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JP2005154828A - 温間成形用原料粉末及び温間成形方法 - Google Patents

温間成形用原料粉末及び温間成形方法 Download PDF

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JP2005154828A JP2003394534A JP2003394534A JP2005154828A JP 2005154828 A JP2005154828 A JP 2005154828A JP 2003394534 A JP2003394534 A JP 2003394534A JP 2003394534 A JP2003394534 A JP 2003394534A JP 2005154828 A JP2005154828 A JP 2005154828A
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崇 中井
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Abstract

【課題】 高温での流動性に優れ、加圧成形における高い潤滑性及び圧縮性を有するとともに、経済性の高い、温間成形用原料粉末及びこれを用いた温間成形方法を提供する。
【解決手段】 粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩だけを0.3質量%以上2質量%以下、さらに好ましくは、0.5質量%以上2質量%以下含有させ温間成形を行なった。又は、成形金型に平均粒子径が50μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を予め付着させてから温間成形を行なった。ヒドロキシ脂肪酸塩としては、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが好適に用いられる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉末冶金における原料粉末に潤滑剤を混合した温間成形用原料粉末及びこれを用いた温間成形方法に関する。
従来、粉末冶金における原料粉末を成形金型に充填して温間で成形体を加圧成形する際に、原料粉末を成形金型に充填するときの原料粉末の流動性を高め、さらに、成形体を加圧成形するときの原料粉末間及び原料粉末と成形金型との間の潤滑性を高めて成形体の圧縮性を高めるために、一般に、潤滑剤としてステアリン酸リチウムを原料粉末に混合した温間成形用原料粉末が粉末冶金用の原料として用いられていた。しかしながら、ステアリン酸リチウムを混合した場合には、ステアリン酸リチウムの融点が約220℃であるにもかかわらず、実際には原料粉末を150℃以上に加熱すると原料粉末の流動性が悪化するという問題があった。また、ステアリン酸リチウムでは十分な潤滑性、圧縮性が得られないといった問題があった。
また、特許文献1に開示されるように、平均粒子径が4μm以下といった粒径の細かい脂肪酸金属塩を微量添加することで原料粉末の流動性が向上することが知られている。ところが、微量添加では加圧成形の際の潤滑性が得られず、また、一般的に潤滑性が得られる程度の量を添加すると、逆に流動性が低下するといった欠点があった。また、粒径の細かい脂肪酸金属塩は、通常の脂肪酸金属塩よりも製造コストが高く、不経済であるといった問題があった。
さらに、特許文献2に開示されるように、加圧成形の温度以下の低い融点を有する成分を含む潤滑剤を用いることが知られている。しかし、低融点潤滑成分を含む潤滑剤を温間成形温度以上まで加熱すると、原料粉末の流動性が得られないといった問題があった。
特開2000−273502号公報 特開2001−294902号公報
そこで本発明は上記問題点に鑑み、高温での流動性に優れ、加圧成形における高い潤滑性及び圧縮性を有するとともに、経済性の高い、温間成形用原料粉末及びこれを用いた温間成形方法を提供することをその目的とする。
上記目的に鑑み、本発明者らは鋭意検討の結果、粉末冶金における原料粉末に潤滑剤として、平均粒子径が5μm以上100μm以下の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを0.3質量%以上2質量%以下含有させることで、150℃以上に加熱した場合において原料粉末の流動性が悪化せず、加圧成形においてもステアリン酸リチウムを用いた場合を上回る高い潤滑性及び圧縮性が得られることを見出し、本発明に想到した。なお、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、従来、グリースの増ちょう剤として知られていたが、粉末冶金においては温間成形温度以下の融点の潤滑成分との混合物として用いられているに過ぎず、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを単独で用いることは知られていなかった。
本発明の請求項1記載の温間成形用原料粉末は、粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を0.3質量%以上2質量%以下含有する。
また、請求項2記載の温間成形用原料粉末は、粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を0.5質量%以上2質量%以下含有する。
また、請求項3記載の温間成形用原料粉末は、請求項1又は2において、温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まない。
また、請求項4記載の温間成形用原料粉末は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記ヒドロキシ脂肪酸塩はヒドロキシステアリン酸塩である。
また、請求項5記載の温間成形用原料粉末は、請求項4において、前記ヒドロキシステアリン酸塩はヒドロキシステアリン酸リチウムである。
また、請求項6記載の温間成形用原料粉末は、請求項5において、前記ヒドロキシステアリン酸リチウムは12−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。
また、請求項7記載の温間成形方法は、請求項1〜6のいずれか1項記載の温間成形用原料粉末を用いて温間成形を行なう。
また、請求項8記載の温間成形方法は、請求項7において、粉末治金における成形金型に平均粒子径が50μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を予め付着させてから温間成形を行なう。
また、請求項9記載の温間成形方法は、請求項8において、前記ヒドロキシ脂肪酸塩はヒドロキシ脂肪酸リチウムである。
また、請求項10記載の温間成形方法は、請求項9において、前記ヒドロキシ脂肪酸リチウムはヒドロキシステアリン酸リチウムである。
さらに、請求項11記載の温間成形用原料粉末は、請求項10において、前記ヒドロキシステアリン酸リチウムは12−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。
本発明の温間成形用原料粉末及び温間成形方法によれば、150℃以上に加熱した場合において原料粉末の流動性が悪化せず、加圧成形においても従来のステアリン酸リチウムを用いた場合を上回る高い潤滑性及び圧縮性が得られる。また、平均粒子径が5μm以上100μm以下の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、安価なヒマシ油由来の12−ヒドロキシステアリン酸からリチウム化合物との直接反応法により容易に製造することができ、経済性が高いので、製造コストを抑えることができる。
以下、本発明における好ましい実施例について説明する。
本発明の温間成形用原料粉末は、平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を含有する。ここで、平均粒子径とは、顕微鏡法,沈降法,レーザー回折散乱法,レーザードップラー方式などの周知の方法で測定した粒度のことをいう。
なお、ヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径が5μm未満の場合、一般的に原料粉末の潤滑性が得られる程度の量を添加すると原料粉末の流動性が低下する。したがって、ヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径を5μm未満とするのは好ましくない。
また、流動性を考慮して平均粒子径が5μm未満の粒度の小さいヒドロキシ脂肪酸塩を製造するには、湿式でヒドロキシ脂肪酸のアルカリ金属塩と無機金属塩を反応させる方法が一般的であるが、水溶性の出発原料がヒドロキシ脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩であることから、この方法ではナトリウムやカリウムよりもイオン化傾向の高いリチウムのヒドロキシ脂肪酸塩を製造することができない。後述するように、本発明においてはリチウムのヒドロキシ脂肪酸塩が好適に用いられることからも、ヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径を5μm未満とするのは好ましくない。
また、ヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径が100μmを超えると、焼結時にヒドロキシ脂肪酸塩が加熱分解や蒸発によって抜けたあとに大きな孔が残り、最終的に得られる粉末治金製品の外観や機械的強度が悪化する。したがって、ヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径が100μmを超えるのは好ましくない。
また、本発明の温間成形用原料粉末は、ヒドロキシ脂肪酸塩を0.3質量%以上2質量%以下含有する。なお、ヒドロキシ脂肪酸塩の含有量が0.3質量%未満の場合、十分な原料粉末の潤滑性が得られない。したがって、ヒドロキシ脂肪酸塩の含有量を0.3質量%未満とするのは好ましくない。また、ヒドロキシ脂肪酸塩の含有量が2質量%を超えると、圧縮性が低下し、温間成形する意味がなくなってしまう。したがって、ヒドロキシ脂肪酸塩の含有量が2質量%を超えるのは好ましくない。また、0.3質量%以上0.5質量%未満の範囲は、製品の大きさや金型の表面状態によっては潤滑性が得られない場合があるため、さらに好ましくは、0.5質量%以上2質量%以下含有させる。
また、本発明の温間成形用原料粉末は、温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まない。ここで温間成形温度とは、加圧成形されるときの原料粉末の温度である。温間成形温度が70℃未満の場合は成形体の密度が低下し温間成形の効果がほとんどなくなり、温間成形温度が190℃を超えると、本発明の潤滑剤も流動性が悪化し、また、原料粉末が酸化する虞があるので、温間成形温度は70℃以上190℃以下とするのが好ましい。したがって、本発明において温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まないとは、温間成形温度以下の温度で溶融または、結晶構造の変化によって粘着性が増大する潤滑剤を不可避的不純物以外含まないことを意味する。そして、温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まないことにより、温間成形温度以上まで加熱しても潤滑剤が融解して原料粉末の流動性を妨げることがない。
本発明のヒドロキシ脂肪酸塩としては、ステアリン酸(C1735COOH),オレイン酸(C1733COOH),リノール酸(C1731COOH),リノレン酸(C1729COOH),パルミチン酸(C1531COOH),ミリスチン酸(C1327COOH),ラウリン酸(C1123COOH),カプリン酸(C919COOH),カプリル酸(C715COOH),カプロン酸(C511COOH)などにヒドロキシ基が付加したヒドロキシ脂肪酸の金属塩が挙げられるが、このほかにも種々の炭素数や構造のものを用いることができる。なお、ヒドロキシ脂肪酸塩の融点,潤滑性や経済性などを考慮すると、ヒドロキシステアリン酸塩が好適に用いられる。
また、ヒドロキシステアリン酸塩を構成する金属としては、リチウム,カルシウム,亜鉛,マグネシウム,バリウム,ナトリウム,カリウムなどが挙げられるが、ヒドロキシステアリン酸塩の融点や吸湿性などを考慮すると、リチウムが好適に用いられる。したがって、本発明におけるヒドロキシステアリン酸塩としては、ヒドロキシステアリン酸リチウムが好適に用いられる。
また、ヒドロキシステアリン酸リチウムとしては、ヒドロキシ基の位置や数が任意のものを用いることができるが、経済性を考慮すると、12の位置に1個のヒドロキシ基を有する12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(CH3(CH25CH(OH)(CH210COOLi)が好適に用いられる。なお、平均粒子径が5μm以上100μm以下の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、安価なヒマシ油の主成分であるリシノール酸(CH3(CH25CH(OH)CH2CH=CH(CH27COOH)由来の12−ヒドロキシステアリン酸(CH3(CH25CH(OH)(CH210COOH)からリチウム化合物との直接反応法により容易に製造することができ、経済性が高い。したがって、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いることによって、粉末冶金における製造コストを抑えることができる。なお、ヒマシ油由来の不可避的不純物としてステアリン酸リチウム等が、1割程度混入するが、純度が低いと流動性が悪化する虞があるため、できるだけ純度の高いものが望ましい。
つぎに、上述したようなヒドロキシ脂肪酸塩を含有する温間成形用粉末を用いた温間成形方法について説明する。
この温間成形方法では、本発明による温間成形用粉末を温間成形温度まで加熱して成形金型に充填した後圧縮することにより、常温成形よりも高い圧縮性を実現した成形体としての温間成形圧粉体を成形する。続いて、この温間成形圧粉体に焼結処理を施すことにより焼結成形体とし、矯正金型を用いてこの焼結成形体をプレス矯正する。その後、必要に応じて切削加工することにより、粉末治金製品が得られる。
さらに詳細に説明すると、まず、例えば鉄などの金属を主成分とする粉末治金における原料粉末に潤滑剤としてのヒドロキシ脂肪酸塩を添加し、回転混合機などを用いてこれを混合することにより、温間成形用粉末を得る。
ここでは、前述したように、原料粉末の潤滑性と流動性を得るために、温間成形用粉末中のヒドロキシ脂肪酸塩の含有量は0.3質量%以上2質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上2質量%以下とし、温間成形温度以下の融点の潤滑剤は添加しない。なお、温間成形温度を超える融点の潤滑剤は添加してもよい。また、ヒドロキシ脂肪酸塩としては、ヒドロキシステアリン酸塩が好ましく、さらにヒドロキシステアリン酸リチウムが好ましい。そして、ヒドロキシステアリン酸リチウムの中では、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが最も好ましい。
つぎに、上記温間成形用粉末を乾燥機などによって温間成形温度まで加熱した後、温間成形温度まで加熱した成形金型へ充填する。
なお、成形金型と原料粉末の潤滑性を高めるために、温間成形用粉末を充填する前の成形金型の成形面に、予めヒドロキシ脂肪酸塩の粉末を付着させておいてもよい。成形金型にヒドロキシ脂肪酸塩の粉末を付着させる場合、粉末を帯電させて静電気を利用すると簡単に付着させることができる。また、この場合のヒドロキシ脂肪酸塩としては、上述の温間成形用粉末の場合と同様の理由により、ヒドロキシステアリン酸塩が好ましく、さらにヒドロキシステアリン酸リチウムが好ましく、その中でも12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが最も好ましく用いられる。
また、成形金型に付着させるヒドロキシ脂肪酸塩は、平均粒子径が50μm以下のものを用いる。このヒドロキシ脂肪酸塩の平均粒子径が50μmを超えると、成形金型に付着するヒドロキシ脂肪酸塩の量が過剰となり、成形体の表面の密度が低下するため、好ましくない。
温間成形用粉末を成形金型へ充填した後、所定の成形圧力で加圧することにより温間成形圧粉体を成形する。その後、この温間成形圧粉体を成形金型から抜き出し、焼結処理を施して焼結成形体とする。そして、矯正金型を用いてこの焼結成形体をプレス矯正する。
なお、矯正金型の焼結成形体の潤滑性を高めるために、矯正金型の矯正面に、予めヒドロキシ脂肪酸塩の粉末を付着させておいてもよい。この場合も成形金型にヒドロキシ脂肪酸塩の粉末を付着させたときと同様に、粉末を帯電させて静電気を利用すると簡単に付着させることができる。
なお、このときのヒドロキシ脂肪酸塩は、成形金型の場合と同様に、ヒドロキシステアリン酸塩が好ましく、さらにヒドロキシステアリン酸リチウムが好ましく、その中でも12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが最も好ましく用いられる。さらに、その平均粒子径は50μm以下が好ましい。
その後、必要に応じて切削加工することにより、粉末治金製品が得られる。
以上詳述したとおり、本発明の温間成形用原料粉末は、粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を0.3質量%以上2質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上2質量%以下含有するので、150℃〜190℃に加熱した場合において原料粉末の流動性が悪化せず、加圧成形においても従来のステアリン酸リチウムを用いた場合を上回る高い潤滑性及び圧縮性が得られる。そして、温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まないことで、確実に原料粉末の流動性の悪化を防止することができる。
また、本発明の温間成形方法は、粉末治金における成形金型に平均粒子径が50μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を予め付着させてから温間成形を行なうこともできるので、成形金型と原料粉末の潤滑性を高めることもできる。
平均粒子径が5μm以上100μm以下の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、安価なヒマシ油由来の12−ヒドロキシステアリン酸からリチウム化合物との直接反応法により容易に製造することができ、経済性が高いので、製造コストを抑える上で、ヒドロキシ脂肪酸塩としては特に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが好適に用いられる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
以下の具体的実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
原料粉末として平均粒径90μmの鉄粉を用い、この鉄粉に平均粒径30μmの12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを0.3〜2質量%添加し、回転混合機を用いて30分間混合し、温間成形用粉末を得た。つぎに、この温間成形用粉末を乾燥機内で140〜200℃に加熱し、140〜200℃に加熱した流動度測定器を用いてこの温間成形用粉末の流動度を測定した。なお、この流動度の測定は、孔径2.7mmの漏斗管に50gの温間成形用粉末を入れ、流動時間を測定する形式で行った。
また、ヒータで140〜200℃に加熱した加圧面積1cm2の円柱を成形する成形金型に、乾燥機内で140〜200℃に加熱した前記温間成形用粉末を7g充填し、8t/cm2の成形圧力で金型壁面に潤滑剤を付着させない方式で温間成形圧粉体を成形し、この温間成形圧粉体を成形金型から抜き出すために必要な抜出圧力と、温間成形圧粉体の密度を測定した。
上記流動度,抜出圧力,密度の測定結果は、表1〜表3に示すとおりとなった。
比較例
比較例1として、実施例の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの代わりに平均粒径30μmのステアリン酸リチウムを用い、実施例と同様に流動度,抜出圧力,密度を測定した。なお、ステアリン酸リチウムは、牛脂由来のステアリン酸からリチウム化合物との直接反応法によって製造したものを用いた。
また、比較例2として、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを0.2質量%、比較例3として、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを30質量%添加して、流動度,抜出圧力,密度を測定した。測定結果は表1〜表3に示すとおりとなった。
Figure 2005154828
Figure 2005154828
Figure 2005154828
表1〜表3から、流動性については、従来の潤滑剤であるステアリン酸リチウムを用いた比較例1では、150℃以上の温度では流動せず、測定できなかったが、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いた実施例1では190℃まで測定可能であり、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いると流動性が向上することが確認された。
また、比較例1と比較して、同じ添加量の実施例3の方の抜出圧力が小さく、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いると潤滑性が向上することが確認された。
さらに、比較例1と比較して、同じ添加量の実施例3の方の密度が大きく、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いると圧縮性が向上することが確認された。
また、比較例2は潤滑剤が少なすぎて潤滑性が不足して成形不能であり、比較例3は潤滑剤が多すぎて190℃まで温度を上げても圧縮性が向上しないことがわかる。
なお、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いた場合に流動性,潤滑性,圧縮性が向上する理由としては、ステアリン酸リチウムは融点に達する前に温度上昇によって結晶構造に変化が生じることが知られている(多形現象と呼ばれるものである)が、ステアリン酸リチウムにヒドロキシ基が付くことにより温間成形温度で結晶構造が変化し難くなり、流動性、潤滑性及び圧縮性の特性に差が生じたものと推測される。また、図1,図2は、ステアリン酸リチウムと12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの熱分析結果であるが、図1のステアリン酸リチウムの熱分析結果が右端の融点のピーク以外の低温で2〜3回のピークが現れているのに対して、図2の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの熱分析結果では、右端の融点のピーク以外の低温でピークが現れておらず、高温での結晶構造が変化し難いのではないかと思われる。
また、ステアリン酸リチウムの製造条件を制御し、結晶構造や粒度分布、粒形等を制御することで高温での流動性を改善することが可能ではあるが、結晶構造の制御が難しいことや、圧縮性が低下する問題等があり、通常の製造方法で安定して製造するには、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを使用するのが最適であると思われる。
ステアリン酸リチウムの熱分析結果を示すグラフである。 12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの熱分析結果を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を0.3質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする温間成形用原料粉末。
  2. 粉末治金における原料粉末に平均粒子径が5μm以上100μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を0.5質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする温間成形用原料粉末。
  3. 温間成形温度以下の融点の潤滑剤を含まないことを特徴とする請求項1又は2記載の温間成形用原料粉末。
  4. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩はヒドロキシステアリン酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の温間成形用原料粉末。
  5. 前記ヒドロキシステアリン酸塩はヒドロキシステアリン酸リチウムであることを特徴とする請求項4記載の温間成形用原料粉末。
  6. 前記ヒドロキシステアリン酸リチウムは12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであることを特徴とする請求項5記載の温間成形用原料粉末。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の温間成形用原料粉末を用いて温間成形を行なうことを特徴とする温間成形方法。
  8. 粉末治金における成形金型に平均粒子径が50μm以下のヒドロキシ脂肪酸塩を予め付着させてから温間成形を行なうことを特徴とする請求項7記載の温間成形方法。
  9. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩はヒドロキシ脂肪酸リチウムであることを特徴とする請求項8記載の温間成形方法。
  10. 前記ヒドロキシ脂肪酸リチウムはヒドロキシステアリン酸リチウムであることを特徴とする請求項9記載の温間成形方法。
  11. 前記ヒドロキシステアリン酸リチウムは12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであることを特徴とする請求項10記載の温間成形用原料粉末。
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