[go: up one dir, main page]

JP2005204215A - 電気音響変換器 - Google Patents

電気音響変換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2005204215A
JP2005204215A JP2004010427A JP2004010427A JP2005204215A JP 2005204215 A JP2005204215 A JP 2005204215A JP 2004010427 A JP2004010427 A JP 2004010427A JP 2004010427 A JP2004010427 A JP 2004010427A JP 2005204215 A JP2005204215 A JP 2005204215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic member
diaphragm
electroacoustic transducer
frame
edge portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004010427A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Matsumoto
和男 松本
Kaoru Takashima
薫 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON TOKUSHU MIKE SEISAKUSHO KK
SDK Co
Original Assignee
NIPPON TOKUSHU MIKE SEISAKUSHO KK
SDK Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON TOKUSHU MIKE SEISAKUSHO KK, SDK Co filed Critical NIPPON TOKUSHU MIKE SEISAKUSHO KK
Priority to JP2004010427A priority Critical patent/JP2005204215A/ja
Publication of JP2005204215A publication Critical patent/JP2005204215A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

【課題】構造や製造工程を複雑化することなく、低コスト化が可能な全帯域型の動電型電気音響変換器を提供する。
【解決手段】電気音響変換器は、フレーム10を有し、このフレーム10の凹部11内に、内磁型の磁気回路20が収納されている。フレーム10の弾性部材装着部14には、環状の弾性部材25が装着され、この弾性部材25上に、ほぼドーム型の振動板30のエッジ部31が載置されている。エッジ部31上には、環状の弾性部材26が載置され、これらの弾性部材25,26によってエッジ部31が狭持されている。振動板30を覆うと共に弾性部材26を固定する保護カバー40が、フレーム10に取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヘッドホンやマイクロホン等に使用される全帯域型の動電型電気音響変換器に関するものである。
従来、低音域から高音域までの広帯域(例えば、3Hz〜100KHz)に渡って音を再生する全帯域型の動電型電気音響変換器に関する文献としては、例えば、次のようなものがあった。
特許第3005436号公報(図1)
佐伯多門監修「新版スピーカー&エンクロージャー百科」誠文堂新光社、200 3年11月26日、5刷、p.27、図1、図3
特許文献1の図1とこの説明文には、全帯域型の動電型電気音響変換器の技術が記載されている。この電気音響変換器では、中心部に磁気回路収納用の凹部が形成されたフレームと、磁極(ヨーク)、中心極(プレート)及び永久磁石(マグネット)からなり、前記凹部に収納される内磁型の磁気回路と、ほぼドーム型の外周のエッジ部が前記フレームの外縁部に接着された振動板と、前記振動板の裏面に装着され、前記磁気回路のギャップ(空隙)に懸垂された筒状のボイスコイル(可動コイル)とを備えている。そして、前記フレームにおける前記凹部内の中心に、柱状突起部が形成され、前記柱状突起部が、前記磁極、前記中心極及び前記永久磁石のそれぞれに形成された貫通孔に嵌合され、前記磁気回路が前記フレームに固定されている。
この種の電気音響変換器では、柱状突起部に、磁極、中心極及び永久磁石の各貫通孔を嵌合するだけで、磁気回路をフレームに固定できるので、電気音響変換器の組み立てが容易になるという効果がある。
しかしながら、従来の電気音響変換器では、次のような課題があった。
図5は、特許文献1の図1や非特許文献1の図3に記載された従来の動電型電気音響変換器における振動板の縦断面を示す模式的な部分構成図である。図6は、非特許文献1の図1に記載された前記図5の周波数レスポンス(出力音圧周波数特性)を示す図である。
図5において、振動板1は、ほぼドーム型をなし、この中央部側の裏面に、筒状のボイスコイル2が接着剤で接着されている。ボイスコイル2は、磁気回路の磁極ギャップ内に懸垂されている。振動板1の外周のエッジ部1aは、フレームの外縁部3aに接着剤で接着されている。
この種の電気音響変換器では、例えば、電気信号の音声電流をボイスコイル2に流すと、このボイスコイル2が電磁作用の原理(フレミングの左手の法則)に従って上下に駆動する。この駆動力fは、次式で表される。
f=B・L・i (dyne)
但し、B;磁極ギャップの磁束密度(gauss)
L;磁界中のボイスコイル2の長さ(cm)
i;音声電流(A)
駆動力fは、音声電流iに比例して直線的に増減する。これにより、ボイスコイル2が装着された振動板1は、電流変化に比例して上下動し、音を放射する。
図6に示す周波数レスポンスは、非特許文献1に記載されているように、基準軸上1mの点における音圧レベルを周波数に対応して連続した曲線となるよう自動測定したものである。この周波数レスポンスにおいて、再生される周波数範囲を実効周波数帯域FBといい、低域の限界を示す低域共振周波数foと、高域の限界を示す高域共振周波数fhの範囲で、出力音圧レベルが−10dB低下した低域再生限界Lと高域再生限界Hの周波数範囲が示されている。特性は、ピストン振動域PBの平坦な特性と、振動板1の複雑な振動域からなる分割振動域DBとに2分される。全帯域型では、低域再生限界Lから高域再生限界Hまでの実効周波数帯域FBの全域を使用する。
低音域の特性は、低音共振周波数foの値と共振の先鋭度Qoの値でほぼ決定され、低音共振周波数fo以下はおおよそ周波数の2乗に反比例して出力音圧が低下する。低音域から中音域にかけては、振動系がほぼ一体に振動するピストン振動域PBのため、特性はほぼ平坦になる。中音域では、振動板1の周辺のエッジ部1aの影響が現れ、共振により振動板1に対して逆位相で振動し、振動板1とエッジ部1aからの音が打ち消し合い、中音の谷Dと呼ばれるディップが生じる。高音域では、振動板1はピストン振動ができなくなり、振動板1の各部分が複雑に振動する分割振動域DBになるため、多くのピークディップが生じる。高域限界では、主に振動板1の中央部のスティフネスと質量、ボイスコイル2の質量で決まる周波数で高域共振が起こり、この高域限界周波数(高域再生限界H)でのピークを最後に音圧が急激に低下する。
従来、コーン形スピーカのような比較的大型の電気音響変換器では、中音の谷Dをできるだけ少なく抑えるために、エッジ部1aの面積を小さくしたり、ダンプ剤を塗布したり、貼り合わせ構造等の工夫がされている。
しかし、ヘッドホン等の小型の電気音響変換器では、振動板1の直径が小さいので、通常は単一振動板構造が採用され、このような単一振動板構造において、エッジ部1aの面積を小さくすると、固定強度が小さくなってフレームの外縁部3aから剥がれる虞がある。これを防止するために、ダンプ剤を塗布したり、貼り合わせ構造等の工夫をしようとしても、振動板1の直径が小さいことから、必要な加工面積を確保することが難しい。又、他の工夫としては、低音用、中音用、高音用の3つの振動板、或いは、低音・中音用、中音・高音用の2つの振動板を用いたマルチウエイ方式を採用し、中音の谷D等をできるだけ少なく抑えて音質を向上させるようにしたものもあるが、構造や製造工程が複雑になってコスト高になるという課題があった。
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、構造や製造工程を複雑化することなく、低コスト化が可能な小型の電気音響変換器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明における全帯域型の動電型電気音響変換器では、中心部に磁気回路収納用の凹部が形成され、前記凹部の周囲に環状の弾性部材装着部が形成されたフレームと、内磁型の磁気回路とを備えている。前記磁気回路は、磁極と、中心極と、前記磁極及び前記中心極間のギャップと、永久磁石とで構成され、前記フレームの凹部内に収納されて固定されている。
更に、本発明の電気音響変換器では、ほぼドーム型をなし、前記ドーム型の外周にエッジ部を有する振動板と、前記振動板の裏面に装着されて前記ギャップ内に懸垂されたボイスコイルと、前記弾性部材装着部に装着され、前記エッジ部を狭持する環状の弾性部材(或いは第1及び第2の弾性部材)と、前記フレームに取り付けられ、前記振動板を覆うと共に前記弾性部材を固定する保護カバーと、を備えている。
請求項1、2、4、5に係る発明によれば、振動板のエッジ部が弾性部材により挟持されているので、中音の谷が少なくなるように抑制され、実効周波数帯域での音質が向上する。しかも、振動板はエッジ部を弾性部材により挟持する構造になっているので、振動板を簡単に取り付けることができ、これにより電気音響変換器の製造が容易になって低コスト化が可能になる。
請求項3に係る発明によれば、係合用の凹凸部により、保護カバーをフレームに係合するだけで、保護カバー及び振動板を固定できるので、製造がより容易になり、より低コスト化が可能になる。
本発明における全帯域型の動電型電気音響変換器では、中心部に磁気回路収納用の凹部が形成され、この凹部の周囲に環状の弾性部材装着部(例えば、凹状の溝)が形成されたフレームを有している。磁極と、中心極と、これらの磁極及び中心極間のギャップと、永久磁石とで構成された内磁型の磁気回路が、前記凹部内に収納されて固定されている。弾性部材装着部には環状の弾性部材が装着され、この弾性部材により、ほぼドーム型をなす振動板の外周のエッジ部が狭持されている。弾性部材は、単一の弾性部材、或いは第1及び第2の弾性部材により構成されている。第1及び第2の弾性部材は、例えば、弾力性を有するOリング等でそれぞれ構成されている。
振動板の裏面には、ボイスコイルが装着され、このボイスコイルが前記ギャップ内に懸垂されている。そして、振動板を覆うと共に弾性部材を固定する保護カバーがフレームに取り付けられている。これらのフレームと保護カバーとの取り付け箇所には、着脱自在の係合用の凹凸部が形成されている。
(構成)
図1(A)、(B)は、本発明の実施例1を示す全帯域型の動電型電気音響変換器の構成図であり、同図(A)は縦断面図、及び同図(B)は保護カバー及び振動板を取り除いた平面図である。図2は、図1中の振動板の平面図である。
この全帯域型の動電型電気音響変換器は、ヘッドホン等に使用される小型の電気音響変換器であり、変換器本体を収納する樹脂製等のフレーム10を有している。フレーム10は、平面が円形をなし、この中心部に磁気回路収納用の平面ほぼ円形の凹部11が形成され、この凹部11の中心に、円筒状の突起部12が立設されている。突起部12の貫通孔は、音質調整用のダクトである。凹部11の外周には、複数の通気孔13が形成され、更にこれらの通気孔13の外周に、環状の弾性部材装着部14が設けられている。弾性部材装着部14は、凹状の溝により構成され、この外周に、環状の外壁部15が立設されている。外壁部15の外面側には、係合凹部16が形成されている。
フレーム10の底面側における凹部11の外周には、通気孔形成領域に対応して他の凹部17が形成されている。この凹部17の底面には、複数の通気孔13が貫通しており、この凹部17内に不織布等の吸音材18が貼着されている。凹部11の外周の一部には、電気端子であるターミナル19が設けられている。このようなフレーム10の凹部11、突起部12、通気孔13、弾性部材装着部14、外壁部15、係合凹部16、及び凹部17は、例えば、樹脂を用いたインサート成形等により一体形成されている。
フレーム10の凹部11内には、内磁型の磁気回路20が嵌入されている。磁気回路20は、中心に貫通孔21aが形成された平面円形のキャップ形の磁極21と、中心に貫通孔22aが形成された円板状の永久磁石22と、中心に貫通孔23aが形成された円板状の中心極23と、磁極21及び中心極23間のギャップ24とで構成されている。キャップ形の磁極21は、これを逆向きにした状態で貫通孔21aが突起部12の外周に嵌合されている。永久磁石22は、この貫通孔22aを突起部12に嵌合した状態で磁極21上に搭載されている。中心極23は、この貫通孔23aを突起部12に嵌合した状態で永久磁石22上に載置されている。突起部12の頂部は、超音波溶着等によってかしめられ、このかしめ部によって中心極23が固定されている。中心極23の外周面と磁極21の内周面との間には、ギャップ24が形成されている。
環状の弾性部材装着部14には、第1の弾性部材(例えば、シリコンゴム等の弾性を有する断面円形の0リング)25が挿着されている。Oリング25上には、ほぼドーム型の振動板30における外縁のエッジ部31が載置され、このエッジ部31上に載置される第2の弾性部材(例えば、シリコンゴム等の弾性を有する断面円形の0リング)26とそのOリング25とにより、そのエッジ部31が挟持されている。
ほぼドーム型の振動板30は、プラスチックフイルム等で形成された単一振動板構造であり、平面が円形をなし、この外縁の平らなエッジ部31の直径が、環状の弾性部材装着部14の直径とほぼ同一の寸法である。振動板30におけるギャップ対応箇所には、環状の平らなコイル固定部32が形成され、このコイル固定部32の内側が、断面円弧状に膨らんで中心極23上を覆っている。コイル固定部32とエッジ部31との間は、断面弧状に膨らんでおり、ここにコルゲーション33が形成されている。コルゲーション33は、凸又は凹のリブ型ひだが放射状につけられたものであり、振動板30が分割振動する高音共振域でのレスポンスの山や谷を和らげ、できるだけ平坦な周波数特性を得ると共に、振動板30に強度を持たせるために形成されている。
コイル固定部32の裏面には、円筒状のボイスコイル34が接着され、このボイスコイル34がギャップ24内に懸垂されている。フレーム10の外壁部15には、振動板30を覆うように平面が円形のキャップ形の保護カバー40が装着されている。保護カバー40は、振動板30の振動に伴う空気圧の回り込みを阻止して音圧の減少を防ぐバッフル板のような機能を有すると共に、Oリング26を固定する機能を有し、樹脂等で形成されている。この保護カバー40の外縁には、フレーム10側の外壁部15に嵌合する外壁部41が立設され、この外壁部41の外面に、フレーム10側の係合凹部16に着脱自在に嵌入する係合凸部42が突設されている。保護カバー40の上面には、複数の放音孔43が形成されている。
(製造方法例)
図3(A)〜(C)は、図1の電気音響変換器の製造方法の一例を示す製造工程図である。
図1の電気音響変換器は、例えば、次の(1)〜(3)のような工程で製造される。
(1) 図3(A)の工程
磁極21の貫通孔21a、永久磁石22の貫通孔22a、及び中心極23の貫通孔23aを、順にフレーム10の突起部12に嵌合し、それらの磁極21、永久磁石22及び中心極23を積み重ねて磁気回路20を形成する。そして、突起部12の頂部を超音波溶着等によってかしめれば、磁気回路20がフレーム10の凹部11内に固定されると共に、磁極21と中心極23との間に一定間隔のギャップ24が形成される。
(2) 図3(B)の工程
Oリング25をフレーム10の弾性部材装着部14内に挿入する。振動板30のコイル固定部32の裏面に予めボイスコイル34を接着しておき、このボイスコイル34をギャップ24に挿入しつつ振動板30のエッジ部31をOリング25上に載置する。
(3) 図3(C)の工程
フレーム10の外壁部15に囲まれた振動板30のエッジ部31上に、0リング26を載置する。次に、保護カバー40側の外壁部41をフレーム10側の外壁部15の外面に被せて、該保護カバー40を押圧すれば、外壁部41側の係合凸部42が外壁部15側の係合凹部16に嵌入する。これにより、保護カバー40がフレーム10に装着されると共に、その保護カバー40の内面外縁によってOリング26が少し押圧された状態で固定される。その後、フレーム10の底面側の凹部17内に吸音材18を接着すると共に、ボイスコイル34のリード線をターミナル19に半田付け等すれば、図1の電気音響変換器の製造が終了する。
このような電気音響変換器を用いて、例えば、ヘッドホンを製造する場合は、図示しないヘッドホンケース内に電気音響変換器を固定し、そのヘッドホンケースの開口部に耳当て(イヤパッド)を装着等すれば、所望のヘッドホンが製造できる。
(動作)
例えば、ターミナル19に音声電流を供給すると、この音声電流がボイスコイル34に流れる。すると、ボイスコイル34が電磁作用に従って上下に振動するので、振動板30が電流変化に比例して上下動し、音を放射する。この音は、保護カバー40の放音孔43から外部に放射される。
本実施例1の全帯域型の電気音響変換器では、図6に示すような実効周波数帯域FBの全域を使用しているので、低音域から中音域にかけては、振動系がほぼ一体に振動するピストン振動域PBのため、周波数特性はほぼ平坦になる。従来の電気音響変換器では、中音域において振動板周辺のエッジ部の影響が現れ、共振により振動板と逆位相で振動し、振動板とエッジ部からの音が打ち消し合い、中音の谷Dと呼ばれるディップが生じる。ところが、本実施例1では、振動板30のエッジ部31が弾性力を有する2つの断面円形のOリング25,26により上下から挟持されているので、エッジ部31とOリング25,26との接触面積(即ち、エッジ部31の支持点の面積)が少なく、その支持点を中心にしてエッジ部31の左右が上下に揺動し易くなくなり、振動板30の振動に連動してエッジ部30が同位相で振動する。そのため、共振によるエッジ部31の逆位相での振動が抑制され、中音の谷Dが少なくなるように抑えられる。この際、その抑制効果が最大になるように、予め実験等によってOリング25,26の弾性力等を所望の値に設定しておけば良い。
高音域では、振動板30はピストン運動ができなくなってこの振動板30の各部が複雑に振動する分割振動域DBになろうとするが、コルゲーション33が形成されているので、分割振動する高音共振域でのレスポンスの山、谷が緩和されてより平坦な周波数特性を得ることができる。この際、より平坦な周波数特性が得られるように、予め実験等によってコルげーション33をつける位置、凸凹の大きさ、数等を所望の値に設定しておけば良い。
(効果等)
本実施例1では、次の(I)〜(III)のような効果等がある。
(I) 振動板30のエッジ部31が2つのOリング25,26により上下から挟持されているので、中音の谷Dが少なくなるように抑制される。しかも、振動板30にコルげーション33が形成されているので、高音域での周波数特性が平坦化される。よって、実効周波数帯域FBでの総合的な音質が飛躍的に向上する。
(II) 磁極21、永久磁石22及び中心極23を突起部12に嵌合して磁気回路20を組み立てる構造になっているので、磁気回路20を簡単に組み立てることができる。しかも、振動板30はエッジ部31を2つのOリング25,26により上下から挟持する構造になっているので、振動板30を簡単に取り付けることができる。よって、電気音響変換器の製造が容易になり、低コスト化が可能になる。
(III) 保護カバー40側の係合凸部42をフレーム10側の係合凹部16に嵌入するだけで、保護カバー40及び振動板30を固定できるので、製造がより容易になり、より低コスト化が可能になる。なお、フレーム10側に係合凸部を設け、保護カバー40側に係合凹部を形成しても良い。
図4(A)〜(C)は、本発明の実施例2を示すもので、エッジ部31を挟持する弾性部材の他の構成例を示す断面図である。
図4(A)では、断面がほぼ半円形の環状の弾性部材25A,26Aにより、エッジ部31を挟持する構成になっている。図4(B)では、断面が三角形の環状の弾性部材25B,26Bにより、エッジ部31を挟持する構成になっている。弾性部材25A,26A,25B,26Bは、例えば、シリコンゴム等の弾性材により形成され、このような弾性部材25A,26A,25B,26Bを用いても、実施例1とほぼ同様の作用、効果が得られる。なお、弾性部材25A,26A,25B,26Bの断面は、方形等の他の形状に変更しても良い。
図4(C)では、断面がほぼコ字形の環状の弾性部材25Cを有し、この弾性部材25Cの内側の上下に、環状の突起26C、或いは所定間隔に配置された複数の突起26Cが形成されている。弾性部材25C及び突起26Cは、例えば、シリコンゴム等の弾性材により形成されている。そして、弾性部材25Cの内側に挿入されたエッジ部31が、上下の突起26Cを介して上下から押圧されて挟持される構成になっている。このような弾性部材25Cを用いても、実施例1とほぼ同様の作用、効果が得られる。なお、突起部26Cを設けないで、弾性部材25Cの内側の上下によってエッジ部31を挟持する構成にしても良い。
このように、中音の谷Dの大きさに応じてこの抑制力を変えるために、エッジ部31を挟持する弾性部材を、種々の形状や構造のものに変形できる。
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、更に他の変形が可能である。この変形例である実施例3としては、例えば、次の(i)、(ii)のようなものがある。
(i) 図1の弾性部材装着部14は、断面凹状の溝により構成されているが、他の構成でも良い。例えば、弾性部材装着部14は、平坦形状にしてこの外縁の外壁部15を図1よりも高くしておく。この際、外壁部15の内径よりもOリング25,26や弾性部材25A〜25C,26A〜26Cの外径を僅かに大きくしておく。このようにすれば、Oリング25,26や弾性部材25A〜25C,26A〜26Cの弾性力により、このOリング25,26や弾性部材25A〜25C,26A〜26Cが外壁部15内の平坦な弾性部材装着部14上に保持される。しかも、弾性部材装着部14が平坦形状であるので、この形成が容易になる。
(ii) フレーム10、磁気回路20、振動板30、及び保護カバー40等は、図示以外の他の形状や構造等に変更しても良い。
本発明の電気音響変換器は、これを用いてヘッドホンやマイクロホン等の種々のものに利用が可能である。
本発明の実施例1を示す全帯域型の動電型電気音響変換器の構成図である。 図1中の振動板の平面図である。 図1の電気音響変換器の製造方法の一例を示す製造工程図である。 本発明の実施例2を示す弾性部材の他の構成例を示す断面図である。 従来の動電型電気音響変換器の振動板を示す模式的な部分構成図である。 図5の周波数レスポンス(出力音圧周波数特性)を示す図である。
符号の説明
10 フレーム
11 凹部
14 弾性部材装着部
15,41 外壁部
16 係合凹部
20 磁気回路
21 磁極
22 永久磁石
23 中心極
24 ギャップ
30 振動板
31 エッジ部
34 ボイスコイル
40 保護カバー
42 係合凸部

Claims (5)

  1. 全帯域型の動電型電気音響変換器であって、
    中心部に磁気回路収納用の凹部が形成され、前記凹部の周囲に環状の弾性部材装着部が形成されたフレームと、
    磁極と、中心極と、前記磁極及び前記中心極間のギャップと、永久磁石とで構成され、前記凹部内に収納されて固定された内磁型の磁気回路と、
    ほぼドーム型をなし、前記ドーム型の外周にエッジ部を有する振動板と、
    前記振動板の裏面に装着されて前記ギャップ内に懸垂されたボイスコイルと、
    前記弾性部材装着部に装着され、前記エッジ部を狭持する環状の弾性部材と、
    前記フレームに取り付けられ、前記振動板を覆うと共に前記弾性部材を固定する保護カバーと、
    を備えたことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 全帯域型の動電型電気音響変換器であって、
    中心部に磁気回路収納用の凹部が形成され、前記凹部の周囲に環状の弾性部材装着部が形成されたフレームと、
    磁極と、中心極と、前記磁極及び前記中心極間のギャップと、永久磁石とで構成され、前記凹部内に収納されて固定された内磁型の磁気回路と、
    前記弾性部材装着部に装着された環状の第1の弾性部材と、
    ほぼドーム型をなし、前記ドーム型の外周のエッジ部が前記第1の弾性部材上に載置された振動板と、
    前記振動板の裏面に装着されて前記ギャップ内に懸垂されたボイスコイルと、
    前記エッジ部上に載置され、前記第1の弾性部材と共に前記エッジ部を狭持する環状の第2の弾性部材と、
    前記フレームに取り付けられ、前記振動板を覆うと共に前記第2の弾性部材を固定する保護カバーと、
    を備えたことを特徴とする電気音響変換器。
  3. 前記フレームと前記保護カバーとの取り付け箇所には、着脱自在の係合用の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気音響変換器。
  4. 前記第1及び第2の弾性部材は、弾力性を有するOリングでそれぞれ構成したことを特徴とする請求項2記載の電気音響変換器。
  5. 前記弾性部材装着部は、前記第1の弾性部材を受け入れる凹状の溝により構成されていることを特徴とする請求項2記載の電気音響変換器。
JP2004010427A 2004-01-19 2004-01-19 電気音響変換器 Withdrawn JP2005204215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010427A JP2005204215A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 電気音響変換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010427A JP2005204215A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 電気音響変換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005204215A true JP2005204215A (ja) 2005-07-28

Family

ID=34823155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004010427A Withdrawn JP2005204215A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 電気音響変換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005204215A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007058133A1 (ja) * 2005-11-15 2007-05-24 Pioneer Corporation スピーカ、および磁気回路
JP2008085842A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器用振動板の製造方法
JP2008085984A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器及び振動板
JP2008085985A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器及び振動板
JP2008199600A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Cotron Corp マイクロスピーカ及びマイクロスピーカの組立方法
JP2008211617A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Audio Technica Corp ヘッドホン
WO2009104264A1 (ja) * 2008-02-21 2009-08-27 東北パイオニア株式会社 スピーカ装置
KR100957803B1 (ko) * 2007-09-04 2010-05-12 한국원자력연구원 이온빔 조사에 의한 마이크로스피커 또는 박막스피커용폴리머 소재 진동판 및 그 제조방법
KR101429663B1 (ko) 2013-02-07 2014-08-14 주식회사 이엠텍 슬림형 인클로져 스피커 모듈
JP2019041272A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 オンキヨー株式会社 振動板およびこれを用いたスピーカーユニット、ヘッドホン、並びにイヤホン
WO2019077925A1 (ja) * 2017-10-19 2019-04-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ、および、振動板ユニット
USD971176S1 (en) * 2019-09-18 2022-11-29 Sony Corporation Acoustic transducer
GB2626085A (en) * 2022-12-30 2024-07-10 Tymphany Hk Ltd Vibration module, speaker having the same, and manufacturing method thereof

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007058133A1 (ja) * 2005-11-15 2007-05-24 Pioneer Corporation スピーカ、および磁気回路
US8620017B2 (en) 2005-11-15 2013-12-31 Pioneer Corporation Speaker and magnetic circuit
JP4913748B2 (ja) * 2005-11-15 2012-04-11 パイオニア株式会社 スピーカ、および磁気回路
JP2008085984A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器及び振動板
JP2008085985A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器及び振動板
JP2008085842A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Victor Co Of Japan Ltd 電気音響変換器用振動板の製造方法
JP2010226764A (ja) * 2007-02-13 2010-10-07 Cotron Corp マイクロスピーカ及びマイクロスピーカの組立方法
JP2008199600A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Cotron Corp マイクロスピーカ及びマイクロスピーカの組立方法
JP2008211617A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Audio Technica Corp ヘッドホン
KR100957803B1 (ko) * 2007-09-04 2010-05-12 한국원자력연구원 이온빔 조사에 의한 마이크로스피커 또는 박막스피커용폴리머 소재 진동판 및 그 제조방법
WO2009104264A1 (ja) * 2008-02-21 2009-08-27 東北パイオニア株式会社 スピーカ装置
KR101429663B1 (ko) 2013-02-07 2014-08-14 주식회사 이엠텍 슬림형 인클로져 스피커 모듈
JP2019041272A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 オンキヨー株式会社 振動板およびこれを用いたスピーカーユニット、ヘッドホン、並びにイヤホン
WO2019077925A1 (ja) * 2017-10-19 2019-04-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ、および、振動板ユニット
CN111034224A (zh) * 2017-10-19 2020-04-17 松下知识产权经营株式会社 扬声器和振动板单元
USD971176S1 (en) * 2019-09-18 2022-11-29 Sony Corporation Acoustic transducer
GB2626085A (en) * 2022-12-30 2024-07-10 Tymphany Hk Ltd Vibration module, speaker having the same, and manufacturing method thereof
GB2626085B (en) * 2022-12-30 2025-01-08 Tymphany Hk Ltd Vibration module, speaker having the same, and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101768455B1 (ko) 전기 음향 변환 장치
WO2004082327A1 (ja) 骨伝導デバイス
US8644544B2 (en) Dynamic microphone unit and dynamic microphone
CN107409259B (zh) 电子音响变换装置
JP2005204215A (ja) 電気音響変換器
JP2009284169A (ja) ヘッドホン
JP7094015B2 (ja) カナルタイプイヤホン
JP2005277874A (ja) 同軸スピーカー装置及びその製造方法
JP5650079B2 (ja) ダイナミックマイクロホンユニットおよびダイナミックマイクロホン
CN216414548U (zh) 圈铁喇叭组件及耳机
KR101186727B1 (ko) 스피커
JP2015220665A (ja) 動電型電気音響変換器、及びその振動板、並びに動電型電気音響変換器の製造方法
JPH10145891A (ja) 電気・音響変換器
JPS646636Y2 (ja)
JP6711487B6 (ja) 電気音響変換装置
JPS6342630Y2 (ja)
JP3201096B2 (ja) ホーンスピーカ
CN114223213A (zh) 扬声器单元及扬声器弯曲振动板
KR200326984Y1 (ko) 전기-음향변환장치
JP2018019386A (ja) 電気音響変換装置
KR20040046632A (ko) 이중 보이스 코일이 구비된 진동 스피커
KR200304376Y1 (ko) 이중 보이스 코일이 구비된 진동 스피커
JP6781911B2 (ja) 単一指向性ダイナミックマイクロホン
JPH0554320B2 (ja)
WO2018225180A1 (ja) 電気音響変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070403