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JP2005253606A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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JP2005253606A
JP2005253606A JP2004067699A JP2004067699A JP2005253606A JP 2005253606 A JP2005253606 A JP 2005253606A JP 2004067699 A JP2004067699 A JP 2004067699A JP 2004067699 A JP2004067699 A JP 2004067699A JP 2005253606 A JP2005253606 A JP 2005253606A
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Yasushi Sugimoto
靖司 杉本
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Dunlop Sports Co Ltd
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SRI Sports Ltd
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Abstract

【課題】 クラウン部及びソール部の少なくとも一部に繊維強化樹脂を用いて耐久性を損ねることなく重量配分設計の自由度を高める。
【解決手段】 金属材料からなるヘッド殻部Mと、繊維強化樹脂からなる樹脂部材FRとを用いて形成された中空構造のゴルフクラブヘッド1である。樹脂部材FRは、ヘッド上面をなすクラウン部4の少なくとも一部を構成するクラウン側の樹脂部材FR1と、ヘッド底面をなすソール部5の少なくとも一部を構成するソール側の樹脂部材FR2とを含む。ソール側の樹脂部材FR2の樹脂含有率Jsは、クラウン側の樹脂部材FR1の樹脂含有率Jcよりも大きい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、クラウン部及びソール部の少なくとも一部に繊維強化樹脂を用いることにより耐久性を損ねることなく重量配分設計の自由度を高めうるゴルフクラブヘッドに関する。
近年、金属材料を主体的に用いつつその一部に繊維強化樹脂を複合させたゴルフクラブヘッドが種々提案されている。例えば下記特許文献1には、ヘッドの上面をなすクラウン部と、ヘッドの底面をなすソール部とに繊維強化樹脂を用いたウッド型のゴルフクラブヘッドが記載されている。
このような複合ヘッドは、一部に繊維強化樹脂を用いることにより重量を削減することができるため、ヘッド体積の大型化が可能になる。また削減された重量は、例えばトウ又はヒールといったヘッドのサイド部分や、バックフェースへと配分することができる。前者の構成では、ヘッドの重心周りの慣性モーメントを大きくすることができ、また後者の構成ではヘッドの重心深度を大きくすることができる。また、クラウン部に繊維強化樹脂を用いた場合、ヘッド上部の重量を削減できるため低重心化にも役立つ。このように、複合ヘッドでは、重量配分設計の自由度を高める。
しかしながら、複合ヘッドは、繊維強化樹脂と金属材料からなるヘッド殻部との接合部において強度が不足しやすい。特にソール部は、打球時に地面と接触する機会が多く、かついわゆるダフリ(インパクトの手前でヘッドが地面を強く叩いてしまうミスショットである。)が生じた場合、ソール部に非常に大きな衝撃力が作用する。この結果、前記接合部が外れたり、ソール部に配された繊維強化樹脂が破損する等のおそれがあった。
特開2003−199848号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、クラウン部及びソール部のそれぞれの少なくとも一部に、繊維強化樹脂からなるクラウン側の樹脂部材、ソール側の樹脂部材が設けられるとともに、ソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsを、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcよりも大とすることを基本として、ソール側の樹脂部材の衝撃吸収能力を高めて耐久性を損ねることなく重量配分設計の自由度を高めうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、金属材料からなるヘッド殻部と、繊維強化樹脂からなる樹脂部材とを用いて形成された中空構造のゴルフクラブヘッドであって、前記樹脂部材は、ヘッド上面をなすクラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン側の樹脂部材と、ヘッド底面をなすソール部の少なくとも一部を構成するソール側の樹脂部材とを含み、かつ前記ソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsは、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcよりも大きいことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記ソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsと、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcとの比(Js/Jc)が1.2〜5.0であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記ソール側の樹脂部材に含まれる繊維の平均弾性率Esは、前記クラウン側の樹脂部材に含まれる繊維の平均弾性率Ecよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記ソール側の樹脂部材の繊維の平均弾性率Esと、クラウン側の樹脂部材の繊維の平均弾性率Ecとの比(Es/Ec)が1.2〜3.5であることを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記ヘッド殻部は、ボールを打球するフェース部と、このフェース部に連なりヘッド上面をなすとともに前記クラウン側の樹脂部材が接合される開口部が設けられたクラウン縁部と、前記フェース部に連なりヘッド底面をなすとともに前記ソール側の樹脂部材が接合される開口部が設けられたソール縁部と、前記フェース部のトウからバックフェースをのびてフェース部のヒールに連なるサイド部とを含む請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
本発明のゴルフクラブヘッドは、金属材料からなるヘッド殻部と、繊維強化樹脂からなる樹脂部材とを用いて形成され、樹脂部材は、ヘッド上面をなすクラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン側の樹脂部材と、ヘッド底面をなすソール部の少なくとも一部を構成するソール側の樹脂部材とを含む。従って、ヘッド重量を削減できるからヘッド体積の大型化や、削減された重量を適所に自在に配分することで重量配分設計の自由度を高め得る。またソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsは、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcよりも大きい。繊維強化樹脂において、樹脂含有率を高めると耐衝撃性が高まり、逆に繊維の比率を増すと比重が増加する。従って、本発明のゴルフクラブヘッドは、ソール側の樹脂部材の衝撃吸収能力が向上し、インパクト時やダフリ時に生じる衝撃力に耐えうる耐久性を発揮しうる。またクラウン側の樹脂部材は、ソール側の樹脂部材に比して軽量化することが可能となり、ひいてはヘッドの重心が高くなるのを効果的に防止しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1を規定のライ角、ロフト角として水平面に載置した基準状態の斜視図、図2はその平面図、図3は同底面図、図4は図2のA−A拡大断面図、図5はヘッドの分解斜視図がそれぞれ示されている。
本実施形態のヘッド1は、ボールを打球する面であるフェース面2を有するフェース部3と、前記フェース部3に連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース部3に連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間を継ぎ前記フェース部3のトウ3aからバックフェースを通りヒール3bに至ってのびるサイド部6と、クラウン部4のヒール側に設けられかつシャフト(図示せず)の一端が装着されるネック部7とを具え、内部に中空部iが設けられた中空構造のドライバー(#1)又はフェアウェイウッドといったウッド型のものが例示されている。
ヘッド1は、金属材料からなるヘッド殻部Mと、繊維強化樹脂からなる樹脂部材FRとを用いて形成されている。
前記樹脂部材FRは、クラウン部4の少なくとも一部を構成するクラウン側の樹脂部材FR1と、ソール部5の少なくとも一部を構成するソール側の樹脂部材FR2とを少なくとも含み、この実施形態では、樹脂部材FRが互いに独立したこれらの2つの部材で構成されたものが例示される。樹脂部材FRは、マトリックス樹脂と、その補強材となる繊維とを複合させた複合材料であって、金属材料に比べると比重が小さい。従って、本発明のヘッド1は、樹脂部材FRを用いることによって、比較的大きな重量削減効果を得ることができる。削減された重量は、例えばヘッド殻部Mの適所に配分することで重心位置や慣性モーメントを調整でき、重量配分設計の自由度を高めるのに役立つ。
マトリックス樹脂としては、特に限定はされないが、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性が望ましい。これらのマトリックス樹脂は安価でかつ繊維との接着性も良くかつ成形時間も比較的短い点で好ましい。ただし、熱硬化性樹脂を用いることも勿論可能である。また繊維としては、特に限定はされないが、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維又はPBO繊維といった有機繊維や、アモルファス繊維又はチタン繊維等の金属繊維などを用いることができ、とりわけ比重が小さくかつ引張強度が大きいカーボン繊維が好適である。本実施形態では、カーボン繊維が採用される。
本実施形態のヘッド殻部Mは、図5に示されるように、フェース部3と、クラウン側の樹脂部材FR1が接合される開口部O1が設けられしかもフェース部3に連接されたクラウン縁部10と、ソール側の樹脂部材FR2が接合される開口部O2が設けられしかもフェース部3に連設されたソール縁部11と、前記サイド部6と、前記ネック部7とを含んで構成されている。ヘッド殻部Mは、鋳造等で前記各部を当初から一体に形成することができるし、また鍛造、鋳造、プレス又は圧延等の加工法により2以上のパーツを成形した後、これらを溶接等により一体に接合して形成することもできる。
ヘッド殻部Mを形成する金属材料については特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼、マレージング鋼、チタン、チタン合金、アルミ合金、マグネシウム合金又はアモルファス合金などを用いることができ、とりわけ比強度の大きいチタン合金、アルミ合金又はマグネシウム合金が望ましい。なおヘッド殻部Mは2種以上の金属材料を用いて形成することができる。
またヘッド殻部Mのクラウン縁部10は、図4ないし図5に示されるように、本実施形態では、クラウン部4の外表面部分を形成する環状のクラウン面部10aと、表面がクラウン面部10aから段差を有して中空部i側に凹んだ受け部10bとを含む。受け部10bは、クラウン側の樹脂部材FR1の内面側かつその周縁部を保持することができる。また受け部10bは、前記段差によって、クラウン側の樹脂部材FR1とクラウン面部10aとを面一に仕上げるのに役立つ。
受け部10bとクラウン側の樹脂部材FR1との間は接着されている。本実施形態の受け部10bは、開口部O1の周りの全周に設けられる。その結果、クラウン側の樹脂部材FR1の周縁部の全周を接着保持することができる。これは強い接着強度を得るのに役立つ。受け部10bの幅Wa(開口部O1の縁から直角方向に測定される。)は、特に限定はされないが、小さすぎるとヘッド殻部Mとクラウン側の樹脂部材FR1との接合面積が小さくなるため接合強度が低下しやすく、逆に大きすぎると開口部O1の面積が小さくなって重量削減効果が十分に得られない傾向がある。このような観点より、受け部10bの幅Waは、例えば3mm以上、より好ましくは5mm以上が望ましく、上限については30mm以下、より好ましくは20mm以下が望ましい。この幅Waは一定であっても良いしまた変化させることも可能である。
また、ヘッド殻部Mのソール縁部10は、図4ないし図5に示されるように、本実施形態では、クラウン部5の外表面部分を形成する環状のソール面部11aと、表面がソール面部11aから段差を有して中空部i側に凹んだ受け部11bとを含む。つまり、クラウン縁部10と同様の構成を持っている。受け部11bは、ソール側の樹脂部材FR2の内面側かつその周縁部を保持しうる。また受け部11bは、前記段差によって、ソール側の樹脂部材FR2とソール面部11aとを面一に仕上げるのにも役立つ。
受け部11bとソール側の樹脂部材FR2との間は接着されている。本実施形態の受け部11bは、開口部O2の周りの全周に設けられる。その結果、ソール側の樹脂部材FR2の周縁部の全周を接着保持することができる。受け部11bの幅Wb(開口部O2の縁から直角方向に測定される。)は、特に限定はされないが、小さすぎるとヘッド殻部Mとソール側の樹脂部材FR2との接合面積が小さくなるため接合強度が低下しやすく、逆に大きすぎると開口部O2の面積が小さくなって重量削減効果が十分に得られない傾向がある。このような観点より、受け部11bの幅Wbは、例えば3mm以上、より好ましくは5mm以上が望ましく、上限については30mm以下、より好ましくは20mm以下が望ましい。この幅Wbは一定でも良いしまた変化させることも可能である。
また前記各樹脂部材FR1ないしFR2は、それぞれクラウン部4及びソール部5の全部を形成する必要はなく、その少なくとも一部を構成するもで足りるが、各々の面積が小さいと、十分な重量削減効果が得られない傾向がある。このような観点より、図2に示される前記基準状態の平面図において、クラウン部4に設けられた開口部O1側の面積S1と、ヘッド輪郭で囲まれる面積Sとの比(S1/S)が0.5以上、より好ましくは0.6以上が望ましく、上限については例えば0.9以下、好ましくは0.8以下が望ましい。ソール側の樹脂部材FR2においても、図3に示される前記基準状態の底面図において、ソール部5に設けられた開口部O2の面積S2と、ヘッド輪郭線で囲まれる面積Sとの比(S2/S)が0.5以上、より好ましくは0.6以上が望ましく、上限については例えば0.9以下、好ましくは0.8以下が望ましい。また特に限定はされないが、よりヘッド重心を低く設定するために、、前記の方法にて得られるクラウン部の開口部O1の面積S1と、ソール部の開口部O2の面積S2との比(S1/S2)は、1.0よりも大、より好ましくは1.2以上とするのが望ましい。
またクラウン側の樹脂部材FR1及びソール側の樹脂部材FR2は、種々の方法で成形することができる。例えば図6に示されるように、複数枚、例えば2〜7枚、より好ましくは3〜5枚程度のプリプレグシートP1ないしP4を積層した積層体Pに、所定の温度と圧力とを作用させ所望の形状に焼き固めて樹脂部材FR1ないしFR2を所望の形状に成形することができる。複数枚のプリプレグシートP1ないしP4を用いる場合、任意の基準線Cに対して、プリプレグシートの繊維fの配向角度θを違えることが望ましい。具体的には、基準線Cに対して、±45゜程度で傾く繊維fを有するプリプレグシートP1及びP2と、0゜及び90゜で傾く繊維fを有するプリプレグシートP3及びP4を含ませるのが望ましい。この場合、前記各角度に夫々±10°のバラツキを許容することができる。とりわけ前記基準線Cがフェース面法線方向になるように用いるのが特に好ましい。なおフェース面法線方向は、前記基準状態において、ヘッド重心からフェース面におろした法線を水平面に投影した長手方向とする。また、このようにして形成された樹脂部材FR1ないしFR2は、その縁部がヘッド殻部Mの各受け部10b又は11bに接着剤を用いて接合される。
また樹脂部材FR1ないしFR2は、例えば図7に示されるように、いわゆる内圧成形法を用いて成形することもできる。内圧成形法は、例えば図7(A)に示されるように、先ずヘッド殻部Mの前記開口部O1、O2に、各開口部を覆うように半硬化状態の1ないし複数枚のプリプレグシートの積層体P、Pをそれぞれ貼り付けたヘッド基体を、一対の分離可能な上型20a及び下型20bからなる金型20に投入する。ヘッド殻部Mには、予めサイド部6等に前記中空部iに通じる透孔22を設けておき、そこから膨張ないし収縮可能なブラダBが挿入される。この際、予めプリプレグシートの積層体Pと受け部10bとの間や、プリプレグシートの積層体Pと受け部11bとの間には熱硬化型の接着剤ないしプライマーなどを塗布しておくことができる。
しかる後、図7(B)に示されるように、金型20を加熱するとともにブラダBを中空部iの中で膨張変形させる。これにより、熱とブラダBからの圧力とを受けたプリプレグシートの積層体Pは上型20aのキャビティに沿って所望のクラウン側の樹脂部材FR1へと成形されるとともに受け部10bに一体に接着される。同様に、プリプレグシートの積層体Pは下型20bのキャビティに沿って所望のソール側の樹脂部材FR2へと成形されるとともに受け部11bに一体に接着される。プリプレグシートの成形後、ブラダBは収縮させられ、前記透孔22から取り出される。また透孔22は、後にヘッドの商品名や装飾的な模様などを付したバッジ、カバー等によって閉塞することができる。
内圧成形法を用いる場合、例えば図8(A)に示されるように、例えばヘッド殻部Mの開口部O1において、受け部10bの中空部側を向く内面10biに補助のプリプレグシート24を予め貼り付けておくことが望ましい。補助のプリプレグシート24は、前記開口部O1の縁から開口部O1側にはみ出すはみ出し部24aを持って受け部10bの内面10biに貼り付けされる。また、補助のプリプレグシート24は、例えば前記開口部O1の周囲の少なくとも一部に設けられるが、好ましくは開口部O1の周囲に環状で連続的に貼り付けされることが望ましい。
次に図8(B)に示されるように、前記と同様、開口部O1を覆うようにプリプレグシート13を受け部10bに貼り付けするが、この際、例えば少なくとも1枚の補助のプリプレグシート24のはみ出し部24aをプリプレグシートの積層体Pの内面に仮接着することができる。そして、図8(C)に示されるように、金型20で内圧成形を行うことにより、樹脂部材FRの周縁部は、受け部10bの外面側をのびる外片部26aと、受け部10bの内面側をのびる内片部26bとを有する二股部26として成形できる。このように、複合ヘッドを製造するに際して、受け部の内面側にはみ出し部24aを有する補助のプリプレグシート24を予め配する工程を含ませることにより、簡単な手順にて樹脂部材FRとヘッド殻部Mとの接合面積を増加させ強固な接合強度を具えたヘッド1を製造するのに役立つ。なおソール側の開口部O2についても同様に補助のプリプレグシート24を設けてソール側の樹脂部材FR2を成形できるのは言うまでもない。
本発明のヘッド1は、ソール側の樹脂部材FR2の樹脂含有率Jsが、クラウン側の樹脂部材FR1の樹脂含有率Jcよりも大きいことを特徴事項の一つとしている。一般に、繊維強化樹脂において、樹脂含有率を高めていくと耐衝撃性を向上させることができる。また樹脂部材FR2において樹脂含有率が向上するため、受け部11bとの接着性が向上し、接合部の強度も向上させ得る。従って、本発明のヘッド1では、ソール側の樹脂部材FR2が、ボールのインパクト時やダフリ時においてソール部5に生じる大きな衝撃力に対して効果的に歪を緩和して長期に亘り耐久性を維持できる。またソール側の樹脂部材FR2とヘッド殻部Mとの接着強度が向上するため、大きな衝撃力に対して両部材の外れ等の損傷をも防止できる。一方、クラウン側の樹脂部材FR1は、ソール側の樹脂部材FR2に比して樹脂の含有率が小さくできる。これにより、クラウン側の樹脂部材FR1は、比重が小さくなるため軽量化が可能となり、ヘッドの重心位置が高くなるのを防止しうる。
なお本明細書において、繊維強化樹脂からなる樹脂部材FRの樹脂含有率は、該樹脂部材の全重量に対する樹脂の重量の比率として定める。樹脂の重量は、樹脂部材に硝酸とフッ酸とを加えて加熱し樹脂成分のみを化学的に分解、除去して繊維だけを取り出し、予め測定した樹脂部材の重量から繊維の総重量を差し引くことで得ることができる。
またソール側の樹脂部材FR2における樹脂含有率Jsの絶対値は特に限定されるものではないが、その値が小さ過ぎると衝撃吸収能力が十分に得られない傾向があり、逆に大きすぎると繊維による補強効果が低下し強度不足が生じやすくなる。このような観点より、ソール側の樹脂部材FR2における樹脂含有率Jsは、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上であり、上限については好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下が望ましい。
またクラウン側の樹脂部材FR1における樹脂含有率Jcの絶対値についても特に限定されるものではないが、その値が小さ過ぎると衝撃吸収能力が十分に得られない傾向があり、逆に大きすぎると強度不足が生じやすくなる。このような観点より、クラウン側の樹脂部材FR1における樹脂含有率Jcは、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上であり、上限については好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは30%以下が望ましい。
またクラウン側の樹脂部材FR1の樹脂含有率Jcと、ソール側の樹脂部材FR2の樹脂含有率Jsとの比(Js/Jc)は、特に限定されるものではないが、その値が大きすぎると、ソール側の樹脂部材FR2において過度に剛性が低下したり或いはクラウン側の樹脂部材FR1において金属材料であるヘッド殻部Mとの接合強度が低下しやすい。逆に前記比(Js/Jc)が小さすぎると、ソール側の樹脂部材FR2において衝撃吸収能力が低下したり、或いはクラウン側の樹脂部材FR1において重量が大きくなる傾向がある。このような観点より、前記比(Jc/Js)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.6以上であり、上限については好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.0以下が望ましい。
特に好ましい実施態様として、ソール側の樹脂部材FR2に含まれる繊維の平均弾性率Esを、クラウン側の樹脂部材FR1に含まれる繊維の平均弾性率Ecよりも大とすることが望ましい。例えばクラウン側の樹脂部材FR1とソール側の樹脂部材FR2とが、同じ繊維及び同じマトリックス樹脂から形成されている場合、ソール側の樹脂部材FR2は、樹脂含有率が相対的に大きいためクラウン側の樹脂部材FR1に比べると剛性の低下が生じるが、上記実施形態では、ソール側の樹脂部材FR2における繊維量の低下に伴う剛性の低下を繊維の弾性率を向上させることによって補うことができる。従って、より効果的にソール側の樹脂部材FR2の強度を与えることができる。
なお前記弾性率は引張弾性率であって、JIS R7601の「炭素繊維試験方法」に準じて測定された値とする。また2種以上の繊維が含まれている場合には、下記式(1)で表されるように、それぞれの繊維の弾性率の平均値を、その重量比で重み付けして計算するものとする。
平均弾性率=Σ(Ei・Vi)/ΣVi (i=1,2…)
(ここで、Eiは繊維iの弾性率、Viは繊維iの総重量とする。)
ここで、ソール側の樹脂部材FR2における繊維の平均弾性率Esの絶対値については特に限定されるものではないが、その値が小さすぎると剛性を十分に補うことができない傾向があり、逆に大きすぎると強度が低下する傾向がある。このような観点より、ソール側の樹脂部材FR2の繊維の平均弾性率Esは、好ましくは15ton /mm2 以上、より好ましくは20ton /mm2 以上、さらに好ましくは25ton /mm2 以上が望ましく、上限については好ましくは45ton /mm2 以下、より好ましくは40ton /mm2 以下、さらに好ましくは35ton /mm2 以下が望ましい。
また、クラウン側の樹脂部材FR1における繊維の平均弾性率Ecの絶対値についても特に限定されるものではないが、その値が小さすぎると剛性を十分に補うことができない傾向があり、逆に大きすぎると強度が低下する傾向がある。このような観点より、クラウン側の樹脂部材FR1の繊維の平均弾性率Ecは、好ましくは10ton /mm2 以上、より好ましくは15ton /mm2 以上、さらに好ましくは20ton /mm2 以上が望ましく、上限については好ましくは40ton /mm2 以下、より好ましくは35ton /mm2 以下、さらに好ましくは30ton /mm2 以下が望ましい。
またソール側の樹脂部材FR2の繊維の平均弾性率Esと、クラウン側の樹脂部材FR1の繊維の平均弾性率Ecとの比(Es/Ec)も、特に限定されるわけではないが、小さすぎると、ソール側の樹脂部材FR2において十分に剛性を高めることができない場合があり、逆に大きすぎると強度が低下する傾向がある。このような観点より、前記比(Es/Ec)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上が望ましく、上限については好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下が望ましい。
以上のように構成されたヘッド1は、重量配分の設計の自由度が高める結果、ヘッドの慣性モーメントをより大きく設定することができる。例えば前記基準状態において、ヘッド重心を通る垂直周りの慣性モーメントが3000(g・cm2 )以上、より好ましくは3500(g・cm2 )以上に調整できる。なお慣性モーメントは、慣性モーメント測定器(例えばINERTIA DYNAMICS Inc社製のMOMENT OF INERTIA MEASURING INSTRUMENTの MODEL NO.005-002等)を用いて測定することができる。
本発明のヘッド1は、ヘッド体積が250cm3 以上、より好ましくは280cm3 以上のものに適用することがより効果的である。ヘッド体積が250cm3 未満であると、慣性モーメントが小さくなりかつスイートエリアも小さくなる。他方、ヘッド体積が大きすぎても重量が増加するため、好ましくは600cm3 以下、より好ましくは500cm3 以下が望ましい。特に好ましくは、前記慣性モーメントをヘッド体積で除した単位体積当たりの慣性モーメントが、7(g・cm2 /cm3 )以上、より好ましくは10(g・cm2 /cm3 )以上、さらに好ましくは15(g・cm2 /cm3 )以上が望ましい。
以上本発明の実施形態について説明したが本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば中空構造を有するアイアン型やユーティリティ型、さらにはパター型のゴルフクラブヘッドに適用することができる。また上記実施形態では、繊維強化樹脂からなる樹脂部材が、クラウン側の樹脂部材FR1と、ソール側の樹脂部材FR2とからなるものが示されているが、例えばサイド部に樹脂部材を配しても良いのは言うまでもない。また、樹脂部材FRやヘッド殻部Mの各部の厚さ等については、慣例に従って適宜定めることができる。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきヘッド体積が350cm3 のウッド型のドライバーヘッドを試作した。ヘッド殻部や樹脂部材は図1〜図5に示される形状とし、ヘッド殻部についてはTi−6Al−4Vの一体鋳造で成形した。受け部の幅はバックフェース側で10mm、それ以外は15mmとした。そして、各ヘッドの重心を通る垂直軸周りの慣性モーメントと、耐久性とを測定した。耐久性は、各供試ヘッドをSRIスポーツ社製のカーボンシャフトMP−200に装着して45インチのウッド型クラブを試作し、これをミヤマエ社製のスイングロボットに取り付けてヘッドスピード50m/s、フェースセンター位置でゴルフボールを打撃し、ヘッドが破損するまでの打球数を測定した。テストの結果等を表1に示す。
Figure 2005253606
テストの結果、実施例のヘッドは、左右の慣性モーメントを大きくしつつも、十分な耐久性を発揮していることが確認できる。
本発明の実施形態を示すヘッドの基準状態の斜視図である。 その平面図である。 その底面図である。 図2のA−A断面図である。 ヘッドの分解斜視図である。 プリプレグシートの積層体を例示する展開図である。 (A)、(B)は内圧成形法を説明する断面図である。 内圧成形法の他の実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース面
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
7 ネック部
10 クラウン縁部
11 ソール縁部
FR1 クラウン側の樹脂部材
FR2 ソール側の樹脂部材

Claims (5)

  1. 金属材料からなるヘッド殻部と、繊維強化樹脂からなる樹脂部材とを用いて形成された中空構造のゴルフクラブヘッドであって、
    前記樹脂部材は、ヘッド上面をなすクラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン側の樹脂部材と、
    ヘッド底面をなすソール部の少なくとも一部を構成するソール側の樹脂部材とを含み、 かつ前記ソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsは、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcよりも大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記ソール側の樹脂部材の樹脂含有率Jsと、クラウン側の樹脂部材の樹脂含有率Jcとの比(Js/Jc)が1.2〜5.0であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記ソール側の樹脂部材に含まれる繊維の平均弾性率Esは、前記クラウン側の樹脂部材に含まれる繊維の平均弾性率Ecよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記ソール側の樹脂部材の繊維の平均弾性率Esと、クラウン側の樹脂部材の繊維の平均弾性率Ecとの比(Es/Ec)が1.2〜3.5であることを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記ヘッド殻部は、ボールを打球するフェース部と、このフェース部に連なりヘッド上面をなすとともに前記クラウン側の樹脂部材が接合される開口部が設けられたクラウン縁部と、前記フェース部に連なりヘッド底面をなすとともに前記ソール側の樹脂部材が接合される開口部が設けられたソール縁部と、前記フェース部のトウからバックフェースをのびてフェース部のヒールに連なるサイド部とを含む請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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