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JP2005165249A - 反射防止膜及びこれを備える光学レンズ並びに光学レンズユニット - Google Patents

反射防止膜及びこれを備える光学レンズ並びに光学レンズユニット Download PDF

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JP2005165249A
JP2005165249A JP2004034726A JP2004034726A JP2005165249A JP 2005165249 A JP2005165249 A JP 2005165249A JP 2004034726 A JP2004034726 A JP 2004034726A JP 2004034726 A JP2004034726 A JP 2004034726A JP 2005165249 A JP2005165249 A JP 2005165249A
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optical
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Abstract

【課題】 比較的少ない膜構成で製造誤差が生じにくく、かつ、可視域において優れた反射防止膜を設けた高い透過率を有する光学レンズ、さらにこのような光学レンズから構成され、色バランスが良く高い透過率を有する高度な光学レンズユニットを提供すること。
【解決手段】 光学レンズAは、面頂の厚さが1mmで屈折率が1.44とされたレンズ(基材)1上に反射防止膜2が積層されて設けられている。反射防止膜2は、レンズ1から数えて1層目、3層目の屈折率が相対的に低い低屈折率材料である、例えば、SiOからなる低屈折率層3とされ、2層目の屈折率が低屈折率材料よりも高く高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料である、例えば、Alからなる中間屈折率層5とされ、4層目の屈折率が相対的に高い高屈折率材料である、例えば、ZrOからなる高屈折率層6とされ、5層目が、例えば、MgFからなる低屈折率層7とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可視域で使用される光学レンズに施される反射防止膜、及びこれが表面に形成された光学レンズ、並びにこの光学レンズから構成される光学レンズユニットに関する。
一般に、レンズやプリズムなどの光学部品の表面には、反射防止膜が施される。その主な目的は、多数の光学部品により構成される光学レンズユニットの透過率を向上すること、特に可視域の反射を抑えることで、像の明るさや見えやすさを向上させた光学機器とすることである。これまでの多くの光学機器及びそれに用いられる光学部品には、可視域での反射率を下げるために反射防止膜が施されてきた。反射防止膜として、膜厚λ/4又はλ/2の層を単層〜3層組み合わせた反射防止膜はよく知られた技術である。
最近では、光学機器と膜設計技術の高度化に伴って、光学部品やそれに施される反射防止膜の要求スペックも一段と高くなっている。このような反射防止膜は非常に厚い膜厚や非常に薄い膜厚を多数積層した膜構成であることが多い。
そこで反射防止膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンアシスト法、イオンプレーティング法等によって基板上に成膜される。一般に、単層から2層以上と反射防止膜の層数を増加させることで、反射防止膜の反射防止帯域を広げることができる。
このような反射防止膜として、7層で構成され、400nmから700nmの波長域に対する反射率が0.1〜0.5%程度のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−20102号公報
しかしながら、反射防止膜は、その膜厚の制御は光学式膜厚監視計、水晶振動子式膜厚監視計により行われるので、その膜厚の検出感度や精度、所定の膜厚を検出してから成膜装置を制御するまでのタイムラグなどの要因によって、実際に成膜された膜はその膜厚に物理的膜厚で数nmの製造誤差を含んでいる。そのため、反射防止膜の層数が増えるにつれて膜構成に薄い膜厚の層を含む傾向にある。薄い膜厚の層を含む膜構成の反射防止膜は、薄い膜厚の層を含まない膜構成の反射防止膜に対して、相対的に製造誤差の影響を大きく受けやすい。
また、光学機器の反射面数が増加すると光量損失が相乗的に増加するため、上記従来の反射防止膜では、反射面が40面あるような光学系となると全系の透過率は約82%から96%となり、未だに観察像の明るさや見えやすさに悪影響を及ぼす問題があった。特に、可視域でこのような透過率のばらつきが存在すると、観察側で色バランスが崩れて観察像が赤みがかったり青みがかったりと色再現性が劣化する課題があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、比較的少ない膜構成で製造誤差が生じにくく、かつ、可視域において優れた反射防止膜を設けた高い透過率を有する光学レンズ、さらにこのような光学レンズから構成され、色バランスが良く高い透過率を有する高度な光学レンズユニットを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る反射防止膜は、基材上に設けられる反射防止膜であって、前記基材から数えて第1、3、5層の屈折率が相対的に低い低屈折率材料からなる低屈折率層とされ、第4層の屈折率が相対的に高い高屈折率材料からなる高屈折率層とされ、第2層の屈折率が前記低屈折率材料よりも高く前記高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料からなる中間屈折率層とされて積層され、前記第1層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.15×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、前記第2層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.8×λ/4以下とされ、前記第3層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.38×λ/4以下とされ、前記第4層の光学的膜厚が設計波長λに対して1.8×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、前記第5層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.8×λ/4以上、1.2×λ/4以下とされていることを特徴とする。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記反射防止膜であって、基材上に設けられる反射防止膜であって、前記基材から数えて第2、5層の屈折率が相対的に低い低屈折率材料からなる低屈折率層とされ、第4層の屈折率が相対的に高い高屈折率材料からなる高屈折率層とされ、第1、3層の屈折率が前記低屈折率材料よりも高く前記高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料からなる中間屈折率層とされて積層され、前記第1層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.3×λ/4以上、1.8×λ/4以下とされ、前記第2層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.12×λ/4以上、0.60×λ/4以下とされ、前記第3層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.7×λ/4以上、1.8×λ/4以下とされ、前記第4層の光学的膜厚が設計波長λに対して1.8×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、前記第5層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.8×λ/4以上、1.2×λ/4以下とされていることを特徴とする。
この反射防止膜は、5層という比較的少ない積層数とされるとともに、第1層から第3層までを低屈折率層或いは中間屈折率層とされているので、光量損失を抑えて可視域における色づきを減らして高い反射防止効果を得ることができる。また、製造誤差の影響を受けやすい比較的薄い層を含める必要がなく、誤差の少ない安定した膜形成を実現することができる。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記反射防止膜であって、前記低屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.3以上1.5未満とされ、前記中間屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.5以上1.85未満とされ、前記高屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.85以上2.7未満とされていることを特徴とする。
この反射防止膜は、可視域で高い反射防止効果を得ることができるとともに、各層の屈折率がそれぞれ一定範囲内とされているので、この範囲内の屈折率を有する種々の材料を使用でき、広い範囲から材料を選択することができる。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記反射防止膜であって、前記高屈折率材料が、CeO、Cr、In、SnO、ZnS、WO、TiOx(0≦x≦2)、HfO、ZrO、Ta、Y、Pr11、Nb、La、チタン酸ランタンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記反射防止膜であって、前記中間屈折材料が、SiO、Al、CeF、LaF、MgOのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記反射防止膜であって、前記低屈折材料が、NaAlF、SiO、MgFのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
この反射防止膜は、可視域で高い反射防止効果を得ることができるとともに、上述の中から適当な材料を選択することによって、その材料の特性を生かした反射防止膜を得ることができる。
本発明に係る光学レンズは、前記基材がレンズとされ、本発明に係る反射防止膜が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る光学レンズは、前記光学レンズであって、420nmから660nmの波長範囲において、前記反射防止膜の反射率が0.2%以下であることを特徴とする。
この光学レンズは、420nmから660nmの波長範囲等の可視域で高い透過率を得ることができる。
本発明に係る光学レンズユニットは、複数の光学レンズを備える光学レンズユニットであって、本発明に係る光学レンズを少なくとも一つ備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る光学レンズユニットは、前記光学レンズユニットであって、430nmから650nmの波長範囲において、前記光学レンズを1から40面連ねたときの透過率が95%以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る光学レンズユニットは、前記光学レンズユニットであって、430nmから650nmの波長範囲において、前記光学レンズを1から80面連ねたときの透過率が90%以上であることを特徴とする。
この光学レンズユニットは、430nmから650nmの波長範囲で使用する光学機器に用いた場合に可視域で高い透過率を得ることができる。
本発明の反射防止膜によれば、低コストで可視域における高い透過率を良好に得ることができる。また、本発明の光学レンズによれば、可視域における光量損失を少なくすることができ、良好な反射防止効果によって高い透過率を得ることができる。さらに、本発明の光学レンズユニットは、対象物を観察する際に、観察像の明るさを十分確保することができるとともに色づきがなく色バランスの良好な観察像を得ることができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1、図2及び表1を参照しながら説明する。
本実施形態に係る光学レンズAは、株式会社オハラ製S−FPL53からなり、面頂の厚さが1mmで屈折率が1.44とされたレンズ(基材)1上に反射防止膜2が積層されて設けられている。反射防止膜2は、レンズ1から数えて第1層、第3層の屈折率が相対的に低い低屈折率材料である、例えば、SiOからなる低屈折率層3とされ、第2層の屈折率が低屈折率材料よりも高く高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料である、例えば、Alからなる中間屈折率層5とされ、第4層の屈折率が相対的に高い高屈折率材料である、例えば、ZrOからなる高屈折率層6とされ、第5層が、例えば、MgFからなる低屈折率層7とを備えている。
また、第1層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.15×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、第2層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.8×λ/4以下とされ、第3層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.38×λ/4以下とされ、第4層の光学的膜厚が設計波長λに対して1.8×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、第5層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.8×λ/4以上、1.2×λ/4以下とされている。設計波長を520nmとするとき、表1に、各層を構成する材料の350nmから800nmの波長範囲における屈折率と、このときの各層の光学膜厚nd(nは屈折率、dは物理的膜厚)を示す。
なお、あわせて、株式会社オハラ製S−BSL7からなり面頂の厚さが1mmで屈折率が1.52とされたレンズ上に反射防止膜2が積層された光学レンズBと、株式会社オハラ製S−BAL35からなり面頂の厚さが1mmで屈折率が1.59とされたレンズ上に反射防止膜2が積層された光学レンズCとを作成した。
Figure 2005165249
次に、光学レンズA、B、Cの製造方法、及び、作用・効果について以下、説明する。
反射防止膜2は、10−2から10−5Paの真空域にて真空蒸着により形成される。
なお、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
また、高屈折率材料としてZrO、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたがこれに限定されるものではなく、例えば、高屈折率材料として、CeO、Cr、In、SnO、ZnS、WO、TiOx(0≦x≦2)、HfO、ZrO、Ta、Y、Pr11、Nb、La、チタン酸ランタンの何れか、又はこれらの混合物或いは化合物、中間屈折率材料としてSiO、Al、CeF、LaF、MgOの何れか、又はこれらの混合物或いは化合物、低屈折率材料としてNaAlF、SiO、MgFの何れか、又はこれらの混合物或いは化合物というように、各材料と同様な屈折率を持つ材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
こうして得られた光学レンズA、B、Cの分光反射率特性を図2に示す。420nmから650nmの波長範囲における反射率が0.2%以下であり、また、430nmから650nmの波長範囲における反射率の最大値と最小値の差(以下、PV差という。)が0.18%以下であった。
この反射防止膜2によれば、5層という比較的少ない積層数とされるとともに、第1層から第3層までを低屈折率層3或いは中間屈折率層5とされているので、光量損失を抑えて可視域における色づきを減らして高い反射防止効果を得ることができる。また、製造誤差の影響を受けやすい物理的膜厚15nm以下の比較的薄い層を含める必要がなく、誤差の少ない安定した膜形成を低コストで実現することができる。
さらに、これらが積層された光学レンズA、B、Cも、可視域で色づきの少ない良好な透過率を得ることができる。
次に、第2の実施形態について図3、図4及び表2を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第2の実施形態に係る光学レンズDの反射防止膜8が、表2に示すように、株式会社オハラ製S−BAL35からなり面頂の厚さが1mmで屈折率が1.59とされたレンズ10から数えて第1層、第3層が、例えば、Alからなる中間屈折率層11とされ、第2層が、例えば、SiOからなる低屈折率層12とされ、第4層が、例えば、ZrOからなる高屈折率層13とされ、第5層が、例えば、MgFからなる低屈折率層15とされている点である。
光学レンズDと同様の方法により、株式会社オハラ製S−LAL8からなり面頂の厚さが1mmで屈折率が1.71とされたレンズ上に反射防止膜が積層された光学レンズEと、株式会社オハラ製S−TIH53からなり面頂の厚さが1mmで屈折率が1.85とされたレンズ上に反射防止膜が積層された光学レンズFとを作成した。表2に、各層を構成する材料の350nmから800nmの波長範囲における屈折率と、このときの各層の光学膜厚nd(nは屈折率、dは物理的膜厚)を示す。
Figure 2005165249
こうして得られた光学レンズD、E、Fの分光反射率特性を図4に示す。420nmから660nmの波長範囲における反射率が0.15%以下であり、また、430nmから650nmの波長範囲における反射率の最大値と最小値の差(以下、PV差という。)が0.17%以下であった。
この反射防止膜13及び光学レンズD、E、Fによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第3の実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
本実施形態に係る光学レンズユニット16は、屈折率が1.52で面頂の厚さが2mmから10mmである6枚のレンズを備え、G側を光の入射側、L側を光の出射側としている。この6枚のレンズ全ての反射面、つまり、12面の反射面のそれぞれに、表1のBに示した反射防止膜を備えている。
この光学レンズユニット16によれば、図6に示すように、波長430nmから650nmの範囲で透過率が98.5%以上になっており、PV差は1.1%とすることができる。したがって、対象物を観察する際に、観察像の明るさを十分確保することができるとともに色づきがなく色バランスの良好な観察像を得ることができる。
次に、第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
本実施形態に係る光学レンズユニット17は、株式会社オハラ製S−FPL53からなり屈折率が1.44で厚さが1mmである5枚の平行平板の両面、すなわち10面に、表1のAで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズと、株式会社オハラ製S−BSL7からなり屈折率が1.52で厚さが1mmである10枚の平行平板の両面、すなわち20面に、表1のBで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズと、株式会社オハラ製S−BAL35からなり屈折率が1.59で厚さが1mmである5枚の平行平板の両面、すなわち10面に、表1のCで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズとを備え、これら20枚の平行平板すなわち全40面が直列に連ねられた構成とされている。
この光学レンズユニット17によれば、図7に示すように、波長430nmから650nmの範囲で透過率が95%以上にすることができる。したがって、対象物を観察する際に、観察像の明るさを十分確保することができるとともに色づきがなく色バランスの良好な観察像を得ることができる。
次に、第5の実施形態について図8を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
本実施形態に係る光学レンズユニット18は、株式会社オハラ製S−FPL53からなり屈折率が1.44で厚さが1mmである10枚の平行平板の両面、すなわち20面に、表1のAで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズと、株式会社オハラ製S−BSL7からなり屈折率が1.52で厚さが1mmである15枚の平行平板の両面、すなわち30面に、表1のBで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズと、株式会社オハラ製S−BAL35からなり屈折率が1.59で厚さが1mmである15枚の平行平板の両面、すなわち30面に、表1のCで示した膜構成の反射防止膜を有する光学レンズとを備え、これら40枚の平行平板すなわち全80面が直列に連ねられた構成とされている。
この光学レンズユニット18によれば、図8に示すように、波長430nmから650nmの範囲で透過率が90%以上にすることができる。したがって、対象物を観察する際に、観察像の明るさを十分確保することができるとともに色づきがなく色バランスの良好な観察像を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、基板の面頂の長さを1mm、或いは2mmから10mmとして説明しているが、反射率或いは透過率を測定する際には、基板の厚さによらず適用することができる。
また、第4、第5の実施形態に係る光学レンズは平行平板であるため、並び順、板厚、平板間隔は任意のものでも構わない。
なお、第4、第5の実施形態では平行平板を用いて行ったが、平行平板に代えて、曲率をもったレンズ面を有する光学レンズを用い、並び順、レンズ厚、レンズ面間隔を考慮すれば同等の効果が得られる。
比較例として、設計波長λ=510nmとして、基材の屈折率を1.52とし、基材から数えて第1層の屈折率を1.60、膜厚を1×λ/4、第2層の屈折率を2.0、膜厚を2×λ/4、第3層の屈折率を1.38、膜厚を1×λ/4とする一般的に知られた3層反射防止膜の分光反射特性を図9に示す。
また、この反射防止膜を本発明の第3の実施形態と同様な光学レンズユニットの12面の反射面全てに施したときの分光透過率特性を図6に、この反射防止膜を株式会社オハラ製S−BSL7からなり厚さ1mmで屈折率1.52である20枚の平行平板の両面40面の反射面全てに施したときの分光透過率特性を図7に、この反射防止膜を株式会社オハラ製S−BSL7からなり厚さ1mmで屈折率1.52である40枚の平行平板の両面80面の反射面全てに施したときの分光透過率特性を図8にそれぞれ示す。
この結果、比較例における反射防止膜の分光反射率は、図9に示すように、波長420nmから660nmの範囲で、0〜0.4%となっており、510nm付近に0.4%に近い反射率のピークを有する分光反射率特性となっている。これに対して、本実施形態の場合、図2及び図4に示すように、波長420nmから660nmの範囲で、反射率のピークが0.18%以下である。
このことから、本実施形態に係る光学レンズは可視域で色づきの少ない良好な透過率を得ることができることがわかる。
また、比較例の光学ユニット全系透過率は、波長430nmから650nmの範囲で、透過率が95.5%以上になっており、PV差は4.3%になっている。これに対し、本実施形態の場合、図6に示すように、透過率が98.5%以上でPV差が1.1%となっている。さらに、図7及び図8に示す場合も含めて波長400nmから700nmの可視域で、透過率が90%以上になっていることから、本実施形態に係る光学レンズユニットで対象物を観察する際、観察像の明るさを十分確保できるとともに色づきの少ない良好な観察像を得ることができることがわかる。
本発明に係る第1の実施形態における光学レンズを示す断面図である。 本発明に係る第1の実施形態における反射防止膜の分光反射率特性を示すグラフである。 本発明に係る第2の実施形態における光学レンズを示す断面図である。 本発明に係る第2の実施形態における反射防止膜の分光反射率特性を示すグラフである。 本発明に係る第3の実施形態における光学レンズユニットを示す側面図である。 本発明に係る第3の実施形態及び比較例における光学レンズユニットの分光透過率特性を示すグラフである。 本発明に係る第4の実施形態及び比較例における光学レンズユニットの分光透過率特性を示すグラフである。 本発明に係る第5の実施形態及び比較例における光学レンズユニットの分光透過率特性を示すグラフである。 反射防止膜の比較例における分光反射率特性を示すグラフである。
符号の説明
1、10 レンズ(基材)
2、8、12、13 反射防止膜
3、7、12、15 低屈折率層
5、11 中間屈折率層
6、13 高屈折率層
16、17、18 光学レンズユニット
A,D 光学レンズ

Claims (11)

  1. 基材上に設けられる反射防止膜であって、
    前記基材から数えて第1、3、5層の屈折率が相対的に低い低屈折率材料からなる低屈折率層とされ、
    第4層の屈折率が相対的に高い高屈折率材料からなる高屈折率層とされ、
    第2層の屈折率が前記低屈折率材料よりも高く前記高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料からなる中間屈折率層とされて積層され、
    前記第1層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.15×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、
    前記第2層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.8×λ/4以下とされ、
    前記第3層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.1×λ/4以上、0.38×λ/4以下とされ、
    前記第4層の光学的膜厚が設計波長λに対して1.8×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、
    前記第5層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.8×λ/4以上、1.2×λ/4以下とされていることを特徴とする反射防止膜。
  2. 基材上に設けられる反射防止膜であって、
    前記基材から数えて第2、5層の屈折率が相対的に低い低屈折率材料からなる低屈折率層とされ、
    第4層の屈折率が相対的に高い高屈折率材料からなる高屈折率層とされ、
    第1、3層の屈折率が前記低屈折率材料よりも高く前記高屈折率材料よりも低い中間屈折率材料からなる中間屈折率層とされて積層され、
    前記第1層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.3×λ/4以上、1.8×λ/4以下とされ、
    前記第2層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.12×λ/4以上、0.60×λ/4以下とされ、
    前記第3層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.7×λ/4以上、1.8×λ/4以下とされ、
    前記第4層の光学的膜厚が設計波長λに対して1.8×λ/4以上、2.2×λ/4以下とされ、
    前記第5層の光学的膜厚が設計波長λに対して0.8×λ/4以上、1.2×λ/4以下とされていることを特徴とする反射防止膜。
  3. 前記低屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.3以上1.5未満とされ、
    前記中間屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.5以上1.85未満とされ、
    前記高屈折率層の350nmから800nmの波長範囲における屈折率が1.85以上2.7未満とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。
  4. 前記高屈折率材料が、CeO、Cr、In、SnO、ZnS、WO、TiOx(0≦x≦2)、HfO、ZrO、Ta、Y、Pr11、Nb、La、チタン酸ランタンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の反射防止膜。
  5. 前記中間屈折材料が、SiO、Al、CeF、LaF、MgOのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の反射防止膜。
  6. 前記低屈折材料が、NaAlF、SiO、MgFのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の反射防止膜。
  7. 前記基材がレンズとされ、
    請求項1から請求項6の何れか一つに記載の反射防止膜が設けられていることを特徴とする光学レンズ。
  8. 420nmから660nmの波長範囲において、前記反射防止膜の反射率が0.2%以下であることを特徴とする請求項7に記載の光学レンズ。
  9. 複数の光学レンズを備える光学レンズユニットであって、
    請求項7に記載の光学レンズを少なくとも一つ備えていることを特徴とする光学レンズユニット。
  10. 430nmから650nmの波長範囲において、前記光学レンズを1から40面連ねたときの透過率が95%以上であることを特徴とする請求項9に記載の光学レンズユニット。
  11. 430nmから650nmの波長範囲において、前記光学レンズを1から80面連ねたときの透過率が90%以上であることを特徴とする請求項9に記載の光学レンズユニット。


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