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JP2005214093A - ピストンエンジン及びピストンエンジンのバルブとシリンダ - Google Patents

ピストンエンジン及びピストンエンジンのバルブとシリンダ Download PDF

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JP2005214093A
JP2005214093A JP2004022574A JP2004022574A JP2005214093A JP 2005214093 A JP2005214093 A JP 2005214093A JP 2004022574 A JP2004022574 A JP 2004022574A JP 2004022574 A JP2004022574 A JP 2004022574A JP 2005214093 A JP2005214093 A JP 2005214093A
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Japan
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piston engine
cylinder
valve
coating
surface treatment
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JP2004022574A
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Inventor
Hiroyuki Ochiai
宏行 落合
Mitsutoshi Watanabe
光敏 渡辺
Akihiro Goto
昭弘 後藤
Masao Akiyoshi
雅夫 秋吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

【課題】 ピストンエンジンの吸排気バルブとシリンダーヘッドとの摩耗を減少させ寿命を長くする。
【解決手段】 シリンダ5内を運動するピストンと同期し、このシリンダ5内の吸気、排気を調整するバルブ3を備えたピストンエンジン1において、前記シリンダ5に設けられた吸排気口7の弁座面に放電表面処理によりコーティング9が形成されている。そして、前記吸排気口7の弁座面に当接する前記バルブ3のシール面に放電表面処理によるコーティング11が形成されている。これにより、摩耗を減らしピストンエンジンの寿命を延ばす。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ピストンエンジン及びピストンエンジンのバルブに関し、さらに詳細には、ピストンエンジンのシリンダに設けられた吸排気口と吸排気バルブとの摩耗を防ぐため放電表面処理によりコーティングを行ったピストンエンジン及びピストンエンジンのバルブ及びシリンダに関する。
従来、例えば、自動車等のピストンエンジン(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジンを含む)に設けられた吸排気を行うバルブは、ニッケル合金であるが、耐摩耗性コーティングはされていない。そして、ピストンエンジンの運動時にはシリンダ内のピストンに同期して運動し、この吸排気バルブが前記シリンダの吸排気口に連続的に当接する。
その一方で、放電表面処理によるコーティングは知られている(例えば、特許文献1)。
特開平8−300227号公報
上述のように、従来のピストンエンジンには以下のような問題があった。すなわち、ピストンエンジンのシリンダに設けられた吸排気口に、吸排気バルブが連続して当たる。こ吸排気バルブは通常スプリングにより運動するのでシリンダの面との強い接触により、吸排気バルブの当接面が摩耗し易いという問題があった。一方、シリンダの吸排気口も同様に摩耗するという問題があった。
本発明は、上述のごとき問題に鑑みてなされたものであり、請求項1に係る発明は、シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、前記シリンダに設けられた吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によりコーティングが形成されているピストンエンジンである。
請求項2に係る発明は、シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、前記シリンダに設けられた吸排気口の吸排気バルブと当たる弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成され、前記吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によりコーティングが形成されているピストンエンジンである。
請求項3に係る発明は、シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、前記シリンダに設けられた吸排気口の弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成され、前記吸排気口の所定の部位に前記バルブが当接するピストンエンジンである。
請求項4に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を材料の混合物、を主成分としたコーティングである請求項1、2又は3記載のピストンエンジンである。
請求項5に係る発明は、前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物である請求項4記載のピストンエンジンである。
請求項6に係る発明は、前記高温で潤滑性を有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物である請求項4記載のピストンエンジンである。
請求項7に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングはクロムを含むコバルト金属である請求項1、2又は3記載のピストンエンジンである。
請求項8に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属である請求項1、2又は3に記載のピストンエンジンである。
請求項9に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングは、TiCを主成分とするコーティングである請求項1、2又は3に記載のピストンエンジンである。
請求項10に係る発明は、前記固体潤滑材は、CrとBaZrOの混合材、またはCrとTiOの混合材である請求項8に記載のピストンエンジンである。
請求項11に係る発明は、ピストンエンジンのシリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内への吸気、排気を調整するバルブにおいて、前記シリンダに設けられた吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によるコーティングが形成されているピストンエンジンのバルブである。
請求項12に係る発明は、前記コーティングは前記バルブを回転させながら放電表面処理により形成されている請求項11記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項13に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物、を主成分としたコーティングである請求項11記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項14に係る発明は、前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物である請求項13記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項15に係る発明は、前記高温で潤滑性の有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物である請求項13記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項16に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングはクロムを含むコバルト金属である請求項11又は12記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項17に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属である請求項11又は12に記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項18に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングは、TiCを主成分とするコーティングである請求項11又は12に記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項19に係る発明は、前記固体潤滑材は、CrとBaZrOの混合材、またはCrとTiOの混合材である請求項17に記載のピストンエンジンのバルブである。
請求項20に係る発明は、シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンのシリンダにおいて、前記シリンダに設けられた、吸排気バルブに当接する吸排気口の弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成されたピストンエンジンのシリンダである。
請求項21に係る発明は、前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物、を主成分としたコーティングである請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項22に係る発明は、前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物である請求項21に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項23に係る発明は、前記高温で潤滑性を有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物である請求項21に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項24に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングはクロムを含むコバルト金属である請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項25に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属である請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項26に係る発明は、放電表面処理により形成された前記コーティングは、TiCを主成分とするコーティングである請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダである。
請求項27に係る発明は、前記固体潤滑材は、CrとBaZrOを含む混合材、またはCrとTiOを含む混合材である請求項25に記載のピストンエンジンのシリンダである。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、シリンダとバルブが当たる面にて表面処理加工(EDC)により、高温で硬質材料、または高温で潤滑性のある材料、または高温で硬度が高くかつ潤滑性のある材料をコーティングする。この結果、バルブにコーティングを行った場合、バルブが摩耗し難いので寿命が延びる。また、シリンダにコーティングを行った場合、シリンダが摩耗し難いので寿命が延びるという効果がある。
一方、前記バルブのコーティングはバルブを回転させながら表面処理加工を行うので容易に形成できる。
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1及び図2を参照する。図1はピストンエンジンのバルブが開いた状態の断面を示す断面図である。図2はピストンエンジンのバルブが閉じた状態の断面を示す断面図である。
本例では、ピストンエンジンのバルブのみにコーティングが形成されている第1の場合と、ピストンエンジンのシリンダの吸排気口、及びバルブにコーティングが形成されている第2の場合と、ピストンエンジンのシリンダの吸排気口のみにコーティングが形成されている第3の場合を想定する(これら3通りにより製造コストと、耐久性のバランスを取ることができる)。
また、本実施例において吸排気口とは、シリンダが有する吸気口と排気口のいずれか一方、又は両方の場合を含むものである。
なお、本例でいうピストンエンジンは、例えば、ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン等を含む。
図1及び図2は上記第2の場合である。ピストンエンジン1はシリンダ5内を運動するピストン(図3参照)13と同期し、このシリンダ5内の吸気、排気を調整するバルブ(吸気バルブ,排気バルブ等を含む)3を備えている。前記バルブ3はニッケル合金で形成されている。
前記シリンダ5に設けられ、このシリンダ5の内外を連通する吸排気口7の弁座面(バルブ3が当接する面をいう。以下同じ)に放電表面処理によりコーティング9が形成されている。前記吸排気口7の弁座面に当接する前記バルブ3のシール面(前記弁座面に当接する面をいう。以下同じ)に放電表面処理によるコーティング11が形成されている。そして、前記バルブ3は矢印AR方向に運動する。この結果、図2に示すようにコーティング9と、コーティング11とが当接する。このコーティングには、高温で硬度が高く凝着しにくいコーティング、高温になると潤滑性をもつコーティング、またはそれらの両方の性能を持つコーティングがある。高温で硬度が高く凝着しにくいコーティングの代表はcBNを含むコーティングである。高温になると潤滑性をもつコーティングの代表は、クロムを含むコバルト合金である。高温になると表面が酸化して酸化クロムとなり潤滑性を発揮する。硬くてしかも高温になると潤滑性をもつ代表は、チタンカーバイド(TiC)である。TiCは高温でも硬く、しかも高温になると表面が酸化して酸化チタン(TiO)の膜を作り、硬くて潤滑性のあるコーティングとなる。これらは全て高い耐磨耗性能を示す。
高温になると酸化するクロムを含むコバルト合金、チタンカーバイトは、600℃以上では潤滑性能が高いが、それ以下の温度では潤滑性能が低下する。600℃以下では、酸化クロム(Cr)とジルコン酸バリウム(BaZrO)を少量混合したクロムを含むコバルト合金、または酸化クロム(Cr)と酸化チタン(TiO)を少量混合したクロムを含むコバルト合金のコーティングが高い潤滑性能をもつ。
ここで、放電表面処理方法(EDC)について説明する。放電表面処理方法とは、金属粉末、金属の化合物、あるいはセラミックスを圧縮成形した圧粉体を電極として、加工液中あるいは気中において電極とワークの間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギにより、ワーク表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギにより反応した物質からなる被膜を形成する方法である。
高温耐摩耗のコーティングまたは肉盛りを得るには、高温硬質材、または高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物の圧粉体を主成分とする電極を用いて、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物、を主成分としたコーティングまたは厚肉盛りを行う。高温硬質材には、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物があげられる。高温で潤滑性を有する材料には、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン及び/又はチタンカーバイト(TiC)及び/又は酸化チタン(TiO),及び/又はhBNがあげられる。クロムとチタンおよびチタンカーバイドは、高温で酸化し酸化クロム(Cr)または酸化チタン(TiO)になることで潤滑性能をもつ。
バルブのシール面とシリンダに設けられた吸排気口の弁座面の両方に、TiCを主成分とする電極を使い放電表面処理で0.02mm程度の薄いコーティングを行ったところ、500℃から950℃の高温で耐摩耗性を示した。また、Crを25%含むコバルト合金に、Crを1.5%、BaZrOを3.5%含ませた電極を使い、放電表面処理で0.1mm程度の薄いコーティングを行ったところ、400℃から950℃の温度で耐摩耗性を示した。なお、図8(a)、(b)には、TiCと、(BZrO+Cr)を微少に含み、かつCrを含むCo合金の耐摩耗性を示す。
次ぎに、上記第1の場合のピストンエンジンを説明する。ピストンエンジン1はシリンダ5内を運動するピストン13と同期し、このシリンダ5内の吸気、排気を調整するバルブ3を備えている。
前記シリンダ5に設けられた吸排気口7の弁座面に当接する前記バルブ3のシール面に放電表面処理によるコーティング11が形成されている。これにより、バルブ3の摩耗が少なくなり寿命が延びる。
さらに、上記第3の場合のピストンエンジンについて説明する。ピストンエンジン1は、シリンダ5内を運動するピストン13と同期し、このシリンダ5内の吸気、排気を調整するバルブ3を備えている。
前記シリンダ5に設けられた吸排気口7の弁座面に放電表面処理によりコーティング9が形成されている。一方、前記吸排気口7の所定の部位に前記バルブ3が当接する。これにより、シリンダ5の吸排気口7の所定の部位(コーティング9)の摩耗が少なくなり寿命が延びるという効果がある。
ここで、前述したバルブ3の放電表面処理は前記バルブ3を回転させながら形成されていることが望ましい。また、放電表面処理により形成されたコーティングは 500℃から950℃の環境で作動するバルブではTiCを主成分とする薄いコーティング、400℃から950℃の環境で作動するバルブでは酸化クロム(Cr)とジルコン酸バリウム(BaZrO)を含ませる、または酸化クロム(Cr)と酸化チタン(TiO)を含ませるコバルト合金のコーティングが好ましい。図8(a)、(b)参照。
図3〜図6は4サイクルのピストンエンジン(ここではガソリンエンジン)の動作を示す。このピストンエンジン1は吸気バルブ3aと、排気バルブ3bと、シリンダ5と、ピストン13と、連結棒15と、クランク軸17と、点火栓19とを備えている。そして、吸入,圧縮,膨張(爆発),排気の4工程を含む動作を行う。すなわち、図3に示すように、ガソリンと空気の混合気をシリンダ5内に吸入する。続いて、図4に示すように、ピストン13で前記混合気を圧縮する。
そして、図5に示すように、それを点火栓19の電気火花により点火(爆発)させピストン13を押し下げる。その後、図6に示すように燃焼ガスを排気バルブ3bよりシリンダ5外へ排出する。このような運動時にコーティング9a,9bと、コーティング11a,11bとが連続的に当接するが、このコーティング9a,11a,9b,11bは、硬度が高くて高温で潤滑性があるので摩耗しにくい。
図7は、この発明によるピストンエンジンの表面処理方法を実施する加工機の一実施の形態を示す概略図であり、この加工機は、圧粉体電極とワークとの間にパルス状の放電を発生させてコーティングするEDC加工機である。
EDC加工機は、このような放電表面処理をワークに行うものであるため、ワークを保持する加工テーブル33と、圧粉体電極を保持する加工ヘッド27と、圧粉体電極とワークとの間にパルス状の放電を発生させる加工用電源31と、図示しない制御装置とで構成される。
加工テーブル33は、機台35上に、XY軸方向に移動可能に取り付けられている。加工テーブル33上には、加工油など適宜の加工液Lを貯留する加工液槽29が設置され、また、加工液L中にワークを保持する保持部材21が加工テーブル33上に設置されている。本例では、保持部材21はバルブ3を横に寝かせて、回転自在に把持している。
加工ヘッド27は、機台35から所定高さ上方においてZ軸方向(上下方向)に沿って移動可能に取り付けられ、加工ヘッド27には、圧粉体電極を保持するホルダ25が設けられている。ホルダ25は、例えば適宜の断面形状に形成された棒状の圧粉体電極23を、加工液槽29の加工液L中に位置決する。このような圧粉体電極23は、酸化クロム(Cr)とジルコン酸バリウム(BaZrO)を少量含む、または酸化クロム(Cr)と酸化チタン(TiO)を少量含む、クロムを多く含むコバルト金属の電極であることが望ましい。圧粉体電極23は、CrとBaZrOを重量%で1:2の比率で混合した固体潤滑材を、体積%で3〜7%含むと、300〜600℃でも良い耐磨耗性を示す。また、圧粉体電極23は、CrとTiOを重量%で95:5の比率で混合した固体潤滑材を、体積%で3〜7%含むと、600℃〜950℃で良い耐磨耗性を示す。
圧粉体電極23の先端(下端)は、バルブ3の斜面に対応した傾斜面に形成され、圧粉体電極23の先端傾斜面とバルブ3の斜面とが、両者間に均等な間隔を隔てて向き合う。
加工用電源31のマイナス極は、ホルダ25を介して圧粉体電極23と電気的に導通可能に接続される。一方、加工用電源31のプラス極は、保持部材21を介してバルブ3と電気的に導通可能に接続される。
図示しない制御装置は、表面処理加工の実行中には、加工用電源31によるパルス状放電の発生を制御するとともに、このパルス状放電の発生による表面処理加工の進行と協調しながら駆動制御するものである。
すなわち、制御装置は、表面処理加工を行う前に、XY軸方向に位置決めし、加工ヘッド27をZ軸方向(上下方向)に沿って下降させることで、圧粉体電極23の先端傾斜面が、バルブ3所定の間隔を隔てた位置で向き合うように初期位置を決め停止するようになっている。
また、制御装置は、表面処理加工の実行中には、保持部材21を介してバルブ3を回転させながら加工用電源31によるパルス状放電の発生を制御し、この放電エネルギによって、圧粉体電極23の先端傾斜面から電極材料がきわめて微少量ずつ繰り返し剥がれて、対向するバルブ3の斜面に微少量ずつ繰り返し堆積していくことで形成される堆積層(コーティング)11の厚さを、パルス状放電の放電時間・放電電流を制御することで精密に管理するようになっている。
一方、シリンダの吸排気口のコーティングは先端がテーパになった圧粉体電極を使用することにより行うことができる。
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
ピストンエンジンのバルブが開いた状態の断面を示す断面図である。 ピストンエンジンのバルブが閉じた状態の断面を示す断面図である。 ピストンエンジンの動作を説明する説明図である。 図3の続きの説明図である。 図4の続きの説明図である。 図5の続きの説明図である。 吸排気バルブへの放電表面処理を説明する説明図である。 (a)、(b)は合金の摩耗特性を説明する説明図である。
符号の説明
1 ピストンエンジン
3 バルブ
3a 吸気バルブ
3b 排気バルブ
5 シリンダ
7 吸排気口
9 コーティング
11 コーティング

Claims (27)

  1. シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、
    前記シリンダに設けられた吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によりコーティングが形成されていることを特徴とするピストンエンジン。
  2. シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、
    前記シリンダに設けられた吸排気口の吸排気バルブと当たる弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成され、前記吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によりコーティングが形成されていることを特徴とするピストンエンジン。
  3. シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンにおいて、
    前記シリンダに設けられた吸排気口の弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成され、前記吸排気口の所定の部位に前記バルブが当接することを特徴とするピストンエンジン。
  4. 前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を材料の混合物、を主成分としたコーティングであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のピストンエンジン。
  5. 前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載のピストンエンジン。
  6. 前記高温で潤滑性を有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載のピストンエンジン。
  7. 前記放電表面処理により形成されたコーティングはクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のピストンエンジン。
  8. 前記放電表面処理により形成されたコーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のピストンエンジン。
  9. 前記放電表面処理により形成されたコーティングは、TiCを主成分とするコーティングであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のピストンエンジン。
  10. 前記固体潤滑材は、CrとBaZrOの混合材、またはCrとTiOの混合材であることを特徴とする請求項8に記載のピストンエンジン。
  11. ピストンエンジンのシリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内への吸気、排気を調整するバルブにおいて、
    前記シリンダに設けられた吸排気口の所定の部位に当接する前記バルブのシール面に放電表面処理によるコーティングが形成されていることを特徴とするピストンエンジンのバルブ。
  12. 前記コーティングは前記バルブを回転させながら放電表面処理により形成されていることを特徴とする請求項11記載のピストンエンジンのバルブ。
  13. 前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物、を主成分としたコーティングであることを特徴とする請求項11記載のピストンエンジンのバルブ。
  14. 前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項13記載のピストンエンジンのバルブ。
  15. 前記高温で潤滑性の有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項13記載のピストンエンジンのバルブ。
  16. 放電表面処理により形成された前記コーティングはクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項11又は12記載のピストンエンジンのバルブ。
  17. 放電表面処理により形成された前記コーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項11又は12に記載のピストンエンジンのバルブ。
  18. 放電表面処理により形成された前記コーティングは、TiCを主成分とするコーティングであることを特徴とする請求項11又は12に記載のピストンエンジンのバルブ。
  19. 前記固体潤滑材は、CrとBaZrOの混合材、またはCrとTiOの混合材であることを特徴とする請求項17に記載のピストンエンジンのバルブ。
  20. シリンダ内を運動するピストンと同期し、このシリンダ内の吸気、排気を調整するバルブを備えたピストンエンジンのシリンダにおいて、
    前記シリンダに設けられた、吸排気バルブに当接する吸排気口の弁座面に放電表面処理によりコーティングが形成されたことを特徴とするピストンエンジンのシリンダ。
  21. 前記放電表面処理により形成されたコーティングは、高温硬質材、高温で潤滑性を有する材料、または高温硬質材と高温で潤滑性を有する材料の混合物、を主成分としたコーティングであることを特徴とする請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  22. 前記高温硬質材は、Mo、cBN、TiC、TiN、TiAlN、AlN、TiB、WC、Cr、SiC、ZrC、VC、BC、Si、VN、ZrO、Al、SiOのいずれか、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項21に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  23. 前記高温で潤滑性を有する材料は、クロム及び/又は酸化クロム(Cr)を含むコバルト合金、チタン、及び/又はチタンカーバイト(TiC)、及び/又は酸化チタン(TiO)、及び/又はhBN、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項21に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  24. 放電表面処理により形成された前記コーティングはクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  25. 放電表面処理により形成された前記コーティングは、少量の固体潤滑材を含み、かつクロムを含むコバルト金属であることを特徴とする請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  26. 放電表面処理により形成された前記コーティングは、TiCを主成分とするコーティングであることを特徴とする請求項20に記載のピストンエンジンのシリンダ。
  27. 前記固体潤滑材は、CrとBaZrOを含む混合材、またはCrとTiOを含む混合材であることを特徴とする請求項25に記載のピストンエンジンのシリンダ。
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