JP2005233537A

JP2005233537A - ペーパースラッジの処理方法

Info

Publication number: JP2005233537A
Application number: JP2004044806A
Authority: JP
Inventors: Hiroyasu Tsutsumi; 博恭堤; Sumio Horiuchi; 澄夫堀内; Motoyuki Asada; 素之浅田
Original assignee: Shimizu Construction Co Ltd; Shimizu Corp
Current assignee: Shimizu Construction Co Ltd; Shimizu Corp
Priority date: 2004-02-20
Filing date: 2004-02-20
Publication date: 2005-09-02
Anticipated expiration: 2024-02-20
Also published as: JP4238995B2

Abstract

【課題】ペーパースラッジを無害化し有効利用を図る。
【解決手段】ペーパースラッジを処分あるいは有効利用することを目的として、処理対象のペーパースラッジに石灰精製残滓を混合し、その混合物を焼却することによって焼却時に石灰成分を生成させてその石灰成分をペーパースラッジ焼却灰（ＰＳ灰）に含有させる。さらに、そのペーパースラッジ焼却灰に水を加えて水和反応によりホタル石を生成させる。また、ペーパースラッジ焼却灰に固化材を加えて有害物質を不溶化する。
【選択図】図１

Description

本発明は、製紙過程で廃棄物として発生するペーパースラッジを処分あるいは有効利用することを目的とするペーパースラッジの処理方法に関する。

周知のように、この種のペーパースラッジ（製紙スラッジ）は焼却されてその焼却灰を埋立処分することが通常であるが、たとえば特許文献１に示されるように焼却灰を地盤改良材として有効利用することも検討されている。
特開２０００−５３９６０号公報

しかし、ペーパースラッジには各種の有害物質が含まれており、特に古紙の再生過程で発生するペーパースラッジにはフッ素が含まれているので、それをそのまま焼却して焼却灰をそのまま埋立処分することは環境保全の観点から好ましくなく、特にフッ素については環境基準に適合しないためにそのままでは処分できない場合も多い。また、焼却灰の有効利用を図るためには有害物質の溶出を防止するための処理を行うことが不可欠であるが、特にフッ素の溶出量を効果的に低減させるための有効適切な処理手法は確立されておらず、その開発が急務とされている。

上記事情に鑑み、請求項１の発明は、ペーパースラッジを処分あるいは有効利用することを目的として処理するための方法であって、処理対象のペーパースラッジに石灰精製残滓を混合し、その混合物を焼却することによって焼却時に石灰成分を生成させてその石灰成分をペーパースラッジ焼却灰に含有させることを特徴とする。

請求項２の発明は、上記の処理方法において、さらにペーパースラッジ焼却灰に水を加えることによって、ペーパースラッジ焼却灰中のカルシウムとフッ素とを反応させてホタル石を生成させることを特徴とする。

請求項３の発明は、上記の処理方法において、さらにペーパースラッジ焼却灰に固化材を加えることによって、ペーパースラッジ焼却灰中の有害物質を不溶化することを特徴とする。

請求項１の発明によれば、ペーパースラッジを焼却するに際して同じく廃棄物である石灰精製残滓（石灰スラッジ）を混合してその混合物を焼却することにより、石灰精製残滓に含まれている酸化カルシウム（ＣａＯ）等の石灰成分がペーパースラッジに含まれているフッ素等の有害重金属と反応して有害物質が自ずと安定化され、焼却灰中の残留有害物が低減してそのまま支障なく処分することが可能な程度の無害化を実現することができる。しかも、カルシウム成分は排気ガス中の有害成分であるＳＯｘとも反応するので、排気ガス中の大気汚染物質を低減して大気汚染防止効果も得られる。また、そのような混合物を焼却して得られるペーパースラッジ焼却灰は自ずと石灰成分を多く含有するものとなり、これは自ずと優れた不良土改良効果を有するものとなるので、これをそのまま地盤改良材として有効に利用することが可能となる。

すなわち、本発明によれば、ペーパースラッジ焼却灰中の有害物質の含有量やその溶出量を有効に低減できることはもとより、ペーパースラッジのみならず同じく廃棄物として処分されていた石灰精製残滓も資源として有効にリサイクルすることを可能とするものである。しかも、本発明の処理方法はペーパースラッジと石灰精製残滓とを単に混合して焼却するだけであるから、従来のペーパースラッジの焼却設備とその工程をそのまま採用可能であり、したがってその処理のために格別の設備を必要としないし、さしたる処理コストも必要とせず、また大量処理や連続処理も可能であるから、ペーパースラッジおよび石灰精製残滓の処理手法として、またそれらの廃棄物を利用した地盤改良材の製造手法として、極めて有効である。

請求項２の発明によれば、上記に加えて焼却灰にさらに水を加えることにより、僅かに残留するフッ素が石灰成分との水和反応を生じることによって安定なホタル石（ＣａＦ_２）が生成され、それによりフッ素の溶出量をさらに抑制することができる。

さらに、請求項３の発明によれば、焼却灰に固化材を混合して固化させることにより、残留有害物が固化されて不溶化され、その溶出量をより一層低減させることができる。

図１に本発明の一実施形態を示す。本実施形態は処理対象のペーパースラッジに石灰精製残滓を混合し、その混合物を焼却することを主眼とする。

石灰精製残滓は、たとえば紙製品のコーティング材等として利用される炭酸カルシウム微粉末の製造工程において発生するもので、その主成分は水酸化カルシウムであるが、従来においては有効利用されることなく単に廃棄物として埋立処分されているものである。

ペーパースラッジに対する石灰精製残滓の混合量は適宜設定すれば良いが、後述するように焼却により生成されるペーパースラッジ焼却灰（以下、ＰＳ灰）に含有される石灰成分（ＣａＯ）が２０〜３０％程度となるように混合量を調整すると良く、たとえばペーパースラッジ１ｔｏｎ当たりの混合量を５０Ｋｇ程度とすることが良い。

なお、上記の混合物の焼却は流動床式の焼却設備等による従来のペーパースラッジ焼却工程によりそのまま実施可能である。また、混合物の焼却に際しては各種の大気汚染物質低減材たとえばドロマイト等を添加することも好ましい。

上記のように、ペーパースラッジに石灰精製残滓を混合してその混合物を焼却することにより、石灰精製残滓中に含まれる石灰成分である酸化カルシウム（ＣａＯ）とペーパースラッジに含まれる有害重金属特にフッ素とが反応し、それにより有害物質が自ずと安定化されてＰＳ灰中の残留有害物を自ずと低減させることができる。また、石灰精製残滓中のカルシウム成分は排気ガス中の有害成分であるＳＯｘとも反応するので、排気ガス中の大気汚染物質を低減して大気汚染防止効果も得られる。

したがって上記のＰＳ灰はそのまま埋立等の処分をすることが可能な程度に無害化されるが、そのＰＳ灰には適量のシリカやアルミナ、酸化鉄等の細粒成分を含み、かつ上記のように石灰精製残滓との混合焼却により自ずと石灰成分を含有するものとなっており、特にＰＳ灰中のＣａＯの含有量が２０〜３０％程度ないしそれ以上となるように調製することにより、このＰＳ灰は自ずと優れた不良土改良効果を有するものとなるから、これをそのまま地盤改良材として、あるいは地盤改良材の原料として有効に利用することも可能となる。

すなわち、本処理方法によれば、ＰＳ灰中の残留有害物を低減でき、したがってそれからの有害物の溶出量も自ずと低減できることはもとより、従来においてはいずれも廃棄物として処分されていたペーパースラッジと石灰精製残滓の双方を資源として有効にリサイクルできることになる。しかも、ペーパースラッジと石灰精製残滓とを単に混合して焼却するという工程によるだけであるから、その処理のために格別の設備やさしたる処理コストを要せず、また大量処理も可能であり、ペーパースラッジおよび石灰精製残滓を無害化し有効活用するための処理手法として、またそれらの廃棄物を利用した地盤改良材ないしその原料の製造手法として、極めて有効である。

図２は他の実施形態を示す。これは、上記の処理により得たＰＳ灰に水を加えてその含水率をたとえば２０〜３０％程度とし、それを所定期間（たとえば７日程度）静置して養生した後、さらにセメント等の固化材をたとえば２〜３％程度混合（その際、必要に応じて適量の水を添加して湿潤状態とすれば良い）するようにしたものである。これによれば、ＰＳ灰中に僅かに残留するフッ素と石灰成分との水和反応により安定なホタル石（ＣａＦ_２）が生成されるのでフッ素の溶出量をより確実に抑制でき、また各種の残留有害物が固化材により固化されて不溶化されることによりその溶出量をより一層低減させることができる。

実験例によれば、上記のようにペーパースラッジに石灰精製残滓を混合して焼却して得たＰＳ灰に対し、さらに加水による水和反応処理と固化材添加による不溶化処理を行うことにより、ペーパースラッジを何等の処理を行うことなく単に焼却した場合に比較してフッ素の溶出量を５％以下にまで低減させることが確認され、本発明の有効性が実証されている。

なお、図２に示す実施形態においては、固化材による不溶化処理を省略して水和反応後のＰＳ灰を養生後にそのまま処分あるいは利用しても良いし、あるいは水和反応を省略して図１による処理で得られたＰＳ灰に直ちに固化材を添加して不溶化処理するようにしても良い。

本発明のペーパースラッジの処理方法の一実施形態を示す概要図である。同、他の実施形態を示す概要図である。

Claims

ペーパースラッジを処分あるいは有効利用することを目的として処理するための方法であって、処理対象のペーパースラッジに石灰精製残滓を混合し、その混合物を焼却することによって焼却時に石灰成分を生成させてその石灰成分をペーパースラッジ焼却灰に含有させることを特徴とするペーパースラッジの処理方法。
請求項１記載の処理方法において、ペーパースラッジ焼却灰に水を加えることによって、ペーパースラッジ焼却灰中のカルシウムとフッ素とを反応させてホタル石を生成させることを特徴とするペーパースラッジの処理方法。
請求項１または２記載の処理方法において、ペーパースラッジ焼却灰に固化材を加えることによって、ペーパースラッジ焼却灰中の有害物質を不溶化することを特徴とするペーパースラッジの処理方法。