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JP2005168341A - 生体試料観察装置 - Google Patents

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JP2005168341A
JP2005168341A JP2003410103A JP2003410103A JP2005168341A JP 2005168341 A JP2005168341 A JP 2005168341A JP 2003410103 A JP2003410103 A JP 2003410103A JP 2003410103 A JP2003410103 A JP 2003410103A JP 2005168341 A JP2005168341 A JP 2005168341A
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JP2003410103A
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Kayu Muraki
香由 村木
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Abstract

【課題】外部環境によるダメージを低減して生体試料を長期間培養できるとともに、生体試料の蛍光強度などを正確に、かつ、リアルタイムに測定することが可能な生体試料観察装置を提供すること。
【解決手段】生体試料の培養を行い、当該生体試料を観察可能な生体試料観察装置が、生体試料の培養を行うと共に生体試料を保持する培養容器を内部に収納して外部から内部を観察することが可能な培養室10と、培養室10内を生体試料の培養に必要な環境に制御する環境制御手段と、観察が行われていないときは、環境制御手段では制御することが不能であって観察時に生体試料に対し悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば培養細胞など生体試料の反応による情報の検出に用いられる生体試料観察装置に関する。
近年、遺伝子解析技術が進み、ヒトを含む多くの生物における遺伝子配列が明らかにされ、解析された遺伝子産物(タンパク質)と疾病との因果関係についても少しずつ解明されてきた。今後さらに、各種のタンパク質や遺伝子を網羅的に統計的に解析するため、細胞などの生体試料を用いる検査方法及び検査装置の研究開発が鋭意進められている。
このような検査方法及び検査装置においては、細胞などの生体試料を長期間培養しながら所定の情報を検出する必要があることから、たとえば顕微鏡下で生体試料を培養する容器が提案されている。
このような容器の従来技術としては、図12に示すように、温度調整器により設定温度に自動制御できる透明発熱プレート1を上下に設けることにより、温度を自由に制御できる空間Sを形成し、この空間S内の二酸化炭素(CO )濃度を調整するために二酸化炭素供給口2と排出口3とを設け、さらに、シール用パッキン4により密閉された空間S内の湿度を所望の値に保つための蒸発皿5を容器内に設置することにより、顕微鏡観察しながら各種細胞の培養条件(温度、CO 濃度及び湿度)を設定できるようにした顕微鏡観察用透明恒温培養容器がある。なお、図中の符号6は顕微鏡対物レンズ、7は流量調整バルブ、8は水、9は顕微鏡ステージである。(たとえば特許文献1参照)
上述した従来技術の顕微鏡観察用透明恒温培養容器によれば、生物、生殖またはバイオテクノロジーの研究分野において、各種細胞の培養状態の観察や写真撮影などの記録を行う際に、顕微鏡観察を行いながら空間S内の温度、二酸化炭素濃度及び湿度を自由に制御して所望の培養状態(環境条件)を適宜設定し、その経時変化の観察及びその記録を連続的にかつ簡便に行うことができるとされる。
特開平10−28576号公報
ところで、細胞は遺伝子などと異なり、生きている状態での蛍光検出(細胞内でのGFP(Green Fluorescent Protein )発現を検出 )などが測定手法として多用されている。このため、細胞を培養するための環境条件の管理が、正確な測定結果を得るために重要な項目となる。
しかしながら、顕微鏡下に搭載できる培養容器としては、プラスチック製またはガラス製のディッシュが一般的に使用されており、従って、温度、二酸化炭素濃度及び湿度などの環境条件を管理することができないため、長時間の顕微鏡観察では細胞を死滅させてしまうことが多い。このため、上述した従来技術に示されるように、環境条件を管理できる容器が必要とされるのである。
また、細胞の種類によっては外部環境の変化に対して非常に弱いものもあり、たとえば温度の急激な昇温動作や、偏った温度分布などにより簡単に死滅する場合もある。細胞の種類にもよるが、一般に温度では37度±0.5度、二酸化炭素濃度では3〜8%を一定に維持することが必要となるが、これ以外の環境管理項目も無視できなくなる。さらに、長期間培養においては、コンタミネーションを発生させずに細胞培養溶液を半バッチ交換可能にすることなども重要な培養環境条件の管理項目となる。なお、細胞を培養する環境及び培養液は、細菌やカビなどが増殖する条件としても最適であるため、このような観点からもコンタミネーションは避けなければならない。
さらに、ある種の細胞は環境光の影響を非常に受けやすく、培養の際に外光を長時間常に当てた状態にしておくと、そのような細胞は弱ったり、場合によっては死滅したりして長時間の培養に耐えられないばかりか、正確な測定結果を得ることもできなくなる。
しかし、特許文献1に記載された顕微鏡観察用透明恒温培養容器は、所望の環境条件を設定して維持することは可能であるが、顕微鏡などにより経時変化などの観察が行われる観察時と、顕微鏡による観察が行われることなく単に培養のみを継続する非観察時とを比較すると、容器を移動しない限り同じ状況(環境)下におかれるものとなる。このため、特に細胞を長期間にわたって培養しながら観察する場合においては、たとえば外光、衝撃や振動、あるいは塵芥や雑菌などのように、上述した環境条件の設定・維持のみでは対応できない外部環境の要素(外的要素)から悪影響を受けることが懸念される。また、非観察時に容器を移動させて培養環境を変える場合には、移動時の揺れにより培養液が波立つことで培養中の細胞に悪影響が及ばないよう細心の注意を払う必要があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、外部環境によるダメージを低減させながら生細胞などの生体試料を長期間培養できるようにするとともに、たとえば生細胞のような生体試料の蛍光強度などを正確に、かつ、リアルタイムに測定することが可能な生体試料観察装置の提供を目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の生体試料観察装置は、生体試料の培養を行うことが可能で、かつ、当該培養が行われている前記生体試料を観察可能な生体試料観察装置であって、前記生体試料の前記培養を行うと共に前記生体試料を保持する培養容器を内部に収納する、外部から前記内部を前記観察することが可能な培養室と、前記培養室内を、前記生体試料の前記培養に必要な環境に制御する環境制御手段と、前記観察が行われていないときは、前記環境制御手段では前記制御することが不能であって前記観察時に前記生体試料に対し悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような生体試料観察装置によれば、生体試料の培養を行うと共に生体試料を保持する培養容器を内部に収納して外部から内部を観察することが可能な培養室と、培養室内を生体試料の培養に必要な環境に制御する環境制御手段と、観察が行われていないときは、環境制御手段では制御することが不能であって観察時に生体試料に対し悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段とを備えているので、生体試料の観察時及び培養を継続する観察時及び生体試料の培養のみを継続する非観察時には、培養室内が環境制御手段により培養に必要な環境に制御される。そして、生体試料の培養のみを継続する非観察時には、上記の環境制御手段では制御不能な外的要素を外的要素除去手段により除去することができるので、長期間の培養で時間的に大きな割合を占める非観察時においては、生体試料が外的要素から受けるダメージを低減し、あるいはなくすことも可能になる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素除去手段は、前記観察が行われていないとき、観察者が前記外的要素を除去することが可能なように構成されていることが好ましく、これにより、非観察時には観察者が手動で培養室から外的要素を除去することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は光であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に照射される光を除去する遮光手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が外光から受けるダメージを手動操作される遮光手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は衝撃または振動であり、前記外的要素除去手段には、防振手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が衝撃または振動から受けるダメージを手動操作される防振手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は塵芥または雑菌であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に侵入物が侵入することを防止する侵入物防止手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が塵芥または雑菌から受けるダメージを手動操作される侵入物防止手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素除去手段は、前記培養室に対して開閉可能に設けられており、前記外的要素除去手段を閉じることで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を手動操作により除去することが可能に構成されたものでもよいし、あるいは、前記外的要素除去手段は、前記培養室の所定部分を覆うことが可能な構造として設けられており、前記培養室の所定部分を覆うことで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を手動操作により除去することが可能に構成されたものでもよい。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素除去手段は、前記観察が行われていないとき、前記観察が行われていないことを検出して自動的に前記外的要素を除去するように構成されていることが好ましく、これにより、非観察時には外的要素除去手段が自動的に動作し、培養室から外的要素を確実かつ容易に除去することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記培養容器を、前記外的要素除去手段によって前記外的要素が除去できる位置から、前記生体試料の前記観察が可能な所定の位置まで、移動可能に支持する支持手段を更に備えたことが好ましく、これにより、培養容器内を観察領域と非観察領域とに分割することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は光であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に照射される光を除去する遮光手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が外光から受けるダメージを自動の遮光手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は衝撃または振動であり、前記外的要素除去手段には、防振手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が衝撃または振動から受けるダメージを自動の防振手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素は塵芥または雑菌であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に侵入物が侵入することを防止する侵入物防止手段が含まれることが好ましく、これにより、生体試料が塵芥または雑菌から受けるダメージを自動の侵入物防止手段により最小限に抑えることができる。
上記の生体試料観察装置において、前記外的要素除去手段は、前記培養室に対して開閉可能に設けられており、前記外的要素除去手段を閉じることで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を自動的に除去することが可能に構成されたものでもよいし、あるいは、前記外的要素除去手段は、前記培養室の所定部分を覆うことが可能な構造として設けられており、前記培養室の所定部分を覆うことで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を自動的に除去することが可能に構成されたものでもよい。
上記の生体試料観察装置において、前記生体試料観察装置は、前記観察を行う観察機におけるステージ部と固定的に設けられているものでもよいし、あるいは、前記生体試料観察装置は、前記観察を行う観察機におけるステージ部に対して、着脱自在な構成となっているものでもよい。
そして、この場合の生体試料観察装置において、前記観察機は顕微鏡であることが好ましい。
上記の生体試料観察装置において、前記環境制御手段は、前記培養室内の湿度を調節可能な湿度調節手段を含むことが好ましく、これにより、培養室内に最適な湿度環境を提供することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記環境制御手段は、前記培養室内の温度を調節可能な温度調節手段を含むことが好ましく、これにより、培養室内に最適な温度環境を提供することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記環境制御手段は、前記培養室内の雰囲気を対流させることが可能な気体対流手段を含むことが好ましくこれにより、培養室内の雰囲気を全域にわたって略均一化することができる。
上記の生体試料観察装置において、前記環境制御手段は、前記培養室内の、前記生体試料の培養に必要な所定のガスの濃度を調節可能なガス濃度調節手段を更に備えることが好ましく、これにより、培養室内に最適なガス濃度環境を提供することができる。
そして、この場合の生体試料観察装置において、前記ガスに所定濃度の二酸化炭素を含むことが好ましい。
上記の生体試料観察装置において、前記培養が行われていないとき、前記培養室内部に殺菌光を照射することが可能な殺菌光照射手段を更に備えたことが好ましく、これにより、非培養時に容器内を殺菌してコンタミネーションを防ぐことができる。
上記の生体試料観察装置において、前記生体試料には細胞が含まれていることが好ましい。
本発明の生体試料観察装置によれば、生体試料の培養を行うと共に生体試料を保持する培養容器を内部に収納して外部から内部を観察することが可能な培養室と、培養室内を生体試料の培養に必要な環境に制御する環境制御手段と、観察が行われていないときは、環境制御手段では制御することが不能であって観察時に生体試料に対し悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段とを備えた構成により、生体試料の観察時及び培養を継続する観察時及び生体試料の培養のみを継続する非観察時には、培養室内が環境制御手段により培養に必要な環境に制御され、かつ、生体試料の培養のみを継続する非観察時には、環境制御手段で制御不能な外的要素を外的要素除去手段により除去することができる。
このため、観察時には最適な培養環境を維持した容器内で培養されている生体試料にダメージを与えることなく、正確に、かつリアルタイムで測定することが可能になる。さらに、長期間の培養で時間的に大きな割合を占める非観察時には、生体試料が外的要素から受けるダメージを最小限に抑え、外的要素を原因とする生体物質の衰弱や死滅を防止することができるので、より一層長期間にわたって確実に、生体試料を培養することが可能になるという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係る生体試料観察装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
生体試料観察装置は、生物、生殖またはバイオテクノロジーなどの研究分野において、各種の生体試料を培養することが可能であり、かつ、生体試料の培養状態を観察することも可能に構成されたものである。なお、ここでの生体試料とは、細胞、卵、生体組織、藻類、菌類、細菌などの微生物を包含するものであり、以下に示す各実施形態では、生体試料の一例として細胞を培養する場合について説明する。
<第1の実施形態>
本発明に係る生体試料観察装置の第1の実施形態について、その構成例を図1ないし図3に基づいて説明する。なお、図1は生体試料観察装置の概略構成図、図2は培養容器が測定(観察)位置にある状態を示す培養室の平面図、図3は培養容器が非測定(観察)位置である培養位置にある状態を示す培養室の平面図である。
この生体試料観察装置100は、細胞(生体試料)の培養を行う培養室10と、この培養室10内を細胞の培養に必要な環境に制御する環境制御手段、換言すれば、細胞を培養するのに最適な環境を形成して維持することができる環境制御手段と、培養中の生細胞などに悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段とを具備して構成される。
培養室10は、たとえば直方体形状とした筐体11の上面に上部開口12を形成し、この上部開口12を塞ぐことができるように、後述する蓋部材を設けたボックス状の構成とされる。また、筐体11の底面下には、培養室10を所定位置に固定するためのベース部材11aが設けられており、このベース部材11aには、後述する搬送機構を収納する空間部が形成されている。このような培養室10は、たとえばアルマイト処理されたアルミニウムやSUS316のようなステンレススチールなど防食性の高い遮光性の材料で制作するのが好ましく、より好適には、保温性の観点から熱伝導率の低い材料を選択するとよい。
培養室10を形成する筐体11の内部は、培養した細胞の観察を行うための測定エリア13と、細胞の培養のみを行う非測定エリア14とに分割されている。そして、培養室10では、細胞の培養を行うとともに、同細胞を保持する培養容器を内部に収納し、培養室10の外部から培養容器内の細胞を観察することが可能な構成とされる。ここでは、図2及び図3に示すように、培養容器としてマイクロプレート15を使用する場合について説明するが、ディッシュやフラスコを使用することも可能である。
筐体11の底面には、図2及び図3に示すように、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17により構成される培養容器の搬送機構が設置されている。
この場合のX軸動作ステージ16は、固定側となる筐体11の底面に対し、図2の紙面左右方向(以下、「X軸方向」と呼ぶ)に往復移動を行うものである。また、Y軸動作ステージ17は、上述したX軸動作ステージ16上において、図2の紙面上下方向(以下、「Y軸方向」と呼ぶ)に往復移動を行うものである。
図示の例では、上述したマイクロプレート15をY軸動作ステージ17上に設置することにより、筐体11の底面に対して、ステージとともにX軸方向及びY軸方向へ所望の量だけ搬送して移動させることが可能になっている。すなわち、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17よりなる搬送機構は、マクロプレート15を所望の位置まで搬送して筐体11内に位置決めする機能を有している。
上述したX軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17は、たとえば図示しないボールネジを回動させることにより、それぞれがX軸方向またはY軸方向に往復移動するように構成されている。
また、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17は、ボールネジを図示しない電動機により回動させて動作ステージを移動させるように構成した電動式の駆動機構を採用してもよいし、あるいは、ボールネジを図示しないハンドル操作などの手動で回動させてステージを移動させるように構成した手動式の駆動機構を採用してもよい。そして、図示の駆動ユニットボックス18内には、たとえばボールネジなどY軸動作ステージ17の駆動機構が配設されており、X軸動作ステージ16の駆動機構はベース部材11aの空間部に収納されている。上記駆動機構は、駆動ユニットボックス18内に収納されることで、培養室10の内部空間と区切られている。また、駆動機構は培養室10の外部に設けてもよい。
また、図1に示す構成例では、生体試料観察装置100の各種運転制御を行うコンピュータ101から出力される制御信号に基づいて、X軸動作ステージ16の動作信号を出力するX軸走査制御部102及びY軸動作ステージ17の動作信号を出力するY軸走査制御部103を備えている電動式の駆動機構が採用されている。
上述した測定エリア13及び非測定エリア14は、筐体11側に固定された天板19及び一対の仕切り受20により、培養室10内がX軸方向に分割されたものである。すなわち、図2において仕切り受20の左側領域が測定エリア13とされ、右側の領域が非測定エリア14とされる。
また、X軸動作ステージ16の左側端部には、ステージと一体に移動する仕切り板21が固定設置されている。この仕切り板21は、筐体11の断面形状と略一致する形状の板状部材であり、Y軸動作ステージ17を所定位置(ホームポジション)に停止させてX軸動作ステージ16を非測定エリア14側へ移動させることにより、その側面が上述した仕切り受21に当接して筐体11の内部空間を左右(X軸)方向に二分割する。さらに、仕切り板21の上端が上述した天板19の下面に接触するので、測定エリア13及び非測定エリア14は、互いに分割された二つの空間となる。
上述した測定エリア13の上部開口12には、同エリアの開口を覆う着脱式のガラス上蓋22が筐体11から分離可能に被せられている。このガラス上蓋22は、たとえば後述する顕微鏡の対物レンズ交換や測定エリア13の内部クリーニングなど、各種の作業を行う際に必要に応じて取り外すことができるようになっている。なお、このガラス上蓋22は、たとえば筐体11に必要な数のビス止めを行って固定してもよい。
また、非測定エリア14の上部開口12には、ヒンジなどにより開閉可能とした開閉蓋23が同エリアの開口覆うようにして取り付けられている。この開閉蓋23は、閉状態で一端が天板19に支持されるようになっている。
上述した測定エリア13のガラス上蓋22は、全面あるいは周囲の枠部分を除いた略全面がガラス板(光学的ガラス部材)22aで構成されているが、測定に支障のない範囲内であれば最小限の面積としてもよい。この場合のガラス板22aには、両面に反射防止膜(ARコート)をコーティングした光学ガラス材を使用するのが好ましい。なお、反射防止膜は片面のみにコーティングしてもよいが、透過観察及び落射観察をともに実施すると仮定した場合には両面コーティングが好ましい。
また、非測定エリア14の開閉蓋23は、全体が遮光性の材料(通常は筐体11と同じ材料)で構成されており、必要に応じて覗き穴カバー23aやUV照射穴カバー23bが設けられている。すなわち、非測定エリア14は、外部の環境光を内部に通過させない構造とされ、開閉蓋23が筐体11とともに後述する遮光手段として機能する。
一方の覗き穴カバー23aは、たとえば開閉蓋23を部分的に切り欠いて設けた覗き穴の開口部(窓)に透過率の低いガラス板や樹脂板などの窓部材を嵌め込んだ構成とされ、より好適には、非使用時には開閉蓋23と同様の遮光性部材などよりなる着脱式または開閉式の蓋で窓部材を覆うことができるようにするとよい。この覗き穴カバー23aは、培養室10の内部を目視で確認するためのもので、たとえば後述する水槽34の上面に位置するよう配置されている。
また、UV照射穴カバー23bは、たとえば開閉蓋23を部分的に切り欠いて設けたUV照射穴の開口部(窓)に対して、開閉蓋23と同様の遮光性部材よりなる板材を着脱可能または開閉可能に固定するものである。このUV照射穴カバー23bは、非測定エリア14内に紫外線を照射して殺菌する場合に取り外される。
なお、覗き穴カバー23a及びUV照射穴カバー23bは、その位置及び大きさなどに配慮することで共用し、一体化することも可能である。
上述した培養室10には、ガラス上蓋22及び開閉蓋23で上部開口12を塞がれた筐体11の内部環境を細胞培養に適した所望の状態とするための、換言すれば、培養室10をインキュベータと同様の機能を備えたインキュベータボックスとするための環境制御手段が設けられている。
この環境制御手段は、培養室10内の環境条件である温度、湿度及びCO 濃度を所望の値に設定して維持する機能を有している。一般的な細胞培養における好適な環境条件とは、温度が37±0.5℃程度、湿度が100%程度の高湿、CO 濃度が3〜8%程度である。
このような培養環境とするため、環境制御手段の一構成要素として、培養室10内の温度調整可能な温度調整手段として、筐体11の内面には小型もしくはテープ状としたヒータが取り付けられている。このヒータは、Y軸動作ステージ17上のマイクロプレート15が均等に、かつ間接的に温められるように配設されている。すなわち、ヒータとしてたとえば面状ヒータ31が使用され、この面状ヒータ31が直接マイクロプレート15を加熱するのではなく、面状ヒータ31が周囲の空気を暖めるように配置することにより、この空気を介して間接的にマイクロプレート15を保温する構成とされる。従って、図示の例では、筐体11の内周面にテープ状の面状ヒータ31が略全周にわたって取り付けられている。
また、上述した面状ヒータ31に加えて、Y軸動作ステージ17の上面には、必要に応じて補助ヒータ32が取り付けられている。この補助ヒータ32は、上述した面状ヒータ31による間接加熱の不足分を補うように補助加熱を行うものであり、面状ヒータ31と同様に直接マイクロプレート15と接触しない位置に設けられている。なお、補助ヒータ32の加熱能力は、面状ヒータ31と比較して小さなものでよい。
そして、上述した面状ヒータ31及び補助ヒータ32の通電加熱を制御するため、コンピュータ101から入力された設定温度制御信号、温度センサ33の検出温度信号及び図示しない内部温度検出センサの検出温度信号に基づいてフィードバック制御を行うインキュベータ温度制御部104が設けられている。ここで使用する温度センサ33は、マイクロプレート15に接するよう設置された小型のものであり、従って、周囲の空気温度ではなく、マイクロプレート15の温度を直接検出できるようになっている。なお、図中の符号33aは、温度センサ33の信号線である。
温度センサ33及び内部温度検出センサから検出温度信号が入力されるインキュベータ温度制御部104では、主として面状ヒータ31への通電を制御して環境温度を設定値に保つ。しかし、たとえば内部の温度分布が不均一になるなどして温度センサ33及び内部温度検出センサの検出温度差が所定値以上に大きい場合には、すなわち、温度センサ33の検出温度が内部温度検出センサの検出温度より所定値以上低い場合には、培養室10内の加熱量が不足していると判断し、面状ヒータ31に加えて補助ヒータ32にも通電して加熱する。この補助ヒータ32は、マイクロプレート15に近い位置にあるため、比較的小さな加熱能力でも温度不足を補うことができる。
このようにして、培養室10内の温度環境は、インキュベータ温度制御部104、面状ヒータ31及び補助ヒータ32により、所望の温度を維持するように制御される。
次に、培養室10を構成する筐体11内には、培養室10内の湿度を所望の値に設定して維持するため、環境制御手段の一構成要素として、湿度調節手段を備えている。この湿度調節手段は、培養室10内に設置された水槽34及びこの水槽34を加熱するヒータ35を具備してなる水蒸気発生手段である。水蒸気発生手段の水槽34は、加熱手段のヒータ35を備えて上面に広い(図示の例では全面)開口部が設けられたものであり、この水蒸気発生手段は、培養室10内の水槽34に入れられた水(通常は滅菌水)を水槽34に接して設けられたヒータ35による加熱で37℃程度に昇温させて蒸発させ、培養室10内を100%程度の高湿度に維持することができるようになっている。
なお、水槽加熱用のヒータ35についても、小型もしくは面状(テープ状)のものを使用すればよい。
この場合、培養時はヒータ35による常時加熱を行い、水を継続して蒸発させるようにしてもよい。あるいは、培養室10内の適所に湿度検出手段を設けておき、検出した湿度が所望の湿度以下になったらヒータ加熱を行う断続運転により水を蒸発させるようにしてもよい。
なお、水槽34内の水量については、長期間の培養中において、覗き穴カバー23aを取り外した覗き穴から容易に残量を確認し、開閉蓋23を開いて補充することが可能であるが、培養室10の外部に設けた貯水タンクなどから適宜供給可能な滅菌水供給手段を設け、長期間の連続運転を可能にしたものでもよい。
さらに、培養室10を形成する筐体11内には、環境制御手段の一構成要素として、培養気体の濃度調整を行うガス濃度調整手段を備えている。このガス濃度調整手段は、特に培養室10内のCO 濃度を所望の値に設定して維持するため、CO 供給手段を構成するCO 供給口36を備えている。このCO 供給口36は、CO 配管36aを介して図示しないバッファタンクなどの培養気体供給源(ガス供給手段)に接続可能である。
なお、CO 供給口36とCO 配管36aとの間は、たとえばコネクタなどを介して着脱自在な構成とするのが好ましい。
バッファタンクには、所望のCO 濃度(たとえば5%)に調整された培養気体が貯蔵されている。そして、コンピュータ101と接続されたCO 濃度制御部105は、たとえば図示しないCO 濃度検出センサ(ガス濃度測定手段)の検出値に応じてバルブの開閉制御を行うなどして、バッファタンクからCO 供給口36を介して培養室10内へ供給する培養気体量を調整し、内部のCO 濃度を制御することができる。
このような培養気体の供給は、培養室10の隙間(たとえばY軸動作ステージ17の観察穴25や駆動機構の摺動部など)から流出する少量の雰囲気を補うように供給されるので、内部の圧力が外部より若干高い状態となる。このため、培養気体の供給を継続することにより、塵芥や雑菌を含む外部の空気が培養室10内に流入しにくい培養環境とすることができる。
このように、ヒータ31、水槽34及びCO 供給口36などを備えた環境制御手段をインキュベータボックスとして機能させる培養室10に設けたので、市販されているインキュベータと同様に、温度管理及びCO 濃度管理がなされた高湿環境を作ることができる。
また、上述した培養室10の環境制御手段は、非測定エリア14の適所に設けられて内部の雰囲気を対流させる気体対流手段のファン37を備えていることが好ましい。このファン37を作動させることにより、温度管理及びCO 濃度管理がなされた高湿環境の雰囲気が非測定エリア14内において対流するので、全域にわたって分布にむらのない均一化された培養環境を形成することができる。
さて、上述した培養室10は、環境制御手段に加えて、さらに外的要素除去手段を備えている。この外的要素除去手段は、培養中の細胞に悪影響を及ぼす外的要素を除去して長期間培養を可能にするものであり、観察者が各種操作を手動で行うように構成したものでもよいし、あるいは、培養のみを行う非観察時であることを検出して自動的に各種の操作が行われるものでもよい。
ここで、外的要素の具体例をあげると、培養室10の外部から差し込むようにして照射される太陽光や室内照明などの環境光(以下、外光と呼ぶ)、培養中の細胞や培養液に作用する衝撃または振動、コンタミネーションにより培養室10内に入り込む塵芥や雑菌などがある。
また、上述した非観察時であることを検出するには、マイクロプレート15など培養容器の位置、あるいは、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17により構成される培養容器搬送機構のステージ位置などを、図示しない位置センサで検出して判断すればよい。このような位置センサとしては、フォトセンサ、リミットスイッチ、近接スイッチ、タッチセンサ、光電スイッチ、リニアトランデューサ、エンコーダなどを使用することができる。
また、上述した非観察時であることを検出するには、培養室10内の所定位置で明るさ(光量)を測定する光検出装置の使用も可能である。すなわち、一般的には観察時に必要となる観察用の照明光が非観察時に消灯されるため、この影響を受けて所定位置の明るさが低下するので、たとえばこのような光量の変化を検出して非観察時と判断することも可能である。
また、上述した非観察時であることを検出するには、観察機が動作しているかどうかを検出する動作検出装置を使用してもよい。この動作検出装置の具体例をあげると、たとえばX軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17の動作完了や観察機の動作終了などをトリガーとし、その信号から観察機の動作終了を判断することが考えられる。
また、上述した悲観察時であることを検出するには、たとえば観察時間や培養時間などを計測するタイマー、観察または培養を行う時刻を検出する時計など、時間管理手段を使用してもよい。
ここで、上述した観察機としてはたとえば顕微鏡が一般的であり、観察者の肉眼で観察機の観察部分から見る方法、あるいは、観察機に設けられたカメラなどの撮像装置で撮影した画像をモニターに表示して見る方法のいずれを採用してもよい。
以下、外的要素除去手段の具体的構成例を説明する。この外的要素除去手段は、光の外的要素を除去する遮光手段と、衝撃または振動の外的要素を除去する防振手段と、塵芥または雑菌の外的要素を除去する防塵手段のうち、少なくともひとつを具備して構成される。
最初に、塵芥または雑菌の外的要素を除去する防塵手段について説明する。
上述した非測定エリア14の開閉蓋23は、これを閉じることにより培養室10の内部に塵芥や雑菌などの侵入物が入り込むことを防止する防塵カバー(侵入物防止手段)として機能するので、外的要素除去手段の防塵手段となる。この場合、より確実な侵入防止を行うためには、開閉蓋23及び筐体11が閉状態で接触する部分の適所に、たとえばシール部材を取り付けて両者の密着性を向上させればよい。
また、培養室10の非測定エリア14内で細胞を培養する場合、測定エリア13と非測定エリア14とを分割するため仕切り板21が仕切り受22に当接する部分に、たとえばシリコンなどの弾性部材を配設することにより、当接時の衝撃を緩和することができる。さらに、仕切り板21が仕切り受22に当接する部分や天板19の下面と仕切り板21の上端との接触部分の適所にシール部材などを取り付ければ、両者の密着性を増すことができる。
このようにして、培養室10内の非測定エリア14内は、筐体11、仕切り板21及び開閉蓋23により略密閉された空間となるので、外的要因の一つである侵入物の侵入を防止することができる。このため、細胞が悪影響を受けて衰弱または死滅することを防止でき、従って、長期間の培養が可能となる。
さらに、上述した非測定エリア14の密閉空間を全て遮光性部材により形成すれば、外的要因の一つである外光の侵入を防止して光の影響を除去する遮光手段ともなるので、細胞が悪影響を受けて衰弱または死滅することはなく、従って、この点でも長期間の培養が可能となる。
また、観察エリア13についても、ガラス上蓋22により覆われているので、ここから侵入物が入り込むことはなく、従って、このようなガラス上蓋22も仕切り板21などと協働して二重の防塵カバー機能する防塵手段となる。
なお、培養時における防塵性や遮光性を増すためには、培養室10全体をさらに外側から覆うように、あるいは培養室10を設置した観察機全体を覆うように被せる防塵カバーや暗幕などの防塵手段及び遮光手段を併用してもよい。なおまた、上述した防塵手段及び遮光手段として機能する外的要素除去手段は、培養室10の上部開口12を全面的に覆うように閉じる回転式の蓋部材、あるいは摺動することにより閉じるスライドシャッターのような蓋部材であってもよい。
次に、残る外的要因である衝撃及び振動を除去する防振手段について、外的要素除去手段の具体的構成を説明する。
たとえばX軸動作ステージ16やY軸動作ステージ17の駆動機構においては、ボールネジのような摺動部分、駆動源となる電動機のような回転部分、さらには接触による衝撃が加わる部分などには、適所に防振部材及び衝撃吸収部材を設けておけばよい。ここで使用可能な防振部材及び衝撃吸収部材としては、たとえばウレタン、シリコン、ゴム、スプリング、気体を封入した弾性部材、流体を封入したダンパなどがあり、これらを適宜選択して適所に配設することにより、振動や衝撃の発生を防止または抑制したり、あるいは、発生した振動や衝撃の吸収及び伝達防止が可能となる。
このようにして外的要因の振動及び衝撃を除去することができるので、培養中の細胞が悪影響を受けて衰弱または死滅するようなことはなく、従って、この点でも長期間の培養が可能となる。
このように、上述した外的要素除去手段により塵芥や雑菌、外光、振動や衝撃といった外的要因を取り除くことができるので、培養中の細胞に外的要因が作用することが防止される。従って、これらの外的要因を原因として細胞が衰弱または死滅するようなことはなくなるので、長期間にわたる安定した培養を実施して正確な測定データを入手できるようになる。
ところで、上述した培養室10を構成する筐体11は、たとえば図1に示すように、底面が観察機である顕微鏡のステージ70に筐体11のベース部材11aを固定設置または着脱自在に設置したものでもよい。なお、固定設置の場合には、顕微鏡は生体試料観察装置100の専用機となり、着脱自在の場合には、既存の顕微鏡を広く使用できるものとなる。なお、図中の符号71は顕微鏡の対物レンズ、72はレボルバーである。
また、ベース部材11a及びX軸動作ステージ16には、図3に示すように、それぞれ観察穴24,25が設けられている。この観察窓24,25は、測定エリア13の観察領域において対物レンズ71により下方からマイクロプレート15内の生体試料を観察するために設けたものである。従って、所定の観察領域では、X軸動作ステージ16の観察穴25がベース部材11aの観察穴24と一致するので、両観察穴24,25を貫通するように対物レンズ71を差し込んで生体試料を観察することができる。なお、Y軸動作ステージ17の少なくともマイクロプレート15の設置位置部分は、下方から顕微鏡の対物レンズ71による観察が可能となるように、図示しない観察穴を備えていたり、あるいは、観察可能な部材(たとえば透明なガラス板や樹脂板など)により構成されている。
また、上述した観察穴24,25が大きく、測定時の雰囲気流出量が非測定時と比較して格段に増加する場合には、たとえば柔らかくて滑りのよいゴムなどのシート材24a,25aを貼り付けて塞ぎ、それぞれに中心部を交差して通る複数の切り込み24b、25bを設けることで対物レンズ71を貫通可能にするとともに、実質的な開口面積を最小限にしてもよい。
また、上述した観察穴24,25が大きく、測定時の雰囲気の流出量が非測定時と比較して格段に増加する場合には、培養ガスの供給量を非測定時及び測定時におけるそれぞれの流出量に合わせて変化させてもよい。
また、上述した実施形態では、筐体11を直方体形状としたが、たとえば図示しない透過照明用支柱などの配置に応じて、干渉を避けるために直方体形状の一部を部分的に切り欠いた形状とするなど、状況に応じて適宜変更することが可能である。
ここで、上述した構成の生体試料観察装置100について、生体試料の培養及び観察に関する基本的動作(操作)を図4のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1でスタートする基本的な動作では、次のステップS2で培養室10の開閉蓋23を開き、培養室10が開けられる。このとき、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17は、非測定エリア14内のホームポジションにある。また、UV照射穴カバー23bは通常の閉状態とされ、覗き穴カバー23aに遮光性の蓋部材を設けた場合は、この蓋部材により覗き穴カバー23aを覆って塞いだ状態とされる。
この状態から次のステップS3に進むと、Y軸動作ステージ17上に設定された所定の培養位置にマイクロプレート15をセットする。このとき、マイクロプレート15には、培養の準備を完了した生体試料の細胞が入れられている。
続くステップS4では、開閉蓋23を閉じることにより、閉状態にあるガラス上蓋22とともに培養室10の上部開口12が閉じられた状態となる。この結果、培養室10の非測定エリア14内は、細胞に悪影響を及ぼす外的要因である外光の照射や塵芥及び雑菌の侵入から保護された状態となる。
このような培養状態とした後、次のステップS5においては、環境制御手段を作動させて所望の培養環境を維持しながら、細胞の培養が所定時間継続して行われる。このときの培養環境は、培養する細胞に最適な温度、湿度及びCO 濃度となるように維持される。
こうして所定時間の培養を行った後、次のステップS6では、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17を動作させ、マイクロプレート15を測定エリア13内の観測位置へ移動させることにより、生体試料の観察が可能な状態とする。
次のステップS7では、観察機により生体試料画像の取込及び出力を行うなど、培養による生体試料の変化が観察及び測定される。
この後、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17を動作させてホームポジションへ移動させ(S8)、上述したステップS5の培養状態に戻す。そして、再度所定時間の培養を行った後、上述したステップS5からステップS8までを必要回数繰り返し、培養による生体試料の経時変化を観察及び測定する。なお、必要回数の観察及び測定が終了した時点では、ステップS8において、マイクロプレート15をセットしたY軸動作ステージがホームポジションに戻されている。
このようにして必要回数の培養及び観察を繰り返した後、次のステップS9においてマイクロプレート15内の生体試料に関する培養及び観察が終了する。
培養及び観察が終了した後は、次のステップS10において、開閉蓋23を開いて培養室10を開ける。
そして、続くステップS11では、マイクロプレート15をY軸動作ステージ17上から取り出し、次のステップS12では、開閉蓋23を閉じる。
最後のステップS13では、必要に応じてUV照射穴カバー23bを取り外して滅菌光の紫外線を培養室10の内部へ、特に、非測定エリア14内へ照射して消毒する。このとき、たとえばハンディタイプのUVランプをUV照射穴に設置し、紫外線を照射すればよい。
こうして内部の消毒が完了すると、ステップS14において、生体試料観察装置100の全ての基本的動作は終了する。
さらに、上述した構成の生体試料観察装置100について、上述した実施形態の環境制御手段及び外的要素除去手段の動作(操作)について、図5のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS21で生体試料観察装置100の操作をスタートするが、この時点ではX軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17が非測定エリア14内のホームポジションに存在している。
次のステップS22では、開閉蓋23を開いてから水槽34内に所定量の滅菌水を供給する。
これに続くステップS23では、インキュベータ温度制御部104を駆動し、培養室10の内部を所望の培養環境温度(たとえば37±0.5℃)を維持するように面状ヒータ31などに通電して温度制御を実施する。
続いて、ステップS24に進んでCO 濃度制御部105を駆動し、CO 供給口36から所望のCO 濃度に調整されたガス(たとえば空気や培養ガス)の供給を開始する。
次に、ステップS25に進んでUVランプを点灯し、UV照射穴カバー23bを取り外したUV照射穴から非測定エリア14の内部に向けて殺菌用の紫外線を照射する。この紫外線照射を所定時間継続して内部を殺菌した後、次のステップS26に進んでUVランプを消灯する。なお、UVランプの消灯後には、UV照射穴カバー23bを取り付けてUV照射穴を閉じる。
こうして培養室10内の殺菌が完了した後、次のステップS27に進んで開閉蓋23を開く。
そして、次のステップS28では、ホームポジションにあるY軸動作ステージ17上の所定位置にマイクロプレート15をセットする。このマイクロプレート15には、培養する生体試料(細胞)が培養準備を完了した状態で入れられている。
続くステップS29で開閉蓋23が閉じられ、所望の培養環境を維持して所定時間の培養が開始される。
こうして所定時間の培養を行った後、培養した生体試料の変化について観察及び測定を実施することになる。
次のステップS30では、マイクロプレート15内の生体試料を観察する顕微鏡のレボルバー72を操作して観察に適した対物レンズ71を選択する。
次のステップS31では、図示しないシャッターを開き、遮断されていた光源からの光や外光が生体試料に照射されるようにする。そして、次のステップS32に進み、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17を動作させて測定エリア13内へ移動させ、選択した対物レンズ71による測定開始位置へ位置決めする。このとき、複数の生体試料から観察対象の一つを選択し、その生体試料を対物レンズ71で観察可能な測定開始位置に位置決めする。
そして、ステップS33で対物レンズ71の焦点を生体試料の細胞に合わせた後、次のステップS34に進んで細胞の画像取込及び出力を実施する。
このような細胞の画像取込及び出力は、たとえばマイクロプレート15に入れられている細胞の数の実施が可能であり、従って、一つの細胞または所定の細胞群について観察及び測定が完了した後には、ステップS32に戻ってX軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17を移動させ、別の細胞を観察可能な位置に位置決めする。そして、再度ステップS33で対物レンズ71の焦点を合わせた後、その細胞に関する画像取込及び出力を実施する(S34)。
以下同様にして、マイクロプレート15に入れられた細胞の中から選択して観察する必要数だけ同様の操作を繰り返した後、次のステップS35に進んで上述したシャッターが閉じられて、生体試料に照射されていた光が遮断される。
この後、ステップS36でX軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17を動作させてホームポジションへ移動させ、必要に応じて上述したステップS29及びステップS30後の培養状態に戻す。すなわち、必要な時間だけ再度培養した後、ステップS31からステップS35までのステップを再度繰り返し、培養による細胞の経時変化を観察する。このような培養及び観察は、経時変化を観察するため必要回数繰り返され、最終回の観察が終了した時点で次のステップS37に進む。
このステップS37で開閉蓋23を開けた後、次のステップS38に進んでY軸動作ステージ17からマイクロプレート15を取り外す。
続くステップS39で水槽34から滅菌水の残量を除去した後、次のステップS40に進んで開閉蓋23を閉める。
この後、次のステップS41に進んでUVランプを点灯し、UV照射穴カバー23bを取り外したUV照射穴から非測定エリア14の内部に向けて殺菌用の紫外線を照射する。この紫外線照射を所定時間継続して内部を殺菌した後、次のステップS42に進んでUVランプを消灯する。なお、UVランプの消灯後には、UV照射穴カバー23bを取り付けてUV照射穴を閉じる。
こうして培養室10内の殺菌・消毒が完了すると、ステップS43において生体試料観察装置100の全ての全ての操作は完了する。
次に、上述した第1の実施形態の変形例を図6及び図7に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この変形例は、上述したマイクロプレート15に代えて、培養液を循環させて生体試料の培養が可能な培養容器40を使用するものである。この培養容器40は、培養する細胞Cを載せたスライドガラス41を収納でき、底面には対物レンズ71で観察するためのガラス部材40aが設けられ、かつ、上面側には透過光源からの光を透過させるためのガラス部材(不図示)が設けられている。なお、上面側のガラス部材は着脱可能とし、スライドガラス41の出し入れなど培養容器40内の作業を実施できるようにする。
上述した培養容器40に培養液を供給する培養システムは、培養液瓶42と、培養液ポンプ43と、CO 供給手段44と、培養液配管45と、制御用のコンピュータ110とを具備して構成される。
培養液瓶42は、細胞の生育に必要な栄養素及び5%CO を混入した培養液を貯蔵するための容器である。この培養液は、培養液瓶温度制御部111により図示しないヒータを制御して37℃に保たれ、培養液の温度変化による細胞活性の低下を防いでいる。さらに、培養液瓶42に連結されたCO 供給手段44は、CO 濃度制御部112の制御を受けて培養瓶42にCO を供給することにより、培養液にCO が混入される。
こうしてCO を混入した培養液は、培養液ポンプ制御部113の制御により培養液ポンプ43を運転することにより、培養液配管45で連結された培養容器40を経由して循環するので、培養気体及び栄養素が培養容器40内の培養細胞に供給される。
なお、培養液瓶温度制御部111、CO 濃度制御部112及び培養液ポンプ制御部113は、それぞれがコンピュータ110から制御信号を受けるようになっている。
このような培養システムに連結された培養容器40を使用し、インキュベータボックスとして機能する培養室10内の所定の位置に取り付けて細胞の培養及び観察を行ってもよい。また、培養容器40の大きさ(平面の面積)が上述したマイクロプレート15と異なる場合には、たとえば図7に示すように、適当なアタッチメント46を介して取り付けることで、生体試料観察装置10におけるマイクロプレート15との併用が可能になる。この場合には、マイクロプレート15と同一の温度センサ33により、培養液の温度を検出できるように構成するとよい。
このような変形例においては、CO 供給口36に接続されるCO 配管36aを取り外してもよいし、単に供給のみを停止してもよい。好適には、図7に示すように、CO 配管36aを取り外したCO 供給口36にコネクタキャップ47を取り付けて閉じ、外気の流入を防止することが好ましい。
また、水槽34についても、培養液が循環するので滅菌水を入れて水蒸気を発生させる必要はなく、従って、培養及び観察時に水槽34自体を取り外してしまうことも可能である。
なお、面上ヒータ31及び補助ヒータ32による加温、ファン37による対流については、上述した実施形態と同様である。
このように、上述した第1の実施形態及びその変形例によれば、観察機(顕微鏡)のステージ70をインキュベータボックス化した培養室10で覆うことにより、細胞を保持する担体の選択自由度が増し、さらに、培養容器40と培養システムとを併用することにより、スライドガラス41を用いてさらに長期間にわたる細胞の観察を行うことができる。
また、細胞の特徴量を検出しない非観察時には、外部環境光を遮断することにより、光毒性の影響を排除して細胞を長期培養することができる。そして、雰囲気中の二酸化炭素濃度を均一化できるので、これによっても細胞を長期培養することができる。さらに、マイクロプレート15の温度をもとにヒータ類を協調温度制御し、温度変化による細胞のダメージを低減できるので、これによっても細胞を長期培養することができる。
また、図示しないCCDカメラなどにより細胞の画像を取得することにより、培養中の細胞が経時的に変化するのを容易に記録することができる。
従って、観察機の顕微鏡ステージ上などに培養室10を設置して、そのまま移動させることなく長期間にわたって細胞など生体試料の培養を実施できるようになる。このため、生体試料の経時的変化を測定することや培養過程で生じる生体試料の変化などをリアルタイムで容易に検出できるとともに、常に活性化(安定化)した培養細胞など生体試料の挙動を正確に検出できる生体試料観察装置を実現できる。
<第2の実施形態>
以下、本発明による生体試料観察装置の第2の実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の生体試料観察装置100Aでは、培養室10′の非測定エリア14に設けられた開閉蓋23′の開口部(UV照射穴)に、固定式のUVランプ26を取り付けてある。このUV照射ランプ26は、開口部を塞ぐとともに培養室10′の内部に紫外線を照射可能となるようケーシング内に配設されている。このような固定式のUVランプ26を採用することにより、必要なときには簡便に紫外線を照射して内部の滅菌及び殺菌を行うことが可能となる。
また、この実施形態の温度調節手段は、図9に示すように、面状ヒータ31が筐体11の外面側に取り付けられ、筐体11の内面側には面状ヒータ31による熱を効率的に放熱する放熱板38が取り付けられている。そして、筐体11の外面側は、面状ヒータ31の外側にさらに保温材39を取り付けて被覆した保温構造とされる。
このような構成の温度調節手段とすることにより、面状ヒータ31で発生した熱は、筐体11から放熱板38を介して効率よく伝達されて内部の雰囲気を温めることができる。この結果、面状ヒータ31に急激な温度変化が生じても雰囲気に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、細胞などの生体試料に適した柔らかな(緩やかな)温度変化の環境を形成することができる。なお、保温材39による保温構造としたので、面状ヒータ31で発生して外気へ放熱される熱量を最小限に抑えることができる。
また、この実施形態の湿度調節手段では、図8及び図9に示すように、非測定エリア13の水槽34に滅菌水貯蔵容器60から滅菌水を供給する滅菌水配管61を接続できるようにするため、筐体11に滅菌水供給コネクタ62が取り付けられている。この滅菌水供給コネクタ62は、培養室10′内に設けた給水配管63を介して水槽34に接続されている。なお、図中の符号35aは、ヒータ35に通電するための電線である。
滅菌水貯蔵容器60から水槽34への滅菌水供給方法としては、ポンプを用いて圧送してもよいし、あるいは、サイフォン効果を利用してもよい。ただし、サイフォン効果を利用する場合には、滅菌水配管61または給水配管63の途中にニードルコネクタなどの流量調整手段を設け、滅菌水の供給量を調整可能とすることが好ましい。
このように、滅菌水を培養室10′の外部から供給できるようにすれば、滅菌水の枯渇による雰囲気の湿度低下を回避できるので、より長期間にわたる培養を容易に行うことができる。さらに、連続かつ安定した滅菌水の供給を行うことにより、水槽34内の液深を浅く維持して効率のよい湿度の供給を行うことができる。
また、観察穴24、25から対物レンズ71を挿入して観察を行う領域には、図8に示すように、対物レンズ71及びレボルバー72を覆うように、弾性部材よりなるシート73がステージ70の下面に吊り下げられている。このようなシート73を設けることにより、対物レンズ71に余計な負荷をかけることなく、培養室10′内の雰囲気が外部へ流出するのを抑制することができる。すなわち、弾性部材のシート73をリボルバー72に密着させて覆うことができるので、対物レンズ71に直接負荷が及ぶことはなく、しかも雰囲気流出の原因となる開口部を塞ぐことができる。
なお、弾性部材のシート73に代えて、金属製や樹脂製の筒状部材をカバーとして取り付けてもよい。
また、この実施形態のガス濃度調整手段は、培養室10′内にCO 濃度センサ64を備えている。このCO 濃度センサ64で検出したCO 濃度は、CO 濃度制御部105′に入力される。そして、CO 濃度制御部105′では、入力されたCO 濃度に応じてCO 供給手段44から培養室10′内へ供給する供給量(流量)を制御するので、内部の雰囲気をより適正に保つことが可能になる。
また、測定エリア13側のカバーであるガラス上蓋22′については、たとえば図8に示すように、ガラス板22a′のような光学ガラス部材の面積を観察に影響のない最小限のエリアのみとすることで、環境光が必要以上に培養室10′内へ入ることを防ぐことができる。当然のことながら、たとえば暗幕のような遮光性部材により装置全体を覆ってしまうことが好ましい。なお、透過観察を必要としないときは、ガラス板22a′の上面にのみ遮光幕をおくことにより、完全な遮光を行うことができる
<第3の実施形態>
次に、本発明による生体試料観察装置の第3の実施形態を図10及び図11に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の生体試料観察装置100Bでは、培養室10″の筐体11″がY軸動作ステージ17に固定された構成とされる。また、培養室10″の筐体11″は、測定及び培養を行うひとつのエリアを形成し、その上面開口には、両面に反射防止膜を施した光学的ガラス部材であるガラス板22aを備えたガラス上蓋22がカバーとして着脱自在に設置されている。この場合の温度調節手段は、上述した第2の実施形態と同様に、面状ヒータ31及び保温材39が筐体11″の外面側に取り付けられ、筐体11″の内面側に面状ヒータ31の熱を効率的に放熱する放熱板38が取り付けられた構成を採用しているが、第1の実施形態と同様に、面状ヒータ31を筐体11″の内面側に取り付けた構成としてもよい。
また、顕微鏡のステージ70には、上述した開閉蓋23に代わる遮光手段として、Y軸動作ステージ17を収納可能な暗箱74が固定設置されている。この暗箱74は、X軸動作ステージ16が移動するX軸方向の一側面(紙面左側)に大きな開口部74aを備えている。この開口部74aは、所定(原点)位置においてY軸動作ステージ17の端面に固定された仕切り板75が接することにより閉じられる。この結果、培養室10″の筐体11″が箱様の閉空間内に収納された状態となるので、上述した所定位置を培養位置に設定することで、測定時以外は環境光を遮断することが可能になる。
この場合、UVランプは暗箱74の適所に固定設置してもよいし、あるいは、暗箱74に照射穴となる開口部を設け、第1の実施形態と同様にハンディタイプのUVランプを使用し、通常はUV照射穴カバーで塞ぐようにしてもよい。
また、筐体11″の側面にはコネクタ65が設けられ、培養雰囲気供給配管65aを接続できるようになっている。この場合、湿度の調整がなされた培養雰囲気を供給することにより、水槽34をなくして培養室11″を小型化することが可能になる。
ここで、培養雰囲気の供給について説明すると、この培養雰囲気は培養室11″の外部に設置された混合槽66から供給を受ける。この混合槽66は、たとえば5%CO を含んだ37℃の蒸気を作成する機能を有するものである。
混合槽66では、貯蔵する滅菌水を所定温度(たとえば37℃)に保温することで湿度管理が行われ、さらに、CO 濃度センサ64で検出した培養室11″内のCO 濃度に応じてCO 供給手段44から供給されるCO 流量が制御される。このため、混合槽66内では、供給されたCO と高湿な空気とが混合されて所望の培養雰囲気となり、この培養雰囲気が図示しないエアポンプにより培養雰囲気配管65aを介して培養室10″に供給される。
また、このような実施形態の構成とすれば、X軸動作ステージ16及びY軸動作ステージ17の搬送機構(ステージ駆動部)を培養室10″の外部に設置できるので、高湿高温のCO 存在下に駆動部を設置しなくてすみ、従って、駆動部に使用している材質の選択幅が広がってコストダウンを可能にする。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る生体試料観察装置について、第1の実施形態を示す概略構成図である。 図1に示した培養室の平面図であり、マイクロプレート(培養容器)が測定エリアの測定位置にある状態を示している。 図1に示した培養室の平面図であり、マイクロプレート(培養容器)が非測定エリアの培養位置にある状態を示している。 生体試料の培養及び観察に関する基本動作(操作)を示すフローチャートである。 第1の実施形態の生体試料観察装置について、環境制御装置及び外的要素除去装置の動作(操作)を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る変形例を示す図で、培養システムの概略構成図である。 第1の実施形態に係る変形例を示す図で、図6の培養システムを用いた培養室の平面図である。 本発明に係る生体試料観察装置について、第2の実施形態を示す概略構成図である。 図8に示した培養室の平面図であり、マイクロプレート(培養容器)が非測定エリアの培養位置にある状態を示している。 本発明に係る生体試料観察装置について、第3の実施形態を示す概略構成図である。 図10に示した培養室の平面図であり、マイクロプレート(培養容器)が非測定エリアの培養位置にある状態を示している。 従来例として顕微鏡下で生体試料を培養する容器の構成例を示す断面図である。
符号の説明
10,10′,10″ 培養室
11、11″ 筐体
11a ベース部材
12 上部開口
13 測定エリア
14 非測定エリア
15 マイクロプレート(培養容器)
16 X軸動作ステージ
17 Y軸動作ステージ
18 駆動ユニットボックス
19 天板
20 仕切り受
21 仕切り板
22,22′ ガラス上蓋
23,23′ 開閉蓋
26 UV照射ランプ
31 面状ヒータ
32 補助ヒータ
33 温度センサ
34 水槽
35 ヒータ
36 CO 供給口
36a CO 配管
37 ファン
38 放熱板
39 保温材
40 培養容器
41 スライドガラス
42 培養液瓶
43 培養液ポンプ
44 CO 供給手段
45 培養液配管
60 滅菌水貯蔵容器
64 CO 濃度センサ
66 混合槽
70 ステージ
71 対物レンズ
72 レボルバー
73 シート
74 暗箱
74a 開口部
75 仕切り板
100,100A,100B 生体試料観察装置
101 コンピュータ
102 X軸操作制御部
103 Y軸操作制御部
104 インキュベータ温度制御部
105,105′ CO 濃度制御部
110 コンピュータ
111 培養液瓶温度制御部
112 CO 濃度制御部
113 培養液ポンプ制御部

Claims (24)

  1. 生体試料の培養を行うことが可能で、かつ、当該培養が行われている前記生体試料を観察可能な生体試料観察装置であって、
    前記生体試料の前記培養を行うと共に前記生体試料を保持する培養容器を内部に収納する、外部から前記内部を前記観察することが可能な培養室と、
    前記培養室内を、前記生体試料の前記培養に必要な環境に制御する環境制御手段と、
    前記観察が行われていないときは、前記環境制御手段では前記制御することが不能であって前記観察時に前記生体試料に対し悪影響を及ぼし得る外的要素を除去することが可能な外的要素除去手段と、
    を備えたことを特徴とする生体試料観察装置。
  2. 前記外的要素除去手段は、前記観察が行われていないとき、観察者が前記外的要素を除去することが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  3. 前記外的要素は光であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に照射される光を除去する遮光手段が含まれることを特徴とする請求項2に記載の生体試料観察装置。
  4. 前記外的要素は衝撃または振動であり、前記外的要素除去手段には、防振手段が含まれることを特徴とする請求項2に記載の生体試料観察装置。
  5. 前記外的要素は塵芥または雑菌であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に侵入物が侵入することを防止する侵入物防止手段が含まれることを特徴とする請求項2に記載の生体試料観察装置。
  6. 前記外的要素除去手段は、前記培養室に対して開閉可能に設けられており、前記外的要素除去手段を閉じることで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を除去することが可能になることを特徴とする請求項2に記載の生体試料観察装置。
  7. 前記外的要素除去手段は、前記培養室の所定部分を覆うことが可能な構造として設けられており、
    前記培養室の前記所定部分を覆うことで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を除去することが可能になることを特徴とする請求項2に記載の生体試料観察装置。
  8. 前記外的要素除去手段は、前記観察が行われていないとき、前記観察が行われていないことを検出して自動的に前記外的要素を除去するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  9. 前記培養容器を、前記外的要素除去手段によって前記外的要素が除去できる位置から、前記生体試料の前記観察が可能な所定の位置まで、移動可能に支持する支持手段を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  10. 前記外的要素は光であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に照射される光を除去する遮光手段が含まれることを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  11. 前記外的要素は衝撃または振動であり、前記外的要素除去手段には、防振手段が含まれることを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  12. 前記外的要素は塵芥または雑菌であり、前記外的要素除去手段には、前記培養室内部に侵入物が侵入することを防止する侵入物防止手段が含まれることを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  13. 前記外的要素除去手段は、前記培養室に対して開閉可能に設けられており、
    前記外的要素除去手段を閉じることで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を除去することが可能になることを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  14. 前記外的要素除去手段は、前記培養室の所定部分を覆うことが可能な構造として設けられており、
    前記培養室の前記所定部分を覆うことで、前記生体試料に対する前記外的要素の影響を除去することが可能になることを特徴とする請求項8に記載の生体試料観察装置。
  15. 前記生体試料観察装置は、前記観察を行う観察機におけるステージ部と固定的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  16. 前記生体試料観察装置は、前記観察を行う観察機におけるステージ部に対して、着脱自在な構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  17. 前記観察機は顕微鏡であることを特徴とする請求項15または請求項16のいずれかに記載の生体試料観察装置。
  18. 前記環境制御手段は、前記培養室内の湿度を調節可能な湿度調節手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  19. 前記環境制御手段は、前記培養室内の温度を調節可能な温度調節手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  20. 前記環境制御手段は、前記培養室内の雰囲気を対流させることが可能な気体対流手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  21. 前記環境制御手段は、前記培養室内の、前記生体試料の培養に必要な所定のガスの濃度を調節可能なガス濃度調節手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  22. 前記ガスには所定濃度の二酸化炭素が含まれることを特徴とする請求項21に記載の生体試料観察装置。
  23. 前記培養が行われていないとき、前記培養室内部に殺菌光を照射することが可能な殺菌光照射手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体試料観察装置。
  24. 前記生体試料には、細胞が含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項23のいずれかに記載の生体試料観察装置。
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