JP2005238954A - 車両用ミラーの鏡面角度調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鏡面角度調整装置のナット部材(ナットアジャスト)側面のフィンを不要にして、フィンの折れの問題を解消する。
【解決手段】鏡面角度調整ユニット18において、ホイールウォーム135の中心孔141およびナットアジャスト123の基部125の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの正五角形状に形成されている。これにより、ナットアジャスト123は、ホイールウォーム135に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。鏡面角度調整のためのリモコン操作をすると、ホイールウォーム135が回転する。ナットアジャスト123はホイールウォーム135と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。これにより、ナットアジャスト123は、スクリュー28に対し軸方向下方に相対移動し、これに伴いプレートピボット86は傾動されて、鏡面調整が実現される。
【選択図】 図10
【解決手段】鏡面角度調整ユニット18において、ホイールウォーム135の中心孔141およびナットアジャスト123の基部125の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの正五角形状に形成されている。これにより、ナットアジャスト123は、ホイールウォーム135に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。鏡面角度調整のためのリモコン操作をすると、ホイールウォーム135が回転する。ナットアジャスト123はホイールウォーム135と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。これにより、ナットアジャスト123は、スクリュー28に対し軸方向下方に相対移動し、これに伴いプレートピボット86は傾動されて、鏡面調整が実現される。
【選択図】 図10
Description
この発明は、車両用ミラーの鏡面角度調整装置に関し、ナット部材側面のフィンを不要にしたものである。
車両用ミラーとして、鏡面角度調整を遠隔操作できるようにしたいわゆるリモコン・ミラー(リモコン・ドアミラー、リモコン・フェンダーミラー、リモコン・ルームミラー等)が実用化されている。リモコン・ドアミラーの構成例を図2に示す。ミラーベース10は車両のドアに装着される。ミラーベース10には、シャフト12が立設される。シャフト12には電動格納ユニット16がシャフト12の軸周り方向に回動自在に取り付けられる。電動格納ユニット16にはサポート14が連結され、サポート14は電動格納ユニット16と一体となってシャフト12の周りを回動する。サポート14には鏡面角度調整ユニット18が装着される。鏡面角度調整ユニット18の前面には、ミラーホルダー20が傾動自在に連結支持される。ミラーホルダー20にはミラー22が嵌め込み装着される。ミラーボデー24は、その内部空間にシャフト12、サポート14、鏡面角度調整ユニット18、ミラーホルダー20、ミラー22等を収容した状態で、サポート14に連結される。これにより、リモコン・ドアミラーは一体化される。電動格納ユニット16は、運転者による車室内からのリモコン操作(起立/格納操作)により、電動格納ユニット16自身をシャフト12を中心にモータで正逆回転駆動し、ミラーボデー24を起立位置(使用時の位置)と格納位置(不使用時の位置)に択一的に位置決めする。鏡面角度調整ユニット18は、運転者による車室内からのリモコン操作(鏡面角度調整操作)により、ミラーホルダー20を左右方向および上下方向に個別に傾動動作させ、ミラー22の鏡面角度調整を行う。
鏡面角度調整ユニット18の構成例を図3に示す。ハウジングフロント26aとハウジングリヤ26bを嵌め合わせてハウジング26を構成する。ハウジングフロント26aの内面にはスクリュー28,30がハウジングフロント26aと一体成形で立設配置されている。ハウジング26内には左右方向用および上下方向用の各傾動機構の構成要素が収容配置されている。左右方向用傾動機構は、スクリュー28、モータ32、ウォーム40、ホイールウォーム36(ウォームホイール)、ナットアジャスト(アジャストナット)38等で構成される。ウォーム40はモータ32の回転軸に取り付けられている。
ホイールウォーム36の詳細構成を図4に示す。ホイールウォーム36は全体がプラスチック等による一体成形で作られている。ホイールウォーム36の外周面にはギヤ歯42が形成されている。ホイールウォーム36の下部には、ホイールウォーム36をハウジングフロント26aの円形凹部47(図3)に回転自在に収容して位置決めするための円形凸部45が形成されている。ホイールウォーム36の上部37はハウジングリヤ26bの円形凹部27{開口部74内に形成される。図7(i)参照}に回転自在に収容して支持される。ホイールウォーム36には軸直角方向の断面が円形の中心孔44が形成されている。ホイールウォーム36の上部には、中心孔44を上方に延長して形成するための円形突部39が形成されている。円形突部39には4本のスリット46が周方向に等間隔に形成されている。
ナットアジャスト38の詳細構成を図5に示す。ナットアジャスト38は全体がプラスチック等による一体成形で作られている。ナットアジャスト38は円筒状の基部48(弾性足50を相互に繋いでいる部分)と、該基部48の下端部に連続して該ナットアジャスト38の中心軸Lを包囲するように形成された複数本の弾性足50を具備する。基部48には中心孔52が形成されている。複数本の弾性足50で囲まれた空間51は中心孔52に連通している。弾性足50の先端部には内向きに突出する爪54が形成されている。基部48の側面にはフィン56が突出形成されている。基部48の上端部には凸球部(球状のピボット)58が形成されている。
図3において、ウォーム40はホイールウォーム36の外周面に形成されたギヤ歯42に噛み合う。ホイールウォーム36はハウジング26内で、円形凸部45をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部47に回転自在に収容し、中心孔44内にスクリュー28を同軸状に収容した状態で、該軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に配置されている。ナットアジャスト38はホイールウォーム36の中心孔44内に同軸状に収容される。このとき、ナットアジャスト38のフィン56は、図6に示すように、ホイールウォーム36の1つのスリット46に収容される。これにより、ナットアジャスト38は、ホイールウォーム36に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。また、このとき、ナットアジャスト38の空間51から中心孔52にはスクリュー28が挿入され、ナットアジャスト38の弾性足50の先端部の爪54はスクリュー28のネジ溝に係合している(図7参照)。
以上のように構成される左右方向用傾動機構によれば、モータ32を駆動すると、ウォーム40が回転し、これに従動してホイールウォーム36が回転する。このとき、ナットアジャスト38のフィン56はホイールウォーム36のスリット46に収容されているので、ホイールウォーム36に対するナットアジャスト38の相対回転は阻止される。これにより、ナットアジャスト38はホイールウォーム36と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。このとき、ナットアジャスト38の爪54はスクリュー28のネジ溝と係合しているので、ナットアジャスト38の該相対回転により、ナットアジャスト38はスクリュー28に対し軸方向に相対移動(進退移動)する。モータ32の回転方向により、ナットアジャスト38の軸方向の移動方向が切り換えられる。
以上、左右方向用傾動機構について説明したが、上下方向用傾動機構についてもこれと同様に構成されている。すなわち、図3において、上下方向用傾動機構はハウジングフロント26aに立設されたスクリュー30、モータ60、ウォーム66、ホイールウォーム62、ナットアジャスト64等で構成される。ウォーム66はモータ60の回転軸に取り付けられている。ホイールウォーム62は図4のように構成され、ナットアジャスト64は図5のように構成されている。ホイールウォーム62は、その円形凸部65(図4)をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部65に回転自在に収容して、ハウジング26内に位置決めされる。ホイールウォーム62の上部67(図4)はハウジングリヤ26bの円形凹部{図示せず。図7(i)の開口部74内に形成される円形凹部27と同様のもので開口部76内に形成される。}に回転自在に収容して支持される。モータ60を駆動すると、ウォーム66が回転し、これに従動してホイールウォーム62が回転される。このとき、ナットアジャスト64のフィン68はホイールウォーム62のスリット70に収容されているので、ナットアジャスト64は、ホイールウォーム62に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。したがって、ナットアジャスト64はホイールウォーム62と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー30に対して相対回転する。このとき、ナットアジャスト64の爪72はスクリュー30のネジ溝と係合しているので、ナットアジャスト64の該相対回転により、ナットアジャスト64はスクリュー30に対し軸方向に相対移動(進退移動)する。モータ60の回転方向により、ナットアジャスト64の軸方向の移動方向が切り換えられる。
図3において、ナットアジャスト38,64の先端部は、ハウジングリヤ26bに形成された開口部74,76からハウジング26の外部に突出する。開口部74,76にはゴム製の防水用シールカバー78,80がそれぞれ装着され、ハウジング26内に水が入るのを防止している。ナットアジャスト38,64の先端の凸球部58,82は、シールカバー78,80の先端部に形成された孔78a,80aを通って外部に取り出されている。ハウジングリヤ26bには球面受座84が形成されている。球面受座84にはプレートピボット86の裏面(ハウジング26側に向いた面)に形成された球状凸部88が収容される。これにより、プレートピボット86はハウジング26に、所定の支点P(球面受座84の球の中心位置。図7参照)を中心に傾動可能に支持される。このとき、ナットアジャスト38の先端の凸球部58はプレートピボット86の裏面に形成された凹球部(球面受座)98に嵌め込まれ、ナットアジャスト64の先端の凸球部82はプレートピボット86の裏面に形成された凹球部(球面受座)100に嵌め込まれる。これにより、プレートピボット86は、ナットアジャスト38,64の進退移動に応じて、球面受座84の球の中心位置(支点P)を中心に左右方向および上下方向に傾動する。球面受座84の上下左右に突出形成されたストッパ111は、プレートピボット86に形成された開口部113に差し込まれて、プレートピボット86の軸周り方向の回転を阻止する。
ハウジングフロント26aの内面にはボス90がハウジングフロント26aと一体成形で立設配置されている。ボス90は、ハウジングリヤ26bの球面受座84の中心部に形成された孔84aを通ってハウジング26の外部に突出し、さらにプレートピボット86の球状凸部88の中心孔88aを通って、球状凸部88の裏側の面に構成された球状凹部88b内に突出している。球状凹部88b内にはキャップサポート92が収容される。このとき、ボス90はキャップサポート92の中心孔92aに差し込まれる。キャップサポート92の端面にはスプリングプレート94が配置され、さらにスクリュタッピング(ネジ)がスプリングプレート94の中心孔94aから差し込まれ、ボス90の先端部の孔90aにねじ込まれる。これにより、鏡面角度調整ユニット18は一体化される。ハウジング26には、モータ32,60の給電用ケーブル102のコネクタ106,108が装着される。
ミラーホルダー20(図2)は、その裏面上部に形成されたフック115をプレートピボット86の上部に形成された軸部117に引っ掛けて、ミラーホルダー20の裏面下部に形成された鉤部119をプレートピボット86の下部に形成された孔部121に差し込むことによりプレートピボット86に装着され、プレートピボット86と一体化される。これにより、ミラーホルダー20はプレートピボット86の傾動動作に応じて傾動動作し、ミラー22の鏡面角度が調整される。
以上説明したリモコン・ドアミラーによる鏡面角度調整動作として左右方向の鏡面角度調整動作について図7を参照して説明する。なお、図7においては、ナットアジャスト38の弾性足50の配置を簡略化して示している。図7において、(i)は一方向に最大角度傾動したときの状態である。この状態では、プレートピボット86の一部がハウジング26の図示しないストッパに当接して、これ以上の傾動は阻止される。この状態から、運転者によるリモコン操作(鏡面角度調整操作)によりプレートピボット86の傾きを戻す方向にモータ32を駆動すると、ウォーム40が回転し、これに従動してホイールウォーム36が回転する。このとき、ナットアジャスト38のフィン56はホイールウォーム36のスリット46に収容されているので、ホイールウォーム36に対するナットアジャスト38の相対回転は阻止される。これにより、ナットアジャスト38はホイールウォーム36と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。このとき、ナットアジャスト38の爪54はスクリュー28のネジ溝と係合しているので、ナットアジャスト38の該相対回転により、ナットアジャスト38はスクリュー28に対し軸方向下方に相対移動し、これに伴いプレートピボット86は傾きが(ii)のように戻されていく。モータ32をさらに同じ方向に駆動すると、プレートピボット86は逆方向に傾いていき、(iii)の逆方向に最大角度傾動した状態に至る。この状態では、プレートピボット86の一部がハウジング26の図示しないストッパに当接して、これ以上の傾動は阻止される。
なお、ミラー22に手動で傾動力を与えると、ナットアジャスト38の弾性足50が撓んで爪54がスクリュー28のネジ山を乗り越えて、ナットアジャスト38はスクリュー28に対し軸方向に相対移動し、プレートピボット86は傾動力を与えた方向に傾動する。このようにして、手動での鏡面角度調整も可能である。
以上説明したような、フィン付のナットアジャストを使用した従来の鏡面角度調整装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
実開平1−83643号公報
前記従来のフィン付のナットアジャスト38(64)を使用した従来の鏡面角度調整装置によれば、次のような問題点があった。
(a)フィン56があるため、ナットアジャスト38の旋回直径が大きい。このため、図8に示すように、防水用シールカバー78はナットアジャスト38の基部48よりも十分に大径のものが必要となっていた。
(b)鏡面角度調整ユニット18を組み立てた後に、何らかの原因でナットアジャスト38がホイールウォーム36の中心孔44から抜けた場合、ナットアジャスト38を中心孔44に再挿入するためにはナットアジャスト38のフィン56とホイールウォーム36のスリット46の位置を合わせる必要があるが、フィン56とスリット46はシールカバー78で覆われているので、外からは見えない。このため、フィン56とスリット46の位置が合わず、フィン56を折ってしまうことがあった。
(a)フィン56があるため、ナットアジャスト38の旋回直径が大きい。このため、図8に示すように、防水用シールカバー78はナットアジャスト38の基部48よりも十分に大径のものが必要となっていた。
(b)鏡面角度調整ユニット18を組み立てた後に、何らかの原因でナットアジャスト38がホイールウォーム36の中心孔44から抜けた場合、ナットアジャスト38を中心孔44に再挿入するためにはナットアジャスト38のフィン56とホイールウォーム36のスリット46の位置を合わせる必要があるが、フィン56とスリット46はシールカバー78で覆われているので、外からは見えない。このため、フィン56とスリット46の位置が合わず、フィン56を折ってしまうことがあった。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、ナット部材(ナットアジャスト)側面のフィンを不要にした車両用ミラーの鏡面角度調整装置を提供しようとするものである。
この発明の概要を説明する。なお、カッコ内は、後述する実施の態様1における該当箇所の符号を示す。この発明は、ミラー(22)を保持して傾動する傾動体(86,20,22)と、該傾動体(86,20,22)を所定の支点(P)を中心に傾動自在に支持する傾動支持機構(84,88)と、前記傾動体(86,20,22)の前記支点(P)を外れた位置に力を作用させて該傾動体(86,20,22)を前記支点(P)を中心に傾動させる傾動駆動機構(28,30,32,60,123,135)とを具備し、前記傾動体(86,20,22)の傾動量により前記ミラー(22)の鏡面角度を調整する車両用ミラーの鏡面角度調整装置であって、前記傾動駆動機構が、ネジ部材(28,30)と、回転部材(135)と、モータ(32,60)と、ナット部材(123)を具備し、前記ネジ部材(28,30)は、外周面にネジ溝を有し、前記傾動体(86,20,22)に向けて突出した状態で前記傾動駆動機構の支持部(26)に回転不能に立設され、前記回転部材(135)は、中心孔(141)を有し、該中心孔(141)に前記ネジ部材(28,30)を同軸状に挿通させた状態で前記傾動駆動機構の支持部(26)に軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に支持されて、前記モータ(32,60)により回転駆動され、前記ナット部材(123)は、基部(125)と、該基部(125)の一端部において該ナット部材(123)の中心軸(L)を包囲するように形成された複数本の弾性足(127)を具備し、該弾性足(127)の自由端部には内向きに突出する爪(131)がそれぞれ形成され、該ナット部材(123)は、前記基部(125)の他端部(133)が前記傾動体(86,20,22)の前記支点(P)を外れた位置に回転自在に連結された状態で、前記回転部材の中心孔(141)に軸方向に挿通自在で軸周り方向に相対回転不能に収容され、該ナット部材(123)の前記弾性足(127)で囲まれた空間(128)には前記ネジ部材(28,30)の突出側端部が挿通自在に収容され、前記弾性足(127)の爪(131)は前記ネジ部材(28,30)のネジ溝に係合し、もって、前記モータ(32,60)により前記回転部材(135)を回転駆動すると、前記ナット部材(123)の爪(131)と前記ネジ部材(28,30)のネジ溝とが係合した状態で、該ナット部材(123)が該回転部材(135)と一体となって前記ネジ部材(28,30)に対して相対回転することにより、該ナット部材(123)が該ネジ部材(28,30)に対して軸方向に移動し、このナット部材(123)の軸方向の移動により前記傾動体(86,20,22)を傾動させるようにした車両用ミラーの鏡面角度調整装置において、前記ナット部材(123)の基部(125)の軸直角方向断面の外周縁形状を非円形状に形成し、前記回転部材(135)の中心孔(141)の軸直角方向断面の内周縁形状を、該ナット部材(123)の基部(125)の外周縁形状に緩く嵌合する非円形状に形成することにより、前記回転部材(135)に対する前記ナット部材(123)の軸周り方向の相対回転を阻止しつつ、該回転部材(135)に対する該ナット部材(123)の軸方向の相対移動を許容し、前記ナット部材(123)の複数本の弾性足(127)を前記基部(125)の周方向の最大直径位置にそれぞれ配してなる車両用ミラーの鏡面角度調整装置である。前記ナット部材(123)において、前記弾性足(127)の最外周面は前記基部(125)の外周面と同一面(S)内に形成することができる。
この発明は、前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を正多角形状に形成し、前記複数本の弾性足を該正多角形の各頂点位置にそれぞれ配することができる。この発明は、前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状をDカット形状に形成し、前記複数本の弾性足を少なくとも該Dカット形状の各角位置にそれぞれ配する(例えば、Dカット形状2つの角位置と円弧上の3箇所の位置にほぼ均等の間隔で配する)ことができる。この発明は、前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を2面幅形状に形成し、前記複数本の弾性足を少なくとも該2面幅形状の各角位置にそれぞれ配する(例えば、2面幅形状の4つの角位置と円弧上の2箇所の位置とにほぼ均等の間隔で配する)ことができる。この発明は、前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を星形形状に形成し、前記複数本の弾性足を該星形形状の各頂点位置にそれぞれ配することができる。この発明は、前記ナット部材に前記弾性足を例えば5本以上配することができる。
この発明によれば、ナット部材はフィンが不要なため、ナット部材の旋回直径を小さくすることができる。このため、防水用シールカバーは、従来のもの(図8)に比べて小径のものですむ(図12参照)。また、この発明によれば、組み立てた後に、何らかの原因で ナット部材が回転部材の中心孔から抜けて、 ナット部材を回転部材の中心孔に再挿入する場合においても、フィンがないので、フィンを折る心配がない。
この発明の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施の形態に示す鏡面角度調整ユニットは、図2のリモコン・ドアミラーにおいて鏡面角度調整ユニット18に代えて使用される。各実施の形態に示す鏡面角度調整ユニットは、前述した図3に示す従来技術に対して、ナットアジャスト、ホイールウォーム、シールカバーの構造が異なる。それ以外の構成については従来技術のものと同じであるので、図示およびその説明を省略する。また、左右方向用傾動機構と上下方向用傾動機構とは、前述した従来技術と同様に、同一に構成されるので、左右方向用傾動機構についてのみ説明する。また、各実施の形態において、ナットアジャストおよびホイールウォームは、いずれも、全体がプラスチック等による一体成形でそれぞれ作られている。
(実施の形態1)
この発明によるナットアジャストを図1に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図9に示す。図1において、ナットアジャスト123は筒状の基部125と、該基部125の下端部に連続して該ナットアジャスト123の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足127を具備する。基部125の外周面には従来技術におけるようなフィン(図5のフィン56)は形成されていない。基部125には中心孔129が形成されている。複数本の弾性足127で囲まれた空間128は中心孔129に連通している。弾性足127の先端部には内向きに突出する爪131が形成されている。基部125の上端部には凸球部(球状のピボット)133が形成されている。基部125の軸直角方向の断面の外周縁形状は正五角形状に形成されている。正五角形の各角部には丸みが付けられている。弾性足127は基部125の最大直径位置である正五角形の各頂点位置にそれぞれ配置されて、合計5本の弾性足127が均等の間隔で配置されている。5本の弾性足127を均等の間隔で配置することにより、万一5本のうちの1本の弾性足127が折れても、弾性足127とスクリュー28(図3)との係合が外れないようにしている。弾性足127の最外周面は基部125の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足127の最外周面は段差なく基部125の外周面につながっている。
この発明によるナットアジャストを図1に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図9に示す。図1において、ナットアジャスト123は筒状の基部125と、該基部125の下端部に連続して該ナットアジャスト123の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足127を具備する。基部125の外周面には従来技術におけるようなフィン(図5のフィン56)は形成されていない。基部125には中心孔129が形成されている。複数本の弾性足127で囲まれた空間128は中心孔129に連通している。弾性足127の先端部には内向きに突出する爪131が形成されている。基部125の上端部には凸球部(球状のピボット)133が形成されている。基部125の軸直角方向の断面の外周縁形状は正五角形状に形成されている。正五角形の各角部には丸みが付けられている。弾性足127は基部125の最大直径位置である正五角形の各頂点位置にそれぞれ配置されて、合計5本の弾性足127が均等の間隔で配置されている。5本の弾性足127を均等の間隔で配置することにより、万一5本のうちの1本の弾性足127が折れても、弾性足127とスクリュー28(図3)との係合が外れないようにしている。弾性足127の最外周面は基部125の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足127の最外周面は段差なく基部125の外周面につながっている。
図9において、ホイールウォーム135の外周面にはギヤ歯137が形成されている。ホイールウォーム135の下部には、ホイールウォーム135をハウジングフロント26a(図3)の円形凹部47に回転自在に収容して位置決めするための円形凸部139が形成されている。ホイールウォーム135の上部143はハウジングリヤ26bの円形凹部27{図11(i)参照}に回転自在に収容して支持される。ホイールウォーム135には中心孔141が形成されている。中心孔141の軸直角方向の断面は、前記ナットアジャスト123(図1)の基部125および弾性足127が緩く嵌合する大きさの正五角形状に形成されている。ホイールウォーム135の上部には、中心孔141を上方に延長して形成するための突部145が形成されている。突部145には従来技術におけるようなスリット(図4のスリット46)は形成されていない。
ナットアジャスト123およびホイールウォーム135は、図2のリモコン・ドアミラーに組み込まれる図3の鏡面角度調整ユニット18において、ナットアジャスト38およびホイールウォーム36にそれぞれ置き換えて配置される。すなわち、ホイールウォーム135はハウジング26内で、円形凸部139をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部47に回転自在に収容し、中心孔141内にスクリュー28を同軸状に収容した状態で、該軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に配置される。ウォーム40はホイールウォーム135の外周面に形成されたギヤ歯137に噛み合う。ナットアジャスト123は、図10に示すように、ホイールウォーム135の中心孔141内に同軸状に収容される。ホイールウォーム135の中心孔141およびナットアジャスト123の基部125の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの正五角形状に形成されているので、ナットアジャスト123は、ホイールウォーム135に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。また、このとき、ナットアジャスト123の空間128から中心孔129にはスクリュー28が挿入され(図11参照)、ナットアジャスト123の弾性足127の先端部の爪131はスクリュー28のネジ溝に係合している。
以上のように構成される左右方向傾動機構によれば、モータ32を駆動すると、ウォーム40が回転し、これに従動してホイールウォーム135が回転される。このとき、ホイールウォーム135の中心孔141およびナットアジャスト123の基部125の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの正五角形状に形成されているので、ホイールウォーム135に対するナットアジャスト123の相対回転は阻止される。これにより、ナットアジャスト123はホイールウォーム135と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。このとき、ナットアジャスト123の爪131はスクリュー28のネジ溝と係合しているので、ナットアジャスト123の該相対回転により、ナットアジャスト123はスクリュー28に対し軸方向に相対移動(進退移動)する。モータ32の回転方向により、ナットアジャスト123の軸方向の移動方向が切り換えられる。また、ナットアジャスト123の弾性足127は、基部125の最大直径位置である正五角形の各頂点位置にそれぞれ配置されているので、基部125が中心孔141から上方に抜け出た状態においても、各弾性足127は中心孔141の正五角形の各頂点位置に係合し続け、ホイールウォーム135に対するナットアジャスト123の相対回転(ホイールウォーム135の空回り)は阻止され、ナットアジャスト123はホイールウォーム135と一体になって軸周り方向に回転し続ける。特に、弾性足127の最外周面は基部125の外周面と連続した同一面S内に形成され、弾性足127の最外周面は段差なく基部125の外周面につながっているので、ホイールウォーム135に対するナットアジャスト123の軸方向の相対移動は、途中で引っ掛かることなくスムーズに行われる。
以上説明した左右方向傾動機構による左右方向の鏡面角度調整動作について図11を参照して説明する。なお、図11においては、ナットアジャスト123の弾性足127の配置を簡略化して示している。図11において、(i)は一方向に最大角度傾動したときの状態である。この状態では、プレートピボット86の一部がハウジング26の図示しないストッパに当接して、これ以上の傾動は阻止される。この状態から、運転者によるリモコン操作(鏡面角度調整操作)によりプレートピボット86の傾き戻す方向にモータ32を駆動すると、ウォーム40が回転し、これに従動してホイールウォーム135が回転する。このとき、ホイールウォーム135に対するナットアジャスト123の相対回転は阻止されているので、ナットアジャスト123はホイールウォーム135と一体になってその軸周り方向に回転し、スクリュー28に対して相対回転する。このとき、ナットアジャスト123の爪131はスクリュー28のネジ溝と係合しているので、ナットアジャスト123の該相対回転により、ナットアジャスト123はスクリュー28に対し軸方向下方に相対移動し、これに伴いプレートピボット86は傾きが(ii)のように戻されていく。モータ32をさらに同じ方向に駆動すると、プレートピボット86は逆方向に傾いていき、(iii)の逆方向に最大角度傾動した状態に至る。この状態では、プレートピボット86の一部がハウジング26の図示しないストッパに当接して、これ以上の傾動は阻止される。
以上説明した実施の形態1によれば、次のような効果が得られる。
(a)ナットアジャスト123にフィンが無いため、ナットアジャスト123の旋回直径が小さい。このため、図12に示すように、防水用シールカバー147は、従来のもの(図8の符号78)に比べて小径のものですむ。
(b)鏡面角度調整ユニット18を組み立てた後に、何らかの原因でナットアジャスト123がホイールウォーム135の中心孔141から抜けたため、ナットアジャスト123を中心孔141に再挿入する場合においても、フィンがないので、フィンを折る心配がない。
(c)ナットアジャスト123は全周の5箇所でホイールウォーム135の回転力を受けるので、1本のフィンでホイールウォーム135の回転力を受けるのに比べて、ナットアジャスト123の耐久性が向上する。
(d)ホイールウォーム135は、その回転をナットアジャスト123に伝達する回転伝達部に、フィンを挿入するスリットを設ける必要がなくなり、ホイールウォーム135の該回転伝達部の剛性が向上する。また、ホイールウォーム135にスリットが不要となるので、ホイールウォーム135を樹脂成形するための金型構造が簡単になる。また、ホイールウォーム135にスリットが不要となるので、ホイールウォーム135の中心孔141とナットアジャスト123外周面との間に充填するグリースの溜まりがよくなる(スリットがあると、グリースがスリットを通って外に抜け出やすい。)。
(a)ナットアジャスト123にフィンが無いため、ナットアジャスト123の旋回直径が小さい。このため、図12に示すように、防水用シールカバー147は、従来のもの(図8の符号78)に比べて小径のものですむ。
(b)鏡面角度調整ユニット18を組み立てた後に、何らかの原因でナットアジャスト123がホイールウォーム135の中心孔141から抜けたため、ナットアジャスト123を中心孔141に再挿入する場合においても、フィンがないので、フィンを折る心配がない。
(c)ナットアジャスト123は全周の5箇所でホイールウォーム135の回転力を受けるので、1本のフィンでホイールウォーム135の回転力を受けるのに比べて、ナットアジャスト123の耐久性が向上する。
(d)ホイールウォーム135は、その回転をナットアジャスト123に伝達する回転伝達部に、フィンを挿入するスリットを設ける必要がなくなり、ホイールウォーム135の該回転伝達部の剛性が向上する。また、ホイールウォーム135にスリットが不要となるので、ホイールウォーム135を樹脂成形するための金型構造が簡単になる。また、ホイールウォーム135にスリットが不要となるので、ホイールウォーム135の中心孔141とナットアジャスト123外周面との間に充填するグリースの溜まりがよくなる(スリットがあると、グリースがスリットを通って外に抜け出やすい。)。
(実施の形態2)
この発明によるナットアジャストを図13に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図14に示す。図13において、ナットアジャスト149は筒状の基部151と、該基部151の下端部に連続して該ナットアジャスト149の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足153を具備する。基部151には中心孔155が形成されている。複数本の弾性足153で囲まれた空間154は中心孔155に連通している。弾性足153の先端部には内向きに突出する爪157が形成されている。基部151の上端部には凸球部159が形成されている。基部151の軸直角方向の断面の外周縁形状は、いわゆるDカット形状(円の一部を直線でカットした形状)に形成されている。弾性足153は、基部151の最大直径位置であるDカット形状の2つの角位置と円弧上の3箇所にほぼ均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で5本設けられている。弾性足153の最外周面は基部151の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足153の最外周面は段差なく基部151の外周面につながっている。
この発明によるナットアジャストを図13に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図14に示す。図13において、ナットアジャスト149は筒状の基部151と、該基部151の下端部に連続して該ナットアジャスト149の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足153を具備する。基部151には中心孔155が形成されている。複数本の弾性足153で囲まれた空間154は中心孔155に連通している。弾性足153の先端部には内向きに突出する爪157が形成されている。基部151の上端部には凸球部159が形成されている。基部151の軸直角方向の断面の外周縁形状は、いわゆるDカット形状(円の一部を直線でカットした形状)に形成されている。弾性足153は、基部151の最大直径位置であるDカット形状の2つの角位置と円弧上の3箇所にほぼ均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で5本設けられている。弾性足153の最外周面は基部151の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足153の最外周面は段差なく基部151の外周面につながっている。
図14において、ホイールウォーム161の外周面にはギヤ歯163が形成されている。ホイールウォーム161の下部には、ホイールウォーム161をハウジングフロント26a(図3)の円形凹部47に回転自在に収容して位置決めするための円形凸部165が形成されている。ホイールウォーム161の上部167はハウジングリヤ26bの円形凹部27{図11(i)}に回転自在に収容して支持される。ホイールウォーム161には中心孔169が形成されている。中心孔169の軸直角方向の断面は、前記ナットアジャスト149(図13)の基部151および弾性足153が緩く嵌合する大きさのDカット形状に形成されている。ホイールウォーム161の上部には、中心孔169を上方に延長して形成するための突部171が形成されている。
ナットアジャスト149およびホイールウォーム161は、図3のナットアジャスト38およびホイールウォーム36にそれぞれ置き換えて配置される。すなわち、ホイールウォーム161はハウジング26内で、円形凸部165をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部47に回転自在に収容し、中心孔169内にスクリュー28を同軸状に収容した状態で、該軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に配置される。ウォーム40はホイールウォーム161の外周面に形成されたギヤ歯163に噛み合う。ナットアジャスト149は、図15に示すように、ホイールウォーム161の中心孔169内に同軸状に収容される。ホイールウォーム161の中心孔169およびナットアジャスト149の基部151の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさのDカット形状に形成されているので、ナットアジャスト149は、ホイールウォーム161に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。また、このとき、ナットアジャスト149の空間154から中心孔155にはスクリュー28が挿入され、ナットアジャスト149の弾性足153の先端部の爪157はスクリュー28のネジ溝に係合している。図13のナットアジャスト149と図14のホイールウォーム161を使用した場合の動作は、前記実施の形態1について説明したのと同じである。
(実施の形態3)
この発明によるナットアジャストを図16に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図17に示す。図16において、ナットアジャスト173は筒状の基部175と、該基部175の下端部に連続して該ナットアジャスト173の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足177を具備する。基部175には中心孔179が形成されている。複数本の弾性足177で囲まれた空間178は中心孔179に連通している。弾性足177の先端部には内向きに突出する爪181が形成されている。基部175の上端部には凸球部183が形成されている。基部175の軸直角方向の断面の外周縁形状は、いわゆる2面幅形状(円の両側部を互いに平行な直線でカットした形状)に形成されている。弾性足177は、基部175の最大直径位置である2面幅形状の4つの角位置と円弧上の2箇所にほぼ均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で6本設けられている。弾性足177の最外周面は基部175の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足177の最外周面は段差なく基部175の外周面につながっている。
この発明によるナットアジャストを図16に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図17に示す。図16において、ナットアジャスト173は筒状の基部175と、該基部175の下端部に連続して該ナットアジャスト173の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足177を具備する。基部175には中心孔179が形成されている。複数本の弾性足177で囲まれた空間178は中心孔179に連通している。弾性足177の先端部には内向きに突出する爪181が形成されている。基部175の上端部には凸球部183が形成されている。基部175の軸直角方向の断面の外周縁形状は、いわゆる2面幅形状(円の両側部を互いに平行な直線でカットした形状)に形成されている。弾性足177は、基部175の最大直径位置である2面幅形状の4つの角位置と円弧上の2箇所にほぼ均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で6本設けられている。弾性足177の最外周面は基部175の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足177の最外周面は段差なく基部175の外周面につながっている。
図17において、ホイールウォーム185の外周面にはギヤ歯187が形成されている。ホイールウォーム185の下部には、ホイールウォーム185をハウジングフロント26a(図3)の円形凹部47に回転自在に収容して位置決めするための円形凸部189が形成されている。ホイールウォーム185の上部191はハウジングリヤ26bの円形凹部27{図11(i)}に回転自在に収容して支持される。ホイールウォーム185には中心孔193が形成されている。中心孔193の軸直角方向の断面は、前記ナットアジャスト173(図16)の基部175および弾性足177が緩く嵌合する大きさの2面幅形状に形成されている。ホイールウォーム185の上部には、中心孔193を上方に延長して形成するための突部195が形成されている。
ナットアジャスト173およびホイールウォーム185は、図3のナットアジャスト38およびホイールウォーム36にそれぞれ置き換えて配置される。すなわち、ホイールウォーム185はハウジング26内で、円形凸部189をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部47に回転自在に収容し、中心孔193内にスクリュー28を同軸状に収容した状態で、該軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に配置される。ウォーム40はホイールウォーム185の外周面に形成されたギヤ歯187に噛み合う。ナットアジャスト173は、図18に示すように、ホイールウォーム185の中心孔193内に同軸状に収容される。ホイールウォーム185の中心孔193およびナットアジャスト173の基部175の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの2面幅形状に形成されているので、ナットアジャスト173は、ホイールウォーム185に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。また、このとき、ナットアジャスト173の空間178から中心孔179にはスクリュー28が挿入され、ナットアジャスト173の弾性足177の先端部の爪181はスクリュー28のネジ溝に係合している。図16のナットアジャスト173と図17のホイールウォーム185を使用した場合の動作は、前記実施の形態1について説明したのと同じである。
(実施の形態4)
この発明によるナットアジャストを図19に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図20に示す。図19において、ナットアジャスト197は筒状の基部199と、該基部199の下端部に連続して該ナットアジャスト197の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足201を具備する。基部199には中心孔203が形成されている。複数本の弾性足201で囲まれた空間202は中心孔203に連通している。弾性足201の先端部には内向きに突出する爪205が形成されている。基部199の上端部には凸球部207が形成されている。基部199の軸直角方向の断面の外周縁形状は、星形状に形成されている。星形の各角部(各頂点)には丸みが付けられている。弾性足201は、基部199の最大直径位置である星形状の6つの角位置に均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で6本設けられている。弾性足201の最外周面は基部199の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足201の最外周面は段差なく基部199の外周面につながっている。
この発明によるナットアジャストを図19に示す。また、このナットアジャストに組み合わされるホイールウォームを図20に示す。図19において、ナットアジャスト197は筒状の基部199と、該基部199の下端部に連続して該ナットアジャスト197の中心軸(L)を包囲するように形成された弾性足201を具備する。基部199には中心孔203が形成されている。複数本の弾性足201で囲まれた空間202は中心孔203に連通している。弾性足201の先端部には内向きに突出する爪205が形成されている。基部199の上端部には凸球部207が形成されている。基部199の軸直角方向の断面の外周縁形状は、星形状に形成されている。星形の各角部(各頂点)には丸みが付けられている。弾性足201は、基部199の最大直径位置である星形状の6つの角位置に均等の間隔でそれぞれ配置されて、合計で6本設けられている。弾性足201の最外周面は基部199の外周面と連続した同一面S内に形成されており、これにより弾性足201の最外周面は段差なく基部199の外周面につながっている。
図20において、ホイールウォーム209の外周面にはギヤ歯211が形成されている。ホイールウォーム209の下部には、ホイールウォーム209をハウジングフロント26a(図3)の円形凹部47に回転自在に収容して位置決めするための円形凸部213が形成されている。ホイールウォーム209の上部215はハウジングリヤ26bの円形凹部27{図11(i)}に回転自在に収容して支持される。ホイールウォーム209には中心孔217が形成されている。中心孔217の軸直角方向の断面は、前記ナットアジャスト197(図19)の基部199および弾性足201が緩く嵌合する大きさの星形状に形成されている。ホイールウォーム209の上部には、中心孔217を上方に延長して形成するための突部219が形成されている。
ナットアジャスト197およびホイールウォーム209は、図3のナットアジャスト38およびホイールウォーム36にそれぞれ置き換えて配置される。すなわち、ホイールウォーム209はハウジング26内で、円形凸部213をハウジングフロント26aの内面に形成された円形凹部47に回転自在に収容し、中心孔217内にスクリュー28を同軸状に収容した状態で、該軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に配置される。ウォーム40はホイールウォーム209の外周面に形成されたギヤ歯211に噛み合う。ナットアジャスト197は、図21に示すように、ホイールウォーム209の中心孔217内に同軸状に収容される。ホイールウォーム209の中心孔217およびナットアジャスト197の基部199の軸直角方向の断面は、相互に緩く嵌合する大きさの星形状に形成されているので、ナットアジャスト197は、ホイールウォーム209に対し、軸方向に相対移動が可能で、軸周り方向に相対回転が不能となる。また、このとき、ナットアジャスト197の空間202から中心孔203にはスクリュー28が挿入され、ナットアジャスト197の弾性足201の先端部の爪205はスクリュー28のネジ溝に係合している。図19のナットアジャスト197と図20のホイールウォーム209を使用した場合の動作は、前記実施の形態1について説明したのと同じである。
この発明は車両用リモコン・ミラー(リモコン・ドアミラー、リモコン・フェンダーミラー、リモコン・ルームミラー等)に適用することができる。
22…ミラー、26…傾動駆動機構の支持部(ハウジング)、28,30,32,60,123,135…傾動駆動機構(スクリュー、モータ、ナットアジャスト、ホイールウォーム)、28,30…ネジ部材(スクリュー)、32,60…モータ、84,88…傾動支持機構(球面受座、球状凸部)、86,20,22…傾動体(プレートピボット、ミラーホルダー、ミラー)、123…ナット部材(ナットアジャスト)、125…基部、127…弾性足、128…弾性足で囲まれた空間、131…爪、135…回転部材(ホイールウォーム)、141…回転部材の中心孔、147…防水用シールカバー、L…ナットアジャスト(ナット部材)の中心軸、P…傾動体が傾動する支点、S…ナット部材の弾性足の最外周面と基部の外周面が形成される同一面。
Claims (7)
- ミラーを保持して傾動する傾動体と、該傾動体を所定の支点を中心に傾動自在に支持する傾動支持機構と、前記傾動体の前記支点を外れた位置に力を作用させて該傾動体を前記支点を中心に傾動させる傾動駆動機構とを具備し、前記傾動体の傾動量により前記ミラーの鏡面角度を調整する車両用ミラーの鏡面角度調整装置であって、
前記傾動駆動機構が、ネジ部材と、回転部材と、モータと、ナット部材を具備し、
前記ネジ部材は、外周面にネジ溝を有し、前記傾動体に向けて突出した状態で前記傾動駆動機構の支持部に回転不能に立設され、
前記回転部材は、中心孔を有し、該中心孔に前記ネジ部材を同軸状に挿通させた状態で前記傾動駆動機構の支持部に軸周り方向に回転自在で軸方向に移動不能に支持されて、前記モータにより回転駆動され、
前記ナット部材は、基部と、該基部の一端部において該ナット部材の中心軸を包囲するように形成された複数本の弾性足を具備し、該弾性足の自由端部には内向きに突出する爪がそれぞれ形成され、
該ナット部材は、前記基部の他端部が前記傾動体の前記支点を外れた位置に回転自在に連結された状態で、前記回転部材の中心孔に軸方向に挿通自在で軸周り方向に相対回転不能に収容され、該ナット部材の前記弾性足で囲まれた空間には前記ネジ部材の突出側端部が挿通自在に収容され、前記弾性足の爪は前記ネジ部材のネジ溝に係合し、
もって、前記モータにより前記回転部材を回転駆動すると、前記ナット部材の爪と前記ネジ部材のネジ溝とが係合した状態で、該ナット部材が該回転部材と一体となって前記ネジ部材に対して相対回転することにより、該ナット部材が該ネジ部材に対して軸方向に移動し、このナット部材の軸方向の移動により前記傾動体を傾動させるようにした車両用ミラーの鏡面角度調整装置において、
前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を非円形状に形成し、前記回転部材の中心孔の軸直角方向断面の内周縁形状を、該ナット部材の基部の外周縁形状に緩く嵌合する非円形状に形成することにより、前記回転部材に対する前記ナット部材の軸周り方向の相対回転を阻止しつつ、該回転部材に対する該ナット部材の軸方向の相対移動を許容し、
前記ナット部材の複数本の弾性足を前記基部の周方向の最大直径位置にそれぞれ配してなる車両用ミラーの鏡面角度調整装置。 - 前記ナット部材において、前記弾性足の最外周面を前記基部の外周面と同一面内に形成してなる請求項1記載の車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
- 前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を正多角形状に形成し、前記複数本の弾性足を該正多角形の各頂点位置にそれぞれ配してなる請求項1または2記載の車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
- 前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状をDカット形状に形成し、前記複数本の弾性足を少なくとも該Dカット形状の各角位置にそれぞれ配してなる請求項1または2記載の車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
- 前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を2面幅形状に形成し、前記複数本の弾性足を少なくとも該2面幅形状の各角位置にそれぞれ配してなる請求項1または2記載の車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
- 前記ナット部材の基部の軸直角方向断面の外周縁形状を星形形状に形成し、前記複数本の弾性足を該星形形状の各頂点位置にそれぞれ配してなる請求項1または2記載の車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
- 前記ナット部材に前記弾性足を5本以上配してなる請求項1から6のいずれかに記載の
車両用ミラーの鏡面角度調整装置。
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