れ、また酸化性ガスを遮断する性質に優れている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱装置において、前記発熱体が板状である誘導加熱装置に関する。
前記誘導加熱装置においては、発熱体の上面に被加熱物を載置して加熱できるから、シリコンウェハーのような薄い板状の物品の加熱に好適である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱装置において、前記発熱体が筒状である誘導加熱装置に関する。
前記誘導加熱装置においては、誘導コイルを発熱体の外側に配置すれば、発熱体の内側に被加熱物品を収容して加熱できる。したがって、プラズマディスプレーやフラットパネル液晶表示板などに用いられるガラス基板のように板状ではあるが、厚みがあり、両面から均熱加熱する必要のある被加熱物品を均熱できる。また、Wet酸化のような凝縮性ガスを用いたプロセスにおいて不適切な局部凝縮を発生させない処理が可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の誘導加熱装置において、前記発熱体に対して平行に、しかも同心状に配設された複数の誘導加熱コイルを備え、各誘導加熱コイルには、周波数および位相を同期させて個別に電力制御された交流が供給される誘導加熱装置に関する。
前記誘導加熱装置においては、夫々の誘導加熱コイルに供給する交流電流の周波数および位相を同期させているから、隣接する2つの誘導加熱コイル間で相互誘導が生じて境界部で温度低下が生じることが防止される。したがって、隣接する2つの誘導加熱コイル同士で独立に電力制御を行うことにより、発熱体を均一に発熱させたり、特定の温度勾配を持たせて発熱させたりすることが容易である。
ここで、前述のように、円形の複数の誘導加熱コイルが同心円状に配設されているから、夫々の誘導加熱コイルについて独立に電力制御を行うことにより、発熱体の加熱面が大面積の場合であっても均一に加熱できる。したがって、12インチシリコンウェハーのような大面積の被加熱物の加熱に好適に使用される.。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の誘導加熱装置において、前記発熱体の長手方向に沿って配設された複数の誘導加熱コイルを備え、各誘導加熱コイルには、周波数および位相を同期させて個別に電力制御された交流が供給される誘導加熱装置に関する。
請求項6のところで述べたのと同様の理由により、夫々の誘導加熱コイルについて独立にしかも高精度で電力制御を行うことができる。
したがって、発熱体を長手方向に亘って均熱することもでき、また、所望の温度勾配を持たせて加熱することもできる。したがって、前記ガラス基板のように均一性を要求される被加熱物や、正確な温度勾配で加熱することが要求される被加熱物の加熱に好適に使用される。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の誘導加熱装置において、前記誘導加熱コイルは、夫々交流電力供給手段に接続されてなるとともに、前記交流電力供給手段は、電流を制御する電流制御手段と周波数を制御する周波数制御手段とを有し、前記交流電力供給手段のうち、1つは、周波数および位相の基準となるマスター交流電力供給手段であり、その他は、周波数および位相が前記マスター交流電力供給手段に同期するように制御されるスレイブ交流電力供給手段である誘導加熱装置に関する。
前記誘導加熱手段においては、前記複数の誘導加熱コイルのうち、加熱温度の基準になるコイルにマスター交流電力供給手段を接続し、その他のコイルにスレイブ交流電力供給手段を接続することにより、全ての誘導加熱コイルに、マスター交流電力供給手段から供給される交流と同一の位相および周波数の交流電流を供給できる。
以上説明したように、本発明によれば、被加熱物を短時間に高温に加熱でき、しかも均一に加熱できるだけでなく、高速昇温および高速降温のサイクルを多数回繰り返しても発熱体に亀裂が生じることがなく、また、酸化性雰囲気で長時間加熱を行っても発熱体が酸化劣化することのない誘導加熱装置が提供される。
以下、本発明の誘導加熱装置について詳細に説明する。
先ず、前記誘導加熱装置の備える発熱体について説明する
前記発熱体は、板状であっても管状であってもよい。
発熱体が板状のときは、被加熱物の形状に応じた任意の平面形状が可能である。たとえば、被加熱物がシリコンウェハーのような円形の物品であれば、発熱体の形状も円形が好ましい。また、被加熱物が長方形または正方形状であれば、発熱体も被加熱物よりも一回り大きな長方形または正方形状が好ましい。
発熱体が筒状のときは、断面形状は真円状、楕円状、矩形状、小判状など、被加熱物の形状に応じ、種々の形状が可能である。また、ガラス基板を加熱する場合のように、発熱体の口径に比較して長さが長い場合には、発熱体を長手方向に2以上に分割してもよい。発熱体を長手方向に2以上に分割した場合には、発熱体同士が互いに隣接するように配設することが好ましい。
発熱体の炭素繊維の割合は、とくに制限はないが、15〜85重量%程度が好ましい。
また、発熱体は以下の手順で製造できる。
先ず、炭素繊維の織物にフェノール樹脂やエポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン共重合体樹脂のような熱硬化性樹脂や、タール、ピッチ、アスファルトのような熱可塑性樹脂から選択されるマトリックス前駆体樹脂を含浸させたプリプレグを必要枚数だけ積層して板状や筒状などの所望の形状に加工する。なお、前記マトリックス前駆体樹脂にはカーボンブラックなどを配合してもよい。そして、所定の形状に加工したプリプレグを無酸素下で1000度程度の温度に加熱し、マトリックス前駆体樹脂を炭素マトリックスに変換する。これにより、炭素/炭素繊維複合体が得られるが、このままでは空隙率が大きいので、得られた炭素/炭素繊維複合体を必要に応じて加圧しつつ2500〜3000℃程度の温度に加熱し、炭素マトリックスを黒鉛化する。
加熱により炭素マトリックスを黒鉛化した炭素/炭素繊維複合体の表面に、耐熱性耐酸化性皮膜を形成する。耐熱性耐酸化性皮膜としては、請求項2にもあるように、耐熱性炭化物、耐熱性酸化物、熱分解性炭素、および六方晶窒化硼素の少なくとも1種の成分からなる皮膜を少なくとも1層形成できる。前記耐熱性耐酸化性皮膜は、1層のみであってもよく、また、2層以上であってもよい。また、前記耐熱性耐酸化性皮膜を2層以上形成する場合には、各皮膜の成分は同一であっても異なっていてもよい。前記耐熱性炭化物としては、炭化珪素、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、および炭化タングステンが挙げられ、前記耐熱性酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウムが挙げられる。耐熱性耐酸化性皮膜の形成方法としてはCVD法が挙げられるが、耐熱性炭化物や耐熱性酸化物の皮膜を形成するときは、前駆体化合物の溶液を炭素/炭素繊維複合体の表面に塗布して乾燥させ、加熱して前記耐熱性炭化物または耐熱性酸化物に変換する方法も可能である。
次に誘導加熱コイルについて説明する。
発熱体が板状の場合は、誘導加熱コイルを発熱体の面に相対するように複数設け、各誘導加熱コイルに周波数および位相を同期させて個別に電力制御された交流を供給して発熱体全体が均一に加熱されるように温度制御することが好ましい。
誘導加熱コイルを複数設ける態様としては、たとえば発熱体が円形の場合には、ループ状の誘導加熱コイルを同心円状に配列した態様が挙げられる。一方、発熱体が長方形または正方形状の場合は、長方形枠状または正方形枠状の誘導加熱コイルを同心状に配列した態様や、導体を螺旋状に巻回した誘導加熱コイルを発熱体に相対するように複数配列した態様などがある。なお、誘導加熱コイルを複数設ける場合には、隣り合う誘導加熱コイルが互いに接触せず、但し隣接するように配設することが発熱体を均熱する上で好ましい。これらの誘導加熱コイルは、発熱体が一様の温度に加熱されるように温度制御することが好ましい。
発熱体が管状の場合には、誘導加熱コイルは、前記発熱体の長手方向に沿って配設することが好ましい。誘導加熱コイルは、発熱体の内側に設けてもよいが、発熱体を外側から包み込むように設けることが好ましい。誘導加熱コイルは、発熱体が長手方向に一様の温度に加熱されるように温度制御をしてもよく、発熱体に所定の温度勾配が形成されるように温度制御を行ってもよい。この場合においては、発熱体の両端部で温度が高く、中央部で温度が低くなるような温度勾配を設けてもよく、また、発熱体の一端から他端に向かって温度が高くなるような温度勾配を設けてもよい。
以下、本発明の誘導加熱装置の具体例について説明する。
1.実施形態1
図1および図2に示すように、実施形態1に係る誘導加熱装置100は、シリコンウェハーを加熱するための誘導加熱装置であって、誘導加熱コイル部15と、誘導加熱コイル部15の上方に、誘導加熱コイル部15に対して平行に配設された発熱体10と、発熱体10と誘導加熱コイル部15との間に配設された熱遮蔽板20とを有する。誘導加熱コイル部15は全体として円盤状の形態を有し、発熱体10および熱遮蔽板20もまた円盤状の形態を有する。発熱体10は誘導加熱コイル部15と直径がほぼ同一であり、熱遮蔽板20は、発熱体10および誘導加熱コイル部15よりも直径が一回り大きい。被加熱物であるシリコンウェハーは、発熱体の誘導加熱コイル部15とは反対側の面に載置される。
発熱体10は、炭素/炭素繊維複合体からなる発熱体本体14と、発熱体本体14を被覆する耐熱性耐酸化性皮膜12とからなる。
誘導加熱コイル部15は、同心円状に形成された複数の誘導加熱コイル152から構成されている。誘導加熱コイル152は、何れも1箇所が途切れた円環状であり、四角形状の断面を有する銅製の管体を巻回して形成されている。誘導加熱コイル152のうち、最も内側のコイルはマスター誘導加熱コイル152mであり、マスター誘導加熱コイル152mの外側にはスレイブ誘導加熱コイル152sが配設されている。なお、各誘導加熱コイル152は、外側から内側に向かって切欠き部の位置を等間隔でずらすように配置されている。
マスター誘導加熱コイル152mは、本発明のマスター交流電力供給手段に相当するマスター交流電力供給装置110mに接続され、スレイブ誘導加熱コイル152sは、本発明におけるスレイブ交流電力供給手段に相当するスレイブ交流電力供給装置110sに接続されている。マスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sは、何れもマスター誘導加熱コイル152mおよびスレイブ誘導加熱コイル152sにおける円環の途切れた部分に接続されている。マスター交流電力供給装置110mは、周波数および位相の基準となる交流電力供給装置であり、スレイブ交流電力供給装置110sは、周波数および位相がマスター交流電力供給装置110mに同期するように制御される交流電力供給装置である。マスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sは、図2に示すように、何れも交流電源116からの交流を整流して直流に変換する整流部115に接続されている。
スレイブ交流電力供給装置110sの出力部には、可変コンデンサおよび可変インダクタンスからなる可変リアクトル部162が介装され、スレイブ交流電力供給装置110sで発生する交流の位相を制御できるように構成されている。
マスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sは、何れも可変電圧可変周波数型のインバータであり、整流部115から供給された直流を所定の周波数および電圧の交流に変換する。
以下、マスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sの作用について説明する。
整流部115から供給された直流は、マスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sにおいて、所定の周波数および電圧の交流に変換されてマスター誘導加熱コイル152mおよびスレイブ誘導加熱コイル152sに供給される。
ここで、スレイブ交流電力供給装置110sにおいては、周波数および位相がマスター交流電力供給装置110mに同期するように、インバータを構成するトランジスタやサイリスタの点弧タイミングを制御すると同時に、可変リアクトル部162の可変コンデンサの容量Cおよび可変インダクタンスのインダクタンスLを制御する。したがって、マスター誘導加熱コイル152mとこれに隣接するスレイブ誘導加熱コイル152sとの間、および互いに隣接する2つのスレイブ誘導加熱コイル152sの間の何れにおいても相互誘導が生じることがない。故に、隣接する2つの誘導加熱コイル152の境界部における加熱温度の低下を防止できる。したがって、夫々の電力制御部122で電流を制御することにより、夫々の誘導加熱コイル152における加熱温度を独立に制御できる。
実施形態1に係る誘導加熱装置100の有する発熱体10は、炭素/炭素繊維複合体であるから、厚さ1〜1.5mm、またはそれ以下の厚さのものが容易に作成でき、熱容量を小さくできる。また、繊維だけでなくマトリックスも炭素であるから、導電性だけでなく、熱伝導性も高い。したがって、発熱体10は急速な昇温、降温が極めて容易である。
また、急激な昇温、降温に伴う熱応力によって発熱体10のマトリックス中に亀裂が生じても、マトリックス中の主亀裂が繊維表面被覆材に進入したときに、被覆材内部の繊維方向への副亀裂の伸展や、被覆材と繊維との界面でのき列の繊維方向伸展が生じて前記主亀裂の方向が変更し、結果的に亀裂進行が抑制される。したがって急速昇温、急速降温を繰り返しても、通常の当方性黒鉛とは異なり、亀裂が進展することがない。
加えて、発熱体10は、耐熱性耐酸化性皮膜12で被覆されているから、雰囲気中の酸化性ガスの発熱体内部に拡散、侵入が抑制される。
更に加えて、耐熱性耐酸化性皮膜12は、通常はCVDなどの手法によって形成されるから、発熱体10全体に対する耐熱性耐酸化性皮膜12の体積分立は極めて小さい。したがって、発熱体10全体としての導電率および熱伝導率は、耐熱性耐酸化性皮膜12なしの場合と殆ど差がない。
このように、発熱体10は、1000〜1350℃程度の高温と常温とを10秒程度の時間で往復するような急激な昇温、降温を繰り返しても、強度が低下したり、亀裂が入ったりすることがない上に、高い発熱性能を達成できる。
また、誘導加熱装置100においては、誘導加熱コイル152が同心円状に配設され、しかも、マスター交流電力供給装置110mとスレイブ交流電力供給装置110sとによって位相が完全に一致した交流が供給される。したがって、前述のように夫々の誘導加熱コイル152に供給する交流電流を独立に制御でき、しかも隣接する2つの誘導加熱コイル152の間で相互誘導が生じて前記2つの誘導加熱コイル152の境界部で温度低下が生じることがないから、発熱体10全体を均一に加熱したり、周縁部から中心部に向かって所定の温度勾配を持たせて加熱したりすることが極めて容易である。
2.実施形態2
図3および図4に示すように、実施形態2に係る誘導加熱装置200は、プラズマディスプレー用、またはフラットパネル液晶表示板用などのガラス基板を加熱するための誘導加熱装置であって、中空状の誘導加熱コイル250と、誘導加熱コイル250の中空部に収容された発熱体202とを有する。発熱体202からの熱で誘導加熱コイル250が損傷しないように、発熱体202の外壁と誘導加熱コイル250の内壁との間には空間が形成されている。誘導加熱コイル250および発熱体202は、何れも小判形の断面形態を有している。そして、同数の誘導加熱コイル250と発熱体202とが長手方向に繋ぎ合わされている。
発熱体202は、炭素/炭素繊維複合体からなる発熱体本体204と、発熱体本体204を被覆する耐熱性耐酸化性皮膜206とからなる。
一方、誘導加熱コイル250は、銅管252を巻回したコイルであって夫々の発熱体202に対応して設けられている。そして、夫々が交流電力供給装置210に接続されている。前記6個のユニットコイル250のうち、中央部の1個、即ち図4において左から4番目のものはマスター誘導加熱コイル250mであり、それよりも外側のものはスレイブ誘導加熱コイル250sである。したがって、交流電力供給装置210のうち、マスター誘導加熱コイル250mに接続されているものはマスター交流電力供給装置210mであり、スレイブ誘導加熱コイル250sに接続されているものはスレイブ交流電力供給装置210sである。マスター交流電力供給装置210mは、周波数および位相の基準となる交流電力供給装置であり、スレイブ交流電力供給装置210sは、周波数および位相がマスター交流電力供給装置210mに同期するように制御される。交流電力供給装置210は、何れも交流電源216からの交流を整流して直流に変換する整流部215に接続されている。
マスター交流電力供給装置210mおよびスレイブ交流電力供給装置210sの構成および動作は、何れも実施形態1におけるマスター交流電力供給装置110mおよびスレイブ交流電力供給装置110sと同様である。
実施形態2に係る誘導加熱装置200は、実施形態1の誘導加熱装置100と同様、誘導加熱コイル250に供給される交流は位相が揃っているから、誘導加熱コイル250の間に相互誘導が生じることがない。したがって、誘導加熱コイル250に流す交流電流を独立に制御できるから、ガラス基板などの被加熱物を長手方向に沿って均一に加熱したり、所定の温度勾配を付与して加熱したりすることが極めて容易に、しかも高精度で行える。
また、発熱体202は、炭素/炭素繊維複合体からなる発熱体本体204の表面に耐熱性耐酸化性皮膜206を被覆した構成を有しているから、急激な昇温や降温、高温加熱、および酸化製雰囲気によく耐える。
更に、被加熱物は、発熱体202の内側の空間に収容されて加熱されるから、厚みのある物品であっても均一に加熱できる。また、Wet酸化のような凝縮性ガスを用いたプロセスにおいて不適切な局部凝縮を発生させない処理が可能になる。
本発明の誘導加熱装置は、シリコンウェハーやガラス基板などの加熱に好適に使用できる。
図1は、実施形態1に係る誘導加熱装置の構成を示す分解斜視図である。 図2は、実施形態1に係る誘導加熱装置の構成を示す概略断面図である。 図3は、実施形態2に係る誘導加熱装置の構成を示す斜視図である。 図4は、実施形態2に係る誘導加熱装置の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
10 発熱体
12 耐熱性耐酸化性皮膜
14 発熱体本体
15 誘導加熱コイル部
20 熱遮蔽板
100 誘導加熱装置
110m マスター交流電力供給装置
110s スレイブ交流電力供給装置
162 可変リアクトル部
200 誘導加熱装置
202 発熱体
204 発熱体本体
206 耐熱性耐酸化性皮膜
210s スレイブ交流電力供給装置
210m マスター交流電力供給装置
210 交流電力供給装置
250 誘導加熱コイル
250m マスター誘導加熱コイル
250s スレイブ誘導加熱コイル

Claims (8)

  1. 発熱体と、前記発熱体を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えてなる誘導加熱装置であって、
    前記発熱体は、炭素/炭素繊維複合体から形成されてなるとともに、前記発熱体のマクロ表面および炭素繊維のミクロ表面が耐熱性耐酸化性皮膜で被覆されてなることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記耐熱性耐酸化性皮膜は、耐熱性炭化物、耐熱性酸化物、熱分解性炭素、および六方晶窒化硼素の少なくとも1種の成分からなる1層または2層以上の皮膜である請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記耐熱性炭化物は、炭化珪素、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、および炭化タングステンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、前記耐熱性酸化物は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウムからなる群から選択された少なくとも1種の化合物である請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記発熱体は板状である請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記発熱体は筒状である請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記発熱体に対して平行に、しかも同心状に配設された複数の誘導加熱コイルを備え、各誘導加熱コイルには、周波数および位相を同期させて個別に電力制御された交流が供給される請求項4に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記発熱体の長手方向に沿って配設された複数の誘導加熱コイルを備え、各誘導加熱コイルには、周波数および位相を同期させて個別に電力制御された交流が供給される請求項5に記載の誘導加熱装置。
  8. 前記誘導加熱コイルは、夫々交流電力供給手段に接続されてなるとともに、
    前記交流電力供給手段は、電流を制御する電流制御手段と周波数を制御する周波数制御手段とを有し、
    前記交流電力供給手段のうち、1つは、周波数および位相の基準となるマスター交流電力供給手段であり、その他は、周波数および位相が前記マスター交流電力供給手段に同期するように制御されるスレイブ交流電力供給手段である請求項6または7に記載の誘導加熱装置。
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