JP2005207998A - 流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体の流速を非接触で正確に測定することができる流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法を提供する。
【解決手段】 流速測定装置100は、変調器14に接続され且つ流路11内の液体に励起光を照射する励起光用光源12と、流路11の下流側で液体に検出光を照射する検出光用光源13と、光源12,13に接続された液体内温度分布発生素子1bと、検出光を受光してその変化を検出する受光部1cとを備える。液体内温度分布発生素子1bは、液体内における励起光の照射位置と検出光の照射位置との流路11の長手方向における間隔d’が所定の距離となるように構成されている。流速測定装置100は、変調器14の変調開始/終了時刻と検出光の信号強度Imaxから時間Δtを算出し、間隔d’と時間Δtとから流速vを算出する。
【選択図】 図5
【解決手段】 流速測定装置100は、変調器14に接続され且つ流路11内の液体に励起光を照射する励起光用光源12と、流路11の下流側で液体に検出光を照射する検出光用光源13と、光源12,13に接続された液体内温度分布発生素子1bと、検出光を受光してその変化を検出する受光部1cとを備える。液体内温度分布発生素子1bは、液体内における励起光の照射位置と検出光の照射位置との流路11の長手方向における間隔d’が所定の距離となるように構成されている。流速測定装置100は、変調器14の変調開始/終了時刻と検出光の信号強度Imaxから時間Δtを算出し、間隔d’と時間Δtとから流速vを算出する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法に関し、特に流路内を流れる液体の流速を測定する流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法に関する。
マイクロ化学システムは、小さなガラス基板等に形成した微細な流路の中で液中試料の混合、反応、分離、抽出、検出等を行うものである。このマイクロ化学システムで行われる反応の例としては、ジアゾ化反応、ニトロ化反応、抗原抗体反応などがある。また、抽出や分離の例としては、溶媒抽出、電気泳動分離、カラム分離などがある。マイクロ化学システムは、分離だけを目的としたような単一の機能のみで用いられてもよく、また複合的に用いられてもよい。マイクロ化学システム用チップに設けられた流路は、分岐路や合流路、さらには蛇行路のような種々の形状のものを含み、その中を流れる試料溶液の流速が流路の位置によっては一定ではない。
一方、流路内を流れる試料溶液の流速を測定する流速測定装置としては、以下の第1から第4の流速測定装置がある。
第1の流速測定装置は、流路内に収容された歯車、発熱可能な棒、渦を発生させるための障害物等の流速測定治具を備える。第1の流速測定装置は、測定治具が歯車であるときは歯車の回転数に基づいて、発熱可能な棒であるときは棒の表面における放熱の程度に基づいて、渦を発生させる障害物であるときは障害物によって発生した渦の頻度に基づいて、試料溶液の流速を測定する。
第2の流速測定装置は、流路の両側に配された一対の磁気コイルを備え、試料溶液中の磁性物質の流れによる電磁誘導によって磁気コイル内に発生する起電力に基づいて、試料溶液の流速を測定する。
第3の流速測定装置は、流路の上流側と下流側に夫々1組の超音波発生装置及び超音波検出装置を備え、上流側から下流側への超音波の伝播時間と、下流側から上流側への超音波の伝播時間との差に基づいて、試料溶液の流速を測定する。
第4の流速測定装置は、流路中の試料溶液に微粒子を注入する微粒子注入装置と、試料溶液に挿入された微粒子を観察すべく流路の2つの観察位置に配されたCCDとを備え、2つの観察位置間における微粒子の通過時間に基づいて、試料溶液の流速を測定する。この微粒子としては、試料溶液中の溶媒に溶解せず、試料溶液中の試料の密度よりも密度が小さく、蛍光を発するものが用いられる。
なお、上記先行技術はいずれも文献公知発明に係るものではなく、当業者であれば十分に周知の技術である。
しかしながら、上記第1の流速測定装置では、試料溶液中に測定治具が挿入されるので、試料溶液の流れ(層流)が乱れたり、例えば、分岐路の場合は、流量の偏りが発生して微量の試料の分析が困難である。
上記第2の流速測定装置は、試料溶液中の試料が微量であるので、磁気コイル内に発生する起電力が小さく、試料溶液の流速を正確に測定することができない。
上記第3の流速測定装置では、試料溶液の流量が少なく、しかも試料溶液が微量なので、超音波の伝播時間の差がほとんどなく、溶存した溶質を含む試料溶液の流速を正確に測定することができない。
上記第4の流速測定装置では、試料溶液に微粒子が注入されるので、夫々、試料溶液の流れ(層流)が乱れて微量の試料の分析が困難であり、CCDの配置位置が2箇所になるので装置が大型化する。
本発明の第1の目的は、液体の流速を非接触で正確に測定することができる流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、その感度を向上させることができる流速測定装置、及び流速測定用液体内温度分布発生素子、並びに流速測定方法を提供することにある。
上記第1及び第2の目的を達成するために、請求項1記載の流速測定装置は、流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射手段と、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化量を検出する検出手段と、前記液体内における励起光の照射位置及び前記検出光の照射位置の前記流路の長手方向における間隔と前記検出された検出光の変化とに基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の流速測定装置は、請求項1記載の流速測定装置において、前記流速算出手段は、前記励起光照射の開始/終了時刻と前記検出光の変化とから前記液体が前記間隔を流れるのに要した時間を算出する時間算出手段を含むことを特徴とする。
請求項3記載の流速測定装置は、請求項2記載の流速測定装置において、前記検出光の変化は当該検出光の信号強度の変化であり、前記時間算出手段は、前記検出光の信号強度の最大値又は/及び最小値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする。
請求項4記載の流速測定装置は、請求項2記載の流速測定装置において、前記検出光の信号強度の変化は当該検出光の光路が前記液体内の温度分布に起因してずれたときの光路ずれであり、前記時間算出手段は、前記検出光の光路ずれの最大値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする。
請求項5記載の流速測定装置は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記時間算出手段は、前記検出光の光路がずれる速度の最大値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする。
請求項6記載の流速測定装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記励起光照射手段は前記励起光を導波する第1の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記検出光照射手段は前記検出光を導波する第2の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記間隔は前記第1の半径と前記第2の半径の和以下であることを特徴とする。
請求項7記載の流速測定装置は、請求項6記載の流速測定装置において、前記第1の半径と第2の半径の和は125μmであることを特徴とする。
請求項8記載の流速測定装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記間隔は100μm以下であることを特徴とする。
上記第1及び第2の目的を達成するために、請求項9記載の流速測定装置は、流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射手段と、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化量を検出する検出手段と、前記検出された検出光の信号強度の最大値又は最小値に基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項10記載の流速測定装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記励起光を変調する変調器を備えることを特徴とする。
請求項11記載の流速測定装置は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記照射された励起光を前記液体に集光照射する集光レンズを備えることを特徴とする。
請求項12記載の流速測定装置は、請求項11記載の流速測定装置において、前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする。
請求項13記載の流速測定装置は、請求項11又は12記載の流速測定装置において、前記集光レンズはロッドレンズから成ることを特徴とする。
請求項14記載の流速測定装置は、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記集光レンズは前記照射された検出光を前記液体に集光照射することを特徴とする。
請求項15記載の流速測定装置は、請求項14記載の流速測定装置において、前記励起光の焦点は前記液体の深さ方向に関する略中央に位置し、前記検出光の焦点は、前記液体の深さ方向に関して前記励起光の焦点の位置からずれていることを特徴とする。
請求項16記載の流速測定装置は、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記検出手段は位置センサーから成ることを特徴とする。
請求項17記載の流速測定装置は、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の流速測定装置において、前記検出手段は、ピンホールと、当該ピンホールに対して前記検出光の進行方向の位置に設けられた光センサーとから成ることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、請求項18記載の液体内温度分布発生素子は、流路内を流れる液体へ励起光を照射することにより当該液体内に温度分布を形成して前記流路内を流れる液体の流速を測定するために用いられる液体内温度分布発生素子において、前記流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において前記励起光を導波する励起光導波手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を導波する検出光導波手段とを備えることを特徴とする。
請求項19記載の液体内温度分布発生素子は、請求項18記載の液体内温度分布発生素子において、前記励起光導波手段は、前記励起光を導波する第1の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記検出光導波手段は、前記検出光を導波する第2の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記液体内における前記励起光の導波位置及び前記検出光の導波位置の前記流路の長手方向における間隔は、前記第1の半径と前記第2の半径の和以下であることを特徴とする。
請求項20記載の液体内温度分布発生素子は、請求項18又は19記載の液体内温度分布発生素子において、前記励起光及び検出光のそれぞれ少なくとも1本の光ファイバーは、それらの導波方向の下流側にある端部が同一平面上にあることを特徴とする。
請求項21記載の液体内温度分布発生素子は、請求項18乃至20のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子において、前記第1の半径と第2の半径の和は125μmであることを特徴とする。
請求項22記載の液体内温度分布発生素子は、請求項18乃至21のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子において、前前記間隔は100μm以下であることを特徴とする。
請求項23記載の液体内温度分布発生素子は、請求項18乃至22のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子において、前記導波された励起光を前記液体に集光照射する集光レンズを備えることを特徴とする。
請求項24記載の液体内温度分布発生素子は、請求項23記載の液体内温度分布発生素子において、前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする。
請求項25記載の液体内温度分布発生素子は、請求項23又は24記載の液体内温度分布発生素子において、前記集光レンズはロッドレンズから成ることを特徴とする。
請求項26記載の液体内温度分布発生素子は、請求項23乃至25のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子において、前記集光レンズは前記導波された検出光を前記液体に集光照射することを特徴とする。
請求項27記載の液体内温度分布発生素子は、請求項26記載の液体内温度分布発生素子において、前記励起光の焦点は前記液体の深さ方向に関する略中央に位置し、前記検出光の焦点は、前記液体の深さ方向に関して前記励起光の焦点の位置からずれていることを特徴とする。
上記第1及び第2の目的を達成するために、請求項28記載の流速測定方法は、流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射ステップと、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射ステップと、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化を検出する検出ステップと、前記液体内における励起光の照射位置及び前記検出光の照射位置の前記流路の長手方向における間隔と前記検出された検出光の変化とに基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出ステップとを有することを特徴とする。
請求項1記載の流速測定装置、請求項18記載の流速測定用液体内温度分布発生素子、又は請求項28記載の流速測定方法によれば、流路内を流れる液体へ流路の上流側において励起光を照射し、流路内を流れる液体へ流路の下流側において検出光を照射し、流路内を流れる液体を透過した検出光の変化を検出し、液体内における励起光の照射位置及び検出光の照射位置の流路の長手方向における間隔と検出された検出光の変化とに基づいて流路内を流れる液体の流速を算出するので、液体の流速を非接触で正確に測定することができる。
請求項2記載の流速測定装置によれば、励起光照射の開始/終了時刻と検出光の変化とから液体が間隔を流れるのに要した時間を算出するので、時間と間隔とから容易に液体の流速を算出することができる。
請求項3記載の流速測定装置によれば、検出光の信号強度差の最大値又は/及び最小値に基づいて時間を算出するので、時間と間隔とからより容易に液体の流速を算出することができる。
請求項4記載の流速測定装置によれば、検出光の光路ずれの最大値に基づいて時間を算出するので、時間と間隔とからより容易に液体の流速を算出することができる。
請求項6記載の流速測定装置、又は請求項19記載の液体内温度分布発生素子によれば、間隔が、励起光を導波する少なくとも1本の光ファイバーの第1の半径と、検出光を導波する少なくとも1本の光ファイバーの第2の半径との和以下であるので、間隔を小さくすることができ、流速測定装置の感度を向上させることができる。
請求項7記載の流速測定装置、又は請求項21記載の液体内温度分布発生素子によれば、和が125μmであるので、光ファイバーの間隔を小さくすることができ、流速測定装置の感度を向上させることができる。
請求項8記載の流速測定装置、又は請求項22記載の液体内温度分布発生素子によれば、間隔が100μm以下であるので、間隔をより小さくすることができ、流速測定装置の感度をより向上させることができる。
請求項9記載の流速測定装置によれば、流路内を流れる液体へ流路の上流側において励起光を照射し、流路内を流れる液体へ流路の下流側において検出光を照射し、流路内を流れる液体を透過した検出光の変化を検出し、検出された検出光の信号強度の最大値又は最小値に基づいて流路内を流れる液体の流速を算出するので、液体の流速を非接触で正確に測定することができる。
請求項10記載の流速測定装置によれば、励起光を変調するので、変調開始/終了時刻を流速測定の基準時刻とすることができ、もって、液体の流速をより正確に測定することができる。
請求項11記載の流速測定装置、又は請求項22記載の液体内温度分布発生素子によれば、照射された励起光を液体に集光照射する集光レンズを備えるので、確実に液体に温度分布、即ち熱レンズを形成することができ、流速測定装置の感度をより向上させることができる。
請求項12記載の流速測定装置、又は請求項24記載の液体内温度分布発生素子によれば、集光レンズが色収差を有するので、励起光の照射と検出光の照射とを同一の集光レンズで行った場合に焦点距離を違えることができ、もって流速測定装置の感度をより向上させることができる。
請求項13記載の流速測定装置、又は請求項25記載の液体内温度分布発生素子によれば、集光レンズがロッドレンズから成るので、集光レンズの上面に励起光を導波するファイバーを容易に調心することができると共に、集光レンズの底面を流路と容易に対面させることができ、もって、流速測定装置の組み立てを容易にすることができる。
請求項14記載の流速測定装置、又は請求項26記載の液体内温度分布発生素子によれば、単一の集光レンズが照射された励起光に加えて照射された検出光を液体に集光照射するので、流速測定装置を小型化することができると共に、間隔を短くすることができ、測定装置の感度をさらに向上させることができる。
請求項15記載の流速測定装置、又は請求項27記載の液体内温度分布発生素子によれば、励起光の焦点が液体の深さ方向に関する略中央に位置するので、より確実に液体に温度分布、即ち熱レンズを形成することができ、検出光の焦点が液体の深さ方向に関して励起光の焦点の位置からずれているので、検出光の焦点が流路を流れる熱レンズに位置することを確実に防止して、流速測定装置の感度をより向上させることができる。
請求項16記載の流速測定装置によれば、位置センサにより検出光の変化を検出するので、流速測定装置の感度をより向上させることができる。
請求項17記載の流速測定装置によれば、ピンホール及び当該ピンホールの先に設けられた光センサーにより、検出光の変化を検出するので、流速測定装置を小型化させることができると共に、測定装置の感度を向上させることができる。
請求項20記載の液体内温度分布発生素子によれば、励起光及び検出光のそれぞれ少なくとも1本の光ファイバーがそれらの導波方向の下流側にある端部が同一平面上にあるので、光ファイバーの双方の設置を簡単にすることができると共に、双方を接触させた状態で集光レンズに調心することを容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る流速測定装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図1において、本発明の実施の形態に係る流速測定装置100は、後述する流路付き板状部材10内に形成された流路11中の試料溶液などの液体に励起光及び検出光を出射する出射部1aと、1aにコネクタ(不図示)を介して接続されたファイバー付きレンズである熱レンズ発生素子としての液体内温度分布発生素子1bと、流路付き板状部材10を通過した検出光を受光する受光部1cとから成る。この流速測定装置100は、光熱変換分光分析法を利用して流路付き板状部材10の流路11内の微量な液体の流速vを測定する。なお、試料溶液とは、溶媒に試料(溶質)が溶解されているものをいい、溶質は液体であっても、固体であってもよい。
出射部1aは、励起光を出力する励起光用光源12と、一端が励起光用光源12と接続され且つ他端が液体内温度分布発生素子1bと接続するためのコネクタ(不図示)が接続された光ファイバー15と、検出光を出力する検出光用光源13と、一端が検出光用光源13と接続され且つ他端が液体内温度分布発生素子1bと接続するためのコネクタ(不図示)が接続された光ファイバー16と、励起光用光源12が出力する励起光を変調する変調器14とから成る。
励起光用光源12は、電源がオンであるときに、例えば、出力5mW、波長650nmの励起光を出射する。
以下、本発明の液体内温度分布発生素子1bの構成を説明する。
図2は、図1の液体内温度分布発生素子1b及び受光部1cの構成を示す断面図である。
図2において、液体内温度分布発生素子1bは、光ファイバー15とコネクタ203を介して接続する光ファイバー15’(励起光導波手段)と、光ファイバー16とコネクタ204を介して接続する光ファイバー16’(検出光導波手段)と、円筒形の集光レンズであるロッドレンズ17と、ロッドレンズ17を内嵌するチューブ201と、チューブ201に内嵌され、且つロッドレンズ17と対面するように光ファイバー15’,16’をチューブ201に固定するためのフェルール202と、液体内温度分布発生素子1bを流路11と対面するように調整可能に保持するための冶具205とから成る。
図2において、液体内温度分布発生素子1bは、コネクタ203,204を使用せず直接光ファイバーを介して光源12,13と接続されていてもよい。
光ファイバー15,15’,16,16’は、それぞれ、直径が125μmであり、対応する励起光又は検出光をシングルモードでロッドレンズ17に導波する。これにより、励起光及び検出光に対して導波モードの不安定さをマルチモードよりもなくすことができるだけでなく、励起光に対しては、その焦点の大きさを小さくして、液体に熱を局所的に供給することができ、もって液体内に温度分布を確実に形成することができる。
ロッドレンズ17は、例えば、中心から周辺に向かって屈折率が連続的に変化する集光レンズ、屈折率分布型セルフォックマイクロレンズから成る。ロッドレンズ17が屈折率分布型であるので、光ファイバー15’,16’のそれぞれに対応する集光レンズを1つの集光レンズで共有することができ、もって、光ファイバー15’,16’に対応する別々の集光レンズを使用する必要をなくし、且つ光ファイバー15’,16’を近接させることができる。また、ロッドレンズ17が円柱状であるので、その上面に光ファイバー15’,16’を容易に対面させることができると共に、その底面に流路11を容易に対面させることができ、もって光ファイバー15,15’,16,16’及びロッドレンズ17の取り付けの作業効率を向上させることができる。後述するように、この構成により、液体内温度分布発生素子1bの光軸を容易に調整することができる。
以下、フェルール202による光ファイバー15’,16’の固定を説明する。
図3は、図2における線III−IIIに沿う断面図である。なお、図3において、各部のハッチングを省略する。
図3に示すように、光ファイバー15’,16’は、フェルール202の断面円形の孔202’を介してチューブ201に固定されている。フェルール202を用いるので、光ファイバー15’,16’の間隔d(光ファイバー出射端間の距離)を容易に変更することができ、もって、液体内における励起光の照射位置と検出光の照射位置との流路11の長手方向における間隔d’を容易に変更することができる。間隔dの値は小さい方が好ましく、光ファイバー15’,16’の間隔の変更可能な範囲は双方の直径が125μmであるので、光ファイバー出射端間の距離の最小値を125μmとすることができる(図4参照)。光ファイバー15’,16’は互いに近接している方が好ましい。例えば、図4に示すように、まず、光ファイバー15’,16’を互いに接触させた上で断面正方形の孔202’に固定し、次に、光ファイバー15’,16’が固定されているフェルール202を介してチューブ201に固定してもよい。円柱のフェルール202にあいている孔202’は、円形又は正方形であるとしたが、長方形や楕円形であってもよい。
液体内温度分布発生素子1bによれば、光ファイバー15’,16’とロッドレンズ17とが一体型であるので、小型化されており、流速測定装置100を非常に簡略化することができ、組み立てやすくすることができる。また、コネクタ203,204を備えるので、測定毎に光源12,13を切り替えることを容易にすることができる。
このように出射部1a及び液体内温度分布発生素子1bを構成することにより、励起光と検出光とを別々に流路付き板状部材10の流路11に照射でき、且つ、励起光の焦点を流路11中に位置させてそこに直径数μmの熱レンズを形成することができる。また、光ファイバー15’,16’とロッドレンズ17とが一体型であるので、図2に示すように、液体内における励起光の照射位置と検出光の照射位置との流路11の長手方向における間隔d’を確実に所定値にすることができる。上記間隔d’の値は、小さい値、例えば0.1mm以下であることが好ましい。この理由は、詳細は後述するが、流速測定装置100は、励起光により発生させた熱レンズが液体の流速vで流されてきたときの検出光の変化を測定するからである。なお、間隔d’の値が大きいと、検出光照射位置において熱レンズが拡散しすぎて検出光の変化が小さくなるので、流速測定装置100の感度が低下する。
次に、液体内温度分布発生素子1bの焦点位置について図2を用いて説明する。
励起光の焦点位置は、液体の熱の発生が最も大きくなるように、好ましくは流路11、より好ましくは液体の深さ方向、即ち鉛直方向に関する略中央に位置する。一方、検出光の焦点位置は、液体の深さ方向に関して励起光の焦点位置から上下にずれていることが好ましい。即ち、ロッドレンズ17の下面から焦点位置までの距離を示すワーキングディスタンス(working distance;以下、「WD」という)が検出光と励起光とで互いにずれていることが好ましい。ロッドレンズ17が色収差を有するので、励起光よりも通常波長の長い検出光の屈折を小さくすることができ、もって、光ファイバー15’,16’のロッドレンズ17と対面する端面が互いに同一平面上にあるように配置しても容易に検出光のWDと励起光のWDとを互いにずらすことができ、結果、流速測定装置100の感度を向上させることができる。なお、光ファイバー15’,16’のロッドレンズ17と対面する端面を鉛直方向に互いに異なる高さになるように配置することにより、検出光のWDと励起光のWDとを互いにずらしてもよい。
なお、検出光の焦点位置が上記深さ方向に関して励起光の焦点位置とほぼ同一平面上にある場合、検出光の焦点及びその近傍の液体が後述する検出光照射領域Bを形成することになるため、後述する検出光の光路ずれを効果的に得ることができない。
流路付き板状部材10は、3層に順に接着された3つの基板から成り、内部に形成される流路11は、試料溶液の混合、攪拌、合成、分離、抽出、検出等に用いられる。
受光部1cは、流路付き板状部材10の流路11を通過した励起光及び検出光を受光すると共に、受光した励起光を反射又は吸収し且つ受光した検出光を選択的に濾波する波長フィルター20と、濾波された検出光を検出する位置センサー21と、位置センサー21に接続され、位置センサー21からの検出信号を受信するロックインアンプ22と、この信号を解析するコンピューター23とから成る。位置センサー21は直接コンピューター23につないでもよい。また、コンピューター23は、変調器14に接続されている。
変調器14は、励起光用光源12のオン/オフを周期的に、例えば、オンから再度オンになるまでの時間である1周期の時間が1msecとなるように、即ちオン/オフの周波数の値が1kHzとなるように変調することにより、励起光を周期的にオン/オフする(図6参照)。この変調周波数の値は、変調器14により直接に、又はコンピューター23を介して設定することにより間接的に変更することが可能である。
ロックインアンプ22は、変調器24により、所定のタイミングが入力され、そのタイミングに同期する後述する検出信号の信号強度Iの値をコンピューター23に入力する。
コンピューター23は、プログラムにしたがって、例えば周波数1kHz(周期1000sec-1(秒-1),1周期=1msec)で変調器14を制御する。また、コンピューター23は、変調器14の周期と同期させながら、信号強度I、時間Δtなどの値を測定値としてデータ化して、これら2つの測定値I,Δtから液体の流速vを計算する。
以下、図1の流速測定装置100の作動を説明する。
図1において、励起光用光源12から出射された励起光と検出光用光源13から出射された検出光は、対応する光ファイバー15,15’,16,16’によって導波される。導波される励起光は、変調器14により周期的に変調されている。光ファイバー15’から出射された励起光は、ロッドレンズ17によって流路11内に集光照射される。図2に示すように集光照射された励起光の焦点位置を中心として熱レンズが形成される。一方、光ファイバー16’から出射された検出光は、ロッドレンズ17によって図2に示す検出光照射領域B、即ち液体内において励起光の照射位置から所定の距離である間隔d’だけ液体の流れ方向Aに向かって離れた検出光の照射位置に集光照射されている。
なお、励起光の焦点位置を流路11の外部となるようにしてもよい。これにより、流路11内の励起光が照射される液体全体に熱レンズ又は温度分布を形成することができる。
流路11内に形成された熱レンズは、図2の矢印Aに示す方向の液体の流れに伴って励起光の照射位置から間隔d’だけ液体の流れ方向Aに向かって移動した結果、検出光照射領域Bに到達することになる。この検出光照射領域Bでは、熱レンズの形状が維持されていなくても、励起光からの熱により液体内に温度分布が形成されていればよい。温度分布の存在により、液体には屈折率の分布が発生し、液体は検出光に対してレンズ効果を発揮する。レンズ効果により、検出光は図2の一点鎖線で示す光路から実線で示す光路に、即ち矢印C方向へと屈折する(光路ずれ)。このような検出光の屈折の程度は、液体の温度の変化、即ち屈折率の変化が急であるほど大きい。
また、励起光の出射がオンされた場合と同様に、励起光の出射がオフされた場合にも、液体の温度の変化、即ち屈折率の変化が急になるので、検出光に対してレンズ効果が発揮され、これにより、検出光は、矢印C方向とは逆方向へと屈折する。
このようにレンズ効果の影響を受ける検出光は、位置センサー21によって検出信号として検出され、コンピューター23は、この検出信号に基づいて液体の流速測定を行う。
図5は、図1の流速測定装置100によって実行される流速測定処理のフローチャートである。本処理は、図1のマイクロ化学システムのコンピューター23によって実行される。
図5において、まず、液体内における励起光の照射位置と検出光照射位置との流路11の長手方向における間隔d’(図2)の値をコンピューター23に入力することにより、検出光照射領域Bを設定する(ステップS1)。次に、変調器14を介して励起光用光源12を周期的にオン/オフを繰り返す変調を行うことにより励起光を液体に照射/非照射を繰り返す(励起光照射手段)と共に、検出光用光源13(検出光照射手段)からの検出光を位置センサー21により検出信号として検出する(検出手段)(ステップS2)。そして、位置センサー21によって検出された検出信号の信号強度Iの最大値Imaxを特定する(ステップS3)と共に、特定された信号強度Imaxの時刻と、変調器14による励起光の変調周期に基づく時刻とから時間Δtを算出する(ステップS4)。そして、液体内における励起光の照射位置と検出光照射位置との流路11の長手方向における間隔d’の値と、算出された時間Δtの値とから液体の流速vの値を計算する(流速算出手段)(ステップS5)。そして、本処理を終了する。
以下、図5のステップS2〜S4の処理を具体的に説明する。
図6は、図5におけるステップS2〜S4の処理における、励起光の変調と、信号強度Iとの関係を示すタイミングチャートである。なお、図6において、例えば、励起光用光源12の変調周波数の値は1kHz、デューティー比は50:50である。
図6は、図1の励起光用光源12から出射される励起光と、位置センサー21上で検出光が照射される位置によって検出される検出信号との関係を示すタイミングチャートである。
図6においては、図5における検出光の光路ずれが、熱分布(温度分布)のない時から右にずれたときをプラス、左にずれたときをマイナスとして表している。
上述したように、ロックインアンプ22に入力された位置センサー21によって検出される検出信号の信号強度Iは、励起光が液体に吸収されることにより形成された熱レンズの光屈折力に応じて変化すると共に、変調器14による励起光用光源12に対する変調の周波数の値1kHzの逆数である周期1000sec-1(秒-1)に同期して変化する。
図6に示すように、まず、時刻t1よりも前、即ち励起光がオフであるときは、熱レンズが形成されないので、検出光照射領域Bには液体の温度変化がなく、検出光は図2の一点鎖線のように進行する。
次に、時刻t1において励起光がオンになると、励起光の焦点位置では液体に励起光の熱が供給され熱レンズが形成される。時刻t1から時刻t2の間では、形成された熱レンズは拡散しながら液体の流速vにしたがって液体の流れる方向Aへ移動し、検出光照射領域Bに到達する。検出光照射領域Bでは、液体の温度上昇の拡大に基づく屈折率の変化に応じて検出光が図2の矢印Cの方向へ屈折する、即ち検出光の光路が右方向へ曲がると共に、この屈折した検出光は、位置センサー21によって図6の上側の検出信号として検出される。
時刻t2は、拡散しながら移動した熱レンズが検出光照射領域Bに完全に到達した時刻であり、このとき位置センサー21によって検出される検出信号の信号強度Iが最大値Imaxとなる。コンピューター23は、励起光オンの時刻t1から信号強度Iが最大値Imaxとなる時刻t2までの時間を時間Δtとしてこれを記録する。その後は、励起光がオンであっても、液体に供給される励起光の熱が定常的に発生していることから液体の温度分布には変化がなく、もって信号強度Iの値は一定となる。
変調器14による変調の周期にしたがって励起光がオフになると、励起光の照射位置における熱レンズの形成が停止する。熱レンズの形成停止後には、液体の温度上昇が解消する方向に大きく変化するので、検出光照射領域Bでは、液体の温度分布に基づく屈折率の変化に応じて検出光が図2の矢印Cの方向とは逆方向へ屈折する、即ち検出光の光路が左方向へ曲がると共に、この屈折した検出光は、位置センサー21によって図6の下側の検出信号として検出される。
また、コンピューター23は、励起光オフの時刻から信号強度Iが最小値Iminとなる時刻までの時間を時間Δt’としてこれを記録する。
なお、液体の流速vが一定である場合、液体の温度上昇の拡大と解消とは、互いに反対のプロセスを辿るだけであるから、周期的に検出される信号強度Iminの値及び算出される時間Δt’の値は、夫々、上記信号強度Imaxの値及び時間Δtの値とほぼ一致する。
図5の処理によれば、位置センサー21が励起光がオン及び/又はオフになった後の信号強度Iの最大値Imax又は最小値Iminを検出し、それまでの時間をコンピューター23が時間Δt又は時間Δt’として記録するので、コンピューター23は、時間Δtの値と、液体内温度分布発生素子1bに固有の値である、液体内における励起光の照射位置及び検出光の照射位置間の流路11の長手方向における距離である間隔d’の値とから液体の流速vを計算するので、液体の流速vを非接触で正確に測定することができる。
図5の処理の変形例としては、信号強度Imaxの値自身から液体の流速vを測定してもよい。この場合、時間Δtは使用しない。
また、時間Δtを、信号強度の最大値Imax又は最小値Iminからではなく、信号強度が変化し始めた瞬間をもとに算出してもよい。
また、図5の処理では、図6の光路ずれの信号値の微分に相当する、検出光の光路ずれの速度の最大値に基づいて時間Δtや時間Δt’を算出してもよい。
なお、上記ステップS1の処理は、コンピューター23に間隔dの値をデフォルトとして設定することにより、図5の流速測定処理をより簡略化してもよい。
また、本実施の形態に係る流速測定装置100は、位置センサー21を備えるとしたが、位置センサー21は、微小な検出点をアレイ状に設けられているので感度は優れているが流速測定装置100が大型化するというデメリットがある。したがって、位置センサー21に代えて光センサーとして、例えばピンホール及び当該ピンホールに対して検出光の進行方向の位置に設けられたフォトダイオード(photo diode)を1組以上用いてもよい。ピンホール及びフォトダイオードは、検出光の光路がずれるべき経路上に配置される。ピンホール及びフォトダイオードを用いた場合、図6のタイミングチャートの下半分の部分に対応する図7に示すように、検出光の光路ずれの方向に関する情報が得られないだけであって、信号強度差ΔImax,Δtの値から図6のタイミングチャートと同様の結果を得ることができる。これにより、流速測定装置100を非常に小型化することができる。なお、ピンホール及びフォトダイオードを通常の検出光の光路上に配置してもよい。
また、本実施の形態に係る流速測定装置100は、励起光用に1組の光ファイバー15,15’、且つ検出光用に1組の光ファイバー16,16’を備えるとしたが、これらは複数組の光ファイバーであってもよい。特に、検出光用の光ファイバーを流路11の長手方向に沿って複数組設置することによって、液体の流速vの測定をより高精度で行うことができる。また、励起光用及び/又は検出光用の光ファイバーを流路11の長さ方向と垂直な幅方向に沿って複数組設置することによって、又は、励起光用及び/若しくは検出光用の光ファイバーを流路11の幅方向に走査させることによって、液体の流速vの分布を流路11の幅方向に関して測定することができる。
上記実施の形態では、変調器14による励起光の変調の周波数の値が1kHz、デューティー比が50:50であるとしたが、これらの値に限られることはない。
また、本実施の形態に係る流速測定装置100は、図5の流速測定処理を実行するとしたが、これに限られることはなく、変調器14による励起光の変調の周波数の値及び/又はデューティー比を変更することによって得られた検出光の信号強度差及び/又は位相の遅れ信号に基づいて、流速測定処理、さらには濃度測定処理を実行してもよい。
本発明の実施の形態に係る流速測定装置及び流速測定用液体内温度分布発生素子は、マイクロ化学システム、液体用の流速測定装置、液体用の流速分布測定装置、他の光学的な分析装置などに適用することができる。
1b 液体内温度分布発生素子
11 流路
12 励起光用光源
13 検出光用光源
14 変調器
15,15’,16,16’ 光ファイバー
17 ロッドレンズ
23 コンピューター
100 流速測定装置
11 流路
12 励起光用光源
13 検出光用光源
14 変調器
15,15’,16,16’ 光ファイバー
17 ロッドレンズ
23 コンピューター
100 流速測定装置
Claims (28)
- 流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射手段と、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化量を検出する検出手段と、前記液体内における励起光の照射位置及び前記検出光の照射位置の間隔と前記検出された検出光の変化とに基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出手段とを備えることを特徴とする流速測定装置。
- 前記流速算出手段は、前記励起光照射の開始/終了時刻と前記検出光の変化とから前記液体が前記間隔を流れるのに要した時間を算出する時間算出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の流速測定装置。
- 前記検出光の変化は当該検出光の信号強度の変化であり、前記時間算出手段は、前記検出光の信号強度の最大値又は/及び最小値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする請求項2記載の流速測定装置。
- 前記検出光の信号強度の変化は当該検出光の光路が前記液体内の温度分布に起因してずれたときの光路ずれであり、前記時間算出手段は、前記検出光の光路ずれの最大値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする請求項2記載の流速測定装置。
- 前記時間算出手段は、前記検出光の光路がずれる速度の最大値に基づいて前記時間を算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記励起光照射手段は前記励起光を導波する第1の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記検出光照射手段は前記検出光を導波する第2の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記間隔は前記第1の半径と前記第2の半径の和以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記第1の半径と第2の半径の和は125μmであることを特徴とする請求項6記載の流速測定装置。
- 前記間隔は100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射手段と、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化量を検出する検出手段と、前記検出された検出光の信号強度の最大値又は最小値に基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出手段とを備えることを特徴とする流速測定装置。
- 前記励起光を変調する変調器を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記照射された励起光を前記液体に集光照射する集光レンズを備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする請求項11記載の流速測定装置。
- 前記集光レンズはロッドレンズから成ることを特徴とする請求項11又は12記載の流速測定装置。
- 前記集光レンズは前記照射された検出光を前記液体に集光照射することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記励起光の焦点は前記液体の深さ方向に関する略中央に位置し、前記検出光の焦点は、前記液体の深さ方向に関して前記励起光の焦点の位置からずれていることを特徴とする請求項14記載の流速測定装置。
- 前記検出手段は位置センサーから成ることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 前記検出手段は、ピンホールと、当該ピンホールに対して前記検出光の進行方向の位置に設けられた光センサーとから成ることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の流速測定装置。
- 流路内を流れる液体へ励起光を照射することにより当該液体内に温度分布を形成して前記流路内を流れる液体の流速を測定するために用いられる液体内温度分布発生素子において、前記流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において前記励起光を導波する励起光導波手段と、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を導波する検出光導波手段とを備えることを特徴とする液体内温度分布発生素子。
- 前記励起光導波手段は、前記励起光を導波する第1の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記検出光導波手段は、前記検出光を導波する第2の半径の少なくとも1本の光ファイバーを備え、前記液体内における前記励起光の導波位置及び前記検出光の導波位置の間隔は、前記第1の半径と前記第2の半径の和以下であることを特徴とする請求項18記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記励起光及び検出光のそれぞれ少なくとも1本の光ファイバーは、それらの導波方向の下流側にある端部が同一平面上にあることを特徴とする請求項18又は19記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記第1の半径と第2の半径の和は125μmであることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記間隔は100μm以下であることを特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記導波された励起光を前記液体に集光照射する集光レンズを備えることを特徴とする請求項18乃至22のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする請求項23記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記集光レンズはロッドレンズから成ることを特徴とする請求項23又は24記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記集光レンズは前記導波された検出光を前記液体に集光照射することを特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項に記載の液体内温度分布発生素子。
- 前記励起光の焦点は前記液体の深さ方向に関する略中央に位置し、前記検出光の焦点は、前記液体の深さ方向に関して前記励起光の焦点の位置からずれていることを特徴とする請求項26記載の液体内温度分布発生素子。
- 流路内を流れる液体へ前記流路の上流側において励起光を照射する励起光照射ステップと、前記流路内を流れる液体へ前記流路の下流側において検出光を照射する検出光照射ステップと、前記流路内を流れる液体を透過した検出光の変化を検出する検出ステップと、前記液体内における励起光の照射位置及び前記検出光の照射位置の間隔と前記検出された検出光の変化とに基づいて前記流路内を流れる液体の流速を算出する流速算出ステップとを有することを特徴とする流速測定方法。
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RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060904 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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