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JP2005205807A - 射出成形用金型 - Google Patents

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JP2005205807A
JP2005205807A JP2004016449A JP2004016449A JP2005205807A JP 2005205807 A JP2005205807 A JP 2005205807A JP 2004016449 A JP2004016449 A JP 2004016449A JP 2004016449 A JP2004016449 A JP 2004016449A JP 2005205807 A JP2005205807 A JP 2005205807A
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JP2004016449A
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Koichi Komatsu
浩一 小松
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】精密部品歯車などの高い精度が要求される中空部を有する形状の射出成形において、複数ゲートからの同時充填を可能にしつつ、かつ多数個取りの場合でも取出しが容易な射出成形用金型を提供する。
【解決手段】 型閉め状態から、第1可動プレート13および第2可動プレート15を下降させて各プレートを離間させると、ロッキングブロック45,45による規制が解除され、スライドブロック43,43は矢印で示す方向へ互いに離れるように徐々にスライドする。型開きが完了すると、スライドブロック43は両側へ移動した状態になる。このスライドブロック43,43の離間によって、第2スプルー部85は開放される。その結果、アンダーカットとなっていた第2スプルー75と第2ランナー77が露出して取出しが可能になる。
【選択図】図5

Description

本発明は、射出成形用金型に関し、詳細には、例えば高精度歯車などの中空部を有する形状の精密部品の成形に適した射出成形用金型に関する。
中空部を有する歯車などの射出成形に際しては、略環状に形成された製品部空隙内に1箇所のゲートから溶融材料を注入する方式が取られていた(例えば、特許文献1)。しかし、成形品が中空部を有する形状の場合、1箇所からの注入では、中空部を迂回して廻り込むように環状の製品部空隙全体へ溶融材料の充填が行われるため、ショートショット(充填不足)や充填ムラが生じ易く、高い精度を持つ成形品が得られにくいという問題がある。
従って、成形品の精度を高めるためには、環状の製品部空隙に1箇所のゲートから溶融材料を注入するよりも、ゲートを複数箇所に設けて、各ゲートから溶融材料を同時に注入し、固化させる方が、より均一な充填が可能になり有利である。このように複数ゲートから溶融材料を注入する場合には、必然的に各ゲートに接続する複数のスプルーが必要になる。
また、高精度な筒状射出成形品の多数個取り成形に関し、固定型に2枚の可動型として、ストリッパープレートと、コアブロックを支持する第1型板とを備えた金型構成において、スプルーが形成された第1型板とストリッパープレートとの境界に第1の水平ランナー部を、また、コアブロックとキャビブロックとの境界に第2の水平ランナー部をそれぞれ設けるとともに、第1および第2の水平ランナー部を連通させる垂直ランナーを設け、第1の水平ランナー部によってスプルーの先端を形成個数に適合する経路に分岐させ、かつ金型キャビティ部の軸心と整合する位置を分岐点として同一経路を複数に分岐させ、軸心と同心状に配置した前記垂直ランナーを介して第2の水平ランナー部と連通させ、第2の水平ランナー部によって同一経路の各分岐路の内端を金型キャビティ部の軸心と軸対象に配置させるとともに、各分岐路の内端には軸心に向う多点ゲートを対向状に設けたことを特徴とする筒状射出成形品の製造用金型が提案されている(例えば、特許文献2)。
上記特許文献2の方式は、具体的にはスプルーの先端から、これと直交するランナーにより2方向に分岐させ、さらにそれぞれのランナー端部において2方向に分岐して4つの製品部空隙に対応する位置まで分配するとともに、各製品部空隙へは、各2本のスプルーにより接続し、かつ、さらに半円弧状の外周ランナーを介して4箇所のゲートから充填を行うことによって、筒状射出成形品に対する高精度な外形寸法と内径同軸度を得るというものである。この方式は、溶融材料の流動長を揃えてゲートバランスを確保すべく、ゲート直前に半円弧状の外周ランナーを設けているが、この構成は筒状射出成形品に適合したものであり、歯車などの他の成形品にそのまま適用することは出来ない。また、ゲート付近の構造が複雑であるため、金型製造が難しいという問題がある。
特開平8−276469号公報(図1など) 特開2002−321257号公報(図8、図10など)
一般に、精密部品を射出成形する場合は部品の精度を高めるため、1個取りが基本であり、複数の成形品を同時に加工する多数個取りは避けることが多い。1個取りの金型を用いる場合、第1スプルーを中心にして放射状にランナーを延ばし、そこから一つの製品部空隙に複数設けられたゲートへ向けて複数の第2スプルーを形成するようにすれば、溶融材料の均等な充填が可能になり、ゲートバランスの問題も生じにくい。
しかし、製造効率の点では多数個取りが圧倒的に有利である。多数個取りで、かつ成形精度を高めるために多点ゲート方式を採用する場合には、不可避的にスクラップ形状(スプルーおよびランナーの形状)が複雑になるため、アンダーカットの問題が生じる。
すなわち、第1スプルーから、略直交する方向に、製品部空隙の数と同じ数だけ分岐させて複数の第1ランナーを形成し、各第1ランナーから第2スプルーを延ばし、その端部を中心にして略直交する方向に放射状に第2ランナーを延ばし、各ゲートまで第3スプルー(前記1個取りの場合の第2スプルーに相当するもの)が形成されるようにすると、必ずアンダーカットになってしまう。アンダーカットを生じさせないようにするためには、第2スプルーを設けず、前記第1ランナーを分岐させて、その各先端部から直接各製品部空隙へ通じるスプルーが形成されるようにすればよいが、そうした場合、第1ランナーの分岐点から各スプルーまでの流動長が同じにならないことから、各ゲートからの充填タイミングに微妙な差が生じて均一な充填が出来ないという問題が生じる。
従って、本発明の課題は、精密部品歯車などの高い精度が要求される中空部を有する形状の射出成形において、複数ゲートからの同時充填を可能にしつつ、かつ多数個取りの場合でも取出しが容易な射出成形用金型を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、少なくとも、固定プレートと、第1の可動プレートと、第2の可動プレートと、を有し、前記固定プレートには第1スプルー部が形成され、前記第1の可動プレートには第2スプルー部が形成され、前記第2の可動プレートには第3スプルー部が形成されている射出成形用金型であって、前記第2スプルー部を構成する前記第1の可動プレートにスライド部を設けて割型にしたことを特徴とする、射出成形用金型である。
この射出成形用金型の発明によれば、第2スプルー部を構成する第1の可動プレートにスライド部を設けて割型にしたことによって、複数ゲートからの充填や多数個取りを行う場合にアンダーカットが生じてもスクラップを容易に取出すことが可能になる。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、金型中心に形成された前記第1スプルー部から、複数の第1ランナー部が分岐し、それぞれ第2スプルー部に接続していることを特徴とする、射出成形用金型である。
この特徴によれば、第1スプルー部から複数の第1ランナー部を分岐させることにより、溶融材料の均一な充填を維持しつつ多数個取りが可能になる。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、一つの第2スプルー部から、複数の第2ランナー部が分岐し、それぞれ第3スプルー部に接続しているとともに、これら複数の第3スプルー部に接続する複数のゲートが一つの製品部空隙に対して設けられていることを特徴とする、射出成形用金型である。
この特徴によれば、一つの製品部空隙に複数ゲートを介して溶融材料を充填できるので、溶融材料の充填ムラを極力抑制し、高精度な成形品を得ることが可能になる。
また、本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記製品部空隙が、中空部を有する環状成形品に対応した形状であることを特徴とする、射出成形用金型である。
この特徴によれば、例えば精密歯車などの中空部を有する環状成形品を射出成形によって高い精度で製造できる。
また、本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記固定プレートには、傾斜ピンが突出して設けられており、該傾斜ピンが前記スライド部に形成された孔部に挿脱可能に構成されていることを特徴とする、射出成形用金型である。
この特徴によれば、傾斜ピンをスライド部の孔部へ嵌挿という簡易な構成で確実に割型を構成できる。
また、本発明の第6の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれかにおいて、さらに少なくとも1枚の下部プレートを備えており、該下部プレートには、コアブロックが支持され、該コアブロックと前記第2の可動プレートに支持されるキャビティブロックとによって製品部空隙が形成されていることを特徴とする、射出成形用金型である。
この特徴によれば、下部プレートに支持されるコアブロックと第2の可動プレートとの境界がパーティングラインとなるため、成形品の取出しが容易である。
また、本発明の第7の態様は、少なくとも、固定プレートと、第1の可動プレートと、第2の可動プレートと、を有し、溶融材料の注入方向の上流側から下流側へ順に第1スプルー部、第2スプルー部、および第3スプルー部が形成されており、前記第1スプルー部と、前記第2スプルー部との間には第1ランナー部が形成され、前記第2スプルー部を中心にして複数の第2ランナー部が分岐形成されるとともに、該第2ランナー部を介して複数の前記第3スプルー部が接続され、複数の前記第3スプルー部は、それぞれ対応する複数のゲートを介して製品部空隙に連通している射出成形用金型であって、前記第2スプルー部を形成する前記第1の可動プレートにスライド部を設けて割型にしたことを特徴とする、射出成形用金型である。
この射出成形用金型の発明によれば、前記第1の態様と同様の作用効果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る射出成形用金型100の概要を示す斜視図であり、図2は同断面図である。この射出成形用金型100は、高精度歯車の射出成形に使用されるものであり、固定プレート11、「第1の可動プレート」としての第1可動プレート13および「第2の可動プレート」としての第2可動プレート15の三枚のプレートから主に構成される上部金型10aと、下部第1プレート17、下部第2プレート19、スペーサーブロック21および取付板23により主として構成される下部金型10bと、を有している。上側金型10aと、下部金型10bとの境界面にはパーティングラインPLが形成される。また、第2可動プレート15に支持されるキャビティブロック51と、下部第1プレート17に支持されるコアブロック49とによって、製品部空隙53(図4参照)が形成されている。
射出成形用金型100の両側面には、上側金型10aと下側金型10bとの境界部近傍に、それぞれマグネット37a、37bが設けられている。マグネット37a、37bは、上部金型10aと下部金型10bとが接合した型閉め状態での密着性を高めるように作用する。
上部金型の固定プレート11、第1可動プレート13および第2可動プレート15は、4本のサポートピン35により上下にスライド可能に構成され、これら三つのプレートが隙間無く積層した型閉め状態と、互いに離間した型開き状態とを取ることができる。また、固定プレート11と第1可動プレート13は正面および背面に設けられた4つのリンク33によって、また第1可動プレート13と第2可動プレート15は、両側面に設けられた4つのリンク39によって、それぞれ型開きの際の移動量が制限されている。なお、固定プレート11は、ロケートリング31において、図示しない射出成形機に接続されている。
射出成形用金型100に樹脂などの溶融材料を充填することにより得られるスクラップ70の形状(つまり、スプルーおよびランナーの形状)を図3に示す。スクラップ70において、第1スプルー71は可動プレートの移動方向(ここでは上下のスライド方向と同じ鉛直方向)に形成されている。第1スプルー71の端部近傍からは、略直交して第1ランナー73,73が二方向に向けて延伸形成されている。つまり、ここでは2個取り成形におけるスクラップ70の形状を示している。なお、第1ランナー73,73以降は対称であるため、特に注記しない限り片側のみ説明を行う。
第1ランナー73の端部近傍からは、可動プレートの移動方向に向けて第2スプルー75が形成されている。さらに第2スプルー75を中心にして直交する方向に複数(ここでは6本)の第2ランナー77が放射状に分岐形成されている。これら6本の第2ランナーからは、それぞれ直交する方向へ、対応する6つのゲート91(図4参照)へ向けて6本の第3スプルー79が形成されている。各第3スプルー79の先端部は、各ゲート91に対応している。
上記スクラップ70の形状は、射出成形用金型100におけるスプルー部およびランナー部の形状に対応するものである。つまり、第1スプルー71は第1スプルー部81(破線で示す)に、第1ランナー73は第1ランナー部83に、第2スプルー75は第2スプルー部85に、第2ランナー77は第2ランナー部87に、第3スプルー79は第3スプルー部89に、それぞれ対応している。
第1スプルー部81は、固定プレート11において鉛直方向に形成されている。第1ランナー部83は、第1プレート11の下面に形成された溝と第1可動プレート13の上面とによって規定され、図2の紙面に対し直交する方向(かつ、水平方向)に形成されている。第1ランナー部83は両端近傍において、それぞれ第2スプルー部85に連通している。各第2スプルー部85は、第1可動プレート13に支持されるスライドブロック43,43の境界面に対向して形成された溝によって鉛直方向に形成されている。6つの第2ランナー部87は、第2可動プレート15に支持されたランナープレート47に形成された溝と第1可動プレート13に支持されたスライドブロック43,43の下面とによって規定され、第2スプルー部85を中心に放射状に形成されている。6つの第3スプルー部89は、ランナープレート47と第2可動プレート15を貫くように鉛直方向に形成されている。そして、6つの第3スプルー部89は、それぞれ対応するゲート91(図4参照)に連通し、6箇所のゲート91から一つの製品部空隙53内に熱可塑性樹脂などの溶融材料が流入するように構成されている。
このように、複数ゲート91から溶融材料を注入する方式を採用することによって、歯車などの中空部を有する成形品に対応した形状の製品部空隙においても、溶融材料の充填を均一にし、外形寸法精度などに優れた高精度な成形品を得ることができる。また、第2スプルー75を中心にして6本の第2ランナー77が放射状に広がる構成としているので、各第3スプルー部89への溶融材料の流入は略同時に進行することになり、各ゲート91(図4参照)からの均等な充填を確保することができる。
図3に示すようなスクラップ70の形状においては、第2ランナー77がアンダーカットになってしまうため、本実施形態の射出成形用金型100では、第1可動プレート13にスライド機構を設け、スクラップ70の取出しを可能にしている。
図4〜図6は、射出成形用金型100の要部断面を示す図面であり、図4は型閉め時の状態を示し、図5は型開き途中の状態を示し、図6は型開き後の状態をそれぞれ示す。
第1可動プレート13には、「スライド部」として、一組のスライドブロック43,43が設けられている。スライドブロック43,43は、互いに当接・離間する方向にスライド可能に構成されている。
固定プレート11には、「傾斜ピン」としての一対のアンギュラピン41,41が固定されており、このアンギュラピン41,41は、スライドブロック43,43へ向けて斜め下方に突出している。また、固定プレート11には、前記アンギュラピン41の両側に位置するように、一対のロッキングブロック45,45が設けられている。ロッキングブロック45,45は、第1可動プレート13へ向けて凸部として突起し、型閉め状態(図4)でスライドブロック43,43を両側から規制するように構成されている。
スライドブロック43,43には、アンギュラピン41,41に対応するように斜め方向に「孔部」としての貫通孔42,42が形成されており、型閉め時には、この貫通孔42,42にアンギュラピン41,41がそれぞれ挿入される。
型閉め状態から、第1可動プレート13および第2可動プレート15を下降させて各プレートを離間させると、図5に示すように、ロッキングブロック45,45による規制が解除され、スライドブロック43,43は同図中、矢印で示す方向へ互いに離れるように徐々にスライドする。型開きが完了すると、スライドブロック43は両側へ移動した状態になる。このスライドブロック43,43の離間によって、第2スプルー部85は開放される。その結果、図5に示すように、アンダーカットとなっていた第2スプルー75と第2ランナー77が露出する。
型開きにより固定プレート11と第1可動プレート13とが離れることによって、第1スプルー71上端が切断される。また、第1可動プレート13と第2可動プレート15とが離れることによって、ゲート91部分で第3スプルーの先端部が切断される。このように切断されたスクラップ70は、図6に示すように、互いに離間したスライドブロック43,43の間から取出すことが可能になる。
型開き状態から、第1可動プレート13および第2可動プレート15を上昇させ、固定プレート11へ接合させることによって、スライドブロック43,43はロッキングブロック45,45によって両側から挟み込まれるようにして互いに近接する方向へスライドし、アンギュラピン41,41が、スライドブロック43,43の貫通孔42に挿入される。スライドブロック43,43が互いに当接することにより、境界部に第2スプルー部85が形成される。
以上のように、第2スプルー部85をスライドブロック43,43によって形成し、第2スプルー75をスライド機構によって開放できるように構成することによって、第2ランナー部87,87への溶融材料の均等配分と同時タイミングでの流入が可能になる。
下部金型10bは、主要な構成として下部第1プレート17、下部第2プレート19、スペーサーブロック21、第2取付板23、第1エジェクタプレート25、第2エジェクタプレート27を備える固定側であり、第2取付板23によって図示しない射出成形機に取付られている。
下部第1プレート17は、型閉め状態においてパーティングラインPLを介して上部金型10aの第2可動プレート15と当接し、前記したように、コアブロック49とキャビティブロック51とによって、製品部空隙53(図4参照)が形成されている。型開き後には、パーティングラインPLで上部金型10aと下部金型10bとが分離するため、製品部空隙53が開放される(図1参照)。この状態で、複数のエジェクタピン55を利用することにより成形品の取出しが可能になる。
各エジェクタピン55は、スペーサーブロック21の間に配備された第1エジェクタプレート25を貫通し、下部が第2エジェクタプレート27に当接するように構成されている。第1エジェクタプレート25および第2エジェクタプレート27を上方に移動させることによって、これらに連動してエジェクタピン55が製品部空隙53に向けて突出し、図7に示すように成形品60を押し出すように作用する。この動作によって、射出成形により得られる成形品60を容易に取出すことができる。
<作用>
射出成形用金型において、成形品のアンダーカット部にスライドコアを設け、溶融材料を射出成形した後、スライドコアを移動させて成形品を取出す構成は公知である。しかし、本実施形態の射出成形用金型100においては、第2スプルー75が形成された第1可動プレート13にスライド機構を設け、アンダーカットとなるスクラップ70の抜出しを可能にしている。アンダーカットを生じるような充填流路を敢えて形成した理由は、多数個取りにおいても、製品部空隙53への溶融材料の複数ゲート91からの流入を可能にして、充填ムラをなくし、成形品の寸法精度を確保するためである。
すなわち、第1ランナー部83で成形品の個数に応じて分岐をさせて多数個取りを可能にするとともに、各第2スプルー部85から複数の第2ランナー部87の中心に溶融材料を流し込み、さらに複数の第3スプルー部89および複数のゲート91を介して、一つの製品部空隙53へ溶融材料を導くことによって、溶融材料の流動タイミングを揃えることができる。従って、多数個取りの場合でも溶融材料の均一な充填を確保することができる。
試験例1
歯形精度測定:
本発明の射出成形用金型100を用い、歯車を成形し、真円度測定器によって製品外周の真円度を測定した。成形品の中心から外周の最大値、最小値の振れを計測すると、12μmの振れであり、日本歯車工業会規格(JGMA規格)で0級に相当する高い寸法精度が得られた。
一方、比較のため、第1ランナー73の端部が放射状に分岐して各第2スプルーを介して各ゲート91へ接続する構成(つまり、図3のスクラップ70において第2スプルー75が形成されず、第1ランナー73の端部が分岐して各第3スプルー79に直接接続する構成)となる金型を用い、同様にして歯車を射出成形した。その結果、外周の最大値、最小値の振れを計測すると、20μmの振れであった。これは、日本歯車工業会規格(JGMA規格)で1級に相当する寸法精度であった。
以上の試験結果から、本発明の射出成形用金型を使用することによって、多数個取り成形においても充分に高精度の歯車が得られることが示された。
試験例2
本発明の射出成形用金型100を使用し、歯車の射出成形をする過程で、第3スプルー部89通過時、ゲート91通過直後、および充填完了直前の各段階のショートショット(ここでは、充填を意図的に止めた状態)、並びに充填完了時の成形品を作り、溶融樹脂の流入・充填状態を観察した。その結果、第3スプルー部89通過時においては、6本の各第3スプルー部89に均等に樹脂が流入していることが確認された。ゲート91通過直後のショートショットでは、6つのゲート91に対応する花びら状に均整の取れた充填途中の成形品が得られ、6箇所のゲート91から均等に樹脂が流入していることが確認できた。
また、充填完了直前ショートショットでは、各ゲート91からの樹脂は均一に成長しており、充填ムラは観察されず、同時充填が行われていることが確認された。さらに、充填完了時の成形品から、全体に樹脂が充填され精度の高い成形品が得られることが確認された。この試験結果から、本発明の射出成形用金型100では、溶融樹脂の流入、充填が均一に行われ、ゲートバランスも良好であることが判明した。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
例えば、図1の実施形態の射出成形用金型100では、2個取りの構成としたが、3個取り以上の構成にした場合でも同様の作用効果が得られる。なお、1個取りにおいても、ゲートバランスが確保され、高精度な射出成形が可能である。
本発明の金型は、射出成形に利用可能であり、特に歯車などの中空部を有する精密部品の射出成形に適している。従って、高精度ハスバ歯車などを多数個取り成形に利用できるほか、例えばプリンターなどの記録装置に使用される各種精密パーツの射出成形などに利用できる。
射出成形用金型の概要を示す斜視図。 射出成形用金型の内部構造を示す断面図。 スクラップの形状を示す図面。 射出成形用金型の型閉め状態を示す要部断面図。 上部金型の型開き途中の状態を示す要部断面図。 上部金型の型開き後の状態を示す要部断面図。 下部金型の製品出し状態を説明する斜視図。
符号の説明
11 固定プレート、13 第1可動プレート、15 第2可動プレート、17 下部第1プレート、19 下部第2プレート、21 スペーサーブロック、23 取付板、25 第1エジェクタプレート、27 第2エジェクタプレート、31 ロケートリング、33 リンク、35 サポートピン、37a,37b マグネット39 リンク、41 アンギュラピン、42 貫通孔、43 スライドブロック、45 ロッキングブロック、47 ランナープレート、49 コアブロック、51 キャビティブロック、53 製品部空隙、55 エジェクタピン、60 成形品、70 スクラップ、71 第1スプルー、73 第1ランナー、75 第2スプルー、77 第2ランナー、79 第3スプルー、81 第1スプルー部、83 第1ランナー部、85 第2スプルー部、87 第2ランナー部、89 第3スプルー部、91 キャビティ、100 射出成形用金型、PL パーティングライン

Claims (7)

  1. 少なくとも、固定プレートと、第1の可動プレートと、第2の可動プレートと、を有し、
    前記固定プレートには第1スプルー部が形成され、前記第1の可動プレートには第2スプルー部が形成され、前記第2の可動プレートには第3スプルー部が形成されている射出成形用金型であって、
    前記第2スプルー部を構成する前記第1の可動プレートにスライド部を設けて割型にしたことを特徴とする、射出成形用金型。
  2. 請求項1において、金型中心に形成された前記第1スプルー部から、複数の第1ランナー部が分岐し、それぞれ第2スプルー部に接続していることを特徴とする、射出成形用金型。
  3. 請求項1または請求項2において、一つの第2スプルー部から、複数の第2ランナー部が分岐し、それぞれ第3スプルー部に接続しているとともに、これら複数の第3スプルー部に接続する複数のゲートが一つの製品部空隙に対して設けられていることを特徴とする、射出成形用金型。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記製品部空隙が、中空部を有する環状成形品に対応した形状であることを特徴とする、射出成形用金型。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項において、前記固定プレートには、傾斜ピンが突出して設けられており、該傾斜ピンが前記スライド部に形成された孔部に挿脱可能に構成されていることを特徴とする、射出成形用金型。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項において、さらに少なくとも1枚の下部プレートを備えており、該下部プレートには、コアブロックが支持され、該コアブロックと前記第2の可動プレートに支持されるキャビティブロックとによって製品部空隙が形成されていることを特徴とする、射出成形用金型。
  7. 少なくとも、固定プレートと、第1の可動プレートと、第2の可動プレートと、を有し、溶融材料の注入方向の上流側から下流側へ順に第1スプルー部、第2スプルー部、および第3スプルー部が形成されており、
    前記第1スプルー部と、前記第2スプルー部との間には第1ランナー部が形成され、
    前記第2スプルー部を中心にして複数の第2ランナー部が分岐形成されるとともに、該第2ランナー部を介して複数の前記第3スプルー部が接続され、
    複数の前記第3スプルー部は、それぞれ対応する複数のゲートを介して製品部空隙に連通している射出成形用金型であって、
    前記第2スプルー部を形成する前記第1の可動プレートにスライド部を設けて割型にしたことを特徴とする、射出成形用金型。
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