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JP2005259153A - Rfid用トランスポンダのアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法 - Google Patents

Rfid用トランスポンダのアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法 Download PDF

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隆 土田
Yasuhiro Ubukata
康弘 生方
Eiji Takahashi
英二 高橋
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Abstract

【課題】RFID用トランスポンダのような共振回路を備える装置の共振周波数を簡単かつ正確に調整することができるRFID用トランスポンダのアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法の提供。
【解決手段】チップコンデンサ7と1ターン以上のループで構成されるアンテナコイル4とからなる共振回路とICチップと備えるラベル状やシート状のトランスポンダ2において、アンテナコイル4の両端子に接続されるICチップ実装用配線を長く形成することにより、アンテナコイルのインダクタンスを調整して共振周波数を所望の値に合わせ込む。
【選択図】図10

Description

本発明は、共振回路を構成するアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法に関し、特に、実装されたICチップに対して非接触でデータの読み書きを行うことを特徴とするRFID(Radio Frequency Identification)用トラスポンダのアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法に関する。
近年、ICチップを備えたトランスポンダとリーダ/ライタ(又はリーダ)との間でデータの交信を行うRFIDシステムが普及している。このRFIDシステムは、トランスポンダ及びリーダ/ライタの各々に備えたアンテナを用いてデータの交信を行うため、トランスポンダをリーダ/ライタから数cm乃至数十cm離しても通信可能であり、また、汚れや静電気等に強いという長所から、工場の生産管理、物流の管理、入退室管理等の様々な分野に利用されるようになってきている。
このRFIDシステムでデータの通信を行う場合、リーダ/ライタ、トランスポンダの双方のアンテナの共振周波数をある程度の精度で送信するキャリア周波数に合わせ込む必要がある。ここで、アンテナの共振周波数f0は、アンテナコイルのインダクタンスLとコンデンサのキャパシタンスCとを用いて次式のように表される。
Figure 2005259153
式1より、アンテナコイルのインダクタンスL又はコンデンサのキャパシタンスCのいずれかを増減させることにより共振周波数を所望の値に調整することができ、リーダ/ライタのアンテナの場合は、通常、アンテナに実装したトリマコンデンサなどにより調整が行われている。
一方、トランスポンダの場合は、そのサイズが小さいことから各々のトランスポンダにトリマコンデンサを実装することが困難な場合もあり、特に、シート状やラベル状の様な厚さ数100μm程度のトランスポンダの場合は、ラベル上に作製されたフィルムコンデンサをトリミングすることにより容量を変化させて共振周波数を調整している。
特開2000−285214号公報(第3−4頁、第1図)
フィルムコンデンサのトリミングにより容量を変化させるためには、トランスポンダ内に大きな面積のフィルムコンデンサを形成する必要がある。特に、小型トランスポンダの場合は、アンテナコイルが小さくインダクタンスが小さくなることから、所望の共振周波数を得るためには大型のトランスポンダより大きなコンデンサ容量を必要とし、一定の容量変化率を得るためのフィルムコンデンサの面積は更に大きくなってしまい、トランスポンダの小型化の障害となってしまう。
ここで、従来のトランスポンダの構造について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、従来のRFID用トランスポンダの基本構成を示す回路図であり、図13は、小型のシート(ラベル)状トランスポンダにおける共振回路のアンテナコイルとフィルムコンデンサとの位置関係を示す平面図である。
図12に示すように、トランスポンダ2は、共振回路を構成するアンテナコイル4及びコンデンサと、データの記憶、演算を行うICチップ5とからなり、大型のトランスポンダ2の場合は部品の取り付けスペースが大きいことから、コンデンサを固定容量を形成するコンデンサ6aと容量の調整が可能なトリマコンデンサ6bとで構成し、トリマコンデンサ6bを増減させることにより共振周波数の調整を行っていた。
しかしながら、図13に示すようなシート(ラベル)状のトランスポンダ2の場合は、トリマコンデンサ6bを設けることは困難であり、アンテナコイル4と同一平面状にフィルムコンデンサ6cを形成しているが、図13(a)に示すように、アンテナコイル4の内部にフィルムコンデンサ6cを形成すると、容量変化量は限定的であり、また渦電流損による損失の増加によりQ値が低下する原因となる。
また、図13(b)に示すように、アンテナコイル4の外部にフィルムコンデンサ6cを形成する場合、その分の面積増加を招いてしまう。そして、一定共振周波数を維持する場合、トランスポンダ2の微小化に伴ってインダクタンスが減少することにより、共振用コンデンサの容量は増加し、容量に一定の変化率を与えるためのトリミング用フィルムコンデンサの面積の増加比率は無視できないほど大きくなり、トランスポンダ2のサイズはフィルムコンデンサ6c(トリミング部分を含む)の面積に律則されてしまう。
そこで、フィルムコンデンサ6cを用いずに共振周波数の調整を行うために、アンテナコイル4側で共振周波数を調整する方法が種々提案されている。例えば、特開平4−321190号公報には、共振回路を構成するアンテナコイルとして、基板の周辺部上にスパイラル状に形成された導体パターンからなる主コイルと、それぞれ主コイルの対応する巻き線の導体パターンと主コイルの一端とを電気的に接続すると共にこれらのうち一つを残して他を切断することにより所望のインダクタンス特性を得るための複数の調整パターンとを設ける構造が開示されている。
また、特開2000−285214号公報には、共振回路を構成するアンテナから接続端子を複数個引き出し、接続端子のうち少なくとも任意の1組を選択接続することにより、アンテナの巻き数を決定し、インダクタンス値を調整する技術が開示されている。
上記公報記載の技術によれば、調整パターンの一つ又は接続端子の一組みを選択して、その経路のみを接続又は他の経路を切断することにより、アンテナコイルの経路長を変えることができ、その結果、インダクタンスを増減させて共振周波数を調整することができるが、上記公報記載の方法では、予め設けられた経路の一つを選択するため、インダクタンスの変化量を細かく調整することができず、共振周波数を所望の値に正確に合わせ込むことはできない。
すなわち、上記公報では、トランスポンダ2に実装されるICチップ5の内部キャパシタンスの大きなばらつきを補償するためにアンテナコイル4の巻き数を選択しているが、選択可能な経路はトランスポンダ2のサイズを維持する必要上、数多く形成することができず、そのため共振周波数も粗い調整しか行うことができない。また、実際のトランスポンダ2では、共振周波数のずれを引き起こす要因として、共振回路を構成するアンテナコイル4やコンデンサのパターン形成誤差や、トランスポンダ2を取り付ける物品との相互作用等もあり、このような要因に起因する共振周波数のずれはICチップ5に起因するずれに比べて小さく、上記公報記載の方法では、このようなずれを有効に調整することはできない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、RFID用トランスポンダのような共振回路を備える装置の共振周波数を簡単かつ正確に調整することができるRFID用トランスポンダのアンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のRFID用トランスポンダは、アンテナコイルとコンデンサとからなる共振回路と、ICチップとを備えたRFID用トランスポンダにおいて、前記アンテナコイルの両端子部から、前記ICチップを実装する2本の配線が略平行に延在して形成され、前記ICチップの実装位置が前記配線上でスライドされて、前記アンテナコイルのインダクタンスが調整されるものである。
また、本発明の共振周波数の調整方法は、アンテナコイルとコンデンサとからなる共振回路と、ICチップとを備えたRFID用トランスポンダにおける共振周波数の調整方法であって、前記アンテナコイルの両端子部に、前記ICチップを実装する2本の配線を略平行に延在して形成し、前記ICチップの実装位置をずらすことにより、前記アンテナコイルのインダクタンスを徐々に変化させて共振周波数を調整するものである。
このように、本発明では、トランスポンダの共振周波数の調整をコンデンサの容量ではなく、アンテナコイルのインダクタンスにより行うため、トリミング用に形成されていた従来のフィルムコンデンサ部分の面積を省略することができ、トランスポンダ全体の面積の縮小化が可能となる。また、アンテナコイルの巻き数を選択するのではなく、ICチップの実装位置を変えてアンテナコイルの長さを増減させることによりインダクタンスを調整しているため、微調整が可能となり、共振周波数を所望の値に正確に合わせ込むことができる。
以上説明したように、本発明のRFID用アンテナコイルの構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法によれば、トランスポンダのQ値の損失や面積の増加を招くことなく、共振周波数の微調整を実現することができる。
その理由は、ICチップの実装位置をずらすことにより、アンテナコイルの経路長又はアンテナコイルの面積を変化させてインダクタンス、すなわち共振周波数を変化させることができるからであり、従来のように面積の大きいフィルムコンデンサを設ける必要がなく、又、アンテナコイルの経路を選択する方法に比べてインダクタンスの変化量を制御することができるからである。
本発明に係るRFID用トランスポンダは、その好ましい一実施の形態において、チップコンデンサと1ターン以上のループで構成されるアンテナコイルとからなる共振回路とICチップとを備え、アンテナコイルの両端子に接続されるICチップ実装用配線を長く形成することにより、アンテナコイルのインダクタンスを調整して共振周波数を所望の値に合わせ込むものである。このように、ICチップの実装位置を調整可能とすることによって、アンテナコイル長を調整することができ、インダクタンスの微調整を実現することができる。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について説明する。上述したように、コンデンサで共振周波数を調整するためには大きな面積のトリミング用フィルムコンデンサを形成する必要があるため、本実施例では、アンテナコイルで共振周波数の調整を行い、コンデンサとしてフィルムコンデンサに代えてチップコンデンサを用い、コイル渦電流損によるQ値低下を防ぎ、かつ、トランスポンダのサイズの増大を防止している。また、共振周波数の微調整を可能とするために、アンテナコイルの経路を選択するのではなく、アンテナコイルに設けたインダクタンス調整用トリミングラインを順次切断し、また、ICチップの実装位置をずらすことにより、インダクタンスを徐々に変化させている。以下、具体的な構成について図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施例に係るRFID用トランスポンダのアンテナコイル構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、RFIDシステムの全体構成を模式的に示す図であり、図2は、第1の実施例に係るRFID用トランスポンダの構造の一例を示す平面図である。また、図3及び図4は、本実施例の効果を説明するための図である。
図1に示すように、RFIDシステム1は、リーダ/ライタ用アンテナ3aを用いてデータの交信を行うリーダ/ライタ3と、ラベル型、シート型、スティック型等の種々の形状のトランスポンダ2とからなり、リーダ/ライタ3には、送受信信号を変換するための通信回路部と送受信信号をデコードするための演算処理部とが接続されている。
また、図2に示すように、本実施例のトランスポンダ2は、1ターン以上のループから構成されるアンテナコイル4とチップコンデンサ7とからなる共振回路とデータの記憶、演算処理を行うICチップ(図示せず)とが設けられ、更に、アンテナコイル4の最内周のループにはインダクタンス調整用のトリミングライン4aが所定の間隔でループを短絡するように形成されている。
なお、図では、アンテナコイル4は2ターンのループにより構成されているが、ループの数は任意に設定することができる。また、インダクタンス調整用トリミングライン4aを等間隔に10本(L1〜L10)設けた構成としているが、トリミングライン4aは複数本であればよく、その間隔及び本数はインダクタンス(共振周波数)の調整幅及び調整精度に合わせて適宜設定することができる。
トリミング前の段階では、アンテナコイル4は実効的にチップコンデンサ7側の端子AからL1のトリミングライン4aを通って端子Bに繋がる経路となるため、アンテナコイル4の長さは短く、アンテナコイル4のインダクタンスは小さくなっている。そして、チップコンデンサ7側(L1側)から、レーザ光を用いた方法や機械的に配線パターンを切除する方法等により、トリミング位置4bで順次トリミングライン4aを切断していくことにより、アンテナコイル4の経路を徐々に長くすることができ、その結果、アンテナコイル4のインダクタンスを徐々に大きく(共振周波数を徐々に小さく)することができる。
本実施例の効果を実証するため、図2のパターンを持つPCB基板を製作し、トリミングライン4aを順次切断したときの共振周波数の値及びその変化を測定した。なお、本実施例では、アンテナコイル4の最外周ループの寸法は、短辺側(図の上下方向)が約8mm、長辺側(図の左右方向)が約40mm、最内周ループの短辺側の間隔は3mm、インダクタンス調整用トリミングライン4aの間隔は0.5mmとした。上記構造のトランスポンダ2を用いて測定した結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4の横軸は、インダクタンス調整用トリミングライン4aの切断本数を示し、例えば、”2”はL1とL2の2本のトリミングライン4aを切断した状態を示している。また、図3の縦軸は、切断本数に対応する共振周波数の値を示し、図4の縦軸は、切断本数を増加させた時の共振周波数の変化量を示している。
図3から分かるように、インダクタンス調整用トリミングライン4aをトリミングするに従って、共振周波数の値は徐々に減少しており、本実施例の構造で共振周波数の微調整が可能であることが分かる。また、図4から分かるように、トリミング本数の増加による共振周波数の変化量は測定誤差を考慮すると一定の傾きで減少しており、予めその傾きを求めておけば所望の共振周波数に調整するための切断本数を容易に計算できることが分かる。
このように、アンテナコイル4を形成するループの最内周にループを短絡するインダクタンス調整用トリミングライン4aを複数本形成し、内側(L1側)から順次切断することによって、アンテナコイル4の経路を徐々に長くしてインダクタンスを徐々に増加させる(共振周波数を減少させる)ことができる。従って、従来例のようなアンテナコイルの経路を選択する方法に比べてインダクタンスを微調整することができ、所望の共振周波数より若干高めに共振周波数を設定しておき、トリミングを行うことで共振周波数を正確に合わせ込むことができる。
次に、本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダのアンテナコイル構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法について、図5乃至図9を参照して説明する。図5は、第2の実施例に係るRFID用トランスポンダの構造の一例を示す平面図であり、図6及び図7は、本実施例の効果を説明するための図である。また、図8及び図9は、本実施例のアンテナコイルの他の構成を示す平面図である。
前記した第1の実施例では、アンテナコイル4最内周のループの対向する辺を短絡するようにインダクタンス調整用トリミングライン4aを設けたが、特に共振周波数の微調整を必要とする場合は、各々のトリミングライン4aの間隔を狭める必要がある。しかしながら、トリミングライン4aの間隔が狭すぎるとトリミングの作業性が悪化し、誤って余分なトリミングライン4aを切断してしまうといった不具合が生じる可能性がある。
そこで、本実施例では、図5に示すように、インダクタンス調整用トリミングライン4aを最内周のループの角部に設け、トリミング一本当たりのアンテナコイル有効面積の変化量を小さくすることにより、アンテナコイルの形状(すなわち、アンテナコイル4の対向する辺の間隔)に依存しない共振周波数の調整を可能としている。このような構造とすることにより、トリミングライン4aの間隔dがトリミングの物理的限界に達していても、更に共振周波数の調整幅を小さくすることが可能となる。
本実施例の効果を実証するため、図5のパターンを持つPCB基板を製作し、トリミングライン4aを順次切断したときの共振周波数の値及びその変化を測定した。なお、本実施例では、アンテナコイル4の寸法は第1の実施例と同様とし、インダクタンス調整用トリミングライン4aの各々の長さを2mm、間隔は0.5mmとした。上記構造のトランスポンダを用いて測定した結果を図6及び図7に示す。
図6から分かるように、インダクタンス調整用トリミングライン4aをトリミングするに従って、共振周波数は減少しており、かつ、その減少量は10本のトリミングライン4aを切断しても0.25MHz程度であり、0.7MHz程度である第1の実施例に比べて共振周波数の微調整が可能であることが分かる。また、1カット当たりの変化量も図7に示すように0.3MHz程度と極めて小さいことが分かる。
なお、第1の実施例で示した図2の構成又は本実施例の図5の構成では、トリミングの本数が多くなるに従って、図4及び図7に示すように、1カット当たりのインダクタンスの変化幅は小さくなっている。これは、インダクタンスがアンテナ線の直径やターン数、アンテナの面積等に相関して変化するからであり、トリミングライン4aを等間隔に設定してもインダクタンスの変化量を一定にすることはできない。このような複雑な形状のアンテナでは、インダクタンスの変化量を一定にするトリミングライン4aの間隔を厳密に求めることは困難であるが、単純化したモデルを考えると指針を得ることができる。例えば、辺の長さがa、b(a>b)の長方形のアンテナを考えた場合、アンテナの半径をr、アンテナ線の直径をd、ターン数をN、ターン間隔をsとした場合、インダクタンスLは次式で表される。
Figure 2005259153
そこで、式2を参考にして、Lの変化量が一定となるようにrを設定することにより、インダクタンスの変化量が略一定となるトリミングライン4aの形状を決定することができる。例えば、図8に示すようにインダクタンス調整用トリミングライン4cを台形構造にすることによって、1カット当たりのインダクタンスの変化量を略一定にすることも可能である。また、図9に示すようにトリミングライン4dの外形は矩形形状とし、各々のラインの間隔を式2に関係に従って変化させることによっても同様にインダクタンスの変化量を略一定に保つことができる。そして、インダクタンスの変化量を一定にすることにより、所望の共振周波数に調整するために必要なカット数を簡単に計算することができ、トリミング作業を更に容易にすることができる。
なお、図8及び図9では、ループの角部にインダクタンス調整用トリミングライン4aを設ける場合の構造について記載しているが、ループの対向する辺を短絡するようにトリミングライン4aを形成する第1の実施例の構造に対して、各々のトリミングライン4aの間隔を変化させる図9の構造を適用することも可能である。
次に、本発明の第3の実施例に係るRFID用トランスポンダのアンテナコイル構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法について、図10を参照して説明する。図10は、第3の実施例に係るRFID用トランスポンダの構造の一例を示す平面図である。
前記した第1及び第2の実施例では、アンテナコイル4をトリミングライン4aで短絡させてアンテナコイル4のインダクタンスを変化させたが、図10に示すように、アンテナコイル4の端子A及びCに接続されるチップコンデンサ7の接続配線を延長してICチップ5を実装するための配線(トリミング調整用配線4e)を長く形成して、ICチップ5の実装位置に自由度を持たせておき、アンテナコイル4からの線路長を変化させることによってインダクタンスを増減し、共振周波数を調整することもできる。
具体的には、図の左側から右側にICチップ5の実装位置をずらすことにより、アンテナコイル4からの線長が増加し、インダクタンスを増加させることができる。これにより、式1の関係から共振周波数は減少することになり、共振周波数の微調整が可能となる。なお、トリミング調整用配線4eの形成位置は図の構成に限定されず、アンテナコイル4の端子A及びCからICチップ5までの距離が調整可能な構成であればよい。
次に、本発明の第4の実施例に係るRFID用トランスポンダのアンテナコイル構造及び該アンテナコイルを用いた共振周波数の調整方法について、図11を参照して説明する。図11は、第4の実施例に係るRFID用トランスポンダの構造の一例を示す平面図である。
前記した第1及び第2の実施例では、アンテナコイル4の最内周ループにインダクタンス調整用トリミングライン4aを設けたが、トランスポンダ2の形状によっては最外周ループでトリミングを行う方が好ましい場合もある。そこで、図11に示すように、アンテナコイル4の最外周ループの端子B近傍にコの字形状のトリミングライン4fを複数形成し、初期状態で最外周ループによって短絡しておく。そして、順次短絡部分(トリミング位置4b)を切断することにより、アンテナコイル4の経路長が増加してインダクタンスが増加し、その結果、共振周波数を減少させることができる。このような構造によっても、順次切断本数を増やすことによって共振周波数を微調整することができる。
更に、上記構造において、図に示すグループ1とグループ2のように、迂回線長の異なるトリミングライン4aを複数種類作製しておくことによって、1回のトリミングで変化するインダクタンスの量を調整することができ、例えば、グループ1のトリミングライン4aを切断することによって粗調整を行い、グループ2のトリミングライン4aを切断することによって微調整を行うといった調整方法が可能となり、より細かな調整を実現することができる。
なお、上記各実施例では、RFID用トランスポンダに形成される共振回路の共振周波数の調整方法について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、任意のコイルの構造及びそのコイルを用いたインダクタンスの調整に適用することができる。
RFIDシステムの全体構成を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施例に係るRFID用トランスポンダの構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施例に係るRFID用トランスポンダを用いた共振周波数の調整方法の効果を示す図であり、トリミング本数と共振周波数との関係を示す図である。 本発明の第1の実施例に係るRFID用トランスポンダを用いた共振周波数の調整方法の効果を示す図であり、トリミング本数と共振周波数の変化量との関係を示す図である。 本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダの構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダを用いた共振周波数の調整方法の効果を示す図であり、トリミング本数と共振周波数との関係を示す図である。 本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダを用いた共振周波数の調整方法の効果を示す図であり、トリミング本数と共振周波数の変化量との関係を示す図である。 本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダの他の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施例に係るRFID用トランスポンダの他の構成を示す平面図である。 本発明の第3の実施例に係るRFID用トランスポンダの構成を示す平面図である。 本発明の第4の実施例に係るRFID用トランスポンダの構成を示す平面図である。 従来のRFID用トランスポンダの構成を示す回路図である。 従来のRFID用トランスポンダのアンテナコイル及びフィルムコンデンサの位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1 RFID用システム
2 トランスポンダ
3 リーダ/ライタ
3a リーダ/ライタ用アンテナ
4 アンテナコイル
4a インダクタンス調整用トリミングライン(短絡経路)
4b トリミング位置
4c インダクタンス調整用トリミングライン
4d インダクタンス調整用トリミングライン
4e インダクタンス調整用実装配線
4f インダクタンス調整用トリミングライン(迂回経路)
5 ICチップ
6a コンデンサ
6b トリマコンデンサ
6c フィルムコンデンサ
7 チップコンデンサ

Claims (2)

  1. アンテナコイルとコンデンサとからなる共振回路と、ICチップとを備えたRFID用トランスポンダにおいて、
    前記アンテナコイルの両端子部から、前記ICチップを実装する2本の配線が略平行に延在して形成され、前記ICチップの実装位置が前記配線上でスライドされて、前記アンテナコイルのインダクタンスが調整されることを特徴とするRFID用トランスポンダ。
  2. アンテナコイルとコンデンサとからなる共振回路と、ICチップとを備えたRFID用トランスポンダにおける共振周波数の調整方法であって、
    前記アンテナコイルの両端子部に、前記ICチップを実装する2本の配線を略平行に延在して形成し、前記ICチップの実装位置をずらすことにより、前記アンテナコイルのインダクタンスを徐々に変化させて共振周波数を調整することを特徴とする共振周波数の調整方法。
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