JP2005155739A - シール - Google Patents
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Abstract
【課題】 シールにおいて、高圧噴流体が作用してもバーストが生じないようにする。
【解決手段】 本体の内周側に設けたシールリップ8を摺動部材の外面に摺接させて当該摺動部材の外面とシールリップの先端との間から噴流流体が外部に洩れるのを防止するオイルシール4、駒形パッキン又はU形パッキンからなるシールにおいて、上記噴流流体が作用するシールリップの外面を摺動部材に対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 本体の内周側に設けたシールリップ8を摺動部材の外面に摺接させて当該摺動部材の外面とシールリップの先端との間から噴流流体が外部に洩れるのを防止するオイルシール4、駒形パッキン又はU形パッキンからなるシールにおいて、上記噴流流体が作用するシールリップの外面を摺動部材に対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成した。
【選択図】 図1
Description
この発明は、シールに関し、特に、油圧緩衝器等のピストンロッドに摺接してシリンダやアウターシェル内の油やガスが外部に洩れるのを防止するシールに関する。
一般に、車両用懸架装置として使用される油圧緩衝器は、シリンダの端部にピストンロッドに摺接するオイルシールを設けてシリンダ内の油やガスが洩れるのを防止すると共に外部からダストが侵入するのを防止している。
このオイルシールとしては、例えば、特許文献1に示すものが開発されているが、このオイルシールを利用した油圧緩衝器は、図5に示すようにシリンダ1とアウターシェル2の外端にベアリング3を設け、このベアリング3の外側にオイルシール4を設けている。
シリンダ1内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッド5は、ベアリング3とオイルシール4を摺動自在に貫通している。オイルシール4は、図6に示すように、円板状インサートメタル6と、インサートメタル6の内周に設けたダストリップ7とシールリップ8とからなる内周リップ9と、インサートメタル6の外周側下面に設けた外周リップ10とで構成され、ダストリップ7は、外部からのダストの侵入を防止し、オイルリップ8は、シリンダ1の油室11内から油が洩れるのを防止している。
インサートメタル6と外周リップ10は、ベアリング3上に支持され、更に、インサートメタル6の外周側上部は、アウターシェル2の上端部を折り曲げてカシメることによりアウターシェル2の上端部とベアリング3とで挟持されている。
特開2003‐130230号(図3)
上記の油圧緩衝器に利用されるオイルシール4のシールリップ8は、内周側に角度α,βの傾斜したテーパ面を備えたリップ8Aを有し、オイルシール4の密封性はリップ8Aの角度α,βや締代ΔDによって決まる。従って、これらの値は、従来から慎重に設計されている。
一方、図5の油圧緩衝器のピストンロッド5が伸長して高減衰力が発生した時、油室11内の高圧油がベアリング3とピストンロッド5との間の隙間Aから高圧噴流となって噴出し、これがシールリップ8のリップ8Aに衝突し、シールリップ8をバーストする場合がある。このバーストの直接原因は、図7に示すように、リップ8Aを押し開く力Fjが緊迫力Ftを超えることである。
この場合、高圧流体の噴流が矢印X方向からオイルシール8のリップ8Aの角度αにおけるテーパ面に衝突し、向きを矢印Y方向に支えて流出する場合にこのテーパ面に垂直に作用する力Foは、次式で与えられる。
Fo=pQvsinθ (1)
ここに、
p:作動油密度
Q:ロッドとベアリングの隙間からの噴流の流量
v:ロッドとベアリングの隙間からの噴流の速度
θ:オイルシールに衝突後の噴流の最終流出方向
Foの半径方向の成分がリップを押し開く力Fjであり、次式で与えられる。
ここに、
p:作動油密度
Q:ロッドとベアリングの隙間からの噴流の流量
v:ロッドとベアリングの隙間からの噴流の速度
θ:オイルシールに衝突後の噴流の最終流出方向
Foの半径方向の成分がリップを押し開く力Fjであり、次式で与えられる。
Fj=Focosθ=pQvsinθcosθ=1/2pQvsin2θ (2)
式(2)より、θ=45°で、Fjは、最大値をとり、それより大きくても、小さくても45°の場合より小さくなる。
式(2)より、θ=45°で、Fjは、最大値をとり、それより大きくても、小さくても45°の場合より小さくなる。
一般にリップ角αは45°付近に設定されることが多く、ロッド組付け時には大きな値になるが、45°付近の値を維持している。従って、噴流の流出方向θ=αとなり、リップを押し開く力Fjは、最大値付近となり、シールリップが押し開かれ、バーストする場合がある。図8にθとFjの関係を示す。上記の作用は、オイルシールのみならず、その他同様の駒形パッキン,U形パッキン等のシールにおいても生じ得る。
そこで、本発明の目的は、高圧噴流体が作用してもバーストが生じないようにしたシールを提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明のシールは、本体の内周側に設けたシールリップを摺動部材の外面に摺接させて当該摺動部材の外面とシールリップの先端との間から噴流流体が外部に洩れるのを防止するオイルシール,駒形パッキン又はU形パッキンからなるシールであって、上記噴流流体が作用するシールリップの外面を摺動部材に対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成したことを特徴とする。
この場合、シールリップが互いに反対方向に傾斜するテーパ面を備えて断面V字状に形成され、噴流流体が作用する一方又は両方のテーパ面が角度を45度以上又は45度以下の角度に傾斜させるのが好ましい。
同じく、油圧緩衝器に利用されるシールは、シリンダの端部にベアリングを設け、ベアリングに対向してオイルシールを配置し、ベアリングとオイルシールの中央をピストンロッドが摺動自在に貫通し、ピストンロッドとベアリングとの間の隙間から発生する噴流流体を上記オイルシールの内周側シールリップで外部に洩れるのを防止する油圧緩衝器のシールであって、上記噴流流体が作用するシールリップの外面をピストンロッドに対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成したことを特徴とする。
各請求項の発明によれば、高圧噴流流体が作用するシールリップのテ―パ面又は湾曲面の角度をピストンロッド等の摺動部材に対して45度以上又は45度以下の角度で形成したので、角度が45度のものに比べてシールリップが押し開かれにくくなり、これがバーストする危険性が低下する。
以下本発明の実施の形態を図にもとづいて説明すると、本発明に係るシールは、オイルシール,駒形パッキン,U形パッキン等に使用できるが、代表的なものとして油圧緩衝器用のオイルシールについて説明する。
このオイルシールは、図5に示すものと基本的に同じであり、同じように使用されるものである。
即ち、本発明に係るオイルシール4は、図5に示す従来の油圧緩衝器と同じように、ベアリング3の外方上部に配置されてアウターシェル2の上端部でカシメ固定されているものである。そして、このオイルシール4は、外部からのダストの侵入防止し、シリンダ1内の油の洩れ防止と、リザーバRからのガスの洩れを防止するものである。
このオイルシール4は、図5,図6に示すように、円板状のインサートメタル6と、インサートメタル6の内周側に設けた上側ダストリップ7及び下側シールリップ8とからなる内周リップ9と、インサートメタル6の外周側下面に設けた外周リップ10とからなるものである。
そして、本発明では、シールリップ8の傾斜面の角度を45度以上90度以下、又は零度以上で45度以下の角度に設定して形成している。傾斜面は、テーパ面状であるのが普通であるがテーパ面に近似した彎曲面状であっても良い。
図1は、オイルシールにおけるシールリップ形状の一実施の形態を、即ち、オイルシール4におけるシールリップ8の一実施の形態を拡大して示している。
このシールリップ8は、内周側にリップ8Aを有し、リップ8は、角度βのテーパ面aとテーパ面aと反対方向に傾斜するテーパ面b及び彎曲面cとを備えている。
テーパ面bの角度αは、急峻に形成され、彎曲面cは曲率半径がRであってテーパ面bに連なり、ゆるやかに彎曲して平坦面dに連続している。これにより全体の彎曲面b,cの角度θとなり、ピストンロッド5に対して45度以上となるように設定されている。
この為、矢印X方向から油からなる高圧噴流体がシールリップ8のリップ8Aに作用した時、この流体は、角度θに沿って矢印Y方向に流出する。この為、角度θが45度以上であることにより上記(2)式に示すリップ8Aを押し開く力Fjが角度45度の場合に比べて、小さくなり、シールリップ8のバーストを防止できる。
図2は、シールリップ8の他の実施形態を示し、これは、リップ8Aの図における下側たる外側のテーパ面bを角度αより急峻にして角度θを45度以下に形成している。これにより上記(2)式から分かるように、角度θが45度の場合に比べてリップ8Aを押し開く力Fjが小さくなり、バーストの発生を防止できる。
図3は、本発明の他の実施形態を示し、これはリップ8Aの先端部のシャープさを確保する為に、リップ8Aの下側傾斜面角度をメスカットで成形したものである。
即ち、上記図1、図2のシールリップ8は金型によって成形されるが、図3の実施の形態ではメスMで機械的にカットしてリップ8Aを成形するものである。
この場合は、あらかじめ、シールリップ8の内周側に肉片Pを残しておき、この肉片Pの基部をメスMでカットしてテーパ面bを形成し、彎曲面bとの間にメスカット代hを残している。
テーパ面bの角度は、ピストンロッド5に対して45度以上又は45度以下に設定され、リップ8Aを押し開く力Fjを45度の場合に比べて小さくしている。彎曲面cは、図1の場合と同じく曲率半径Rで成形されている。
図4は、本発明の他の実施形態にかかり、これは、図3の実施の形態の場合と同じく、リップ8AをメスMによりメスカットしたものであり、その時のテーパ面bの角度αが45度以下に形成され、これにより矢印Y方向の流体の流出方向の角度θが45度以下にとなるように設定され、リップ8Aを押し開く力Fjを角度45度の場合に比べて小さくしている。テーパ面bには任意のメスカット代hを残して曲率半径Rの彎曲面dが形成されている。
本発明のシールは、油圧緩衝器のみならず、油圧シリンダ、ロータリーダンパ、ステーダンパ等に使用されるオイルシール、駒形パッキン、U字形パッキンその他同様のシールに全て適用できる。
1 シリンダ
3 ベアリング
4 オイルシール
5 ピストンロッド
6 インサートメタル
8 シールリップ
8A リップ
a テーパ面
b テーパ面
θ 角度
3 ベアリング
4 オイルシール
5 ピストンロッド
6 インサートメタル
8 シールリップ
8A リップ
a テーパ面
b テーパ面
θ 角度
Claims (3)
- 本体の内周側に設けたシールリップを摺動部材の外面に摺接させて当該摺動部材の外面とシールリップの先端との間から噴流流体が外部に洩れるのを防止するオイルシール,駒形パッキン又はU形パッキンからなるシールにおいて、上記噴流流体が作用するシールリップの外面を摺動部材に対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成したことを特徴とするシール。
- シールリップが互いに反対方向に傾斜するテーパ面を備えて断面V字状に形成され、噴流流体が作用する一方又は両方のテーパ面の角度を45度以上又は45度以下の角度に傾斜させた請求項1のシール。
- シリンダの端部にベアリングを設け、ベアリングに対向してオイルシールを配置し、ベアリングとオイルシールの中央をピストンロッドが摺動自在に貫通し、ピストンロッドとベアリングとの間の隙間から発生する噴流流体を上記オイルシールの内周側シールリップで外部に洩れるのを防止する油圧緩衝器のシールにおいて、上記噴流流体が作用するシールリップの外面をピストンロッドに対して45度以上又は45度以下の角度でテーパ面状又は彎曲面状に形成したことを特徴とする油圧緩衝器のシール。
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JP2003393468A JP2005155739A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | シール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014137101A (ja) * | 2013-01-16 | 2014-07-28 | Toyota Motor Corp | サスペンション装置 |
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-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393468A patent/JP2005155739A/ja active Pending
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