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JP2005239939A - 繊維強化樹脂複合材料 - Google Patents

繊維強化樹脂複合材料 Download PDF

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JP2005239939A
JP2005239939A JP2004053443A JP2004053443A JP2005239939A JP 2005239939 A JP2005239939 A JP 2005239939A JP 2004053443 A JP2004053443 A JP 2004053443A JP 2004053443 A JP2004053443 A JP 2004053443A JP 2005239939 A JP2005239939 A JP 2005239939A
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JP2004053443A
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Ryuji Sawaoka
竜治 澤岡
Koyomi Nakahara
こよみ 中原
Shiro Honda
史郎 本田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】
本発明は、このような従来技術の欠点を改良し、着火燃焼時に有害ガスを発生せず、かつ弾性率が高く、航空機や鉄道車両、自動車などの構造材料などに好適な材料、さらには高い弾性率、電磁波シールド性を生かしてパソコンの筐体などの電気・電子機器用途等、広い分野に用いることのできる繊維強化複合材料を提供することにある。
【解決手段】
本発明の繊維強化樹脂複合材料は、曲げ弾性率が35GPa以上、炭素繊維強化複合材料中の塩素原子および臭素原子の含有量の合計が5重量%以下であり、UL94規格による測定において、2mm以下の厚さにおいて測定された難燃性がV−1以上の材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン難燃剤を積極的に添加せずとも高い難燃性を実現し、弾性率や強度などの力学特性、電磁波シールド性などの電気特性に優れ、ノート型パソコンなどの電気・電子機器の筐体や、航空機、鉄道車両等の構造材料、ゴルフシャフトなどのスポーツ用品などに好ましく使用できる繊維強化複合材料に関する。
各種強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、その力学特性が優れていることから、ゴルフクラブ、テニスラケット、釣り竿などのスポーツ用品をはじめ、航空機や車両などの構造材料、コンクリート構造物の補強など幅広い分野で使用されている。また、最近は、導電性を有する強化繊維を用いた場合に、その複合材料が優れた電磁波遮蔽性と力学特性とを備えるため、ノートパソコンやビデオカメラなどの電気・電子機器の筐体などにも使用され、筐体の薄肉化、機器の重量軽減などに役立っている。
電気・電子機器用途においては、機器内部からの発熱や外部が高温にさらされることにより筐体や部品などが発火し、燃焼する事故を防ぐため、材料が難燃性を有することが重要である。
また、航空機や車両などの構造材料、建築材料などにおいては、火災によって構造材料が着火燃焼し、一酸化炭素などの有毒ガスなどが発生することは非常に危険であり、材料が難燃性を有することは重要である。
繊維強化複合材料の難燃化には、ハロゲン難燃剤が広く用いられてきた。例えば、臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンを難燃剤に用いた難燃性エポキシ樹脂組成物、プリプレグや炭素繊維強化複合材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この難燃剤は、難燃効果が高く、力学特性の高い複合材料が得られる。反面、着火して消火するまでの間にハロゲン、ハロゲン化水素、有機ハロゲン化物など、人体に有害なガスを発生する。加えてハロゲン化難燃剤とともに使用される三酸化アンチモンは、皮膚や粘膜との接触によりかぶれを生じる可能性があり、取り扱いに注意が必要なため、最近ではハロゲン難燃剤や三酸化アンチモンを使用しない、難燃材料が求められている。
ハロゲン難燃剤を使用せず、他の難燃剤の使用による難燃化の例として、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムを難燃剤に用いたエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とする繊維強化複合材料およびプリプレグが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、特許文献2の実施例が示すように、この難燃剤を用いて充分な難燃性を得るためには、樹脂組成物中に20重量%程度配合する必要がある。かかる難燃剤を大量に含む樹脂組成物は粘度が高いために強化繊維への含浸が困難になり、成形した複合材料にボイドができたり、含浸時に難燃剤が強化繊維を傷つけ、その結果、強化繊維の強度が低下するなどの欠点があり、複合材料としての力学特性低下、特に引張特性の低下を招きやすい。また、通常使用されるエポキシ樹脂の密度が1.1〜1.4g/cm3程度であるのに比べ、酸化マグネシウムの密度は3.6g/cm3と高いため、これを多く配合すると樹脂組成物の密度が高くなる結果、材料の重量が増し、複合材料の長所である軽量化の意味が薄れてしまう。
さて、最近は電気・電子機器の筐体などへの用途で繊維強化複合材料の積極的な活用が図られている。こちらの分野では、早期からハロゲン化難燃剤を用いない難燃材料が適用されつつある。
例えば、炭素繊維とフェノール樹脂、難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを含有した難燃性樹脂組成物と、これを金型内で圧縮成形した難燃性繊維強化プラスチックの成形体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この成形体は難燃性に優れ、曲げ弾性率は18〜24GPaであることが記載されている。
また、炭素繊維、半芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドに、赤リンを難燃剤として加えた樹脂組成物を射出成形した電子機器用導電性ケーシング(筐体)が開示されており(例えば、特許文献4参照)、射出成形された材料は難燃性に優れ、その曲げ弾性率は18〜30GPaであることが記されている。
しかしながら、これらの方法は、炭素繊維を含む樹脂組成物を押出成形、射出成形等により流動させて成形するため、炭素繊維の含有量が高いと流動性が悪くなるため、強化繊維の含有量に限界があるうえ、成形の際に炭素繊維が変形する、射出成形の強いせん断力で炭素繊維が切れて短くなるなど、得られる繊維強化複合材料の弾性率としては30GPa程度が上限であり、高弾性率、高強度を発揮するには限界がある。
この程度の弾性率では、例えば最近のコンパクト化したノートパソコンの筐体に適用した場合、筐体が変形するおそれがある。
さらに、ノートパソコン等においては、中央演算処理装置(MPU)の高速化や電子回路の高密度化により、1GHz程度の高周波領域での高い電磁波シールド性が求められている。前記した射出成形等により成形した材料では、炭素繊維の含有量や長さに制限があるため、得られる電磁波シールド性には限界がある。
このように、難燃性と高い弾性率、さらには高い電磁波シールド性の材料を有する材料が得られていないのが現状である。
特開平9−278914号公報 特開平11−147965号公報 特開平8−27355号公報 特開平10−120798号公報
本発明は、このような従来技術の欠点を改良し、着火燃焼時に有害ガスを発生せず、かつ弾性率が高く、航空機や鉄道車両、自動車などの構造材料などに好適な材料、さらには高い弾性率、電磁波シールド性を生かしてパソコンの筐体などの電気・電子機器用途等、広い分野に用いることのできる繊維強化複合材料を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、次の手段を採用する。すなわち、
マトリックス樹脂および強化繊維からなる曲げ弾性率35GPa以上の繊維強化複合材料であって、塩素原子および臭素原子含有量の合計が2重量%以下で、かつUL94規格による難燃性が2mm以下の厚さにおいて V−1以上である繊維強化複合材料を提供することである。
本発明の繊維強化複合材料は、着火燃焼時に有害ガスを発生せず、かつ弾性率が高い材料であるので、航空機や鉄道車両、自動車の構造材料等に好適に用いることができる。
また、より好ましい本発明の繊維強化複合材料によれば、高い電磁波シールド性を持つため、ノートパソコンなど電気・電子機器の筐体に用いた場合、薄肉でも高い剛性と高い電磁波シールド性を満足する。
本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂と強化繊維からなる曲げ弾性率35GPa以上の繊維強化複合材料であって、塩素原子および臭素原子含有量の合計が2重量%以下で、かつUL94規格による難燃性が、2mm以下の厚さにおいてV−1以上である繊維強化複合材料である。
本発明の繊維強化樹脂材料中の塩素原子および臭素原子の含有量の合計は2重量%以下である。これは、着火燃焼時に塩素や臭素を含む有害ガス、特に塩化水素、臭化水素の発生を防ぐためである。
マトリックス樹脂中の塩素原子および臭素原子含有量の合計は、1.5重量%以下がより好ましく、さらには1重量%以下が望ましい。かかる塩素原子および臭素原子の含有量は少なければ、少ないほど好ましく、実質的に0であることが最も好ましいが、例えば、エポキシ樹脂硬化物がマトリックス樹脂の場合、原料のエポキシ樹脂中に不純物として加水分解性塩素など塩素原子が存在しうることや、塩素原子を有する硬化剤や硬化促進剤(例えばエポキシ樹脂を用いる場合の硬化促進剤3,4−ジクロロフェニル−1、1−ジメチルウレア(DCMU)など)を使用する場合には、これらが樹脂ネットワークの一部に取り込まれる、あるいはマトリックス樹脂中に溶解した状態で残存するため、マトリックス樹脂中に塩素原子が含有されることになり、0.5重量%程度含まれていることもある。
ここでいう塩素原子および臭素原子合計の含有量は、燃焼法−イオンクロマトグラフ法によって測定される塩素原子、臭素原子の合計含有量を意味する。この方法は、繊維複合材料を燃焼させ、その発生ガスをイオンクロマトグラフによって分離、定量することで塩素、臭素含有量を求める方法である。
本発明の繊維強化複合材料に用いる強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられる。また、電磁波シールド性が必要な場合は、導電性を有する繊維、例えば炭素繊維やガラス繊維などに金属メッキを施した繊維などを用いる。
これらの中では、力学特性に優れ、高い比強度および比弾性率を有する繊維強化複合材料が得られる点、および高い電磁波シールド性を実現でき、しかも軽量な材料が得られる点から、炭素繊維が最も好ましい。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系(以下PAN系と称する)、ピッチ系、レーヨン系、リグニン系などの炭素繊維を用いることができる。これらの中では、PAN系炭素繊維が強度、弾性率ともに高く、炭素繊維強化樹脂複合材料の機械特性も高くできる点で好ましい。
炭素繊維としては、引張強度が3000MPa以上が好ましく、4000MPa以上がより好ましい。炭素繊維の弾性率は200GPa以上が好ましい。
また、航空機の構造材料などで強度と高い剛性の両立が求められる場合、さらに高弾性率の300GPa以上の炭素繊維を使用するとよい。
また、電子・電子機器の筐体など、より薄肉化・軽量化を重視する場合、高い剛性が求められ、300GPa以上、さらには350GPa、400GPa以上の炭素繊維を使用することもできる。
なお、弾性率が高すぎると炭素繊維強化複合材料の耐衝撃性が低下する場合があるので、弾性率は800GPa、好ましくは700GPa以下、より好ましくは600GPa以下とするのが良い。ここでいう炭素繊維の引張強度、弾性率は、JIS R7601にしたがって測定されるストランド引張強度、ストランド引張弾性率を意味する。
また、本発明の繊維強化複合材料は、電子・電子機器の筐体など、薄肉化・軽量化しつつ剛性が必要な場合や、航空機・車両などの構造材料などへの適用した場合に圧縮荷重や曲げ荷重によって容易に変形しない程度の弾性率が必要である。このために、曲げ弾性率は35GPa以上であることが必要である。
ここでいう曲げ弾性率は、曲げ弾性率に異方性のある炭素繊維強化複合材料の場合には、曲げ弾性率が最も高くなる方向について測定した値を意味する。
例えば、一方向に引き揃えられた炭素繊維とエポキシ樹脂組成物からなる一方向プリプレグを(0/45/90)sの積層構成で積層、硬化した積層板の場合、0°方向が最も弾性率が高くなるので、この方向について測定した曲げ弾性率の値を意味する。
もう1つ例をあげれば、炭素繊維平織織物にエポキシ樹脂組成物を含浸した織物プリプレグを(0/90)3の積層構成(ここで、(0/90)3の(0/90)は織物プリプレグ1枚を意味し、(0/90)3は織物プリプレグの繊維の方向を揃えて3枚積層することを意味する)で積層・硬化して得られる積層板の場合や、炭素繊維平織織物を繊維の方向を揃えて積層・仮固定してプリフォームとし、レジン・トランスファー・モールディング法(RTM法)によって樹脂を含浸した後、硬化して得られる積層板の場合は、0°方向あるいは90°方向の弾性率が最も高くなるので、このいずれか高弾性率の方向について測定した曲げ弾性率の値を意味する。かかる曲げ弾性率は高ければ高いほど好ましいが、(0/45/90)sや(0/90)3の構成とする場合には、200GPa程度もあれば十分なことが多い。
一方向プリプレグを積層・硬化して得られる積層板の場合は、この曲げ弾性率の値が45GPa以上、より好ましくは50GPa以上、さらには55GPa以上あることが望ましい。かかる曲げ弾性率は高ければ高いほど好ましいが、350GPa程度もあれば、本発明の目的として十分な場合が多い。
織物プリプレグを積層・硬化して得られる積層板や、前記した織物プリフォームを成形した積層板の場合は、曲げ弾性率の値は好ましくは40GPa以上、より好ましくは50GPa以上である。かかる曲げ弾性率は高ければ高いほど好ましいが、100GPa程度もあれば、本発明の目的として十分な場合が多い。
航空機・車両などの構造材料や電子・電気機器部品、筐体などの用途に使用するには、高い難燃性を有する必要がある。本発明の繊維強化複合材料は、2mm以下の厚さで測定される難燃性がUL94規格による測定で、V−1以上である。2mm以下の厚さにおいて、難燃性がV−0であれば好ましい。また、電気・電子機器の筐体用途などでは、さらに薄い肉厚で使用される場合がある場合を想定すれば、厚さ1.5mm以下で難燃性がV−0であることが好ましく、さらには厚さ1.2mm以下で難燃性がV−0、さらに好ましくは、厚さ0.8mm以下で、さらに望ましくは厚さ0.7mm以下で難燃性がV−0であることがよい。かかる難燃性が高いほど好ましいのはいうまでもないが、0.5mmでV−0を達成できていれば、本発明の目的として十分な場合が多い。
高い弾性率を得るためには、繊維強化複合材料に含まれる強化繊維の重量分率が30%以上であることが好ましい。強化繊維の重量分率が30%未満の場合は、軽量化の効果が十分でない場合がある。さらに好ましくは、50%以上、さらに望ましくは55%以上、さらに望ましくは60%以上である。重量分率が高いほど弾性率を高くできるが、強化繊維の重量分率が高すぎる場合、繊維強化複合材料中の繊維の体積分率が高くなりすぎるため、繊維強化複合材料の内部に未含浸部分やボイドなどの欠陥が生じ、機械特性の低下が起こりやすくなるほか、繊維強化複合材料の表面の樹脂の減少による肌荒れが生じやすくなるなどの欠点があるため、繊維の重量分率の上限としては95%以下が好ましく、より好ましくは上限は90%とするのが良い。
強化繊維の長さについては特に制限はないが、高い弾性率を得るためには、強化繊維の長さが1cm以上、さらに好ましくは2cm以上、さらに好ましくは3cm以上、最も好ましくは連続繊維の形態をとるのがよい。特に、炭素繊維などの導電性繊維を連続繊維とした場合は非常に高い電磁波シールド性が得られる点からも好ましい。
連続繊維の形態の例として、ストランド、ストランドを束ねたひも状、ストランドを一方向に引き揃えたシート状、織物、編物、マットなどのシート状、ブレード状等の形態が挙げられる。
航空機・車両などの構造材料や電気・電子機器筐体に適用するにあたって、一方向に引き揃えたシート状にしたものは、強化繊維の長手方向、すなわち0°方向について強化繊維の持つ高強度、高弾性率の特徴を最大限活用でき、また、積層構成を変えることにより弾性率、強度などの力学特性や、その異方性を制御しやすい特徴を持つため、特に好ましい。
また、織物、編み物、マット、ブレードはドレープ性を持ち、複雑形状の繊維強化複合材料の成形が容易になる面から好ましいが、ドレープ性を持つこれらの材料の中では弾性率、電磁波シールド性が高くできる点から織物がより好ましい。
電気・電子機器の筐体などの用途に用いる場合、中央演算処理装置(MPU)の動作速度の高速化や、電子回路の高密度化にともない、1GHz程度の高い周波数において優れた電磁波シールド性が求められる。
本発明の繊維強化複合材料は、財団法人関西電子工業振興センター規定の測定法(以下KEC法と称する)で1GHzにおける電磁波シールド性が、30dB以上であることが好ましい。ここで、KEC法とは、上下もしくは左右に分割したシールドボックスに試験片をはさみこんで、スペクトラムアナライザーにて電磁波の減衰度を測定するものである。試験に当たっては、炭素繊維強化樹脂複合材料から適当な面積の平板に切り出したものを測定に供する。この値が高いほど電磁波シールド性が優れる。
本発明の繊維強化複合材料のマトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂あるいはその組成物、熱硬化性樹脂あるいはその組成物のいずれであってもよい。
まず、熱可塑性樹脂を用いる場合について説明する。熱可塑性樹脂を用いる場合、その種類に特に制限はないが、ポリオレフィン、芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリイミドが好ましい。
ポリオレフィンは、不飽和結合を有する単量体を重合した樹脂である。例えば、ポリエチレン、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体等が挙げられる。
ポリエチレンの市販品としては、例えばIDEMITSU HD(登録商標、出光石油化学株式会社製)など、ポリプロピレンの市販品としては、例えばIDEMITSU PP(登録商標、出光石油化学株式会社製)などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体について説明する。芳香族ビニル単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなど、シアン化ビニル単量体の例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、ゴム質重合体の例としては、ポリブタジエン、スチレンーブタジエンのランダム共重合体、ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系弾性重合体などである。これらを重合してなる共重合体としては、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ポリブタジエン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル系弾性重合体(AAS樹脂)などが挙げられる。AS樹脂やABS樹脂の市販品として、例えばトヨラック(登録商標、東レ株式会社製)、セビアン(登録商標、ダイセルポリマー株式会社製)などが挙げられる。
ポリアミドは、主鎖にアミド結合を有する熱可塑性樹脂である。ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などがあげられるが、主鎖に芳香族基を有しているもの、例えばフェニレン基を持つナイロンMXD6などでもよい。ナイロンには多くの市販品があるが、例えばアミラン(登録商標、東レ株式会社製)、レニー(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)などが挙げられる。
ポリエステルは、主鎖にエステル結合を有する熱可塑性樹脂である。ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどがあるが、芳香族基を主鎖に含んだポリアリレートや、液晶性を示す芳香族ポリエステルなどでもよい。ポリエチレンテレフタレートの市販品として、例えばテトロン(登録商標、東レ株式会社製)など、ポリブチレンテレフタレートの市販品として、例えばトレコン(東レ株式会社製)など、ポリアリレートの市販品としては、例えばUポリマー(登録商標、ユニチカ株式会社製)など、液晶性を示す前芳香族ポリエステルの市販品として、シベラス(登録商標、東レ株式会社製)、ベクトラ(ポリプラスチックス株式会社製)などが挙げられる。
ポリカーボネートは、主鎖に炭酸エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。市販品として、パンライト(帝人化成株式会社製)などが挙げられる。ポリカーボネートは、前記したアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ポリブタジエン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル系弾性重合体(AAS樹脂)などと組み合わせて用いられることもある。
ポリアリーレンオキシドは、2価の芳香族基と酸素原子が交互に配列した主鎖構造を有する樹脂である。一般にはフェノール類と酸素を触媒存在下で反応して製造される。代表的なものにポリ(2,6-ジメチル−1、4−フェニレンエーテル)などが挙げられる。また、ポリアリーレンオキシドはポリスチレンなどの熱可塑性樹脂と組み合わせて用いられることもある。これらの市販品としては、ユピエース(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)などが挙げられる。
ポリアリーレンスルフィドは、2価の芳香族基と硫黄原子が交互に配列した主鎖構造を有する樹脂である。市販品としては、例えば、ポリフェニレンスルフィドとしてトレリナ(登録商標、東レ株式会社製)などが挙げられる。
ポリスルホンは、主鎖にスルホニル結合を有する熱可塑性樹脂である。主鎖にエーテル結合を有しているものでもよい。市販品として、ユーデルP(登録商標、ソルベイアドバンスドポリマーズ社製)、レーデルA(登録商標、ソルベイアドバンスドポリマーズ社製)、スミカエクセルPES(登録商標、住友化学株式会社製)などがある。
ポリイミドは、主鎖にジカルボン酸イミド結合を有する熱可塑性樹脂である。主鎖にエーテル結合や、アミド結合を有するものであってもよい。市販品の例として、ウルテム(登録商標、ジーイープラスチックス社製)、Matrimid(登録商標、ヴァンティコ社製)5218、オーラム(登録商標、三井化学株式会社製)、トーロン(登録商標、ソルベイアドバンスドポリマー社製)などがある。
これらの中で、難燃剤の添加なしで熱可塑性樹脂単独で本発明の繊維強化樹脂複合材料の難燃性を満足するものが好ましく、例えばポリアリーレンオキシドの1種であるポリフェニレンスルフィドや、ポリイミドの1種であるウルテム(登録商標、ジーイープラスチックス社製)が好ましい。
また、後述する難燃化手法により高い難燃性が得られ、力学特性にも優れた繊維強化複合材料が得られる点で、芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体(例えばABS樹脂など)、ポリアミド、ポリカーボネートも好ましい。
一方、本発明の繊維強化樹脂複合材料のマトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂あるいはその組成物の硬化物を用いることもできる。熱硬化性樹脂の種類は特に問わないが、成形が容易であり、機械特性の優れた繊維強化複合材料を得るためには、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂から選ばれることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物が用いられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいはこれらの樹脂の組み合わせが用いられる。また、エポキシ基を1つ有する化合物、例えばクレジルグリシジルエーテルや、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどは反応性希釈剤として用いることができる。
エポキシ樹脂と組み合わせて用いる硬化剤としては、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミンのような芳香族ポリアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ポリアミンを用いると、硬化には180℃程度の高温を必要とするが、弾性率、耐熱性の高い硬化物がえられ、これをマトリックス樹脂とする繊維強化樹脂複合材料は、航空機や車両などの構造材料に好適である。芳香族アミンでは、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが耐熱性、特に耐湿耐熱性の繊維強化複合材料を与え、かつエポキシ樹脂中に混合し一液化した場合に優れた貯蔵安定性を持つため、プリプレグに用いる場合特に好ましい。
これらの硬化剤には、硬化活性を高めるために適当な硬化助剤を組み合わせることができる。好ましい例としては、ジシアンジアミドに、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)や、2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)などの尿素誘導体を硬化助剤として組合わせる例がある。ジシアンジアミド単独では硬化に170〜180℃程度が必要であるのに対し、かかる組み合わせを用いた樹脂組成物は80〜150℃程度で硬化可能となる。ジシアンジアミドとDCMUを組み合わせた場合、硬化時間は150℃では30分程度、130℃では90分程度となる。
特に、ジシアンジアミドと2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)あるいは4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)を組み合わせて用いた場合、140〜160℃で2〜10分程度で硬化可能であり、成形サイクルが短くできる点で好ましく、中でも2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3−-ジメチルウレア)は少量で効果が高いため、特に好ましい。かかる成形サイクルの短縮は、パソコン筐体などの電気・電子機器用筐体や電子部品など、同一形状の製品を数多く製造する際に特に有用である。
このほかには、芳香族アミンに三フッ化ホウ素エチルアミン錯体を硬化助剤として組み合せる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に3級アミンを硬化助剤として組み合わせる例などがあげられる。
また、アミンアダクト型、マイクロカプセル型などの潜在性硬化剤を用いても硬化温度を下げたり、硬化時間を短縮できるため好ましい。これらの潜在性硬化剤としては例えば、アミンアダクト型の潜在性硬化剤としてアミキュア(登録商標、味の素ファインテクノ株式会社製)PN−23、MY−24などが、マイクロカプセル型の潜在性硬化剤として、ノバキュア(登録商標、旭化成エポキシ株式会社製)HX−3721、HX−3722などが、分子内に活性水素部と触媒部位を持つ潜在性硬化剤として、フジキュアー(登録商標、富士化成工業株式会社製)FXE−1000、FXR−1030などが挙げられる。これらを用いることによっても150℃で3〜5分程度で硬化でき、成形サイクルの短縮が可能となる。
不飽和ポリエステル樹脂は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのポリオールと、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和多塩基酸やアジピン酸、フタル酸などの飽和多塩基酸とのエステル化反応により得られる、分子内に複数のエステル結合およびラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物である。
ビニルエステル樹脂は、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂と、アクリル酸あるいはメタクリル酸を反応させることにより得られる、分子内に複数のアクリロイル基あるいはメタクリロイル基を有する化合物である。
ジアリルフタレート樹脂は、ジアリルフタレートを予備重合したジアリルフタレートプレポリマーと、ジアリルフタレートモノマーの混合物で構成されるのが一般的である。ジアリルフタレートプレポリマーおよびジアリルフタレートは、オルソタイプ、イソタイプ、パラタイプいずれのものも使用できる。
これらの不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂は、ジアリルフタレート樹脂は、共反応物や硬化触媒と組み合わせて使用することができる。共反応物には、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、例えばスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸エステルなどを用いることができる。市販品の例としては、不飽和ポリエステル樹脂ではリゴラック(登録商標、昭和高分子株式会社製)など、ビニルエステル樹脂ではリポキシ(登録商標、昭和高分子株式会社製)、ジアリルフタレート樹脂ではダイソーダップ、ダイソーイソダップ(登録商標、ダイソー株式会社製)などが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂の硬化触媒としては、有機過酸化物などを用いることができる。さらに、硬化助剤を併用することにより、硬化温度を下げたり硬化速度を速めることができる。硬化助剤としては、コバルト、バナジウムなどの遷移金属の有機酸塩、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジンなどの3級アミンなどを用いることができる。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との付加・縮合により得られる化合物である。フェノール類は、芳香族環に結合した水酸基を1個以上有する芳香族化合物であり、フェノール類とアルデヒド類を塩基触媒下で反応させたものがレゾール型フェノール樹脂、酸触媒下で反応させたものがノボラック型フェノール樹脂と呼ばれる。レゾール型フェノール樹脂の硬化触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸などが、ノボラック型フェノール樹脂の硬化触媒としては、ヘキサメチレンテトラミンなどを用いることができる。また、ノボラック型フェノール樹脂にレゾール型フェノール樹脂を混合して硬化させることも可能である。フェノール樹脂の市販品としては、例えばスミライト(登録商標、住友ベークライト株式会社製)、ショウノール(昭和高分子株式会社製)などが挙げられる。
マレイミド樹脂は、分子内に複数のマレイミド基を有する化合物で、メチレンビス-p-フェニレンジマレイミドなどが挙げられる。マレイミド樹脂は、耐熱性に優れるため、例えば高温あるいは高温高湿時にも高い機械特性を要求される構造材料などに好ましく適用できる。マレイミド化合物は共反応物や硬化触媒と組合わせて使用することができる。共反応物には、アルケニル基、エポキシ基、アミノ基、フェノール性水酸基、シアナート基などの官能基を有する化合物が用いられる。硬化触媒としては、イミダゾール誘導体やジアザビシクロオクタンなどの強塩基性化合物を用いることができる。
シアン酸エステル樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラックなどの多価フェノールのシアン酸エステルである。シアン酸エステル樹脂は耐熱性に優れるため、例えば高温あるいは高温高湿時にも高い機械特性を要求される構造材料などに好ましく適用できる。シアン酸エステル樹脂は、硬化触媒として、コバルト、銅、亜鉛、マンガンなどの遷移金属の錯体を加えて用いることができる。硬化触媒は硬化温度を低下させるために有用である。
これらの熱硬化性樹脂は、適宜組み合わせて用いることもできる。
これらの熱硬化性樹脂の中では、エポキシ樹脂が硬化物の機械特性、すなわち弾性率、伸度、耐熱性が高く、そのバランスにも優れ、また強化繊維、特に炭素繊維との接着性も良好なため、その硬化物をマトリックス樹脂とする繊維強化樹脂複合材料は高い機械特性を発揮することから、特に好ましい。
また、これらの熱硬化性樹脂には、熱可塑性樹脂を配合することができる。その目的は、加熱硬化する時の樹脂の流動性の制御、強化繊維に含浸してシート状のプリプレグとした場合に適度なタックすなわち粘着性の付与や、成形して得られる繊維強化複合材料への耐衝撃性付与などである。
このような熱可塑性樹脂の例としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリイミドなどがあげられる。芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体の例としては、アクリロニトリル−スチレン−ポリブタジエン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などがあげられる。ポリスルホン、ポリイミドは、主鎖にエーテル結合や、アミド結合を有するものであってもよい。
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などの多くの種類のエポキシ樹脂と良好な相溶性を有し、熱硬化性樹脂組成物の流動性制御の効果が大きい点で好ましく、さらに好ましくはポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールが、特に好ましくはポリビニルホルマールが良い。
また、ポリスルホン、ポリイミドは、樹脂そのものが耐熱性に優れるほか、耐熱性が要求される用途、たとえば航空機の構造部材等によく用いられるエポキシ樹脂であるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂と適度な相溶性を有する樹脂骨格をもつ重合体があり、これを使用すると熱硬化性樹脂組成物の流動性制御の効果が大きいほか、繊維強化樹脂複合材料の耐衝撃性を高める効果があるため好ましい。このような重合体の例としては、ポリスルホンではレーデルA(登録商標、ソルベイアドバンスドポリマーズ社製)、スミカエクセルPES(登録商標、住友化学株式会社製)など、ポリイミドではウルテム(登録商標、ジーイープラスチックス社製)、Matrimid5218(登録商標、ヴァンティコ社製)などが挙げられる。
上記したマトリックス樹脂(熱可塑性樹脂あるいはその組成物、熱硬化性樹脂あるいはその組成物)に難燃性を付与するためには非ハロゲン難燃剤を配合するなどの難燃化方法があるが、リン原子を含むことにより難燃化することが好ましい。
熱可塑性樹脂あるいはその組成物中にリン原子を含ませるには、リン原子を含む単量体を共重合する、熱可塑性樹脂あるいはその組成物中にリン酸エステル、リン酸塩、赤リンなどのリン系難燃剤を配合するなどの方法がある。
熱硬化性樹脂あるいはその組成物中にリン原子を含ませるには、リン原子を含む単量体、例えばリン原子を骨格に有するエポキシ樹脂や硬化剤などを使用する、熱硬化性樹脂あるいはその組成物中にリン酸エステル、リン酸塩、赤リンなどのリン系難燃剤を配合するなどの方法がある。
この場合、繊維強化複合材料中のリン原子含有量が0.1〜10重量%となるようにするのが好ましい。リン原子含有量が0.1重量%より小さい場合、十分な難燃性が得られないことがある。10重量%を超えると、力学特性が不十分となることがある。好ましくは、0.3〜7重量%、さらに好ましくは0.6〜5重量%とするのが良い。
ここでいうリン原子含有量は、燃焼法−比色法で測定される値である。すなわち、繊維強化複合材料を燃焼させ、生成するガスをオルトリン酸や各種縮合リン酸の形で吸収液に吸収した後、その液中に含まれる種々の縮合リン酸を酸化処理してオルトリン酸とし、比色法で定量する方法である。比色用試薬には、リンバナドモリブデン酸などが用いられる。これにより求められるリン原子値は、用いた原料中のリン含有量から計算される計算値に非常に近い値を示す。
リン原子を含ませるには、赤リンを配合することが好ましい。赤リンの配合では、他の手法、例えばリン酸エステルの配合などと比べ、少量の添加で上記のリン原子含有量を達成でき、繊維強化複合材料の特性への影響が少ないことがその理由である。
本発明に用いる赤リンは、特に赤リンの表面を金属水酸化物および/または樹脂を用いて被覆し安定性を高めたものが好適に用いられる。金属酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等が挙げられる。樹脂の種類、被覆の厚さについて特に限定はないが、樹脂としては熱硬化性樹脂との親和性が高いフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等が好ましい。また、被覆の厚さは、赤リンの平均粒径の1%以上が好ましい。1%よりも薄い場合には、安定性に問題が出ることがある。また、赤リンの最大粒径は200μm以下が好ましい。これより粒径が大きくなると、樹脂に対する分散性が悪化したり、プリプレグの製造工程通過性に悪影響を及ぼす場合がある。更に好ましくは、最大粒径が150μm以下で、平均粒径が10〜50μmの範囲とすることで、樹脂に対する分散性を向上させ、成形性、難燃性等のばらつきを小さくすることができることに加え、少量で効果的な難燃性を発現させることができる。
次に、本発明の繊維強化複合材料を製造する方法の例を説明する。
まず、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂またはその樹脂組成物を用いる場合について説明する。例えば、シート状の熱可塑性樹脂あるいはその樹脂組成物と、シート状の強化繊維基材、すなわち、強化繊維を一方向に引き揃えてシート状としたものや、織物などとを、加熱加圧成形により樹脂を炭素繊維内に含浸させる方法がある。具体的には、シート状の強化繊維基材と、シート状の熱可塑性樹脂あるいはその組成物を積層した後、金型などを用いて加熱加圧して製造できる。
また、熱可塑性樹脂あるいはその樹脂組成物を含んだ強化繊維基材を用い、それを加熱加圧成形する方法がある。
かかる基材の例として、フィラメント状にした熱可塑性樹脂あるいはその組成物と、炭素繊維フィラメントとを混繊した混繊糸(例えば特許第3029800号参照)、熱可塑性樹脂あるいはその樹脂組成物の繊維のストランドと、強化繊維ストランドとを合わせて織物とした混織布(例えば特開平5−78943号公報参照)などがある。
ここで、大きい面積を有する構造部材や、電子機器用筐体などを製造する場合を考慮すると、成形に用いる基材がシート状であることが効率よく製品を製造できるため好ましい。例えば、前述の混繊糸を製織し織物としたものや、混織布がその例である。
また、強化繊維を一方向に引き揃えシート状としたものや織物の片面または両面に、熱可塑性樹脂またはその組成物のフィルムを貼着した強化繊維基材を用いることもできる。
混繊糸、混織布を用いる方法は、基材がドレープ性を有するため、複雑形状の繊維強化樹脂複合材料の製造に適する。
シート状基材としては、熱可塑性樹脂あるいはその組成物を強化繊維に含浸したプリプレグが高い機械特性が得られる点で好ましい。かかるプリプレグには、いくつかの種類がある。すなわち、熱可塑性樹脂あるいはその組成物を、強化繊維ストランドを一方向に引き揃えシート状としたものに含浸した一方向プリプレグ、織物に含浸した織物プリプレグなどがある。含浸の程度は様々であり、完全に含浸したものから、ドレープ性の付与を目的として部分的に未含浸箇所を残したものもある。また、さらに高いドレープ性付与を目的に熱可塑性樹脂あるいはその組成物のパウダーを強化繊維ストランドに含浸したものもある。
一方向プリプレグは、強化繊維の方向が揃っており、繊維の曲がりが少ないため繊維方向の強度利用率が高いため特に好ましい。また、一方向プリプレグは、複数のプリプレグを適切な積層構成で積層した後成形すると、繊維強化複合材料の各方向の弾性率、強度を自由に制御できるため特に好ましい。
また、織物プリプレグも、強度、弾性率の異方性が少ない材料が得られること、表面に繊維織物の模様が浮かび意匠性に優れることから好ましい。複数種のプリプレグ、例えば一方向プリプレグと織物プリプレグの両方を用いて成形することも可能である。
次に、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂組成物を用いて、本発明の繊維強化複合材料を得る方法の例を説明する。
好ましい方法として、熱硬化性樹脂あるいはその組成物と、強化繊維とからなる基材を加熱加圧成形する方法がある。このような基材としては、前記した熱硬化性樹脂あるいは樹脂組成物を強化繊維に含浸したプリプレグや、強化繊維織物などの片面あるいは両面に熱硬化性樹脂を部分的に含浸させた基材などが挙げられる(例えば、特表2002−529274号公報参照)。ここで、大きい面積を有する構造部材や、電子機器用筐体などを製造する場合を考慮すると、成形に用いる基材がシート状であることが効率よく製品を製造できるため好ましい。
シート状基材としては、熱硬化性樹脂あるいはその組成物を強化繊維に含浸したプリプレグが高い機械特性が得られる点で好ましい。かかるプリプレグには、いくつかの種類がある。すなわち、熱硬化性樹脂あるいはその組成物を、強化繊維ストランドを一方向に引き揃えシート状としたものに含浸した一方向プリプレグ、織物に含浸した織物プリプレグなどがある。
一方向プリプレグは、強化繊維の方向が揃っており、繊維の曲がりが少ないため繊維方向の強度利用率が高いため特に好ましい。また、一方向プリプレグは、複数のプリプレグを適切な積層構成で積層した後成形すると、繊維強化複合材料の各方向の弾性率、強度を自由に制御できるため特に好ましい。
また、織物プリプレグは、ドレープ性に優れ複雑な面を有する材料に適用しやすいこと、強度、弾性率の異方性が少ない材料が得られることと、表面に織物の模様が現れ、意匠性に優れることから好ましい。複数種のプリプレグ、例えば一方向プリプレグと織物プリプレグの両方を用いて成形することも可能である。
上記以外にも、本発明の繊維強化樹脂複合材料の製造には様々な方法を用いることができる。例えば、織物などの基材に、熱硬化性樹脂あるいはその組成物をローラー等で塗りながら圧力をかけて含浸するハンドレイアップ法、強化繊維に熱硬化性樹脂あるいはその組成物を含浸した後、マンドレルに巻きつけるフィラメントワインド(FW)法、型内に配置した強化繊維織物などを積層、賦型し、必要に応じて結着剤やステッチなどの手段で形態を固定したプリフォームなどの基材に、液状の熱硬化性樹脂あるいは樹脂組成物を加圧して型内に注入含浸する、あるいは型内の減圧により注入含浸するレジン・トランスファー・モールディング法(RTM法)などの方法を用いることができる。
本発明の繊維強化複合材料について、実施例でさらに詳細に説明する。
1.各種特性評価法
本実施例では、各種特性を以下の方法で測定した。
(1)繊維重量分率
JIS K7075の記載に従い、硫酸分解法により繊維強化複合材料中の強化繊維重量分率を求めた。
(2)繊維強化複合材料、樹脂、強化繊維の密度
A.繊維強化複合材料および樹脂の密度
JIS K7112記載の方法に基づき、25℃で水中置換法により繊維強化複合材料の密度を測定した。
B.強化繊維の密度
JIS R 7601の記載に基づき測定した。炭素繊維ストランドを直径5cm程度のリング状にし、25℃においてその空気中での質量、およびo−ジクロロベンゼン中での質量を測定し、炭素繊維の密度(g/cm3)を求めた。
(3)繊維体積分率
前記(1)で測定した強化繊維の重量分率、(2)Aで測定した繊維強化複合材料の密度、および(2)Bで測定した炭素繊維の密度から、繊維体積分率を求めた。
(4)塩素原子、臭素原子含有量
繊維強化複合材料から約100mgの試料を切り出し、試料燃焼装置AQF−100型(株式会社ダイヤインスツルメント製))の中で酸素を流しながら1000℃・30分加熱して燃焼させ、発生ガスを吸収ユニットGA100(株式会社ダイヤインスツルメント製)に導いて純水に吸収させ、イオンクロマトグラフ(DX320(ダイオネクス社製))によって臭素原子量、塩素原子量を定量し、これらの値と試料重量から塩素原子、臭素原子含有量の合計を求めた。
(5)リン原子含有量
繊維強化複合材料から約100mgの試料を切り出し、試料燃焼装置AQF−100型(株式会社ダイヤインスツルメント製))の中で酸素を流しながら1000℃・30分加熱して燃焼させ、発生ガスを吸収ユニットGA100(株式会社ダイヤインスツルメント製)に導いて純水に吸収させた。吸収した縮合リン酸を酸化処理によりオルトリン酸に変えた後、リンバナブドリン酸比色法によりオルトリン酸の存在量からリン原子量を求め、この値と試料重量からリン原子含有量を求めた。
(6)ガラス転移温度(Tg)
JIS K7121記載の方法に基づき、Pyris 1 DSC(パーキンエルマー・インスツルメント社製示差走査熱量計)を用いて測定した。サンプル質量は10mg、昇温速度は10℃とし、DSC曲線が階段状変化を示す部分について中間点ガラス転移温度を測定した。
(7)曲げ弾性率
ASTM D790記載の方法に準じて、繊維強化複合材料の3点曲げ試験を行った。
一方向プリプレグを用いた(0/90/45)s積層板については、0°方向が長さ方向になるように幅25±0.1mm、長さ50±1mmの試験片を切り出し、支点間距離20mm、試験速度1.5mm/分で試験し、曲げ弾性率を測定した。
織物を用いた(0/90)3積層板については、0°方向が長さ方向になるように幅25±0.1mm、長さ50±0.1mmの試験片を切り出し、支点間距離20mm、試験速度1.5mm/分で試験し、曲げ弾性率を測定した。いずれも測定数はn=5とし、平均値を曲げ弾性率とした。
(8)難燃性
UL94規格に基づき、垂直燃焼試験により難燃性を評価した。成形した繊維強化複合材料から幅12.7±0.1mm、長さ127±1mmの試験片5本を切り出した。バーナーの炎の高さを19mmに調節し、垂直に保持した試験片中央下端を炎に10秒間さらした後、炎から離し燃焼時間を記録した。消炎後は、ただちにバーナー炎を更に10秒間当てて炎から離し燃焼時間を計測した。有炎滴下物(ドリップ)がなく、1回目、2回目とも消火までの時間が10秒以内、かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が50秒以内ならばV−0、燃焼時間が30秒以内かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が250秒以内であればV−1と判定した。また、V−1と同じ燃焼時間でも有炎滴下物がある場合はV−2、燃焼時間がそれより長い場合、あるいは試験片保持部まで燃焼した場合はOUTと判定した。
(9)塩化水素、臭化水素の発生の有無
燃焼試験の際の発生ガス中に塩化水素、臭化水素が含まれるか否か、ガス検知管により評価した。塩化水素の検出には、検知管C−KN3380759(株式会社テックジャム製)を、臭化水素の検出には検知管C−KN3380760(株式会社テックジャム製)を使用した。検知管はガス検知器GV−100S(株式会社テックジャム製)に取り付け、燃焼時の発生ガスを採取して塩化水素、臭化水素の有無を調べた。
(10)電磁波シールド性
財団法人 関西電子工業振興センター規定の方法(KEC法)にて評価した。
繊維強化複合材料から120mm×120mmの平板を切り出し、水分率0.1%以下になるまで真空乾燥した後、四辺に導電性ペースト(ドータイト、登録商標、藤倉化成株式会社製)を塗布し、再度乾燥させた。スペクトラムアナライザーにて。周波数1GHzにおける電波シールド性(dB)を測定し(n=5)、平均値を電磁波シールド性の値とした。この値が大きいほど電磁波シールド性が優れていることを意味する。
2.熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性樹脂組成物を用いた繊維強化樹脂複合材料
下記に示す方法で繊維強化複合材料を作製し、前記方法で特性を評価した。評価結果を表1にまとめて示す。
(1)使用原料
下記、原料から適宜、実施例、比較例に示すものを用いた。
(熱可塑性樹脂)
ポリフェニレンスルフィド(フィルム):トレリナ3000(登録商標、東レ株式会社製、フィルム厚さ50μm)
ポリイミド(フィルム): スミライトFS−1400(登録商標、住友化学工業株式会社製、ポリエーテルイミド ウルテム(登録商標、ジーイープラスチックス社製)製フィルム、フィルム厚さ50μm)
ポリアミド: ナイロン6 アミランCM1007(登録商標、東レ株式会社製)
ABS樹脂: トヨラック500(登録商標、東レ株式会社製)
ポリ塩化ビニル(フィルム): ビニホイルC−0416(登録商標、三菱樹脂株式会社製、フィルム厚さ200μm)
(難燃剤)
表面被覆赤リン:ノーバエクセル140(登録商標、燐化学工業株式会社製、平均粒径28μm、赤リン含有量92%)
(強化繊維)
トレカ織物CO6343B(登録商標、東レ株式会社製、炭素繊維平織織物、織物目付193g/m2、使用炭素繊維:トレカT300B−3K−50B(登録商標、東レ株式会社製炭素繊維、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、JIS R7601に基づき測定した炭素繊維の密度1.76g/cm3))
(2)樹脂フィルム作製
ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリ塩化ビニルについては、(1)に示す市販の樹脂フィルムを使用した。ポリアミド樹脂組成物、ABS樹脂組成物は下記のように樹脂フィルムを作製した。
A.ポリアミド樹脂フィルムの作製
アミランCM1007のペレットおよびノーバエクセル140を表1に示した組成でシリンダー温度240℃に設定したベント付き2軸押出機にて混練してチップ化した。得られたチップを80℃で8時間真空乾燥した後、押出機に投入し、設定温度230℃、滞留時間250秒にて溶融押出し、Tダイよりフィルム状に吐出した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、厚さ50μmのフィルムを得た。
B.ABS樹脂フィルムの作製
トヨラック500およびノーバエクセル140を表1に示した組成でシリンダー温度を230℃に設定したベント付き2軸押出機にて混練してチップ化した。得られたチップを80℃で8時間真空乾燥した後、押出機に投入し、設定温度210℃、滞留時間250秒にて溶融押出し、Tダイよりフィルム状に吐出した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、厚さ50μmのフィルムを得た。
(3)樹脂板の作製
樹脂板の厚みが2mmとなるようにフィルムを積層して箱形金型に入れ、加熱プレスを用いて加熱加圧し、樹脂板を作製した。成形温度、圧力、時間は下記(4)の繊維強化複合材料の作製条件と同じとした。
(4)繊維強化複合材料の作製
炭素繊維織物CO6343Bと樹脂フィルムを(F/(0/90)/F2/(0/90)/F2/(0/90)/F)(ここで、(0/90)は炭素繊維平織織物、Fは樹脂フィルム、数字は積層枚数を表す)の構成で積層した後、箱形金型に入れ、加熱プレスを用いて加熱加圧し樹脂を炭素繊維織物に溶融含浸させ、繊維強化樹脂複合材料を作製した。成形温度、時間、圧力は表1に示した。
以下、各実施例について説明する。
(実施例1)
ポリフェニレンスルフィドをマトリックス樹脂に用い、前記した方法で炭素繊維強化複合材料を得た。難燃性はV−0であり、難燃剤なしで高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例2)
ポリイミドの市販品の1つであるポリエーテルイミド ウルテム(登録商標、ジーイープラスチックス社製)をマトリックス樹脂に用い、前記した方法で炭素繊維強化複合材料を得た。難燃性はV−0であり、難燃剤なしで高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例3)
前記した方法で作製した赤リンを含むポリアミド樹脂組成物フィルムを用いて繊維強化複合材料を作製した。難燃性はV−0であり高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例4)
前記した方法で作製した赤リンを含むABS樹脂組成物フィルムを用いて繊維強化複合材料を作製した。難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(比較例1)
前記した方法で、ポリ塩化ビニルをマトリックス樹脂に用い、繊維強化複合材料を作製した。曲げ弾性率、電磁波シールド性は実施例1〜4と同等であったが、難燃性はV−2で劣っており、また、燃焼時に塩化水素が発生した。
3.エポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグを用いた繊維強化樹脂複合材料
下記に示す方法で、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料を作製した。結果を表2にまとめて示す。
(1)使用原料
(エポキシ樹脂)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート828(登録商標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、全塩素量0.18重量%)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート1002(登録商標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、全塩素量0.06重量%)
フェノールノボラック型エポキシ樹脂 エピコート154(登録商標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、全塩素量0.2重量%)
(硬化剤)
ジシアンジアミド(DICY)(ジャパンエポキシレジン株式会社製)
(硬化促進剤)
3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア(DCMU)(保土谷化学工業株式会社製、塩素含有量30.47重量%)
(硬化促進剤)2,4−トルエンビス(ジメチルウレア) オミキュア24(ピイ・ティ・アイジャパン株式会社製)
(熱可塑性樹脂)
ポリビニルホルマール ビニレックK(登録商標、チッソ株式会社製)
(難燃剤)
表面被覆赤リン:ノーバエクセル140(登録商標、燐化学工業株式会社製、平均粒径28μm、赤リン含有量92%)
臭素化エポキシ樹脂:エピクロン152(登録商標、大日本インキ化学工業株式会社製)
酸化マグネシウム:キョーワマグ30(登録商標、協和化学工業株式会社製)
(強化繊維)
トレカ(登録商標)T700SC−12K−50C(東レ株式会社製炭素繊維、引張強度4900MPa、引張弾性率230GPa、JIS R7601に基づき測定した密度1.80g/cm3
トレカ(登録商標)M30SC−18K−50C(東レ株式会社製炭素繊維、引張強度5490MPa、引張弾性率294GPa、JIS R7601に基づき測定した密度1.73g/cm3
トレカ(登録商標)織物CO6343B(登録商標、東レ株式会社製、炭素繊維平織織物、織物目付193g/m2、使用炭素繊維:トレカT300B−3K−50B(登録商標、東レ株式会社製炭素繊維、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、JIS R7601に基づき測定した炭素繊維の密度1.76g/cm3))
(2)エポキシ樹脂組成物の作製
表2のエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂(ポリビニルホルマール)をニーダーを用いて混合しながら170℃まで加熱し、さらに1時間混合して熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂に溶解させた。これを100℃まで冷却してから難燃剤を混合し、さらに60℃まで冷却してから硬化剤のジシアンジアミドおよび硬化促進剤を混合した。さらに60℃で30分混合を続けた後、取り出した。
(3)エポキシ樹脂組成物の硬化物作製
(2)で作製したエポキシ樹脂組成物を減圧下で脱泡した後、厚さ2mmのモールドに注型し、表2に示した成形温度に予熱した熱風乾燥機中で加熱硬化した。熱電対をモールド中の樹脂に挿入しておき、その温度が硬化温度に到達した後の保持時間を硬化時間とした。
(4)プリプレグの作製
A.一方向プリプレグの作製
(3)で作製した樹脂組成物をリバースロールコータを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。実施例8の繊維体積分率が約55%、実施例10の繊維体積分率が約70%、それ以外の繊維体積分率は約60%となるよう、単位面積あたりの樹脂重量を調整した。
次に、単位面積あたりの繊維重量が100g/m2となるようにシート状に一方向に整列させた炭素繊維に樹脂フィルムを炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、一方向プリプレグを作製した。
B.織物プリプレグの作製
(3)で作製した樹脂組成物をリバースロールコータを用いて離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを作製した。繊維体積分率が約60%となるよう、単位面積あたりの樹脂重量を調整した。次に、炭素繊維平織織物CO6343Bに樹脂フィルム2枚を織物の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、織物プリプレグを作製した。
(5)炭素繊維強化樹脂複合材料の作製
A.一方向プリプレグの積層板作製
一方向プリプレグを(0/90/45)Sの構成で積層し、加熱プレスを用いて圧力0.6MPaで加熱加圧して繊維強化樹脂複合材料を得た。成形温度・時間は表1に示した。
B.織物プリプレグの積層板作製
織物プリプレグを(0/90)3の構成で積層し、加熱プレスを用いて圧力0.6MPaで加熱加圧して繊維強化樹脂複合材料を得た。成形温度・時間は表1に示した。
以下、各実施例について説明する。
(実施例5)
表2に示す原料を用いて、前記方法で樹脂組成物を作製し、強化繊維に炭素繊維トレカ(登録商標、東レ株式会社製)T700SC−12K−50Cを使用して、前記方法で一方向プリプレグから炭素繊維強化樹脂複合材料を作製した。得られた繊維強化複合材料の難燃性はV−1であり、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例6,7)
リン含有量を表2に示すように変えた以外は実施例5と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化樹脂複合材料を作製した。得られた繊維強化複合材料の難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例8〜10)
硬化促進剤を3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア(DCMU)からオミキュア24(2,4−トルエンビス(ジメチルウレア))に変えた以外は実施例5と同様の方法で樹脂組成物を作製し、繊維体積分率を表2に示す通り54〜71%に変更した以外は実施例5と同様の方法でプリプレグおよび繊維強化複合材料を作製した。硬化時間は実施例1の1/10の3分であるにもかかわらず、ほぼ同等のガラス転移温度を示し、速硬化性に優れることがわかった。
また、得られた繊維強化複合材料は、いずれも難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、いずれも曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例11)
強化繊維に炭素繊維トレカM30SC−18K−50Cを使用した以外は、実施例8〜10と同じ方法で、樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を作製した。難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、同一繊維体積分率の実施例9と比較してより高い弾性率を実現でき、電磁波シールド性も高い値が得られた。
(実施例12)
強化繊維を炭素繊維平織織物CO6343Bに変え、実施例9と同じ樹脂組成物を用い、前記した方法で織物プリプレグおよび繊維強化複合材料を作製した。難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(比較例2)
実施例5で使用した樹脂組成物から赤リンを除いた以外は、同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料を製造した。曲げ弾性率、電磁波シールド性は実施例5と同等であったが、UL94の垂直燃焼試験では試験片把持部まで燃焼してしまい、難燃性に乏しいことがわかった。
(比較例3)
特開平9−278914号公報の記載に基づき、実施例1のエピコート1002を臭素化エポキシ樹脂であるエピクロン152に置き換え、繊維強化樹脂複合材料を作製した。実施例5〜12対比、プリプレグのタックが過多であり、取り扱い性が悪かった。曲げ弾性率、電磁波シールド性は同等であり、難燃性もV−0であったが、燃焼中に臭化水素の発生が見られた。また、樹脂の密度、繊維強化複合材料の密度が、ほぼ同じ繊維体積分率を有する実施例5〜7と比べて大きく、複合材料の長所である軽量化効果が小さいことがわかった。
(比較例4)
特開平11−147965号公報の記載に基づき、比較例1の樹脂組成物に酸化マグネシウムを添加した樹脂組成物を用いて炭素繊維強化複合材料を作製した。実施例5〜12対比、プリプレグのタックが細くしており取り扱い性が悪かった。燃焼中の塩化水素、臭化水素の発生はなかったが、難燃性はV−2であり、酸化マグネシウムを多く入れたにもかかわらず難燃性は実施例に比べ劣っていた。また、樹脂の密度、炭素繊維強化複合材料の密度が、ほぼ同じ繊維体積分率を有する実施例5〜7と比べて大きく、複合材料の長所である軽量化効果が小さいことがわかった。
4.ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を用いレジン・トランスファー・モールディング法(RTM法)により作製した繊維強化複合材料
以下に示す方法によりRTM法により炭素繊維強化複合材料を作製した。評価結果は表3にまとめて示す。
(1)使用原料
(樹脂)
ビニルエステル樹脂:リポキシ(登録商標)R−806(昭和高分子株式会社製)
不飽和ポリエステル樹脂:リゴラック(登録商標)LP−1(昭和高分子株式会社製)
(硬化剤)
ナイパー(登録商標)BW(過酸化ベンゾイルペースト、日本油脂株式会社製)
(難燃剤)
表面被覆赤リン:ノーバエクセル(登録商標)140(燐化学工業株式会社製、平均粒径28μm、赤リン含有量92%)
(強化繊維)
トレカ(登録商標)織物CO6343B(東レ株式会社製、炭素繊維平織織物、織物目付193g/m2、使用炭素繊維:トレカ(登録商標)T300B−3K−50B(登録商標、東レ株式会社製炭素繊維、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、JIS R7601に基づき測定した炭素繊維の密度1.76g/cm3))
(2)樹脂組成物の作製
表3に示した樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤を室温で混合した。
(3)樹脂組成物の硬化物作製
(2)で作製した樹脂組成物を室温で減圧下で脱泡した後、厚さ2mmのモールドに注型し、表3の硬化温度に予熱した熱風乾燥機中で加熱硬化した。熱電対をモールド中の樹脂に挿入しておき、その温度が硬化温度に到達した後の保持時間を硬化時間とした。
(4)繊維強化複合材料の評価
炭素繊維平織織物CO6343B 2枚を繊維の方向を揃えて重ねたものを、板状キャビティーを有する金型にセットし、型締めを行った。
次に樹脂注入装置を用い、樹脂組成物を注入圧0.2MPaで型内に注入し、炭素繊維織物に含浸させた。含浸後、金型を80℃まで加温し、80℃で60分保持した後、室温まで降温し、金型から繊維強化複合材料を取り出した。
さらにこの材料を熱風乾燥機に入れ、昇温速度1.5℃/分で120℃まで昇温し、120℃で60分保持した後、室温まで冷却した。
以下、各実施例について説明する。
(実施例13)
表3に示す通り、赤リンを加えたビニルエステル樹脂組成物を用いて繊維強化樹脂複合材料を作製した。難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
(実施例14)
表3に示す通り、赤リンを加えた不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて繊維強化樹脂複合材料を作製した。難燃性はV−0であり、高い難燃性を実現でき、塩化水素、臭化水素の発生もなかった。また、曲げ弾性率、電磁波シールド性ともに高い値を示した。
5.コンパウンドの圧縮成形、射出成形等により作製した炭素繊維強化樹脂複合材料(比較例)
特開平8−27355号公報、特開平10−120798号公報を参照し、従来技術であるコンパウンドの圧縮成形、射出成形により炭素繊維強化樹脂複合材料を作製した。
(1)使用原料
(樹脂)
レゾール型フェノール樹脂: スミライトPR−53843(登録商標、住友ベークライト株式会社製)
脂肪族ポリアミド: ナイロン6 アミランCM1007(登録商標、東レ株式会社製)半芳香族ポリアミド: ナイロンMXD6 レニー6002(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
(難燃剤)
表面被覆赤リン:ノーバエクセル140(登録商標、燐化学工業株式会社製、平均粒径28μm、赤リン含有量92%)
水酸化マグネシウム1: キスマ5E(登録商標、協和化学工業株式会社製、平均粒径0.6〜1μm)
水酸化マグネシウム2: 水酸化マグネシウム300(登録商標、神島化学工業株式会社製、平均粒径7μm)
(炭素繊維)
トレカ(登録商標)T700SC−24K−50C(東レ株式会社製炭素繊維、引張強度4900MPa、引張弾性率235GPa、JIS R7601に基づき測定した密度1.8)
(比較例5)
特開平8−27355号公報の記載に基づき、炭素繊維含有コンパウンドの圧縮・流動成形により炭素繊維強化樹脂複合材料を製造した。
キスマ5Eと水酸化マグネシウム300の当量混合物、スミライトPR−53843を表4の重量比で配合し、この配合物に長さ40mmにカットしたトレカT700SC−24K−50Cを30重量%になるように添加し、ニーダーで混練してコンパウンドとした後、箱形金型を用いて160℃1時間、圧力4MPaで加熱加圧成形し、炭素繊維強化複合材料を得た。
表4に示す通り、難燃性はV−0であり、塩化水素、臭化水素の発生もなかったが、曲げ弾性率は20.7GPaであり、実施例で得られる54〜70GPaと比べ大きく劣っていた。また、電磁波シールド性も実施例対比劣っていた。
(比較例6)
特開平10−120798号公報の記載に基づき、射出成形により炭素繊維強化樹脂複合材料を製造した。
アミランCM1007、レニー6002の樹脂チップにノーバレッド140を表4の重量比でブレンドし、長さ12mmにカットしたトレカT700SC−24K−50Cを炭素繊維重量が31重量%になるよう加えた後、シリンダー温度280℃に設定したベント付き2軸押出機にて混練してチップ化した。
このチップを90℃で8時間真空乾燥した後、シリンダ温度280℃に設定した射出成形機に供給し、70℃に設定した金型に射出し、厚さ0.8mmの炭素繊維強化複合材料を得た。
表4に示す通り、難燃性はV−0であり、塩化水素、臭化水素の発生もなかったが、曲げ弾性率は22.6GPaであり、実施例で得られる54〜70GPaと比べ大きく劣っていた。また、電磁波シールド性も実施例対比劣っていた。
Figure 2005239939
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Claims (20)

  1. マトリックス樹脂および強化繊維からなる曲げ弾性率35GPa以上の繊維強化複合材料であって、塩素原子および臭素原子の含有量の合計が2重量%以下で、かつUL94規格による難燃性が2mm以下の厚さにおいてV−1以上である繊維強化複合材料。
  2. 前記強化繊維の重量分率が30〜95%である、請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  3. 前記強化繊維が連続繊維である請求項1または2に記載の繊維強化複合材料。
  4. 前記マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂またはその組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホンおよびポリイミドから選ばれる少なくとも1種類以上である請求項4記載の繊維強化複合材料。
  6. シート状の熱可塑性樹脂またはその組成物と、強化繊維基材とを成形してなる請求項4または5に記載の繊維強化複合材料。
  7. 熱可塑性樹脂またはその組成物と強化繊維とを含んでなる基材を成形してなる、請求項4または5に記載の繊維強化複合材料。
  8. 熱可塑性樹脂またはその組成物と繊維を含んでなる前記基材がシート状である、請求項7記載の繊維強化複合材料。
  9. 前記シート状基材を複数枚積層した後、成形してなる請求項8記載の繊維強化複合材料。
  10. 前記シート状基材が、熱可塑性樹脂またはその組成物と炭素繊維とからなるプリプレグである請求項8または9に記載の繊維強化複合材料。
  11. 前記マトリックス樹脂が、熱硬化性樹脂またはその組成物の硬化物である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  12. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂およびシアネート樹脂から選ばれる1種類以上である請求項11記載の繊維強化複合材料。
  13. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項12記載の繊維強化複合材料。
  14. 熱硬化性樹脂またはその組成物と炭素繊維とを含んでなる基材を成形してなる請求項11〜13のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  15. 熱硬化性樹脂またはその組成物と炭素繊維とを含んでなる前記基材がシート状である請求項14記載の繊維強化複合材料。
  16. 前記シート状基材を複数枚積層した後、成形してなる請求項15記載の繊維強化複合材料。
  17. 前記シート状基材が、熱硬化性樹脂またはその組成物と炭素繊維とからなるプリプレグである請求項15または16に記載の繊維強化複合材料。
  18. リン原子を含有する請求項1〜20のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  19. リン原子濃度が0.1〜10重量%である請求項21記載の繊維強化複合材料。
  20. 赤リンを含有する請求項17または18記載の繊維強化複合材料。
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