[go: up one dir, main page]

JP2005203702A - 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005203702A
JP2005203702A JP2004010763A JP2004010763A JP2005203702A JP 2005203702 A JP2005203702 A JP 2005203702A JP 2004010763 A JP2004010763 A JP 2004010763A JP 2004010763 A JP2004010763 A JP 2004010763A JP 2005203702 A JP2005203702 A JP 2005203702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ferromagnetic
ferromagnetic layer
tunnel barrier
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004010763A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Mizuguchi
徹也 水口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004010763A priority Critical patent/JP2005203702A/ja
Publication of JP2005203702A publication Critical patent/JP2005203702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】 絶縁膜上に積層フェリ構造が形成された磁気抵抗効果素子であっても、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界が弱くなることを防止でき、また、耐熱性が確保された構成の磁気抵抗効果素子を提供する
【解決手段】 一対の強磁性層5,7がトンネルバリア層6を間に挟んで形成され、少なくとも、トンネルバリア層6の上側に形成された強磁性層5が、積層フェリ構造とされ、積層フェリ構造が、トンネルバリア層6に接する側から、少なくとも、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層51、結晶質強磁性層52、非磁性中間層53、強磁性層54の順で積層された構成の磁気抵抗効果素子1を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子、特に、膜面に対して垂直に電流を流すことによって磁気抵抗変化が得られる構成の磁気抵抗効果素子及びこの磁気抵抗効果素子を用いた磁気メモリ装置に関する。
情報通信機器、特に携帯端末等の個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモリやロジック等の素子には、高集積化、高速化、低電力化等、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリの高密度化及び大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクに置き換わる技術として、ますます重要度が増している。
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)等が挙げられる。しかしながら、フラッシュメモリでは、書き込み速度がμ秒オーダーであって遅いという欠点がある。一方、FRAMでは、書き換え可能回数が少ないという問題が指摘されている。
これらの欠点がない不揮発性メモリとして注目されているのが、例えばMRAM(Magnetic Random Access Memory)とよばれる磁気メモリ装置である(非特許文献1参照)。このMRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記憶を行うために書き換え可能回数が大である。またアクセス時間についても非常に高速であることが予想され、既にナノ秒台で動作可能であることが確認されている。
ここで、このようなMRAMに用いられる磁気抵抗効果素子、例えば、トンネル磁気抵抗効果(Tunnel Magneto Resistance:TMR)素子の構成を、図15A及び図15Bを用いて説明する。
TMR素子60は、図15Aに示すように、一対の強磁性層61,62との間にトンネルバリア層63が挟まれて、強磁性トンネル接合64が構成されている。このTMR素子60では、強磁性層61,62との間に一定の電流を流した状態で外部磁場を加えることにより、強磁性層61,62の磁化の向きの相対角度に応じて磁気抵抗効果が現れる。
そして、同図に示すように、例えば、双方の強磁性層61,62の磁化の向き(図中矢印)が反平行の場合に抵抗値が最大であり、図15Bに示すように、双方の強磁性層61,62の磁化の向き(図中矢印)が平行の場合に抵抗値が最小である。
このように外部磁場により反平行と平行の状態を作り出すことにより、メモリ素子としての機能を得ることができる。
TMR素子は、このような構成以外にも、図16A及び図16Bに示すように、一方の強磁性層(図16Aの場合では強磁性層62)に隣接して反強磁性層65を形成することにより、強磁性層62と反強磁性層65とが反強磁性的に結合することを利用して、一方の強磁性層62を、磁化の向き(図中矢印)が常に固定された磁化固定層とし、他方の強磁性層61を、外部磁場等によって容易に磁化反転する磁化自由層とした、所謂スピンバルブ型のTMR素子も知られている。
なお、図16Aに示すスピンバルブ型のTMR素子80は、磁化固定層62がトンネルバリア層63よりも下側に形成された、ボトムタイプのTMR素子であり、図16Bに示すスピンバルブ型のTMR素子は、磁化固定層62がトンネルバリア層63よりも上側に形成された、トップタイプのTMR素子81を示している。
このような磁気抵抗効果素子を用いて磁気メモリ装置(MRAM)を構成する場合は、図示しないが、ビット書き込み線と、このビット書き込み線に直交するワード書き込み線との交点付近に、上述したような磁気抵抗効果素子を配置することでメモリセルを形成し、このようなメモリセルをマトリクス状に複数配置することでMRAMアレイ(メモリセルアレイ)を形成することにより可能である。
そして、このような構成の磁気メモリ装置において記録を行う場合は、アステロイド特性を利用して磁気抵抗効果素子に対して選択書き込みを行うようにする(特許文献1参照)。
Wang et al., IEEE Trans Magn. 33 (1997), P.4498 特開平10−116490号公報
ところで、上述した磁気メモリ装置(MRAM)においては、各メモリセルにおいて磁気抵抗効果素子の磁気特性にばらつきが存在した場合や、同一の磁気抵抗効果素子を繰り返し測定した際の磁気特性のばらつきが存在した場合に、アステロイド特性がゼロ磁場中心からずれてしまい、選択書き込み性が劣化してしまう問題が生じる。つまり、アステロイド特性を利用した選択書き込みが困難になる。
したがって、磁気抵抗素子の抵抗変化率(TMR比)のR−H(抵抗−磁場)曲線において、理想的なアステロイド曲線が描かれることが必要である。そのためには、例えばこのR−H曲線において、ノイズ(例えばバルクハウゼンノイズ)がないこと、波形の角形性が良いこと、保磁力Hcのばらつきが少ないこと等が求められる。
また、アステロイド特性のずれは、例えば、磁化固定層から磁化自由層へ影響を及ぼす漏れ磁界等のばらつきが存在する場合によっても生じるものである。
ここで、このような漏れ磁界成分を制御するために、例えば、磁化固定層を積層フェリ構造で形成することが考えられる。
具体的には、図17Aに示すように、トンネルバリア層63上に形成された磁化固定層61を、例えば、強磁性層611、非磁性中間層613、強磁性層612を順に積層して形成することにより、磁化固定層61端からの漏れ磁場を少なくしている。
なお、強磁性層611,612としては例えばCoFe層が用いられ、非磁性中間層623としては例えばRu層が用いられている。
一方、磁気メモリ装置(MRAM)においては、低消費電力化を実現するために、例えば書き込み時において、ビット線やワード線に流す電流量を下げることが考えられている。しかしながら、高密度化、高容量化を目指す過程で、磁気抵抗効果素子の素子サイズが小さくなると、反磁界により保磁力が増大するので、書き込みに必要な電流量、つまり消費電力が大きくなってしまう。
ここで、素子サイズが小さくなっても、保磁力が上がらないようにするために、例えば、磁化自由層62を積層フェリ構造で形成することが考えられる。
具体的には、図17Bに示すように、トンネルバリア層63上に形成された磁化自由層62を、上述した磁化固定層61の場合と同様に、例えば、強磁性層621、非磁性中間層623、強磁性層622を順に積層して形成することにより、正味の飽和磁化量を下げるようにしている。
以上のように、積層フェリ構造は、磁化固定層61か、或いは磁化自由層62かを問わず、磁気抵抗効果素子における選択書き込み性の向上や低消費電力化を達成する上で、非常に重要な構成であることが分かる。
しかしながら、例えば、CoFe層でRu層を挟んだ構成等の積層フェリ構造は、金属膜上に形成された場合は強い強度の反強磁性結合磁界Hsを得ることができるが、トンネルバリア層のような絶縁膜上に形成された場合は反強磁性結合磁界Hsが弱くなるといった問題が生じる。このように積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界Hsが弱くなった場合は、磁化固定層61の磁界の向きが固定されず不安定となるので、例えば書き込みに必要な電流磁界にもばらつきが生じ、書き込み特性が低下してしまう。また、この他にも、耐熱性が低下するといった問題も生じる。
上述した点に鑑み、本発明は、絶縁膜上に積層フェリ構造が形成された磁気抵抗効果素子であっても、積層フェリ構造内で充分な反強磁性結合磁界が得られ、また、耐熱性が確保された構成の磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気メモリ装置を提供するものである。
本発明は、一対の強磁性層がトンネルバリア層を間に挟んで形成され、少なくとも、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が、積層フェリ構造とされた磁気抵抗効果素子であって、積層フェリ構造が、トンネルバリア層に接する側から、少なくとも、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層、結晶質強磁性層、非磁性中間層、強磁性層の順で積層された構成とする。
本発明の磁気抵抗効果素子によれば、積層フェリ構造が、トンネルバリア層に接する側から、少なくとも、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層、結晶質強磁性層、非磁性中間層、強磁性層の順で積層された構成とするので、トンネルバリア層上に形成された積層フェリ構造内において、充分な反強磁性結合磁界を得ることができ、耐熱性も確保することができる。
また、上述した構成において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化固定層である場合は、さらに、例えば磁化固定層からの漏れ磁場を抑えて、アステロイド特性がずれることを防止することが可能になる。
また、上述した構成において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化自由層である場合は、さらに、磁気抵抗効果素子のサイズが小さくなっても、保磁力が上がらないようにすることが可能になる。
本発明は、一対の強磁性層がトンネルバリア層を間に挟んで形成され、少なくとも、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が、積層フェリ構造とされた磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子を厚さ方向に挟むワード線とビット線とを備えた構成の磁気メモリ装置であって、積層フェリ構造が、トンネルバリア層に接する側から、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層、結晶質強磁性層、非磁性中間層、強磁性層の順で積層された構成とする。
本発明の磁気メモリ装置によれば、磁気抵抗効果素子が上記本発明の磁気抵抗効果素子の構成であることにより、例えば、書き込みのばらつきに対する耐性が充分に確保され、かつ耐熱性に優れた構成を実現することが可能になる。
また、上述した構成において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化固定層である場合においては、上述した作用に加えて、例えばアステロイド特性のずれを抑えることが可能になる。
また、上述した構成において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化自由層である場合は、上述した作用に加えて、微細化されても保磁力が上がらない構成を実現することができる。
本発明の磁気抵抗効果素子によれば、その構成に関係なく、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界を安定にすることができ、かつ耐熱性も確保することができる。これにより、高性能で、高い信頼性を有する磁気抵抗効果素子を得ることができる。
また、このような磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化固定層である場合は、上述した効果に加えて、選択書き込み性を良好にすることができる。
また、このような磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層が磁化自由層である場合は、上述した効果に加えて、素子サイズが微細化されても、消費電力を低減することが可能になる。
また、このような磁気抵抗効果素子を用いて磁気メモリ装置を構成することにより、書き込みのばらつきに対する耐性が充分に確保された磁気メモリ装置を実現できる。
これにより、書き込み特性に優れ、高い信頼性を有する磁気メモリ装置を得ることができる。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明に係る磁気抵抗効果素子、例えば、トンネル磁気抵抗効果素子の一実施の形態を、図1を用いて説明する。
このトンネル磁気抵抗効果素子(以下TMR素子と示す)1は、例えばシリコン等からなる基板2上に、下地層3と、強磁性層でもある磁化自由層7と、トンネルバリア層6と、強磁性層である磁化固定層5と、反強磁性層4と、保護層(トップコート層)8とが順に積層された構成である。
このTMR素子1においては、一対の強磁性層である磁化自由層7と磁化固定層5との間にトンネルバリア層6が挟まれることにより、強磁性トンネル接合9が形成されている。そして、このTMR素子1は、強磁性層の一方が磁化固定層5とされ、他方が磁化自由層7とされた、いわゆるスピンバルブ型のTMR素子を示している。また、このTMR素子1は、トンネルバリア層より上側に磁化固定層5が形成された、いわゆるトップタイプのTMR素子を示している。
下地層3は、例えば、Ta、Cu、Cr、Ti等の材料より形成することができる。
磁化自由層7は、例えば、CoFe層やCoFeB層を用いて形成することができる。この磁化自由層7は、後述するように、磁化固定層5の磁化の向きが常に一定に固定されているので、外部磁場等によって磁化の向きが容易に反転される構成となっている。TMR素子1をMRAMに用いる場合には、この磁化自由層7を情報記憶層として使用する。
トンネルバリア層6は、スパッタリング法や蒸着法等によって成膜された金属膜を、酸化又は窒化することにより形成することができる。また、トンネルバリア層6は、有機金属と、酸素、オゾン、窒素、ハロゲン、ハロゲン化ガス等とを用いるCVD法によっても形成することができる。
反強磁性層4は、例えば、Fe、Ni、Pt、Ir、Rh等を含むMn合金、Co酸化物、Ni酸化物等の材料より形成することができる。
この反強磁性層4は、一方の強磁性層である磁化固定層5と結合することにより、磁界が加えられても磁化固定層5の磁化の向きを反転させず、磁化固定層5の磁化の向きを常に一定に固定するための層である。
保護層8は、例えば、Ta等の材料を用いて形成することができる。
磁化固定層5は、積層フェリ構造で形成されている。この磁化固定層5は、例えば、上述したように、反強磁性層4と結合することにより、磁化の向きが常に一定に固定されている。
そして、本実施の形態においては、特に、この積層フェリ構造とされた磁化固定層5において、トンネルバリア層6に接する側から、アモルファス強磁性層51、結晶質強磁性層52、非磁性中間層53、強磁性層54の順に積層する。
アモルファス強磁性層51としては、例えばCoFeB層を用いることができる。
また、これ以外にも、例えばFeCoNiB層や、Fe元素、Co元素、Ni元素のいずれか、あるいは、これら元素の複数以上を主成分としてB元素が含有された材料層で形成することが好ましい。これは、比較的薄い膜厚(領域)でも磁気特性を得ることができるからである。
このように、B元素を含有させる場合には、さらにB元素の量が、12(原子%)以上、37(原子%)以下であることが好ましい。
例えば、B元素の量が12(原子%)程度と少ない場合は、結晶化温度の低いアモルファスとなるが、成膜時にアモルファスあるいは微結晶組織を有していれば構わないので、12(原子%)でも構わない。また、Bの元素量が40(原子%)程度と多くなった場合は、その層自体が強磁性層として機能しなくなり、強磁性層としての特性が得られなくなる。
このアモルファス強磁性層51は、0.5nm以上、15nm以下の膜厚で形成することが好ましい。0.5nm以上の膜厚で形成することにより、後述するように、熱的な影響等に関係なく、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界Hsを充分に得ることができる。
また、後述するように、積層フェリ構造の磁気特性を確保するためにはアモルファス強磁性層51とその上に積層される結晶質強磁性層52の膜厚の合計を15nm以下とすることが望ましいので、アモルファス強磁性層51の膜厚も同等以下(15nm以下)とする。
結晶質強磁性層52としては、例えばCoFe層等を用いることができる。
また、結晶質強磁性層52としては、Co元素が含有されていることが望ましい。これは、その下側に形成される上記組成のアモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層51との間で拡散が生じたとしても、成分が近いため特性変化などの影響が少ないためである。
この結晶質強磁性層52は、0.5nm以上、3nm以下の膜厚で形成することが好ましい。すなわち、このような膜厚で形成することにより、後述するように、熱的な影響等に関係なく、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界Hsを充分に得ることができるからである。例えば、膜厚が3nm以上の場合は、磁性層の異方性分散など磁気特性が確保できなくなる。
非磁性中間層53としては、例えばRu層等を形成することができる。
このRu層53は、反強磁性接合が得られる膜厚(例えば0.8nm)で形成することができる。なお、非磁性中間層53としては、これ以外にも、Ir、Re、Rh等の材料層を用いることもできる。この場合においても、膜厚は反強磁性接合が得られる膜厚で形成する。
また、強磁性層54、すなわち、反強磁性層4に接する側の強磁性層としては、例えばCoFe層等を用いることができる。なお、この強磁性層54は、結晶質強磁性層に限定されず、他の強磁性層であっても構わない。
なお、アモルファス強磁性層51と、その上に形成される結晶質強磁性層52との合計の膜厚は1nm以上、15nm以下であることが好ましい。すなわち、膜厚をこのような範囲内で規定することにより、良好な磁気特性を確保することができる。
例えば、アモルファス強磁性層51と結晶質強磁性層52との合計膜厚が1nm未満である場合では、熱による相互拡散により磁気特性が大幅に損なわれる。
また、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層51と結晶質強磁性層52の合計膜厚が15nmを上回る場合では、TMR素子1の特性が不十分になる。
ここで、実際に、このような構成のTMR素子1を作製し、このTMR素子1において、反強磁性結合磁界Hsの測定を行った。この測定結果を図2に示す。
なお、図2Aは、本実施の形態のように、トンネルバリア層6に接してアモルファス強磁性層51を形成した場合のTMR素子1の反強磁性結合磁界Hsを示したものである。
具体的には、積層フェリ構造とされた磁化固定層5の構成が、トンネルバリア層6に接する側から、Co63Fe7B30層(1nm)、Co90Fe10層(2nm)、Ru層(0.8nm)、Co90Fe10層(3nm)とが順に積層された構成のTMR素子1の場合である。
また、図2Bは、比較例として、トンネルバリア層に接して結晶質強磁性層を形成した場合のTMR素子の反強磁性結合磁界Hsを示したものである。
具体的には、積層フェリ構造とされた磁化固定層5の構成が、トンネルバリア層6に接する側から、Co90Fe10層(2.5nm)、Ru層(0.8nm)、Co90Fe10層(3nm)とが順に積層された構成のTMR素子の場合である。
なお、それぞれのTMR素子において、磁化固定層以外の部分は、同じ材料層で形成されているものとする。
また、それぞれのTMR素子においては、成膜後、磁場中において、250℃、5時間の条件で熱処理が施されている。
図2Aより、本実施の形態のように、積層フェリ構造とされた磁化固定層5において、トンネルバリア層6に接して直接アモルファス強磁性材料層(Co63Fe7B30層)51を形成した場合では、充分に強い強度の反強磁性結合磁界Hsが得られていることが分かる。
また、図2Bより、比較例である、トンネルバリア層6に接して直接結晶質強磁性層(Co90Fe10層)51を形成した場合では、反強磁性結合磁界Hsが弱くなっていることが分かる。
したがって、本発明の構成を用いることにより、トンネルバリア層6上に積層フェリ構造が形成されたTMR素子の場合であっても、従来のように、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界Hsが弱くならず、充分な強さの反強磁性結合磁界Hsを得ることができる。
これは、トンネルバリア層6のような絶縁膜上に形成された積層フェリ構造において、トンネルバリア層6に接して直接アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51を形成したことにより、比較例のトンネルバリア層に接して直接結晶質強磁性層(CoFe層)を形成した場合に比べて、磁気特性を得るのに必要な初期成長層が薄くて済む、あるいは不要となるためである。
このように、アモルファス強磁性層(CoFeB層)51を、薄くて良好な層状に形成することができるので、このアモルファス強磁性層51を下地層として、結晶質強磁性層52を良好に成長させることができ、非磁性中間層53との間で、良好な反平行結合を得ることが可能になる。つまり、アモルファス強磁性層51が配向下地膜のような役割を果たしていることになる。
上述した本実施の形態のTMR素子1によれば、トンネルバリア層6上の積層フェリ構造とされた磁化固定層5を、トンネルバリア層6に接する側から、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層(CoFeB層)51と、結晶質強磁性層(CoFe層)52と、非磁性中間層(Ru層)53と、結晶質強磁性層(CoFe層)とを順に積層することにより形成したので、積層フェリ構造内の反平行結合がばらつくことを抑えることができる。
すなわち、これは、トンネルバリア層6に接して直接アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)を形成することにより、このアモルファス強磁性層(CoFeB層)51を薄くて良好な層状に形成することができるので、このアモルファス強磁性層51上に結晶質強磁性層52を形成した場合、結晶質強磁性層52を良好に成長させることができ、非磁性中間層53との間で、良好な反平行結合を得ることが可能になるためである。
したがって、トンネルバリア層6上の磁化固定層5を積層フェリ構造としたTMR素子1であっても、積層フェリ構造内において、反強磁性結合磁界Hsが弱まることを防止して、充分な反強磁性結合磁界Hsを得ることができる。
これにより、例えば、書き込みに必要な電流磁界にばらつきが生じることを抑えて、書き込み特性の低下を防止することができる。また、耐熱性が確保された構成を得ることができる。
また、例えば、磁化固定層からの漏れ磁場を抑えて、アステロイド特性のずれを防止することができる。
次に、本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の実施の形態を、図3を用いて説明する。
上述した実施の形態では、トンネルバリア層6を挟んで下側に磁化自由層7が形成され、上側に磁化固定層5と反強磁性層4が形成されたトップタイプのスピンバルブ型のTMR素子1の場合を挙げて説明を行った。
これに対して本実施の形態は、トンネルバリア層6を挟んで下側に反強磁性層4と磁化固定層5が形成され、上側に磁化自由層7が形成されたボトムタイプのスピンバルブ型のTMR素子10の場合である。
なお、その他の構成においては、図1に示す場合と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
そして、本実施の形態においては、トンネルバリア層6上の磁化自由層7を積層フェリ構造とし、さらにこの積層フェリ構造とされた磁化自由層7を、トンネルバリア層6に接する側から、アモルファス強磁性材層(CoFeB層)71と、結晶質強磁性層(CoFe層)72と、非磁性中間層(Ru層)73と、強磁性層(CoFe層)74とを順に積層することにより形成する。
なお、アモルファス強磁性層71、結晶質強磁性層72、非磁性中間層73、強磁性層74の具体的な構成は、前述した実施の形態の、アモルファス強磁性層51、結晶質強磁性層52、非磁性中間層53、強磁性層54の各層とそれぞれ同様に構成することができる。
上述した本実施の形態によれば、トンネルバリア層6に接して、直接結晶質強磁性層(CoFe層)72を形成せずに、アモルファス強磁性層(CoFeB層)71を形成した上で、結晶質強磁性層(CoFe層)72と、非磁性中間層(Ru層)73と、強磁性層(CoFe層)74とを順に積層して積層フェリ構造を形成したので、前述した実施の形態の場合と同様に、積層フェリ構造内において、各強磁性層間で形成されている反平行結合にばらつきが生じることを抑えることができ、充分に強度が確保された反強磁性結合磁界Hsを得ることができる。また、耐熱性を確保することができる。
このように、トンネルバリア層6上の磁化自由層7が積層フェリ構造とされたTMR素子10であっても、積層フェリ構造内において充分な反強磁性結合磁界Hsが得られると共に、例えば、素子サイズが小さくなっても、保磁力が上がらない構成を実現することが可能になる。
なお、本実施の形態の場合においても、アモルファス強磁性層51と、その上に形成される結晶質強磁性層52との合計の膜厚は1nm以上、15nm以下であることが好ましい。すなわち、膜厚をこのような範囲内で規定することにより、良好な磁気特性を確保することができる。
例えば、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層51と結晶質強磁性層52との合計膜厚が1nm未満である場合では、熱による相互拡散により磁気特性が大幅に損なわれる。
また、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層51と結晶質強磁性層52の合計膜厚が15nmを上回る場合では、その保磁力が過剰に高くなる。
上述した本実施の形態においては、本発明が適用される一方の強磁性層のみを積層フェリ構造とした場合を挙げて説明を行ったが(図1に示すトップタイプのTMR素子では磁化固定層5、図3に示すボトムタイプのTMR素子では磁化自由層7)、この積層フェリ構造は、本発明が適用される一方の強磁性層のみに限定されず、両方の強磁性層に形成されていても構わない。
例えば、図4に示すように、ボトムタイプの磁気抵抗効果素子において、上述したように、一方の磁化自由層7が積層フェリ構造で形成されると共に、もう一方の磁化固定層5が、非磁性中間層43を間に挟んで両側に強磁性層41,42が形成された積層フェリ構造とされていても構わない。
また、図5に示すように、トップタイプのTMR素子において、上述したように、一方の磁化固定層5が積層フェリ構造で形成されると共に、もう一方の磁化自由層7が、非磁性中間層43を挟んだ両側に強磁性層41,42が形成された積層フェリ構造とされていても構わない。
また、間に非磁性中間層53を挟んで2層の強磁性層51,52が形成された積層フェリ構造の他に、さらに中間層、強磁性層が形成された、3層以上の強磁性層からなる積層フェリ構造であっても同様の効果は得られる。
具体的には、図6に示すように、例えば、ボトムタイプの磁気抵抗効果素子において、磁化固定層5を、4つの強磁性層(41,42,44,45)と、この4つの強磁性層(41,42,44,45)のそれぞれの間に形成された3つの非磁性中間層(531,532,533)とから構成したものである。
なお、その他の部分は、図3に示す磁気抵抗効果素子10の場合と同様であるので、対応する部分には同一符号を付している。
次に、このような構成の磁気抵抗効果素子を用いた、本発明に係る磁気メモリ装置の一実施の形態を、図7を用いて説明する。
なお、本実施の形態では、磁気メモリ装置として、例えばMRAMの場合を挙げて説明する。
磁気メモリ装置(MRAM)20は、ワード線WLと、このワード線WLと直交する複数のビット線BLとを有し、ワード線WLとビット線BLとの交点付近に、上述したようなTMR素子(1,10)が配置されることによりメモリセル21が形成される。そして、このメモリセル21が複数配置されることにより、MRAMアレイ22が形成されている。
図7では、3×3のメモリセル11がマトリクス状に配列された構成のMRAMアレイ22を示している。
次に、上述したメモリセル21の構成を、図8を用いて説明する。
メモリセル21では、例えばシリコン基板23上に、ゲート電極24、ソース領域25及びドレイン領域26からなるトランジスタ27が形成されている。ゲート電極24は、読み出し用のワード線WL1を構成している。そして、ゲート電極24上には絶縁層(図示せず)を介して書き込み用のワード線WL2が形成されている。トランジスタ27のドレイン領域26にはコンタクトメタル28が接続され、さらにコンタクトメタル28には下地層29が接続されている。
そして、本実施の形態の磁気メモリ装置(MRAM)20においては、上述した構成のTMR素子1又は10を、下地層29上の書き込み用のワード線WL2の上方に対応する位置に形成する。
なお、このTMR素子1又は10の上側には、ワード線WL1及びWL2と直交するビット線BLが形成される。
本実施の形態の磁気メモリ装置20によれば、上述した構成の磁気抵抗効果素子を用いて構成したので、反強磁性結合磁界Hsを充分に得ることができ、かつ耐熱性に優れた構成を実現できる。
また、図1に示したようなトップタイプのTMR素子1を用いて磁気メモリ装置20を構成した場合は、上述した作用に加えて、選択書き込み性を良好にすることができる。
また、図3に示したようなボトムタイプのTMR素子10を用いて磁気メモリ装置20を構成した場合は、上述した作用に加えて、素子サイズが微細化されても、消費電力を低減することが可能になる。
本実施の形態においては、本発明の磁気抵抗効果素子1を、磁気メモリ装置(MRAM)20に適用した場合を挙げて説明を行ったが、磁気抵抗効果素子1は、このように磁気メモリ装置20のみならず、磁気ヘッドやこの磁気ヘッドを搭載したハードディスクドライブに適用することが可能である。また、これ以外にも、集積回路チップやパソコン、携帯端末や携帯電話といった各種電子機器、電気機器等にも適用することが可能である。
(実施例)
次に、上述した各実施の形態の磁気抵抗効果素子を実際にそれぞれ作製して特性を調べた。
具体的には、トンネルバリア層6上に形成された磁化固定層5が積層フェリ構造とされたTMR素子1において、トンネルバリア層6と非磁性中間層53との間に形成される各強磁性層51,52の膜厚をそれぞれ変化させて、熱処理を行う前と行った後における積層フェリ構造内での反強磁性結合磁界Hsの変化について測定を行った。
なお、図7及び図8を用いて説明したように、磁気メモリ装置20においては、TMR素子1以外にスイッチング用のトランジスタ27等が形成されているが、本実施例においては、TMR素子1の特性を調べるために、後述するように、強磁性トンネル接合のみが形成された特性評価用素子(Test Element Group:TEG)をそれぞれ作成し、この特性評価用素子を用いて特性を調べた。
(実験1)
アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51の最適な膜厚を規定するために、結晶質強磁性層(CoFe層)52の膜厚を固定して、アモルファス強磁性材料層51のみの膜厚を変化させて、熱処理を行った後における積層フェリ構造内での反強磁性結合磁界Hsの変化について測定を行った。
(試料1)
図9に平面図、図10に図9のA−Aにおける断面図をそれぞれ示すように、特性評価用素子(TEG)として、基板33上に、ワード線WLとビット線BLとが直交して配され、これらワード線WLとビット線BLとの交点付近にTMR素子1が形成された構造を作製した。このTEGはTMR素子1が短軸5μm×長軸10μmの楕円形状であり、ワード線WL及びビット線BLの両端にそれぞれ端子パッド31,32が形成され、ワード線WLとビット線BLとをAl23膜からなる絶縁層34によって互いに電気的に絶縁した構成となっている。
具体的には、次のようにして図9及び図10に示すTEGを作製した。
先ず、基板33上にワード線の材料を成膜し、フォトリソグラフィ技術によってマスクした後に、ワード線WL以外の部分をArプラズマにより選択的にエッチングし、ワード線WLを形成した。このとき、ワード線WL以外の領域は、基板33の深さ5nmまでエッチングした。なお、基板33としては、表面に厚さ2μmの熱酸化膜が形成された、厚さ0.6mmのシリコン基板を用いた。
続いて、下記の層構成(1)からなるTMR素子1を、公知のリソグラフィ法及びエッチングにより作製した。層構成(1)は、/の左側が基板側となっており、()内は膜厚を示している。
Ta(5nm)/Cu(20nm)/Co90Fe10(2nm)/Al−Ox(1nm)/アモルファス強磁性層(t1nm)/結晶質強磁性層(2nm)/Ru(0.8nm)/Co90Fe10(3nm)/PtMn(30nm)/Ta(5nm)−(1)
なお、層構成(1)において、CoFeB層51の組成はCo63Fe7B30(原子%)とし、CoFe層の組成はCo90Fe10とした。
トンネルバリア層6として形成したAl−Ox層は、先ず、DCスパッタ法を用いて、Al膜を1nmの膜厚で堆積させた後、酸素/アルゴンの流量比を1:1とし、チャンバー内に導入されるガス圧を0.1mTorrとして、ICPプラズマを用いて上記Al膜をプラズマ酸化することにより形成した。
また、酸化時間はICPプラズマ出力に依存するが、今回の実施例中では30秒とした。
また、このAl−Ox層以外の各層においては、DCマグネトロンスパッタ法を用いて形成した。
このようにして、ワード線WL上にTMR素子1を形成した後、磁場中熱処理炉において、10kOe、250℃、5時間の熱処理を行い、反強磁性層4であるPtMn層の規則化熱処理を行い、強磁性トンネル接合9を形成した。
次に、例えばAl23膜をスパッタリングすることにより、厚さ100nm程度の絶縁層34を形成し、さらに、リソグラフィ技術を用いて、ビット線BL及び端子パッド31,32を形成することにより、図9及び図10に示すTEGを得て、これを試料1のTEGとした。
また、比較例1として、トンネルバリア層6に接してアモルファス強磁性層(CoFeB層)51を形成せずに、直接結晶質強磁性層(CoFe層)52を2nmの膜厚で形成し、このCoFe層52上は、上述した本発明を適用した場合と同じように、非磁性中間層53、結晶質強磁性層54を順に積層した試料2を作製した。また、比較例2として、結晶質強磁性層(CoFe層)52を3nmの膜厚で形成した他は比較例1と同じ構成とした試料3を作製した。
そして、試料1のTEGにおいて、アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51の膜厚t1を、0.5nm、1.0nm、2.0nmと変化させて、250℃の熱処理の前後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
また、比較例1である試料2のTEG及び比較例2である試料3のTEGにおいても同様に、熱処理前後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
具体的には、後述するようにして、R−H曲線の測定を行い、さらにR−H曲線から反強磁性結合磁界Hsを求めた。
(R−H曲線の測定)
通常のMRAM等の磁気メモリ装置では、電流磁界によってTMR素子を磁化反転させて情報を書き込むが、本実施例では、外部磁界によってTMR素子1を磁化反転させることにより、抵抗値の測定を行った。すなわち、先ず、TMR素子1の磁化自由層7を磁化反転させるための外部磁界を、磁化自由層7の磁化容易軸に対して平行となるように印加した。測定のための外部磁界の大きさは例えば4.5kOeとした。次に、磁化自由層7の磁化容易軸の一方から見て例えば−4.5kOeから+4.5kOeまで掃引するのと同時に、ワード線WLの端子パッド31とビット線BLの端子パッド32とにかかるバイアス電圧が100mVとなるように調節して、強磁性トンネル接合9にトンネル電流を流した。このときの、各外部磁界に対する抵抗値を測定し、R−H曲線を得た。
(反強磁性結合磁界HSの測定)
上記の測定方法により、図14に示すようなR−H曲線を作成し、磁化固定層5と磁化自由層7が反平行であって抵抗が高い状態での抵抗値R1から、マイナス側(反強磁性層4に直接接している強磁性層52の磁化方向に磁界を加えたとき磁化固定層5の磁化が回転して行く過程にあたる)の曲線に接線(破線)Xを引き、この接線Xが磁化固定層5と磁化自由層7が平行であって抵抗が低い状態での抵抗値R2と交差する磁界Hの値を便宜的に反強磁性結合磁界Hsと定義した。
試料1のTEG及び比較例である試料2のTEGと試料3のTEGの反強磁性結合磁界Hsの変化の測定結果を図11に示す。
なお、図11において、●及び○が本発明の構成のTMR素子(試料1)の場合を示し、▲及び△が比較例1の場合のTMR素子(試料2)を示し、■及び□が比較例2の場合のTMR素子(試料3)の場合を示している。
また、●,▲,■は熱処理を行う前の状態を示し、○,△,□は250℃の熱処理を行った後の状態を示している。
図11より、先ず比較例1の場合においては、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsの値が低い上、熱処理後における反強磁性結合磁界Hsは、熱処理前に比べて大幅に低下していることが分かる。また、比較例2の場合においては、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsが、比較例1に比べてさらに低くなっており、熱処理後における反強磁性結合磁界Hsも、比較例1程ではないが、低下していることが分かる。
これに対して、本発明のトンネルバリア層6上にCoFeB層51を形成した場合においては、その膜厚t1を0.5nm、1.0nm、2.0nmとした場合の全てにおいて、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsが高く、また熱処理後においても、反強磁性結合磁界Hsが大幅に低下していないことが分かる。
ただし、その膜厚t1が厚くなるに従って(例えば2nm)、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsが若干低くなり、これに伴い熱処理後の反強磁性結合磁界Hsも低下していることが分かる。
以上より、トンネルバリア層6に直接接してアモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51を形成し、このCoFeB層51上に結晶質強磁性層(CoFe層)52を形成したことにより、従来のように、トンネルバリア層6上に直接接して結晶質強磁性層(CoFe層)52を形成した場合に比べて、高い反強磁性結合磁界Hsを得られることが分かる。また熱処理後においても、大きく反強磁性結合磁界Hsが低下しない構成を得られることが分かる。
この場合、アモルファス強磁性層51の膜厚t1は、例えば、0.5nm〜15nmの範囲内で規定することができる。ここで、アモルファス強磁性層51の膜厚t1の上限を15nmとしたのは、前述したように、熱履歴に関わらず良好な磁気特性を得ることができるためである。
(実験2)
結晶質強磁性層(CoFe層)52の有無及び最適な膜厚を規定するために、アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51の膜厚を固定して、結晶質強磁性層52の膜厚のみを変化させて、熱処理を行った後における積層フェリ構造内での反強磁性結合磁界Hsの変化について測定を行った。
(試料4)
下記の層構成(2)からなるTMR素子1を、前述した実験1に示す場合と同様に、公知のリソグラフィ法及びエッチングにより作製した。層構成(2)は、/の左側が基板側となっており、()内は膜厚を示している。
Ta(5nm)/Cu(20nm)/Co90Fe10(2nm)/Al−Ox(1nm)/アモルファス強磁性層(1nm)/結晶質強磁性層(t2nm)/Ru(0.8nm)/Co90Fe10(3nm)/PtMn(30nm)/Ta(5nm)−(2)
なお、層構成(2)において、CoFeB層51の組成はCo63Fe7B30(原子%)とし、CoFe層の組成はCo90Fe10とした。
そして、前述した実験1と同様にして図9及び図10に示すTEGを得て、これを試料4のTEGとした。
また、比較例として、トンネルバリア層に接してアモルファス強磁性層(CoFeB層)を形成して、このアモルファス強磁性層上に結晶質強磁性層(CoFe層)を形成せずに、非磁性中間層を直接形成した場合の試料5のTEGを作製した。
そして、このような構成とされた試料4のTEGにおいて、結晶質強磁性層(CoFe層)52の膜厚t2を、上限が2.5nmの範囲内において変化させて、熱処理を施した後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
具体的には、上述したように、R−H曲線の測定を行い、さらにR−H曲線から反強磁性結合磁界Hsを求めた。
また、比較例である試料5のTEGにおいても同様に、熱処理前後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
試料4のTEG及び比較例である試料5のTEGの測定結果を図12に示す。
図12において、●及び○が本発明の構成のTMR素子(試料4)の場合を示し、▲及び△が比較例の場合のTMR素子(試料5)を示している。
また、●,▲は熱処理を行う前の状態を示し、○,△は250℃の熱処理を行った後の状態を示している。
図12より、アモルファス強磁性層(CoFeB層)上に結晶質強磁性層(CoFe層)を形成しない比較例の場合においては、反強磁性結合磁界Hsが著しく低い値を示していることが分かる。
これに対して、アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51上に結晶質強磁性層(CoFe層)52を形成した本実施の形態の場合では、その膜厚t2を、0.5nm、1.0nm、1.5nm、2.0nmとした場合の全てにおいて、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsが高く、また、熱処理後においても反強磁性結合磁界Hsが大幅に低下していないことが分かる。
ただし、その膜厚t2が厚くなるに従って(例えば2nm)、アモルファス強磁性層51の場合と同様に、熱処理前の反強磁性結合磁界Hsが低下して、これに伴い熱処理後の反強磁性結合磁界Hsも低下していることが分かる。
以上より、トンネルバリア層6上に接してアモルファス強磁性層(CoFeB層)51のみを形成しただけでは、熱処理を行う前後の両方において、高い反強磁性結合磁界Hsを得ることはできず、本発明のように、アモルファス強磁性層(CoFeB層)51を形成し、さらに結晶質強磁性層(CoFe層)52を形成することにより、熱処理を行う前後において、高い反強磁性結合磁界Hsが得られることが分かる。
この場合、結晶質強磁性層52の膜厚t2は、例えば、0.5nm〜3nmの範囲内で規定することができる。これにより、前述したように、積層フェリ構造内において、反強磁性結合磁界Hsを充分に確保することができる。
(実験3)
アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)51の最適なB元素の量(原子%)を規定するために、B元素の量(原子%)を変化させて、熱処理を行った後における積層フェリ構造内での反強磁性結合磁界Hsの変化について測定を行った。
(試料6)
下記の層構成(3)からなるTMR素子1を、前述した実験1に示す場合と同様に、公知のリソグラフィ法及びエッチングにより作製した。層構成(3)は、/の左側が基板側となっており、()内は膜厚を示している。
Ta(5nm)/Cu(20nm)/Co90Fe10(2nm)/Al−Ox(1nm)/アモルファス強磁性層(1nm)/結晶質強磁性層(2nm)/Ru(0.8nm)/Co90Fe10(3nm)/PtMn(30nm)/Ta(5nm)−(3)
なお、層構成(3)において、CoFe層の組成はCo90Fe10とした。
そして、前述した実験1と同様にして図9及び図10に示すTEGを得て、これを試料6のTEGとした。
また、比較例として、トンネルバリア層に接してB元素のないCoFe層、すなわち結晶質強磁性層を3nmの膜厚で形成して、この結晶質強磁性層上に非磁性中間層を直接形成した場合の試料7のTEGを作製した。
そして、このような構成とされた試料6のTEGにおいて、アモルファス強磁性層51であるCoFeB層の組成をCo63Fe7Bx(原子%)とし、B元素の量(x%)を0〜40(原子%)の範囲内で変化させた場合の、熱処理を施した後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
具体的には、前述したように、R−H曲線の測定を行い、さらにR−H曲線から反強磁性結合磁界Hsを求めた。
また、比較例である試料7のTEGにおいても同様に、熱処理前後の反強磁性結合磁界Hsの変化を測定した。
試料6のTEG及び比較例である試料7のTEGの測定結果を図13に示す。
図13において、●が本発明の構成のTMR素子(試料6)の場合を示し、▲が比較例の場合のTMR素子(試料7)を示している。
図13から分かるように、CoFeB層に含まれるB濃度は12(原子%)以上であれば、比較例に比べて、高い反強磁性結合磁界Hsが得られることが分かる。
なお、B元素の量が40(原子%)を越えた場合、CoFeB層は強磁性体ではなく非磁性化してしまうので40(原子%)未満である必要がある。
以上は、図1に示したようなトップタイプのスピンバルブ型のTMR素子1において、磁化固定層5が積層フェリ構造とされた場合についての実施例であるが、図3に示したようなボトムタイプのスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子10において、磁化自由層7が積層フェリ構造とされた場合についても全く同様の作用を得ることができる。
このように、実験1〜実験3に示した結果からも明らかなように、トンネルバリア層6上に積層フェリ構造が形成されたTMR素子の場合であっても、トンネルバリア層6に接して直接アモルファス強磁層51を形成し、このアモルファス強磁性層51上に結晶質強磁性層52を形成することにより、積層フェリ構造内の反強磁性結合磁界Hsが弱くなることを防ぐことができ、充分な反強磁性結合磁界Hsが得られていることが分かる。
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明に係る磁気抵抗効果素子の一実施の形態を示す概略断面図である。 A,B 本発明の構成と比較例の構成との熱処理後の反強磁性結合磁界を示す図である。 本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の形態を示す概略構成図(その1)である。 本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の形態を示す概略構成図(その2)である。 本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の形態を示す概略構成図(その3)である。 本発明に係る磁気メモリ装置の一実施の形態を示す斜視図である。 図7に示す磁気メモリ装置のメモリセルの拡大断面図である。 実験において用いられるTMR素子評価用のTEGの平面図である。 図9に示すTEGのA−A線上の拡大断面図である。 磁気抵抗効果素子のアモルファス強磁性材料層の厚さの違いによる反強磁性結合Hsの違いを示す図である。 磁気抵抗効果素子の結晶質強磁性材料の厚さの違いによる反強磁性結合Hsの違いを示す図である。 磁気抵抗効果素子のアモルファス強磁性層としてCoFeB層を用いた場合のB元素の濃度の違いによる反強磁性結合Hsの違いを示す図である。 R−H曲線から測定される反強磁性結合磁界の説明図である。 A,B 従来の磁気抵抗効果素子の要部を示す概略断面図である。 A,B 従来のスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子を説明するための図である。 A,B ボトムタイプ及びトップタイプの磁気抵抗効果素子を説明するための図である。
符号の説明
1,10・・・磁気抵抗効果素子、2・・・基板、3・・・下地層、4・・・反強磁性層、5・・・磁化固定層、51,71・・・アモルファス強磁性材料層(CoFeB層)、52,54・・・結晶質強磁性層(CoFe層)、53・・・非磁性中間層、6・・・トンネルバリア層、7・・・磁化自由層、72,74・・・結晶質強磁性層(CoFe層)、73・・・非磁性中間層、8・・・保護層、9・・・強磁性トンネル接合、20・・・磁気メモリ装置、21・・・メモリセル、22・・・MRAMアレイ

Claims (16)

  1. 一対の強磁性層がトンネルバリア層を間に挟んで形成され、少なくとも、前記トンネルバリア層の上側に形成された前記強磁性層が、積層フェリ構造とされた磁気抵抗効果素子であって、
    前記積層フェリ構造が、前記トンネルバリア層に接する側から、少なくとも、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層、結晶質強磁性層、非磁性中間層、強磁性層の順で積層された構成である
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層は、磁化固定層であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層は、磁化自由層であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層は、FeCoB層あるいはFeCoNiB層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記FeCoB層あるいはFeCoNiB層において、B元素の量は、12(原子%)以上、37(原子%)以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記結晶質強磁性層はCoが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層の膜厚は、0.5nm以上、15nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記結晶質強磁性層の膜厚は、0.5nm以上、3nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 一対の強磁性層がトンネルバリア層を間に挟んで形成され、少なくとも、前記トンネルバリア層の上側に形成された前記強磁性層が、積層フェリ構造とされた磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子を厚さ方向に挟むワード線とビット線とを備えた構成の磁気メモリ装置であって、
    前記積層フェリ構造が、前記トンネルバリア層に接する側から、少なくとも、アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層、結晶質強磁性層、非磁性中間層、強磁性層の順で積層された構成である
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  10. 前記トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層は、磁化固定層であることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
  11. 前記トンネルバリア層の上側に形成された強磁性層は、情報記憶層であることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
  12. 前記アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層は、FeCoB層あるいはFeCoNiB層で形成されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
  13. 前記FeCoB層あるいはFeCoNiB層において、B元素の量は、12(原子%)以上、37(原子%)以下であることを特徴とする請求項12に記載の磁気メモリ装置。
  14. 前記結晶質強磁性層はCoが含有されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
  15. 前記アモルファスあるいは微結晶組織を有する強磁性層の膜厚は、0.5nm以上、15nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
  16. 前記結晶質強磁性層の膜厚は、0.5nm以上、3nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ装置。
JP2004010763A 2004-01-19 2004-01-19 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 Pending JP2005203702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010763A JP2005203702A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010763A JP2005203702A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005203702A true JP2005203702A (ja) 2005-07-28

Family

ID=34823397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004010763A Pending JP2005203702A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005203702A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006261637A (ja) * 2005-02-16 2006-09-28 Nec Corp 積層強磁性構造体、磁気抵抗デバイス、及び積層強磁性構造体の製造方法
JP2007096075A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Sony Corp 磁気記憶素子、磁気メモリ
WO2007063718A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Renesas Technology Corp. 不揮発性記憶装置
JP2008283207A (ja) * 2005-10-19 2008-11-20 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気ランダムアクセスメモリ、電子カード及び電子装置
JP2008300840A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Headway Technologies Inc ピンド層およびこれを用いたtmrセンサ並びにtmrセンサの製造方法
JP2010062353A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果素子
JP2011082477A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Korea Advanced Inst Of Sci Technol 磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法
JP2011123944A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv Tmrリード・ヘッドの製造方法及びtmr積層体
US8363462B2 (en) 2005-10-19 2013-01-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive element
US8722211B2 (en) 2009-01-20 2014-05-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices and methods of manufacturing such magnetic memory devices
WO2015072140A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗効果素子の製造方法
WO2015072139A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗効果素子の製造方法
WO2019244662A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 磁気記憶素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、電子機器、及び磁気記憶素子の製造方法
US11018187B2 (en) 2018-09-10 2021-05-25 Toshiba Memory Corporation Magnetic memory device

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001068760A (ja) * 1999-08-31 2001-03-16 Hitachi Ltd 強磁性トンネル接合素子
JP2002100012A (ja) * 2000-09-27 2002-04-05 Nec Corp 磁気記憶装置およびこれを用いた画像記録再生装置、ならびに装置,機器,機械もしくはシステム
JP2002204010A (ja) * 2000-08-21 2002-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗素子
WO2003036734A2 (en) * 2001-10-12 2003-05-01 Sony Corp Magnetoresistance effect element, magetic memory element, magnetic memory device, and their manufacturing method

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001068760A (ja) * 1999-08-31 2001-03-16 Hitachi Ltd 強磁性トンネル接合素子
JP2002204010A (ja) * 2000-08-21 2002-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗素子
JP2002100012A (ja) * 2000-09-27 2002-04-05 Nec Corp 磁気記憶装置およびこれを用いた画像記録再生装置、ならびに装置,機器,機械もしくはシステム
WO2003036734A2 (en) * 2001-10-12 2003-05-01 Sony Corp Magnetoresistance effect element, magetic memory element, magnetic memory device, and their manufacturing method

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006261637A (ja) * 2005-02-16 2006-09-28 Nec Corp 積層強磁性構造体、磁気抵抗デバイス、及び積層強磁性構造体の製造方法
JP2007096075A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Sony Corp 磁気記憶素子、磁気メモリ
JP2008283207A (ja) * 2005-10-19 2008-11-20 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気ランダムアクセスメモリ、電子カード及び電子装置
US8363462B2 (en) 2005-10-19 2013-01-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive element
WO2007063718A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Renesas Technology Corp. 不揮発性記憶装置
US7773408B2 (en) 2005-11-30 2010-08-10 Renesas Technology Corp. Nonvolatile memory device
US7983075B2 (en) 2005-11-30 2011-07-19 Renesas Electronics Corporation Nonvolatile memory device
JP2008300840A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Headway Technologies Inc ピンド層およびこれを用いたtmrセンサ並びにtmrセンサの製造方法
JP2010062353A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果素子
US8722211B2 (en) 2009-01-20 2014-05-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices and methods of manufacturing such magnetic memory devices
US8329478B2 (en) 2009-10-08 2012-12-11 Korea Institute Of Science And Technology Magnetic tunnel junction device and method for manufacturing the same
JP2011082477A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Korea Advanced Inst Of Sci Technol 磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法
JP2011123944A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv Tmrリード・ヘッドの製造方法及びtmr積層体
WO2015072140A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗効果素子の製造方法
WO2015072139A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP6077133B2 (ja) * 2013-11-18 2017-02-08 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗効果素子の製造方法
US10153426B2 (en) 2013-11-18 2018-12-11 Canon Anelva Corporation Manufacturing method of magnetoresistive effect element
WO2019244662A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 磁気記憶素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、電子機器、及び磁気記憶素子の製造方法
JPWO2019244662A1 (ja) * 2018-06-19 2021-07-08 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 磁気記憶素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、電子機器、及び磁気記憶素子の製造方法
US11462681B2 (en) 2018-06-19 2022-10-04 Sony Semiconductor Solutions Corporation Magnetic storage element, magnetic head, magnetic storage device, electronic apparatus, and method for manufacturing magnetic storage element
JP7239578B2 (ja) 2018-06-19 2023-03-14 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 磁気記憶素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、電子機器、及び磁気記憶素子の製造方法
US11018187B2 (en) 2018-09-10 2021-05-25 Toshiba Memory Corporation Magnetic memory device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3678213B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置の製造方法
KR101055595B1 (ko) 자기저항 소자 및 자기 메모리 장치
JP4100025B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
US6831314B2 (en) Magnetoresistive effect element and magnetic memory device
JP5360599B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気ランダムアクセスメモリ
CN103151454A (zh) 存储元件和存储设备
JP2004071897A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
WO2014050379A1 (ja) 記憶素子、記憶装置、磁気ヘッド
JP2007103471A (ja) 記憶素子及びメモリ
WO2014050380A1 (ja) 記憶素子、記憶装置、磁気ヘッド
JP2013115400A (ja) 記憶素子、記憶装置
JP2005203702A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP4187021B2 (ja) 記憶素子及びメモリ
JP2004146614A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
JP2005203443A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
KR100985001B1 (ko) 자기저항효과 소자 및 자기 메모리 장치
JP2004063592A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
JP2004022599A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置の製造方法
JP4352659B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP2005203701A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2009146995A (ja) 磁気記憶装置
WO2013080437A1 (ja) 記憶素子、記憶装置
JP4674433B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2004039757A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2009218611A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100706