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JP2005183339A - アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 水酸化ニッケルを主体とする活物質粒子と結着剤とを含む正極合剤を導電性芯体に充填させたアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に使用したアルカリ蓄電池における出力特性を向上させると共に、自己放電が生じるのを簡単に抑制できるようにする。
【解決手段】 水酸化ニッケルを主体とする粒子の表面にコバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子と、イットリウム化合物粒子と、粒径が上記の活物質粒子の粒径の1/5以下のニッケル金属粒子と、結着剤とを含む正極合剤を導電性芯体に充填させてアルカリ蓄電池用ニッケル極21を作製し、このアルカリ蓄電池用ニッケル極21をアルカリ蓄電池の正極に用いた。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池及びこのようなアルカリ蓄電池の正極に使用するアルカリ蓄電池用ニッケル極に係り、特に、水酸化ニッケルを主体とする活物質粒子と結着剤とを含む正極合剤を導電性芯体に充填させたアルカリ蓄電池用ニッケル極を改善して、アルカリ蓄電池における出力特性を向上させると共に、自己放電が生じるのを簡単に抑制できるようにした点に特徴を有するものである。
従来、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池に代表されるアルカリ蓄電池においては、その正極として、一般に水酸化ニッケルを主体とする活物質を用いたアルカリ蓄電池用ニッケル極が使用されていた。
ここで、このようなアルカリ蓄電池用ニッケル極においては、活物質として使用する水酸化ニッケルの導電性が低いため、一般に、芯金となる穿孔鋼鈑等にニッケル粉末を充填させて焼結させた焼結基板に、活物質である水酸化ニッケルを化学的に含浸させた焼結式のニッケル極が用いられている。
しかし、このような焼結式のニッケル極の場合、ニッケル粉末における粒子間の結合が弱く、基板における多孔度を高くすると、ニッケル粉末が脱落しやすくなるため、実用上、基板の多孔度を80%程度とするのが限界で、活物質の水酸化ニッケルを多く充填させることができず、容量の大きなアルカリ蓄電池を得ることが困難であった。
また、上記の焼結式ニッケル極の場合、穿孔鋼板等の芯金を使用するため、一般に活物質の充填密度が小さく、さらに、焼結により形成されたニッケル粉末の細孔は10μm以下と小さいため、活物質を充填させるにあたっては、煩雑な工程を数サイクルも繰り返す溶液含浸法を用いなければならず、その生産性が悪いという問題もあった。
このため、水酸化ニッケルを主体とする活物質粒子にメチルセルロース等の結合剤の水溶液を加えて混練させた正極合剤のペーストを、発泡ニッケル等の多孔度の大きい導電性芯体に塗布し、これを乾燥させた非焼結式のアルカリ蓄電池用ニッケル極も用いられている。
ここで、このような非焼結式のアルカリ蓄電池用ニッケル極の場合、多孔度が95%以上の導電性芯体を用いることができ、導電性芯体に多くの活物質を充填させて、容量の大きなアルカリ蓄電池を得ることができると共に、導電性芯体に対して活物質を簡単に充填させることができて生産性も向上した。
また、近年においては、上記のような非焼結式のアルカリ蓄電池用ニッケル極を用いたアルカリ蓄電池において、上記の活物質粒子間の抵抗を下げて活物質の利用率を高めて、出力特性を向上させるため、水酸化ニッケルからなる活物質にカドミウムや亜鉛やコバルトを含有させると共に、導電剤としてニッケル粉末や他の金属粉末を添加させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、このように導電剤としてニッケル粉末を添加した場合、自己放電が生じやすくなって、保存特性が低下するという問題があり、このため、上記のニッケル粉末の表面に10〜30Åの不働態酸化被膜を形成するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、ニッケル粉末の表面に、上記のような薄い不働態酸化被膜を適切に形成することは非常に困難であり、アルカリ蓄電池における自己放電を簡単に抑制することができないという問題があった。
特開平5−225971号公報 特開平8−241719号公報
この発明は、水酸化ニッケルを主体とする活物質粒子と結着剤とを含む正極合剤を導電性芯体に充填させたアルカリ蓄電池用ニッケル極及びこのようなアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題するものであり、アルカリ蓄電池用ニッケル極を改善して、アルカリ蓄電池における出力特性を向上させると共に、自己放電が生じるのを簡単に抑制できるようにすることを課題とするものである。
この発明におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極においては、上記のような課題を解決するため、水酸化ニッケルを主体とする粒子の表面にコバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子と、イットリウム化合物粒子と、粒径が上記の活物質粒子の粒径の1/5以下のニッケル金属粒子と、結着剤とを含む正極合剤を、導電性芯体に充填させるようにしたのである。
ここで、上記のように正極合剤中に、粒径が活物質粒子の粒径の1/5以下のニッケル金属粒子を添加するにあたっては、このニッケル金属粒子を上記の活物質粒子に対して6〜30重量%の範囲で添加させることが好ましい。
また、この発明におけるアルカリ蓄電池においては、その正極に前記のアルカリ蓄電池用ニッケル極を用いるようにしたのである。
この発明におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極のように、水酸化ニッケルを主体とする粒子の表面にコバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子を用いると、この活物質粒子を含む正極合剤をペーストにして導電性芯体に塗布する場合や、このアルカリ蓄電池用ニッケル極をアルカリ蓄電池内に収容させてアルカリ電解液を注液させた場合等において、コバルトの価数が3価未満のコバルト化合物からなる被覆層のようにコバルト化合物が溶出するということがなく、上記の被覆層により活物質粒子の表面に均一な導電マトリクスが形成されて、活物質粒子に十分な導電性が付与されるようになり、アルカリ蓄電池における出力特性が向上する。
また、このようにコバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子においては、コバルト化合物が溶出しないため、活物質粒子間における隙間がそのまま残るが、この発明のように粒径が上記の活物質粒子の粒径の1/5以下のニッケル金属粒子を添加させると、活物質粒子間の隙間にこのニッケル金属粒子が充填されて、活物質粒子間における抵抗が大きく低下し、アルカリ蓄電池における出力特性がさらに向上する。なお、このように活物質粒子の粒径の1/5以下の粒径になったニッケル金属粒子を用いるのは、これより粒径の大きなニッケル金属粒子では活物質粒子間の隙間にうまく充填されないためである。
また、このようにニッケル金属粒子を添加するにあたり、その量が少ないと、活物質粒子間の隙間にニッケル金属粒子が十分に充填されなくなって、アルカリ蓄電池における出力特性を十分に向上させることができなくなる一方、その量が多くなりすぎると、アルカリ蓄電池用ニッケル極における活物質粒子の量が少なくなって、容量が低下するため、ニッケル金属粒子を上記の活物質粒子に対して6〜30重量%の範囲で添加させることが好ましい。
また、このようにニッケル金属粒子を添加させると、前記のように自己放電が生じやすくなるが、この発明のようにコバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子を用いると共に、イットリウム化合物を添加すると、ニッケル金属粒子による自己放電が抑制されて、アルカリ蓄電池における保存特性が向上する。ここで、コバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子を用いるとともにイットリウム化合物を添加させることによって、ニッケル金属粒子による自己放電が抑制される理由は明確ではないが、上記のように正極合剤をペーストにして導電性芯体に塗布する場合や、このアルカリ蓄電池用ニッケル極をアルカリ蓄電池内に収容させてアルカリ電解液を注液させた場合等に、被覆層におけるコバルト化合物が溶け出すということがなく、イットリウム化合物だけが溶け出して、ニッケル金属粒子の表面がイットリウムで覆われるようになり、これによりニッケルの触媒作用が抑制され、水素と酸素とが反応するのが防止されて、自己放電の発生が抑制されるためであると考えられる。
そして、上記のようなアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用いたアルカリ蓄電池においては、十分な出力特性が得られると共に、自己放電が生じるのも簡単に抑制されて、保存特性も向上する。
以下、この発明に係るアルカリ蓄電池用ニッケル極及びこのアルカリ蓄電池用ニッケル極を正極に用いたアルカリ蓄電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例におけるアルカリ蓄電池においては、出力特性及び保存特性が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極及びアルカリ蓄電池は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(比較例A)
比較例Aにおいては、正極に用いるアルカリ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、硫酸コバルト粉末を13.1g溶解させた1リットルの硫酸コバルト水溶液に、水酸化ニッケルの粉末を100g加え、これを攪拌しながら1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを11に調整しながら1時間攪拌を続けた後、沈殿物を濾取し、この沈殿物を水洗した後、真空乾燥させて、水酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルトからなる被覆層が形成された活物質粒子を得た。なお、この活物質粒子の平均粒径は10μmであり、また酸化還元滴定により求めた被覆層におけるコバルトの価数は2価であった。
また、この活物質粒子について、水酸化ニッケルに対する被覆層中のコバルトの量を原子吸光法によって測定した結果、水酸化ニッケルに対する被覆層中のコバルトの量は5重量%であった。
そして、上記の活物質粒子100重量部に対して、結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を20重量部加え、これを混練して正極合剤のペーストを調製し、このペーストを導電性芯体である発泡ニッケルに充填し、これを乾燥させ、加圧成型して、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。
一方、負極を作製するにあたっては、組成式MmNi3.2Co1.0Al0.7Mn0.1(但し、MmはLa、Ce、Pr、Ndが25:50:6:19の重量比になったミッシュメタルである。)で表される平均粒径が50μmの水素吸蔵合金粒子100重量部に、結着剤のポリエチレンオキシド1.0重量部と少量の水とを加え、これらを均一に混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥し圧延させて、水素吸蔵合金電極からなる負極を作製した。
また、セパレータとしては、ポリオレフィン樹脂製の不織布を使用し、アルカリ電解液としては、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムと水酸化リチウムとを含むアルカリ電解液を使用し、設計容量が約1000mAhになった図1に示すような円筒型のニッケル・水素蓄電池を作製した。
ここで、上記のニッケル・水素蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、上記の正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させると共に、この電池缶4内に上記のアルカリ電解液を注液した後、電池缶4と正極蓋6との間に絶縁パッキン8を介して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、上記の絶縁パッキン8により電池缶4と正極蓋6とを電気的に分離させた。また、上記の正極蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
(比較例B)
比較例Bにおいては、上記の比較例Aにおけるアルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、上記の平均粒径が10μmになった活物質粒子100重量部に対して、結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を20重量部加えると共に、平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を10重量部の割合で加えるようにし、それ以外は、上記の比較例Aの場合と同様にして、ニッケル・水素蓄電池を作製した。
そして、上記のように作製した比較例A,Bの各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ25℃の温度条件の下で、100mAで16時間充電させた後、1000mAで1.0Vまで放電させ、これを1サイクルとして、5サイクルの充放電を繰り返して、各ニッケル・水素蓄電池を活性化させた。
次いで、このように活性化された比較例A,Bの各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ25℃の温度条件の下で、100mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させ、その後、55℃で12分間放置させて、各ニッケル・水素蓄電池における放置後の電圧低下を調べた。そして、比較例Aのニッケル・水素蓄電池における放置後の電圧低下を1とした指数で、その結果を下記の表1に示した。
また、下記の表1においては、上記の正極における活物質粒子の平均粒径D1(μm)、ニッケル金属粒子の平均粒径D2(μm)、D2/D1の値、活物質粒子に対するニッケル金属粒子の重量比率W(重量%)及び被覆層におけるCoの価数を合わせて示した。
Figure 2005183339
この結果、アルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、ニッケル金属粒子を添加させなかった比較例Aのニッケル・水素蓄電池に比べて、ニッケル金属粒子を添加させた比較例Bのニッケル・水素蓄電池の方が、放置後における電圧低下が大きくなって、保存特性が悪くなっていた。
(実施例1)
実施例1においては、正極に用いるアルカリ蓄電池用ニッケル極を作製するにあたり、上記の比較例Aの場合と同様に、硫酸コバルト粉末を13.1g溶解させた1リットルの硫酸コバルト水溶液に、水酸化ニッケルの粉末を100g加え、これを攪拌しながら1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを11に調整しながら1時間攪拌を続けた後、沈殿物を濾取し、この沈殿物を水洗した後、真空乾燥させて、水酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルトからなる被覆層を形成した。
次いで、この実施例1においては、上記のように水酸化コバルトからなる被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子と5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを、1:10の重量比で混合し、これを空気中において75℃の温度で8時間加熱処理した後、これを水洗し、65℃の温度で乾燥させて、水酸化ニッケル粒子の表面に、コバルトの価数が3価以上になったコバルト化合物からなる被覆層が形成された活物質粒子を得た。なお、この活物質粒子の平均粒径は10μmであり、また酸化還元滴定により求めた被覆層におけるコバルトの価数は3.05であり、さら原子吸光法によって測定した水酸化ニッケルに対する被覆層中のコバルトの量は5重量%であった。
そして、上記の活物質粒子100重量部に対して、酸化イットリウムY23粒子を0.5重量部、平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を18重量部、結着剤として1重量%のメチルセルロース水溶液を20重量部の割合で加え、これを混練して正極合剤のペーストを調製し、このペーストを導電性芯体である発泡ニッケルに充填し、これを乾燥させ、加圧成型して、アルカリ蓄電池用ニッケル極を作製した。
一方、負極を作製するにあたっては、上記の比較例Aの場合と同様にして、水素吸蔵合金電極からなる負極を作製した。
そして、図2に示すように、上記のアルカリ蓄電池用ニッケル極からなる正極21の両側に、ポリオレフィン樹脂製の不織布からなるセパレータ23を介して上記の水素吸蔵合金電極からなる負極22を設け、このようにセパレータ23を介して2枚の負極22により正極21が挟み込まれた電極体を、アクリル製のセル容器20内に収容された30重量%の水酸化カリウム水溶液からなるアルカリ電解液24中に浸漬させて、設計容量が100mAhになった実施例1の試験用セルを作製した。なお、上記の負極22の電気化学的容量は正極21の2倍以上にした。
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、上記の平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子に代えて、平均粒径が2μmのニッケル金属粒子を用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、実施例2の試験用セルを作製した。
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、上記の平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子に代えて、平均粒径が30μmのニッケル金属粒子を用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、比較例1の試験用セルを作製した。
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、上記の平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、比較例2の試験用セルを作製した。
そして、上記のように作製した実施例1,2及び比較例1,2の各試験用セルを、それぞれ25℃の温度条件の下で、50mAで150%充電させた後、50mAで0.8Vまで放電させ、これを1サイクルとして、10サイクルの充放電を繰り返して、各試験用セルを活性化させた。
次いで、このように活性化された実施例1,2及び比較例1,2の各試験用セルを、それぞれ25℃の温度条件の下で、50mAの電流で充電深度が50%になるまで充電させた後、800mAの電流で10秒間放電させて、各試験セルにおける出力時の電圧低下を調べた。そして、実施例1の試験用セルにおける出力時の電圧低下を1とした指数で、その結果を下記の表2に示した。
また、上記のように活性化された実施例1,2及び比較例1,2の各試験用セルを、それぞれ25℃の温度条件の下で、50mAの電流で充電深度が50%になるまで充電させた後、60分間放置させて、各試験用セルにおける放置後の電圧低下を調べた。そして、実施例1の試験用セルにおける放置後の電圧低下を1とした指数で、その結果を下記の表2に示した。
ここで、下記の表2においては、上記の正極における活物質粒子の平均粒径D1(μm)、ニッケル金属粒子の平均粒径D2(μm)、D2/D1の値、活物質粒子に対するニッケル金属粒子の重量比率W(重量%)及び被覆層におけるCoの価数を合わせて示した。
Figure 2005183339
この結果、ニッケル金属粒子の平均粒径D2が活物質粒子の平均粒径D1の1/5以下になったニッケル金属粒子を添加させた実施例1,2の試験用セルは、ニッケル金属粒子の平均粒径D2が活物質粒子の平均粒径D1の1/5を越えるニッケル金属粒子を添加させた比較例1の試験用セルや、ニッケル金属粒子を添加させなかった比較例2の試験用セルに比べて、出力時の電圧低下が少なくなっており、出力特性が向上していた。
また、上記の実施例1,2及び比較例1の各試験用セルのように、正極合剤にコバルトの価数が3価以上になったコバルト化合物からなる被覆層が形成された活物質粒子を用いると共に、酸化イットリウムY23粒子を添加させると、ニッケル金属粒子を添加させた場合においても、前記のニッケル金属粒子を添加させた比較例Bのニッケル・水素蓄電池のように、放置後における電圧低下が大きくなって、保存特性が低下するということがなかった。
(実施例3,4)
実施例3,4においては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池用ニッケル極の作製において、上記の活物質粒子100重量部に対して、平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を添加させる重量割合だけを変更し、実施例3においては平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を6重量部、実施例4においては平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を12重量部添加させるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、実施例3,4の各試験用セルを作製した。
そして、この実施例3,4の各試験用セルについても、それぞれ25℃の温度条件の下で、50mAで150%充電させた後、50mAで0.8Vまで放電させ、これを1サイクルとして、10サイクルの充放電を繰り返して、各試験用セルを活性化させた。
そして、このように活性化された実施例3,4の各試験用セルを、それぞれ25℃の温度条件の下で、50mAの電流で充電深度が50%になるまで充電させた後、800mAの電流で10秒間放電させて、各試験セルにおける出力時の電圧低下を調べ、実施例1の試験用セルにおける出力時の電圧低下を1とした指数で、その結果を、実施例1及び比較例2の試験用セルと合わせて下記の表3に示した。
なお、下記の表3においては、正極における活物質粒子の平均粒径D1(μm)、ニッケル金属粒子の平均粒径D2(μm)、D2/D1の値、活物質粒子に対するニッケル金属粒子の重量比率W(重量%)及び被覆層におけるCoの価数を合わせて示した。
Figure 2005183339
この結果、上記の活物質粒子に対して、平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を6重量%以上添加させた実施例1,3,4の各試験用セルは、ニッケル金属粒子を添加させなかった比較例2の試験用セルに比べて、出力時の電圧低下が少なくなっており、出力特性が向上していた。特に、平均粒径が0.6μmのニッケル金属粒子を12重量%以上添加させた実施例1,4の試験用セルにおいては、さらに出力時の電圧低下が少なくなって、出力特性がさらに向上した。
この発明の比較例A,Bにおいて作製したアルカリ蓄電池の概略断面図である。 この発明の実施例1〜4及び比較例1,2において作製した試験用セルの概略断面図である。
符号の説明
1,21 正極(アルカリ蓄電池用ニッケル極)
2,22 負極
24 アルカリ電解液

Claims (3)

  1. 水酸化ニッケルを主体とする粒子の表面に、コバルトの価数が3価以上のコバルト化合物からなる被覆層が設けられた活物質粒子と、イットリウム化合物粒子と、粒径が上記の活物質粒子の粒径の1/5以下のニッケル金属粒子と、結着剤とを含む正極合剤が導電性芯体に充填されてなることを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル極。
  2. 請求項1に記載したアルカリ蓄電池用ニッケル極において、上記の正極合剤中に、上記のニッケル金属粒子が上記の活物質粒子に対して6〜30重量%の範囲で添加されていることを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル極。
  3. 正極と負極とアルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、その正極に前記の請求項1又は2に記載したアルカリ蓄電池用ニッケル極を用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015510243A (ja) * 2012-02-07 2015-04-02 オヴォニック バッテリー カンパニー インコーポレイテッド 高温性能が改善された再充電可能電池セル
WO2018216374A1 (ja) * 2017-05-23 2018-11-29 株式会社豊田自動織機 ニッケル金属水素化物電池用正極

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