JP2005232445A - ゴム用添加剤およびそれを用いたゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム用添加剤およびそれを用いたゴム組成物を提供することであり、特に、ゴム組成物内部において十分な物理的安定を有し、低硬度、その他の力学的物性に優れたゴム組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】下記式(1)で表されるゴム用添加剤。
【化1】
(式中、R1は、炭素数8以上であるアルコキシ基、エチレングリコールモノアルキルエーテル基、ポリオキシモノアルキルエーテル基、オキシモノアルキルエステル基、ポリオキシモノアルキルエステル基またはフェノキシ基であり、R2は炭素数1〜5の一価の炭化水素基、R3は炭素数0〜9の二価の炭化水素基をそれぞれ表す。Xはハロゲン原子、アミノ基、メタクリロキシル基、ビニル基である。mは1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし
【解決手段】下記式(1)で表されるゴム用添加剤。
【化1】
(式中、R1は、炭素数8以上であるアルコキシ基、エチレングリコールモノアルキルエーテル基、ポリオキシモノアルキルエーテル基、オキシモノアルキルエステル基、ポリオキシモノアルキルエステル基またはフェノキシ基であり、R2は炭素数1〜5の一価の炭化水素基、R3は炭素数0〜9の二価の炭化水素基をそれぞれ表す。Xはハロゲン原子、アミノ基、メタクリロキシル基、ビニル基である。mは1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴムの加工性及び物性の改善を目的として使用されるゴム用添加剤と、それを配合したゴム組成物に関する。
ゴム加工において、加工性を良くする為に可塑剤を配合することは一般によく行なわれている。可塑剤は、使用するゴムとの相溶性が重要である。相溶性が悪いと可塑剤がゴム表面に移行するなど、ゴム組成物として好ましくない状態になって物性低下をもたらすことになる。可塑剤としては、一般に酸とアルコールを反応させたエステル化合物が多く使用されている。また、天然ゴムやSBRのような極性の低いゴムには、プロセスオイルが加工性向上等の為に使用される。
ところが、これら可塑剤やプロセスオイルのようなゴム加工助剤は、ゴム或いは他の配合薬品と化学結合していないので、ゴムを長期間使用したり薬品などにさらすとゴム表面に移行し、安定性が悪い。
これに対し、ゴムの加硫と同時にゴム中で重合する反応性軟化剤(特許文献1)や、高分子量ポリエステル可塑剤(特許文献2)、更には新規な重合体状可塑剤(特許文献3)が提案されている。
しかし、特公昭48−31745開示の発明では特定の充填剤が必要なことや十分な可塑性が得られていないなどの問題がある。また、特開昭52−78997開示の発明では、主にハロゲン化ビニルを主眼にしたものであるため、ゴム組成物に使用しても大きな効果は期待できない。更には、特開平5−178972開示の発明では、具体的な効果の程は定かではない。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式(1)で表されるゴム用添加剤により前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
(式中、R1は、炭素数8以上であるアルコキシ基、エチレングリコールモノアルキルエーテル基、ポリオキシモノアルキルエーテル基、オキシモノアルキルエステル基、ポリオキシモノアルキルエステル基またはフェノキシ基であり、R2は炭素数1〜5の一価の炭化水素基、R3は炭素数0〜9の二価の炭化水素基をそれぞれ表す。Xはハロゲン原子、アミノ基、メタクリロキシル基またはビニル基である。mは1〜3の整数を表す。R1が分子内部に複数個存在する場合はそれらは互いに同一の基または異なる基である。R2についても同じ意である。また、R3の炭素数が0とは、XがSiに直結していることを意味する。)
本発明のゴム用添加剤はゴム組成物内部において十分な物理的安定性を有し、低硬度、その他の力学的物性に優れたゴム組成物を提供することができる。
本発明に用いられるゴム用添加剤としては、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリ(2−(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ヘキソキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−ブロモプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノメトキシシラン、3−クロロプロピルジエトキシモノ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(1−ドデコキシ)モノエトキシシラン、3−ブロモプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−アミノプロピルジ(1−ドデコキシ)モノエトキシシラン、3−アミノプロピルトリ(1−オクタデコキシ)シラン、3−アミノプロピルジエトキシモノ(1−オクタデコキシ)シラン、トリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)ビニルシラン、ジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノメトキシビニルシラン、ジエトキシモノ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)ビニルシラン、トリ(1−ドデコキシ)ビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシモノ(1−ドデコキシ)シラン等が例示的に挙げられる。好ましいものとして、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−クロロプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルジ(1−ドデコキシ)モノエトキシシラン、トリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)ビニルシラン、トリ(1−ドデコキシ)ビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン等が例示的に挙げられる。これらは単独で、または二種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いるゴム用添加剤は、上記式(1)において、Xがハロゲン原子またはアミノ基である場合が好ましい。この場合の具体例としては、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−クロロプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン、3−アミノプロピルジ(1−ドデコキシ)モノエトキシシランが挙げられる。
特に好ましいのは、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−クロロプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン等のXがハロゲン原子のゴム用添加剤(1)である。
特に好ましいのは、3−クロロプロピルトリ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)シラン、3−クロロプロピルジ(2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ)モノエトキシシラン、3−クロロプロピルトリ(1−ドデコキシ)シラン等のXがハロゲン原子のゴム用添加剤(1)である。
本発明に係るゴム用添加剤は、下記の手段により、合成することができる。下記の三つの式では、便宜上、(a)飽和、不飽和アルコールおよびアリール類の組、(b)グリコール類の組、(c)グリコールエステル類の組の三組に大別されているが、これらを混合して合成してもよい。
(式中、R2、R3およびXは上記に同じ。R4は炭素数8以上の一価の炭化水素基又はアリール基である。)
(式中、R2、R3およびXは上記に同じ。R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基である。nは1〜20の整数を表す。)
(式中、R2、R3、R5、Xおよびnは上記に同じ。)
反応式(2)から(4)について、原料物質であるシラン化合物は単一で使用しても混合して使用しても良く、またもう一つの原料物質である飽和、不飽和アルコールおよびアリール類、グリコール類、グリコールエステル類についても同様である。これらは任意の割合で混合してもよいが、好ましくは、モル比率で、シラン化合物1に対して飽和、不飽和アルコールおよびアリール類、グリコール類、グリコールエステル類を1から10の割合である。
これらの方法において、目的物である化合物は加水分解され易いため、原料、反応系内、および保管において、無水状態であるのが好ましい。また、過酸化物が生成する危険性がある場合には、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で反応操作、保管等するのがよい。
ここで、式(1)〜(4)中、R2は炭素数1〜5の直鎖状ないしは分枝状の一価の炭化水素基であれば特に限定されず、三つが全て同一基でも異なっていてもよい。特にメチル基、エチル基それぞれ単独、またはこれらの組合せが好ましい。
R3 は炭素数1〜9の直鎖状ないしは分枝状の二価の炭化水素基であればよいが、特に-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2-Ph-CH2-(Phはフェニレン基)が好ましい。
好ましい原料物質であるシラン化合物として、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシモノエトキシシラン、3−クロロプロピルジエトキシモノメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシモノエトキシシラン等が挙げられる。特に好ましくは3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
反応式(2)で表されるアルコールは、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール、フェノール、t−ブチルフェノール、モノメトキシビスフェノールなどの芳香族アルコールである。
反応式(3)で表されるグリコールは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノラウリルエーテル、エチレングリコールモノステアリルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのモノアルキルエーテルである。
反応式(4)で表されるグリコール誘導体は、エチレングリコールモノラウリルエステル、エチレングリコールモノステアリルエステルなどの多価アルコールのモノアルキルエステルなどからなる誘導体である。
反応式(3)で表されるグリコールは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノラウリルエーテル、エチレングリコールモノステアリルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのモノアルキルエーテルである。
反応式(4)で表されるグリコール誘導体は、エチレングリコールモノラウリルエステル、エチレングリコールモノステアリルエステルなどの多価アルコールのモノアルキルエステルなどからなる誘導体である。
上記の反応式(2)〜(4)で表される反応においては、副生するR2−OHを何らかの手段で系外へ除去する。例えば、反応を加熱下、減圧下で行ってよく、これらの条件は任意に設定できるが、好ましくは温度が30℃から150℃、減圧度は1mmHgから100mmHgの範囲である。
反応終了後の生成物より任意の温度、減圧度の条件において原料物質を留去してよい。その際の条件は特に限定されないが、原料物質の沸点により決定することが好ましい。
ところで、比較的高沸点の飽和、不飽和アルコールおよびアリール類、グリコール類、グリコールエステル類を用いた場合は、これらがゴムの分散性改良剤として作用するため、これらを分離することなく反応式(2)〜(4)で得られた生成液をそのままゴム添加剤としてゴム組成物に添加することができる。
次に、上記ゴム添加剤を添加したゴム組成物について説明する。
配合されるゴムとしては、天然ゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのジエン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体などの主鎖に炭素と酸素を持つポリエーテル系ゴム、アクリルゴムなどのポリメチレン型飽和主鎖をもつゴムなどが挙げられる。ジエン系ゴム、ポリエーテル系ゴムが好ましく、中でも天然ゴムとエピクロロヒドリンゴムが最も好ましい。
ゴム100重量部に対して、一般式(1)のゴム添加剤が1〜100重量部含まれるのが好ましい。最も好ましいのは5〜50重量部である。
本発明のゴム組成物には、本発明を損なわない範囲で、通常ゴム工業で用いられる配合剤として加工助剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、硫黄などの架橋剤、架橋促進剤などを使用してもよい。
本発明のゴム組成物は、均一な配合物を得るために通常混練に付される。該目的が達成される限り混練温度に特に制限はないが、好ましくは10℃〜250℃、より好ましくは30℃〜160℃で混練してよい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分から1時間である。
本発明のゴム組成物の混練は、通常ゴム工業にて使用されるロール、加圧ニーダー、インターミキサー、バンバリーミキサーなどの混練機により混合でき、その混練時において必要な配合剤、架橋剤、架橋促進剤などを配合することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
A.ゴム用添加剤の合成
A.ゴム用添加剤の合成
コンデンサーと温度計を備えた200mlの撹拌機付き三つ口フラスコに、先ずトリエトキシシリルプロピルクロライド(TESPC)48.2g(0.2mol)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル97.2g(0.6mol)とを仕込んだ。つぎに、全体を150℃に加熱しながら8時間攪拌下に反応させ反応生成物(SPA)128.1g(平均置換数1.6)を得た。反応生成物中の出発原料TESPC残存量をガスクロマトグラフィにより測定した結果、転化率93.6%であった。また、当該反応物をガスクロマトグラフで分析した各成分の面積比を表1に示す。
コンデンサーと温度計を備えた200mlの撹拌機付き三つ口フラスコに、先ずトリエトキシシリルプロピルクロライド(TESPC)48.2g(0.2mol)と、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル126.5g(0.6mol)とを仕込んだ。つぎに、全体を150℃に加熱しながら8時間攪拌下に反応させ反応生成物(SPB)161.8g(平均置換数1.6)を得た。反応生成物中の出発原料TESPC残存量をガスクロマトグラフィにより測定した結果、転化率95.3%であった。
コンデンサーと温度計を備えた200mlの撹拌機付き三つ口フラスコに、先ずトリエトキシシリルプロピルクロライド(TESPC)44.2g(0.2mol)と、1−ドデシルアルコール111.6g(0.6mol)とを仕込んだ。つぎに、全体を150℃に加熱しながら8時間攪拌下に反応させ反応生成物(SPC)139.5g(平均置換数1.7)を得た。反応生成物中の出発原料TESPC残存量をガスクロマトグラフィにより測定した結果、転化率97.0%であった。
コンデンサーと温度計を備えた200mlの撹拌機付き三つ口フラスコに、先ず3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)44.2g(0.2mol)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル111.6g(0.6mol)とを仕込んだ。つぎに、4mmHgで減圧下反応させ、5℃/10minの速度で昇温しながら3時間反応させ、反応生成物(SPD)121.0(平均置換数1.6)を得た。反応生成物TEPSDS中の出発原料APTES残存量をガスクロマトグラフィにより測定した結果、転化率95.8%であった。
また、比較例として用いる試薬(SPE)を以下の通りに合成した。コンデンサーと温度計を備えた200mlの撹拌機付き三つ口フラスコに、先ず3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)71.5g(0.3mol)と、1−オクタノール117.2g(0.9mol)とを仕込んだ。つぎに、全体を150℃に加熱しながら8時間攪拌下に反応させ反応生成物(SPE)135.5g(平均置換数1.7)を得た。反応生成物中の出発原料MPTES残存量をガスクロマトグラフィにより測定した結果、転化率93.3%であった。
B.ゴム組成物の配合および架橋操作
(実施例1〜6、比較例1〜4)
(実施例1〜6、比較例1〜4)
表2の配合にて、100℃に調整した6インチロールを用いて15分間で混練を行い、この混練物を室温まで冷却した後、これに2−メルカプトイミダゾリン1.2重量部およびジ(o−ベンズアミドフェニル)ジスルフィド0.5重量部、硫黄0.1重量部を添加し、全体を室温で1日放置後、実施例1〜3、比較例1〜2のゴム配合組成物を得た。その粘度挙動を表4-1、架橋挙動試験を表4-2、および加硫剤の添加された配合物をテフロン(登録商標)でコートした170℃の金型に入れ、脱気後加圧100kg/cm2で15分間プレス後、冷却し、引張特性および抽出試験用の2mm厚のシートを得た。
表3の配合にて、30℃に調整した7インチロールを用いて、20分間混練を行い、この混練物を室温まで冷却した後、これに硫黄1.0重量部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド2.0重量部およびテトラメチルチウラム・ジスルフィド0.5重量部を添加し、全体を室温で1日放置後、実施例4〜6、比較例3〜4のゴム配合組成物を得た。その粘度挙動を表5-1、架橋挙動試験を表5-2、および加硫剤の添加された配合物をテフロン(登録商標)でコートした140℃の金型に入れ、脱気後加圧100kg/cm2で8分間プレス後、冷却し、引張特性および抽出試験用の2mm厚のシートを得た。
C.評価試験
以下の方法により評価試験を行った。
以下の方法により評価試験を行った。
1.ムーニスコーチ試験:JIS−K6300に準じて125℃で大ロータを用いて行った。
2.架橋挙動試験:JIS−K6300に準じてJSRキュラストメーターIII型を用いて行った。
3.引っ張り試験:JIS−K6301に準じて行った。
4.耐水性試験:10mlのガラス製サンプル管に水または1N−NaOHaqを5ml入れ、試料片を室温で70時間浸漬し、取り出し後、重量および体積変化率を測定した。
5.ソクスレー抽出試験:溶媒にジエチルエーテルを用いて8時間抽出し、重量変化を測定した。
2.架橋挙動試験:JIS−K6300に準じてJSRキュラストメーターIII型を用いて行った。
3.引っ張り試験:JIS−K6301に準じて行った。
4.耐水性試験:10mlのガラス製サンプル管に水または1N−NaOHaqを5ml入れ、試料片を室温で70時間浸漬し、取り出し後、重量および体積変化率を測定した。
5.ソクスレー抽出試験:溶媒にジエチルエーテルを用いて8時間抽出し、重量変化を測定した。
表4-1、表4-2、表5-1、表5-2に示されるように、本発明の化合物は既存の可塑剤に比べゴム組成物に対する可塑効果が大きく、粘度が低下しており加工性が改善されている。
また表5-1、比較例4については本発明の化合物と同様の化学構造を持った化合物(SPE)を配合しているが、架橋せずに発泡した。本発明の化合物は様々な樹脂に対して有効であり、架橋物を得る事ができる。
また、表4-3、表5-3に示されるように、本発明のゴム組成物は低硬度かつハイモジュラス、高伸長といった特性を持った架橋体となる。
更に、表4-4、表5-4に示されるように、実施例のゴム組成物はジエチルエーテルによる抽出割合が少なく、これらの結果よりゴムと珪素化合物がゴムと反応していながら、可塑剤としての効果を示しており、可塑剤の殆どが抽出されている比較例の結果と比較して、大きく被抽出性が改善されている。
表4-5に示されるように、水、アルカリ水溶液に対する体積、重量の変化率が著しく改善されたゴム組成物が得られる。
以上の通り、低粘度、低硬度で加工性に優れ、なおかつ引張特性、水、アルカリ水溶液、有機溶剤に対する耐抽出性にも優れたゴム組成物が得られた。
本発明によるゴム組成物は、通常スチーム、電気、高周波、超音波などにより架橋処理が施され、各種ゴム製品、例えばタイヤやベルト、防振ゴム、制振ゴム等のゴム産業製品として利用することができる。
Claims (8)
- 下記式(1)で表されるゴム用添加剤。
- 式(1)で表されるゴム用添加剤を含有することを特徴とするゴム組成物。
- 請求項2〜4記載の反応により得られ、式(1)で表されるゴム用添加剤を含有することを特徴とするゴム組成物。
- ゴム組成物を構成するゴムがジエン系ゴム、ポリエーテル系ゴムまたはポリメチレン型飽和主鎖をもつゴムから選択される少なくとも一種である請求項5または6記載のゴム組成物。
- ゴム100重量部に対して、一般式(1)のゴム添加剤が1〜100重量部含まれることを特徴とする請求項5〜7記載のゴム組成物。
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