JP2005169298A - 触媒体およびこれを用いた浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、光触媒担体として用いるハニカム構造体は、空隙率が80%以下と小さいため、ワンパスでの分解効率が大きくないという課題を有していた。
【解決手段】ゾルゲル法により作製される湿潤ゲルを乾燥させた多孔質の構造体3において、空隙率が80%以上で、かつ多孔質の構造体3を構成する骨格4の表面に光触媒作用を有する物質を含む触媒体とした。これによって、高い比表面積と大きな空隙率を有する触媒体を構成でき、ワンパスでの分解効率が大きな触媒体を提供できるようになる。
【選択図】図1
【解決手段】ゾルゲル法により作製される湿潤ゲルを乾燥させた多孔質の構造体3において、空隙率が80%以上で、かつ多孔質の構造体3を構成する骨格4の表面に光触媒作用を有する物質を含む触媒体とした。これによって、高い比表面積と大きな空隙率を有する触媒体を構成でき、ワンパスでの分解効率が大きな触媒体を提供できるようになる。
【選択図】図1
Description
本発明は、膨大な比表面積と空隙率とを有する多孔質構造体内に光触媒作用を有する物質を含ませた触媒体に関するものであり、また空気中の悪臭臭気や有害物質の分解除去、微生物の殺菌などができる浄化装置に関するものである。
従来、通常は粉末である光触媒をバインダにより、ハニカム構造体のような比表面積が大きな担体に担持した触媒体をフィルターとして用いていた(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平6−343875号公報
特開2003−53196号公報
しかしながら、担体として用いるハニカム構造体は、比表面積は大きいものの空隙率は大きなものでも80%程度であり、また比表面積が大きくなるにつれ、空隙率は小さくなるため、比表面積を大きくしてもワンパスでの分解効率がそれほど大きくならないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高い比表面積と大きな空隙率を有するワンパスでの分解効率が大きな触媒体を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、ゾルゲル法により作製される湿潤ゲルを乾燥させた多孔質構造体において、空隙率が80%以上で、かつ前記多孔質構造体を構成する骨格の表面に光触媒作用を有する物質を含む触媒体としたもので、高い比表面積と大きな空隙率を有する触媒体を実現できる。
本発明の触媒体は、高い比表面積と大きな空隙率を有するため、ワンパスでの分解効率が大きく、悪臭臭気や有害物質を素速く効率的に分解することができる。
第1の発明は、ゾルゲル法により作製される湿潤ゲルを乾燥させた多孔質構造体において、空隙率が80%以上で、かつ前記多孔質構造体を構成する骨格の表面に光触媒作用を有する物質を含む触媒体とするもので、高い比表面積と大きな空隙率を有するため、ワンパスでの分解効率が大きく、悪臭臭気や有害物質を素速く効率的に、分解することができる。
第2の発明は、骨格がシリカであり、かつ光触媒作用を有する物質に少なくともアナターゼ型の酸化チタンを含む請求項1記載の触媒体とするもので、骨格をシリカとすることで容易に空隙率80%以上の多孔質体を作製することができ、またゾルゲル法で作製したシリカは結晶構造が石英と同じであり紫外線を透過できるため、担持した光触媒を効率的に使用できる。したがって、アナターゼ型の酸化チタンを添加することで光活性が大きくなり、触媒体の性能が大きく向上する。
第3の発明は、第1または第2の発明に、物理吸着作用を有する吸着剤を含む触媒体としたもので、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、アルミナ、セピオライト等の物理吸着作用を有する吸着剤を加えることで、高い吸着能力を有し、さらに光触媒による再生、つまり吸着剤へ吸着した臭気物質等の分解も可能な触媒体とすることができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の多孔質構造体は、湿潤ゲルを超臨界乾燥により乾燥させたエアロゲルである触媒体とするもので、容易に単位体積あたりの比表面積が大きく、かつ空隙率が80%〜99%程度の多孔質構造を有する触媒体を作製することができ、ワンパスでの分解効率が大きく、悪臭臭気や有害物質を素速く効率的に分解することができる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明の多孔質構造体は、少なくとも骨格の表面の一部を疎水化した後、湿潤ゲルを乾燥させたキセロゲルである触媒体とするものであり、容易にかつ安価に単位体積あたりの比表面積が大きく、かつ空隙率が80%〜99%程度の多孔質構造を有する触媒体を作製することができ、ワンパスでの分解効率が大きく、悪臭や有害物質を素速く効率的に分解することができる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明の触媒体と、前記触媒体に少なくとも紫外線を含む光を照射する照射手段と、送風手段とを備えた浄化装置とするもので、室内空間の悪臭臭気、有害物質などを酸化分解により迅速に浄化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(a)は本実施の形態の触媒体Aの模式図であり、図1(b)は同、触媒体Aの一部分を拡大した模式図である。1の触媒体Aは、光触媒2が構造体3に担持されている構造をとる。すなわち、光触媒2は構造体3を構成する骨格4にアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されている。このとき、バインダを添加しても良い。触媒体1の大きさは特に限定されるものではないが、取扱い性を考慮すると平均径が0.5mm〜10mm程度が望ましい。また、形状も球状に限定されることはない。さらに、光触媒2の形状は、図1のように球状に限定されるものではなく、構造体3を構成する骨格4(以下、本実施の形態では骨格4と称す)の表面に薄膜で担持してもよい。
図1(a)は本実施の形態の触媒体Aの模式図であり、図1(b)は同、触媒体Aの一部分を拡大した模式図である。1の触媒体Aは、光触媒2が構造体3に担持されている構造をとる。すなわち、光触媒2は構造体3を構成する骨格4にアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されている。このとき、バインダを添加しても良い。触媒体1の大きさは特に限定されるものではないが、取扱い性を考慮すると平均径が0.5mm〜10mm程度が望ましい。また、形状も球状に限定されることはない。さらに、光触媒2の形状は、図1のように球状に限定されるものではなく、構造体3を構成する骨格4(以下、本実施の形態では骨格4と称す)の表面に薄膜で担持してもよい。
構造体3は、骨格4からなり、骨格4同士間の骨格間距離5は気体分子の平均径以上のものが存在する。そして、これら骨格の隙間が多数の孔を形成し、触媒体1は多孔質構造となっている。このとき、触媒体1の見かけの体積に占める空間の割合を空隙率とする、その値は80%以上であることが望ましく、骨格4を細くすることで空隙率を大きすると比表面積も大きくなるため、ワンパスでの分解効率を向上させることができる。しかしながら、空隙率を大きくしすぎると骨格4が細くなるため、強度が小さくなってしまう。そこで、空隙率は80%から99%程度が好ましい。
骨格の太さや孔の大きさ、光触媒2の平均径は小さい方が分解効率は向上する傾向にあるが、孔の大きさがあまりに小さすぎると、臭気を有する気体分子が脱臭体内部まで浸入できず、分解効率は低下することとなる。また、孔は構造体3の外部と連通しているのが望ましく、構造体3を貫通する孔を有することにより、その孔を臭気が通り抜けることで効率よく分解される。
骨格4の材質は特に限定するものではないが、臭気を発せず、むしろ臭気や有害物質を吸着するものが望ましく、シリカを用いるとゾルゲル法により簡単に多孔質体を形成できるものであり、また臭気や有害物質を吸着できるので非常に望ましい。また、少なくとも骨格の一部が光触媒2から成るものを用いることにより、さらに脱臭性能を上げることができる。
光触媒としては、比較的安価で触媒活性の高い酸化チタン等を用いることが可能で、特にアナターゼ型の酸化チタンを用いると触媒活性が高く、分解効率を向上させることができる。
次に、図2は図1の構成の触媒体Aに物理吸着作用を有する吸着剤6を加えた触媒体Bである。物理吸着作用を有する吸着剤6にはゼオライト、シリカゲル、セピオライト、アルミナ、活性炭等を用いることが可能である。脱臭対象となる臭気にあわせて、吸着剤の選定が可能であり、また臭気濃度に応じて光触媒2と物理吸着作用を有する吸着剤6の比率を変えることが可能である。この構成を用いれば、吸着剤による物理吸着脱臭により臭気が除去され、脱臭性能はさらに向上する。また吸着剤で吸着した臭気物質は、光触媒への光照射により励起したときに発生するラジカル等により酸化分解できるので、再生されることになる。このときの光の波長は400nm程度以下とするのが望ましい。
(実施の形態2)
図3(a)は本実施の形態の触媒体の模式図であり、図3(b)は同、触媒体の一部分を拡大した模式図である。触媒体21は、光触媒22が構造体23に担持されている構造をとる。すなわち、光触媒21は構造体を構成する一次粒子24にアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されている。このとき、バインダを添加しても良い。また、光触媒の形状は、図3のように球状に限定されるものではなく、一次粒子24の表面に薄膜で担持してもよい。光触媒22は実施の形態1の光触媒2と同様のものであり、本実施の形態ではアナターゼ型の酸化チタンを用いた。
図3(a)は本実施の形態の触媒体の模式図であり、図3(b)は同、触媒体の一部分を拡大した模式図である。触媒体21は、光触媒22が構造体23に担持されている構造をとる。すなわち、光触媒21は構造体を構成する一次粒子24にアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されている。このとき、バインダを添加しても良い。また、光触媒の形状は、図3のように球状に限定されるものではなく、一次粒子24の表面に薄膜で担持してもよい。光触媒22は実施の形態1の光触媒2と同様のものであり、本実施の形態ではアナターゼ型の酸化チタンを用いた。
構造体23は、エアロゲルやキセロゲルからなる。エアロゲルやキセロゲルは主に金属酸化物や、カーボン、ウレタンなどの有機物が0.1〜20nm程度の一次粒子24を形成し、それが数珠状につながり粒子間距離25の多数の連通孔を形成する。そのため構造体23は多孔質構造となっており、粒子間距離は1nm〜1μm程度が望ましい。また、本実施の形態では、一次粒子24が構造体23を構成する骨格となっている。
空隙率は大きい方がワンパスで分解できる臭気ガス量を多くすることができるので望ましいが、大きくしすぎると骨格4が細くなるため、強度が小さくなってしまう。そこで、空隙率は80%から99%程度が好ましい。また、本実施例では平均径が約1mm程度の大きさの触媒体21を用いたが、この大きさに拘るものではない。
エアロゲルやキセロゲルの材質は特に限定するものではないが、エアロゲルやキセロゲルの一部が光触媒22から形成されたものは、より分解効果が高い。また、材質にシリカを選択すると、原材料が安価で種類も豊富であり、作製プロセスも簡単であるので、非常に望ましい。さらに、ゾルゲル法で作製したシリカは結晶構造が石英と同じであるため、紫外線を透過するという特長がある。そのため、シリカ一次粒子24に担持した酸化チタンを効率よく活性を高めることができ、触媒体21の性能を向上させることができる。
次に、触媒体21の作製方法について簡単に説明する。水ガラスや、珪素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の金属アルコキシドをゲル原料として、水やアルコール等の溶媒と必要に応じて酸あるいはアルカリ触媒を混合することで、溶媒中でゲル原料を反応させ湿潤ゲルを形成させ、内部の溶媒を蒸発乾燥させることにより作製される。湿潤ゲル形成時に酸化チタンを混合させておくことにより、酸化チタンを担持した湿潤ゲルを形成できる。金属アルコキシドの場合、加水分解・縮重合を経て、湿潤ゲルとなる。また、ゲル原料として水ガラスを用いる場合は、水ガラスに直接塩酸等の触媒を加え、ゲル化させて、湿潤ゲルを形成させる。このとき、水ガラスに含まれるナトリウム分などを触媒を入れる前に、電気透析処理などで取り除いておくか、ゲル化後に塩になったものを水で洗浄することで除去する。本実施の形態では、ゲル原料としてテトラメトキシシラン(以下、本実施の形態ではTMOSと称す)を用いた。これは珪素のアルコキシドで、入手しやすく、また反応速度が速いため、非常に好ましいからである。
湿潤ゲルは、珪素原子と酸素原子が交互に結合した3次元網目構造のシリカ一次粒子24を作り、それらシリカ一次粒子24が重合して数珠状となり、それら一次粒子24同士の隙間すなわち孔に水等の溶媒が入り込む構造となっている。
この後、湿潤ゲルを普通に熱風乾燥させたものは、溶媒が乾燥するときの表面張力により、細孔を潰してしまうので収縮し、空隙率が60%以下と小さくなり、分解効率を低下させる原因となる。しかしながら、湿潤ゲル表面のシラノール基をトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン等のいずれかでメチル基を導入することによる疎水化を行い、さらに溶媒をトルエンやキシレンやアセトンやヘキサンなどの表面張力が比較的小さな溶媒に置換し、熱風乾燥させたものは、表面張力がほとんど働かず、図3に示すように0.1〜20nm程度の径をもつシリカ一次粒子24が集合して、1nm〜1μm程度の粒子間距離25をもった集合体となる。
一次粒子径や粒子間距離の大きさは、用いる湿潤ゲル原料の種類や量、溶媒と触媒の種類や量、水の量で決定され、湿潤ゲルの構造がほぼそのまま触媒体21の構造となる。そして、一次粒子の集合体が1μm〜10mm程度の二次粒子を形成することとなる。本実施の形態では、この二次粒子が約1mm程度の大きさの触媒体21として用いたもので、この構造体23がキセロゲルと称されるものである。キセロゲル作製時には疎水化することになるため、構造体23は疎水性となり、光触媒の多湿時の性能低下防止にも効果がある。
また、湿潤ゲルに疎水化処理を施さずとも、有機溶剤で置換した湿潤ゲル中の溶媒を超臨界状態、すなわち温度、圧力ともに臨界点以上にすることで乾燥させる、もしくは二酸化炭素を超臨界状態で流通させることにより溶媒を抽出する超臨界乾燥により乾燥することでも、図3に示すような触媒体21を得ることができ、この構造体23がエアロゲルと称されるものである。
エアロゲルとキセロゲルとの物性はよく似ているが、キセロゲルの方が安価に作製できるというメリットがあり、エアロゲルはキセロゲルに比べ作製時に構造を破壊することが少なく、より空隙率の大きな触媒体を作製することができるというメリットがある。
また、必ずしも酸化チタンを湿潤ゲル作製時に添加する必要はなく、上記ゾルゲル法で多孔質構造体を作製した後に、酸化チタンを分散させたスラリー、ゾル液、コーティング液などにディッピングさせることで、担持することができる。特にコーティング液によるディッピングを用いると、一次粒子24の表面に酸化チタンを薄膜として担持することができ、分解反応に寄与する酸化チタンの表面積を大きくすることができる。
一方、実施の形態1と同様に物理吸着作用を有する吸着剤を混合した場合においても、実施の形態2で記述したような手法により脱臭体の作製が可能である。また混合する前記吸着剤は任意の添加量が可能である。
以下、実験例を示す。
<実験例1>
TMOS45.6gとメタノール41.4gに酸化チタン(石原産業製ST−01)20gを混合し、攪拌を行った溶液(以下、溶液Aという)を用意した。次に、水21.6gに約29wt%のアンモニア水0.1gを添加し、攪拌を行った溶液(以下、溶液Xという)を用意した。溶液Aに溶液Xを攪拌しながら添加することにより、約20分で湿潤ゲルを作製し、40℃の恒温槽で24時間静置した。その後、湿潤ゲルの径が2cm程度になるように破砕した後、ジメチルジメトキシシラン84.7gを添加し、40℃の恒温槽で72時間静置することにより、疎水化処理を行った。その後、湿潤ゲルをアセトンに浸すことにより湿潤ゲル中の水を脱水し、湿潤ゲル中の溶媒をアセトンに置換した。その後、130℃の恒温槽で6時間乾燥を行い、約1mmに粉砕して触媒体を作製した(以下、ナノ触媒体1と称す)。
TMOS45.6gとメタノール41.4gに酸化チタン(石原産業製ST−01)20gを混合し、攪拌を行った溶液(以下、溶液Aという)を用意した。次に、水21.6gに約29wt%のアンモニア水0.1gを添加し、攪拌を行った溶液(以下、溶液Xという)を用意した。溶液Aに溶液Xを攪拌しながら添加することにより、約20分で湿潤ゲルを作製し、40℃の恒温槽で24時間静置した。その後、湿潤ゲルの径が2cm程度になるように破砕した後、ジメチルジメトキシシラン84.7gを添加し、40℃の恒温槽で72時間静置することにより、疎水化処理を行った。その後、湿潤ゲルをアセトンに浸すことにより湿潤ゲル中の水を脱水し、湿潤ゲル中の溶媒をアセトンに置換した。その後、130℃の恒温槽で6時間乾燥を行い、約1mmに粉砕して触媒体を作製した(以下、ナノ触媒体1と称す)。
次に、205セル/inch2のセル数で空隙率73%を有するハニカム構造体と、80セル/inch2のセル数で空隙率80%を有するハニカム構造体それぞれに、酸化チタン(石原産業製ST−01)を、コロイダルシリカをバインダとしてディッピングにより0.17g/cc担持した触媒体を作製した(以下、それぞれハニカム体1、ハニカム体2と称す)。
図4に示す臭気分解性能評価装置を用いて、作製した触媒体のワンパスでの分解効率を求めた。この装置は、ガスボンベ41、コンプレッサ42、マスフローメータ43、触媒体44と紫外線ランプ45を備えたカラム46を配管したものであり、カラム46の上下2箇所にサンプリング口46、47を設けている。
カラム46の触媒体44を収納する部分は2.5cm角で厚さ1cmであり、ナノ触媒体はこの部分に充填し、またハニカム体1とハニカム体2は、2.5cm角、厚さ1cmの大きさに切り取り、この部分に設置した。紫外線ランプ45は4Wのブラックライトを2本設け、触媒体44の上表面の照射強度が2mW/cm2となる高さに設定した。
試験手順について説明する。ガスボンベ41から臭気物質をマスフローコントローラ43で所定の流量に調整し、またコンプレッサから空気をマスフローコントローラ43で所定の流量に調整し、これらを混合することで、臭気物質の濃度と混合空気の流量を調節した。また本実験例では、臭気物質としてアセトアルデヒドを用い、濃度が5ppm、流量が1.25L/minとなるようにした。そして、紫外線ランプ45を点灯して試験を開始した。その後、それぞれ1時間経過した後、サンプリング口47、48から混合空気を採取し、ガス分析にはガスクロマトグラフ(FID)により分析を行い、分解効率を算出した。
ナノ触媒体1、ハニカム体1、ハニカム体2の分解効率はそれぞれ、90%、67%、53%であった。したがって、ナノ触媒体1の分解効率が非常に優れていることが確認された。
<実験例2>
図5に示す浄化装置において、脱臭性能を確認した。筐体50、触媒体51、送風機52、紫外線ランプ53から構成されている。触媒体51は、実験例1で作製したナノ触媒体1を体積300cm3、厚さ5mmの紫外線を透過する容器に充填したもの(以下、ナノ充填体1と称す)、体積300cm3、厚さ5mmの大きさのハニカム体1を設置したもの(以下、ハニカム体1’と称す)、同サイズのハニカム体2を設置したもの(以下、ハニカム体2’と称す)を用意した。また、紫外線ランプ53は触媒体51への照射強度が最低2mW/cm2となるように複数本用いた。
図5に示す浄化装置において、脱臭性能を確認した。筐体50、触媒体51、送風機52、紫外線ランプ53から構成されている。触媒体51は、実験例1で作製したナノ触媒体1を体積300cm3、厚さ5mmの紫外線を透過する容器に充填したもの(以下、ナノ充填体1と称す)、体積300cm3、厚さ5mmの大きさのハニカム体1を設置したもの(以下、ハニカム体1’と称す)、同サイズのハニカム体2を設置したもの(以下、ハニカム体2’と称す)を用意した。また、紫外線ランプ53は触媒体51への照射強度が最低2mW/cm2となるように複数本用いた。
次に手順について説明する。前記浄化装置を1m3のアクリル製容器中央に設置し、前記容器内にアセトアルデヒドガスを注入し、20ppmとなるようにした。次に送風機52、紫外線ランプ53を動作させた。1時間後の容器内のアセトアルデヒド濃度は、ナノ充填体1が1ppm、ハニカム体1’が4ppm、ハニカム体2’が6ppmであった。したがって、ナノ充填体1の分解効率が非常に優れていることが確認された。
以上のように、本発明にかかる触媒体は、高い比表面積と大きな空隙率を有する触媒体であるため、ワンパスでの分解効率が大きく、悪臭や有害物質を素速く効率的に分解することが可能となるので、空気中の有害物質除去だけでなく、廃水処理、浄水処理あるいは水中の微生物の殺菌など環境汚染物質の分解除去を行う浄化装置等の用途にも適用できるものである。
1 触媒体
2 光触媒
3 構造体
4 構造体を構成する骨格
5 骨格間距離
6 物理吸着作用を有する吸着剤
21 触媒体
22 光触媒
23 構造体
24 一次粒子
25 粒子間距離
41 ガスボンベ
42 コンプレッサ
43 マスフローメータ
44 触媒体
45 紫外線ランプ
46 カラム
47 サンプリング口
48 サンプリング口
50 筐体
51 触媒体
52 送風機
53 紫外線ランプ
2 光触媒
3 構造体
4 構造体を構成する骨格
5 骨格間距離
6 物理吸着作用を有する吸着剤
21 触媒体
22 光触媒
23 構造体
24 一次粒子
25 粒子間距離
41 ガスボンベ
42 コンプレッサ
43 マスフローメータ
44 触媒体
45 紫外線ランプ
46 カラム
47 サンプリング口
48 サンプリング口
50 筐体
51 触媒体
52 送風機
53 紫外線ランプ
Claims (6)
- ゾルゲル法により作製される湿潤ゲルを乾燥させた多孔質の構造体において、空隙率が80%以上で、前記多孔質の構造体を構成する骨格の表面に光触媒作用を有する物質を含む構成とした触媒体。
- 骨格をシリカで構成し、光触媒作用を有する物質に少なくともアナターゼ型の酸化チタンを含む請求項1記載の触媒体。
- 物理吸着作用を有する吸着剤を含む請求項1または2に記載の触媒体。
- 多孔質の構造体は、湿潤ゲルを超臨界乾燥により乾燥させたエアロゲルとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒体。
- 多孔質の構造体は、少なくとも骨格の表面の一部を疎水化した後、湿潤ゲルを乾燥させたキセロゲルとした請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒体と、前記触媒体に紫外線を含む光を照射する照射手段と、送風手段とを備えた浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003414454A JP2005169298A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 触媒体およびこれを用いた浄化装置 |
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JP2003414454A JP2005169298A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 触媒体およびこれを用いた浄化装置 |
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---|---|
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-
2003
- 2003-12-12 JP JP2003414454A patent/JP2005169298A/ja active Pending
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