JP2005178149A - 低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた包装体並びに蓋材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する、特にガスバリア性を付与する酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層面への熱接着性樹脂層の密着性を改善し、低温ヒートシール性及びヒートシール強度、ガスバリア性、製袋等の加工適性等に優れる、低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた袋状などの包装体並びに蓋材を提供することを目的とする。
【解決手段】透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層もしくはガスバリア性被膜層上に、少なくとも、塗布によりヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた成形体並びに蓋材ある。
【選択図】図1
【解決手段】透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層もしくはガスバリア性被膜層上に、少なくとも、塗布によりヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた成形体並びに蓋材ある。
【選択図】図1
Description
本発明は、低吸着性積層包装材料に関し、さらに詳細には、その包装材料の最内層のヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(シーラント層)を薄肉化することにより、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止し、かつ、特にガスバリアフィルムとヒートシール可能な熱可塑性樹脂層との層間の密着性に優れ、低温ヒートシール性及びヒートシール強度、ガスバリア性、製袋等の加工適性等に優れる、コスト面及び環境面にも配慮した低吸着性積層包装材料に関し、その包装材料を用いた袋状などの包装体並びに蓋材として用いられるものである。
一般的に使用される包装材料は、基材に接着剤層または厚さ15μm以上のポリエチレン樹脂層を介しガスバリア層を積層し、さらにその上にシーラント層としてポリオレフィン系樹脂フイルムを積層した構成のものが多く使用されている。この包装材料を用いた袋に揮発性を有するメントールやナフタレン、その他香り成分や薬効成分を含有している内容物を包装した場合、それらの成分が最内層のシーラント層のフイルムに吸着されてしまうことが多い。これらの吸着を防ぐ為にシーラント層のフイルムを薄肉化する方法やポリエステル系フイルムを使用する方法、あるいはシーラント層としてヒートシール剤を全面コートあるいはパートコートする方法が検討されてきた。
しかしながら、前記シーラントフイルムを薄肉化する方法は、フイルムの製膜技術の限界により、最低の厚みが15μm程度となってしまうことが現状であり、ポリエステル系フイルムは現状コストが高く、また耐内容物性に関しても能力不足であった。また、シーラント層としてヒートシール剤を塗布する方法は、特に、ヒートシール剤に使用している樹脂系がポリエステル系、エチレン・ビニルアセテート系、塩素化ポリプロピレン系、塩素化ポリエチレン系、エチレンコポリマー系、ポリウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系等である場合、その塗膜の凝集力によるヒートシール強度を維持するためには、乾燥状態の塗布量が最低5g/m2以上必要であり、このヒートシール剤の塗布層への薬効成分吸着量の低減に限界があった。さらに、塩素系含有物を使用したものは廃棄後焼却した場合に有害物質生成の可能性もあり、今後使用を避ける必要がある。また、前記シーラント層をパートコート法で形成した場合は、内容物を包装した時にガスバリア層が内容物に接するため、前記内容物の有効成分が包装料料の内面に激しくアタックすることにより、ガスバリア層が劣化してしまったり、パートコートしたヒートシール剤自体が劣化し、ヒートシール強度が低下してしまう等の弊害が生じていた。さらに、前記パートコート法で形成した場合は、その包装材料を使用して製袋等の後加工をする際に、ヒートシール剤の塗布部及び非塗布部でタックの有無、滑り性などの差が生じ、加工適性が悪く、また、後加工工程での各種機械との摩擦などにより包装材料のガスバリア層が傷付き、ガスバリア性が劣化するという問題などが発生していた。
以下に特許文献を記す。
特開平10―329264号公報
特開平10―45176号公報 さらに、従来の包装材料では、アルミニウム箔や蒸着プラスチックフィルム等のバリア基材とシーラント基材をラミネートした構成のものが広く用いられているが、例えば、「アルミニウム箔の片面に基材層、他面全面に熱接着性樹脂層が設けられ、前記熱接着性樹脂層にて熱接着されてなる包装袋において、前記熱接着性樹脂層が塩化ビニール−酢酸ビニール共重合体樹脂、エチレンコポリマー樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、変性ポリオレフィンの少なくとも一つからなり、前記熱接着性樹脂層のドライ時の塗工量が5〜10g/m2であることを特徴とする包装袋が低吸着包装袋として提案されておいる(特許文献1参照)。乾燥状態の塗布量が最低5g/m2以上では、このヒートシール剤の塗布層への薬効成分吸着量の低減に限界があった。また、アルミニウム箔面、または、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層面に熱接着性樹脂層を形成した非吸着材料が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層面への熱接着性樹脂層の接着が十分でなく、密着性に問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する、特にガスバリア性を付与する酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層面への熱接着性樹脂層の密着性を改善し、低温ヒートシール性及びヒートシール強度、ガスバリア性、製袋等の加工適性等に優れる、低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた袋状などの包装体並びに蓋材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち
請求項1に係る発明は、
透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層もしくはガスバリア性被膜層上に、少なくとも、塗布によりヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料である。
請求項1に係る発明は、
透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層もしくはガスバリア性被膜層上に、少なくとも、塗布によりヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料である。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1記載の低吸着性積層包装材料を構成する透明プラスチックからなるフィルム基材上に、さらに別の基材を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料である。
請求項1記載の低吸着性積層包装材料を構成する透明プラスチックからなるフィルム基材上に、さらに別の基材を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料である。
また、請求項3に係る発明は、
前記透明ガスバリアフィルムが、透明プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R’Si(OR)3(R’:アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)で表せる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなる透明プライマー層、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層を順次積層したことを特徴とする請求項1または2記載の低吸着性積層包装材料である。
前記透明ガスバリアフィルムが、透明プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R’Si(OR)3(R’:アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)で表せる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなる透明プライマー層、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層を順次積層したことを特徴とする請求項1または2記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項4に係る発明は、
前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項5に係る発明は、
前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料
である。
前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料
である。
また、請求項6に係る発明は、
前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層の塗布量が、乾燥状態で、0.5〜5.0g/m2の範囲であることを特徴とする請求項5記載の低吸着性積層包装材料である。
前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層の塗布量が、乾燥状態で、0.5〜5.0g/m2の範囲であることを特徴とする請求項5記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項7に係る発明は、
前記3官能オルガノシランを構成するR’にエポキシ基が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
前記3官能オルガノシランを構成するR’にエポキシ基が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項8に係る発明は、
前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項9に係る発明は、
前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項8記載の低吸着性積層包装材料である。
前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項8記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項10に係る発明は、
前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項11に係る発明は、
前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項12に係る発明は、
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項13に係る発明は、
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項14に係る発明は、
前記透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層上に、さらにガスバリア性被膜層を積層した構成を有し、前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
前記透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層上に、さらにガスバリア性被膜層を積層した構成を有し、前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項15に係る発明は、
前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項14記載の低吸着性積層包装材料である。
前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項14記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項16に係る発明は、
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項14または15記載の低吸着性積層包装材料である。
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項14または15記載の低吸着性積層包装材料である。
また、請求項17に係る発明は、
請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として成形してなることを特徴とする包装体である。
請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として成形してなることを特徴とする包装体である。
また、請求項18に係る発明は、
請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として構成してなることを特徴とする蓋材である。
請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として構成してなることを特徴とする蓋材である。
本発明により、食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止する、特にガスバリア性を付与する酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層面への熱接着性樹脂層の密着性を改善し、低温ヒートシール性及びヒートシール強度、ガスバリア性、製袋などの加工適性等に優れる低吸着性の積層包装材料およびその包装材料を用いた低吸着性の袋状などの低吸着性の包装体並びに蓋材を提供することができる。
具体的には、本発明におけるヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂を用いることで、透明ガスバリアフィルムに設けられた酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層面への熱接着性樹脂層の酸性基の結合による密着性を改善し、内容物耐性が向上する。
そして、透明ガスバリアフィルムに設けられた酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層表面に、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層を全面塗布することで、内容物による無機酸化物の蒸着薄膜層の劣化に伴うガスバリア性の劣化を回避できる。また、無機酸化物の蒸着薄膜層表面に、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層を全面塗布することで、製袋などの加工適性が向上する。
また、本発明において用いられるヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂を用いることで、衛生面で優れていることから食品、非食品をとわず広い分野の低吸着性の包装材料として使用することができる。また、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、エチレン−ポリプロピレン共重合体を用いることで、塗布加工時の焼き付け温度の低温化が可能であり、焼き付け温度による透明ガスバリアフィルムのダメージを防止でき、ヒートシール時の低温化が可能となる。
さらに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂が塗液状態において高分子結晶として存在するディスバージョン型塗液は、塗布後の焼き付け加工により、押し出し成膜フィルムと同等の分子量を有するヒートシール可能な熱接着性樹脂層が得られるので、非常に薄い塗布膜からなる熱接着性樹脂層を形成することができる。非常に薄い高分子膜からなる熱接着性樹脂層を形成することができるために、内容物に含まれる薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着を低減、包装材料のコスト低減、軽量化が可能で、環境対応にも優れる。また、塗布直後より安定した塗布膜からなる熱接着性樹脂層が得られるために、反応型ヒートシールラッカーのようなエージング工程を必要
とせず、塗布初期から安定したシール強度が得られる。さらに、熱接着性樹脂層の凝集力が高いために、溶剤系エマルジョン型のヒートシールラッカーと比較して内容物による熱接着性樹脂層の劣化、ベタ付きなどを回避でき、安定したシール強度や内容物が包装材料内面に付着することなく取り出し適性に優れる。
とせず、塗布初期から安定したシール強度が得られる。さらに、熱接着性樹脂層の凝集力が高いために、溶剤系エマルジョン型のヒートシールラッカーと比較して内容物による熱接着性樹脂層の劣化、ベタ付きなどを回避でき、安定したシール強度や内容物が包装材料内面に付着することなく取り出し適性に優れる。
以下、本発明の一実施例としての低吸着性積層包装材料及びその包装材料用いた袋状の包装体について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の積層包装材料の一例を示す断面図である。図2は、本発明の積層包装材料の他の例を示す断面図である。図3は、本発明の低吸着性積層包装材料を用いた包装体の一例として、ピロー製袋による包装袋を示す平面図である。図4は、図3に示したピロー包装袋の斜視図である。
本発明の低吸着性積層包装材料の一例として、図1に示すように、低吸着性積層包装材料Aは、透明プラスチック材料からなるフィルム基材1の上に3官能オルガノシラン及びアクリルポリオール、イソシアネート化合物等の複合物よりなる透明プライマー層2、無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4が順次積層されている透明ガスバリアフィルム5のガスバリア性被膜層6上にヒートシール可能な熱接着性樹脂層6を塗布により形成して積層した構成の積層包装材料である。この場合、ガスバリア性被膜層6は、要求品質により設けなくても構わない。
また、本発明の低吸着性積層包装材料の他の例として、図2に示すように、吸着性積層包装材料Bは、透明プラスチック材料からなるフィルム基材1の上に3官能オルガノシラン及びアクリルポリオール、イソシアネート化合物等の複合物よりなる透明プライマー層2、無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4が順次積層されている透明ガスバリアフィルム5の透明プラスチック材料からなるフィルム基材1状に、接着剤層8を介して、別の基材7を積層した構成の積層包装材料である。この場合、ガスバリア性被膜層6は、要求品質により設けなくても構わない。
本発明で用いられる透明ガスバリアフィルム5に積層される基材7としては、特に限定されず、例えば紙あるいはプラスチックフイルムが使用でき、前記プラスチックフイルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフイルム、ポリプロピレン等のポリオレフィンフイルム、ポリスチレンフイルム、6−ナイロン等のポリアミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリアクリルニトリルフイルム、ポリイミドフイルム等が用いられ、機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフイルムが好ましく用いられる。
なお、基材7に必要に応じて適宜印刷層を設けることができる。印刷層としては、バルーンなどとして実用的に用いるために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の乾燥膜厚(固形分)は0.1〜2.0μmで良い。
以下に、本発明で用いられる透明ガスバリアフィルム5について詳細に説明する。
本発明で用いられる透明ガスバリアフィルム5の透明プラスチック材料からなるフィルム基材1としては、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。またこの基材1の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
透明プラスチック材料からなるフィルム基材1の厚さは、とくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、透明プライマー層4及び無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
本発明の透明プライマー層2は、透明プラスチック材料からなるフィルム基材1上に設けられ、基材1と無機酸化物からなる蒸着薄膜層3との間の密着性を高め、デラミネーション発生等を防止することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、本発明においては上記目的達成のためにプライマー樹脂として用いることができるのは、3官能オルガノシランあるいはその加水分解物と、アクリルポリオール及びイソシアネート化合物等との複合物であることを見い出した。
更に、透明プライマー層2を構成する複合物について詳細に説明する。前記3官能オルガノシランは、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランなど一般式R’Si(OR)3(R’はアルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基等、Rはアルキル基等)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。なかでもR’中にエポキシ基が含まれているグリシドオキシトリメトキシシランやエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が特に好ましい。加水分解物を得る方法は、3官能オルガノシランに直接酸やアルカリ等を添加して加水分解を行う方法など既知の方法で得ることができる。
また、アクリルポリオールとは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物、もしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物のうち、末端にヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
アクリルポリオールと3官能オルガノシランの配合比は、重量比で1/1から100/
1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から50/1の範囲にあることである。溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および任意に配合されたものを用いることができる。しかし、3官能オルガノシラン等を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることがより好ましい。
1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から50/1の範囲にあることである。溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および任意に配合されたものを用いることができる。しかし、3官能オルガノシラン等を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることがより好ましい。
また、3官能オルガノシランとアクリルポリオールの配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加しても一向に構わない。添加される触媒としては、反応性および重合安定性の点から塩化錫(SnCl2、SnCl4)、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2Cl2)、錫アルコキシド等の錫化合物であることが好ましい。これらの触媒は、配合時に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加しても良い。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、3官能オルガノシランに対してモル比で1/10〜1/10000の範囲が好ましく、更に望ましくは1/100〜1/2000の範囲であることがより好ましい。
さらに、混入するイソシアネート化合物とは、アクリルポリオールと反応してできるウレタン結合により基材1や無機酸化物からなる蒸着薄膜層3との密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられ、これらが単独かまたは混合物等として用いられる。
アクリルポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。そこでアクリルポリオールとインソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
さらに上記複合物に調液時に液安定性を向上させるために、金属アルコキシドまたはその加水分解物を加えても一向に構わない。この金属アルコキシドとはテトラエトキシシラン〔Si(OC4H5)4〕、トリプロポキシアルミニウム〔Al(OC3H7)3〕など一般式M(OR)n(MはSi,Al,Ti,Zr等の金属、RはCH3,C2H5等のアルキル基)で表せるもの、あるいはその加水分解物である。これらの中でもテトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウムあるいは両者の混合物が、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。この金属アルコキシドの加水分解物を得る方法は前記3官能オルガノシランとともに加水分解を行っても良いし、また金属アルコキシドの加水分解物を加えることも可能である。
3官能オルガノシランと金属アルコキシドの配合比は、液安定性の点からモル比で10:1から1:10の範囲であることが望ましい。好ましくは両者が等モルで配合されることが望ましい。
複合物の被膜は、このような3官能オルガノシランをあらかじめ加水分解反応させたもの、または3官能オルガノシランを金属アルコキシドとともに加水分解反応させたもの(
このとき上述した反応触媒を用いても構わない)を、アクリルポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを溶媒中あらかじめ混合しておき(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)加水分解反応を行ったもの、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを混合しただけのもの(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合溶液を作製したものを基材1にコーティングして形成する。
このとき上述した反応触媒を用いても構わない)を、アクリルポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを溶媒中あらかじめ混合しておき(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)加水分解反応を行ったもの、または3官能オルガノシラン、アクリルポリオールを混合しただけのもの(このとき上述した反応触媒、金属アルコキシドを加えても構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合溶液を作製したものを基材1にコーティングして形成する。
この複合物に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加することも可能である。
透明プライマー層2の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく、密着性が低下する場合がある。また厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
透明プライマー層2の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。
また、本発明で用いられる透明ガスバリアフィルムの無機酸化物からなる蒸着薄膜層5を構成する蒸着材料としては、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物を挙げることができる。
このような無機酸化物からなる蒸着薄膜層5に好ましく使用される金属酸化物は、Al、Si、Mg、Zr、Ti、Sn、In、Zn、Sbから選ばれる1種、あるいは2種以上であることが好ましく、具体的には、ケイ素酸化物、炭化ケイ素酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化チタン(例えば、二酸化チタン、三酸化チタン、もしくは一酸化チタン)、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム(例えば、一酸化ジルコニウム)等を挙げることができるが、特に製造の安定性、安全性やコストの観点からケイ素酸化物および/または炭化ケイ素酸化物がより好ましく用いられる。
本発明における上記無機酸化物からなる蒸着薄膜層3の膜厚としては、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。蒸着薄膜層5の厚さは、好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層3を透明プライマー層2上に形成する方法としては種々
在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
本発明において用いられるガスバリア性被膜層4は、要求品質によりアルミニウム箔並の高いガスバリア性を付与するために無機酸化物からなる蒸着薄膜層4上に設けられるものである。
上記ガスバリア性被膜層4は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層3にコーティング、加熱乾燥し形成される。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
また、塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
更に、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などの一般式M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の
厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μmを越えると膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
本発明で用いられるヒートシール可能な熱接着性樹脂層6は、袋状などの包装体を形成する際の接着層として設けられるものである。ヒートシール可能な熱接着性樹脂としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂が用いられ、ディスパージョン塗液として透明ガスバリアフィルム5上に塗布して形成される。
本発明におけるヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂を用いることで、透明ガスバリアフィルムに設けられた酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層面への熱接着性樹脂層の酸性基の結合による密着性を改善し、内容物耐性が向上する。
そして、透明ガスバリアフィルムに設けられた酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等の無機酸化物の蒸着薄膜層表面に、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層を全面塗布することで、内容物による無機酸化物の蒸着薄膜層の劣化に伴うガスバリア性の劣化を回避できる。また、無機酸化物の蒸着薄膜層表面に、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層を全面塗布することで、製袋などの加工適性が向上する。
また、本発明において用いられるヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂を用いることで、衛生面で優れていることから食品、非食品をとわず広い分野の低吸着性の包装材料として使用することができる。また、ヒートシール可能な熱接着性樹脂層として、エチレン−ポリプロピレン共重合体を用いることで、塗布加工時の焼き付け温度の低温化が可能であり、焼き付け温度による透明ガスバリアフィルムのダメージを防止でき、ヒートシール時の低温化が可能となる。
さらに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とするポリプロピレン樹脂が塗液状態において高分子結晶として存在するディスバージョン型塗液は、塗布後の焼き付け加工により、押し出し成膜フィルムと同等の分子量を有するヒートシール可能な熱接着性樹脂層が得られるので、非常に薄い塗布膜からなる熱接着性樹脂層を形成することができる。非常に薄い高分子膜からなる熱接着性樹脂層を形成することができるために、内容物に含まれる薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着を低減、包装材料のコスト低減、軽量化が可能で、環境対応にも優れる。また、塗布直後より安定した塗布膜からなる熱接着性樹脂層が得られるために、反応型ヒートシールラッカーのようなエージング工程を必要とせず、塗布初期から安定したシール強度が得られる。さらに、熱接着性樹脂層の凝集力が高いために、溶剤系エマルジョン型のヒートシールラッカーと比較して内容物による熱接着性樹脂層の劣化、ベタ付きなどを回避でき、安定したシール強度や内容物が包装材料内面に付着することなく取り出し適性に優れる。
本発明において用いられる基材7と透明ガスバリアフィルム5の透明プラスチック材料からなるフィルム基材1とを積層する接着剤層8を構成する接着剤としては、例えばドライラミネ−トする際の接着剤層を構成する接着剤としては、具体的には、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、その他等を使用することができる。一般的には、水酸基を持った主剤とイソシアネート基を持った硬化剤とを混合した二液混合型接着剤が主に使用され、塗布方法としてはグラビアコート法、ロールコート法などで塗布する。接着剤の塗
布量は1〜5g/m2(乾燥状態)である。
布量は1〜5g/m2(乾燥状態)である。
上記で得られる本発明の低吸着性積層包装材料を用いて、低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として成形して、例えば、製袋する時の形態は、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋など種々ある。
例えば、図5に示すように、本発明の低吸着性積層包装材料より三方シール袋を形成するには、例えば、公知のダイロール方式の自動充填包装機13を用い、積層包装材料の内層側を上側に、基材が下側となるように積層包装材料14をガイドロール15に供給し、リード16により積層包装材料14を二つ折りし、この二つ折りした積層包装材料間に充填機(図示せず)で内容物を充填し、縦シールロール17で二つ折りした積層包装材料の左端の縦方向をヒートシールする。
次いで、横シール19した後、内容物を一定量充填されたら横シールロール18で横方向にヒートシールし、前記横方向のヒートシール部19をナイフ20でカッティングし、内容物が充填された三方シール袋21を製造する。四方シール型のダイロール方式の自動充填包装機を用いれば四方シール袋が得られる。
本発明にかかる低吸着性積層包装材料を使用してピロ−包装用袋を製造する方法において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。その袋体の合掌貼りシ−ル型、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、舟底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態をあげることができ、これに合った種々の形態のピロ−包装用袋を製造することができる。
例えば、図3に、本発明の低吸着性積層包装材料を用いた包装体として、ピロー包装袋の一例を示す。このピロー包装袋は、縦70mm、横60mmの大きさで、シール幅が5mmの上端シール部10および下端シール部11、シール幅7mmの背貼りシール部12を形成して製袋した構成からなるピロー包装袋9である。図4に、その概略斜視図を示した。
また、本発明の低吸着性積層包装材料を用いて、低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として蓋材を構成し、低吸着性の各種蓋材として用いられる。
以下に、本発明の低吸着性積層包装材料の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
まず、基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、透明プライマー層として下記複合溶液を調整して得られる複合溶液をグラビアコート法により厚さ0.2μm形成した。次いで、透明プライマー層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成した。更にその上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmのガスバリア性被膜層を形成し、本発明における透明ガスバリアフィルムを得た。
まず、基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、透明プライマー層として下記複合溶液を調整して得られる複合溶液をグラビアコート法により厚さ0.2μm形成した。次いで、透明プライマー層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成した。更にその上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmのガスバリア性被膜層を形成し、本発明における透明ガスバリアフィルムを得た。
[複合溶液の調整]
希釈溶媒中、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMSと略す)とアクリルポリオールをEETMSに対し、5.0倍量(重量比)とり混合し、さらに触媒として塩化錫(SnCl2)/メタノール溶液(0.003mol/gに調液したもの)をEETMSに対し1/135molになるように添加し攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIと略す)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを複合溶液とする。
希釈溶媒中、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMSと略す)とアクリルポリオールをEETMSに対し、5.0倍量(重量比)とり混合し、さらに触媒として塩化錫(SnCl2)/メタノール溶液(0.003mol/gに調液したもの)をEETMSに対し1/135molになるように添加し攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIと略す)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを複合溶液とする。
[コーティング剤の組成]
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
(1)液と(2)液を配合比(wt%/wt%)で60/40に混合したもの。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
(1)液と(2)液を配合比(wt%/wt%)で60/40に混合したもの。
一方、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性共重合ポリプロピレン樹脂を主成分とするディスパージョン塗液[三井化学(株)製、R―300]を、上記で得られた透明ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層全面に、塗布量(乾燥固形分量)2.0g/m2となるように塗布してヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を形成して、本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
〈実施例2〉
実施例1において、ガスバリア性被膜層を設けない透明ガスバリアフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
実施例1において、ガスバリア性被膜層を設けない透明ガスバリアフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
〈実施例3〉
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂を主成分するディスパージョン塗液[三井化学(株)製、R―200]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂を主成分するディスパージョン塗液[三井化学(株)製、R―200]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
〈比較例1〉
実施例1において、塗布量(乾燥固形分量)6.0g/m2となるように塗布してヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を形成して、本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性と比較評価するサンプルを作成した。
実施例1において、塗布量(乾燥固形分量)6.0g/m2となるように塗布してヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を形成して、本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性と比較評価するサンプルを作成した。
〈比較例2〉
実施例1において、塗布量(乾燥固形分量)2.0g/m2となるようにパターン状に塗布してヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を形成して、本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性と比較評価するサンプルを作成した。
実施例1において、塗布量(乾燥固形分量)2.0g/m2となるようにパターン状に塗布してヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を形成して、本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性と比較評価するサンプルを作成した。
〈比較例3〉
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂としてポリエステル溶剤系ヒートシールラッカー[大日本インキ化学工業(株)製、A904]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂としてポリエステル溶剤系ヒートシールラッカー[大日本インキ化学工業(株)製、A904]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
〈比較例4〉
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂としてアイオノマー(IO)水系エマルジョン[三井化学(株)製、N75B]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
実施例1において、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂としてアイオノマー(IO)水系エマルジョン[三井化学(株)製、N75B]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明における低吸着性積層包装材料の基本特性を評価する評価サンプルを作成した。
実施例1〜3および比較例1〜4で得られた各種積層包装材料を横ピロー製袋機[(株)フジキカイ社製、「αWRAPPER FW3400」]を用いて、下記製袋加工条件にて、内容物として入浴製剤(香料としてリモネン含有、粉末状)20gを充填した縦70mm、横60mmの大きさで、シール幅が5mmの上端シール部10および下端シール部11、シール幅7mmの背貼りシール部12を形成して製袋した構成からなるピロー包装袋を作成した。
[製袋加工条件]
・シールバー設定温度180℃
・加工スピード50ショット/min
上記で得られた内容物を充填したピロー包装袋を各々40℃、1ヶ月保存後、下記の評価方法に基づき水蒸気透過度、製袋適性、内容物取り出し適性、リモネン吸着量、シール強度について評価した。その結果を表1に示す。
・シールバー設定温度180℃
・加工スピード50ショット/min
上記で得られた内容物を充填したピロー包装袋を各々40℃、1ヶ月保存後、下記の評価方法に基づき水蒸気透過度、製袋適性、内容物取り出し適性、リモネン吸着量、シール強度について評価した。その結果を表1に示す。
<水蒸気透過度>
MOCON法にて40℃−90%RHでの水蒸気透過度を測定した。
MOCON法にて40℃−90%RHでの水蒸気透過度を測定した。
<製袋適性>
製袋加工時の適性を評価して、適性ありを○印、適性なしを×印で表した。
製袋加工時の適性を評価して、適性ありを○印、適性なしを×印で表した。
<内容物取り出し適性>
開封後、内容物を振り出し、製剤のシーラント熱可塑性樹脂シーラントへの付着の有無を確認して評価した。付着が認められないものは○印、付着が認められたものは×印で表した。
開封後、内容物を振り出し、製剤のシーラント熱可塑性樹脂シーラントへの付着の有無を確認して評価した。付着が認められないものは○印、付着が認められたものは×印で表した。
<リモネン吸着量>
積層包装材料を10×10mmの大きさ切断してサンプリングし、純水で2回洗浄した後、水分を拭き取って20mlバイアル瓶に封入し、ここにSPMEファイバーを差し込み80℃、30min加熱し、揮発成分を捕集して、GC/MS測定器にてリモネン吸着量を分析した。比較例4におけるリモネン吸着ピーク面積を1として、他の実施例におけるリモネン吸着ピーク面積との比を求めた吸着量比で評価した。
積層包装材料を10×10mmの大きさ切断してサンプリングし、純水で2回洗浄した後、水分を拭き取って20mlバイアル瓶に封入し、ここにSPMEファイバーを差し込み80℃、30min加熱し、揮発成分を捕集して、GC/MS測定器にてリモネン吸着量を分析した。比較例4におけるリモネン吸着ピーク面積を1として、他の実施例におけるリモネン吸着ピーク面積との比を求めた吸着量比で評価した。
<シール強度>
保存前後で、JIS−Z1707に準拠した方法で90度剥離で測定した。
保存前後で、JIS−Z1707に準拠した方法で90度剥離で測定した。
可能な熱可塑性樹脂層との層間の密着性を向上改善したことでラミネーションの発生もない。以上のことから、本発明の低吸着性積層包装材料は、薬効成分や香気成分等の包装材料への低吸着性を有することで、薬効成分や香気成分等が包装材料へ吸着し、薬効成分や香気成分が経時的に減少することを防止することが可能であることを示すものである。
したがって、本発明の低吸着積層包装材料を用いた袋状などの包装体および蓋材は、薬効成分や香気成分等を含有する食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等を包装する包装分野において好適に用いられる。
食品、飲料、トイレタリー用品、医薬品等の内容物に含有される薬効成分や香気成分等の包装材料へ吸着し、薬効成分が経時的に減少することを防止する低吸着性積層包装材料およびその包装材料を用いた低吸着性の袋状などの包装体または蓋材として好適に利用できる。
A、B・・・低吸着性積層包装材料
1・・・透明プラスチック材料からなるフィルム基材層
2・・・プライマー層
3・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
4・・・ガスバリア性被覆層
5・・・透明ガスバリアフィルム
6・・・ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層
7・・・基材層
8・・・接着剤層
9・・・ピロー包装袋
10・・・上端シール
11・・・部下端シール部
12・・・背貼りシール部
13・・・ダイロール方式の自動充填包装機の要部
14・・・積層材料
15・・・ロール
16・・・リード
17・・・縦シール金属ロール
18・・・横シール金属ロール
19・・・シール部
20・・・ナイフ
21・・・3方シール袋
1・・・透明プラスチック材料からなるフィルム基材層
2・・・プライマー層
3・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
4・・・ガスバリア性被覆層
5・・・透明ガスバリアフィルム
6・・・ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層
7・・・基材層
8・・・接着剤層
9・・・ピロー包装袋
10・・・上端シール
11・・・部下端シール部
12・・・背貼りシール部
13・・・ダイロール方式の自動充填包装機の要部
14・・・積層材料
15・・・ロール
16・・・リード
17・・・縦シール金属ロール
18・・・横シール金属ロール
19・・・シール部
20・・・ナイフ
21・・・3方シール袋
Claims (18)
- 透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層もしくはガスバリア性被膜層上に、少なくとも、塗布によりヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料。
- 請求項1記載の低吸着性積層包装材料を構成する透明プラスチックからなるフィルム基材上に、さらに別の基材を積層してなることを特徴とする低吸着性積層包装材料。
- 前記透明ガスバリアフィルムが、透明プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、一般式R’Si(OR)3(R’:アルキル基、ビニル基、グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル基など)で表せる3官能オルガノシランあるいは前記オルガノシランの加水分解物と、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなる透明プライマー層、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる蒸着薄膜層を順次積層したことを特徴とする請求項1または2記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、物理的蒸着法(PVD法)および化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着法により得られ、Al、Si、Mg、Sn、Zr、Ti、In、Zn、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種類の金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層の塗布量が、乾燥状態で、0.5〜5.0g/m2の範囲であることを特徴とする請求項5記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記3官能オルガノシランを構成するR’にエポキシ基が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項8記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2H5などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
かに記載の低吸着性積層包装材料。 - 前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記透明ガスバリアフィルムに設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層上に、さらにガスバリア性被膜層を積層した構成を有し、前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項14記載の低吸着性積層包装材料。
- 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項14または15記載の低吸着性積層包装材料。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として成形してなることを特徴とする包装体。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の低吸着性積層包装材料に積層されたヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を最内層として構成してなることを特徴とする蓋材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003421592A JP2005178149A (ja) | 2003-12-18 | 2003-12-18 | 低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた包装体並びに蓋材 |
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JP2003421592A JP2005178149A (ja) | 2003-12-18 | 2003-12-18 | 低吸着性積層包装材料及びその包装材料を用いた包装体並びに蓋材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014046984A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Toppan Printing Co Ltd | 蓋材 |
EP2740594A4 (en) * | 2011-08-04 | 2015-03-18 | Mitsubishi Plastics Inc | GAS BARRIER LAMINATE |
CN108081713A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-05-29 | 厦门菲尔牡真空技术有限公司 | 一种低热桥效应阻隔膜及采用该阻隔膜的真空绝热板 |
JP2022128849A (ja) * | 2021-02-24 | 2022-09-05 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリア性積層体およびそれを用いた包装体 |
-
2003
- 2003-12-18 JP JP2003421592A patent/JP2005178149A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2740594A4 (en) * | 2011-08-04 | 2015-03-18 | Mitsubishi Plastics Inc | GAS BARRIER LAMINATE |
US9199436B2 (en) | 2011-08-04 | 2015-12-01 | Mitsubishi Plastics, Inc. | Gas-barrier laminate |
JP2014046984A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Toppan Printing Co Ltd | 蓋材 |
CN108081713A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-05-29 | 厦门菲尔牡真空技术有限公司 | 一种低热桥效应阻隔膜及采用该阻隔膜的真空绝热板 |
JP2022128849A (ja) * | 2021-02-24 | 2022-09-05 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリア性積層体およびそれを用いた包装体 |
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