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JP2005184724A - フィルタ素子 - Google Patents

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JP2005184724A
JP2005184724A JP2003426227A JP2003426227A JP2005184724A JP 2005184724 A JP2005184724 A JP 2005184724A JP 2003426227 A JP2003426227 A JP 2003426227A JP 2003426227 A JP2003426227 A JP 2003426227A JP 2005184724 A JP2005184724 A JP 2005184724A
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Fukuharu Cho
福春 張
Koichi Yanagisawa
浩一 柳沢
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Hioki EE Corp
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Hioki EE Corp
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Abstract

【課題】大型化を回避しつつインダクタンスを増加させる。
【解決手段】帯状絶縁体7bに並設された信号用帯状導電体9a,9bおよび信号用帯状導電体9a,9bに対向して配設された接地用帯状導電体8a,8bを巻回して形成されたコイル部5Dと、信号用帯状導電体9a,9bに接続されて外部に引き出された入力端子2aおよび引出線11と、信号用帯状導電体9aに接続されて外部に引き出された出力端子3aと、信号用帯状導電体9bに接続されて外部に引き出された引出線12と、接地用帯状導電体8aに接続されて外部に引き出された引出線15と、接地用帯状導電体8bに接続されて外部に引き出された引出線16と、接地用帯状導電体8bに接続されて外部に引き出された接地用端子4aとを備え、引出線11,12および引出線15,16が接続されている。
【選択図】図12

Description

本発明は、帯状絶縁体に帯状導電体を重ねた状態で巻回して構成されたフィルタ素子に関するものである。
この種のフィルタ素子として、特許第2826320号公報において開示されたフィルタ素子が知られている。このフィルタ素子は、複数枚の帯状導電体(通電用および接地用の帯状導電体)を、高誘電率の誘電体シートを介して、磁性または非磁性巻枠あるいは空心に巻き回して形成されて、3端子型ノイズフィルタ(ノーマルモード型ノイズフィルタ)として機能する。このフィルタ素子では、通電用の帯状導電体の巻始め部と巻き終わり部に接続された一対のリード間にインダクタンスが形成され、しかも通電用の帯状導電体の全長に亘り、接地用の帯状導電体との間にキャパシタンスが分布定数的に形成される。また、このフィルタ素子では、一対のリードと接地用のリードとが、特定の位置に配設されている。したがって、このフィルタ素子では、広周波帯域に亘って優れた減衰特性を実現することが可能となっている。
特許第2826320号公報(第3−4頁)
ところで、この種のフィルタ素子においては、通電用の帯状導電体のインダクタンスを増加させることで、その減衰特性を向上させ得ることが知られている。また、通電用の帯状導電体のインダクタンスを増加させるためには、帯状導電体の巻回数を増加させる方法と、高透磁率の材料で形成された磁性巻枠(磁心)を使用する方法とがあり、後者の方法では、磁性材料の透磁率に上限があるために、設定できるインダクタンスにも上限があることから、前者の方法がより好ましいことも知られている。しかしながら、上述した従来のフィルタ素子では、通電用の帯状導電体の巻回数を増加させるためには、この帯状導電体の長さを増加させる必要があり、これに伴い直径が大きくなって大型化するという解決すべき課題がある。
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、大型化を回避しつつインダクタンスを増加し得るフィルタ素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフィルタ素子は、帯状絶縁体の一方の面側において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn(nは2以上の自然数)本の信号用帯状導電体、および前記帯状絶縁体の他方の面側において前記各信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の接地用帯状導電体を当該帯状絶縁体を挟んで巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部と、前記各信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の入力端子および(n−1)本の第1の引出線と、前記第1の引出線が接続された前記各信号用帯状導電体のうちの一つの信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の出力端子と、前記各信号用帯状導電体のうちの前記出力端子が接続された信号用帯状導電体を除く他のすべての信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第2の引出線と、前記各接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第3の引出線と、前記各接地用帯状導電体のうちの前記第3の引出線が接続された一つの接地用帯状導電体を除く他のすべての接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第4の引出線と、前記各接地用帯状導電体のうちの少なくとも一つに接続されて前記コイル部の外部に引き出された接地用端子とを備え、前記第1の引出線および前記第2の引出線が一対一で接続され、前記第3の引出線および前記第4の引出線が一対一で接続されている。ここで、本明細書における「帯状導電体」とは、厚みの薄いシート状の導電体に限らず、ある程度の厚みのある導電体、例えば、断面形状が丸形、楕円、四角形、または台形に形成された可撓性を有する板状の導電体をも含むことを意味する。
また、請求項2記載のフィルタ素子は、請求項1記載のフィルタ素子において、前記各信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続されている。
また、請求項3記載のフィルタ素子は、請求項1または2記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部の外周側部位から引き出され、前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記出力端子の引出し部位を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている。
また、請求項4記載のフィルタ素子は、請求項1または2記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記接地用端子の引出し部位を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている。
また、請求項5記載のフィルタ素子は、請求項1または2記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の外周側部位から引き出され、前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている。
また、請求項6記載のフィルタ素子は、請求項1または2記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている。
また、請求項7記載のフィルタ素子は、帯状絶縁体の一方の面側における幅方向に沿った一方の半領域において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn(nは2以上の自然数)本の第1の信号用帯状導電体、および当該帯状絶縁体の前記一方の面側における幅方向に沿った他方の半領域において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn本の第2の信号用帯状導電体と、当該帯状絶縁体の他方の面側における前記一方の半領域に対応する半領域において前記各第1の信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の第1の接地用帯状導電体、および当該帯状絶縁体の他方の面側における幅方向に沿った前記他方の半領域に対応する半領域において前記各第2の信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の第2の接地用帯状導電体とを、当該帯状絶縁体を挟んで巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部と、前記各第1の信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第1の入力端子および(n−1)本の第1の引出線と、前記第1の引出線が接続された前記各第1の信号用帯状導電体のうちの一つの第1の信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第1の出力端子と、前記各第1の信号用帯状導電体のうちの前記第1の出力端子が接続された第1の信号用帯状導電体を除く他のすべての第1の信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第2の引出線と、前記各第2の信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第2の入力端子および(n−1)本の第3の引出線と、前記第3の引出線が接続された前記各第2の信号用帯状導電体のうちの一つの第2の信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第2の出力端子と、前記各第2の信号用帯状導電体のうちの前記第2の出力端子が接続された第2の信号用帯状導電体を除く他のすべての第2の信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第4の引出線と、前記各第1の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第1の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第5の引出線と、前記各第1の接地用帯状導電体のうちの前記第5の引出線が接続された一つの第1の接地用帯状導電体を除く他のすべての第1の接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第6の引出線と、前記各第2の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第2の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第7の引出線と、前記各第2の接地用帯状導電体のうちの前記第7の引出線が接続された一つの第2の接地用帯状導電体を除く他のすべての第2の接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第8の引出線と、前記各第1の接地用帯状導電体および前記各第2の接地用帯状導電体を接地するため前記コイル部の外部に引き出された接地用端子とを備え、前記第1の引出線および前記第2の引出線が一対一で接続され、前記第3の引出線および前記第4の引出線が一対一で接続され、前記第5の引出線および前記第6の引出線が一対一で接続され、前記第7の引出線および前記第8の引出線が一対一で接続されている。
また、請求項8記載のフィルタ素子は、請求項7記載のフィルタ素子において、前記各第1の信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第2の信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第1の接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第2の接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続されている。
また、請求項9記載のフィルタ素子は、請求項7または8記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部の外周側部位から引き出され、前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記各出力端子の引出し部位を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている。
また、請求項10記載のフィルタ素子は、請求項7または8記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記接地用端子の引出し部位を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている。
また、請求項11記載のフィルタ素子は、請求項7または8記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の外周側部位から引き出され、前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている。
また、請求項12記載のフィルタ素子は、請求項7または8記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の内周側部位から引き出され、前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている。
請求項1記載のフィルタ素子によれば、帯状絶縁体の一方の面側において帯状絶縁体の幅方向で互いに離間してn本の信号用帯状導電体を並設し、各信号用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第1の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第2の引出線とを一対一で接続したことにより、帯状絶縁体および各信号用帯状導電体の巻回数を従来と同一に規定した状態において、信号用帯状導電体全体の巻回数を実質的にn倍に増加させることができるため、信号用帯状導電体のインダクタンスを(n×n)倍に増加させることができる。また、帯状絶縁体の他方の面側において各信号用帯状導電体に対向するようにn本の接地用帯状導電体を並設し、各接地用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第3の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第4の引出線とを一対一で接続したことにより、対向する信号用帯状導電体と接地用帯状導電体とを良好な状態で容量的に結合させることができる。したがって、大径化(つまり大型化)を回避しつつ、優れたノイズ減衰特性を有するノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項2記載のフィルタ素子によれば、各信号用帯状導電体および各接地用帯状導電体をそれぞれ接続する際に、隣接するもの同士を接続したことにより、隣接する信号用帯状導電体間の電位差を最小にすることができるため、隣接する信号用帯状導電体同士を極限まで接近させることができる。したがって、各信号用帯状導電体の全体としての幅と、各接地用帯状導電体の全体としての幅を小さくすることができる結果、より幅狭のノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項3記載のフィルタ素子によれば、信号用帯状導電体に対して接地用帯状導電体が外側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部の空隙に柱状コアを装着するか、またはコイル部にポットコアを装着し、入力端子、出力端子および接地用端子の各引出し部位を規定したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保することができ、この結果、一層優れた減衰特性を有するノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項4記載のフィルタ素子によれば、信号用帯状導電体に対して接地用帯状導電体が内側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部の空隙に柱状コアを装着するか、またはコイル部にポットコアを装着し、入力端子、出力端子および接地用端子の各引出し部位を規定したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保することができ、この結果、一層優れた減衰特性を有するノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項5記載のフィルタ素子によれば、信号用帯状導電体に対して接地用帯状導電体が外側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部にEI型コアまたはEE型コアを装着したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保しつつ、制限された一定の範囲内において入力端子、出力端子および接地用端子の各引出し部位の配置に自由度を持たせたノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項6記載のフィルタ素子によれば、信号用帯状導電体に対して接地用帯状導電体が内側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部にEI型コアまたはEE型コアを装着したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保しつつ、制限された一定の範囲内において入力端子、出力端子および接地用端子の各引出し部位の配置に自由度を持たせたノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
請求項7記載のフィルタ素子によれば、帯状絶縁体の一方の面側における幅方向に沿った一方の半領域においてn本の第1の信号用帯状導電体を並設し、帯状絶縁体の一方の面側における幅方向に沿った他方の半領域においてn本の第2の信号用帯状導電体を並設し、帯状絶縁体の他方の面側に、各第1の信号用帯状導電体に対向するようにn本の第1の接地用帯状導電体をそれぞれ配設すると共に各第2の信号用帯状導電体に対向するようにn本の第2の接地用帯状導電体をそれぞれ配設し、かつ各第1の信号用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第1の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第2の引出線とを一対一で接続すると共に各第2の信号用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第3の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第4の引出線とを一対一で接続したことにより、帯状絶縁体および各信号用帯状導電体の巻回数を従来と同一に規定した状態において、第1および第2の信号用帯状導電体全体の巻回数をそれぞれ実質的にn倍に増加させることができるため、これらの信号用帯状導電体のインダクタンスを(n×n)倍にそれぞれ増加させることができる。また、帯状絶縁体の他方の面側において各第1の信号用帯状導電体に対向するようにn本の第1の接地用帯状導電体を並設すると共に、各第2の信号用帯状導電体に対向するようにn本の第2の接地用帯状導電体を並設し、各第1の接地用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第5の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第6の引出線とを一対一で接続すると共に、各第2の接地用帯状導電体の一端側に接続した(n−1)本の第7の引出線と他端側に接続した(n−1)本の第8の引出線とを一対一で接続したことにより、対向する第1の信号用帯状導電体と第1の接地用帯状導電体とを、また対向する第2の信号用帯状導電体と第2の接地用帯状導電体とを良好な状態でそれぞれ容量的に結合させることができる。したがって、大径化(つまり大型化)を回避しつつ、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項8記載のフィルタ素子によれば、各第1の信号用帯状導電体、各第2の信号用帯状導電体、各第1の接地用帯状導電体および各第2の接地用帯状導電体をそれぞれ接続する際に、隣接するもの同士を接続したことにより、隣接する第1の信号用帯状導電体間および隣接する第2の信号用帯状導電体間の電位差を最小にすることができるため、隣接する第1の信号用帯状導電体同士および隣接する第2の信号用帯状導電体同士をそれぞれ極限まで接近させることができる。したがって、第1および第2の各信号用帯状導電体の全体としての幅と、各接地用帯状導電体の全体としての幅を狭くすることができる結果、より幅狭のコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項9記載のフィルタ素子によれば、第1および第2の信号用帯状導電体に対して第1および第2の接地用帯状導電体が外側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部の空隙に柱状コアを装着するか、またはコイル部にポットコアを装着し、第1および第2の入力端子と、第1および第2の出力端子と、接地用端子との各引出し部位の配置を規定したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保することができ、この結果、一層優れた減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項10記載のフィルタ素子によれば、第1および第2の信号用帯状導電体に対して第1および第2の接地用帯状導電体が内側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部の空隙に柱状コアを装着するか、またはコイル部にポットコアを装着し、第1および第2の入力端子と、第1および第2の出力端子と、接地用端子との各引出し部位の配置を規定したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保することができ、この結果、一層優れた減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項11記載のフィルタ素子によれば、第1および第2の信号用帯状導電体に対して第1および第2の接地用帯状導電体が外側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部にEI型コアまたはEE型コアを装着したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保しつつ、制限された一定の範囲内において第1および第2の入力端子、第1および第2の出力端子および接地用端子の各引出し部位の配置に自由度を持たせたコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項12記載のフィルタ素子によれば、第1および第2の信号用帯状導電体に対して第1および第2の接地用帯状導電体が内側になるように巻回してコイル部を形成し、このコイル部にEI型コアまたはEE型コアを装着したことにより、所定の周波数帯域において大きな減衰量を確保しつつ、制限された一定の範囲内において第1および第2の入力端子、第1および第2の出力端子および接地用端子の各引出し部位の配置に自由度を持たせたコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフィルタ素子について説明する。
最初に、フィルタ素子1について、図面を参照して説明する。
フィルタ素子1は、図1に示すように、複数本(一例として2本)の入力端子(本発明における第1の入力端子)2aおよび入力端子(本発明における第2の入力端子)2b(以下、特に区別しないときは「入力端子2」ともいう)、入力端子2と同数(2本)の出力端子(本発明における第1の出力端子)3aおよび出力端子(本発明における第2の出力端子)3b(以下、特に区別しないときは「出力端子3」ともいう)、入力端子2と同数(2本)の接地用端子(本発明における第1の接地用端子)4aおよび接地用端子(本発明における第2の接地用端子)4b(以下、特に区別しないときは「接地用端子4」ともいう)、コイル部5、柱状(一例として円柱状)の磁性体(磁性コア)6、第1〜第8の引出線11〜18、および第1〜第4の配線19〜22を備え、分布定数型の5端子型ノイズフィルタ(低域通過型のコモンモードフィルタ)に構成されている。
コイル部5は、図3,4に示すように、例えば、同じ幅に形成された2つの帯状絶縁体7a,7b(以下、特に区別しないときは「帯状絶縁体7」ともいう)、2×n(nは2以上の自然数で、本例では一例としてn=2)本の接地用帯状導電体8a,8b,8c,8d(以下、特に区別しないときは「接地用帯状導電体8」ともいう)、および接地用帯状導電体8と同数(4本)の信号用帯状導電体9a,9b,9c,9d(以下、特に区別しないときは「信号用帯状導電体9」ともいう)を備えて構成されている。
各帯状絶縁体7は、誘電性および電気的絶縁性を有する材料で構成されている。また、各接地用帯状導電体8は、例えば、図4に示すように、同じ幅、同じ長さに設定されると共に、帯状絶縁体7aの上において、帯状絶縁体7aにおける幅方向で互いに離間して、かつ平行にこの順序で並設されている。具体的には、各接地用帯状導電体(本発明における第1の接地用帯状導電体)8a,8bは、帯状絶縁体7aの幅方向に沿った一方の半領域B1に、また各接地用帯状導電体(本発明における第2の接地用帯状導電体)8c,8dは、帯状絶縁体7aの幅方向に沿った他方の半領域B2にそれぞれ並設されている。帯状絶縁体7bは、各接地用帯状導電体8を帯状絶縁体7aとの間で挟み込むようにして帯状絶縁体7aの上に重ねられている。各信号用帯状導電体9は、例えば、同じ幅、同じ長さに設定されると共に、帯状絶縁体7bの上において、帯状絶縁体7bにおける幅方向で互いに離間して、かつ平行にこの順序で並設されている。具体的に、各信号用帯状導電体(本発明における第1の信号用帯状導電体)9a,9bは、帯状絶縁体7bの幅方向に沿った一方の半領域A1に、また各信号用帯状導電体(本発明における第2の信号用帯状導電体)9c,9dは、帯状絶縁体7bの幅方向に沿った他方の半領域A2にそれぞれ並設されている。この場合、各信号用帯状導電体9a〜9dは、一例としてその幅が各接地用帯状導電体8と同等に形成されると共に、対応する接地用帯状導電体8a〜8dとそれぞれ対向するようにして配設されている。以上の構成により、帯状絶縁体7a上に、各接地用帯状導電体8、帯状絶縁体7bおよび各信号用帯状導電体9がこの順序で重ねられている(積層されている)。したがって、この積層状態では、帯状絶縁体7bを基準としたときに、その一方の面(図4における上面)側には、各信号用帯状導電体9が配設され、他方の面(同図における下面)側には、各接地用帯状導電体8が配設された構成になっている。
また、図4に示すように、第1の信号用帯状導電体としての信号用帯状導電体9bの一端側には、入力端子2aが接続され、他の第1の信号用帯状導電体としての信号用帯状導電体9aには、第1の引出線11が接続されている。本例では、n=2であるため、他の第1の信号用帯状導電体の本数(n−1)は1本となり、同様にして第1の引出線11の本数(n−1)も1本となる。また、第1の引出線11が接続された第1の信号用帯状導電体としての一つ(信号用帯状導電体9a)の他端側には出力端子3aが接続されている。また、出力端子3aが接続された信号用帯状導電体9aを除く他のすべての第1の信号用帯状導電体(本例では信号用帯状導電体9b)の他端側には第2の引出線12が接続されている。第2の信号用帯状導電体としての信号用帯状導電体9cの一端側には、入力端子2bが接続され、他の第2の信号用帯状導電体としての信号用帯状導電体9dには、第3の引出線13が接続されている。本例では、他の第2の信号用帯状導電体の本数(n−1)は1本となり、同様にして第3の引出線13の本数(n−1)も1本となる。また、第3の引出線13が接続された第2の信号用帯状導電体としての信号用帯状導電体9dの他端側には出力端子3bが接続されている。また、出力端子3bが接続された信号用帯状導電体9dを除く他のすべての第2の信号用帯状導電体(信号用帯状導電体9c)の他端側には第4の引出線14が接続されている。第1の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第1の接地用帯状導電体(本例では接地用帯状導電体8aの1本)の一端側には、第5の引出線15が接続され、各第1の接地用帯状導電体のうちの第5の引出線が接続された一つの第1の接地用帯状導電体を除く他のすべての第1の接地用帯状導電体(本例では接地用帯状導電体8bの1本)の他端側には第6の引出線16が接続されている。同様にして、第2の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第2の接地用帯状導電体(本例では接地用帯状導電体8dの1本)の一端側には、第7の引出線17が接続され、各第2の接地用帯状導電体のうちの第7の引出線が接続された一つの第2の接地用帯状導電体を除く他のすべての第2の接地用帯状導電体(本例では接地用帯状導電体8cの1本)の他端側には第8の引出線18が接続されている。また、一例として、各接地用帯状導電体8b,8cの一端側には、接地用端子4a,4bがそれぞれ接続されている。
コイル部5は、このように互いに重ねられた各帯状絶縁体7、各接地用帯状導電体8、および各信号用帯状導電体9を、各導電体8,9の他端側を巻き始めとして、かつ各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が外側となるようにm回、巻回することにより、全体として、図1に示すように、筒状(中心部に空隙Hが形成された円筒状)に形成されている。磁性コア6は、この空隙H内に装着されて、コイル部5の中心部に配設されている。
この場合、第1の引出線11、入力端子2a、入力端子2bおよび第3の引出線13がそれぞれ接続された各信号用帯状導電体9a,9b,9c,9dの一端側(最外周部、本発明における外周部)は、コイル部5の外周側に位置して、各引出線11,13および各入力端子2は、図1に示すように、コイル部5の一方の端面(同図中の上端面)における外周側部位(図2中の引出し部位A)からそれぞれ引き出されている。一方、出力端子3a、第2の引出線12、第4の引出線14および出力端子3bがそれぞれ接続された各信号用帯状導電体9a,9b,9c,9dの他端側(最内周部、本発明における内周部)は、コイル部5の中心側に位置して、各引出線12,14および各出力端子3は、図1に示すように、コイル部5の一方の端面における中心(内周)側部位(図2中の引出し部位B)からそれぞれ引き出されている。ここで、各出力端子3等の引出し部位Bは、図2に示すように、コイル部5の中心軸Oと各入力端子2の引出し部位Aとを含む仮想平面L(以下、「平面L」ともいう)上であって、中心軸O(空隙H、言い換えれば磁性コア6)を挟んで引出し部位Aとは反対側に設定されている。また、第5の引出線15、各接地用端子4a,4bおよび第7の引出線17がそれぞれ接続された各接地用帯状導電体8a,8b,8c,8dにおける一端側(最外周部、本発明における外周部)はコイル部5の外周側に位置して、各引出線15,17および各接地用端子4は、図1に示すように、コイル部5の一方の端面における外周側部位(図2中の引出し部位C)から引き出されている。具体的には、各接地用端子4等の引出し部位Cは、図2に示すように、平面L上であって、引出し部位Bを挟んで引出し部位Aとは反対側の位置に設定されている。ここで、本発明における入力端子2等の「引出し部位」とは、入力端子2等がコイル部5から突出するコイル部5の表面における部位をいう。一方、各接地用帯状導電体8a,8dの他端側と、第6の引出線16および第8の引出線18がそれぞれ接続された各接地用帯状導電体8b,8cの他端側(最内周部、本発明における内周部)とはコイル部5の中心側に位置して、各引出線16,18は、図1に示すように、コイル部5の一方の端面における中心(内周)側部位からそれぞれ引き出されている。
また、図1,4に示すように、第1の引出線11および第2の引出線12は第1の配線19によって一対一で、また第3の引出線13および第4の引出線14は第2の配線20によって一対一で、コイル部5の一方の端面においてそれぞれ接続されている。同様にして、第5の引出線15および第6の引出線16は第3の配線21によって一対一で、また第7の引出線17および第8の引出線18は第4の配線22によって一対一で、コイル部5の一方の端面においてそれぞれ接続されている。この構成により、入力端子2aと出力端子3aとの間において、信号用帯状導電体9b,9aが、各引出線12,11および第1の配線19を介して直列に接続された状態になっている。また、入力端子2bと出力端子3bとの間において、信号用帯状導電体9c,9dが、各引出線14,13および第2の配線20を介して直列に接続された状態になっている。また、各接地用帯状導電体8a,8bが、第6の引出線16、第3の配線21および第5の引出線15を介して直列に接続された状態になっている。また、各接地用帯状導電体8c,8dが、第8の引出線18、第4の配線22および第7の引出線17を介して直列に接続された状態になっている。一方、接地用端子4aは、接地用帯状導電体8bの一端側に接続されている。また、接地用端子4bは、接地用帯状導電体8cの一端側に接続されている。
このフィルタ素子1では、各信号用帯状導電体9a,9bが2本の引出線11,12および1本の配線19を介して入力端子2aと出力端子3aとの間において帯状絶縁体7の長手方向に沿って折り返した状態で直列接続されるように構成されて、各信号用帯状導電体9a,9bを流れる電流の向きが同一方向になっている。同様にして、各信号用帯状導電体9c,9dが2本の引出線13,14および1本の配線20を介して入力端子2bと出力端子3bとの間において帯状絶縁体7の長手方向に沿って折り返した状態で直列接続されるように構成されて、各信号用帯状導電体9c,9dを流れる電流の向きが同一方向になっている。したがって、各入力端子2と各出力端子3との間に信号用帯状導電体9を1本ずつ配設した従来構成のフィルタ素子と比較して、直径は同等でありながら(大径化を回避しつつ)、各入力端子2と各出力端子3との間に配設された各信号用帯状導電体9の長さがそれぞれ2倍になり、各信号用帯状導電体9の巻回数がそれぞれ実質的に2倍(2×m)になる。このため、各入力端子2と各出力端子3との間における各信号用帯状導電体9のインダクタンスをそれぞれ4倍に増加させることができる。したがって、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4の引出し部位A,B,Cを上述した位置に規定すると共に、各信号用帯状導電体9と各接地用帯状導電体8とを対向して配設して良好な状態で容量的に結合させたことと相俟って、従来のフィルタ素子と同等の直径でありながら(つまり大径化(つまり大型化)を回避しつつ)、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子1を実現することができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の構成では、各接地用帯状導電体8b,8cの各一端側に接地用端子4a,4bをそれぞれ接続して、各接地用帯状導電体8a,8b,8c,8dを接地するようにしているが、各接地用帯状導電体8b,8cの各一端側をコイル部5内で短絡させることにより、接地用端子4a,4bのうちの一つを省略することもできる。また、例えば、上述したフィルタ素子1では、各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が外側となるように巻回してコイル部5を形成すると共に、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4の引出し部位A,B,Cを図2に示すように規定した例について説明したが、図5に示すフィルタ素子1Aのように、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4のそれぞれの引出し部位A,B,Cを図6に示すように規定して構成することもできる。このフィルタ素子1Aでは、コイル部5Aは、図7に示すように、帯状絶縁体7b、各信号用帯状導電体9、帯状絶縁体7aおよび各接地用帯状導電体8をこの順序で重ねた状態で、これらを、各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が内側となるように同図中の右端側から巻回して構成されている。この場合、各入力端子2は、各信号用帯状導電体9の内周部に接続されると共にコイル部5Aの内周側部位からそれぞれ引き出されている。各接地用端子4は、各接地用帯状導電体8の内周部に接続されると共に空隙Hを挟んで各入力端子2の引出し部位Aとは反対側に位置するコイル部5Aの内周側部位からそれぞれ引き出されている。各出力端子3は、各信号用帯状導電体9の外周部に接続されると共に各接地用端子4の引出し部位Cを挟んで各入力端子2の引出し部位Aとは反対側に位置するコイル部5Aの外周側部位からそれぞれ引き出されている。なお、フィルタ素子1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。このフィルタ素子1Aでも、フィルタ素子1と同様にして、各入力端子2と各出力端子3との間における信号用帯状導電体9のインダクタンスをそれぞれ4倍に増加させることができる。したがって、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4の引出し部位A,B,Cを上述した図6に示す位置に規定すると共に、各信号用帯状導電体9と各接地用帯状導電体8とを対向して配設したことと相俟って、従来のフィルタ素子と同等の直径でありながら、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子1を実現することができる。また、上述した各フィルタ素子1,1Aでは、柱状の磁性コア6に代えて、いわゆるポットコアを用いることもできる。
さらに、上述したフィルタ素子1,1Aとは異なり、柱状の磁性コア6を用いる構成に代えて、図8,9に示すフィルタ素子1B,1Cのように、EI型コアまたはEE型コア(同図では一例としてEI型コア)6Aを用いることもできる。この場合、図8に示すフィルタ素子1Bでは、コイル部5Bが、フィルタ素子1のコイル部5と同等の構成を備え、各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が外側となるように巻回して形成されている。また、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4をフィルタ素子1とは異なる部位から引き出すことができる。具体的には、各信号用帯状導電体9の外周部にそれぞれ接続された各入力端子2は、図8に示すように、コイル部5BにおけるEI型コア6Aによって区画された一方の側(同図における左側)の外周側部位における任意の位置から引き出すことができる。同図では、各入力端子2は、一例として引出し部位Aからそれぞれ引き出されている。また、各信号用帯状導電体9の内周部にそれぞれ接続された各出力端子3は、同図に示すように、コイル部5BにおけるEI型コア6Aによって区画された他方の側(同図における右側)の内周側部位における任意の位置から引き出すことができる。同図では、各出力端子3は、一例として引出し部位Bからそれぞれ引き出されている。さらに、各接地用帯状導電体8の外周部にそれぞれ接続された各接地用端子4も、同図に示すように、コイル部5Bにおける他方の側(同図における右側)の外周側部位の任意の位置から引き出すことができる。同図では、各接地用端子4は、一例として引出し部位Cからそれぞれ引き出されている。なお、各引出線11〜18は、フィルタ素子1と同様にして、各配線19〜22により、一対一で接続されているが、説明の理解を容易にするために、図8では、各配線19〜22を省略する。
一方、図9に示すフィルタ素子1Cでは、コイル部5Cが、フィルタ素子1Aのコイル部5Aと同等の構成を備え、各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が内側となるように巻回して形成されている。また、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4をフィルタ素子1Aとは異なる部位から引き出すことができる。具体的には、各信号用帯状導電体9の内周部にそれぞれ接続された各入力端子2は、同図に示すように、コイル部5CにおけるEI型コア6Aによって区画された一方の側(同図における右側)の内周側部位における任意の位置から引き出すことができる。同図では、各入力端子2は、一例として引出し部位Aからそれぞれ引き出されている。また、各信号用帯状導電体9の外周部にそれぞれ接続された各出力端子3は、コイル部5CにおけるEI型コア6Aによって区画された他方の側(同図における左側)の外周側部位における任意の位置から引き出すことができる。同図では、各出力端子3は、一例として引出し部位Bからそれぞれ引き出されている。さらに、各接地用帯状導電体8の内周部にそれぞれ接続された各接地用端子4は、コイル部5Cにおける他方の側(同図における左側)の内周側部位における任意の位置から引き出すことができる。同図では、各接地用端子4は、一例として引出し部位Cからそれぞれ引き出されている。なお、各引出線11〜18は、フィルタ素子1Aと同様にして、各配線19〜22により、一対一で接続されているが、説明の理解を容易にするために、図9では、各配線19〜22を省略する。
この各フィルタ素子1B,1Cでは、コア材としてEI型コア(またはEE型コア)6Aを用いたことにより、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4の引出し部位A,B,Cの配置(設定)にある程度の自由度を持たせつつ、各入力端子2と各出力端子3との間に接続された各信号用帯状導電体9のインダクタンスをそれぞれ4倍に増加させることができる。したがって、各入力端子2、各出力端子3および各接地用端子4の引出し部位A,B,Cを所定の範囲に規定すると共に、各信号用帯状導電体9と各接地用帯状導電体8とを対向して配設したことと相俟って、従来のフィルタ素子と同等の直径でありながら、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、本発明は、上述した構成に限定されない。例えば、上述したフィルタ素子1,1A,1B,1Cでは、一対の入力端子2と、一対の出力端子3と、一対の接地用端子4と、第1および第2の信号用帯状導電体としての各信号用帯状導電体9と、第1および第2の接地用帯状導電体としての各接地用帯状導電体8とを備えて、コモンモード用のフィルタ素子として構成した例について説明したが、各フィルタ素子1,1A,1B,1Cにおける1相分の構成によってノーマルモード用のフィルタ素子を構成することができる。一例として、フィルタ素子1の1相分の構成(例えば、各帯状絶縁体7a,7bにおける半領域B1,A1側の構成)を用いることにより、図10に示すフィルタ素子1Dを構成することができる。このフィルタ素子1Dでは、コイル部5Dが、図11,12に示すように、帯状絶縁体7a、各接地用帯状導電体8a,8b、帯状絶縁体7bおよび各信号用帯状導電体9a,9bをこの順序で重ねた状態で、各信号用帯状導電体9に対して各接地用帯状導電体8が外側となるようにして図12中の右端側から巻回することによって構成されている。この場合、入力端子2aは、信号用帯状導電体9bの外周部に接続されると共にコイル部5Dの外周側部位(引出し部位A)から引き出されている。出力端子3aは、信号用帯状導電体9aの内周部に接続されると共に空隙Hを挟んで引出し部位Aとは反対側に位置するコイル部5Dの内周側部位(引出し部位B)から引き出されている。接地用端子4aは、接地用帯状導電体8bの外周部に接続されると共に引出し部位Bを挟んで引出し部位Aとは反対側に位置するコイル部5Dの外周側部位(引出し部位C)から引き出されている。なお、フィルタ素子1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、第5の引出線15および第6の引出線16は、本発明におけるノーマルモード用のフィルタの第3の引出線および第4の引出線にそれぞれ相当する。このフィルタ素子1Dでも、フィルタ素子1と同様にして、入力端子2aと出力端子3aとの間における各信号用帯状導電体9のインダクタンスがそれぞれ4倍に増加する。したがって、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子1Dを従来のフィルタ素子と同等の直径で実現することができる。また、コイル部5Dに装着するコア材としては、図10に示す柱状の磁性コア6に代えて、図示はしないが、いわゆるポットコアを用いることもできる。また、図13に示すフィルタ素子1Eのように、EI型コア(またはEE型コア)6Aを用いることもできる。このフィルタ素子1Eでは、コイル部5Eからの入力端子2a、出力端子3a、および接地用端子4aの各引出し部位A,B,Cを、フィルタ素子1B,1Cにおける各コイル部5B,5Cと同様にして、特定の範囲内において任意の位置から引き出すことができる。
また、上述した各フィルタ素子1〜1Eでは、入力端子2と出力端子3との間に配設される信号用帯状導電体9の数を従来のフィルタ素子の2倍にしてインダクタンスを4倍に増加させた例について説明したが、入力端子2と出力端子3との間に配設される信号用帯状導電体9の数は、2本に限定されず、3本以上に規定することもできる。また、上述した各フィルタ素子1〜1Eでは、複数の信号用帯状導電体9同士や複数の接地用帯状導電体8同士を直列接続する手法として、各信号用帯状導電体9や各接地用帯状導電体8の端部に引出線を接続すると共に、この引出線同士をコイル部の端面において配線で接続する構成を採用した例について説明したが、各引出線の長さを長くしてその一部を前述の配線として使用することにより、引出線同士を直接接続する構成を採用することもできる。さらには、各信号用帯状導電体9や各接地用帯状導電体8の一方の端部に接続された引出線の長さをさらに長くして他方の端部に直接接続する構成を採用することもできる。また、上述した各フィルタ素子1〜1Eでは、入力端子2と出力端子3との間に配設される信号用帯状導電体9を直列に接続する際に、隣接するもの同士を接続する構成を採用することにより、隣接する各信号用帯状導電体間の電位差を最小にして各信号用帯状導電体同士を極限まで接近させて、各信号用帯状導電体の全体としての横幅を狭くできる例について説明したが、隣接しない信号用帯状導電体9同士を接続する構成を採用することもできる。また、上述した各フィルタ素子1〜1Eでは、入力端子2、出力端子3および接地用端子4をすべて各コイル部5〜5Eの一方の端面側から引き出す構成が採用されているが、入力端子2、出力端子3および接地用端子4のうちのいずれかを各コイル部5〜5Eの他方の端面側から引き出す構成を採用することもできる。同様にして、各コイル部5〜5Eの両方の端面側から各引出線を引き出す構成を採用することもできる。
具体的に、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。一例として、フィルタ素子1Bについての実施例を挙げて説明する。
材質がポリイミド、幅が14mm、厚みが50μm、長さが1350mmの絶縁シートを各帯状絶縁体7として用い、また材質がCu、幅が1.5mm、厚みが35μm、長さが1330mmの薄肉金属板4枚を各接地用帯状導電体8として用い、さらに材質がCu、幅が1.5mm、厚みが35μm、長さが1330mmの薄肉金属板4枚を各信号用帯状導電体9として用いて、これらを積層した(重ねた)状態で28回巻回してコイル部5Bを形成した後、EI型コア6Aをコイル部5Bに装着することにより、フィルタ素子1Bのサンプルを作製して実施例とした。また、上記した実施例で用いた各接地用帯状導電体8および各信号用帯状導電体9に代えて、材質がCu、幅が3mm、厚みが35μm、長さが1330mmの薄肉金属板をそれぞれ2枚ずつ接地用帯状導電体および信号用帯状導電体として用いて巻数28のフィルタ素子のサンプルを作製して比較例とした。次いで、実施例および比較例に係るフィルタ素子のノイズ減衰特性を測定した。その測定結果を図14に示す。
図14に示すノイズ減衰特性図によれば、実施例に係るフィルタ素子では、10MHz以下の周波数領域において比較例に係るフィルタ素子と比較して10dB程度のノイズ減衰効果を向上できることが理解される。
フィルタ素子1の構成を示す斜視図である。 入力端子2、出力端子3および接地用端子4の各引出し部位A,B,Cを示すためにフィルタ素子1を一方の端面から見た平面図である。 フィルタ素子1の構成を示すために、各帯状絶縁体7、各接地用帯状導電体8および各信号用帯状導電体9の一端側を巻き解いた状態のフィルタ素子1の斜視図である。 各帯状絶縁体7、各接地用帯状導電体8および各信号用帯状導電体9の構成を示す斜視図である。 フィルタ素子1Aの構成を示す斜視図である。 入力端子2、出力端子3および接地用端子4の各引出し部位A,B,Cを示すためにフィルタ素子1Aを一方の端面から見た平面図である。 フィルタ素子1Aに使用されている各帯状絶縁体7、各接地用帯状導電体8および各信号用帯状導電体9の構成を示す斜視図である。 フィルタ素子1Bの構成を示す斜視図である。 フィルタ素子1Cの構成を示す平面図である。 フィルタ素子1Dの構成を示す斜視図である。 フィルタ素子1Dの構成を示すために、各帯状絶縁体7、接地用帯状導電体8および信号用帯状導電体9の一端側を巻き解いた状態のフィルタ素子1Dの斜視図である。 フィルタ素子1Dに使用されている各帯状絶縁体7、各接地用帯状導電体8および各信号用帯状導電体9の構成を示す斜視図である。 フィルタ素子1Eの構成を示す斜視図である。 実施例に係るフィルタ素子1Bの周波数とノイズ減衰量との関係、および比較例に係るフィルタ素子の周波数とノイズ減衰量との関係を示すノイズ減衰特性図である。
符号の説明
1,1A〜1E フィルタ素子
2a,2b 入力端子
3a,3b 出力端子
4a,4b 接地用端子
5,5A〜5E コイル部
6,6A 磁性コア
7a,7b 帯状絶縁体
8a〜8d 接地用帯状導電体
9a〜9d 信号用帯状導電体
11〜18 引出線
H 空隙

Claims (12)

  1. 帯状絶縁体の一方の面側において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn(nは2以上の自然数)本の信号用帯状導電体、および前記帯状絶縁体の他方の面側において前記各信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の接地用帯状導電体を当該帯状絶縁体を挟んで巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部と、
    前記各信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の入力端子および(n−1)本の第1の引出線と、
    前記第1の引出線が接続された前記各信号用帯状導電体のうちの一つの信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の出力端子と、
    前記各信号用帯状導電体のうちの前記出力端子が接続された信号用帯状導電体を除く他のすべての信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第2の引出線と、
    前記各接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第3の引出線と、
    前記各接地用帯状導電体のうちの前記第3の引出線が接続された一つの接地用帯状導電体を除く他のすべての接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第4の引出線と、
    前記各接地用帯状導電体のうちの少なくとも一つに接続されて前記コイル部の外部に引き出された接地用端子とを備え、
    前記第1の引出線および前記第2の引出線が一対一で接続され、
    前記第3の引出線および前記第4の引出線が一対一で接続されているフィルタ素子。
  2. 前記各信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続されている請求項1記載のフィルタ素子。
  3. 前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、
    前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部の外周側部位から引き出され、
    前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記出力端子の引出し部位を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている請求項1または2記載のフィルタ素子。
  4. 前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、
    前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記接地用端子の引出し部位を挟んで前記入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている請求項1または2記載のフィルタ素子。
  5. 前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、
    前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の外周側部位から引き出され、
    前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている請求項1または2記載のフィルタ素子。
  6. 前記コイル部は、前記信号用帯状導電体に対して前記接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、
    前記入力端子は、前記信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、
    前記出力端子は、前記信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている請求項1または2記載のフィルタ素子。
  7. 帯状絶縁体の一方の面側における幅方向に沿った一方の半領域において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn(nは2以上の自然数)本の第1の信号用帯状導電体、および当該帯状絶縁体の前記一方の面側における幅方向に沿った他方の半領域において当該帯状絶縁体の幅方向で互いに離間して並設されたn本の第2の信号用帯状導電体と、当該帯状絶縁体の他方の面側における前記一方の半領域に対応する半領域において前記各第1の信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の第1の接地用帯状導電体、および当該帯状絶縁体の他方の面側における幅方向に沿った前記他方の半領域に対応する半領域において前記各第2の信号用帯状導電体に対向するように配設されたn本の第2の接地用帯状導電体とを、当該帯状絶縁体を挟んで巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部と、
    前記各第1の信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第1の入力端子および(n−1)本の第1の引出線と、
    前記第1の引出線が接続された前記各第1の信号用帯状導電体のうちの一つの第1の信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第1の出力端子と、
    前記各第1の信号用帯状導電体のうちの前記第1の出力端子が接続された第1の信号用帯状導電体を除く他のすべての第1の信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第2の引出線と、
    前記各第2の信号用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第2の入力端子および(n−1)本の第3の引出線と、
    前記第3の引出線が接続された前記各第2の信号用帯状導電体のうちの一つの第2の信号用帯状導電体の他端側に接続されて前記コイル部の外部に引き出された1本の第2の出力端子と、
    前記各第2の信号用帯状導電体のうちの前記第2の出力端子が接続された第2の信号用帯状導電体を除く他のすべての第2の信号用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された(n−1)本の第4の引出線と、
    前記各第1の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第1の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第5の引出線と、
    前記各第1の接地用帯状導電体のうちの前記第5の引出線が接続された一つの第1の接地用帯状導電体を除く他のすべての第1の接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第6の引出線と、
    前記各第2の接地用帯状導電体のうちの(n−1)本の第2の接地用帯状導電体の一端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第7の引出線と、
    前記各第2の接地用帯状導電体のうちの前記第7の引出線が接続された一つの第2の接地用帯状導電体を除く他のすべての第2の接地用帯状導電体の他端側にそれぞれ接続されて前記コイル部の外部に引き出された第8の引出線と、
    前記各第1の接地用帯状導電体および前記各第2の接地用帯状導電体を接地するため前記コイル部の外部に引き出された接地用端子とを備え、
    前記第1の引出線および前記第2の引出線が一対一で接続され、
    前記第3の引出線および前記第4の引出線が一対一で接続され、
    前記第5の引出線および前記第6の引出線が一対一で接続され、
    前記第7の引出線および前記第8の引出線が一対一で接続されているフィルタ素子。
  8. 前記各第1の信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第2の信号用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第1の接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続され、前記各第2の接地用帯状導電体は隣接するもの同士が接続されている請求項7記載のフィルタ素子。
  9. 前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、
    前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部の外周側部位から引き出され、
    前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記各出力端子の引出し部位を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている請求項7または8記載のフィルタ素子。
  10. 前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記空隙に装着された柱状コア、および前記コイル部に装着されたポットコアのいずれかを備え、
    前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記空隙を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の内周側部位から引き出され、
    前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記接地用端子の引出し部位を挟んで前記各入力端子の引出し部位とは反対側に位置する前記コイル部の外周側部位から引き出されている請求項7または8記載のフィルタ素子。
  11. 前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が外側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、
    前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の外周側部位から引き出され、
    前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている請求項7または8記載のフィルタ素子。
  12. 前記コイル部は、前記各信号用帯状導電体に対して前記各接地用帯状導電体が内側になるように巻回されると共に中心部に空隙が形成され、
    前記コイル部には、EI型およびEE型のいずれかのコアが装着され、
    前記第1および第2の入力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された一方の側の内周側部位から引き出され、
    前記接地用端子は、前記各接地用帯状導電体の内周部に接続されると共に前記コイル部における前記コアによって区画された他方の側の内周側部位から引き出され、
    前記第1および第2の出力端子は、それぞれ、前記各信号用帯状導電体の外周部に接続されると共に前記コイル部における前記他方の側の外周側部位から引き出されている請求項7または8記載のフィルタ素子。
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