JP2005233870A - 原点検出機能付き光学式回転センサおよび回転センサ付き軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転速度検出機能に加えて、原点検出機能も備えながら、コンパクトな構成の原点検出機能付き光学式回転センサとこれを備えた軸受を提供する。
【解決手段】この光学式回転センサAは、コードホイール2に、円周方向に並ぶ回転検出用の複数の格子3、および円周方向1か所の原点表示部4を、同一円周上に位置させて設ける。回転検出用の光源5,6、および原点検出用の光源7と、これらに対向する受光体5a,6a,7aを設ける。回転検出用の光源5,6と原点検出用の光源7とは、波長が互いに異なる光を発光するものとする。例えば、回転検出用は赤外線光、原点検出用は紫外線光とする。
【選択図】 図1
【解決手段】この光学式回転センサAは、コードホイール2に、円周方向に並ぶ回転検出用の複数の格子3、および円周方向1か所の原点表示部4を、同一円周上に位置させて設ける。回転検出用の光源5,6、および原点検出用の光源7と、これらに対向する受光体5a,6a,7aを設ける。回転検出用の光源5,6と原点検出用の光源7とは、波長が互いに異なる光を発光するものとする。例えば、回転検出用は赤外線光、原点検出用は紫外線光とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、回転速度検出用のパルス信号だけでなく、原点信号も得ることができる原点検出機能付き光学式回転センサおよびこの回転センサを備えた軸受に関する。
回転センサは、インクリメンタル式とアブソリュート式に大別されるが、一般のインクリメンタル式の回転センサはイニシャライズ処理が必要であり、またアブソリュート式の回転センサは構成が複雑で高価なものになる。そのため、インクリメンタル式の回転センサとして、原点信号を得られるようにしたものが提案されている。
例えば、インクリメンタル式の原点検出機能付き回転センサとして、磁気式では特許文献1に示されるものがある。これは、円筒状のホイールの外周面に、それぞれ着磁された回転検出用の格子配列と円周方向1か所の原点表示部とを、軸方向に並べて設けたものをエンコーダとしている。光学式では、円板状のホイールに、回転検出用の格子配列と円周方向1か所の原点表示部とを径方向に並べて設け、エンコーダとしたものがある。
例えば、インクリメンタル式の原点検出機能付き回転センサとして、磁気式では特許文献1に示されるものがある。これは、円筒状のホイールの外周面に、それぞれ着磁された回転検出用の格子配列と円周方向1か所の原点表示部とを、軸方向に並べて設けたものをエンコーダとしている。光学式では、円板状のホイールに、回転検出用の格子配列と円周方向1か所の原点表示部とを径方向に並べて設け、エンコーダとしたものがある。
また、従来、特許文献1に示されるように、回転センサを転がり軸受に設けた回転センサ付き軸受が提案されている。このように軸受を回転センサ付きのものとすると、別個に回転センサを取付ける必要がなく、軸受使用機器の組み立てが簡易となり、かつ省スペース化が図れる。
特開2003−269475号公報
従来の原点検出機能付き回転センサにおいて、特許文献1に示されるような回転検出用の格子配列と原点表示部とを軸方向に並べて設けたものは、エンコーダが軸方向に長くなるという問題がある。それに、磁気式のものは、分解能が低いという問題もある。また、前記光学式の原点検出機能付き回転センサにおけるような回転検出用の格子配列と原点表示部とを径方向に並べて設けたものは、エンコーダが径方向に大きくなるという問題がある。
またこのため、軸受を回転センサ付きとする場合に、回転センサ付き軸受におけるセンサ部分が大きくなるという問題がある。
またこのため、軸受を回転センサ付きとする場合に、回転センサ付き軸受におけるセンサ部分が大きくなるという問題がある。
この発明の目的は、回転速度検出機能に加えて原点検出機能を備えながら、コンパクトな構成にできる原点検出機能付き光学式回転センサを提供することである。
この発明の他の目的は、この発明の原点検出機能付き光学式回転センサの利点が効果的に発揮されて、回転センサ部分がコンパクトに構成でき、かつ回転速度検出機能および原点検出機能を共に備えるものとできる回転センサ付き軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、この発明の原点検出機能付き光学式回転センサの利点が効果的に発揮されて、回転センサ部分がコンパクトに構成でき、かつ回転速度検出機能および原点検出機能を共に備えるものとできる回転センサ付き軸受を提供することである。
この発明の原点検出機能付き光学式回転センサは、円周方向に並ぶ回転検出用の複数の格子、および円周方向1か所の原点表示部を有するコードホイールと、このコードホイールの前記格子および原点表示部に検出光をそれぞれ照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源と、それぞれ前記コードホイールの前記格子または格子間部分、および原点表示部の、反射光または透過光を検出する回転検出用の受光体および原点検出用の受光体とを有する光学式回転センサであって、前記回転検出用の光源および原点検出用の光源を、互いに異なる波長の光を発光するものとしたことを特徴とする。
前記回転検出用の複数の格子と前記原点表示部とは、前記コードホイールにおける同じ円周上に位置させても良い。
前記回転検出用の複数の格子と前記原点表示部とは、前記コードホイールにおける同じ円周上に位置させても良い。
この構成によると、コードホイールにおける格子および原点表示部に検出光をそれぞれ照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源を、互いに異なる波長の光を発光するものとしたので、これら格子と原点表示部が同じ円周上や近接した位置にあっても、回転検出用の光と原点検出用の光が干渉することなく区別して検出することができる。そのため、コードホイールが、回転検出用の格子の列と原点表示部の両方を有するものでありながら、コンパクトなものとできる。特に、回転検出用の格子と原点表示部を同じ円周上に配置した場合は、コードホイールが単なるインクリメンタル式のものと同じ大きさのもので済む。したがって、回転検出および原点検出の両機能を備えながらコンパクトな構成の回転センサの実現が可能となる。また、光学式としたため、磁気式のものに比べて分解能が高く、回転検出精度が高くなる。
この発明の原点検出機能付き光学式回転センサにおいて、回転検出用の光源および受光体が、それぞれ赤外線光の発光および受光を行うものであり、原点検出用の光源および受光体が、それぞれ紫外線光の発光および可視光の受光を行うものであっても良い。原点表示部は蛍光部とする。
この構成の場合、回転検出は赤外線光で行い、原点検出は紫外線光が蛍光部で反射された可視光線で行うことになるため、回転検出と原点検出の確実な干渉回避が行える。また原点表示部は蛍光部とするため、コードホイールに回転検出用の格子と重ねて設けても、その格子と原点表示部から区別して反射光を得ることができ、回転検出用の格子と原点表示部とを同じ円周上に配置することの弊害を生じない。
この構成の場合、回転検出は赤外線光で行い、原点検出は紫外線光が蛍光部で反射された可視光線で行うことになるため、回転検出と原点検出の確実な干渉回避が行える。また原点表示部は蛍光部とするため、コードホイールに回転検出用の格子と重ねて設けても、その格子と原点表示部から区別して反射光を得ることができ、回転検出用の格子と原点表示部とを同じ円周上に配置することの弊害を生じない。
この発明の原点検出機能付き光学式回転センサにおいて、前記コードホイールの前記格子を設けた表面に、親水性コーティングを施しても良い。この親水性コーティングは、光触媒超親水性コーティングであっても良い。
親水性コーティングを施せば、格子を設けた表面の親水性が保たれ、コードホイール表面の曇りの発生が防止されて、精度の高い回転検出が維持される。特に、光触媒超親水性コーティングを採用した場合は、原点検出用光源等に紫外線光を発光させるものを用いたときに、その紫外線光の照射に基づく光触媒作用により、常時、超親水性が保たれる。したがって曇り発生の防止効果がより顕著となる。
親水性コーティングを施せば、格子を設けた表面の親水性が保たれ、コードホイール表面の曇りの発生が防止されて、精度の高い回転検出が維持される。特に、光触媒超親水性コーティングを採用した場合は、原点検出用光源等に紫外線光を発光させるものを用いたときに、その紫外線光の照射に基づく光触媒作用により、常時、超親水性が保たれる。したがって曇り発生の防止効果がより顕著となる。
この発明における他の原点検出機能付き光学式回転センサは、円周方向に並ぶ回転検出用の透過型の格子、および円周方向1か所の反射型の原点表示部を有するコードホイールと、このコードホイールの円周方向に互いに離れて設けられそれぞれ前記格子および原点表示部に検出光を照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源と、前記コードホイールの前記格子または格子間部分の透過光、および前記原点表示部の反射光をそれぞれ検出する回転検出用の受光体および原点検出用の受光体とを有するものである。
このように回転検出用の格子を透過型とし、原点表示部を反射型とした場合も、同じ円周上に回転検出用の格子と原点表示部とがあっても、回転検出用の光源および原点検出用の光源が円周方向に離れて配置されていれば、回転検出用の光と原点検出用の光が干渉することなく区別して検出できる。そのため、この構成の場合も、回転速度検出機能に加えて原点検出機能も備えながら、コンパクトな構成にできる。
なお、この構成の場合に、両光源が互いに異なる波長の光を発光するものであると、干渉の確実な回避のためにより好ましいが、同じ波長の光を発光するものを用いても、区別して検出することができる。
なお、この構成の場合に、両光源が互いに異なる波長の光を発光するものであると、干渉の確実な回避のためにより好ましいが、同じ波長の光を発光するものを用いても、区別して検出することができる。
この発明の回転センサ付き軸受は、互いに回転自在な回転輪および固定輪を有する軸受と、この発明の上記いずれかの構成の原点検出機能付き光学式回転センサとを備え、前記回転輪に前記コードホイールを取付け、固定輪に前記各光源および各受光体を取付けたものである。
この構成の回転センサ付き軸受によると、軸受に回転センサを取付けたため、回転センサを別個に取付ける必要がなく、軸受使用機器への組み立てが簡易となる。また、この発明における原点検出機能付き光学式回転センサにおけるコンパクトな構成で回転速度検出機能および原点検出機能も備えるという利点が効果的に発揮されて、回転センサ部分がコンパクトに構成でき、かつ回転速度検出機能および原点検出機能を共に備えるものとすることができる。
この構成の回転センサ付き軸受によると、軸受に回転センサを取付けたため、回転センサを別個に取付ける必要がなく、軸受使用機器への組み立てが簡易となる。また、この発明における原点検出機能付き光学式回転センサにおけるコンパクトな構成で回転速度検出機能および原点検出機能も備えるという利点が効果的に発揮されて、回転センサ部分がコンパクトに構成でき、かつ回転速度検出機能および原点検出機能を共に備えるものとすることができる。
この発明の回転センサ付き軸受において、前記軸受が転がり軸受である場合に、回転輪と固定輪間の環状空間を密封するシールを回転輪に取付け、このシールを前記コードホイールとしても良い。この場合、前記格子および原点表示部はいずれも反射型のものとし、前記回転検出用の受光体および原点検出用の受光体は反射光を受光するものとする。
このように、シールをコードホイールに兼用させると、部品点数を増やすことなく回転センサ付き軸受を構成することができ、また回転センサ付き軸受の全体構成をより一層コンパクトなものとできる。
このように、シールをコードホイールに兼用させると、部品点数を増やすことなく回転センサ付き軸受を構成することができ、また回転センサ付き軸受の全体構成をより一層コンパクトなものとできる。
この発明の原点検出機能付き光学式回転センサは、コードホイールにおける格子および原点表示部に、検出光をそれぞれ照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源を、互いに異なる波長の光を発光するものとしたので、回転速度検出機能に加えて原点検出機能を備えながら、コンパクトな構成の回転センサとできる。また、光学式であるため、分解能の高い回転検出が可能になる。
この発明の他の原点検出機能付き光学式回転センサは、回転検出を透過型とし、原点検出を反射型としたため、この構成の場合も、回転速度検出機能に加えて原点検出機能を備えながら、コンパクトな構成の回転センサとできる。また、光学式であるため、分解能の高い回転検出が可能になる。
この発明の他の原点検出機能付き光学式回転センサは、回転検出を透過型とし、原点検出を反射型としたため、この構成の場合も、回転速度検出機能に加えて原点検出機能を備えながら、コンパクトな構成の回転センサとできる。また、光学式であるため、分解能の高い回転検出が可能になる。
この発明の回転センサ付き軸受は、この発明の原点検出機能付き光学式回転センサを備えたものであるため、回転センサ部分がコンパクトに構成でき、かつ回転速度検出機能および原点検出機能を共に備えるものとできる。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この回転センサAは、回転速度および回転方向の検出機能と原点検出機能とを備えたものであり、非透光性の円板状のコードホイール2を備える。コードホイール2は、回転軸1の先端に固定されている。このコードホイール2の外周部に、同一円周上に沿って回転検出用の多数の格子3が等間隔で1列に形成されている。これらの格子3は光の透過用のスリットからなる。コードホイール2の格子3の配列と同じ円周上における1箇所には原点表示部4が設けられている。原点表示部4は、上記円周上における格子間部分3a、つまり隣合う格子3間の部分に設けられている。この原点表示部4は、紫外線光の照射により可視光を発光する蛍光体を付着させた蛍光部からなる。
上記コードホイール2の片側には、格子3の形成された径方向位置に対向するように、2個の回転検出用の光源5,6が円周方向に所定の間隔を以って配設されている。上記所定の間隔は、格子3の配列ピッチの倍数に対して、所定の位相角度、例えば上記配列ピッチの1/4だけずれた位置であることが好ましい。これらの回転検出用光源5,6は、いずれも赤外線発光ダイオード等の赤外線光発光体からなる。これらの光源5,6のコードホイール2を挟んだ反対面側には、赤外線光のみを選択的に受光する回転検出用の受光体5a,6aが配設されている。
また、コードホイール2の前記片側に、原点表示部4の形成された径方向位置に対向して、原点検出用の光源7が配設され、その近傍に、前記光源7の光の原点表示部4による反射光を受光する原点検出用の受光体7aが配設されている。原点検出用の光源7は、紫外線発光ダイオード等の紫外線光発光体からなり、受光体7aには可視光のみを選択的に受光するものが用いられている。
また、コードホイール2の前記片側に、原点表示部4の形成された径方向位置に対向して、原点検出用の光源7が配設され、その近傍に、前記光源7の光の原点表示部4による反射光を受光する原点検出用の受光体7aが配設されている。原点検出用の光源7は、紫外線発光ダイオード等の紫外線光発光体からなり、受光体7aには可視光のみを選択的に受光するものが用いられている。
コードホイール2の原点表示部4を形成した面には親水性コーティング(図示せず)を施してある。この親水性コーティングは、例えば、紫外線の照射に基づく光触媒作用を生じる光触媒超親水性コーティングとすることが好ましい。この親水性コーティングは、コードホイール2の原点表示部4を形成した面の全体、または原点表示部4を設けた径方向部分の円周上の全体に渡って施すことが好ましいが、原点表示部4およびその周辺のみに施しても良い。
上記構成の回転センサAにおいて、コードホイール2が回転すると、原点表示部4が原点検出用の光源7の照射領域を通過する。このとき、光源7の照射する紫外線光が蛍光部からなる原点表示部4により可視光として反射され、その反射光が可視光の受光体7aにより受光され、原点信号が出力される。
また、コードホイール2の回転に伴い、回転検出用の光源5,6から発せられる赤外線光は、格子3を透過し、その透過光が受光体5a,6aによって受光される。この受光は格子3の形成パターンに対応して規則的になされ、各受光体5a,6aから、コードホイール2の回転速度に応じたインクリメンタルな回転パルス信号が出力される。このパルス信号により、コードホイール2の回転速度を得ることができる。
両受光体5a,6aのパルスパターンの位相を互いに例えば90°ずれるようにしておけば、2つのパルスのうちどちらが先であるかを簡単な回路で判別することによって、コードホイール2の回転方向も判定することができる。
また、コードホイール2の回転に伴い、回転検出用の光源5,6から発せられる赤外線光は、格子3を透過し、その透過光が受光体5a,6aによって受光される。この受光は格子3の形成パターンに対応して規則的になされ、各受光体5a,6aから、コードホイール2の回転速度に応じたインクリメンタルな回転パルス信号が出力される。このパルス信号により、コードホイール2の回転速度を得ることができる。
両受光体5a,6aのパルスパターンの位相を互いに例えば90°ずれるようにしておけば、2つのパルスのうちどちらが先であるかを簡単な回路で判別することによって、コードホイール2の回転方向も判定することができる。
この場合に、回転速度・回転方向の検出と、原点検出とが、波長の互いに異なる光によってなされるから、コードホイール2の回転検出用の格子3および原点表示部4や、これらに対向する光源5,6,7および受光体5a,6a,7aが同一の円周上にあっても、その検出光が互いに干渉することがなく、個々の検出信号が的確に区別して出力される。特に、回転検出用の光源5,6は赤外線を、原点検出用の光源7は紫外線をそれぞれ発光するものとし、その受光体5a,6a,7aに、赤外線および可視光線を選択的に受光するものとしたため、検出光の干渉回避がより一層確実になる。したがって、回転検出機能と原点検出機能を合わせ持ちながら、コードホイール2の径大化が不要で、回転センサがコンパクトなものとできる。
また、コードホイール2の原点表示部4を施した面には親水性コーティングが施してあるため、コードホイール2の表面の親水性が保たれ、曇りの発生が防止される。そのため曇りによる検出不良を生じることなく、的確な原点検出、あるいは回転速度・回転方向の検出が行える。この親水性コーティングを光触媒超親水性コーティングとした場合は、原点検出用の光源7の発光する紫外線の照射に基づく光触媒作用により、常時超親水性が保たれ、曇り発生の防止により有効である。このような親水性コーティングは、コードホイール2の表面に限らず、光源5,6,7の発光面や、受光体5a、6a、7aの受光面に施すことも好ましく、これにより、曇り発生による検出不良の防止効果がより確実に得られる。また、親水性コーティングに代えて撥水性コーティングを施しても、曇り防止効果が得られる。
なお、上記実施形態では、回転検出用の光源5,6と原点検出用の光源7とを、互いに異なる波長の光を発光するものとしたが、この実施形態のように回転検出用の格子3を透過型とし、原点検出部4を反射型とした場合は、回転検出用の光源5,6と原点検出用の光源7とに同じ波長の光を発光するものを用いても良い。その場合も、回転検出用の光と原点検出用の光の干渉の問題を生じることなく、区別して検出が行える。回転検出用の光源および受光体は、回転方向の検出が不要な場合は、それぞれ1個としても良い。
また、上記実施形態は、コードホイール2が非透光性の円板からなる例を述べたが、透光性の円板を用いても良い。その場合、透光性の円板の表面に、前記スリットからなる格子3に代え、塗料,薄膜等の非透光性材料を、小間隙を隔て円周方向に多数被着形成し、透光部と非透光部が繰り返す形成パターンによって前記と同様の格子とできる。
図2は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態の回転センサBは、第1の実施形態において、回転検出用の格子3を反射型のものとした例である。この例では格子3が非反射部、格子間部分3aが反射部となる。これに伴い、回転検出用の各受光体5a,6aは、各光源5,6の発光した光の格子3による反射光を受光可能なように、光源5,6の近傍に配設されている。原点表示部4は第1の実施形態と同様に、蛍光部からなるものとしてあるが、この実施形態では非反射部である格子3の表面に原点表示部4となる蛍光部を設けている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
この実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、回転検出用と原点検出用とに、赤外線と紫外線等のように、別の波長の光を用いるため、コードホイール2の同じ円周上に回転検出用の格子3と原点表示部4とがあっても、干渉の問題なく回転検出と原点検出とを区別して行うことができる。また、この実施形態の場合も、回転検出用に2つの光源5,6および受光体5a,6aを設けたため、回転方向の検出が行える。
また、この実施形態においても、コードホイール2における格子3の形成面に光触媒超親水性コーティング等の親水性コーティングを施しているため、コードホイール2の表面の親水性が保たれ、曇り発生が防止される。特に、この実施形態の場合は、反射型であるため、コードホイール2に曇りが発生すると回転検出の不具合が生じ易いが、このような不具合が親水性コーティングよって防止される。
また、この実施形態においても、コードホイール2における格子3の形成面に光触媒超親水性コーティング等の親水性コーティングを施しているため、コードホイール2の表面の親水性が保たれ、曇り発生が防止される。特に、この実施形態の場合は、反射型であるため、コードホイール2に曇りが発生すると回転検出の不具合が生じ易いが、このような不具合が親水性コーティングよって防止される。
なお、前記各実施形態においては、赤外線光と紫外線光とを用いるようにしたが、これに限らず他の波長の光を用いても良い。すなわち、回転検出用の受光体5a,6aと、原点検出用の受光体7aとで、波長の違いにより選択的に受光することができる範囲であれば、回転検出用の光源5,6と原点検出用の光源7とに、赤外線光や紫外線光とは異なる波長の光を発光するものを用いても良い。また、前記とは逆に、回転検出用に紫外線光を用い、原点検出用の赤外線光を用いてもよい。また、上記各実施形態は、いずれもコードホイール2を円板状としたが、コードホイール2は円筒状のものであっても良い。
図3ないし図4は、回転センサ付き軸受の実施形態を示す。この実施形態は、軸受8の一端に回転センサ14を取付けたものである。軸受8は、ころがり軸受であり、内輪10と外輪11の軌道面10a,11a間に、ボールからなる複数の転動体9を介在させたものである。各転動体9は保持器12により保持されている。内輪10は回転輪となり、外輪11は固定輪となる。内輪10と外輪11の間の環状空間は、一端が上記回転センサ14で密封され、他端がシール部材13で密封されている。シール部材13は、外輪11に取付けられた接触シールであり、シールリップ13aが内輪10の外径面に摺接する。
回転センサ14は、基本構成が図2の実施形態にかかる回転センサBと同様のものであり、次のように構成されている。内輪10の外径面に、非透光性の円環状のコードホイール2が、円筒部2aを介し嵌合状態に固定されている。図6に示すように、このコードホイール2の表面に、周方向に沿って多数の格子3が設けられている。格子3は非反射部となり、格子間部分3aは反射部となる。コードホイール2の格子3を形成した円周上の1箇所に、原点表示部4が設けられている。原点表示部4は蛍光体を塗布した蛍光部とし、一つの格子3にその蛍光体を塗布したものとしてある。コードホイール2の格子3および原点表示部4を設けた表面には、光触媒超親水性コーティング等の親水性コーティングが施してある。
図5に拡大して示すように、外輪11の内径面には取付具15Aの一部を構成する支持用筒体15が嵌合状態に取付けられる。支持用筒体15は光源5等を取付けるための部材であるが、コードホイール2と共にラビリンスシールの形成部材を兼用するものとされている。すなわち、内輪10に取付けられたコードホイール2の外周縁部が、支持用筒体15に対してラビリンス隙間rを以って近接状態に対向している。これにより内外輪10,11の相互の回転を許容しながら、上記環状空間のシールがなされる。支持用筒体15は、外輪11の内径面に内嵌一体とされる小径円筒部15aと、この小径円筒部15aに連なる大径円筒部15bとよりなる。大径円筒部15bの内筒部には、断面コの字形の発光体および受光体支持用リング16が内嵌一体とされている。この支持用リング16と上記支持用筒体15とで取付具15Aが構成される。
支持用リング16の内面に、コードホイール2の格子3の形成部位に対向するように、回転検出用の2つの光源5,6(図3)と、原点検出用の光源7と、これらの各光源5,6,7に対応する回転検出用の受光体5a,6aおよび原点検出用の受光体7aが、基板17(図5)を介して取付けられている。各光源5,6,7は、例えば図3のように、周方向に略90°の間隔を隔て配置されている。
この構成の回転センサ付き軸受によると、内輪10が回転すると、その回転が回転センサ14で検出される。回転センサ14は、図2に示した実施形態と同様に、回転速度・回転方向の検出と、原点検出とが、波長の互いに異なる光によってなされることで、コードホイール2の回転検出用の格子3および原点表示部4や、これらに対向する光源5,6,7および受光体5a,6a,7aが同一の円周上にあっても、その検出光が互いに干渉することがなく、個々の検出信号が的確に区別して出力される。また、コードホイール2に施した親水性コーティングにより、曇りが防止され、安定した検出が行える。
図7は、この発明における回転センサ付き軸受の他の実施形態を示す。この回転センサ付き軸受は、内輪10にシール13Aを取付け、このシール13Aを、コードホイールとしたものである。シール13Aは、芯金にゴム等の弾性体を設けた接触シールであり、内輪10に取付けられて外輪11の内径面に摺接する。このシール13Aの軸受外向きの面に、図4〜図6に示す実施形態におけるコードホイール2と同様に、回転検出用の格子3および原点表示部4(図7にはいずれも図示せず)を施している。また、このコードホイールとなるシール13Aの上記格子3および原点表示部4に対して、図4〜図6に示す実施形態と同様に、回転検出用の光源5,6、原点検出用の光源7、およびこれらに対応する受光部5a,6a,7aを設けている。これらの光源5,6,7および受光部5a,6a,7aは、リング状の取付具15Bを介して外輪11に取付けている。
この実施形態の場合、シール13Aをコードホイールに兼用したため、部品点数を増やすことなく回転センサ付き軸受を構成することができ、また回転センサ付き軸受の全体構成をより一層コンパクトなものとできる。この実施形態におけるその他の構成,効果は、図4〜図6に示す実施形態と同様である。
なお、上記各実施形態の回転センサ付き軸受では内輪10を回転輪、外輪11を固定輪としたが、両者が逆であっても良い。その場合は、内輪10に光源5,6,7および受光体5a、6a、7aを取付け、外輪11にコードホイール2を取付ける。また、回転センサ14は、図2の実施形態の回転センサBと基本的に同じ構成としたが、これに限らず、図1の実施形態における回転センサAを用いても良い。
また、この実施形態では軸受8を単列の転がり軸受としたが、軸受8はころ軸受であっても良く、また複列の軸受であっても良い。例えば、軸受8は、自動車のハブユニット軸受等の車輪用軸受であっても良い。さらに、軸受8は、滑り軸受であっても良い。
また、この実施形態では軸受8を単列の転がり軸受としたが、軸受8はころ軸受であっても良く、また複列の軸受であっても良い。例えば、軸受8は、自動車のハブユニット軸受等の車輪用軸受であっても良い。さらに、軸受8は、滑り軸受であっても良い。
2…コードホイール
3…格子
3a…格子間部分
4…原点表示部
5,6…回転検出用の光源
5a,6a…回転検出用の受光体
7…原点検出用の光源
7a…原点検出用の受光体
8…軸受
10…内輪(回転輪)
11…外輪(固定輪)
13A…コードホイールとなるシール
A,B,14…回転センサ
3…格子
3a…格子間部分
4…原点表示部
5,6…回転検出用の光源
5a,6a…回転検出用の受光体
7…原点検出用の光源
7a…原点検出用の受光体
8…軸受
10…内輪(回転輪)
11…外輪(固定輪)
13A…コードホイールとなるシール
A,B,14…回転センサ
Claims (8)
- 円周方向に並ぶ回転検出用の複数の格子、および円周方向1か所の原点表示部を有するコードホイールと、このコードホイールの前記格子および原点表示部に検出光をそれぞれ照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源と、それぞれ前記コードホイールの前記格子または格子間部分、および原点表示部の、反射光または透過光を検出する回転検出用の受光体および原点検出用の受光体とを有する光学式回転センサであって、前記回転検出用の光源および原点検出用の光源を、互いに異なる波長の光を発光するものとしたことを特徴とする原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 請求項1において、前記回転検出用の複数の格子と前記原点表示部とを、前記コードホイールにおける同じ円周上に位置させた原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 請求項1または請求項2において、回転検出用の光源および受光体が、それぞれ赤外線光の発光および受光を行うものであり、原点検出用の光源および受光体が、それぞれ紫外線光の発光および可視光の受光を行うものであり、原点表示部が蛍光部である原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記コードホイールの前記原点表示部または格子を設けた表面に、親水性コーティングを施した原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 請求項4において、前記親水性コーティングが、光触媒超親水性コーティングである原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 円周方向に並ぶ回転検出用の透過型の格子、および円周方向1か所の反射型の原点表示部を有するコードホイールと、このコードホイールの円周方向に互いに離れて設けられそれぞれ前記格子および原点表示部に検出光を照射する回転検出用の光源および原点検出用の光源と、前記コードホイールの前記格子または格子間部分の透過光、および前記原点表示部の反射光をそれぞれ検出する回転検出用の受光体および原点検出用の受光体とを有する原点検出機能付き光学式回転センサ。
- 互いに回転自在な回転輪および固定輪を有する軸受と、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の原点検出機能付き光学式回転センサとを備え、前記回転輪に前記コードホイールを取付け、固定輪に前記各光源および各受光体を取付けた回転センサ付き軸受。
- 請求項7において、前記軸受が転がり軸受であって、回転輪と固定輪間の環状空間を密封するシールを回転輪に取付け、このシールを前記コードホイールとし、前記格子および原点表示部をいずれも反射型のものとした回転センサ付き軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004045842A JP2005233870A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 原点検出機能付き光学式回転センサおよび回転センサ付き軸受 |
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JP2004045842A JP2005233870A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 原点検出機能付き光学式回転センサおよび回転センサ付き軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005233870A true JP2005233870A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35016968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004045842A Pending JP2005233870A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 原点検出機能付き光学式回転センサおよび回転センサ付き軸受 |
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JP (1) | JP2005233870A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-02-23 JP JP2004045842A patent/JP2005233870A/ja active Pending
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