JP2005244860A - 高周波スイッチモジュール及びこれを用いた通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振幅バランス、位相バランスの平坦性を損なうことなく、位相バランスの調整を可能とした高周波スイッチモジュール及びこれを用いた通信装置を提供する。
【解決手段】 スイッチング素子、コンデンサ、インダクタ、及び少なくとも一つ以上のSAWフィルタを誘電体基板にて一体に形成した高周波スイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板表面に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置した高周波スイッチモジュールである。
【選択図】 図4
【解決手段】 スイッチング素子、コンデンサ、インダクタ、及び少なくとも一つ以上のSAWフィルタを誘電体基板にて一体に形成した高周波スイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板表面に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置した高周波スイッチモジュールである。
【選択図】 図4
Description
本発明は、マイクロ波帯などの高周波帯域で用いられ、1つのアンテナで送受信系を取り扱う高周波スイッチモジュール及びこれを用いた通信装置に関するものである。
近年、セラミックRFデバイスは携帯電話機など高周波無線機器の小型に大いに貢献するものとして大変注目されている。欧州地域をはじめとして広く適用されているEGSMやDCS等の携帯電話機では、最近、雑音指数を下げ、受信感度を上げるように、RF回路に2本の信号端子を持つ平衡型RFデバイスを用いることが提案されている。平衡型の回路は1本の信号端子による不平衡型の回路に比べてノイズに強い特徴を持つ。図9にEGSMとDCSのデュアルバンド携帯電話機の回路ブロック図を示す。分波器120、高周波スイッチ121、122、ローパスフィルタ123、124、RF段間フィルタ(SAWフィルタ)125、126、低雑音増幅器(LNA)127、128、方向性結合器131、132、増幅器(PA)133、134 等のRFデバイスを具備するものである。前記のような要請から、最近では、不平衡入力型LNAに変わり、平衡入力型LNAが用いられつつある。この場合、平衡入力型LNA 127、128とその前段に配置される段間フィルタ(SAWフィルタ)125、126とを接続するのに、従来、不平衡型回路と平衡型回路との変換を行う平衡-不平衡変換トランス129、130を用いていた。そして、これらのRFデバイスは、それぞれ独立の部品から構成され、RFデバイスをプリント基板上に実装し、マイクロストリップライン等の接続線路を用いて互いに接続していた。
しかしながら、平衡-不平衡変換トランスを用いると必然的に部品点数が増えるといった問題が発生する。例えば、EGSM方式、DCS方式に対応したデュアルバンド対応の携帯電話機においては、それぞれの送受信系に平衡-不平衡変換トランスを設けなければならず、小型化、低価格化の要請に応じられないだけでなく、部品点数の増加による実装面積の増加という問題もあった。
この問題に対し、例えば特許文献1に示すような高周波スイッチモジュールが開示されている。この高周波スイッチモジュールは分波器、送受信切り替えを行う高周波スイッチ、ローパスフィルタ、不平衡入力・平衡出力型SAW フィルタを積層誘電体基板上に一体形成したもので、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタを用いることで部品点数を削減し、また、積層誘電体基板上に前記SAWフィルタを実装することでアンテナから前記SAWフィルタ間の導線線路を短くし、小型化・挿入損失向上を実現している。
特許文献1のように、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタを用いる場合、前記SAWフィルタより出力される信号の振幅バランス、位相バランスが良好でないと、後段に接続される低雑音増幅器に入力される信号が劣化し、低雑音増幅器は外来ノイズを受けやすくなり、発信などの不具合を生じる。そのため、振幅バランスは±1dB以内、位相バランスは180±10°以内であるのが好ましい。前記SAWフィルタの出力信号の位相バランス特性が、SAWフィルタの特性上、あるいはSAWフィルタ前段の回路の影響により、180°よりずれた場合、特許文献1の高周波スイッチモジュールでは、位相バランスの調整を行うことが困難である。
本発明の高周波スイッチモジュールはこの問題を解決するもので、振幅バランス、位相バランスの平坦性を損なうことなく、位相バランスの調整を可能とした高周波スイッチモジュール及びこれを用いた通信装置を提供することを目的とする。
本発明の高周波スイッチモジュールは、スイッチング素子、コンデンサ、インダクタ、及び少なくとも一つ以上のSAWフィルタを誘電体基板にて一体に形成した高周波スイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された2つの受信端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たときに互いに重複しないように配置したことを特徴とする。
本発明の高周波スイッチモジュールは、アンテナを共用し、通過帯域が異なる複数の送受信系の送信回路又は受信回路と前記アンテナとの接続を適宜切り換える高周波スイッチモジュールであって、前記複数の送受信系の信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路の低域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第1のスイッチ回路と、前記分波回路の広域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第2のスイッチ回路と、前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路の送信経路に設けたローパスフィルタと、前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路から受信回路に繋がる各受信経路にSAWフィルタを有し、前記分波回路とローパスフィルタはLC回路で構成され、前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし、前記分波回路とローパスフィルタのLC回路、前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層基板内に、前記電極パターンにより構成し、前記SAWフィルタとダイオード及びLC回路の一部を構成するチップ素子は、前記誘電体基板上に搭載したアンテナスイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置したことを特徴とする。
本発明の高周波スイッチモジュールは、アンテナを共用し、通過帯域が異なる複数の送受信系の送信回路又は受信回路と前記アンテナとの接続を適宜切り換える高周波スイッチモジュールであって、前記複数の送受信系の信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路の低域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第1のスイッチ回路と、前記分波回路の高域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第2のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路に接続され、複数の送受信系の受信回路のうち、2つの受信経路を切り換える第3のスイッチ回路と、前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路の送信経路に設けたローパスフィルタと、前記第1のスイッチ回路と第3のスイッチ回路から受信回路に繋がる各受信経路にSAWフィルタを有し、前記分波回路とローパスフィルタはLC回路で構成され、前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし、前記分波回路とローパスフィルタのLC回路、前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層基板内に、前記電極パターンにより構成し、前記SAWフィルタとダイオード及びLC回路の一部を構成するチップ素子は、前記誘電体基板上に搭載したアンテナスイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置したことを特徴とする。
本発明の高周波スイッチモジュールは、前記2つの伝送線路の長さが異なることを特徴とする。
本発明によると、平衡入力・不平衡出力型SAWフィルタ、スイッチング素子、コンデンサ、インダクタを誘電体基板にて一体に形成した高周波スイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板表面に形成された2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極を、互いに重複することなく配置することで、振幅バランス、位相バランスの安定した受信信号を出力可能な高周波スイッチモジュールを提供することができる。また、前記2つの伝送線路の長さを異ならせることで、振幅バランス、位相バランスの安定性を損なうことなく位相バランスのレベルを調整可能となる。さらに、スイッチ素子、抵抗、コンデンサ、インダクタ、及びSAWフィルタ等のチップ部品を積層誘電体基板上に搭載する構造なので、より小型で安価な高周波スイッチモジュールを提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態を図1〜図4に示す。本実施例はEGSM、DCS、PCSに対応したトリプルバンド型の高周波スイッチモジュールで、図1は本実施例の回路ブロック図、図2は等価回路図、図3は本実施例の積層体を構成する誘電体シート及び電極パターン図を示す。図4は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの平衡出力側の伝送線路の電極パターンとグランド電極との配置を示し、誘電体基板上面から透過的に見た図である。図5は誘電体基板の外観を示す斜視図である。
分波器DIPはEGSM系(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)の880から960MHz帯の信号と、DCS系(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)及びPCS系(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)の1710〜1990MHz帯のアンテナからの信号を分波する。スイッチ回路SW1は、分波器DIPで分波されたEGSM系の信号を送信端子EGMS TXと受信端子EGSM RX1、EGSM RX2へ切り換える。スイッチ回路SW2は、分波器DIPで分波されたDCS系及びPCS系の信号を送信端子DCS/PCS TX、受信端子DCS RX1、DCS RX2及び受信端子PCS RX1、PCSRX2へ切り換える。第一の低域通過フィルタLPF1は、EGSM側のパワーアンプから入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、EGSM送信信号を通過し、EGSM送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性のフィルタが用いられる。同様に、第2の低域通過フィルタLPF2は、DCS及びPCS側からの送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、DCS及びPCS送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性のフィルタが用いられる。これにより、パワーアンプで発生され、アンテナANTから放射される高調波発生量を低減可能となる。SAWフィルタSAW1は、EGSM系受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタであり、アンテナANTより受信した受信信号の不要な周波数帯域の信号を遮断する。SAWフィルタ SAW2、SAW3も同様に、それぞれDCS、PCS受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタで、不要な周波数帯域の信号を遮断する。また、SAW1、SAW2、SAW3はいずれも不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであり、SAW1は、位相が180°異なる2つの信号をそれぞれ、受信端子EGSM RX1、EGSM RX2へと信号を出力する。SAW2、SAW3も同様であり、SAW2はDCS RX1、DCS RX2 へ、SAW3はPCS RX1、PCS RX2へと信号を出力する。
図2に本実施例の等価回路を示す。分波器DIPは伝送線路lf1〜lf3、コンデンサcf1〜cf4により構成される。伝送線路lf2及びコンデンサcf1は直列共振回路を形成し、DCS及びPCS周波数帯に共振周波数を持つよう設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を1800MHzに合わせた。また、伝送線路lf3、コンデンサcf3は直列共振回路を形成し、EGSM周波数帯に共振周波数を持つように設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を900MHzに合わせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS系、PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路lf1はDCS系、PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるよう、ある程度の長さに設定するのが好ましい。これにより、DCS系、PCS系の信号がEGSM系の回路へ伝送しにくくなる。一方、容量cf2、cf4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されているのが好ましい。これにより、EGSM系の信号がDCS系、PCS系の回路へ伝送しにくくなる。
第1のスイッチ回路SW1は、コンデンサcg1、cg5、cg6伝送線路lg2、lg3、PINダイオードDg1、Dg2、及び抵抗Rgにより構成される。伝送線路lg2、lg3はEGSM送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路lg2はEGSM送信周波数において、グランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルを用いても良い。この場合のインダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。抵抗Rgはコントロール端子Vc1に電圧が印加された状態でのPINダイオードDg1、Dg2に流れる電流を決定する。本実施例では100〜200Ωを使用した。コンデンサcg1、cg5、cg6はコントロール端子の直流カットのために必要である。コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、PINダイオードDg2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在する。そのため、これを打ち消すようにコンデンサcg5と直列共振させる。コンデンサcg5の容量値は適宜設定する。以上により、コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、PINダイオードDg1、Dg2は共にON状態となり、PINダイオードDg2と伝送線路lg3の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路lg3の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、分波器DIP〜EGSM受信端子EGSM RX1、EGSM RX2間の経路では信号は伝達せず、分波器DIP〜EGSM 送信端子EGSM 間の経路では信号が伝達し易くなる。一方、コントロール電圧Vc1に電圧が印加されていない時にはPINダイオードDg1もOFF状態となり、分波器DIP〜EGSM送信端子EGSM TX間の経路では信号が伝達せず、また、PINダイオードDg2もOFF状態であるので、分波器DIP〜EGSM受信端子EGSM RX1、EGSMRX2間の経路では信号が伝達し易くなる。以上の構成により、EGSM信号の送受信の切り換えが可能となる。
第2のスイッチ回路SW2は、コンデンサcd4、cp1〜cp3、伝送線路ld3、lp1、lp2、PINダイオードDd1、Dd2、Dp1、Dp2及び抵抗Rd、Rpにより構成される。伝送線路ld3、lp1、lp2はDCS〜PCSの信号の周波数においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路ld2はDCS、PCS送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合のインダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗Rdはコントロール端子Vc2に電圧が印加された状態でのPINダイオードDd1、Dd2に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗Rpは、コントロール端子Vc3に電圧が印加された状態でのPINダイオードDp1、Dp2に流れる電流を決定する。本実施例では100〜2000Ωを使用した。コンデンサcd4、cp1、cp2はコントロール端子の直流カットのために必要である。また、コントロール端子Vc2に電圧が印加された時にはPINダイオードDd2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在するため、コンデンサcd4と直列共振するようにコンデンサcd4の容量値を設定する。以上により、コントロール端子Vc2に電圧が印加された状態では、PINダイオードDd1、Dd2は共にON状態となり、PINダイオードDd2と伝送線路ld3の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路ld3の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc2に電圧が印加された状態では、分波器DIP〜DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2及び、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2間の経路では信号が伝達せず、分波器DIP〜DCS、PCS送信端子DCS/PCS TX間の経路では信号が伝達し易くなる。一方、コントロール端子Vc2に電圧が印加されていない状態では、PINダイオードDd1はOFF状態となり、分波器DIP〜DCS、PCS送信端子DCS/PCS TX間では信号が伝達せず、また、PINダイオードDd2もOFF状態なので分波器DIP〜DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2、及び、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2間の経路では信号が伝達し易くなる。
また、コントロール端子Vc3に電圧が印加されている時には、PINダイオードDp2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在するため、コンデンサcp2と直列共振するようにコンデンサcp2の容量値を設定する。これによりコントロール端子Vc3に電圧が印加されている状態では、PINダイオードDp1、Dp2は共にON状態となり、PINダイオードDp2と伝送線路lp2の接続点がグランドレベルになり、λ/4共振器である伝送線路lp2の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc3に電圧が印加された状態では、DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2へは信号が伝達せず、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2へ信号が伝達し易くなる。逆に、コントロール端子Vc3に電圧が印加されていない状態では、PINダイオードDp1はOFF状態となり、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2へは信号が伝達せず、また、PINダイオードDp2もOFF状態であるのでDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2へは信号が伝達し易くなる。以上の構成により、コントロール端子Vc2に電圧が印加されている状態ではDCS、PCS送信端子DCS/PCS TXへ、コントロール端子Vc2に電圧が印加されず、Vc3に電圧が印加された状態では、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2へ、コントロール端子Vc2、Vc3いずれも電圧が印加されていない状態では、DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2への切り換えが可能となる。
第1の低域通過フィルタLPF1は、伝送線路lg1、コンデンサcg2〜cg4で構成されるπ型低域通過フィルタである。伝送線路lg1とコンデンサcg2は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSM送信周波数の2倍、もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2700MHzに設定した。以上の構成により、パワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。図2において第1の低域通過フィルタLPF1は、第1の高周波スイッチSW1のPINダイオードDg1と、伝送線路lg2の間に配置しているが、これは分波器DIPと第1の高周波スイッチとの間に配置しても良いし、伝送線路lg2とEGSM送信端子EGSM TXとの間に配置しても良い。前記第1の低域通過フィルタLPF1のグランドに接続するコンデンサを伝送線路lg2と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路lg2の線路長をλ/4よりも短くすることが可能で、また、チョークコイルのインダクタンス値を小さくすることが出来る。
第2の低域通過フィルタLPF2は、伝送線路ld1、コンデンサcd1〜cd3で構成されるπ型の低域通過フィルタである。ここで、伝送線路ld1とコンデンサcd1は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS〜PCS送信周波数の2倍、もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3600MHzに設定した。以上の構成により、パワーアンプから入力されるDCS、PCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。第2の低域通過フィルタLPF2も第1の低域通過フィルタLPF1と同様に、分波器DIPと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、伝送線路ld2とDCS、PCS送信端子DCS/PCS TXとの間に配置しても良い。図2の実施例では、第1、第2の低域通過フィルタLPF1、LPF2は、PINダイオードDg1と伝送線路lg2の間、及びPINダイオードDd1と伝送線路ld2との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。低域通過フィルタは送信信号が通過する分波器〜送信端子との間の送信経路のどこかの位置に設けてあれば良い。
コンデンサcg6とEGSM受信端子 EGSM RX1、EGSM RX2の間にはSAWフィルタSAW1、インダクタls1、伝送線路ls2、ls3が接続されている。SAWフィルタSAW1は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタで、SAW1の2つの平衡出力端子と、EGSM受信端子EGSM RX1、及びEGSM RX2との間にはそれぞれ伝送線路ls2、ls3が設けられている。EGSM受信周波数における位相バランスが180°程度である場合、伝送線路ls2、ls3は出来るだけ短く、しかも同じ長さが望ましいが、位相バランスが180°からずれる場合には伝送線路ls2、ls3のいずれか一方を他方よりも長くすることで位相バランスを180°付近へ調整することが可能である。本実施例ではls2、ls3の長さはほぼ同じで、0.5〜2.0mmで設定した。インダクタls1は、伝送線路ls2、ls3の一端とEGSM受信端子 EGSM RX1、EGSM RX2との間に設けられ、EGSM RX1、EGSM RX2間に並列接続される。インダクタls1により、EGSM受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls1は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで、後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では10〜100nHを使用した。
PINダイオードDp2のアノード端子、伝送線路lp2、コンデンサcp3の接点とDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2の間にはSAWフィルタSAW2、インダクタls4、伝送線路ls5、ls6が接続されている。SAWフィルタSAW2は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタで、SAW2の2つの平衡出力端子と、DCS受信端子DCS RX1、及びDCS RX2との間にそれぞれ伝送線路ls5、ls6が設けられている。DCS受信周波数における位相バランスが180°程度である場合、伝送線路ls5、ls6は出来るだけ短く、しかも同じ長さが望ましいが、位相バランスが180°からずれる場合には伝送線路ls5、ls6のいずれか一方を他方よりも長くすることで位相バランスを180°付近へ調整することが可能である。本実施例では伝送線路ls6がls5に比べて長く、ls6を2.0〜10.0mm、ls5を0.5〜1.0mmに設定している。インダクタls4は、伝送線路ls5、ls6の一端と、DCS受信端子 DCS RX1、DCS RX2の間に設けられ、DCS RX1、DCS RX2間に並列接続される。インダクタls4により、DCS受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls4は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで、後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では4〜20nHを使用した。
PINダイオードDp1のアノード端子、伝送線路lp1の接点とPCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の間にはSAWフィルタSAW3、インダクタls7、伝送線路ls8、ls9が接続されている。SAWフィルタSAW3は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタで、SAW3の2つの平衡出力端子と、PCS受信端子PCS RX1、及びPCS RX2との間にそれぞれ伝送線路ls8、ls9が設けられている。PCS受信周波数における位相バランスが180°程度である場合、伝送線路ls8、ls9は出来るだけ短く、しかも同じ長さが望ましいが、位相バランスが180°からずれる場合には伝送線路ls8、ls9のいずれか一方を他方よりも長くすることで位相バランスを180°付近へ調整することが可能である。本実施例ではls8、ls9の長さはほぼ同じで、0.5〜2.0mmで設定した。インダクタls7は、伝送線路ls8、ls9の一端と、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2との間に設けられ、PCS RX1、PCS RX2間に並列接続される。インダクタls7により、PCS受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls7は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで、後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では4〜20nHを使用した。
本発明における分波器、スイッチ回路、低域通過フィルタ等を構成する伝送線路、及びコンデンサの一部を誘電体積層基板に内蔵し、スイッチ回路の一部を構成するPINダイオード、抵抗、コンデンサ、インダクタ等のチップ部品を誘電体積層基板上に搭載することにより、小型で安価なマルチバンド型高周波スイッチモジュールを得ることができる。
図3は、図2の等価回路で示される高周波スイッチモジュールの誘電体積層基板を構成するグリーンシート、及び電極パターンを示す図である。グリーンシート1〜15は上から順番に積層されている。グリーンシート16はグリーンシート15の裏面である。グリーンシート1には、PINダイオード、チップ抵抗、チップインダクタ、及びチップコンデンサを搭載するためのランド電極17、及びメタルシールド(金属ケース)を搭載するためのランド電極18が印刷されている。また、異なるグリーンシートに形成された電極パターン同士を接続するビアホール電極19(図中黒丸で表示)を形成している。
グリーンシート16にはグランド端子99、100、アンテナ端子101、EGSM送信端子102、DCS/PCS送信端子103、EGSM受信端子104、105、DCS受信端子106、107、PCS受信端子108、109、及び電源端子110〜112が形成されている。
グリーンシート6〜11には、主に伝送線路となるライン電極パターンが印刷されており、グリーンシート3、4、5、12、13、14には主にコンデンサを形成する、コンデンサ用の電極パターンが印刷されている。また、グリーンシート5、12、13、15にはグランド電極20〜23が印刷されている。
グリーンシート16にはグランド端子99、100、アンテナ端子101、EGSM送信端子102、DCS/PCS送信端子103、EGSM受信端子104、105、DCS受信端子106、107、PCS受信端子108、109、及び電源端子110〜112が形成されている。
グリーンシート6〜11には、主に伝送線路となるライン電極パターンが印刷されており、グリーンシート3、4、5、12、13、14には主にコンデンサを形成する、コンデンサ用の電極パターンが印刷されている。また、グリーンシート5、12、13、15にはグランド電極20〜23が印刷されている。
以下では、図2の等価回路との対応を説明する。図3において、24〜33は、分波器DIPを構成する伝送線路で、24〜29でlf1、30〜33でlf2、34〜38でlf3を形成している。72〜79は、分波器DIPを構成するコンデンサ用の電極パターンに対応し、72でcf1、73〜75でcf2、76でcf3、77〜79でcf4を形成している。39〜47は、スイッチ回路SW1を構成する伝送線路で、39〜44でlg2、45〜47でlg3を形成する。82は、スイッチ回路SW1のコンデンサ電極cg5を形成する。53〜68はスイッチ回路SW2を構成する伝送線路で、53〜58でld2、59〜61でld3、62〜65でlp1、66〜68でlp2を形成している。86〜88はスイッチ回路SW2のコンデンサ用電極パターンに対応し、86と22、23でcd4、87と22、23でcp1、88と20でcp2を形成している。48〜52は第一の低域通過フィルタLPF1を構成する伝送線路lg1を形成する。80、81は第一の低域通過フィルタLPF1のコンデンサ用電極パターンに対応し、80、81でcg2を、80、21でcg3を、81、23でcg4を形成している。48〜52は、第2の低域通過フィルタLPF2の伝送線路ld1を形成している。83〜85は第2の低域通過フィルタLPF2のコンデンサ用電極パターンに対応し、83、85でcd1を、84、20でcd2を、85、23でcd3を形成する。
89、90はSAWフィルタSAW1とEGSM受信端子との間の伝送線路に対応し、89はls3を、90はls2を形成する。91〜96はSAWフィルタSAW2とDCS受信端子との間の伝送線路に対応し、91はls5、92〜96はls6を形成している。97、98はSAWフィルタSAW3とPCS受信端子との間の伝送線路に対応し、98はls8、97はls9を形成している。また、スルーホール電極19は、各グリーンシート間の電気的な接続を行う。
89、90はSAWフィルタSAW1とEGSM受信端子との間の伝送線路に対応し、89はls3を、90はls2を形成する。91〜96はSAWフィルタSAW2とDCS受信端子との間の伝送線路に対応し、91はls5、92〜96はls6を形成している。97、98はSAWフィルタSAW3とPCS受信端子との間の伝送線路に対応し、98はls8、97はls9を形成している。また、スルーホール電極19は、各グリーンシート間の電気的な接続を行う。
伝送線路を形成する電極パターン92〜96がグランド電極と重複する場合、電極パターン92〜96はそれぞれ異なるグリーンシート上に形成されており、グランド電極との層間隔が異なり特性インピーダンスがそれぞれ変化する。しかも、電極パターン92〜96とグランド電極との間隔は0.2〜0.4mmときわめて狭いのでインピーダンス変化が大きい。このため受信信号の周波数に対する伝送線路のインピーダンスの変化も大きくなり、受信周波数帯域内での位相バランスの平坦性が損なわれる。
図4は、グリーンシート7上に印刷された電極パターン94とグリーンシート15上に印刷されたグランド電極23の位置関係を示す図である。図は誘電体積層基板を搭載面の上から透過的に見たもので、グリーンシート15上にグリーンシート7の電極パターン94を描いている。このように、電極パターン94とグランド電極23は重複しない位置に配置されている。図示しないが、同様にして、ls6を形成する他の電極パターン92、93、95、96はグランド電極20〜23と重複しないよう配置されている。これにより、伝送線路のグランド電極との干渉による特性インピーダンスの低下を無くし、安定した受信信号の位相バランス特性を得ることが可能となる。このときls5を形成する電極パターン91の一部はグランド電極23と重複する位置に配置されているが、ls5はls6に比較すると長さが短くインピーダンス低下による位相バランス特性の安定性に対する影響は少ないので、位相バランスの安定性を損ねることは無い。本実施例では他の伝送線路ls2、ls3、ls8、ls9を形成する電極パターン89、90、97、98の一部もグランド電極23と重複しているがいずれも長さが2.0mm以下と短いので受信信号の位相バランス特性を損ねることはない、なお、各伝送線路とグランド電極との重複面積は、伝送線路を形成する電極パターンの面積の50%以下が望ましい。
図4は、グリーンシート7上に印刷された電極パターン94とグリーンシート15上に印刷されたグランド電極23の位置関係を示す図である。図は誘電体積層基板を搭載面の上から透過的に見たもので、グリーンシート15上にグリーンシート7の電極パターン94を描いている。このように、電極パターン94とグランド電極23は重複しない位置に配置されている。図示しないが、同様にして、ls6を形成する他の電極パターン92、93、95、96はグランド電極20〜23と重複しないよう配置されている。これにより、伝送線路のグランド電極との干渉による特性インピーダンスの低下を無くし、安定した受信信号の位相バランス特性を得ることが可能となる。このときls5を形成する電極パターン91の一部はグランド電極23と重複する位置に配置されているが、ls5はls6に比較すると長さが短くインピーダンス低下による位相バランス特性の安定性に対する影響は少ないので、位相バランスの安定性を損ねることは無い。本実施例では他の伝送線路ls2、ls3、ls8、ls9を形成する電極パターン89、90、97、98の一部もグランド電極23と重複しているがいずれも長さが2.0mm以下と短いので受信信号の位相バランス特性を損ねることはない、なお、各伝送線路とグランド電極との重複面積は、伝送線路を形成する電極パターンの面積の50%以下が望ましい。
本実施例で使用したグリーンシートは、950℃以下の低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用いており、伝送線路、コンデンサを形成し易いように、シート厚みが40〜200μmのものを使用した。このセラミックグリーンシート1〜12を積層・圧着した後、950℃で焼成することにより、高周波スイッチモジュールの積層体が得られる。さらに図5に示すように、積層体113上面にダイオード114、チップ抵抗115、チップインダクタ116、チップコンデンサ117、及びSAWフィルタ118を実装することにより、図2の等価回路で示される高周波スイッチモジュールが得られる。
上記構成による高周波スイッチモジュールの、DCS受信周波数における位相バランス、振幅バランスの評価結果を図6、図7に示す。図6に示すように、本実施例における位相バランス特性(図6の太線)は、位相バランス調整前の特性(図6の細線)の波形をほとんど変えることなく、位相バランスのレベルを180°近くに調整することが出来た。一方で、伝送線路ls5、ls6の長さが本実施例と同じであるが、グランド電極と重複している場合の位相バランス特性(図6の点線)は、位相バランス調整前の特性の波形を維持しないことが分かった。また、図7に示すように、位相バランス調整前の振幅バランス特性(図7の細線)と本実施例における振幅バランス特性(図7の太線)は、DCS受信周波数において、ほぼ同様であるが、伝送線路ls5、ls6の長さが本実施例と同じであるが、グランド電極と重複している場合の振幅バランス特性(図7の点線)は大きく異なり、振幅バランスの平坦度が著しく失われていることが分かった。
図8は、本実施例と、位相バランス調整前、及び、本実施例とは逆に伝送線路ls5をls6よりも長くした場合の位相バランス特性を示す。図8に示すように、伝送線路ls5をls6よりも長くした場合の位相バランス特性(図8の点線)は位相バランス調整前の特性に比べて、位相バランスのレベルが全体的に低くシフトすることが分かる。つまり、位相バランスのレベルを低い方へ調整する場合、ls5をls6よりも長くすることが有効であることが分かった。
以上の結果から、本実施例の構成によれば振幅バランス、位相バランス特性の平坦性を失うことなく、位相バランスのレベルの調整が可能であることが分かる。また、伝送線路ls5、ls6の長さ、あるいは太さの大小関係を適宜変えることで、位相バランスのレベルを所望の方向へ調整することが可能であることが分かる。
図8は、本実施例と、位相バランス調整前、及び、本実施例とは逆に伝送線路ls5をls6よりも長くした場合の位相バランス特性を示す。図8に示すように、伝送線路ls5をls6よりも長くした場合の位相バランス特性(図8の点線)は位相バランス調整前の特性に比べて、位相バランスのレベルが全体的に低くシフトすることが分かる。つまり、位相バランスのレベルを低い方へ調整する場合、ls5をls6よりも長くすることが有効であることが分かった。
以上の結果から、本実施例の構成によれば振幅バランス、位相バランス特性の平坦性を失うことなく、位相バランスのレベルの調整が可能であることが分かる。また、伝送線路ls5、ls6の長さ、あるいは太さの大小関係を適宜変えることで、位相バランスのレベルを所望の方向へ調整することが可能であることが分かる。
本実施例では、DCS受信信号における位相バランスのレベルの調整を行ったが、EGSM、PCS等の他の受信信号についても位相バランスのレベルの調整が可能であることは明らかである。
本発明は、上述の実施例に限定されるものではない。上述の実施例では、EGSM、DCS、PCS 対応のトリプルバンド型高周波スイッチモジュールとしたが、デュアルバンド型、4バンド型の高周波スイッチモジュールとしても構わない。また、上述の高周波スイッチモジュールに限らず、誘電体積層基板と不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタを一体形成する他の電子部品に関しても本発明は有効である。
本発明の高周波スイッチモジュールは、携帯電話等の移動体通信端末機器に利用できる。
Dip:ダイプレクサ(分波器)
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路
SAW:SAWフィルタ
SL:伝送線路
Cg、Cd、Cp:コンデンサ
Dg、Dd、Dp:ダイオード
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路
SAW:SAWフィルタ
SL:伝送線路
Cg、Cd、Cp:コンデンサ
Dg、Dd、Dp:ダイオード
Claims (5)
- スイッチング素子、コンデンサ、インダクタ、及び少なくとも一つ以上のSAWフィルタを誘電体基板にて一体に形成した高周波スイッチモジュールにおいて、前記SAWフィルタの少なくとも一つは不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された2つの受信端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たときに互いに重複しないように配置したことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
- アンテナを共用し、通過帯域が異なる複数の送受信系の送信回路又は受信回路と前記アンテナとの接続を適宜切り換える高周波スイッチモジュールであって、
前記複数の送受信系の信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、
前記分波回路の低域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第1のスイッチ回路と、
前記分波回路の高域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第2のスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路の送信経路に設けたローパスフィルタと、
前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路から受信回路に繋がる各受信経路にSAWフィルタを有し、
前記分波回路とローパスフィルタはLC回路で構成され、前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし、前記分波回路とローパスフィルタのLC回路、前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層基板内に、前記電極パターンにより構成し、
前記SAWフィルタとダイオード及びLC回路の一部を構成するチップ素子は、前記誘電体基板上に搭載したアンテナスイッチモジュールにおいて、
前記SAWフィルタの少なくとも一つは、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置したことを特徴とする高周波スイッチモジュール。 - アンテナを共用し、通過帯域が異なる複数の送受信系の送信回路又は受信回路と前記アンテナとの接続を適宜切り換える高周波スイッチモジュールであって、
前記複数の送受信系の信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、
前記分波回路の低域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第1のスイッチ回路と、
前記分波回路の高域通過フィルタに接続され、送信経路と受信経路を切り換える第2のスイッチ回路と、
前記第2のスイッチ回路に接続され、複数の送受信系の受信回路のうち、2つの受信経路を切り換える第3のスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路の送信経路に設けたローパスフィルタと、
前記第1のスイッチ回路と第3のスイッチ回路から受信回路に繋がる各受信経路にSAWフィルタを有し、
前記分波回路とローパスフィルタはLC回路で構成され、前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし、前記分波回路とローパスフィルタのLC回路、前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層基板内に、前記電極パターンにより構成し、
前記SAWフィルタとダイオード及びLC回路の一部を構成するチップ素子は、前記誘電体基板上に搭載したアンテナスイッチモジュールにおいて、
前記SAWフィルタの少なくとも一つは、不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであって、前記不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタの2つの平衡出力側端子と前記誘電体基板に形成された受信回路の2つの出力端子との間にそれぞれ接続される2つの伝送線路のうち少なくとも一方の伝送線路と、前記誘電体基板内に形成されるグランド電極とが、前記誘電体基板を積層方向に見たとき互いに重複しないように配置したことを特徴とする高周波スイッチモジュール。 - 前記2つの伝送線路の長さが異なることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高周波スイッチモジュール。
- 請求項1〜4記載の高周波スイッチモジュールを用いたことを特徴とする通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004055020A JP2005244860A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 高周波スイッチモジュール及びこれを用いた通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005244860A true JP2005244860A (ja) | 2005-09-08 |
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ID=35026062
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007088732A1 (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-09 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | 複合高周波部品および移動体通信装置 |
JPWO2007114114A1 (ja) * | 2006-04-05 | 2009-08-13 | 株式会社村田製作所 | 低電圧制御高周波スイッチおよび複合高周波部品 |
US8139368B2 (en) | 2007-11-20 | 2012-03-20 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Component-containing module |
-
2004
- 2004-02-27 JP JP2004055020A patent/JP2005244860A/ja active Pending
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