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JP2005187647A - 工作機械用潤滑油及び工作機械の潤滑方法 - Google Patents

工作機械用潤滑油及び工作機械の潤滑方法 Download PDF

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JP2005187647A JP2003430958A JP2003430958A JP2005187647A JP 2005187647 A JP2005187647 A JP 2005187647A JP 2003430958 A JP2003430958 A JP 2003430958A JP 2003430958 A JP2003430958 A JP 2003430958A JP 2005187647 A JP2005187647 A JP 2005187647A
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Masahiro Hata
正広 秦
Satoshi Suda
聡 須田
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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Abstract

【課題】 要求性能の異なる工作機械の各潤滑箇所に対して1種類の潤滑油のみで適用可能であり、かつ環境への影響が少ない工作機械用潤滑油、並びにその潤滑油を用いた工作機械の潤滑方法を提供する。
【解決手段】 本工作機械用潤滑油は、エステル油を基油とし、かつ酸価が0.01〜10mgKOH/gであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は工作機械用潤滑油及びそれを用いた工作機械の潤滑方法に関する。
工作機械の種類は非常に多く、夫々の構造も皆異なっているが、これらの工作機械の潤滑箇所を共通する要素に分けると、「油圧機器」「軸受」「摺動面」「歯車」「加工部」などに大別できる。これらの潤滑箇所はいずれも加工精度に影響を与える主要部分であり、最近では高精度化、高能率化に伴いさまざまな性能が要求される。
例えば油圧機器に使用される潤滑油には、長期間反復使用されてもスラッジの生成がない熱・酸化安定性が優れ且つ耐摩耗性の良好な潤滑油が求められており、高度に精製された基油に好適な添加剤が配合された作動油が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、工作機械の軸受は近年の高速化に伴い主軸の熱変位対策やベアリングの長寿命化が求められており潤滑油には低粘度極圧軸受油が採用されている。
また、工作機械において摺動面(すべり案内面)の潤滑箇所は多く、この面における潤滑は工作物の仕上げ精度と密接な関係があるため特に注意する必要がある。実際に機械がすべり運動をしている場合、特に低速高荷重でのスティックスリップ現象や、高速時におけるテーブルの浮き上がり現象が起こりやすくなる。そこで、摺動面油には、摩擦係数の低減やスティックスリップの防止を目的として、各種添加剤が組み合わされて配合される。
工作機械の歯車は、高荷重を受けることは少なく、また回転数も高速で高温になることは少ない。しかしながら、一般的には高粘度油が用いられているため、低粘度化を図る場合は歯車の磨耗、焼付きには十分な注意が必要となる。
一方、切削・研削加工の分野では廃棄物として排出される油剤が環境に影響を及ぼさないように様々な検討がなされている。その一つとして通常の1/100000〜1/1000000程度の極微量の油剤を圧縮流体(例えば圧縮空気)と共に切削・研削箇所に供給するシステムが開発され、油剤の量を大幅に削減した切削・研削油剤供給方式が提案されておりそれに適した油剤組成物がある。
特開2001−214187号公報
近年の工作機械の省スペース、省エネルギーの観点から、これら工作機械に用いられる潤滑油を統一することが求められている。しかしながら、上述のように、工作機械の各潤滑箇所に求められる性能が異なるため、全ての潤滑箇所を1種の潤滑油のみで潤滑することは困難である。
また近年環境への影響の少ない潤滑油が求められているが、現在一般的に使用されている潤滑油ではこの点でも改善の余地がある。
本発明は、このような実状に鑑みなされたものであり、要求性能の異なる工作機械の各潤滑箇所に対して1種類の潤滑油のみで適用可能であり、かつ環境への影響が少ない工作機械用潤滑油、並びにその潤滑油を用いた工作機械の潤滑方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エステル油を基油とした潤滑油において、その潤滑油の酸価を特定範囲内とすることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の工作機械用潤滑油は、エステル油を基油とし、かつ酸価が0.01〜10mgKOH/gであることを特徴とする。
また、本発明の工作機械の潤滑方法は、工作機械が備える油圧機器、軸受、摺動面、歯車及び加工部から選ばれる2以上の潤滑箇所を、エステル油を基油とし、かつ酸価が0.01〜10mgKOH/gである潤滑油を用いて潤滑することを特徴とする。
本発明の工作機械用潤滑油によれば、油圧機器、軸受、摺動面、歯車又は加工部などの要求性能の異なる工作機械の各潤滑箇所を1種類の潤滑油のみで潤滑することが可能となり、かつ環境への影響を十分に低減することが可能となる。また、本発明の工作機械の潤滑方法によれば、上記本発明の工作機械用潤滑油を用いて工作機械の油圧機器、軸受、摺動面及び加工部から選ばれる2以上の潤滑箇所を潤滑することで、工作機械の省スペース化、省エネルギー化、さらには工作機械全体での環境への影響の低減を達成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の工作機械用潤滑油は、基油としてのエステルを含有し、酸価が0.01〜10mgKOH/gのものである。ここでいう酸価は、JIS K 2501に準拠して測定される潤滑油全体の酸価を意味する。本発明の工作機械用潤滑油の酸価は、摺動特性の向上効果の点から、前述の通り0.01mgKOH/g以上であり、好ましくは0.1mgKOH/g以上、より好ましくは0.6mgKOH/g以上、更に好ましくは1mgKOH/g以上、更により好ましくは1.5mgKOH/g以上、特に好ましくは2.1mgKOH/g以上である。また、当該酸価は、熱・酸化安定性及び金属に対する腐食防止性の点から、前述の通り10mgKOH/g以下であり、好ましくは5mgKOH/g以下、より好ましくは3mgKOH/g以下である。
本発明の工作機械用潤滑油に含まれるエステルは、天然物(通常は動植物などの天然油脂に含まれるもの)であっても合成物であってもよい。本発明では、得られる潤滑油の安定性やエステル成分の均一性などの点からは、合成エステルであることが好ましい。また、環境に対する影響の点からは、天然エステルであることが好ましい。
エステルを構成するアルコールとしては1価アルコールでも多価アルコールでもよく、また、エステルを構成する酸としては一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。さらにより好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い熱・酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等が最も好ましい。
本発明のエステルを構成するアルコールは、上述したように1価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、より優れた潤滑性が達成可能となる点、並びに流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する等の点から、多価アルコールであることが好ましい。また、多価アルコールのエステルを用いると、切削・研削加工において、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きくなる。
また、本発明にかかるエステルを構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、潤滑性及び取扱性がより高められる点から、特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸、炭素数3〜22の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物がより好ましく、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸がさらに好ましく、べたつき防止性の点からは炭素数4〜18の飽和脂肪酸がさらに好ましい。
多塩基酸としては炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明のエステルを構成する酸としては、上述したように一塩基酸であっても多塩基酸であってもよいが、一塩基酸を用いると、粘度指数の向上、べたつき防止性の向上に寄与するエステルが得られやすくなるので好ましい。
本発明のエステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、本発明で使用可能なエステルとしては、例えば下記のエステルを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル。
これらの中でも、より優れた潤滑性が得られる、流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する、粘度指数の高いものがより得やすくなる点から(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステルであることが好ましい。
また、本発明において用いられる天然物由来のエステルとしては、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、サンフラワー油、並びに品種改良や遺伝子組換操作などによりグリセリドを構成する脂肪酸におけるオレイン酸の含有量が増加したハイオレイック菜種油、ハイオレイックサンフラワー油などの植物油、ラードなどの動物油などの天然油脂が挙げられる。
これらの天然物由来のエステルの中でも、潤滑油の安定性の点から、オレイン酸の含有量が増加したハイオレイックな天然油脂が好ましく、脂肪酸とグリセリンとのトリエステル(以下、単に「トリエステル」という)であって、該脂肪酸中の40〜98質量%がオレイン酸のものが特にこのましい。かかるトリエステルを用いることによって、潤滑性と熱・酸化安定性との双方を高水準でバランスよく達成することができる。また、当該トリエステルを構成する脂肪酸中のオレイン酸の含有量は、潤滑性と熱・酸化安定性との双方を高水準でバランスよく達成できる点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、同様の点から好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
なお、上記のトリエステルを構成する脂肪酸(以下、「構成脂肪酸」という)中のオレイン酸の割合や、後述するリノール酸等の割合は、日本油化学会制定の基準油脂分析法2.4.2項「脂肪酸組成」に準拠して測定されるものである。
また、トリエステルの構成脂肪酸のうち、オレイン酸以外の脂肪酸としては、潤滑性及び熱・酸化安定性を損なわない限り特に制限されないが、好ましくは炭素数6〜24の脂肪酸である。炭素数6〜24の脂肪酸としては、飽和脂肪酸でもよく、不飽和結合を1〜5個有する不飽和脂肪酸でもよい。また、当該脂肪酸は直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。さらに、分子内にカルボキシル基(−COOH)以外に水酸基(−OH)を1〜3個有していてもよい。このような脂肪酸としては、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、アラキドン酸、クルバドン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、潤滑性と熱・酸化安定性との両立の点で、リノール酸が好ましく、トリエステルを構成する脂肪酸の1〜60質量%(より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは4〜40質量%)がリノール酸であることがより好ましい。
更に、上記のトリエステルにおいては、潤滑性と熱・酸化安定性との両立の点で、構成脂肪酸中の0.1〜30質量%(より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%)が炭素数6〜16の脂肪酸であることが好ましい。炭素数6〜16の脂肪酸の割合が0.1質量%未満であると熱・酸化安定性が低下する傾向にあり、他方、30質量%を超えると潤滑性が低下する傾向にある。
また、上記のトリエステルの総不飽和度は0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。トリエステルの総不飽和度が0.3より大きくなると、本発明の潤滑油の熱・酸化安定性が悪くなる傾向にある。なお、本発明でいう総不飽和度とは、ポリウレタン用ポリエーテルの代わりにトリエステルを用いる以外はJIS K1557−1970 「ポリウレタン用ポリエーテル試験方法」に準じて、同様の装置・操作法により測定される総不飽和度をいう。
本発明にかかるトリエステルとしては、構成脂肪酸中のオレイン酸の割合等が上記の条件を満たすものであれば、合成により得られるものを用いてもよく、或いは当該トリエステルを含有する植物油等の天然油を用いてもよいが、人体に対する安全性の点から、植物油等の天然油を用いることが好ましい。かかる植物油としては、菜種油、ひまわり油、大豆油、トウモロコシ油、キャノーラ油が好ましく、中でもひまわり油及び大豆油が特に好ましい。
ここで、天然の植物油の多くは総不飽和度が0.3を超えるものであるが、その精製工程で水素化等の処理により総不飽和度を小さくすることが可能である。また、遺伝子組み替え技術により総不飽和度の低い植物油を容易に製造することができる。例えば総不飽和度が0.3以下でありかつオレイン酸が70質量%以上のものとして高オレイン酸キャノーラ油等、80質量%以上のものとして高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ひまわり油などを例示することができる。
本発明において、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合に得られるエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよい。また、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
本発明にかかるエステルの沃素価は、好ましくは0〜80、より好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜40、更により好ましくは0〜20、最も好ましくは0〜10である。また、本発明にかかるエステルの臭素価は、好ましくは0〜50gBr/100g、より好ましくは0〜30gBr/100g、更に好ましくは0〜20gBr/100g、最も好ましくは0〜10gBr/100gである。エステルの沃素価や臭素価がそれぞれ前記の範囲内であると、得られる潤滑油のべたつき防止性がより高められる傾向にある。なお、ここでいう沃素価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価及び不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。また臭素価とは、JIS K 2605「化学製品―臭素価試験方法−電気滴定法」により測定した値をいう。
また、本発明の工作機械用潤滑油に更に良好な潤滑性能を付与するためには、エステルの水酸基価が0.01〜300mgKOH/gであり、ケン価が100〜500mgKOH/gであることが好ましい。本発明において更に高い潤滑性を得るためのエステルの水酸基価の上限値は、より好ましくは200mgKOH/gであり、最も好ましくは150mgKOH/gであり、一方その下限値は、より好ましくは0.1mgKOH/gであり、更に好ましくは0.5mgKOH/gであり、更に好ましくは1mgKOH/gであり、更により好ましくは3mgKOH/gであり、最も好ましくは5mgKOH/gである。また、エステルのケン化価の上限値は更に好ましくは400mgKOH/gであり、一方その下限値は更に好ましくは200mgKOH/gである。なお、ここでいう水酸基価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価及び不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。またケン化価とは、JIS K 2503「航空潤滑油試験方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。
本発明にかかるエステルの動粘度については特に制限はないが、40℃における動粘度は、好ましくは300mm/s以下であり、より好ましくは200mm/s以下であり、更に好ましくは100mm/s以下であり、特に好ましくは75mm/s以下である。また、エステルの動粘度は、好ましくは1mm/s以上であり、より好ましくは3mm/s以上であり、更に好ましくは5mm/s以上である。
本発明に係るエステルの流動点および粘度指数には特に制限はないが流動点は−10℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−20℃以下である。粘度指数は100以上200以下であることが望ましい。
本発明の工作機械用潤滑油は、潤滑油の酸価が0.01〜10mgKOH/gの範囲内であれば、基油であるエステルのみからなるもの(すなわちエステル含有量が100質量%のもの)であってもよく、また、後述するように、必要に応じて他の基油や添加剤が配合されたものであってもよい。バクテリア等の微生物による潤滑油の分解がより容易に行われ、周辺の環境が維持されるといった生分解性の点から、エステルの含有量は、潤滑油全量基準で、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましく、70質量%以上であることが最も好ましい。
本発明の工作機械用潤滑油は、潤滑性がより高められる点から、油性剤を含有することが好ましい。油性剤としては、(A)アルコール、(B)カルボン酸、(C)不飽和カルボン酸の硫化物、(D)下記一般式(1)で表される化合物、(E)下記一般式(2)で表される化合物、(F)ポリオキシアルキレン化合物、(G)エステル、(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテル、(I)アミンなどを挙げることができる。
Figure 2005187647
[式(1)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。]
Figure 2005187647
[式(2)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、cは1〜6の整数を表し、dは0〜5の整数を表す。]
(A)アルコールは、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。より高い潤滑性能が得られ、優れた加工性が得られる点から炭素数1〜40の1価アルコールが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜25のアルコールであり、最も好ましくは炭素数8〜18のアルコールである。具体的には、上記基油のエステルを構成するアルコールの例を挙げることができる。これらのアルコールは直鎖状でも分岐を有していてもよく、また飽和でも不飽和でもよいが、べたつき防止性の点から飽和であることが好ましい。
(B)カルボン酸は1塩基酸でも多塩基酸でもよい。より高い潤滑性能が得られ、優れた加工性が得られる点から炭素数1〜40の1価のカルボン酸が好ましく、更に好ましくは炭素数5〜25のカルボン酸であり、最も好ましくは炭素数5〜20のカルボン酸である。具体的には、上記基油としてのエステルを構成するカルボン酸の例を挙げることできる。これらのカルボン酸は、直鎖状でも分岐を有していてもよく、飽和でも不飽和でもよいが、べたつき防止性の点から飽和カルボン酸であることが好ましい。
(C)不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えば、上記(B)のカルボン酸のうち、不飽和のものの硫化物を挙げることができる。具体的には例えば、オレイン酸の硫化物を挙げることができる。
(D)上記一般式(1)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、例えば炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜30の直鎖又は分岐アルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜30のアルキルアリール基、及び炭素数7〜30のアリールアルキル基を挙げることができる。これらの中では、炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基である。炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐のプロピル基及び直鎖又は分岐のブチル基を挙げることができる。
水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。aは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。bは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(1)で表される化合物の例としては、p−tert−ブチルカテコールを挙げることができる。
(E)上記一般式(2)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)中のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。cは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。dは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(2)で表される化合物の例としては、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンを挙げることができる。
(F)ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば下記一般式(3)又は(4)で表される化合物を挙げることができる。
O−(RO)−R (3)
[式(3)中、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、eは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]
A−[(RO)−R] (4)
[式(3)中、Aは、水酸基を3〜10個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、fは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、gはAの水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。]
上記一般式(3)中、R及びRの少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。R及びRで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば上記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。Rで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、ブチレン基(エチルエチレン基)を挙げることができる。eは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
また、上記一般式(4)中、Aを構成する3〜10の水酸基を有する多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロ−ル、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトールなどの多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマントース、トレハロース、及びシュクロースなどの糖類を挙げることができる。これらの中でもグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールアルカン、およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、又はソルビタンが好ましい。
で表される炭素数2〜4のアルキレン基の例としては、上記一般式(3)のRで表される炭素数2〜4のアルキレン基の例と同じものを挙げることができる。またRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。g個のRのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、全て水素原子であることが更に好ましい。fは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更に好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
(G)エステルとしては、これを構成するアルコールが1価アルコールでも多価アルコールでもよく、またカルボン酸は一塩基酸でも多塩基酸であってもよいものである。
エステルを構成する1価アルコール及び多価アルコールの例としては、基油としてのエステルの説明において例示した1価アルコール及び多価アルコールと同じものを挙げることができる。更に好ましいものについても同じである。またエステルを構成する一塩基酸および多塩基酸の例も前記基油としてのエステルの説明において例示した一塩基酸および多塩基酸と同じものを挙げることができる。更に好ましいものについても同じである。
またアルコールとカルボン酸との組み合わせとしては、任意の組み合わせが可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の組み合わせを挙げることができる。
(G−1)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(G−2)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(G−3)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(G−4)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(G−5)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(G−6)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(G−7)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル
なお、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいは水酸基の一部がエステル化されず水酸基のままで残っている部分エステルでもよい。また、カルボン酸成分として多塩基酸を用いた場合、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
油性剤としてのエステルの合計炭素数には特に制限はないが、潤滑性及び加工性の向上効果を得るために、合計炭素数が7以上のエステルが好ましく、9以上のエステルが更に好ましく、11以上のエステルが最も好ましい。また、ステインや腐食の発生を増大させない点、並びに有機材料との適合性の点から、合計炭素数が60以下のエステルが好ましく、45以下のエステルがより好ましく、26以下のエステルが更に好ましく、24以下のエステルが一層好ましく、22以下のエステルが最も好ましい。
(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。さらにより好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い潤滑性が得られることから、グリセリンが最も好ましい。
(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテルとしては、上記多価アルコールの水酸基の一部又は全部をハイドロカルビルエーテル化したものが使用できる。潤滑性の点からは、多価アルコールの水酸基の一部をハイドロカルビルエーテル化したもの(部分エーテル化物)が好ましい。ここでいうハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等の炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
炭素数1〜24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、直鎖又は分枝のテトラコシル基等が挙げられる。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のへキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセニル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、直鎖又は分枝のテトラコセニル基等が挙げられる。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクリペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数7〜18のアルキルアリール基としては、トリル基(全ての構造異性体を含む。)、キシリル基(全ての構造異性体を含む。)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)等が挙げられる。
炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む。)フェニルブチル基(ブチル基の異性体を含む。)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体を含む。)、フェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体を含む。)等が挙げられる。
これらの中では、潤滑性に優れる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
(I)アミンとしては、モノアミンが好ましく使用される。モノアミンの炭素数は、好ましくは6〜24であり、より好ましくは12〜24である。ここでいう炭素数とはモノアミンに含まれる総炭素数の意味であり、モノアミンが2個以上の炭化水素基を有する場合にはその合計炭素数を表す。
本発明で用いられるモノアミンとしては、第1級モノアミン、第2級モノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可能であるが、潤滑性の点から、第1級モノアミンが好ましい。
モノアミンの窒素原子に結合する炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等の何れもが使用可能であるが、得られる潤滑油組成物の潤滑特性の点から、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであっても良いが、得られる潤滑油組成物の潤滑特性の点から、直鎖状のものが好ましい。
本発明で用いられるモノアミンの好ましいものとしては、具体的には例えば、ヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、オクチルアミン(全ての異性体を含む)、ノニルアミン(全ての異性体を含む)、デシルアミン(全ての異性体を含む)、ウンデシルアミン(全ての異性体を含む)、ドデシルアミン(全ての異性体を含む)、トリデシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラデシルアミン(全ての異性体を含む)、ペンタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘキサデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、イコシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘンイコシルアミン(全ての異性体を含む)、ドコシルアミン(全ての異性体を含む)、トリコシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラコシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデセニルアミン(全ての異性体を含む)(オレイルアミン等を含む)及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの中でも、潤滑性の点から、炭素数12〜24の第1級モノアミンが好ましく、炭素数14〜20の第1級モノアミンがより好ましく、炭素数16〜18の第1級モノアミンがさらに好ましい。
本発明においては、上記油性剤(A)〜(H)の中から選ばれる1種のみを用いてもよく、また2種以上の混合物を用いてもよい。これらの中でも、より潤滑性に優れる点から、(B)カルボン酸及び(H)アミンから選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
上記油性剤の含有量は特に制限はないが、より高い潤滑性を得るために、潤滑油全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、安定性の点から、油性剤の含有量は、潤滑油全量基準で、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
また、本発明の工作機械用潤滑油は、極圧剤を更に含有することが好ましい。好ましい極圧剤としては、後述する硫黄化合物及びリン化合物が挙げられる。
本発明で用いられる硫黄化合物としては、工作機械用潤滑油としての特性を損なわない限りにおいて特に制限されないが、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデンが好ましく用いられる。
ジハイドロカルビルポリサルファイドとは、一般的にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には下記一般式(5):
−S−R (5)
[式(5)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアルキルアリール基あるいは炭素数6〜20のアリールアルキル基を表し、hは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す]
で表される化合物を意味する。上記一般式(5)中のR及びRとしては、具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基などの直鎖状又は分枝状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を含む)などのアリールアルキル基;などを挙げることができる。これらの中でも、一般式(5)中のR及びRとしては、プロピレン、1−ブテン又はイソブチレンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基、アルキルアリール基あるいはアリールアルキル基であることが好ましく、これらの基としては例えば、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)などのアルキル基;フェニル基、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)などのアリールアルキル基が挙げられる。
さらに、上記一般式(5)中のR及びRとしては、その潤滑性の点から、別個に、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状アルキル基であることがより好ましく、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキル基であることが特に好ましい。
硫化エステルとしては、具体的には例えば、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂;不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの混合物などを任意の方法で硫化することにより得られるものが挙げられる。
硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。ここで、本発明にかかる硫化鉱油に用いられる鉱油としては特に制限されないが、具体的には、具体的には、原油に常圧蒸留及び減圧蒸留を施して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などが挙げられる。また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融液体状の単体硫黄を用いると基油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体硫黄は液体同士を混合するので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備などの特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解に要する時間が十分に短いので特に好ましい。また、本発明にかかる硫化鉱油における硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全量を基準として好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物とは、それぞれ下記一般式(6)〜(9):
Figure 2005187647
Figure 2005187647
Figure 2005187647
Figure 2005187647
[式(6)〜(9)中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表し、X及びXはそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表す]
で表される化合物を意味する。
ここで、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25で表される炭化水素基の具体例を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての分枝異性体を含む)、ブチル基(すべての分枝異性体を含む)、ペンチル基(すべての分枝異性体を含む)、ヘキシル基(すべての分枝異性体を含む)、ヘプチル基(すべての分枝異性体を含む)、オクチル基(すべての分枝異性体を含む)、ノニル基(すべての分枝異性体を含む)、デシル基(すべての分枝異性対を含む)、ウンデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ドデシル基(すべての分枝異性対を含む)、トリデシル基(すべての分枝異性対を含む)、テトラデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ペンタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘキサデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘプタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、オクタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ノナデシル基(すべての分枝異性対を含む)、イコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘンイコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ドコシル基(すべての分枝異性対を含む)、トリコシル基(すべての分枝異性対を含む)、テトラコシル基(すべての分枝異性対を含む)などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などのアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ペンチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ノニルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、デシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、テトラデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基(すべての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基(すべての分枝異性体を含む)などのアリールアルキル基などが挙げられる。
本発明においては、上記硫黄化合物の中でも、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いると、より高い潤滑性が得られるので好ましい。
また、本発明にかかるリン化合物としては、具体的には例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びフォスフォロチオネート等が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体が挙げられる。より具体的には、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;
フォスフォロチオネートとしては、トリブチルフォスフォロチオネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘキシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネート、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチオネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリトリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシルフォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネート、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオクタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォスフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシレニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート等
が挙げられる。また、これらの2種以上の混合物も使用できる。
本発明においては、上記リン化合物の中でも、より高い潤滑性が得られることから、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性リン酸エステルのアミン塩が好ましい。特に、本発明の工作機械用潤滑油を摺動面用油として使用する場合には、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩が好ましい。また、本発明の工作機械用潤滑油を油圧作動油として使用する場合には、リン酸エステルが好ましい。さらに、摺動面用油と油圧作動油との兼用油として用いる場合には、酸性リン酸エステル及び酸性リン酸エステルのアミン塩から選ばれる少なくとも1種と、リン酸エステルと、を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の工作機械用潤滑油は、硫黄化合物又はリン化合物の一方のみを含有するものであってもよく、硫黄化合物とリン化合物との双方を含有するものであってもよい。しかしながら、潤滑性がより高められることから、リン化合物、又は硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましく、硫黄化合物とリン化合物との双方を含有することがより好ましい。
上記極圧剤の含有量は任意であるが、潤滑性の点から、潤滑油全量基準で、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがさらにより好ましい。また、異常摩耗の防止の点から、極圧剤の含有量は、潤滑油全量基準で、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらにより好ましい。
本発明においては、上述の油性剤又は極圧剤の一方のみを用いてもよいが、一層高い潤滑性を達成できる点から、油性剤と極圧剤とを併用することが好ましい。
また、本発明の工作機械用潤滑油は酸化防止剤を更に含有していることが好ましい。酸化防止剤の添加により、潤滑油の変質によるべたつきを防止することができ、また、熱・酸化安定性を向上させることができる。
使用できる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤、その他食品添加剤として使用されているものなどが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のフェノール系化合物が使用可能であり、特に制限されるものでないが、例えば下記の一般式(10)及び一般式(11)で表される化合物の中から選ばれる1種又は2種以上のアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2005187647
[式(10)中、R26は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R27は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R28は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、下記一般式(i)又は(ii):
Figure 2005187647
(一般式(i)中、R29は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R30は炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
Figure 2005187647
(一般式(ii)中、R31は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R32は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R33は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、kは0又は1を示す。)
で表される基を示す。]
Figure 2005187647
[一般式(11)中、R34及びR36は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R35及びR37は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R38及びR39は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは炭素数1〜18のアルキレン基又は下記の一般式(iii):
−R40−S−R41− (iii)
(一般式(iii)中、R40及びR41は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す)
で表される基を示す。]
本発明に使用されるアミン系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のアミン系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(12)で表されるフェニル−α−ナフチルアミン又はN−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、並びに下記一般式(13)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンの中から選ばれる1種又は2種以上の芳香族アミンが好ましいものとして挙げられる。
Figure 2005187647
[式(12)中、R42は水素原子又はアルキル基を示す。]
Figure 2005187647
[式(13)中、R43及びR44は同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示す。]
アミン系酸化防止剤の具体例としては、4−ブチル−4’−オクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ドデシルフェニル−α−ナフチルアミン及びこれらの混合物などが挙げられる。
本発明に使用されるジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤としては、具体的には、下記一般式(14)で表されるジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
Figure 2005187647
[式(14)中、R45、R46、R47及びR48は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭化水素基を示す。]
また、食品添加剤として使用されている酸化防止剤も使用可能であり、上述したフェノール系酸化防止剤と一部重複するが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)を挙げることができる。
これらの酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、並びに上記食品添加剤として使用されているものが好ましい。さらに、生分解性を重視する場合には、上記食品添加剤として使用されているものがより好ましく、中でもアスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、又は2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)が好ましく、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールがより好ましい。
酸化防止剤の含有量は特に制限はないが、良好な熱・酸化安定性を維持させるためにその含有量は、潤滑油全量基準で0.01質量%以上が好ましく、更に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。一方それ以上添加しても効果の向上が期待できないことからその含有量は10質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは3質量%以下である。
また、本発明の工作機械用潤滑油には、上記した以外の従来公知の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、上記したリン化合物、硫黄化合物以外の極圧添加剤(塩素系極圧剤を含む);ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;等が挙げられる。これらの公知の添加剤を併用する場合の含有量は特に制限されないが、これらの公知の添加剤の合計含有量が組成物全量基準で0.1〜10質量%となるような量で添加するのが一般的である。
本発明の工作機械用潤滑油の動粘度については特に制限はないが、加工部への供給容易性の点から、40℃における動粘度は、好ましくは300mm/s以下であり、より好ましくは200mm/s以下であり、更に好ましくは100mm/s以下であり、特に好ましくは70mm/s以下である。また、エステルの動粘度は、好ましくは1mm/s以上であり、より好ましくは3mm/s以上であり、更に好ましくは5mm/s以上である。
上記構成を有する本発明の工作機械用潤滑油は、工作機械の潤滑箇所のうち要求性能が異なる潤滑箇所を1種類の潤滑油のみで潤滑することが可能なものであり、金属加工用油剤、摺動面用油剤、軸受部用油剤、油圧機器用油剤、ギヤ部用油剤などの幅広い用途に適用することができる。したがって、本発明の工作機械用潤滑油を用いることにより、工作機械の省スペース化、省エネルギー化が可能となる。より具体的には、例えば従来の工作機械の場合は、潤滑箇所における要求特性の相違のため、潤滑箇所ごとに別個の潤滑油供給手段(油圧ポンプなど)を設け、複数の潤滑油を各潤滑箇所に独立に供給する必要があった。これに対して本発明の工作機械用潤滑油を用いる場合は、2以上の潤滑箇所につき油圧ポンプを1個とし、供給ライン(配管)を所定位置で分岐させるなどして各潤滑箇所に導けばよい。本発明の工作機械用潤滑油は、特に、油圧機器、軸受、摺動面、歯車及び加工部から選ばれる2以上の潤滑箇所を1種類の潤滑油で好適に潤滑することができる点で非常に有用である。
また、本発明の工作機械用潤滑油は、その優れた生分解性により、環境への影響を十分に低減することが可能なものである。したがって、上述のように、本発明の工作機械用潤滑油を用いて工作機械の2以上の潤滑箇所を潤滑することで、工作機械全体として環境への影響を低減することができる。
なお、本発明でいう金属加工用油剤とは、切削加工、研削加工などの金属加工に用いられる油剤をいう。また、ここでいう金属加工には極微量油剤供給式切削・研削加工が包含される。極微量油剤供給式切削・研削加工とは、通常の切削・研削加工における油剤の使用量に比して1/100000〜1/1000000程度の極微量の油剤を圧縮流体と共に切削・研削箇所に供給しながら行う切削・研削加工をいう。より具体的には、極微量油剤供給方式とは、通常最大でも1ミリリットル/分以下の微量の油剤を圧縮流体(例えば圧縮空気)と共に切削・研削部位に向けて供給する方式をいう。なお、圧縮空気以外に窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水などの圧縮流体を単独で用いたり、あるいはこれらの流体を混合して用いることも可能である。
極微量油剤供給式切削・研削加工における圧縮流体の圧力は、油剤が飛散して雰囲気を汚染させないような圧力、及び油剤と気体、あるいは液体との混合流体が切削・研削加工点に十分到達できるような圧力に調節される。また、圧縮流体の温度は冷却性の観点から、通常室温(25℃程度)又は室温から-−50℃に調節される。
また、本発明でいう摺動面用油剤とは、切削・研削加工に用いられる工作機械が備える構成部材のうち、当接する2平面の摺動運動の案内機構に用いられる潤滑油剤をいう。例えば、ベッド上を移動可能なテーブル上に被加工部材を配置し、テーブルを移動させて切削・研削加工用工具へ向けて被加工部材を搬送する工作機械においては、テーブルとベッドとの間の摺動面が摺動面用油剤により潤滑される。また、ベッド上を移動可能な台上に切削・研削加工用工具を固定し、その台を移動させて工具を被加工部材に向けて移動させる工作機械においては、台とベッドとの間の摺動面が摺動面用油剤により潤滑される。
このような摺動面用油には、摺動面での摩擦係数が小さいことやスティックスリップ防止性が高いなどの摩擦特性が求められる。工作機械の加工テーブルなどの摺動面においてスティックスリップが発生すると、その摩擦振動がそのまま被加工部材に転写され、その結果加工精度が低下したり、あるいはその振動から工具寿命が低下するなどの問題が生じる。本発明の工作機械用潤滑油はこれらの現象を十分に防止することが可能なものであるが、摩擦特性の点からは硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましい。
また、軸受部分の潤滑には、油剤軸受潤滑とミスト軸受潤滑等の潤滑方法があるが、本発明の工作機械用潤滑油はこのどちらにも使用可能である。
油剤軸受潤滑とは、潤滑油を液体のまま軸受部に供給して当該部分の円滑な摺動を図る潤滑方式を意味し、潤滑油による軸受部の冷却等も期待できる。このような軸受潤滑用の潤滑油剤としては、軸受摺動部分での高い潤滑性(耐摩耗性、耐焼付き性など)が求められ、また、より高温部で使用されることから熱劣化が起きにくい、つまり耐熱性に優れていることが要求されるが、本発明の工作機械用潤滑油はこのような油剤軸受潤滑にも用いることができるものである。
ミスト軸受潤滑とは、潤滑油をミスト発生装置により霧状にし、空気等の期待でその霧状の油を軸受部に供給して当該部分の円滑な摺動を図る潤滑方式を意味し、軸受部等の高温部では、空気等による冷却効果を期待できることから、近年の工作機械ではこの潤滑方式を採用している例が多い。このようなミスト潤滑用の潤滑油剤としては、軸受摺動部分での高い潤滑性(耐摩耗性、耐焼付き性など)が求められ、また、より高温部で使用されることから熱劣化が起きにくい、つまり耐熱性に優れていることが要求されるが、本発明の工作機械用潤滑油はこのようなミスト軸受潤滑にも用いることができるものである。
本発明の工作機械用潤滑油は軸受部分の潤滑用として十分使用できるものであるが、より高い潤滑性が得られることから、硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましい。
油圧機器は、油圧にて装置の動作、制御を行うものであり、装置の動作を司る油圧制御部分では潤滑、シール、冷却効果を期待される油圧作動油が使用される。油圧作動油は、潤滑油をポンプで高圧に圧縮し、油圧を発生させ、機器を動かすため、潤滑油に高い潤滑性(耐摩耗性、耐焼付き性など)と高い酸化安定性、熱安定性が求められが、本発明の工作機械用潤滑油はこのような油圧作動油にも用いることができるものである。本発明の工作機械用潤滑油を油圧作動油兼用油として使用する場合には、その潤滑性をさらに向上させるために、硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましい。
ギヤ部とは、主に歯切り盤などに設けられたギヤで駆動する部分のことであり、当該部分の円滑な摺動を図り、金属−金属間接触を緩和するためにギヤ油が使用される。ギヤの摺動面には高荷重が加えられるため、ギヤ油には高い耐摩耗性、高い焼付き性などの潤滑性が求められる。本発明の工作機械用潤滑油はこのようなギヤ油との兼用油として用いる場合にも、十分に高い潤滑性(耐摩耗性、耐焼付き性など)を発揮する。しかしながら、より高い潤滑性が得られることから、硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましい。
本発明の工作機械用潤滑油は、上記用途の中でも、摺動面用油剤及び油圧機器用油剤として有用であり、特に摺動面用油剤として好ましく使用される。また、本発明の工作機械用潤滑油は、特に、摺動面用油剤と油圧機器用油剤との兼用油として優れた効果を発揮するものである。
したがって、本発明の工作機械の潤滑方法は、上記本発明の工作機械用潤滑油を用いて、工作機械が備える油圧機器、軸受、摺動面、歯車及び加工部から選ばれる2以上の潤滑箇所を潤滑するものであるが、当該2以上の潤滑箇所のうちの1つは油圧機器又は摺動面であることが好ましく、摺動面であることが特に好ましい。また、当該2以上の潤滑箇所に油圧機器及び摺動面の双方が含まれることがより好ましい。
ここで、本発明の工作機械用潤滑油を用いた潤滑方法の好ましい一例について説明する。
図1は本発明において好適に用いられる工作機械の一例を示す説明図である。図1に示す工作機械は、ベッド1上を矢印の方向に移動可能なテーブル2、並びに支持手段10に支持されており矢印の方向に回転可能な工具11を備えている。また、給油タンク12には本発明の工作機械用潤滑油が収容されており、テーブル2上に配置された被加工部材3を切削・研削加工する際には、本発明の工作機械用潤滑油が加工油剤供給部13から加工部位に向けて供給される。また、給油タンク12に収容された本発明の工作機械用潤滑油は、摺動面用油剤供給部14からベッド1とテーブル2との間の摺動面16に供給されると共に、軸受用油剤供給部15から支持手段10と工具11との間の軸受部に供給されて、摺動面16及び軸受部17の潤滑が行われる。
上記の潤滑方法においては、本発明の工作機械用潤滑油を用いて、切削・研削加工部位、工作機械の摺動面、あるいは更に軸受部における潤滑を行うことによって、切削・研削加工における加工性の向上、作業効率の向上が達成される。
また、詳細は図示していないが、給油タンク12に収容される本発明の工作機械用潤滑油を、工作機械が備える油圧機器に供給して、本発明の工作機械用潤滑油を油圧作動油として用いることもできる。さらに、給油タンク12に収容される本発明の工作機械用潤滑油を、工作機械が備えるギヤ部分に供給して、本発明の工作機械用潤滑油をギヤ油として用いることもできる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜60、比較例1、2]
実施例1〜60及び比較例1、2においては、以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1〜13に示す組成を有する潤滑油を調製した。
(基油)
基油1:トリメチロールプロパンと、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸及びn−デカン酸の混合脂肪酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g)
基油2:ペンタエリスリトールと、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸及びn−デカン酸の混合脂肪酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g)
基油3:ネオペンチルグリコールとオレイン酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g)
基油4:ペンタエリスリトールとオレイン酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g)
基油5:グリセリンとオレイン酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g)
基油6:ペンタエリスリトールと、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸及びn−デカン酸の混合脂肪酸とのエステル(酸価:0.01mgKOH/g未満)
基油7:ハイオレイック菜種油(脂肪酸組成:オレイン酸/リノール酸/パルミチン酸/ステアリン酸/その他の脂肪酸=64/20/5/2/9(質量換算値)、脂肪酸の総量に占める炭素数6〜16の脂肪酸の割合:9%、総不飽和度:0.26、酸価:0.1mgKOH/g未満)
基油8:菜種油(脂肪酸組成:オレイン酸/リノール酸/パルミチン酸/ステアリン酸/その他の脂肪酸=20/65/6/5/4(質量換算値)、脂肪酸の総量に占める炭素数6〜16の脂肪酸の割合:8%、総不飽和度:0.47、酸価:0.1mgKOH/g未満)。
(添加剤)
極圧剤1:トリクレジルホスフェート
極圧剤2:ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート
極圧剤3:硫化エステル
極圧剤4:ポリサルファイド
油性剤1:オレイン酸
油性剤2:ラウリン酸
油性剤3:グリセリンモノオレイルエーテル
酸化防止剤1:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール。
次に、実施例1〜60及び比較例1、2の各潤滑油を用いて以下の評価試験を行った。
[摩擦特性評価試験]
バウデン−レーベンタイプ摩擦試験機(東測精密工業(株)製、MODE AFT−15)を用いて、以下の条件で摩擦試験を行い、摩擦係数を測定した。得られた結果を表1〜13に示す。
(試験条件)
摩擦速度:30mm/min
荷重:9.8N
上側試験片:1/2inch鋼球(JIS SUJ2)
下側試験片:鋼板(JIS S30C)
試験温度:室温(25℃)。
[耐摩耗性評価試験]
高速四球試験法により、回転数1800rpm、荷重392Nで30minの摩耗試験を行い、摩耗痕径を測定して潤滑油の耐摩耗性を評価した。得られた結果を表1〜13に示す。
[熱・酸化安定性評価試験]
JIS G 3532に規定するなまし鉄線(SWM−A、φ1.6mm、長さ400mm)と、JIS G 3102に規定する電解銅線(純度99.9%以上、φ1.6mm、長さ400mm)とをそれぞれ#100研磨紙で研磨し、JIS K 2514に規定する触媒巻線器でコイル状にした。このコイル状のなまし鉄線及び電解導線を、試験容器に秤取した試料45gに入れ、恒温槽中、140℃で20日間保持した。その後、0.8μフィルター(NIHON MILLIPORE ITD製)を用いて試料を濾過し、フィルター上に残ったスラッジ量を測定した。得られた結果を表1〜13に示す。
[加工性評価試験]
各潤滑油及び比較標準油(DIDA:アジピン酸ジイソデシル)を交互に用いて、以下に示す条件でタッピング試験を行った。
(タッピング条件)
工具:ナットタップM8(P=1.25mm)
下穴径:φ7.2mm
ワーク:S25C(t=10mm)
切削速度:9.0m/分
(油剤供給方式)
各潤滑油:圧縮空気を用いることなく、直接加工部位に4.3mL/分の条件で吹き付け。
このようにして各潤滑油及び比較標準油それぞれの場合のタッピングエネルギーを測定し、下記式を用いてタッピングエネルギー効率(%)を算出した。得られた結果を表1〜13に示す。表中、タッピングエネルギー効率の値が高い程、潤滑性が高いことを意味する。
タッピングエネルギー効率(%)=(DIDAを用いた場合のタッピングエネルギー)/(潤滑油を用いた場合のタッピングエネルギー)
[腐食防止性評価試験]
JIS K 2513「石油製品銅板腐食試験方法」に準拠し、100℃、3時間の試験条件で試験を行い、各潤滑油の腐食防止性を評価した。得られた結果を表1〜13に示す。
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本発明において好適に用いられる工作機械の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…ベッド、2…テーブル、3…被加工部材、10…支持手段、11…工具、12…給油タンク、13…加工油剤供給部、14…摺動面用油剤供給部、15…軸受用油剤供給部、16…摺動面、17…軸受部。

Claims (2)

  1. エステル油を基油とし、かつ酸価が0.01〜10mgKOH/gであることを特徴とする工作機械用潤滑油。
  2. 工作機械が備える油圧機器、軸受、摺動面、歯車及び加工部から選ばれる2以上の潤滑箇所を、エステル油を基油とし、かつ酸価が0.01〜10mgKOH/gである潤滑油を用いて潤滑することを特徴とする工作機械の潤滑方法。
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