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JP2005187164A - 金属線条体捲回リール補強部材と同補強部材を取り付けられた金属線条体捲回リール - Google Patents

金属線条体捲回リール補強部材と同補強部材を取り付けられた金属線条体捲回リール Download PDF

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JP2005187164A
JP2005187164A JP2003431679A JP2003431679A JP2005187164A JP 2005187164 A JP2005187164 A JP 2005187164A JP 2003431679 A JP2003431679 A JP 2003431679A JP 2003431679 A JP2003431679 A JP 2003431679A JP 2005187164 A JP2005187164 A JP 2005187164A
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Kenji Mita
健二 三田
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Tokusen Kogyo Co Ltd
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Tokusen Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】金属線条体をリールに巻付けた時の巻付け張力によるリールフランジの変形抑制用補強部材を提供する。
【解決手段】円筒状の捲胴部1と捲胴部1の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジ2とを備えた金属線条体用リールの補強部材20であって、補強部材20を、捲胴部1の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部5と、主体部5の両端部に一体的に形成されリールのフランジ2とほぼ同一の外径を有しかつフランジ2に溶接される一対のフランジ部6とで形成し、この溶接により発生した溶接歪みに伴う応力をフランジを内方に引っ張る初期応力として残留させ、この初期応力を、側圧によりフランジが互いに離反する方向に押し拡げられる力に対向させて、リールのフランジの変形を抑制するようにして課題解決の手段としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属線条体を捲回するためのリール用の補強部材と同補強部材を取り付けられた金属線条体捲回リールに関し、特に、金属線条体をリールに捲回した時の巻付け張力(側圧)により、リールの両フランジが互いに離反する方向に押し広げられる変形を抑制するよう機能するリール補強部材、および同リール補強部材を取り付けられた金属線条体捲回リールに関する。なお、上記リール補強部材は、巻付け張力に起因してリール捲胴部に作用する締め付け力(巻き圧)により、捲胴部の中央部が縮径する変形を抑制する機能をも併せ有する。
一般に、金属線条体捲回用のリール01は、図10、図11示すように、捲胴部02と、捲胴部02の両端部に配設される一対のフランジ03、03とで構成されている。捲胴部02および一対のフランジ03、03は構造用炭素鋼(例えばS45C)などの厚肉鋼材で造られている。そして、製造に仕方によって、捲胴部02とフランジ03、03とを一体物として削り出した一体物リール(削り出しリール)と、捲胴部02とフランジ03、03とを別々に製作し、捲胴部02とフランジ03、03とを溶接した溶接リール(組立てリール)とに分類されている。
これらのリールに、金属線条体、例えば線径が0.12〜0.16mm(あるいはそれ以下)のワイヤソー用極細金属線、またはゴム製品補強用の撚線スチールコード(タイヤコード)の素線としての線径0.15〜0.40mm程度の極細金属線(場合によってはスチールコードをも含む)を所定の張力(例えば0.4kg〜1.5kg)で巻付けた場合に、この巻付け張力に起因して、大きな締め付け力が捲胴部にかかり、この締め付け力は、両フランジを互いに離反する方向に押し広げる変形を起こすように作用する。このようなフランジを外側に押し拡げるように作用する力を以下「側圧」という。
この側圧は、金属線条体の線径が小さいほど、また巻付け張力が大きいほど、そして巻付け往復回数が多いほど大きくなる。上記極細金属線、例えばワイヤソーの場合、リールに40〜60kgあるいはそれ以上の重量を巻付けるが、このような場合の側圧は数トン
あるいは数十トンに達することがある。
この側圧により、フランジには、図10に点線で示すように、両フランジを互いに離反する方向に押し広げられる変形が発生するが、この現象は、図10に示すような、捲胴部の幅Hよりもフランジの直径Lが大なリール(H<L、「スリム型リール」という)の場合に顕著に顕れる。その結果、スリム型リールの場合、捲胴部とフランジとの継ぎ目Aに応力が集中し、この個所で破損が発生する。したがって、このような形状のリールの場合には、特に捲胴部02とフランジ03との接合部の補強が必要となる。
捲胴部とフランジとを溶接して構成した溶接リール(組立てリール)の場合、この溶接部分で応力(側圧)を完全に吸収することができないので、極めて破損度が高い。したがって、このような形状のリールの場合に対しては、捲胴部とフランジとの接合部の破損防止対策が必要となる。
また、フランジの直径Lが捲胴部の幅Hよりも大なリール(L<H、図11参照、「胴長リール」という)の場合、巻付け張力に起因して捲胴部に作用する上記の大きな締め付け力はフランジよりも捲胴部に集中し、この締め付け力(以下「巻き圧」という)により、捲胴部はその中央部が縮径するように変形し(図11に点線で示す)、この変形により、両フランジは内側に倒れこむように変形する。したがって、このような形状のリールの場合に対しては、捲胴部に対する補強が必要となる。
従来、この側圧に耐え得る強度や捲胴部に対する剛性を付与するために、リールには、厚さ20〜50mm程度の厚肉鋼材が用いられていた。このため、従来リールは非常に重量が重く、リールの取り扱い性が非常に悪く、運搬コストもかさんでいた。また材料費や加工コストが高くなっていた。
さらに、このような頑丈な構造のリールであっても、発生する側圧が途方もなく大きいために、フランジや捲胴部が塑性変形することは避けられない。そして、数回ないし十数回の繰り返し使用で、リールの変形が進行し、あるいは破損して使い物にならなくなる。
本出願人は、捲胴部とフランジとの接合部の破損防止対策を施したリールとして、先に特許文献1により、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体用リ−ルにおいて、フランジの内面に、同内面に対して内側に4±3°傾斜した補強体を溶接してフランジを内方に引っ張る引張り応力を付与した極細金属線用リールを提案した。
また、捲胴部に対する補強を施したリールとして、特許文献2に示すようなリールが提案されている。
特開2003−89478号公報 特開平11−114798号公報(第3頁、第1図)
特許文献1に記載の極細金属線用リール01は、図8に示すように、フランジ03の内面03bに対して内側に4±3°傾斜した補強体04を溶接してフランジを内方に引っ張る引張り応力を付与した構成となっている。そしてこの極細金属線用リールは、同公報に記載の通りのリール補強効果を奏することができるものの、製作時に、内側に4±3°傾斜した補強体04の垂直面04aをフランジ内面に押しつけながら溶接する工程を必要とするため、コスト高となるという不都合があるほか、捲胴部の剛性が低いという課題がある。
特許文献2に記載のリールは、図9に示すように、ソーワイヤを巻かれるバレル部011と、バレル部011両端のフランジ部012と、バレル部011の中心中空部内に圧入された充填材013とにより形成され、充填材013がリールの変形を抑制するように作用する構成となっている。ここで、充填材013は鋼よりも軽量で、かつ圧縮強度を有する材料からなり、蓋部材014により保持されるようになっている。図9中の符号015は蓋部材014をフランジ部012の端部に固着するための雄ネジを示している。
この金属線条体用リ−ルは、金属線条体の巻付け張力によりバレル部(捲胴部)が締め付けられても、バレル部011の中心中空部内に圧入された充填材013が締め付け力に対抗するように作用して、バレル部011の変形を抑制できるものの、構造が複雑なため、また充填材を必要とするため、コスト面および重量面において不利であるという課題がある。また、このリールは一体物リール(削り出しリール)なため、重いという構造上の欠点がある。
本発明の課題は、上述の従来の金属線条体用リールにおける上記のような不都合乃至課題を解決して、軽量かつ安価でありながら、十分な強度と反復使用性を有する極細金属線捲回用リールを実現するためのリール補強部材と、そのようなリ−ル補強部材を取り付けられた金属線条体捲回リールとを提供することである。
本発明は、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、同補強部材を、上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部と、同主体部の両端部に一体的に形成され上記リールのフランジとほぼ同一の外径を有しかつ同フランジに溶接される一対のフランジ部とで形成するとともに、上記溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記リールへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するよう作用する構成にして課題解決の手段としている。
また、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、同補強部材を、上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部と同主体部の両端部に一体的に形成された一対のフランジ状突起部と、上記リールのフランジとほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部を上記各フランジ状突起部の外周縁部にそれぞれ溶接されかつ上記フランジに溶接される一対のフランジ当て板とで形成するとともに、上記各フランジ当て板の上記フランジに対する溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記リールへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するよう作用する構成にして課題解決の手段としている。
さらに、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、同補強部材を、上記捲胴部の金属線条体巻き面を被覆可能な円筒状の主体部と、同主体部の両端部に溶接された断面L型形状の一対のコーナー当て板と、上記リールのフランジとほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部に上記各コーナー当て板の垂直部外周縁部をそれぞれ溶接されかつ上記フランジに溶接される一対のフランジ当て板とで形成するとともに、上記主体部と同主体部の両端部に溶接された上記コーナー当て板の各水平部とで上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆させ、上記各フランジ当て板の上記フランジに対する溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記フランジへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するように作用する構成にして課題を解決するための手段としている。
上述の通り、本発明のリールでは、補強部材のフランジ部あるいはフランジ当板をリールフランジに溶接したことにより、溶接時に発生した溶接歪みに伴うリールフランジを内方に引っ張る応力がリールのフランジ部分に残留し、この応力により、製作後にもリールフランジは内方に引っ張られた状態に保持される。したがって、本発明のリール補強部材を溶接されたリールは、そのフランジ部分を内方に引っ張る初期応力を具備することとなる。
この初期応力は、側圧によりリールフランジが互いに離反する方向に押し拡げられるのを阻止する方向に作用するので、リールに金属線条体を巻付けた場合に、リールフランジにかかる圧力(側圧)により、リールの両フランジを互いに離反する方向に押し広げる変形を抑圧することが可能となる。さらに、リールのフランジ部分が、リールのフランジと補強部材のフランジ部あるいはフランジ当板との2層構造となるので、リールのフランジ部分の剛性が大きくなる。
リールの捲胴部が、リール本体の捲き面と補強部材の円筒状の胴当板との二層構造となっているため、リール捲き胴部の剛性が大きくなる。さらに、補強部材の主体部を、リール本体の巻き面との間に隙間をあけて配設する構成を採用した場合には、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により補強部材の主体部が自由に弾性変形して、捲胴部に作用する大きな締め付け力の大部分を補強部材の主体部が吸収するので、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部に作用する大きな締め付け力により、リール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを防止することができ、リールの耐久性の向上が可能となるという効果を期待できる。
次に、図面とともに本発明の最良の実施形態について説明する。図1は本発明の第一実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体をリールとともに示す断面図、図2は同第二実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体をリールとともに示す断面図、図3は同側面図、図4は要部の断面図、図5は同第三実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体をリールとともに示す断面図、図6は同要部の断面図、図7は同斜視図である。
図1において、符号10は金属線条体用リールを示しており、この金属線条体用リール10は円筒状の捲胴部1とこの捲胴部1の左右両側に一体的に設けられ(溶接され)たフランジ2、2とで構成されている。
符号5はリール補強部材20(以下、単に「補強部材20」ということもある)を構成する主体部を示しており、この主体部5は捲胴部1の巻き面1aのほぼ全周面を被覆可能な円筒体で構成されている。主体部5の両端部にリール10のフランジ2とほぼ同一の外径を有する一対のフランジ部6が、例えば溶接により、一体的に形成されていて、主体部5と一対のフランジ部6とでリール補強部材20を構成している。図1に示した例では、主体部5は巻き面1aとの間に隙間aをあけて配設されている。補強部材20は、肉厚の円筒材を削り出し加工して、主体部5と一対のフランジ部6との一体構造体に形成するようにしてもよい。
リール10の製作段階(捲胴部1にフランジ2が取り付けられる前の段階)では、主体部5を捲胴部1の横側(あるいは上側)から嵌合してから、主体部5の左右両端部にフランジ部6を溶接することにより、補強部材20を簡単に装着することができる。
既存のリールに装着する場合には、主体部5を半円形状の一対の半割り体5A、5B(図6、7参照)に形成し、これらをそれぞれ捲胴部1の左右両側から(あるいは上下側から)嵌合した後、それらの対向面を溶接することにより、装着することができる。図6、7の符号15は半割り体5A、5Bの溶接線を示している。このようにして、主体部5を捲胴部1に装着する。その後、フランジ部6も予め半割り形状にしておいて主体部5と同様の手段で主体部5の両端部に溶接することにより、補強部材20を既存リールに取り付けることができる。図7の符号3a、4aは溶接線を示している。以下に述べる第二、第三実施形態においても同様である。
またこれと反対の工程により、補強部材20を簡単に取り外すこともできるので、補強部材20の取り替えが可能となり、リールを半永久的に使用することが可能となる。
このようにしてリール10に補強部材20を配設した後、補強部材20のフランジ部6とリールフランジ2とを溶接41して、両部材が一体化した構造体に形成される。この溶接は、溶接時に発生した溶接歪みに伴うリールのフランジを内方に引っ張る応力が製作後までリールに残留する溶接であることが必要で、その例としては、後述するように、図3、図4に示すようなフランジ2の比較的内径側の所定半径上における複数箇所でのスポット溶接51だけのケースや比較的内径側の所定半径上における複数箇所でのスポット溶接51と比較的外径側の所定半径上における複数箇所のスポット溶接61とを組み合わせたケースが適当である。後者の場合、両溶接の相互位置関係については、後述の第二および第三実施形態に於ける記述を援用する。
補強部材20のフランジ部6をリールのフランジ2に溶接することにより、補強部材20のフランジ部6に、溶接時に発生した溶接歪みに伴うフランジ2を内方に引っ張る応力が残留する。そしてこの応力により、製作後にもリール10のフランジ2は内方に引っ張られた状態に保持されることになる。つまり、この実施形態のリール10はフランジ2を内方に引っ張る初期応力を具備することとなる。
この初期応力は、側圧によりリール10のフランジ2が互いに離反する方向に押し拡げられるのを阻止する方向に作用する。この作用により、リール10に金属線条体を巻付けた場合に、リール10のフランジ2にかかる圧力(側圧)によりリール10のフランジ2、2を互いに離反する方向に押し広げる変形を抑圧する効果が奏される。この効果が、この補強部材20の有する最大の効果である。
また、リール10はそのフランジ部分が、リールのフランジ2と補強部材のフランジ部6との2層構造となるので、リールのフランジ部分の剛性が大きくなり、さらに、捲胴部1が、リールの捲き面1aと円筒状の主体部5との二層構造となっているので、リール10のフランジ部分や捲胴部の剛性が大きくなるという効果も有する。さらに、この実施形態の場合、補強部材20の主体部6を、リール10の巻き面1aとの間に隙間aをあけて配設した構成となっているので、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により補強部材20の主体部5が自由に弾性変形して、捲胴部に作用する大きな締め付け力の大部分を補強部材の主体部5が吸収するよう作用し、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部に作用する大きな締め付け力により、リール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを防止することができ、リールの耐久性の向上が可能となる、などの付随的効果を有する。
この実施形態では、補強部材20の主体部6をリール10の巻き面1aとの間に隙間aをあけて配設した構成となっているが、補強部材20の主体部6をリール10の巻き面1aに密着配設した構成ても、リール10の捲胴部の剛性を大きくする効果は得られる。
次に、図2乃至4に示した第二実施形態について説明する。
この実施形態では、補強部材20が、捲胴部1の金属線条体捲き面1aのほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部5(主体部5は捲き面1aに対して隙間aをあけて配設されてもよく、また密着状態で配設されてもよい。次に述べる第三実施形態においても同様)とこの主体部5の両端部に一体的に形成された一対のフランジ状突起部5aと、リール10のフランジ2とほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部を各フランジ状突起部5aの外周縁部にそれぞれ溶接されかつフランジ2に溶接51される一対のフランジ当て板7とで構成され、各フランジ当て板7の各フランジ2に対する溶接により発生した溶接歪みに伴うフランジ2、2を内方に引っ張る残留応力が、リール10への線材の捲回時に発生する側圧に対抗するように作用するよう構成されている。図2、3に示す第二実施形態では、各フランジ当て板7のフランジ2、2に対する溶接は、各フランジ状突起部5aと各フランジ当て板7との溶接部51で行われているが、このほか、各フランジ2の外周縁寄りの所で更なる溶接61を行ってもよい。この場合、図4に示すように、フランジ当て板7の実質部分の半径xと各フランジ状突起部5aの外周縁半径(フランジ当て板7とフランジ状突起部5aとの溶接部51の主体部5の巻き面からの距離、フランジ状突起部5aの立ち上がり寸法)yとの比率は、6対4乃至8対2、すなわちx:y=6:4〜8:2が適当である。つまりxとyとの比率が6対4乃至8対2の場合、本発明の目的を達成することが可能(許容範囲)であり、特にx:y=7:3がベストであることが実験の結果判明した。これは、フランジ状突起部5aの立ち上がり寸法yの長さが上記の許容範囲を外れるとコーナー補強体としての効果が小さくなり、またxの比率が6以上となると側圧吸収効果が激減するためであると考えられる。
この第二実施形態のものでも、上述の第一実施形態のものと同じ作用効果を得ることができることは、いうまでもない。
さらに、図5乃至7に示す第三実施形態について説明する。
この実施形態の補強部材は、リール10の捲胴部1の巻き面1aの、後述のコーナー当て板3〔このコーナー当て板3は、主体部5の両端部の、リールの捲胴部1とフランジ2との連接角部、すなわち捲胴部1とフランジ2との接合箇所(図10で矢Aで示した箇所)に対応する箇所に配設され、断面L字型で全体形状を環状に形成されている〕の水平部(「水平部」とは主体部5の軸線と平行な部分向をいう)3aを除いた表面を被覆可能な円筒状の主体部5と、主体部5の両端部にその水平部の各内端部を溶接31された断面L型形状の一対のコーナー当て板3と、リール10のフランジ2とほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部に各コーナー当て板3、3の垂直部(「垂直部」とは主体部5の軸線に対して垂直な部分をいう)3bの外径周縁部をそれぞれ溶接32されかつフランジ2の内面へ溶接41される一対のフランジ当て板4とで形成されている。各フランジ当板4の各フランジ2の内面への溶接については特に限定しないが、図5〜7にはスポット溶接により溶接した例が示されている。
この実施形態のリールにおいても、溶接41は、各フランジ当て板4をフランジ2に溶接することにより、溶接時に発生した溶接歪みに伴うリールフランジを内方に引っ張る応力をリール10に残留させることが出来る溶接である。そしてこの応力により、製作後においてもリール10のフランジ2は内方に引っ張られた状態に保持されることになる。つまり、この第三実施形態のリール10はフランジ2を内方に引っ張る初期応力を具備することとなる。
この初期応力は、側圧によりリール10のフランジ2が互いに離反する方向に押し拡げられるのを阻止する方向に作用する。この作用により、リール10に金属線条体を巻付けた場合に、リール10のフランジ2にかかる圧力(側圧)によりリール10のフランジ2、2を互いに離反する方向に押し広げる変形を抑圧する効果が奏される。この効果が、この補強部材20の有する最大の効果である。このほかに、上記の図1に示す第一実施形態のものと同様の付随的効果をも有する。
補強部材20とフランジ2との溶接は、上記の符号41で示す溶接のほか、コーナー当て板3、3の外周縁部とフランジ当て板4、4との溶接(部)32での更なる溶接を行ってもよい。 この場合、フランジ当て板4の実質部分の半径xとコーナー当て板3の立ち上がり寸法(垂直部の寸法)yとの比率は7:3(すなわちx:y=7:3)がベストであることが実験に結果判明した。これは、コーナー当て板3の立ち上がり寸法yが上記の長さを超えるコーナー補強体としての効果が小さくなり、またxの比率が6以上となると側圧吸収効果が激減するためであると考えられる。
コーナー当板3の屈曲部Bは、その内面を円弧状に形成しておく(いわゆる「R」を付ける)ことが、応力集中を避けることができるので、望ましい。第二実施形態のフランジ状突起部5aの屈曲部についても同様である。
コーナー当板3、フランジ当板4および主体部5のリールへの取り付けについては、図1の第一実施形態の場合と同様である。
なお、コーナー当板3およびフランジ当板4の取り付けは、1、フランジ当板4のフランジ内面への固着、2、コーナー当板3の水平端縁部の主体部5の外縁部への溶接31、3、コーナー当板3の垂直端縁部のフランジ当板4の内側周縁部への溶接32、の順に行うのが、作業効率上望ましい。
この第三実施形態のものでは、上述の効果のほか、捲胴部1とフランジ2との継ぎ目に設けられたコーナー当板3が、コーナー当板3に作用する側圧に対抗するとともに、その弾性が、コーナー当板3の屈曲部Bを中心としたフランジ2の復元性に大きく貢献し、この個所での破損の発生を防止するよう作用して、リールの耐久性を向上する。
このように、フランジ部分を2層構造にした構成、捲胴部1とフランジ2との継ぎ目にコーナー当板3を設ける構成、およびコーナー当板3の垂直部の端縁部をフランジ当板4の内側周縁部に溶接した構成により、さらにリール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを防止する機能を有する円筒状の主体部5を設ける構成、の相互作用により、この第三実施形態のものでは、リールに金属線条体を巻付けた場合のリールの変形乃至破損、特にフランジの内側への変形の抑制および解巻後の復元性の向上をはかることが可能となり、リールの耐久性の向上が可能となる。
本発明の第一実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体をリールとともに示す断面図。 同第二実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体リールとともに示す断面図。 同模試側面図。 同要部の断面図。 同第三実施形態としての金属線条体捲回リール用補強体リールとともに示す断面図。 同要部の断面図。 同斜視図。 従来の側圧対策を施した金属線条体用リールの部分断面図。 従来の高強度リールの断面図。 一般的なスリム型リールの側面図。 一般的な胴長リールの側面図。
符号の説明
1:捲胴部
1a:捲胴部の巻き面
2:フランジ
3:コーナー当板
3a:コーナー当板の水平部
3b:コーナー当板の垂直部
4:フランジ当板
5:主体部
5a:フランジ状突起部
6:フランジ部
7:フランジ当板
31、32、41:51:61:溶接(部)
A:コーナー当板の屈曲部
B:捲胴部とフランジとの連接角部
a:巻き面1aと主体部5との間の隙間

Claims (4)

  1. 円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、
    同補強部材が、上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部と、同主体部の両端部に一体的に形成され上記リールのフランジとほぼ同一の外径を有しかつ同フランジに溶接される一対のフランジ部とをそなえ、上記溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記リールへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するように作用するよう構成されたことを特徴とする金属線条体捲回リール用補強部材。
  2. 円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、
    同補強部材が、上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能な円筒状の主体部と同主体部の両端部に一体的に形成された一対のフランジ状突起部と、上記リールのフランジとほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部を上記各フランジ状突起部の外周縁部にそれぞれ溶接されかつ上記フランジに溶接される一対のフランジ当て板とをそなえ、上記各フランジ当て板の上記フランジに対する溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記リールへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するように作用するよう構成されたことを特徴とする金属線条体捲回リール用補強部材。
  3. 円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両端部に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体捲回リール用の補強部材であって、
    同補強部材が、上記捲胴部の金属線条体巻き面を被覆可能な円筒状の主体部と、同主体部の両端部に溶接された断面L型形状の一対のコーナー当て板と、上記リールのフランジとほぼ同一の外径のドーナツ状の平面形状を有しその内側周縁部に上記各コーナー当て板の垂直部外周縁部をそれぞれ溶接されかつ上記フランジに溶接される一対のフランジ当て板とをそなえるとともに、上記主体部と同主体部の両端部に溶接された上記コーナー当て板の各水平部とで上記捲胴部の金属線条体巻き面のほぼ全面を被覆可能に形成され、上記各フランジ当て板の上記フランジに対する溶接により発生した溶接歪みに伴う上記フランジを内方に引っ張る残留応力が、上記フランジへの線材の捲回時に発生する側圧に対抗するように作用するよう構成されたことを特徴とする金属線条体捲回リール用補強部材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金属線条体捲回リール用補強部材を取り付けられたことを特徴とする金属線条体捲回リール。

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JP2007230688A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kanai Hiroaki 金属線条体用リール

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