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JP2005176758A - 光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の製法 - Google Patents

光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の製法 Download PDF

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JP2005176758A
JP2005176758A JP2003424517A JP2003424517A JP2005176758A JP 2005176758 A JP2005176758 A JP 2005176758A JP 2003424517 A JP2003424517 A JP 2003424517A JP 2003424517 A JP2003424517 A JP 2003424517A JP 2005176758 A JP2005176758 A JP 2005176758A
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JP2003424517A
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Takuji Kakiue
卓司 垣上
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Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Abstract

【課題】
光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(II)又は(III)を短工程で経済的に合成でき、その工業的製造を可能ならしめる方法を提供する。
【解決手段】
以下の式
【化1】
Figure 2005176758

(式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基を意味し、R2は水素或いは置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。)
で表される、ラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、加水分解酵素を用いて加水分解、エステル化、或いはエステル交換することによって光学分割し、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を製造する方法からなる。加水分解酵素としては、好ましくは、リパーゼが用いられる。

Description

本発明は、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の製法、即ち、ラセミ体から光学活性体の分離方法に関する。
本発明方法の目的化合物である光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体は、式、
Figure 2005176758
(式中、R1 は水素、塩素原子、フッ素原子、またはC1-6アルキル基を意味し、 R4は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。)
にて示される化合物である。
この式(V)又は(VI)にて示される化合物自体は公知であり、特に下記の式(IX)にて示される、強いアルドースリダクターゼ阻害活性を有し、光学活性を有する6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(特開平1−93588)合成の中間体として重要である。式(IX)の化合物は、難治性疾患である糖尿病合併症の治療に対する有効成分として非常に有望な化合物である。
Figure 2005176758
本発明による生成物である光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)又は(VI)から、光学活性を有し且つ薬理活性を有する6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(IX)を製造するには、特開平1−93588に記載されているように、シアン化ナトリウム存在下に化合物(V)又は(VI)(式中、R1はフッ素原子を意味する)を加熱する、いわゆるビュッヘラー(Bucherer)合成を利用してヒダントイン環を形成した後に、2位のカルボン酸あるいはエステルをアミド化すれば良い。
前記式(V)又は(VI)にて示される化合物については、本出願人が特開昭63−250373において開示しており、以下の反応式(化3)にて製造される。この方法は、その反応過程において、生成するラセミ体の4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(IV)を活性化させた後に、(S)−(−)−1−メチルベンジルアミンと反応させて(S)−(−)−1−メチルベンジルアミドのジアステレオマー混合物に誘導し、分別再結晶して目的とする(+)−体アミドを得、さらに酸性加水分解して(+)−カルボン酸誘導体を得るものであり、カルボン酸の活性化工程、アミド化工程、分別再結晶工程、及び酸性加水分解工程を含み、工程数が多く工業的に不利である。
Figure 2005176758
(上記諸式中においてR1は前記の意味を有する)
前記式(V)又は(VI)にて示される化合物はまた、本出願人が特開平1−221374に開示している下記反応式(化4)においても製造される。この方法は、フェノキシフマル酸誘導体を酸の存在下閉環して4−オキソクロメン−2−カルボン酸誘導体とした後、BINAPに代表される光学活性ホスフィンなどの不斉配位子とロジウムなどの金属とで錯体を形成させた触媒を用いた不斉水素添加反応で目的とする化合物(V)を合成するか、いったん、4−オキソクロメン−2−カルボン酸誘導体と光学活性なアミン或いはアルコールと反応させて光学活性なアミド或いはエステルとした後、パラジウム、白金、又はそれらを活性炭素上に吸着させたもの、或いはラネーニッケルなどの触媒を用いて、水素添加反応を行って、不斉水素添加した後、酸性加水分解に付して目的とする化合物(V)を得るものである。しかしながら、光学活性ホスフィンなどの不斉配位子は高価であり、且つ加圧条件下での水素ガスの使用という特殊な装置を必要とする。また、光学活性アミドやエステルに導いた後不斉水素添加反応をするとしても、加圧条件下での水素ガスの使用という制限に加えて、高価なアミンやアルコールを使用し、さらに工程数が多くなることによって、経済的に不利である。
Figure 2005176758
(上記諸式中において、R1、R4は前記の意味を有し、AはNH又は酸素原子を意味し、R6はフェニル基、置換フェニル基又はナフチル基を意味し、R7はアルキル基又はフェニル基を意味する。ただしR6とR7とが同時に同じ基を意味しない)
本出願人はさらに、特開平4−198178においても、下記反応式(化5)にて示される、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を合成する方法を開示している。この方法は、ラセミカルボン酸誘導体を光学活性2級アミンと塩を形成させ、分別再結晶した後、カルボン酸誘導体を単離して、目的の化合物を得るものである。
Figure 2005176758
(式中、R1は前記の意味を有し、R8はフェニル基、置換フェニル基又はナフチル基を意味し、R9は水素、アルキル基又はフェニル基を意味し、R10はアルキル基、フェニル基又はナフチル基を意味し、R8及びR9が同時に同じ基を意味しない。)
一方、リパーゼやプロテアーゼに代表される加水分解酵素を利用して、加水分解、エステル化、アミド化等を行って光学活性体を合成する方法は良く知られている(日本化学会編、実験化学講座第4版27巻”生物有機”、丸善(1991)等、成書、論文多数)。反応溶媒も水に限らず種々の有機溶媒が使用でき、水中での加水分解、有機溶媒中でのエステル化、あるいはエステル交換反応が知られている。また、反応に使用される加水分解酵素は市販されており、例えば天野エンザイム、シグマなどから容易に入手可能である。しかしながら、加水分解酵素を用いた光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を製造する方法は知られていない。
特開昭63−250373 特開平1−221374 特開平4−198178 日本化学会編、実験化学講座第4版27巻"生物有機"、丸善(1991)
本発明は、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)又は(VI)を短工程で経済的に合成でき、その工業的製造を可能ならしめる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、加水分解酵素を用いた、有機溶媒中でのエステル化、水或いは含水有機溶媒中での加水分解、または有機溶媒中でのエステル交換を行うことによって、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)又は(VI)を分離・合成する方法を開発し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、またはC1-6アルキル基を意味する。R2は水素、置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。)
で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体を、加水分解酵素で処理することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を有し、R3は水素、置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味し、R2とR3は同時に水素ではない。また、式(II)と式(III)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸又は/及びその誘導体の混合物となし、この混合物から光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又は誘導体に分離する方法である。
この方法には、いくつかの実施態様があり、まず1つ目は、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基を意味する。)
で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸を、低級アルコールR4-OHの存在下に加水分解酵素を用いてエステル化することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1は前記と同じ意味を有し、R4は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸及びその誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する方法である。
2つめの態様は、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、加水分解酵素を用いて加水分解することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸及びその誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する方法である。
3つ目は、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、低級アルコールR5-OHの存在下に加水分解酵素を用いてエステル交換することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有し、R5 は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、R4およびR5は同時に同じ意味を有さず、式(V)と式(VIII)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する方法である。
尚、いずれの実施態様においても、加水分解酵素としては、好ましくはリパーゼを使用する。
本発明は、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)又は(VI)を短工程で経済的に合成でき、その工業的製造を可能とする。
本発明による、光学活性を有する4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の製造法を以下に詳細に説明する。まず、一つ目の態様は、一般式、
Figure 2005176758
(式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基を意味する。)
で表されるラセミカルボン酸を、R4-OHで表される低級アルコール中、あるいは低級アルコールを含有する有機溶媒中、加水分解酵素を加えて室温〜50℃の範囲で、好ましくは35〜45℃の範囲でエステル化することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1は前記と同じ意味を有し、R4は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)および(VI)の混合物が得られる。ここで用いられる低級アルコールとしては、C1-6の低級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、クロロエチルアルコールなどの低級アルコールを例示できる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン等を例示できる。なお、溶媒は水を含有していても良い。反応は均一系或いは、含水溶媒と非含水溶媒との二相系で行われる。含水溶媒中には酢酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの無機塩類を溶解しても良い。また、加水分解酵素は、カルボン酸に対して0.1〜100倍量、好ましくは0.2〜10倍量を用い、反応は5〜100時間、好ましくは10〜72時間行う。得られる混合物は、結晶化、抽出、シリカゲルカラムなどにより、エステルとカルボン酸とに分離することができる。
次に、二つ目の態様であるが、一般式、
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
で表される、ラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、水、あるいは水を含有した有機溶媒中、加水分解酵素を加えて室温〜50℃の範囲で加水分解することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)および(VI)の混合物が得られる。ここで用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン等を例示できる。反応は均一系或いは、水相と有機溶媒相との二相系で行われる。なお、溶媒中には酢酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの無機塩類を溶解しても良い。加水分解酵素は、カルボン酸に対して0.1〜100倍量、好ましくは0.2〜10倍量を用い、反応は5〜100時間、好ましくは10〜72時間行う。得られる混合物は、結晶化、抽出、シリカゲルカラムなどにより、エステルとカルボン酸とに分離することができる。
更に、3つ目の態様であるが、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
で表される、ラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、R5-OHで表される低級アルコール中、あるいは低級アルコールを含有する有機溶媒中、加水分解酵素を加えて室温〜50℃の範囲でエステル交換することにより、一般式
Figure 2005176758
(式中、R1、R4は前記と同じ意味を有し、R5は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、R4およびR5は同時に同じ意味を有さず、式(V)と式(VIII)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
で表される、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体(V)および(VIII)の混合物が得られる。ここで用いられる低級アルコールとしては、C1-6の低級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、クロロエチルアルコールなどの低級アルコールを例示できる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン等を例示できる。なお、溶媒は水を含有していても良い。反応は均一系或いは、含水溶媒と非含水溶媒との二相系で行われる。含水溶媒中には酢酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの無機塩類を溶解しても良い。加水分解酵素は、カルボン酸に対して0.1〜100倍量、好ましくは0.2〜10倍量を用い、反応は5〜100時間、好ましくは10〜72時間行う。得られる混合物は、結晶化、抽出、シリカゲルカラムなどにより、分離することができる。
加水分解酵素としては、エステラーゼ、リパーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、キモトリプシン、トリプシン、パパイン等が例示できる。本発明化合物を合成する為には、リパーゼが好ましい。さらに、リパーゼとしては動物の肝臓や膵臓由来のもの、或いは、アスペルギルス(Aspergillus)類、カンジダ(Candida)類、シュードモナス(Pseudomonas)類、ストレプトマイセス(Streptomyces)類などの菌類由来リパーゼが入手できるが、本発明化合物を合成する為には、菌類由来のリパーゼが好ましい。これら加水分解酵素は天野エンザイム、シグマなどから入手することができる。加水分解酵素はそのまま反応系に添加して使用することも出来るが、セライト等に吸着、あるいはポリアクリルアミド等の樹脂類に包括させるなどして固定化した酵素を用いても良い。また、モレキュラーシーブスなどの脱水剤を共存させても良い。
以下に実施例および参考例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、反応に供給されるラセミ体の4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体は、特開昭63−250373に記載の方法で合成した。また、カルボン酸及びエステルの光学純度は、光学活性カラム(CHIRALPAK AD-H ダイセル化学工業(株)製)を用いたHPLCにて測定した。
(R,S)−6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸のエステル化(二相系での反応)
(R,S)−6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸(2.00g)を、8%含水メタノール(100ml)に塩化カルシウム(10.0g)を溶解したものとトルエン(100ml)との混合溶媒に溶解し、リパーゼAS「アマノ」(Aspergillus niger)(500mg)を加えて、35〜40℃にて35時間攪拌した。リパーゼをセライトを用いて濾去した後、トルエン層とメタノール層とを分離し、トルエン層は硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧濃縮して淡黄色シロップ状物として、6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸メチルエステルを0.66g(収率31%)得た。(S)体と(R)体の生成比は、(S)体:(R)体=1:15.1(87.6%e.e.)であった。一方、メタノール層は減圧濃縮した後2N塩酸を加えて結晶化し、生成した結晶を少量の冷水で洗浄した後減圧乾燥して、6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸を1.21g(収率60.5%)得た。(S)体と(R)体の生成比は、(S)体:(R)体=2.3: 1(39.4%e.e.)であった。
メチルエステル
MS(ESI)m/z;225(M+1)+
1H-NMR(CDCl3)δppm;3.06 (2H, m), 3.40(3H, s), 5.07 (1H, dd, J=5.5, 6.6Hz), 7.10 (1H, m), 7.25 (1H, m), 7.53 (1H, m)
カルボン酸
mp:178℃
MS(ESI)m/z;209(M-1)+
1H-NMR(DMSO-d6)δppm;2.99(1H, dd, J=17.1, 7.3Hz), 3.13(1H, dd, J=17.1, 5.3Hz), 5.35(1H, dd, J=7.3, 5.3Hz), 7.17 (1H, m), 7.42 (1H, m), 7.48 (1H, m).
(R,S)−6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸のエステル化(固定化リパーゼを用いた反応)
リパーゼM「アマノ」10(Mucor javanicus)(50mg)、pH7.0リン酸緩衝液25ml、ハイフロスーパーセル(6.0g)の混合物を減圧濃縮乾固させ、固定化リパーゼを調整した。(R,S)−6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸(500mg)をメタノール(7.5ml)に溶解し、先に調整した固定化リパーゼ(1.0g)を加え、35〜40℃にて48時間攪拌した。固定化リパーゼを濾去し、残渣を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム(展開溶媒:塩化メチレン:メタノール=10:0→4:1)にて、6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸メチルエステルを80.0mg(収率15%)、及び6−フルオロ−4−オキソクロマン−2−カルボン酸を410mg(収率82%)得た。エステルの(S)体と(R)体の生成比は(S)体:(R)体=1:4(60.0%e.e.)であり、カルボン酸の(S)体と(R)体の生成比は(S)体:(R)体=1.3:1(13.0%e.e.)であった。

Claims (6)

  1. 一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、またはC1-6アルキル基を意味する。R2は水素、置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。)
    で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体を、加水分解酵素で処理することにより、一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1、R2は前記と同じ意味を有し、R3は水素、置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味し、R2とR3は同時に水素ではない。また、式(II)と式(III)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
    で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸又は/及びその誘導体の混合物となし、この混合物から光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又は誘導体に分離する方法。
  2. 一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1は水素、塩素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基を意味する。)
    で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸を、低級アルコールR4-OHの存在下に加水分解酵素を用いてエステル化することにより、一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1は前記と同じ意味を有し、R4は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
    で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸及びその誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する、請求項1に記載の方法。
  3. 一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
    で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、加水分解酵素を用いて加水分解することにより、一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。ただし、式(V)と式(VI)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
    で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸及びその誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する、請求項1に記載の方法。
  4. 一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1、R4は前記と同じ意味を有する。)
    で表されるラセミ4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体を、低級アルコールR5-OHの存在下に加水分解酵素を用いてエステル交換することにより、一般式
    Figure 2005176758
    (式中、R1、R4は前記と同じ意味を有し、R5 は置換されていても良いC1-6アルキル基またはアルケニル基を意味する。ただし、R4およびR5は同時に同じ意味を有さず、式(V)と式(VIII)の絶対配置はそれぞれ逆の配置を有する。)
    で表される4−オキソクロマン−2−カルボン酸誘導体の混合物となし、この混合物から、光学活性4−オキソクロマン−2−カルボン酸又はその誘導体に分離する、請求項1に記載の方法。
  5. 加水分解酵素としてリパーゼを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. リパーゼとして、動物の肝臓又は膵臓由来のリパーゼ、アスペルギルス(Aspergillus)属由来リパーゼ、カンジダ(Candida)属由来リパーゼ、シュードモナス(Pseudomonas)属由来リパーゼ、ケカビ(Mucor)属由来リパーゼ、クモノスカビ(Rhizopus)属由来リパーゼ、ペニシリウム(Penicillium)属由来リパーゼ、Burkholderia属由来リパーゼ、Bacillus属由来リパーゼ、及び、ストレプトマイセス(Streptomyces)属由来リパーゼからなる群から選択されるリパーゼを用いる、請求項5に記載の方法。
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