JP2005215626A - 現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmである非晶質シリコンを含む表層を有する像担持体を用い、静電潜像に対して交番電界下で二成分接触現像を行なった場合に、画像部にて定常状態まで現像が行われ、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードが広く、かぶりや画像濃度低下、はき寄せや白抜け等のエッジ強調による画像不良を発生を防止し、良好な画像形成を実施できる現像装置を提供する。
【解決手段】現像剤担持体11が、非磁性トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を現像部40に搬送することによって、像担持体1表面に形成された静電潜像を、接触現像してトナー像を形成し、磁性キャリアは、1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の体積抵抗値を有する現像装置4において、現像剤担持体11を複数備え、現像部40を複数形成する。
【選択図】図1
【解決手段】現像剤担持体11が、非磁性トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を現像部40に搬送することによって、像担持体1表面に形成された静電潜像を、接触現像してトナー像を形成し、磁性キャリアは、1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の体積抵抗値を有する現像装置4において、現像剤担持体11を複数備え、現像部40を複数形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、像担持体上に形成された静電潜像を二成分現像剤により現像して、画像を得る画像形成装置に備えられる現像装置に関するものである。
従来、画像形成装置として、特に電子写真法として特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、いずれも像担持体が有する光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成し、次いで該静電潜像上に、これとは反対の極性を有する、現像剤に含まれるトナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着する、といった画像形成工程を経て複写物やプリントアウトを得るものである。
この画像形成工程のうち静電潜像を現像する現像工程は、帯電させたトナー粒子を、静電潜像の静電相互作用を利用して、像担持体の静電潜像上に移動させて現像剤像(トナー像)の形成を行う工程である。一般に斯かる静電潜像を現像する方法のうち、それに用いる現像剤として、トナーを、キャリアと呼ばれる媒体に分散させた二成分現像剤を採用した二成分現像方法が、特に高画質を要求されるフルカラー複写機、フルカラープリンタには好適に用いられている。そして、現像装置には、トナー粒子を担持して像担持体表面へと搬送する現像剤担持体が設けられている。
近年、マルチメディア、コンピュータ画像処理等の発達により、更に高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。この目的のため、フルカラーの複写画像やプリントアウト画像を更に高画質、高精細とし、銀塩写真の画像水準にまで高品質化する努力がなされている。こうした要求に応じて、プロセス及び材料の観点から検討が加えられている。
こうした高画質化の傾向により二成分現像方法が採用されることが多くなったが、上述した二成分現像方法は、現像剤磁気ブラシが像担持体表面を摺擦しながら現像を行う接触二成分現像方法と、現像剤磁気ブラシが像担持体と接触しない非接触二成分現像方法に分類される。非接触二成分現像方法では、像担持体にキャリアが付着するいわゆるキャリア付着現象が起こりにくいという長所もあるが、上述したような高精細フルカラー画像を得るためには、優れた細線再現性と十分な画像濃度が得られる接触二成分現像が好適に用いられる。
又、そして、現像装置には、トナー粒子を担持して像担持体表面へと搬送する、磁界発生手段を内蔵した回転可能な導電性円筒等で形成された現像剤担持体が設けられ、トナーを静電潜像上に搬送するために、現像剤担持体から静電潜像側に現像バイアスを印加するが、上述したような高画質を達成するために、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法が好適に用いられている。
ところで、近年、フルカラー化、システム化、デジタル化が進むと共に、出力画像の高画質化、高速化、高安定化の要求が高まっており、複写機、各種プリンタの軽印刷市場への進出が期待される。複写機や各種プリンタで一般的に用いられている電子写真方式で、印刷市場に参入していくためには、高画質化、高安定化は最低限の課題である。
そして、従来より、電子写真プロセス(工程)において用いられる像担持体である感光体として、セレン系感光体、アモルファスシリコン感光体、有機感光体等が実用化されているが、その中でも特に、非晶質シリコンを含むアモルファスシリコン感光体は画質及び耐久性に優れた特性を備えていることが知られており、高画質や高速化、高安定を求められる場合に好適に用いられる。
ここで、アモルファス感光体ドラムについて説明する。アモルファスシリコンは例えば円筒状のアルミニウムシリンダなどの導電性支持体と導電性支持体上に順次堆積された電荷注入阻止層と光導電層と表面層を有する。ここで、電荷注入阻止層は、導電性支持体から光導電層への電荷の注入を阻止するためのものであり、光導電層はシリコン原子を主原料とする非晶質材料で構成され、光導電性を示す。更に、表面層は、シリコン原子と炭素原子を含む、表面に形成される電子潜像の保持と膜の耐久性の向上を担っている場合が多い。
しかしながら、こうしたアモルファス感光体ドラムには以下のような問題がある。
アモルファスシリコン感光体ドラムの特性として、その他の有機感光体に比べ、上記画像形成工程にてなされる潜像形成工程における露光によって上記光導電層に生成された光生成キャリアが、再結合しにくく、つまり消滅しづらいという特性がある。
電子写真感光体を用いる場合は、レーザドライバ等の露光手段によって、感光体ドラム表面を露光することによって、外部情報に基づいた潜像形成がなされるが、その潜像形成工程において、感光体ドラムが有する光導電層に、露光による光吸収に伴う電子遷移の結果、物質内を電界により移動可能な光生成キャリアが発生する。
しかし、アモルファスシリコン系感光体ドラムは、多くのタングリングボンド(未結合手)を有しており、これが局在準位となって光生成キャリアの一部を捕捉してその走行性を低下させ、あるいは光生成キャリアの再結合確率を低下させる。従って、露光によって生成された光生成キャリアの一部は、その後の工程においても存在しつづける。つまり、光生成キャリアが再結合しにくく、消滅しづらいという特性は、アモルファスシリコンの非晶質性に由来する。
この一部残存した光生成キャリアは、以下に詳細に説明するように、現像時において現像されたトナーの電荷と結合し、問題を生じる場合がある。
通常、画像形成工程は、感光体ドラムが帯電工程で帯電電位Vdまで帯電されのち、露光によって画像部の電位Vlが形成され、現像工程に供される。
尚、静電潜像は、感光ドラムの一様帯電された表面に照射される光の性質によって決定されるが、ここでは、静電潜像の感光体ドラムに一様帯電した後、露光工程にて露光を受けてない部分を非画像部とし、感光体ドラムに一様帯電した後、露光を受けた部分を画像部とする。
現像工程においては、感光体ドラムに対向して現像装置に備えられた導電性円筒部材である現像剤担持体の現像スリーブに現像バイアスが印加されることで、静電潜像が現像剤像(トナー像)として現像されるが、このときの現像バイアスが、電位がVdcであるDC成分を含むとすると、画像部においては、感光体ドラム表層の潜像電位Vlが現像バイアス電位Vdcとなるまで、感光体ドラム表面の潜像部にトナーを充填した状態が、ドラム表層と現像スリーブ間の電位差がなくなる定常状態であり、そこで現像を終了する。現像終了後の感光体ドラム表面のトナー層の電位を測定すると、現像バイアス電位Vdcとほぼ同じ値が計測される。
このように定常状態まで現像が行われるなら、現像工程が安定して実施されているため、例えば現像スリーブと感光体ドラム間の距離が変動するなど、現像能力に多少の変動が生じても、トナーの現像量の変動は小さい。
一方、現像バイアスにAC成分を重畳していない等、現像能力が低下している場合は、現像工程で、現像バイアス電位Vdcになるまで画像部にてトナーが充填されず、現像終了後のトナー層電位が潜像電位VlとVdcの間の値となる未充填状態の場合がある。
このような画像部が未充填な状態、即ち定常状態ではない場合、例えば現像スリーブと感光体ドラム間の距離(SDギャップ)が変動に敏感に反応し、トナーの現像量に変動が生じやすい。
そのため、現像終了後の画像部におけるトナー層の電位は、現像バイアス電位Vdcまで充填された状態、つまり定常状態であることが望ましい。
しかし、アモルファスシリコン系の感光体ドラムを用いた場合を述べれば、先に述べたように、アモルファスシリコン系の感光体ドラムを帯電した後、露光し潜像電位Vlを形成すると、露光時に生成された光生成キャリアの一部が残存したまま、次の現像工程に進むことになる。
現像工程では、現像バイアスが印加され現像が行われるが、本発明者らの検討によれば、アモルファスシリコン系の感光体ドラムを用いた場合は、現像後の画像部のトナー層電位はVdcまで充填された状態に至らない場合が多いことがわかった。
これは以下の理由によると考えられる。
現像時に、画像部において、トナーが現像バイアス電位Vdcと潜像電位Vlとの電位差を埋めるように現像が行われ、通常は潜像電位Vlとドラム上に形成されたトナーの電荷による電位の和がVdcとなった状態で、スリーブとドラム間に電位差がなくなり定常状態となり現像が終了する。
しかし、アモルファスシリコン系の感光体の場合は、静電潜像形成の露光時に光生成された光生成キャリアが残存しているため、画像部にトナーが搬送されても、トナーがドラム上に付着すると、トナーの電荷と光生成キャリアが結合し、トナーの電荷が消滅してしまう。つまり、アモルファスシリコン系の感光体の場合は、現像したトナーの電荷のうちの多くが残存光生成キャリアとの結合で消滅するため、トナーの電荷が潜像電位Vlと現像バイアス電位Vdcとの電位差を埋めるにはいたらず、結果として電位差の存在する未充填な状態のまま現像が終了することとなる。
現像終了後の画像部のトナー層の電位が現像バイアス電位Vdcまで充填されない未充填な状態は即ち定常状態でないため、先に述べたように、例えばSDギャップや現像スリーブ上の現像剤のコート量の変動など、現像能力の変化に敏感に反応してしまうため、画像的には濃度のムラなどが生じやすくなる。
以上のように、アモルファスシリコン感光体表面に形成された潜像に対して現像を行う場合、未充填状態のまま現像が終了するという問題が生じやすいが、この問題の解決策をたてるためには、現像装置の現像能力を向上させることが必要であり、その一つの方法として、例えば現像剤の抵抗を下げることが考えられる。現像剤の抵抗が低いということは、感光体ドラム近傍の磁気ブラシの電位が現像スリーブの電位に近いということである。すると、感光体ドラム近傍の狭い間隙で大きな電位差が発生し、その電界が大きいことにより現像性は高くなる。尚、現像剤の抵抗は、現像剤に含まれる磁性キャリアの体積抵抗値が比較的低い物を選ぶことによって低くする。
しかしながら、発明者らの検討によれば、アモルファスシリコン感光体ドラムを像担持体として用い、且つ、比較的低抵抗な現像剤をもちいた場合、画像にかぶりが発生し、しかも、出力された画像濃度も低いものしか得らない、という問題が生じた。
現像工程において、上記のかぶり並びに画像濃度低下が発生する要因について様々な検討を行った結果、上記の問題は、アモルファスシリコン系の感光体ドラムのように表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の感光体ドラムに対して、二成分現像剤に含まれる磁性キャリアから現像時に電荷が注入されることにより発生することが判明した。
ところで、アモルファスシリコンドラムに限らず表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の感光体ドラムに対しては、帯電工程において電荷注入帯電方式と呼ばれる帯電方法を用いることが可能である。
電荷注入帯電方式とは、磁性粒子を用いて、感光体ドラムを摩擦帯電しながら、且つバイアスを印加する帯電方法であり、具体的には、体積抵抗値1010Ω・cm未満のフェライト等の略100μm以下、好ましくは15〜50μmの磁性粒子を、磁界発生手段であるマグネットを内包した帯電用スリーブに担持させ、上述の体積抵抗率に調整された感光体ドラムに摺擦しながらバイアスを印加することによって感光体ドラムを帯電する帯電方法である。
帯電工程におけるこの電荷注入帯電と同様な現象が、体積抵抗値が106〜109Ω・cm程度の比較的低抵抗な磁性キャリアを用いた場合は、現像工程においても起こり、この時、磁性キャリアが電荷注入帯電方式における磁性粒子のように挙動し、又、現像スリーブが帯電用スリーブのような挙動をすることで、特にこの磁性キャリアが感光体ドラムに接触している二成分現像を行なった場合には、現像部における電荷注入が発生してしまい、上記のかぶり及び画像濃度の低下の原因となることが考えられる。
又、電荷注入帯電においては、AC電界を重畳すると帯電効率が向上することも確認されている。
即ち、このAC電界を重畳した電荷注入帯電を現像工程に置き換えて考察して、従来の現像方法においては、像担持体として、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体を使用し、現像効率向上、画像品位向上のために採用した、低抵抗性の磁性キャリアを用いた二成分現像、加えてAC電界を重畳した現像バイアスの印加により、帯電工程における電荷注入帯電時と同様の現象が発生してしまったと考えられる。
つまり、アモルファスシリコン感光体のように表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度に調整された感光体ドラムを用い、体積抵抗値が低い、例えば106〜109Ω・cm程度の磁性キャリアを含む二成分現像剤を用いて、AC電界を重畳して反転現像を行う場合を考えると、現像部において、現像剤に含まれる磁性キャリアから感光体ドラムに対して電荷注入が行なわれるため、非画像部、画像部共にその電位が現像スリーブに印加している電圧のDC成分に収束するようになる。このため、非画像部と現像スリーブの電位差が減少し、かぶりが発生するとともに、画像部と現像スリーブの電位差が減少することから画像濃度が低下してしまう。これは、反転現像だけでなく正規現像を行った場合にも同様に起こりうる。
このような問題は、二成分現像における磁性キャリアの体積抵抗値が低いことが、本質的な原因であり、磁性キャリアの体積抵抗値を高くする、つまり1010Ω・cm以上の体積抵抗値をもつ磁性キャリアを用いることにより、現像時に感光体に電荷が注入されることはなくなり、上記のかぶりのような問題は起こらなくなる。
そこで、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmのアモルファスシリコン感光体を用いた場合は、体積抵抗値が1010Ω・cm以上の比較的高抵抗な磁性キャリアを用いれば、上記のかぶり、濃度低下等の問題は回避できるが、先に述べたように、スリーブとドラムの電位差が未充填なまま現像が終了してしまうという問題が生じてしまう。
更に、未充填なまま現像が終了してしまう場合には、別の問題として、複写画像にエッジ強調が発生してしまう。
エッジ強調は以下の(A)、(B)に記載する例のような形態で発生する。
(A)ベタ白部(非画像部)、或いは比較的低濃度部の画像領域内にベタ黒(画像部)領域が存在する時、ベタ黒濃度領域のエッジ部の濃度が濃く、ソリッド部の濃度がエッジ部に比べて薄くなる。この中でエッジ強調レベルは、現像スリーブと感光体ドラムの移動方向が、その最近接部で同方向(順方向)の場合、搬送方向後端のエッジが一番高い。このベタ黒後端のエッジ強調は、通常、「はき寄せ」と称される。
(B)ハーフトーン濃度領域内にベタ黒画像(例えばベタ黒文字)がある場合、ベタ黒領域の周りのハーフトーン領域の濃度が薄くなる。このエッジ強調は、現像スリーブと感光体ドラムの移動方向が、その最近接部で同方向(順方向)の場合には、ベタ黒領域の、搬送方向で先端のハーフトーンが白く抜ける。このハーフトーン濃度領域が白く抜ける現象は、通常、「白抜け」と称される。
(A)掃き寄せ、(B)白抜け等のエッジ強調は、ベタ黒部とその回りの低濃度部の電位差が大きい場合により強く発生する。又、上述したように、エッジ強調は、現像スリーブと感光体ドラムの移動方向の影響も受けている。但し、現像スリーブと感光体ドラムの移動方向依存に関しては、本明細書では詳述しない。
以上のようなエッジ強調が発生する状況からも分かるように、ハーフトーン領域とベタ黒部のように電位差の大きな画像同士が隣接する境界部の電界のまわりこみ現象が、エッジ強調の本質的な要因である。
現像時、感光体ドラムと現像スリーブの最近接位置近傍の現像領域においては、感光体ドラム上に形成された静電潜像の電位と、現像スリーブの電位(現像バイアスのDC成分)と、の間の電界を、現像剤に含まれるトナーが現像剤中から感光体ドラム側に移動することで打ち消そうとする。通常は、感光体ドラム上に形成された静電潜像の電位と、感光体ドラム近傍の磁気ブラシの電位と、の間の電界を打ち消すようにトナーが移動して、定常状態となって現像が終了する。従って、現像終了時までにはハーフトーン領域とベタ領域の電位差は、現像されたトナーにより打ち消されるとともに、電界のまわりこみも無くなりエッジ強調も生じない。
しかし、アモルファスシリコン感光体の場合は、静電潜像の電位と現像スリーブの電位との間の電位差が打ち消されない未充填なまま現像が終了してしまうため、電界のまわりこみは消えずエッジ強調が生じやすい。
更に、現像剤の体積抵抗値が高いと、静電潜像近傍に対向電極効果が働かないことと相まって、電界の差が発生する画像のエッジ部が、特に強調されやすいのである。
以上に説明したように、像担持体としてのアモルファスシリコン感光体に対して従来の二成分現像方式を採用した現像を行う現像装置及び画像形成装置においては、以下の(1)、(2)に記載するような2つの問題が生じる。
(1)二成分現像剤に含まれるキャリアを比較的高い体積抵抗のものを使用すると、アモルファスシリコン感光体表面は、潜像工程において、露光することによって光生成キャリアが残留しやすいため、現像能力が下がり、現像工程にて現像バイアス電位と感光体表面の潜像電位Vlとの電位差が十分に小さくなる定常状態にならないので、SDギャップの変動に影響されやすく、形成画像に濃度ムラ、エッジ強調が生じやすい。
(2)その対策として、二成分現像剤に含まれるキャリアの体積抵抗を比較的低いものとすれば、アモルファスシリコン系の感光体ドラムのように表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の感光体においては、磁性キャリアから感光体に電荷注入されてしまうため、非画像部と現像スリーブ電位との電位差が減少し、形成画像にカブリや濃度低下が生じやすい。
米国特許第2297691号公報
特公昭42−23910号公報
特公昭43−24748号公報
(1)二成分現像剤に含まれるキャリアを比較的高い体積抵抗のものを使用すると、アモルファスシリコン感光体表面は、潜像工程において、露光することによって光生成キャリアが残留しやすいため、現像能力が下がり、現像工程にて現像バイアス電位と感光体表面の潜像電位Vlとの電位差が十分に小さくなる定常状態にならないので、SDギャップの変動に影響されやすく、形成画像に濃度ムラ、エッジ強調が生じやすい。
(2)その対策として、二成分現像剤に含まれるキャリアの体積抵抗を比較的低いものとすれば、アモルファスシリコン系の感光体ドラムのように表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の感光体においては、磁性キャリアから感光体に電荷注入されてしまうため、非画像部と現像スリーブ電位との電位差が減少し、形成画像にカブリや濃度低下が生じやすい。
本発明の目的は、非晶質シリコンを主な構成要素とし、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体ドラムを像担持体として用い、該像担持体表面に形成された静電潜像に対して交番電界下で二成分接触現像を行なった場合に、かぶりや画像濃度の低下を発生することなく、画像部においてトナーの電荷が現像スリーブと感光体ドラムの電位差をほぼ打ち消す定常状態まで現像が行われ、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードが広く、更にはき寄せや白抜け等のエッジ強調による画像不良も発生せず、良好な画像形成を実施できる現像装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る現像装置にて達成される。要約すれば、本発明は、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmの表面層を有する像担持体上に形成された静電像をトナー及びキャリアを含む現像剤にて接触現像する現像装置において、
前記像担持体との対向部へ現像剤を担持搬送する現像剤担持体を複数設け、キャリアの体積抵抗値を1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下としたことを特徴とする現像装置を提供する。
前記像担持体との対向部へ現像剤を担持搬送する現像剤担持体を複数設け、キャリアの体積抵抗値を1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下としたことを特徴とする現像装置を提供する。
本発明の現像装置は、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmの表面層を有する像担持体上に形成された静電像をトナー及びキャリアを含む現像剤にて接触現像する現像装置において、像担持体との対向部へ現像剤を担持搬送する現像剤担持体を複数設け、キャリアの体積抵抗値を1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下としたので、アモルファスシリコン感光体ドラム表面に形成された静電潜像を現像する現像装置において、複数の現像剤担持体である現像スリーブを感光体ドラム表面に沿って、その移動方向上流、下流に並べて配置することができ、複数回の現像機会を設けることができるので、現像部における電荷注入を防止するとともに、画像部にトナーが未充填である状態で現像が終了する問題を解消でき、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードが広く、かぶり、濃度低下、及びエッジ強調等の画像不良が生じない、高画質な画像を形成することができる。
以下、本発明に係る現像装置を図面に則して更に詳しく説明する。尚、現像装置及びそれが設けられた画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例1
図1は、本発明を実施した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本実施例は単色の画像形成装置であるが、これに限らず、例えばフルカラーの画像形成装置等にも本発明が好ましく適用できる。
図1は、本発明を実施した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本実施例は単色の画像形成装置であるが、これに限らず、例えばフルカラーの画像形成装置等にも本発明が好ましく適用できる。
画像形成装置(複写機)は、原稿台10及び光走査ユニット9を有するリーダ部110と、その下部に配置された、像担持体としての感光体ドラム1、現像装置4及びレーザ走査部100等を含む画像形成手段を有し、画像形成工程が実施されるプリンタ部120と、で構成され、原稿台10上に原稿Gを複写すべき面を下側にして置き、コピーボタンを押すと、原稿Gの複写、即ち画像形成が開始される。
リーダ部110においては、原稿Gである外部情報が画像信号に変換されてプリンタ部120に発信される。
リーダ部110に備えられた光走査ユニット9は、原稿照射用ランプ(不図示)、短焦点レンズアレイ(不図示)、CCDセンサ(不図示)を一体に組込んで構成されており、画像形成装置の外側に備えられたコピーボタン(不図示)が押されることにより、このユニット9が照射用ランプで原稿Gを照射しながら走査し、その照射光の原稿G面からの反射光が短焦点レンズアレイによって結像してCCDセンサに入射される。CCDセンサにより、得られた画像信号(アナログ信号)は、周知の画像処理によりデジタル信号に変換された後、プリンタ部120に送られる。
プリンタ部120において、画像形成工程が実施される。まず、リーダ部110から送信されてきた原稿Gについての画像信号に基づいて、像担持体である感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。ここで、感光体ドラム1は、中心支軸を中心にして所定の周速度で回転駆動され、回転過程において、それぞれの画像形成工程が実施されていく。
そのために第1工程である帯電工程にて、感光体ドラム1表面が帯電手段としての接触帯電部材である帯電器3により表面が例えば650Vとなるように一様な帯電処理を受ける。
次いで、一様に帯電された感光体ドラム1表面に対して、第2工程である潜像形成工程にて、潜像形成手段ここでは露光手段であるレーザ走査部100の固体レーザ素子102(図6参照)が、上記リーダ部110から送信されてきた画像信号(デジタル信号)を受けて、ON/OFF発光によりレーザ光Lを発生し、回転多面鏡を用いて、その露光であるレーザ光Lにより感光体ドラム1の表面を走査し、感光体ドラム1の表面に原稿画像に対応した静電潜像が順次形成される。
こうして感光体ドラム1に形成された静電潜像は、第3工程である現像工程において、感光体ドラム1の周囲に設置された二成分現像装置4により現像され、現像剤像(トナー像)として可視化される。
感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、第4工程である転写工程にて、給紙カセット80から搬送されて来る転写材P上に転写される。
ここで、感光体ドラム1の下側には、転写手段として、駆動ローラ72および従動ローラ73に掛け廻されて、矢印D方向に回動する転写ベルト71が設置されている。転写材Pは給紙カセット80から取り出され、感光体ドラム1の回転と同期をとって適正なタイミングで転写ベルト71上に給紙され、所定のタイミングで感光体ドラム1と転写ベルト71とが当接した転写部70に搬送される。転写ベルト71の転写部70の内側には転写帯電ブレード74が設置され、この転写帯電ブレード74により転写ベルト71を感光体ドラム1の方向に押圧しつつ、転写帯電ブレード74に図示しない高圧電源から給電することにより、転写材Pに裏面側からトナーと逆極性の帯電を行なって、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写材P上に静電転写する。
本実施例では、転写ベルト71として厚さ75μmのポリイミド樹脂のシートを用いた。転写ベルト71としては、他に、ポリカーボネート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエテールエーテルケトン樹脂、ポリエテーテルサルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂シート、あるいはフッ素系やシリコン系のゴムシートを好適に用いることができる。転写ベルト71の厚みも75μmに限定されるわけではなく、約25〜2000μm、好ましくは50〜150μmのものを好適に使用することができる。
転写帯電ブレード74としては、抵抗が105〜107Ωで、厚さが2mm、長さが306mmのものを用いた。転写時、転写帯電ブレード74に印加した電流は+15μAで、これを定電流制御して給電した。
以上のようにして、トナー像が転写された転写材Pは、転写ベルト71から分離したのち定着手段である定着器6へ搬送され、第5工程である定着工程にて、転写材Pを加熱及び加圧して画像の定着を行ない、画像形成物としてのプリント画像として画像形成装置の機外に出力される。
トナー像を転写後の感光体ドラム1は、表面に付着した転写残りのトナー等の汚染物をクリーナ5によって除去し、繰り返し画像形成に使用される。
画像形成は以上の画像形成工程を経て行なわれるが、本発明は、以上説明してきたような1つの感光体ドラムで画像形成を行なう例に限定されるものではなく、例えば、転写ベルト71の回りに複数の感光体ドラムとそのそれぞれに対応して設けられた複数色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等)の現像器とがセットになって並べて配置される、タンデム方式にもあてはまるものである。又、感光体ドラムから中間転写体にトナー像が一次転写されて、中間転写体から転写材に二次転写される中間転写方式の構成においても適用できる。
ところで、感光体ドラム1としては、直径60mmのアルミ製等の金属のドラム基体上に、非晶質のシリコンを含むアモルファスシリコン感光体層を設けて構成されているアモルファスシリコン感光体が使用されている。そして、その体積抵抗率は、1×109〜1×1014Ω・cmである。本実施例では、感光体ドラム1は負帯電性である。
そして、従来にて説明したように、本発明では109〜1014Ω・cmの比較的低い体積抵抗値の表層を持つ感光体ドラム1を用いるため、現像剤が含む磁性キャリアが低抵抗率であることにより生じる、現像部での電荷注入を防ぐために、現像工程に使用する二成分現像剤中の磁性キャリアとして、1010Ω・cm以上1014Ω・cm以下の、比較的高体積抵抗値を持つものを使用する。
ここで、この感光体ドラム1に作用する画像形成工程を実施する、帯電手段である帯電器3、潜像形成手段であるレーザ露光操作部100、及び現像手段である現像装置4について説明する。
先ず、帯電手段である帯電器3について説明する。画像形成方法の第1工程における帯電工程において、アモルファスシリコンドラムに限らず表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の感光体ドラムに対しては、電荷注入帯電方式と呼ばれる帯電方法を用いることが可能である。
本実施例では、このアモルファスシリコン感光層を設けた感光体ドラム1の帯電を、帯電器3として電荷注入帯電方式の接触帯電部材、特に磁気ブラシ帯電方式の帯電器を用いて行った。
この磁気ブラシ帯電器3は、外径16mmの回転自在な非磁性スリーブ3aの内部に磁界発生手段であるマグネット3bを非回転に固定設置して構成され、マグネット3bの磁界により非磁性スリーブ3上に保持した磁性粒子3cを穂立ちさせて磁気ブラシに形成し、その磁気ブラシ3cを感光体ドラム1の表面に接触するようになっている。
磁気ブラシとされた磁性粒子3cは、非磁性スリーブ3aの回転により搬送され、そして非磁性スリーブ3aに帯電電圧を印加することにより、磁性粒子3cを通して感光体ドラム1に電荷が付与され、感光体ドラム1の表面が帯電電圧に対応した電位に帯電される。
磁性粒子の磁気ブラシ3cによる感光体ドラム1の帯電は、磁気ブラシ3cの感光体ドラム1との接触部のニップ幅を約6mmに調整し、非磁性スリーブ3aに印加する帯電バイアスを、−700Vの直流電圧に周波数1000Hz、振幅800Vの矩形波の交番電圧を重畳したバイアスとすることにより、良好に実施できた。
非磁性スリーブ3の回転方向(磁気ブラシ3cの回転方向)は、図に示すように、A方向に回転する感光体ドラム1に対し、B方向のカウンタ方向とすることが好ましく、感光体ドラム1の帯電が良好になる。又、非磁性スリーブ3aの回転速度が速いほど感光体ドラム1の帯電が均一になる傾向がある。本実施例では、非磁性スリーブ3aの回転速度を、感光体ドラム1の回転速度300mm/秒に対し1.5倍の周速度とした。
磁気ブラシ帯電器3に用いる磁性粒子3cとしては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、体積抵抗値が102〜1010Ωcmのものが好ましく、感光体ドラム1にピンホールような絶縁の欠陥が存在した場合のことを考慮すると、より好ましい体積抵抗値は106〜1010Ωcm程度である。本実施例では、平均粒径が25μm、飽和磁化が200emu/cm3、体積抵抗値が5×106Ωcmの磁性粒子を用いた。磁性粒子の抵抗値の測定方法は、現像用磁性キャリアの測定と同じであり、後述する。
磁性粒子としては、樹脂中に磁性材料としてマグタイトを分散し、導電化および抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、あるいはフェライト等のマグネタイト単体表面を酸化・還元処理して抵抗調整を行ったもの、あるいはマグネタイト単体表面を樹脂でコーティングして抵抗調整したもの等が用いられる。
尚、帯電工程に関しては、上記のような方式に限定されるものではなく、例えばコロナ帯電方式を用いてもよいが、上記電荷注入帯電方式は、放電のかわりに直接電荷を注入し感光体表層を帯電することから、低オゾンなどの面で有利であり、本発明で用いられるような比較的表層抵抗が低い感光体ドラムを用いた画像形成装置の場合には電荷注入帯電方式をより容易に用いることができることもあり、上記電荷注入帯電方式が適している。
帯電器3による第1工程である帯電工程が終了した後には、上記に説明した方法で感光体ドラム1上に静電潜像が形成される第2工程が行われる。
第2工程である潜像形成工程を実施する潜像形成手段、ここでは露光手段としてのレーザ操作部100について説明する。図6に、上記の固体レーザ素子102を備えた露光手段であるレーザ走査部100の概略構成を示す。レーザ走査部100では、まず、入力された画像信号に基づき発光信号発生器101により固体レーザ素子102を所定タイミングで明滅させる。このようにして固体レーザ素子102から放射されたレーザ光L0を、コリメータレンズ系103により略平行な光束L1に変換し、さらに矢印b方向に回転する回転多面鏡104により走査するとともに、fθレンズ群105a、105b、105cにより感光体ドラム1の被走査面106にスポット状に結像する。このようなレーザ光Lの走査により、被走査面106上に画像1走査分の露光分布が形成され、更に各走査ごとに被走査面106を前記の走査方向とは垂直に所定量だけスクロールすることにより、被走査面106上に画像信号に応じた露光分布が得られる。つまり、静電潜像が形成される。
第3工程にて、この静電潜像が感光体ドラム1の周囲に設置された二成分現像装置4により現像され、現像剤像(トナー像)として可視化される。
現像工程においては、前記に述べたように、109〜1014Ω・cmの比較的低い体積抵抗値の表層を持つ感光体ドラム1に対して、現像部40での電荷注入を防ぐために、現像工程に使用する二成分現像剤中の磁性キャリアとして、1010Ω・cm以上1014Ω・cm以下の体積抵抗値を持つものを使用する。
本実施例で使用されている磁性キャリアの物性値を、以下に説明する。
磁性キャリアの体積抵抗値(比抵抗)が109Ω・cmより小さい場合は、現像部40での電荷の注入が発生しやすくなる。1014Ω・cmより大きいキャリアを使用した場合は、現像剤として電気的にほぼ絶縁性になり、現像能力の低下やエッジ強調が顕著に表れ、現像プロセス構成を工夫しても抑制するのが困難になる。
従って、本発明では、キャリアの抵抗を1010Ω・cm以上1014Ω・cm以下にすることが必要である。本実施例においても、体積抵抗値がこの領域内にあるものを用いている。
磁性キャリアの体積抵抗値である比抵抗は、セルに磁性キャリアを充填し、この充填したキャリアに接するように1対の電極の一方、他方を配し、これらの電極間に電圧を印加して、そのときに流れる電流を計測することにより測定した。比抵抗の測定条件は、充填したキャリアと電極の接触面積が約2.3cm2、キャリア充填厚さが約2mm、上部電極の荷重が180g、印加電圧が100Vであった。この場合、磁性キャリアが粉末であるため充填率に変化が生じることがあり、それにともない比抵抗が変化するので、そうならないようにキャリアの充填に慎重を要する。尚、帯電工程で用いた磁性粉についても同様な測定法で体積抵抗値を計測した。
ところで、従来例にても説明したように、アモルファスシリコン感光体ドラムを使用した場合、露光時に発生した光生成キャリアが、現像時にトナーと結合し多くのトナーの電荷を奪うため、感光体ドラム1上に形成された潜像電位をトナーの電荷によって打ち消しづらく、結果として、未充填な状態のまま現像が終了してしまう。その結果、スリーブ・ドラム間距離の変動等に弱くムラが生じやすくなったり、またエッジ強調が発生しやすくなる。そして、このような問題は、上述のような体積抵抗値が1010Ω・cm以上1014Ω・cm以下の領域のキャリアを含む現像剤を使用した場合、現像能力が低下するためにより顕著である。
しかし、本発明者らの検討によると、アモルファスシリコン感光体ドラムを用いても、1つの静電潜像に対し現像機会が2度以上あれば、つまり、静電潜像の一度現像された部分を再度現像することによって、ドラムとスリーブ間にほぼ電位差の無い充填状態で現像を終了でできることを見出した。そこで、本発明では、現像手段において、複数の現像スリーブを感光体ドラム表面に沿って、その移動方向上流、下流に並べて配置するものとし、1つの静電潜像に対し複数回の現像機会を設けることで、目的を達成することとした。
従って、本実施例では、こうしたエッジ強調に対するプロセス(ハード)的対策として、複数の現像器を用いて、それら各々に設けた現像剤担持体である現像スリーブ11を使用する構成をとっている。
現像手段である二成分現像装置4について説明する。本発明の画像形成装置では、従来と同様、内部に磁界発生手段が配置されている現像剤担持体(現像スリーブ)の表面に、トナーと上記に説明した体積抵抗値を有するキャリアとを含む二成分現像剤を担持して、感光体ドラム1との対向部である現像部40へ搬送し、磁界発生手段の現像磁極により現像部40に現像剤の磁気ブラシ19a(図2参照)を形成して、感光体ドラム(像担持体)1上の静電潜像を現像する二成分接触現像法を採用する。そして、図1に示されるように、本実施例の現像装置4では、現像スリーブ11は、感光体ドラム1の表面の移動方向(回転方向)に沿って、上流と下流に設けられた現像器4a、4bそれぞれの一構成要素として、設置されている。
この現像装置4を構成する現像器4a、4bの構成を、図2に詳しく示す。現像器4aと現像器4bは同じ構成であり、感光体ドラム1の外周の上流、下流に配置していることにより、現像スリーブ11内の磁界発生手段であるマグローラ12のマグネットパターン等の違いはあるが、同じ原理で作られているので、説明は感光体ドラム1の回転方向で上流側の現像器4aを代表として現像器41として説明を行なう。現像器41は4aにも4bにも置き換え可能である。
本現像器41は、二成分磁気ブラシ現像器に構成されている。現像器41は、上記に説明したトナーと磁性キャリアを含有する二成分現像剤19を収容した現像容器16を備える。その現像容器16の感光体ドラム1と対面した開口部に、現像剤19を担持して感光体ドラム1と対向した現像部40に搬送する現像剤担持体である現像スリーブ11が設置され、現像スリーブ11は、感光体ドラム1との対向部が同方向に移動する向きに回転する。
ここで、現像スリーブ11の直径は30mm、感光体ドラム1の直径は80mm、又、この現像スリーブ11と感光体ドラム1との最近接領域を約400μmの距離とすることによって、現像部40に搬送した現像剤19を感光体ドラム1と接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。本実施例では、この時、現像スリーブ11回転方向で現像部より上流にて現像スリーブ11に対向している規制部材である規制ブレード15によって、現像スリーブ11上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cm2に規制している。現像スリーブ11はAlやSUS等の導電性の材質で形成されている。
現像スリーブ11内には磁界発生手段であるマグネットローラ12が固定配置され、又、本実施例では現像スリーブ11のほぼ頂部に対し、上記に説明した導電性磁性の規制ブレード15が垂直に配置されている。規制ブレード15と現像スリーブ11は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施例では600μmに設定した。
更に、現像容器16内には、底部に現像剤19を攪拌搬送する2本の現像剤撹拌搬送スクリュー13、14が配置される。そして、両スクリュー13と14の間には、スクリューの軸方向両端部にて開口した仕切壁16aが備えられ、現像スリーブ11に近い方のスクリュー13が備えられている方が、現像スリーブ11に現像剤19を供給する現像室13aであり、遠い方のスクリュー14が配置されている方が現像剤19を攪拌して均一にする攪拌室14aである。そして、現像剤19は現像室13aと攪拌室14aとの間をスクリュー13、14の回転により循環している。攪拌室14aには、新しいトナーが補給されることが多い。
感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像器41を用いて二成分磁気ブラシ現像法により、以下のようにして現像される。まず、現像スリーブ11が回転され、その回転にともなってマグネットローラ12の現像容器16内部側に位置する磁極N3により、現像容器16内の現像剤19が現像スリーブ11上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤19は、現像スリーブ11の回転移動によって、磁極S2からN1へと搬送される。この搬送過程で、現像剤は規制ブレード15により現像剤層の厚みを磁気的に規制されて、現像スリーブ11上に薄層の現像剤層に形成される。その現像剤薄層は、マグネットローラ12の現像主極S1に搬送されて来ると、現像主極S1の磁力により感光体ドラム1に向けて穂立ちする。この現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)19aが感光体ドラム1の表面に接触して、感光体ドラム1上の静電潜像を現像し、静電潜像がトナー像として可視化される。
この現像のとき、現像スリーブ11には感光体ドラム1との間に、バイアス電源17から直流電圧及び交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。本実施例では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが2kV、周波数fが12kHzの交流電圧である。直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。ただし一般に、二成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になる、さらに言えば、交流電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧を増していったり、交流電圧の周波数を増していくとさらに画像は高品位になる。そのため、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppは1.0kV以上より好ましくは1.5kV以上、周波数fは8kHz以上にすることで高品位な画像が得られる。
しかしながら、その一方で、本発明で用いられるように表層の体積抵抗値の低いドラムを用いた場合には、交流電圧を印加したり、さらにそのピーク・ツウ・ピーク電圧を増したり、周波数を増したりすると、現像部40における感光体ドラム1への電荷注入が生じやすくなる。1010〜1014Ω・cm程度の高抵抗なキャリアを用いた場合、電荷注入は一般に生じないが、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppは2.5kV以下より好ましくは2.1kV以下、周波数fは20kHz以下にすることで、例えば、感光体ドラム1の製造時のムラのために低抵抗な部分がある場合や、極度に高湿な環境で現像剤の抵抗が実効的に低下した場合などにも電荷注入は生じにくい。
ところで、交流電圧を印加すると現像効率があがる一方で、逆にかぶりが発生しやすくなる。このため、本実施例においては、現像スリーブ11に印加する直流電圧と感光体ドラム1の帯電電位(非画像部電位)との間に電位差を設けることによりかぶりを防止している。
又、現像部40においては、現像器4a、4bの現像スリーブ11は、共に感光体ドラム1の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光体ドラム1.75倍で移動している。この周速比に関しては、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、1.2〜2.5倍の間に設定されれば、何倍でも構わない。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、大きすぎると、トナー飛散、剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
本実施例において、上記に説明した構成の2つの現像器4a、4b、及び低磁化、高体積抵抗値を有する二成分現像剤19を用いて、現像を行なった場合、感光体ドラム1の回転方向で上流側に位置する現像器4aの現像スリーブ11と感光体ドラム1の対向部の現像部40では、感光体ドラム1上の静電潜像に対して、1回目の現像が行なわれる。
1回目の現像時には、現像スリーブ11と感光体ドラム1の電位差を埋めるに至らない未充填な状態で現像が終了する。即ち、現像スリーブ11上にコートされた現像剤19中から、現像スリーブ11と感光体ドラム1上に形成された静電潜像との間で形成された電界に応じて、トナーが飛翔した結果、現像終了段階まで達していない状態である。
ここで述べた現像終了段階とは、現像終了後に静電潜像の電位と現像スリーブ11の電位との間の電位差をトナーが移動することで解消した定常状態、即ち、現像後にトナーが付着した状態の電位を測定した時、電位が現像スリーブ11に印加したDC電位(Vdc)にほぼ収束している状態である。本件ではそのように定義する。
アモルファスシリコン感光体の場合、露光時の光生成キャリアが残存し、トナーが現像されると、トナーは光生成キャリアに電荷を奪われるため、所謂現像終了段階まで持っていきづらい。さらに、本実施例の構成の場合、高抵抗キャリアを用いており、現像終了段階まで特に持っていきづらい。
そこで、2回目の現像では、1回目の現像でトナー電荷と光生成キャリアの結合はある程度終了し、残存した光生成キャリアがほぼなくなった状態になっていることから、その状態を初期電位状態として、更に2回目の現像を行なうことで、トナー電荷と光生成キャリアの結合による電荷の消失はほとんど起こらず、現像終了段階に達するようにさせることができる。
その結果、現像終了段階に達していなかったことによる、現像スリーブ11と感光体ドラム1間の距離(SDギャップ)の変動等によるムラやエッジ強調は発生しなくなる。
ここで、本発明に使用される現像剤について説明する。
本発明では、上記の体積抵抗を有する比較的高体積抵抗値を有する磁性キャリアが使用されるが、磁性キャリアを構成する金属酸化物として、磁性を示すMO・Fe2O3又はMFe2O4の一般式で表されるマグネタイト、フェライト等を好ましく用いることができる。ここで、Mは2価あるいは1価の金属イオンMn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd、Li等が相当し、Mは単独あるいは複数の金属として用いることができる。例えばマグネタイト、γ酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ca−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトといった鉄系酸化物を挙げることができる。
上述した金属酸化物は単独で、キャリアコアとして用いることもできるが、その場合、コア表面を強烈に酸化させる等の処理を行い、コア比抵抗を1×1010Ωcm以上にして用いることが必要である。あるいは、キャリア表面コート種、厚さ等を調整することにより、1×1010Ω・cm以上としてもよい。
高抵抗なキャリアコアを現像磁性キャリアとして用いる場合、特に好ましいキャリア形態として、樹脂に上記の金属酸化物を分散してキャリアコアとして用いることが挙げられる。この場合、1種類の金属酸化物を樹脂に分散して用いることもできるが、特に好ましくは少なくとも2種以上の金属酸化物を混合した状態で用いることができる。
この場合、上記の磁性金属酸化物の他に、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Ba、Pb等の金属を単独あるいは複数用いた非磁性の金属酸化物及び上記磁性を示す金属酸化物を使用できる。例えば非磁性の金属酸化物としてAl2O3、SiO2、CaO、TiO2、V2O5、CrO2、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y2O3、ZrO2系等を使用することができる。
尚、その場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性、キャリア強度を高めるためにより好ましい。例えば、マグネタイトとヘマタイト、マグネタイトとSiO2、マグネタイトとAl2O3、マグネタイトとTiO2、マグネタイトとCa−Mn系フェライト、マグネタイトとCa−Mg系フェライト等を好ましく用いることができる。中でも、マグネタイトとヘマタイトの組み合わせが価格面、キャリア強度の面から好ましく用いることができる。
本発明の現像磁性キャリアの平均粒径は、個数平均粒径で5〜100μm、100mTでの飽和磁化は20〜250emu/cm3であることが好適である。個数平均粒径が5μm未満では、特に本発明の画像形成方法のような、接触二成分現像プロセス、AC現像バイアスを用いる現像方式の場合、いかに上記のごとき実質的に高抵抗の現像磁性キャリアであってもキャリア付着を免れ得ない場合があった。又、個数平均粒径が100μmを超えると、本発明の目的である細線再現性に優れた高画質トナー画像が得られない場合がある。より好ましくは、20〜45emu/cm3とするのがよい。飽和磁化に関しても、20emu/cm3以下の場合、キャリア付着が問題になり、一方250emu/cm3以上でも大きな問題はないが、高画質という観点からは摺擦による掃きめムラが目立つようになる。より好ましくは100〜220emu/cm3とするのがよい。
本発明で使用したキャリア粒径の測定方法を記載する。本発明のキャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出するものとする。
一方、飽和磁化は、キャリアの磁気特性を理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置にて、100mTの外部磁場中にパッキングしたキャリアの磁化(emu/g)を求め、その後キャリアの真比重(g/cm3)をかけることで磁化量(emu/cm3)を算出した。
上記の磁性キャリアとともに現像剤に使用されるトナーとしては、従来公知の、例えばいわゆる粉砕法や重合法で作成されたトナー等を用いることができる。トナーの体積平均粒径は4〜15μmが好適である。高画質という観点からはより小粒径なトナーがよく、4〜7μmがより好適である。ただし、小粒径化によって細線再現性が増した分、エッジ強調等画像不良も再現性がよくなったぶん目立つようになる。そのため、本発明はこのような小粒径トナーでもエッジ強調を目だたなくさせるのに好適である。
トナーの体積平均粒径は、たとえば下記の測定法で測定することができる。
測定装置としてコールカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、これに、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェース(日科機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続する。電解液は、塩化ナトリウム(試薬1級)を用いて1%NaCl水溶液を調製する。
上記の電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料のトナーを0.5〜50mg加えて懸濁する。この試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分分散処理した後、上記のコールカウンターTA−II型により、100μmのアパチャーを用いて2〜40μmのトナー粒子の粒度分布を測定し、トナーの体積分布を求める。このようにして求めたトナーの体積分布からトナーの体積平均粒径が得られる。
又、本発明で使用する外添剤は、トナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この外添剤の粒径は、顕微鏡によるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。外添剤は、トナー100重量部に対し0.01〜15重量部が用いられ、好ましくは0.05〜12重量部である。
外添剤としては次のようなものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;カーボンブラック;シリカ等。これら外添剤は単独で使用しても、複数併用してもよい。好ましくは疎水化処理を行なったものがよい。
以上の成分から構成されるトナーの帯電極性は、ネガ極性、ポジ極性どちらでも可能であるが、本実施例では、ネガ帯電極性のトナーを用い、キャリアとの摩擦により帯電する平均帯電量(単位重量当りの電荷量;以下Q/M)が−1.0×10−2C/kg〜−6.0×10-2C/kgのものを用いた。
以上、説明してきたように、本発明は、アモルファスシリコンドラムを用いた現像装置において、1010Ω・cm以上1014Ω・cm以下の体積抵抗値を有する磁性キャリアを使用し、且つ複数の現像スリーブを感光体ドラム表面に沿って、その移動方向上流、下流に並べて配置し、現像に使用する画像形成装置に関するものであり、即ち、キャリアの抵抗値を高くすることにより現像領域における電荷注入を防止するとともに、未充填状態で現像が終了する問題を複数回の現像機会を設けることで解消し、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードが広く、さらに発生するエッジ強調が生じないようにしたことに要約される。
そして、本実施例においては、その複数の現像機会を、1つの現像スリーブを有する現像器を2つ用いることによって、2回に増やした。尚、現像機会は2回より多くてもよく、3回以上に増やせばそれだけ十分にトナーが静電潜像に移動し、良好な現像が達成できる。よって、現像器は3個以上設けても良い。
又、現像器の構成は現像スリーブを有するものなら、他の構成のものでも良い。
本発明における現像装置には、現像剤として二成分現像剤を用い、現像剤磁気ブラシが潜像担持体に接触して摺擦しつつ交番電界をかけながら現像を行う、いわゆる接触二成分AC現像が最適である。これは、前述したように、細線再現性に優れた高画質トナー画像を得るためである。
更に、二成分現像剤を構成する磁性キャリアを実質的に高抵抗化することにより、トナーカブリとキャリア付着を防止しつつ、細線再現性の良好な画像が得られる。
更に、像担持体上の静電潜像を複数の現像剤担持体により現像することで、トナーの電荷が現像剤担持体と像担持体の電位差をほぼ打ち消す充填状態まで現像が行われ、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードが広く、更には、はき寄せや白抜けのようないわゆるエッジ強調による画像不良もない高画質画像が得られる。
本構成をとれば、体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmである少なくとも非晶質シリコンを含む表面層を有する表面が移動可能な感光ドラムに対して、高抵抗キャリアが含まれる現像剤によって、感光ドラム上に形成された潜像に対して2回以上の現像機会が存在するので、トナーの電荷が現像スリーブと感光体ドラムの電位差をほぼ打ち消す充填状態まで現像が行われ、高画質を長期にわたり実現することが出来る。
実施例2
本実施例の画像形成装置では、現像装置4の構成以外は、実施例1と同じ構成とした。
本実施例の画像形成装置では、現像装置4の構成以外は、実施例1と同じ構成とした。
図3に示すように、実施例1では現像装置4を構成する現像器41として2個の独立した現像器4a、4bを用いているのに対し、本実施例では、1個の現像器4c内に2本の現像スリーブ11cと11dを含有している。
このように、現像スリーブを複数備えた現像器を1つ用いれば、現像機会は2回あり、本発明の目的は達成できる。そうした現像器の一例として、本実施例で用いた現像器に関して、図3、図4を用いて説明する。
本現像器4cは、実施例1の現像器4a、4bと同様に、二成分磁気ブラシ現像器として構成されており、実施例1にて説明したトナーと磁性キャリアを含有する二成分現像剤19を収容した現像容器16を備える。図4に示すように、その現像容器16の感光体ドラム1と対面した開口部に、現像剤19を担持して感光体ドラム1と対向した現像部40に搬送する現像剤担持体である現像スリーブ11c、11dを2個、隣り合わせて感光体ドラム1に対向させて、現像部を2個設け、その移動方向に沿って上流側と下流側に設けられている。ここでは、現像スリーブ11c、11dは、共に感光体ドラム1との対向部が同方向に移動する向き、それぞれ矢印C、D方向に回転する。
図4に示すように、感光体ドラム1移動方向上流側の現像スリーブ11c内のマグローラー12cの、現像部40より現像スリーブ11c回転方向上流に位置するS1極と現像剤層厚規制ブレード15で現像剤層厚が規制される。そして実施例1と同様に、図示しない電源から現像バイアスが両者の現像スリーブ11cと11dに、共通に印加される。現像バイアスに関しては実施例1と同様のものを印加する。
2本の現像スリーブ11cと11d各々の構成は、実施例1の現像器4a、4bに設けられた現像スリーブと11と同じで、それぞれ、内側に固定された磁界発生手段であるマグネットローラ12c、12dが配置された、回転可能な非磁性円筒11c、11dから構成される。
この2本の現像スリーブ11c、11d上の剤の流れは、感光体ドラム1の移動方向、上流側の現像スリーブ11cで1回目の現像が終了した現像剤が、下流側の現像スリーブ11dに受け渡されて、2回目の現像を行う。現像スリーブ11cと11d間の現像剤の受け渡しは、両現像スリーブ11c、11d内のマグローラ12c、12dのそれぞれに設けられている対向するN3極とS3極にて行われる構成である。
この構成の場合、2回目の現像時のT/D比が確実に低下しているので、1回目の現像後の現像剤19が確実に攪拌されずに、現像剤19中のキャリアに誘起される逆電荷(キャリアからトナーが剥がされることにより、キャリアに誘起される逆電荷(+側)即ちカウンタチャージ)が残っている場合は、2回目の現像時にハキメムラ等が発生しやすくなる。しかし、本構成のようにすれば、カウンタチャージが発生した現像後の剤が上流スリーブ11c上を移動し、更に下流スリーブ11dに受け渡されて、2回目の現像を行なうまでの間に、充分なトナーとキャリアの動きがあることで、カウンタチャージは消滅する。その結果、T/D比は下がるもののハキメムラ等は発生しない。
この系の場合、現像器を2個、感光体ドラム1の回りに配置することがなく、1個の現像器で対応が可能となり、構成が簡略化できる。
尚、図2を用いて説明した実施例1の現像器41及び図4に示す本実施例の現像器4cにおいて、現像容器16に設けられた攪拌搬送スクリュー13、14は、長手方向の攪拌搬送を行なうらせん状のスクリューを用い、スクリュー13、14を左右に水平に配置したが、図5に示す現像器4dのように上下に配置してもよい。スクリュー13、14を水平に配置しても、上下に配置しても基本的な機能は変わらない。ここでは、スクリュー13が配置された上方の収容部を現像室13aとした。この現像器4dの特徴としては、スクリュー13、14を水平に配置した図4に示す現像器4cがスクリュー13の配設された現像室13aが、現像スリーブ11cへ現像剤19を供給すると同時に、現像スリーブ11dから現像剤を回収しているのに対し、図5に示した現像器4dは、現像室13aにおいて、スクリュー13から矢印Eに従って現像剤19が現像スリーブ11cに供給されるが、下方の現像スリーブ11dから現像剤19は矢印Fに従って下方のスクリュー14の配設された攪拌室14aに回収される。図4に示す現像器4cのように現像スリーブ11cに現像剤19を供給する現像室13aが回収する室を兼ねる場合、一度現像に供された現像剤をすぐに再び使用することとなるが、現像装置4dのように現像スリーブ11cに現像剤19を供給する現像室13aと回収する攪拌室14aが別々に設けられている場合は、このようなことがなく、現像剤19中のトナー濃度ムラ等のないフレッシュな現像剤19をいつも現像スリーブ11cに供給することが可能である。
尚、現像室と攪拌室を上下に設ける構成は、現像器1個に現像スリーブ11が1個備えられる構成のものにも適用でき、この場合も現像スリーブに現像剤を供給するのは上方の現像室であり、回収するのは、下方の攪拌室である。更に、現像スリーブの数に関わらず、この上部の現像剤を供給する現像室、下方の回収する攪拌室の構成は適用できる。
本発明の画像形成装置で使用されるアモルファスシリコンドラムは、一般にドラム上の電位のムラが生じやすいといわれているが、図5の現像装置のような構成をとることで、常にフレッシュな現像剤で現像を行うことが可能となり、アモルファスシリコンドラム特有の電位ムラを目立たなくさせることができる。
以上のように、こうした現像器を取り付けた画像形成装置において、表面層の体積抵抗値が109〜1014Ω・cm程度の像担持体を有し、交番電界下で二成分接触現像を行なった際にも、比較的高い体積抵抗値を有する磁性キャリアを使用することで、かぶりや画像濃度の低下を発生することなく、更にアモルファスシリコン感光体を用いても、トナーの電荷が現像スリーブと感光体ドラムの電位差をほぼ打ち消す充填状態まで現像が行われ、しかも、小スペース/低コストで高画質を達成することができた。
尚、現像スリーブの回転方向や、現像剤の流れは本実施例に限定されるものではないが、現像スリーブの回転方向が変わると、スリーブ上の現像剤規制の位置が変更される。
現像スリーブの数は3個以上でも良く、複数個の現像スリーブを並べて像担持体の移動方向に沿って配置し、3回以上の現像を行うようにする。
実施例3
本発明では、現像バイアス波形のみ実施例1と異なり、他の構成は全て実施例1と同じとした。本実施例で用いた現像バイアスについて説明する。
本発明では、現像バイアス波形のみ実施例1と異なり、他の構成は全て実施例1と同じとした。本実施例で用いた現像バイアスについて説明する。
本発明で用いた現像バイアスは、現像バイアスの印加方法が、現像剤に像担持体(感光体ドラム)1から現像剤担持体(現像スリーブ)11に向かう方向の力を与える電圧をある時間印加する工程と、逆に現像剤に現像スリーブ11から感光体ドラム1に向かう力を与える電圧をある時間印加する工程とを交互に複数回繰り返す交流電圧と、且つその交流電圧の現像スリーブから感光体ドラムに向かう力を与える電圧を印加した後に、感光体ドラム1上の静電潜像の画像部の電位と非画像部の電位との間の電圧値である直流電圧を上記現像スリーブ11に一定時間印加し、これら交流電圧と直流バイアスの組み合わせサイクルを繰り返すことによって行う。この現像バイアスは、一般に「ブランク・パルス・バイアス」と称される(図7参照)。
上記のような現像バイアスを印加することにより、画像部にだけトナーを飛翔させる直流バイアス(以下、「ブランクバイアス」と称す。)を印加した後、感光体ドラム近傍でトナーを振動させる交流電圧を印加するため、画像部においては、あたかも現像剤のT/D比が高まったようになり、その結果、特に、ハーフトーン部領域に対して充分にトナーを均一に供給することができ、ハキメムラの目立たない滑らかな画像が得られる。
又、現像バイアスによる、このトナーの挙動は、全濃度領域に対しても現像性を向上させることとなり、本発明の構成に対して、例えば、耐久後半にT/D比が低下した場合でも、現像性が高いまま保て、エッジ強調のみならず、ハキメムラに対しても有効に働く。このことは、トナー濃度制御や、SDギャップ、現像剤コート量等に対するラティチュードを広げることにもなる。
本実施例では、1パルス2kVpp/12kHzの矩形波を2パルスONし、6パルス分OFFしている現像バイアスを用いた。
又、こうしたブランク・パルス・バイアスは、実施例2に説明した1個の現像器に対し複数の現像スリーブを有する構成の現像器においても、それぞれの現像スリーブにも印加することができ、同様の効果が上げられる。
以上のように、複数の現像スリーブにより現像を行なう構成に、更に、ブランク・パルス・バイアスを現像バイアスとして用いれば、高画質化/長寿命化の達成と、エッジ強調といった問題点の抑制だけでなく、ラティチュードの高い現像器構成を達成することができた。
実施例4
本発明では、現像バイアス波形のみ実施例1と異なり、他の構成は全て実施例1と同じとした。本実施例で用いた現像バイアスについて説明する。
本発明では、現像バイアス波形のみ実施例1と異なり、他の構成は全て実施例1と同じとした。本実施例で用いた現像バイアスについて説明する。
本発明で用いた現像バイアスは、二成分現像剤19に像担持体(感光体ドラム)1から現像剤担持体(現像スリーブ)11に向かう方向の力を与える電圧を印加する工程と、逆に二成分現像剤19に現像スリーブ11から感光体ドラム1に向かう力を与える電圧を印加する工程と、を交互に複数回繰り返す交流電圧を印加しているが、その繰り返しの一周期における各工程にかける時間の比率即ちデューティ比を異ならせているのが特徴である。
このとき、上記交流電圧における現像スリーブ11方向に力を与える電圧(現像バイアスの直流成分Vdcからの値)をV1、上記各工程の繰り返しの一周期における印加時間をT1、又、感光体ドラム方向に力を与える電圧(同じく現像バイアスの直流成分からの値)をV2、又、同様に一周期における印加時間をT2として、デューティ比DをV2/(V1+V2)=T1/(T1+T2)として、90≧D≧60とした(図8参照)。
一般に、感光体ドラム1方向に力を与える電圧が大きくなると、現像性はよくなるが、一方で、低抵抗な表層を有する感光体ドラム1を用いた場合の現像部40における電荷注入も生じやすくなると考えられる。
そこで、本実施例ではデューティ比を大きくしている。すると感光体ドラム1方向に力を与える電圧が大きくなるが、一方でその印加時間が短くなっているため、電荷注入が特に生じやすくなるのを防止できる。更に言えば、逆に、現像性が良くなった分ピーク・トゥ・ピーク電圧値Vpp=(V1+V2)を小さくすることができるため、結果として、現像性を損なうことなく、電荷注入を生じにくくすることが可能であり、Vppを1.5kV≧Vpp≧0.5kVと比較的小さくすることが可能である。ただし、Vppを0.5kVより小さくすると、特に高抵抗なキャリアを用いる場合には現像性が極度に低下する場合がある。
尚、デューティ比を90より大きくすると、感光体ドラム1方向に力を与える電圧の印加時間が短くなるため、現像性が下がる場合がある。
以上のように、複数の現像スリーブ11により現像を行なう構成に、感光体ドラム1方向に力を与える電圧を大きくするようデューティ比を変えた交流バイアスを印加することでも、高画質化/長寿命化の達成とエッジ強調といった問題点の抑制でき、また、現像領域での電荷注入に対しラティチュードの高い現像器構成を達成することができた。
尚、この構成も1個の現像器に複数の現像スリーブを設ける実施例2の構成の現像装置においても適用できる。
1 感光体ドラム(像担持体)
3 帯電器
4 現像装置
4a、4b、4c、4d 現像器
11、11c、11d 現像スリーブ(現像剤担持体)
12、12c、12d マグネット(磁界発生手段)
13a 現像室
14a 攪拌室
16 現像容器
19 二成分現像剤
40 現像部
3 帯電器
4 現像装置
4a、4b、4c、4d 現像器
11、11c、11d 現像スリーブ(現像剤担持体)
12、12c、12d マグネット(磁界発生手段)
13a 現像室
14a 攪拌室
16 現像容器
19 二成分現像剤
40 現像部
Claims (4)
- 体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmの表面層を有する像担持体上に形成された静電像をトナー及びキャリアを含む現像剤にて接触現像する現像装置において、
前記像担持体との対向部へ現像剤を担持搬送する現像剤担持体を複数設け、キャリアの体積抵抗値を1×1010Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下としたことを特徴とする現像装置。 - 前記複数の現像剤担持体に直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加するバイアス印加手段を有することを特徴とする請求項1の現像装置。
- 前記バイアス印加手段は交流電圧を断続的に印加することを特徴とする請求項2の現像装置。
- 前記バイアス印加手段は1周期中にトナーを前記像担持体へ付勢する第1の電圧とトナーを前記現像剤担持体へ付勢する第2の電圧を印加する構成とされ、前記第1の電圧を印加する時間よりも前記第2の電圧を印加する時間を長くしたことを特徴とする請求項3の現像装置。
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2004
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