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JP2005209927A - 半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

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仁啓 谷口
Tetsuya Inui
哲也 乾
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Abstract

【課題】 結晶化領域の位置決めを容易に行い得、かつ、結晶化領域を拡大可能な半導体薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 キャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、キャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを含むか、または、キャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、キャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを含む、半導体薄膜の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体薄膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、レーザ光の照射による前駆体半導体薄膜の溶融と再結晶という現象を利用する、多結晶半導体領域を有する半導体薄膜の製造方法に関する。
液晶やエレクトロルミネッセンス(EL)を応用した表示装置に用いられている薄膜トランジスタ(Thin Film Trangister(本明細書において、TFTとも記載する))は、非晶質もしくは結晶性のシリコンを活性層として用いる場合が多い。このうち、多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどの結晶性シリコンの薄膜トランジスタは、電子の移動度が高いため、非晶質シリコンの薄膜トランジスタに比較し、多くの長所を有している。
結晶性シリコンの薄膜トランジスタを用いた場合には、たとえば、表示装置の画素部分にスイッチング素子を形成するだけでなく、画素周辺部分に駆動回路や一部の周辺回路を形成することもでき、これらの素子や回路を一枚の基板上に形成することができる。このため、別途ドライバICや駆動回路基板を表示装置に実装する必要がなくなるので、これらの表示装置を低価格で提供することが可能となる。
また、その他の長所として、結晶性シリコンの薄膜トランジスタを用いた場合には、トランジスタの寸法を微細化できるので、画素部分に形成するスイッチング素子が小さくなり、表示装置の高開口率化が図れる。このため、高輝度、高精細な表示装置を提供することが可能となる。
ここで、多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどの結晶性シリコン薄膜の製造方法としては、近年、エキシマレーザを用いて600℃以下の低温で非晶質シリコンを多結晶化する技術が一般化され、低価格のガラス基板に多結晶シリコントランジスタを形成した表示装置を低価格で提供できるようになっている。
エキシマレーザによる結晶化技術は、アモルファスシリコン薄膜を形成したガラス基板を400℃程度に加熱し、前記ガラス基板を一定速度で走査しながら、長さ200〜400mm、幅0.2〜1.0mm程度の線状のエキシマレーザをガラス基板上のアモルファスシリコン薄膜にパルス放射するものである。この方法によって、アモルファスシリコン薄膜の厚さと同程度の平均粒径を有する多結晶シリコン薄膜が形成される。
このとき、エキシマレーザを照射した部分のアモルファスシリコン薄膜は、厚さ方向全域にわたって溶融させるのではなく、一部の非晶質領域を残して溶融させる。するとレーザ光照射領域全面にわたって、いたるところにシリコンの結晶核が発生するので、シリコン薄膜の最表層に向かってシリコンの結晶が形成される。
アモルファスシリコンの溶融/再結晶化の工程でエキシマレーザ、特に波長308nmのものが多用されているが、これは次のような理由によるものである。
(1)エキシマレーザは、パルス放射するレーザでレーザパルスの尖頭値(ピーク出力)はメガW級であり、他のレーザに比べて非常に高い。また、レーザパルスの放射時間(パルス幅)は数10nsのオーダーである。このことから、比較的大きな領域に、短時間でエネルギ投入を行える。したがって、レーザの被照射物は、レーザが照射された部位以外に熱的影響が及ぼされにくい。
(2)シリコン材料、特にアモルファスシリコンは紫外域の光を吸収しやすく、また吸収係数が小さい。アモルファスシリコンの場合、波長308nmの光に対する吸収長さは10nm程度である。したがって、たとえばガラス基板上にアモルファスシリコン薄膜を形成した基板複合体表面にレーザを照射してもガラス基板への影響がほどんどない。
(3)エキシマレーザは使用するレーザ媒体(ガス)の種類によって、発振波長が異なるが、紫外域の光を放射するものが多い。特に波長308nmのエキシマレーザは他のエキシマレーザに比べてレーザガスの寿命が長いため、工業上の使用に有利である。
(4)エキシマレーザは数1000ものモードをもつ、超マルチモードで発振する。したがって、可干渉性が他のレーザに比べて小さく、光学系で光を整形しても照射面上に干渉縞が形成されにくい。すなわち、レーザ照射領域の強度均一性が良好になり、結晶の品質が安定する。
上記のようなエキシマレーザを用いた再結晶化技術は一般的にELA(Excimer Laser Annealing)法と称され、生産性に優れるレーザ結晶化技術として、工業的に用いられている。しかしながら、ELA法は、生産性に優れるものの、形成される結晶は複数の微細粒状の結晶の集合体であるため結晶粒の位置決めができない、結晶の品質は結晶欠陥である結晶粒界が無数に存在するため単結晶シリコンに比べて劣悪である、などの課題を有しており、これら課題を解決するために、スーパーラテラル成長技術と称するレーザ再結晶化技術の提案が数多くなされている。たとえば特許文献1には、キャップ法を用いたスーパーラテラル成長技術の代表的提案例が開示されている。
上記特許文献1に記載されているスーパーラテラル成長技術は、前駆体半導体薄膜上にレーザ光の反射防止膜として作用するキャップ層を選択的に形成し、エキシマレーザなどのパルスレーザを照射することによって、キャップ層下部の前駆体薄膜を選択的に溶融/凝固させて良質の多結晶半導体薄膜に再結晶化する方法である。これにより、キャップ層の端部から中央部に針状の結晶が形成される(図11)。
特許文献1に代表的に示されるキャップ法の最大の利点は、キャップパターンを形成した位置が結晶化位置になるため、結晶化領域が自動的に位置決め制御される点にある。すなわち、薄膜トランジスタを配置したい位置にキャップ層を形成し、キャリアの移動方向と結晶成長方向を一致させると、キャリアの移動方向には結晶粒界が存在しないので、ELA法よりも高い移動度を有する薄膜トランジスタを形成することができる。
特開2000−260709号公報 特開昭64−12088号公報
しかしながら、特許文献1に示す従来のキャップ法によるスーパーラテラル成長技術も、キャップ層の端部には無数の結晶核が形成されるので、結晶化領域の位置決めは可能であるが、1パルスのレーザ照射で結晶化が完了する手法であるため、結晶粒の成長距離、すなわち結晶粒の大きさが極めて制限されるといった課題を有している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、結晶化領域の位置決めを容易に行い得、かつ、結晶化領域を拡大可能な半導体薄膜の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、結晶化領域の位置決め制御性に優れたキャップ法の利点を生かして、さらに結晶化領域を拡大できればよいとの着想を得、そのようなレーザ再結晶化工程を見出すべく、鋭意研究開発に取組んだ。その結果、本発明者らは、第一および第二のレーザ光をそれぞれ照射する工程を含むことにより半導体薄膜を製造する方法において、第一のレーザ光に対しては反射防止膜(または反射膜)、第二のレーザ光に対しては反射膜(または反射防止膜)となるキャップ層を形成することにより、結晶核を位置決め生成できること、ならびに結晶化領域を拡大できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の半導体薄膜の製造方法は、次の通りである。
本発明のある局面に従う半導体薄膜の製造方法によれば、前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含むことを特徴とする(以下、かかる態様の本発明の製造方法を、「本発明の第一の製造方法」と呼称する。)。
また本発明の別な局面に従う半導体薄膜の製造方法によれば、前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含むことを特徴とする(以下、かかる態様の本発明の製造方法を、「本発明の第二の製造方法」と呼称する。)。
本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法のいずれであっても、前記第二のレーザ照射工程は、前駆体半導体薄膜を溶融させるための主レーザ照射と、前記前駆体半導体薄膜、前記キャップ層を含む基板複合体の少なくとも一部を加熱するための副レーザ照射とを含むことが好ましい。
また、本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法において、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は紫外域の波長を有し、いずれか他方は可視域の波長を有することが好ましい。
さらに、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は248nm〜355nmの波長を有し、いずれか他方は488nm〜532nmの波長を有することが好ましい。
本発明の半導体薄膜の製造方法によれば、結晶化領域の位置決めを容易に行い得、しかも結晶化領域を拡大可能な半導体薄膜の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第一の製造方法を模式的に示す図である。本発明の半導体薄膜の製造方法における第一の製造方法は、前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含むことを特徴とする。かかる本発明の第一の製造方法によれば、結晶化領域の位置決めを容易に行い得、かつ、結晶化領域を拡大することができる。
本発明の第一の製造方法では、まず、図1(a)に示すように、前駆体半導体薄膜3上に部分的にキャップ層4を形成する。キャップ層4は、前駆体半導体薄膜3上の全面ではなく部分的に形成されるならば、その形成のされ方に特に制限はなく、たとえば、直線状(ストライプ状)あるいは鋸刃状、波線状などの曲線状の短冊形状、円形状、三角形状、方形状その他の形状によるドット形状などが挙げられる。中でも、短冊状またはドット状にキャップ層を形成するのが好ましい。TFTの活性層は図8(c)に示すように、通常矩形を組み合わせた形成であるため、特に活性層を短冊状に形成するとTFT設計がやりやすいというような利点がある。また、キャップ層をドット状、特に円形状のドット状とすることで、単一の核から扇状に結晶が成長し、この扇形結晶を核に結晶領域が拡大できる(図7(b))ので、矩形のキャップ層と比較すると、単結晶領域の面積が大きくなるというような利点がある。
キャップ層の形成材料としては、上記のように特定の波長のレーザ光に対して反射防止膜として作用し、また特定の波長のレーザ光に対しては反射膜として作用するような、当分野にてキャップ層の形成材料として広く用いられてきた適宜の材料を用いることができる。かかるキャップ層の形成材料としては、たとえば、酸化シリコン、窒化シリコンなどが挙げられる。なお、キャップ層は単層であっても多層であってもよい。前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する方法としては、たとえば、CVD法やスパッタ法によって、上記キャップ層の形成材料を用いて薄膜を形成した上に、フォトリソグラフィー法によって所定のパターン(形状)を有するように、キャップ層を形成することができる。
次に、図1(b)に示すように、前駆体半導体薄膜3上に第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層4が形成された領域(キャップ層4の下部の領域)を溶融・凝固させる。ここで、本発明の第一の製造方法において重要なことの一つは、第一の照射工程では、キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射することである。図2は、キャップ層として酸化シリコンを用いた場合の、キャップ層の膜厚(キャップ膜厚)と反射率との関係を示すグラフである。図2のグラフにおいて、横軸はキャップ膜厚(nm)、縦軸は反射率(%)を示している。図2に示すように、波長308nmのレーザ光、波長532nmのレーザ光に対して、前駆体半導体薄膜上にキャップ層がない場合(すなわち、キャップ膜厚が0nmの場合)、反射率はそれぞれ58.4%、40.4%である。キャップ層の膜厚を170nmとする場合、308nmの波長の光に対する反射率は44.6%であり、キャップ層が形成された領域とキャップ層が形成されない領域とでは、反射率で13.8%の差が生じる。したがって第一のレーザ照射工程においては、たとえば308nmの波長を有するエキシマレーザを使用することで、図1(b)に示すように、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域を限定的に結晶化することが可能である。このような第一のレーザ照射工程によって、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域に種結晶5が形成される。すなわち、第一のレーザ光の照射により、スーパーラテラル成長が発現し、キャップ層の端部に発生した無数の核から伸長する針状結晶が形成される。
続いて、図1(c)に示すように、第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を溶融・凝固させる。ここで、本発明の第一の製造方法において重要なことのもう一つは、第二の照射工程では、キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射することである。図3は、非晶質シリコンおよび結晶性シリコンの光吸収率を示すグラフである。図3のグラフにおいて、横軸はレーザ光の波長(nm)、縦軸は吸収率(%)を示している。上述した第一のレーザ照射工程によって、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域は多結晶シリコンが形成され、また、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域は溶融せずに非晶質シリコンのままである。このため、図3に示すように、第一のレーザ照射工程によって、前駆体半導体薄膜におけるキャップ層が形成された領域は多結晶シリコンとなり、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域は溶融せずに非晶質シリコンのままである。このため、図3に示すように、532nmの光に対して、非晶質シリコンと結晶性シリコンの吸収率差が生ずため、キャップ層に覆われた部分と覆われていない部分でシリコン薄膜へ吸収されるエネルギに大きな差を設けることが可能である。すなわち、図2に示されるように反射率差が1.5%程度の532nmのレーザ光であっても、レーザのエネルギを調整することによって、結果的にキャップ層が反射膜として作用し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域について再結晶化することが可能となる。これにより、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域においてスーパーラテラル成長が発現し、再結晶化されて結晶化領域が拡大されて、前駆体半導体薄膜の全面が結晶化される。
なお、上述においては、キャップ層の膜厚が170nm、第一のレーザ光の波長が308nm、第二のレーザ光の波長が532nmの場合を例に挙げて説明したが、本発明の第一の製造方法においては、第一のレーザ光はキャップ層が反射防止膜として作用する波長を有し、かつ、第二のレーザ光はキャップ層が反射膜として作用する波長を有するようにキャップ層の膜厚、ならびに第一および第二のレーザ光の各波長が選ばれるならば、特に制限されるものではない。シリコン薄膜に対する吸収率が高いという理由から、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は紫外域の波長を有し、いずれか他方は可視域の波長を有することが好ましい。ここで、本明細書中における「紫外域の波長」とは、1nm以上400nm未満の波長を指し、「可視域の波長」とは、400nm以上830nm以下の波長を指すものとする。
本発明の第一の製造方法においては、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方が上記紫外域の波長の中でも248nm〜355nmの波長を有し、いずれか他方が上記可視域の波長の中でも488nm〜532nmの波長を有するのが好ましい。
図4は、上述した本発明の第一の方法によって得られる結晶を示す図である。図4において、図4(a)〜(c)は、図1(a)〜(c)の各工程に対応した結晶の状態を示している。なお、図1(b)、(c)においては、模式的に、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域の端部から結晶成長するように示されているが、前駆体半導体薄膜にエネルギビームを照射して前駆体半導体を溶融するという観点から、厳密には前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域の端部に核発生する訳ではない。まず、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域11a,11b(図4(a))に第一のレーザ光を照射することによって、図4(b)に示すように前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域の端部からわずかに広がった領域12a,12bが溶融する、いわゆる「滲みだし」が生じる。そして、第二のレーザ照射工程では、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域の端部からわずかに広がった領域(すなわち、キャップ層が形成された領域の内部)にまで溶融する、いわゆる「滲みこみ」が生じる。これにより、第二のレーザ照射工程で形成された結晶は、第一のレーザ照射工程で形成された結晶を引き継いで成長し、形成される針状結晶の長さを伸張させることが可能となる。
図5は、本発明の第二の製造方法を模式的に示す図である。本発明は、上記本発明の第一の製造方法に加えて、本発明の第二の製造方法を提供する。本発明の第二の製造方法は、前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含むことを特徴とする。かかる本発明の第二の製造方法においても、上述した本発明の第一の製造方法と同様、結晶化領域の位置決めを容易に行い得、かつ、結晶化領域を拡大することができる。
本発明の第二の製造方法においては、上述した本発明の第一の製造方法と同様に、まず、前駆体半導体薄膜203上にキャップ層204を形成する(図5(a))。
次に、図5(b)に示すように、前駆体半導体薄膜203上に第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層204が形成されていない領域を溶融・凝固させる。ここで、本発明の第二の製造方法において重要なことの一つは、第一の照射工程では、キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射することである。本発明の第二の製造方法における第一のレーザ光としては、たとえば、波長308nmのエキシマレーザが例示されるが、これに限定されるものではない。このような第一のレーザ照射工程によって、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域に種結晶205が形成される。すなわち、第一のレーザ光の照射により、前記キャップ層が形成されていない領域の端部に発生した無数の核から伸長する針状結晶が形成される。
続いて、図5(c)に示すように、第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域を溶融・凝固させる。ここで、本発明の第二の製造方法において重要なことのもう一つは、第二の照射工程では、キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射することである。本発明の第二の製造方法における第一のレーザ光としては、たとえば、波長308nmのエキシマレーザが例示されるが、これに限定されるものではない。このような第二のレーザ照射工程によって、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域が再結晶化され、スーパーラテラル成長が発現し、再結晶化されて結晶化領域が拡大されて、前駆体半導体薄膜の全面が結晶化される。
本発明の第二の製造方法においても、上述した本発明の第一の製造方法と同様に、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は紫外域の波長を有し、いずれか他方は可視域の波長を有することが好ましい。さらに、第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方が上記紫外域の波長の中でも248nm〜355nmの波長を有し、いずれか他方が上記可視域の波長の中でも488nm〜532nmの波長を有するのが好ましい。
本発明の方法に用いる前駆体半導体薄膜としては、非晶質半導体あるいは結晶性半導体であれば特に限定されず、任意の半導体材料を用いることができる。前駆体半導体薄膜5の材質の具体例としては、工業的に広く用いられている成膜方法で形成できるという理由から、水和したアモルファスシリコン(a−Si:H)をはじめとするアモルファスシリコンを含む材質が好ましいが、この材質はアモルファスシリコンを含む材質に限られるものではなく、多少結晶性に劣る多結晶シリコンを含む材質であってもよく、微結晶シリコンを含む材質であってもよい。また、前駆体半導体薄膜の材質は、シリコンのみからなる材質に限られるものではなく、ゲルマニウムなどの他の元素を含んだシリコンを主成分とする材質であってもよい。たとえば、ゲルマニウムを添加することにより前駆体半導体薄膜の禁制帯幅を任意に制御することができる。
前駆体半導体薄膜の厚さは、特に制限されるものではないが、30nm〜200nmの範囲が好適である。
また前駆体半導体薄膜は、通常、絶縁性基板上に形成された構造物(当該構造物を、本明細書では「基板複合体」と呼ぶ。)の形態で、本発明の製造方法に供される。このような基板複合体において、前駆体半導体薄膜は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって絶縁性基板上に形成される。
絶縁性基板としては、ガラスや石英などを含む材質にて形成された公知の基板を好適に用いることができる。また、これらの材質の中でも、安価である点、大面積の絶縁性基板を容易に製造できる点で、ガラス製の絶縁性基板を用いることが望ましい。絶縁性基板の厚みは、特に制限されるものではないが、0.5mm〜1.2mmであるのが好ましい。絶縁性基板の厚みが0.5mm未満であると、割れやすい、高平坦性の基板を製造することが困難であるという傾向にあるためであり、また、1.2mmを越えると、表示素子が厚くなる、重くなるという傾向にあるためである。
また、前記基板複合体において、前駆体半導体薄膜は、絶縁性基板上にバッファ層を介して形成されてなるのが好ましい。バッファ層を形成することにより、主としてレーザ光による溶融、再結晶化の際に、溶融した前駆体半導体薄膜の熱影響がガラス基板である絶縁性基板に及ばないようにすることができ、さらにガラス基板である絶縁性基板から前駆体半導体薄膜への不純物拡散を防止することができるからである。たとえば、図1,図5には、絶縁性基板1,201に、順次積層されたバッファ層2,202と、前駆体半導体薄膜3,203とを備える基板複合体の上に、キャップ層4,204を形成したものを、本発明の半導体薄膜の製造方法に使用した例をそれぞれ示している。
バッファ層は、当分野で従来より用いられている酸化シリコン、窒化シリコンなどの材料にてたとえばCVD法などにて形成することができ、特に制限されるものではない。中でもガラス基板と同一成分であり、熱膨張係数などの各種物性がほぼ等しいという理由から、酸化シリコンにてバッファ層を形成するのが好ましい。
また、本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法のいずれであっても、前記第二のレーザ照射工程が、前駆体半導体薄膜を溶融させるための主レーザ照射と、前記前駆体半導体薄膜、前記キャップ層を含む基板複合体の少なくとも一部を加熱するための副レーザ照射とを含むことが好ましい。前駆体半導体薄膜は、レーザ照射によって溶融するが、レーザ照射終了と同時に急速に冷却される。この急速冷却時に、前駆体半導体薄膜とその下にあるバッファ層との間に約1000℃程度の温度差による熱歪を生ずる虞がある。上記のように第二のレーザ照射工程において、主レーザ照射と副レーザ照射を行うことで、前駆体半導体薄膜、キャップ層を含む基板複合体の少なくとも一部を積極的に加熱せしめることで、前駆体半導体薄膜とバッファ層との間の歪を減少せしめ、熱歪に起因する半導体薄膜の特性劣化を抑制することができる。
このように第二のレーザ照射工程において主レーザ照射および副レーザ照射を行う場合、主レーザ照射は、本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法にてそれぞれ説明したような波長のレーザ光を用いて行えばよい。また、副レーザ照射に用いるレーザ光は、前駆体半導体薄膜、キャップ層を含む基板複合体の少なくとも一部を加熱し得るものであれば特に制限されるものではない。たとえば、特公昭64−12088号公報に開示されている炭酸ガスレーザが、好ましいものとして例示される。
図6は、本発明の半導体薄膜の製造方法に好適に用いることができる装置(半導体薄膜製造装置)の一例を模式的に示す図である。図6に示す例の半導体薄膜製造装置は、第一のレーザ発振器21と、第一のレーザ光路20を形成する各種光学部品と、第二のレーザ発振器31と、第二のレーザ光路30を形成する各種光学部品とを基本的に備えている。なお、図6に示す半導体薄膜の製造装置においては、第一のレーザ光路20と第二のレーザ光路30とにおいて、同一機能を有する各種光学部品には同一番号を付与している。このような半導体薄膜製造装置は、当分野にて従来より広く用いられている公知のレーザ発振器31および各種光学部品を適宜組み合わせることによって好適に実現することができる。
図6に示す半導体薄膜製造装置においては、第一のレーザ発振器21から放射された第一のレーザ光が基板複合体27に至るまでの第一光路20は、マスク24のパターン形成面を均一照明する照明系と、マスク25の像を基板複合体27上に縮小投影する結像系とから構成されている。
第一のレーザ発振器21は、レーザビームを放出し、シリコンを溶融することが可能であるレーザ発振器であって、当該半導体薄膜製造装置を上述した本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法のいずれに用いるかによって、適宜選択される。すなわち、当該半導体薄膜製造装置を本発明の第一の製造方法の実施に用いる場合には、キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有するレーザ光を発振し得るレーザ発振器、具体的には、308nmの波長のレーザを発振するエキシマレーザ発振器など、を第一のレーザ発振器として用いる。キャップ層が反射膜として作用する波長を有するレーザ光を発振し得るレーザ発振器、具体的には、波長532nmのYAGレーザなど、を第一のレーザ発振器として用いることが可能である。
第一のレーザ発振器21より放射されたレーザ光は、第一のレーザ光路20に設けられた可変減衰器22aによって、エネルギ量を調整される。その後、第一のレーザ光は、ビーム整形素子23によって適当な寸法に整形され、マスク面均一照明素子24によってマスク25のパターン形成面に均一に照射される。マスク25の像は、結像レンズ26によって、基板複合体27上に所定倍率で結像される。
なお、図6に示す半導体薄膜の製造装置においては、マスク25とマスク面均一照明素子24の間にフィールドレンズを設置し、結像系を像側テレセントリック系としてもよい。また、レーザ光路に設けられたミラー28a,28bは、レーザ光を折返すために用いるが、配置箇所、数量に制限はなく、装置の光学設計、機構設計に応じて適切に配置することが可能である。
また、図6に示す半導体薄膜製造装置における第二のレーザ光路30は、第二のレーザ発振器31より発振された第二のレーザ光が、可変減衰器22b、基板複合体面均一照明素子33を経て基板複合体27上に照射されるように構成される。
第二のレーザ発振器31は、レーザビームを放出し、シリコンを溶融することが可能であるレーザ発振器であって、当該半導体薄膜製造装置を上述した本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法のいずれに用いるかによって、適宜選択される。すなわち、当該半導体薄膜製造装置を本発明の第一の製造方法の実施に用いる場合には、キャップ層が反射膜として作用する波長を有するレーザ光を発振し得るレーザ発振器、具体的には、532nmの波長のレーザを発振するYAGレーザ発振器など、を第二のレーザ発振器として用いる。また、当該半導体薄膜製造装置を本発明の第二の製造方法の実施に用いる場合には、キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有するレーザ光を発振し得るレーザ発振器、具体的には、エキシマレーザ発振器など、を第二のレーザ発振器として用いる。
第二のレーザ発振器31より放射されたレーザ光は、可変減衰器22bによって、エネルギ量を調整される。その後、第二のレーザ光は、基板複合体面均一照明素子33を経て、基板複合体27の表面に均一に照明される。
第二のレーザ光路3に設けられたミラー28c,28dは、第二のレーザ光を折り返すために用いられるが、配置箇所、数量に制限はなく、装置の光学設計、機構設計に応じて適切に配置することが可能である。
上述したような基本構成を備える半導体薄膜製造装置を用いることによって、本発明の第一の製造方法、本発明の第二の製造方法のいずれも好適に実施することができる。なお、上述した半導体薄膜製造装置は、二台のレーザ発振器を備える構成を例示したが、第一のレーザ発振器、第二のレーザ発振器のうちのいずれか一方のみのレーザ発振器を備える半導体薄膜製造装置を用い、これに第一のレーザ発振器、第二のレーザ発振器のうちのいずれか他方のレーザ発振器を備えるレーザ照射装置と組み合わせてもよい(すなわち、二台のレーザ発振器が一体的に半導体薄膜製造装置に組み込まれてなくともよい)。
また、上述のように第二のレーザ照射工程において、主レーザ発振と副レーザ発振とを行う場合には、さらに第三のレーザ発振器を一体的に備えるような半導体薄膜製造装置で実現されてもよいし、第三のレーザ発振器を有するレーザ照射装置と別途組み合わせるようにしてもよい。
図7は、本発明の半導体薄膜の製造方法を利用した、薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法の好ましい一例を模式的に示す図である。本発明の半導体薄膜の製造方法によれば、従来の結晶と比較して結晶の大きさが大きいため、種々の大きさの高性能薄膜トランジスタ(TFT)を製造することが可能である。
まず、本発明の半導体薄膜の製造方法によって、多結晶半導体薄膜を形成する(図7(a))。次に、図7(b)に示すように、シリコンアイランド領域52をフォトリソグラフィー法によって形成する。このとき、チャネル領域53は、キャリアの移動方向(図7(b)中の左右方向)に大結晶粒界51a、51b、51cを含まないように配置する。そして、図7(c)に示すように、絶縁層を形成した後、ゲート電極54を形成する。このようにして、本発明の半導体薄膜の製造方法を利用することによって、高性能な薄膜トランジスタを、種々の大きさにて容易に製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図8は、本発明の第一の製造方法の一実施例を示す図である。
まず、絶縁性基板33上に順次積層されたバッファ層34、前駆体半導体薄膜35上に直線状の短冊形状(ストライプ状)のキャップ層36を形成した基板複合体(図8(a))上に、第一のレーザ照射工程を行い、前駆体半導体薄膜のキャップ層36が形成された領域の非晶質シリコンを再結晶化して種結晶37を形成した(図8(b))。キャップ層36は、酸化シリコンを用い、プラズマCVD法によって厚みを170nmに形成した。また、第一のレーザ光としては、308nmのエキシマレーザを用いた。
次に、第二のレーザ照射工程を行い、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域の非晶質シリコン38を再結晶化して、結晶化領域を拡大した。第二のレーザ光としては、532nmのYAGレーザを用いた。また、かかる第二の照射工程においては上記YAGレーザにより主照射を行うとともに、炭酸ガスレーザ光により基板複合体の少なくとも一部を加熱するための副照射を行った。
<実施例2>
図9は、本発明の第一の製造方法の他の実施例を示す図である。
図9に示す例においては、円形状のドット状のキャップ層44を前駆体半導体薄膜上に形成した以外は、実施例1と同様にして行った。かかるドット状のキャップ層44を形成した場合、パターンの配列を規則的なものとすることによって、形成される結晶も規則的に配置される。
<実施例3>
鋸刃状の短冊形状のキャップ層を前駆体半導体薄膜上に形成した以外は、実施例1と同様にして行った。
<実施例4>
波線状の短冊形状のキャップ層を前駆体半導体薄膜上に形成した以外は、実施例1と同様にして行った。
<実施例5>
図10は、本発明の第二の製造方法の一実施例を示す図である。
まず、絶縁性基板301上に順次積層されたバッファ層302、前駆体半導体薄膜303上に直線状の短冊形状(ストライプ状)のキャップ層304を形成した基板複合体(図10(a))上に、第一のレーザ照射工程を行い、前駆体半導体薄膜のキャップ層304が形成されない領域の非晶質シリコンを再結晶化して種結晶305を形成した(図10(b))。キャップ層304は、酸化シリコンを用い、プラズマCVD法によって厚みを170nmに形成した。また、第一のレーザ光としては、532nmのYAGレーザを用いた。
次に、第二のレーザ照射工程を行い、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域の非晶質シリコン305を再結晶化して、結晶化領域を拡大した。第二のレーザ光としては、308nmのエキシマレーザを用いた。また、かかる第二の照射工程においては上記エキシマレーザにより主照射を行うとともに、炭酸ガスレーザ光により基板複合体の少なくとも一部を加熱するための副照射を行った。
本発明の第一の製造方法を模式的に示す図である。 キャップ層として酸化シリコンを用いた場合の、キャップ層の膜厚(キャップ膜厚)と反射率との関係を示すグラフである。 非晶質シリコンおよび結晶性シリコンの光吸収率を示すグラフである。 本発明の第一の製造方法によって得られる結晶を示す図である。 本発明の第二の製造方法を模式的に示す図である。 本発明の半導体薄膜の製造方法に好適に用いることができる装置の一例を模式的に示す図である。 本発明の半導体薄膜の製造方法を利用した、TFTの製造方法の好ましい一例を模式的に示す図である。 本発明の第一の製造方法の一実施例を示す図である。 本発明の第一の製造方法の他の実施例を示す図である。 本発明の第二の製造方法の一実施例を示す図である。 従来の多結晶シリコン薄膜の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1,201 絶縁性基板、2,202 バッファ層、3,203 前駆体半導体薄膜、4,204 キャップ層、5,205 種結晶、11a,11b キャップ層、12a,12b 第一レーザ照射工程においてラテラル成長した結晶、13a,13b 第一レーザ照射工程と第二レーザ照射工程を経て形成された結晶、21,31 レーザ発振器、22a,22b 可変減衰器、23 ビーム整形素子、24 マスク面均一照明素子、25 マスク、26 結像レンズ、27 基板複合体、28a〜28d ミラー。

Claims (5)

  1. 前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、
    前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成された領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、
    前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含む、半導体薄膜の製造方法。
  2. 前駆体半導体薄膜上に部分的にキャップ層を形成する工程と、
    前記キャップ層が反射膜として作用する波長を有する第一のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域に種結晶を形成する第一のレーザ照射工程と、
    前記キャップ層が反射防止膜として作用する波長を有する第二のレーザ光を照射し、前駆体半導体薄膜のキャップ層が形成されていない領域を再結晶化して、結晶化領域を拡大する第二のレーザ照射工程とを少なくとも含む、半導体薄膜の製造方法。
  3. 前記第二のレーザ照射工程は、前駆体半導体薄膜を溶融させるための主レーザ照射と、前記前駆体半導体薄膜およびキャップ層を含む基板複合体の少なくとも一部を加熱するための副レーザ照射とを含む、請求項1または2に記載の半導体薄膜の製造方法。
  4. 前記第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は紫外域の波長を有し、いずれか他方は可視域の波長を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  5. 前記第一のレーザ光および第二のレーザ光のうちのいずれか一方は248〜355nmの波長を有し、いずれか他方は488〜532nmの波長を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体薄膜の製造方法。
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