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JP2005162866A - 車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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JP2005162866A
JP2005162866A JP2003403342A JP2003403342A JP2005162866A JP 2005162866 A JP2005162866 A JP 2005162866A JP 2003403342 A JP2003403342 A JP 2003403342A JP 2003403342 A JP2003403342 A JP 2003403342A JP 2005162866 A JP2005162866 A JP 2005162866A
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polyol
molding
mold
foam
rigid polyurethane
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Application number
JP2003403342A
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English (en)
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Masaru Suzuki
賢 鈴木
Takeshi Reikan
健 令官
Yasutake Kudo
泰丈 工藤
Shiroyasu Ota
城裕 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Covestro Urethane Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Sumika Bayer Urethane Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Sumika Bayer Urethane Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】 車両用のインストルメントパネルのクラッシュパッド製造に適した、充填性は良好であるがフォーム液の漏れによる成形不良の少ない成形品を与える、半硬質ポリウレタンフォームを得る。
【解決手段】 プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール(a)と
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合させて得られる重合体ポリオール(b)
からなるポリオール(1)を含み、水分含有率が1.4重量%〜1.8重量%であるポリオール混合物(I)と、ポリイソシアネート化合物(II)とを用いて、成形する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
従来、車両用インストルメントパネルには、意匠面に使用される表皮材と形状保持用の基材の間に半硬質ポリウレタンフォームをクラッシュパッド材として成形したものがあり、その質感の高さから採用される車両も多い。
車両用インストルメントパネルは、意匠部品として表面欠陥の無いものが求められることは言うまでも無いが、他の車両用内装部品と比較するとその面積が大きく、表皮及び基材との一体成形工法のため、成形型の構造が複雑で、その調整も容易ではない。車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの不良には、ボイド不良、セル荒れ、セル荒れがひどい場合の表皮表面の不良、成形型からのフォーム液の漏れによる不良等がある。 車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの不良は、成形型に起因し発生することが多く、そのため、車両用インストルメントパネルを低い不良率で製造することは容易ではない。
又、生産性の向上要求から脱型時間の短縮も求められている。その要求を満たすためには、半硬質ポリウレタンフォームの反応性を上げる必要が有る。一般的にオープン成形とよばれる工法は、開いた成形型にポリオール混合物とポリイソシアネート化合物の混合液を、適当な手段で、適量、適当なパターンで撒いた後、成形型を閉じてその混合液が十分に発泡反応と樹脂化反応し、所定の性能を有する半硬質ポリウレタンフォームとなった後再び成形型を開き製品を取り出すが、半硬質ポリウレタンフォームの反応性を上げると、成形型を閉じるまでに発泡反応と樹脂化反応が始まってしまい、所定の性能を有する半硬質ポリウレタンフォームとなる前の、まだ流動性を有している状態のフォーム液と呼ばれる液状のフォームが、型から溢れたり、漏れる事が多く成形が困難になりやすく、そのため脱型時間の短縮は容易でない。
一方、一般的にクローズ成形と呼ばれている工法は、当初から閉じた成形型に混合液を一点から注入し、その発泡圧力によって成形型内を満たし、樹脂化反応によって高分子化し所定の性能を有する半硬質ポリウレタンフォームとなった後、成形型を開き脱型するので、当初から成形型を閉じているため、先述の半硬質ポリウレタンフォームの発泡反応が上がることによる問題は起こらない。従って脱型時間の短縮は比較的容易である。 しかしながら、クローズ成形は一点注入であり、混合液を成形型内の広範囲に撒く、オープン成形と違って、混合液のより良好な流動性が必要となる。オープン成形用材料をそのままクローズ成形に用いると流動不足でうまく充填できない。そのために発泡剤としての水をより多く配合する場合が多いが、そのため発泡圧力が高まり、成形型不良に起因するフォーム液の漏れによる成形不良がより多くなるため不良率が高くなる。 更に、クローズ成形に用いられる型は、それ専用の成形型の設計が必要であり、オープン成形型を容易に転用することは出来ない。
車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームについて、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液が漏れにくい、又ボイド不良、セル荒れなどの成形不良の少ない製品を製造する方法が望まれている。オープン成形から脱型時間の短縮、即ち短時間成形対応が容易なクローズ成形に移行する時に、ある期間オープン成形型とクローズ成形型が、1つの成形ラインに混在する状況下に有っても容易に対応出来る製造方法、すなわちオープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能な製造方法も望まれている。
キュア性に優れ、ボイド不良、セル荒れなどの成形不良の少ない製品を製造する方法に関する技術が種々提案されている。
特開平4−146916号公報 特開平4−146916号公報には、特定のポリオール組成物を用いることによってフロン11を用いることなく水だけを発泡剤として用いて従来と同等のフォーム硬さの軟らかい半硬質ポリウレタンフォームを得る製造方法が提案されているが、この製造方法では、キュア時間が長く成形性が不十分であるという問題がある。
特開2001−342236号公報 特開2001−342236号公報には、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒及び整泡剤からなる反応液をクラッシュパッド用成形型に注入して半硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、平均官能基数が2〜6、水酸基価が100〜1000mgKOH/gであるポリオキシエチレンポリオールを用いることを特徴とする半硬質ポリウレタンモールドフォームの製造方法を用いることによって、ボイド不良が少なく、キュア性、成形性が良い半硬質ウレタンフォームが提案されているが、この方法では、成形型のすり合わせ不良によるフォーム液の漏れに起因するその周辺のセル荒れについての対策は不十分であり、フォーム液の漏れに起因するセル荒れが解消できず、ひどい場合は表皮材の上からでも不良が明らかとなり、重大な不具合となる。
特開2001−354746号公報 特開2001−354746号公報には、特定のポリオール組成物、特定のポリイソシアネート成分、水からなる発泡剤、触媒、及び必要により整泡剤からなる半硬質ポリウレタンフォーム形成組成物を用いることによって、ボイド不良が少なく、キュア性、成形性が良い半硬質ウレタンフォームが提案されているが、この方法では、成形型のすり合わせ不良によるフォーム液の漏れに起因するその周辺のセル荒れについての対策は不十分であり、フォーム液の漏れに起因するセル荒れが解消できず、ひどい場合は表皮材の上からでも不良が明らかとなり、重大な不具合となる。
しかしながら、これらの技術は、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液が漏れにくい、又ボイド不良、セル荒れなどの成形不良の少ない半硬質ポリウレタンフォームを製造するに十分なものではなかった。更にオープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能な製造方法についても十分なものではなく又記載もされていない。
本発明の目的は、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液の漏れにくい、成形不良の少ない半硬質ポリウレタンフォームを製造する方法を提供し、加えて、オープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能な車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が20mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール(a)と、平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が30mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合させて得られるビニル系モノマー重合体含量が10〜30重量%の重合体ポリオール(b)からなるポリオール(1)を含んでなり、水分含有率が1.4重量%〜1.8重量%であるポリオール混合物(I)を用いて、成形時のポリオール混合物とポリイソシアネート化合物の液温を37℃〜43℃で、成形時の型内発泡圧を0.15MPa〜0.20MPaで、成形されたポリウレタンフォームの密度が170kg/m〜190kg/mとする条件で成形することによって、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液の漏れにくい、ボイド不良、セル荒れなどの成形不良の少ない半硬質ポリウレタンフォーム、及びオープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能な車両用インストルメントパネルが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明によれば、車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの製造において、従来の方法によるものに比べ、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液が漏れにくい、ボイド不良、セル荒れなどの成形不良の少ない車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームを製造できる。キュア性が優れ成形不良が少ないことから生産性に貢献できる。 加えて、クリームタイムを8秒〜15秒の間に調整することで、オープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能となり、将来の脱型時間短縮による生産性向上の計画を立てる上で、経済的なプロセスが可能となる。
本発明は、ポリオール(1)、鎖延長剤(2)、水(3)、触媒(4)、必要に応じてその他助剤(5)からなるポリオール混合物(I)と、ポリイソシアネート化合物(II)とを用いて、半硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール(1)は下記のポリエーテルポリオール(a)及び重合体ポリオール(b)からなっており、水分含有率が1.4重量%〜1.8重量%であるポリオール混合物(I)を用いて、成形時のポリオール混合物とポリイソシアネート化合物の液温を37℃〜43℃で、成形時の型内発泡圧を0.15MPa〜0.20MPaで、成形されたポリウレタンフォームの密度が170kg/m〜190kg/m とする条件で成形することを特徴とする車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。ポリエーテルポリオール(a):平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が20mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール、ビニル系モノマー重合体ポリオール(b):平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が30mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合させて得られるビニル系モノマー重合体含量が10〜30重量%の重合体ポリオール。
本発明に使用されるポリオール(1)は平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が20mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール(a)と平均官能基数が2〜4であり、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを付加重合した水酸基価が30mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合させて得られるビニル系モノマー重合体含量が10〜30重量%の重合体ポリオール(b)からなる。
ポリエーテルポリオール(a)としては、2〜4価の出発物質(例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの水酸基含有化合物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミノ基や水酸基を含有する化合物、あるいはエチレンジアミン、ジアミノトルエンなどのアミノ基含有化合物)にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した分子中に2〜4個の水酸基を含有し、水酸基価が20mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオールなどが用いられる。好ましくは平均官能基数が2〜3であり、水酸基価が25mgKOH/g〜30mgKOH/gである。平均官能基数が2未満、あるいは水酸基価が20mgKOH/g未満では、硬化時間が長くなり、又半硬質ポリウレタンフォームの硬度も低下する。従って車両用インストルメントパネルに求められる最終の硬度が得られにくい。平均官能基数が4を超えるか、あるいは水酸基価が40mgKOH/g
を超えると成形時の流動性が低下する。またフォームの物性の伸びが低下する。
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドが付加重合されているポリエーテルポリオールが良い。ポリエーテルポリオールにおいて、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの重量比は90:10〜70:30であることが好ましい。プロピレンオキサイドのみが付加重合されているポリエーテルポリオールでは、ポリエーテルポリオール自体の活性が低く、ポリオール混合物(I)の反応性も遅くなり、生産性向上に必要なキュア性が得られない為、脱型時間の短縮が出来難くなる。
ビニル系モノマー重合体ポリオール(b)は、ポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合して製造することができる、ビニル系モノマー重合体含量が10〜30重量%の重合体ポリオールである。例えば、平均官能基数が2〜4のアルキレンオキサイドを付加した水酸基価30mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール中で、ラジカル開始剤の存在下、ビニル系モノマーを重合させて得られた重合体ポリオールなどである。重合体ポリオール(b)中のポリエーテルポリオールは、2〜4価の出発物質にアルキレンオキサイド(特に、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド)を付加することによって製造することができる。重合体ポリオール(b)中のポリエーテルポリオールにおいてプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの組み合わせを用いる場合に、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの重量比は90:10〜70:30であることが好ましい。
ビニル系モノマーとしては例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート、アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレートなどである。好ましくはアクリロニトリル、スチレンである。 重合体含量が10重量%を超えると半硬質フォームの成形直後及び最終硬度が向上する。30重量%を超えると最終硬度が必要以上に出てしまう事が多く硬度の調整が難しくなる。また30重量%をこえると重合体ポリオールの粘度も高くなり、それに相応してポリオール混合物(I)の粘度も高くなることから成形時の流動性が低下し充填不足等が起き易い。好ましくはビニル系モノマー重合体含量が20〜30重量%である。
ポリエーテルポリオール(a)と重合体ポリオール(b)との好ましい重量比は、90:10〜60:40、特に80:20〜70:30である。
また、ポリオール(1)として、ポリカルボン酸と低分子量の水酸基含有化合物から得られるポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールの水酸基をアミノ化し、あるいはポリエーテルポリオールのイソシアネートプレポリマーを加水分解して得られるポリエーテルポリアミンであって、平均分子量が1000 〜12000のものも併用できる。
鎖延長剤(2)としては、分子量が62〜300の多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等で、多価アミン、例えばエチレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、t −ブチルトルエンジアミン、ジエチルジアミノベンゼン、トリエチルジアミノベンゼン、テトラエチルジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等で、アルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が必要に応じて用いられ、これらにアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールなどであってもよい。鎖延長剤(2)は、2〜4価、特に2価であってよい。 鎖延長剤(2)の量は、ポリオール100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
触媒(4)としては、アミン触媒や金属触媒が単独あるいは併用して用いられる。アミン触媒の例としては、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,8-ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7、ジメチルアミノエタノール、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N'−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N'−ジメチルエタノールアミン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールなどの第3 級アミンが使われる。
金属触媒の例としては、ジブチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、ジブチル錫ジアセテートなどの有機金属化合物が用いられる。 触媒(4)の量は、ポリオール(1)100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましい。
必要に応じて使用できる助剤(5)としては、気泡安定剤、例えばシリコーン系整泡剤、界面活性剤、耐候剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等がある。助剤(5)の他の例は、着色剤及び表皮との接着性改良剤などである。
水(3)の量は、ポリオール混合物中の水分含有率が1.4重量%〜1.8重量%になるような量である。 水分含有率が1.4重量%以下では流動性不足で目標密度の170〜190Kg/mの成形品は得られない。また、水分含有率が1.8重量%を超えると、フリー発泡密度が低くなり、流動性が向上するがオーバーパックがかかりすぎる為、発泡圧が0.2MPa以上となり成形型の上下合わせ目からフォーム液が漏れやすく、これに起因するセル荒れが生じる。又、発泡圧が高いと表皮とフォームの界面にガスが溜まりやすく、表皮表面からも見える扁平なボイドが発生し易くなる。
ポリイソシアネート化合物(II)としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)及び/又はトリレンジイソシアネート(TDI)や、それらの変性イソシアネートが単独あるいは混合して用いられる。 変性イソシアネートは、ポリイソシアネート化合物の部分化反応、例えば、尿素化、ビューレット化、アロファネート化、カルボジイミド化、イソシアヌレート化、及び/又はウレタン化で得られる製品である。ポリイソシアネート化合物として、ポリメリックMDIやモノメリックMDIを用いたものを変性MDIと総称する。
ポリイソシアネート化合物(II)のNCO基含有量は28〜32%、特に30〜32%であることが好ましい。 ポリイソシアネート化合物(II)は、好ましくはポリメリックMDI単独、又は変性MDIを含有するポリメリックMDIである。 ポリメリックMDIは、モノメリックMDIを30〜60重量%、特に好ましくは40〜50重量%含有するものが良い。NCO基含有量は28〜32%、好ましくは30〜32%のものが使用される。 ポリメリックMDI中のモノメリックMDI含有率が30重量%以上であると、粘度が低くなり、取扱いが容易である。また反応時の流動性も良好であり、成形が容易にでき、フォームの伸びも高い。モノメリックMDI含有率が60重量%以下であると、フォームの強度や硬度が高くなり実用レベルのものとなる。
成形時のポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)の液温は、37〜43℃である。液温を37℃より低くすると、液の粘度が高くなり流動性が悪く未充填(すなわち、充填不能)となる。液温を43℃より高くすると充填性は向上するが、ウレタンフォーム中にボイドが増加し、成形不良が多発する。
半硬質ポリウレタンフォームの成形時の型内発泡圧は、0.15MPa〜0.20MPaである。 型内発泡圧が0.2MPa以上では、上下型の合わせ目からフォーム液が漏れやすく、これに起因するセル荒れが起こる。又、発泡圧が高いと表皮とフォームの界面にガスが溜まりやすく、表皮表面からも見える扁平なボイドが発生しやすくなる。 型内発泡圧が0.15MPa以下では、成形型の端末まで液が充填しにくくなり、未充填による成形不良が起き、目標密度の170〜190Kg/mの成形品は得られない。
成形されたポリウレタンフォームの密度が170kg/m3〜190kg/m3 となるようにする。 密度が190kg/m3以上では、オーバーパックがかかり、型内発泡圧が0.2MPa以上になり、成形型の上下合わせ目からフォーム液が漏れやすく、これに起因するセル荒れが起こる。又、発泡圧が高いと表皮とフォームの界面にガスが溜まりやすく、表皮表面からも見える扁平なボイドが発生しやすくなる。密度が170kg/m3以下では、フォームの強度や硬度が低下する。
本発明において、イソシアネートインデックス[(ポリイソシアネート化合物(II)のイソシアネート基の当量とポリオール混合物中の活性水素の当量との比)×100 ]は、70〜130、特に90〜110であってよい。
従来通常は、ポリオール混合物中の水分が2.0%以上になるような水が使用され、フリー発泡密度を低くしてオーバーパックをかける方法でクローズ型への充填を確保してきたが、この場合発泡圧が0.2MPa以上となり成形型の上下合わせ目からフォーム液が漏れやすく、これに起因するセル荒れがあった。又、発泡圧が高いと表皮とフォームの界面にガスが溜まりやすく、表皮表面からも見える扁平なボイドが発生しやすかった。 鋭意研究の結果、液温を37〜43℃にすることにより初期流動性が著しく良くなり水分が1.8重量%以下でもクローズ成形型において充分充填し、しかも発泡圧が0.20MPaを超えることなく、フォーム液の漏れに起因するセル荒れの問題や扁平ボイドの問題も解消した。 水分が少なくなると充填に要する樹脂量が多くなり経済的に不利であるが、本発明における目標成形フォーム密度190Kg/m以下では、1.4重量%〜1.8重量%の水分で成形が充分可能であった。
反応性の指標であるフリー発泡時のクリームタイムを、8秒〜15秒に調整することで、オープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能となる。 フリー発泡とは、高圧発泡機から所定の原料液温度下で、直接混合液を5リットルポリエチレン製カップに約500g注入し、発泡圧がかからない状態で発泡させる事で、一般的に、反応性や、密度等の測定、及びフォーム状態の観察を行う。 クリームタイムは、高圧発泡機から所定の原料液温度下で、直接混合液を5リットルポリエチレン製カップに約500g注入し、注入開始から混合液が泡化反応を開始し、液体が膨張開始するまでの時間で、目視でストップウオッチを用いて計時して行う。クリームタイムの調整は、主として、触媒(4)の種類と添加量で行う。
クリームタイムが8秒以下の場合、反応時における初期の粘度上昇が必要以上に起こる為、クローズ成形では、流動性が悪くなり充填不足による未充填の為成形不良が起き易くなる。またオープン成形においては、注入後、成形型を閉じるまでに発泡が始まってしまい、成形型からフォーム液が溢れる為成形が困難になりやすい。 クリームタイムが15秒以上の場合、初期の泡化反応や樹脂化反応が緩やかな為、クローズ成形における充填に必要な適度の発泡圧が得られず、未充填による成形不良が起き易い。またクリームタイムと相応に全体の反応性も遅れることから、生産性向上の為の脱型短縮に必要なキュア性が得られにくい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例において、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
評価は900mm×400mm×12mmの金型を用い、オープン成形またはクローズ成形を行った。金型には予め厚みが約1mmのポリ塩化ビニル性表皮と、厚みが約3mmのポリプロピレン製基材をそれぞれ片面ずつに両面テープで固定しておいた。また、小型圧力センサーを先ほど片面にセットした表皮上に固定した。又、400mm側の一辺に約10mm幅でテープを貼り、意図的にその部分の型密閉性を低下させ、フォーム液が漏れやすくしておいた。
成形機はキャノン社Aシステム60型高圧成形機を使用し、吐出量180〜350g/秒、混合圧力15MPa、注入時間1.2〜2.5秒であり、型表面温度は40℃に調整した。
又、フリー発泡を上記高圧発泡機から所定の原料液温度下で、5リットルポリエチレン製カップに直接混合液を約500g注入して行い、クリームタイムの測定を行った。
評価基準は次のとおりである。
フォーム液漏れ性
小:セル荒れを起こさない程度のフォーム液漏れで良好
大:セル荒れを起こし不良
未充填:流動性不良による充填不足で不良・評価不能
キュア性
〇:良好
×:不良
―:評価不能
ボイドおよびセル荒れ
〇:無し
×:有り
−:評価不能
実施例1〜3及び比較例1〜10
使用したポリオール(1)及び鎖延長剤(2)の分子量、出発物質、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)の含有量(重量比)、水酸基価(mgKOH/g)、及びその他のポリオール、触媒、ポリイソシアネート化合物の内容を表1に示す。
表1に示した原料を表2に示した処方でポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)を高圧成形機(キャノン社Aシステム60型)のそれぞれのタンクに投入し、表2に示した配合比及び液温度でクローズ成形した。脱型時間は全て1分で実施した。
得られた成形時の型内発泡圧力、および成形品密度、フォーム液漏れ性、成形性を表2に示した。
表1に示した原料を表3に示した処方でポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)を高圧成形機(キャノン社Aシステム60型)のそれぞれのタンクに投入し、表3に示した配合比及び液温度でオープン成形とクローズ成形を行い、脱型時間は全て2.5分で実施した。
得られた成形時の型内発泡圧力、および成形品密度、フォーム液漏れ性、成形性を表3に示した。
Figure 2005162866
Figure 2005162866
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本発明の製造方法を使用すれば、キュア性及び充填性に優れ、且つフォーム液が漏れにくい、成形不良の少ない車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームの製造方法が得られると共に、オープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能な車両用インストルメントパネルにクラッシュパッドとして使用される半硬質ポリウレタンフォームの製造方法も得られる。オープン成形とクローズ成形の両方で成形が可能であるため、将来的に短時間成形対応の比較的容易なクローズ成形に移行する必要が有る場合、ある期間オープン成形型とクローズ成形型が1つの成形ラインに混在する状況下に有っても、容易に対応出来る。

Claims (3)

  1. ポリオール(1)、鎖延長剤(2)、水(3)、触媒(4)、必要に応じてその他助剤(5)からなるポリオール混合物(I)と、ポリイソシアネート化合物(II)とを用いて、半硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、 ポリオール(1)は下記のポリオール(a)及び重合体ポリオール(b)からなっており、水分含有率が1.4重量%〜1.8重量%であるポリオール混合物(I)を用いて、成形時のポリオール混合物とポリイソシアネート化合物の液温を37℃〜43℃で、成形時の型内発泡圧を0.15MPa〜0.20MPaで、成形されたポリウレタンフォームの密度が170kg/m〜190kg/mとする条件で成形することを特徴とする車両用インストルメントパネルに使用する半硬質ポリウレタンフォームの製造方法:ポリエーテルポリオール(a):平均官能基数が2〜4であり、アルキレンオキサイドを付加重合した水酸基価が20mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール、ビニル系モノマー重合体ポリオール(b):平均官能基数が2〜4であり、アルキレンオキサイドを付加重合した水酸基価が30mgKOH/g〜40mgKOH/gのポリエーテルポリオール中でビニル系モノマーを重合させて得られるビニル系モノマー重合体含量が10〜30重量%の重合体ポリオール。
  2. ポリイソシアネート化合物(II)が、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)単独、又は変性MDIを含有するポリメリックMDIである請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1〜2のいずれか記載の製造方法においてフリー発泡でクリームタイムを8秒〜15秒に調整することを特徴とする、オープン成形またはクローズ成形によって成形を行う車両用インストルメントパネルの製造方法。
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