[go: up one dir, main page]

JP2005145137A - サスペンションシステム - Google Patents

サスペンションシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005145137A
JP2005145137A JP2003382450A JP2003382450A JP2005145137A JP 2005145137 A JP2005145137 A JP 2005145137A JP 2003382450 A JP2003382450 A JP 2003382450A JP 2003382450 A JP2003382450 A JP 2003382450A JP 2005145137 A JP2005145137 A JP 2005145137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
wheels
state
suspension system
suppressed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003382450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4200883B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Kobayashi
敏行 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003382450A priority Critical patent/JP4200883B2/ja
Publication of JP2005145137A publication Critical patent/JP2005145137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4200883B2 publication Critical patent/JP4200883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】サスペンションシステムにおいて、ロール、ピッチを抑制しつつアーティキュレーションを許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能とする。
【解決手段】電磁弁50〜56が閉状態とされることにより、ロールとピッチとが抑制される。電磁弁84の開状態において、第1、第2液圧シリンダ80,82において第1,第2の可動部材92,93が移動可能な状態とされる。それによって、アーティキュレーションが許容される。電磁弁84の閉状態において、第1,第2の可動部材92,93の移動が抑制されるため、アーティキュレーションが抑制される。このように、電磁弁84の開閉によりアーティキュレーションを許容する状態と抑制する状態とに切り換えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンションシステムにおける車両の挙動の制御に関するものである。
特許文献1には、前後左右の車輪のそれぞれに対応して設けられたショックアブソーバと、これら4つのショックアブソーバのうちの2つの間、あるいは、4つのショックアブソーバの間に設けられた連通調整装置としての調圧装置とを含むサスペンションシステムが記載されている。調圧装置が、前輪側、後輪側のそれぞれの左右のショックアブソーバの間に設けられた場合にはロールが抑制され、前後のショックアブソーバの間に設けられた場合にはピッチが抑制され、対角位置にある車輪の間に設けられた場合にはロール、ピッチ、ロールおよびピッチを複合した挙動が抑制される。
また、右側の前後輪のショックアブソーバと左側の前後輪のショックアブソーバとの間に設けられた場合には、ロールが抑制されるとともに、前側の車輪と後側の車輪とが車体前方から見て左右方向に捻れるような挙動が許容される。
特開平8−132846号公報
本発明は、サスペンションシステムの改良であり、例えば、ロール、ピッチを抑制する状態において、前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが逆相に移動すること(以下、アーティキュレーションと称する)を許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能としたり、前後左右の車輪に設けられた液圧シリンダが連通路によって互いに接続されたサスペンションシステムにおいて、ロール、ピッチを抑制し、アーティキュレーションを許容することを可能としたりすることである。
請求項1に記載の発明においては、上記課題が、サスペンションシステムに、前記車両のロールとピッチとを抑制する状態において、アーティキュレーションを許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能なサスペンション制御装置を設けることによって解決される。
アーティキュレーションにおいては、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組のそれぞれに属する2つの車輪がそれぞれ上下方向に同相で、かつ、一方の組に属する2つの車輪と他方の組に属する2つの車輪とが逆相に移動する。逆相に移動するとは、一方の組に属する2つの車輪が他方の組の2つの車輪に対して相対的に上方または下方へ移動することをいい、一方の組に属する2つの車輪が上方へ移動するとともに他方の2つの車輪が下方へ移動する場合が典型的であるが、特殊な場合として、一方の組の2つの車輪のみが上方または下方へ移動する場合等も含まれる。換言すれば、一方の組の2つの車輪についての、車輪側部材と車体側部材との相対距離の変化の方向と他方の組の2つの車輪についての、車輪側部材と車体側部材との相対距離の変化の方向とが反対である場合、一方の組に属する車輪についての相対距離のみが変化する場合等が該当する。
請求項3に記載の発明においては、前記課題が、(a)車両の前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダと、(b)それら前後左右の液圧シリンダを互いに連通させる連通路とを含むサスペンションシステムに、前記連通路に設けられ、前記車両のロールとピッチとを抑制するとともに、アーティキュレーションを許容する状態とするサスペンション制御装置を設けることによって解決される。
前後左右の車輪にそれぞれ対応して設けられた液圧シリンダは、車輪側部材と車体側部材とが相対移動した場合に、移動速度に応じた減衰力を発生させるショックアブソーバであっても、相対移動量に応じた弾性力を発生させる液圧シリンダであっても、荷重を支持する液圧シリンダであってもよい。液圧シリンダは単動シリンダであっても複動シリンダであってもよい。
前後左右の液圧シリンダは連通路によって互いに連通させられる。連通路には、サスペンション制御装置が設けられ、ロールとピッチとが抑制されるとともにアーティキュレーションが許容される。
請求項1に記載のサスペンションシステムにおいては、ロールとピッチとが抑制される状態において、アーティキュレーションが許容される状態と抑制される状態とに切り換えることができる。
例えば、ロール、ピッチが抑制される状態においてアーティキュレーションが許容されれば、走行安定性の確保を図りつつ、路面入力に起因する乗り心地の低下を抑制することができ、アーティキュレーションが抑制されるようにすれば、旋回中で、かつ、加速度が大きい場合に走行安定性の向上を図ることができる。
請求項3の発明によれば、前後左右の車輪にそれぞれ対応して設けられた液圧シリンダが連通路によって互いに連通させられたサスペンションシステムにおいて、ロールとピッチとを抑制し、かつ、アーティキュレーションを許容することができる。それによって、車両の走行安定性を図り得、路面入力に起因する乗り心地の低下を抑制することができる。
特許請求が可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
以下の各項のうち、(1)項、(2)項が請求項1,2に対応し、(13)項、(14)項が請求項3、4に対応する。
(1)車両の前後左右の車輪と車体との間に設けられたサスペンションシステムであって、
前記車両のロールとピッチとを抑制する状態において、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが互いに逆相に移動するのを許容する状態とその移動を抑制する状態とに切り換え可能なサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
(2)当該サスペンションシステムが、前記前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダを含み、
前記サスペンション制御装置が、
それら前後左右の液圧シリンダのうち、右前輪の液圧シリンダの液圧と左後輪の液圧シリンダの液圧とが、同じ向きに変化した場合に移動可能な第1可動部材と、その第1可動部材の移動に応じて容積が変化する第1容積変化室とを備えた第1作動装置と、
前記左前輪の液圧シリンダの液圧と右後輪の液圧シリンダの液圧とが同じ向きに変化した場合に移動可能な第2可動部材と、その第2可動部材の移動に応じて容積が変化する第2容積変化室とを備えた第2作動装置と、
前記第1容積室の前記第1可動部材の移動に応じた容積変化と前記第2容積変化室の前記第2可動部材の移動に応じた容積変化とを許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能な作動状態切換装置と
を含む(1)項に記載のサスペンションシステム。
第1容積変化室、第2容積変化室の容積変化が許容されれば、第1可動部材、第2可動部材の移動が許容され、アーティキュレーションが許容される。第1容積変化室と第2容積変化室との容積変化が抑制されれば、第1可動部材、第2可動部材の移動が抑制され、アーティキュレーションが抑制される。
なお、第1作動装置、第2作動装置、作動状態切換装置等によりアーティキュレーション制御装置が構成されると考えることができる。
(3)前記第1作動装置が、ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストンである第1可動部材とを含み、前記第1可動部材の同じ向きに設けられた2つの受圧面に、それぞれ、前記左前輪の液圧シリンダの液圧と右後輪の液圧シリンダの液圧とが作用する状態で接続され、残りの受圧面に対向する液室が前記第1容積変化室とされた(2)項に記載のサスペンションシステム。
第1作動装置は、左前輪の液圧シリンダと右後輪の液圧シリンダとの間に設けられる。例えば、第1作動装置には、第1可動部材の小径部側の受圧面と段部の受圧面との一方に左前輪の液圧シリンダの液圧が作用し、他方に右後輪の液圧シリンダの液圧が作用する状態で、左前輪、右後輪の液圧シリンダが接続される。
(4)前記第2作動装置が、ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストンである第2可動部材とを含み、前記第2可動部材の同じ向きに設けられた2つの受圧面に、それぞれ、前記右前輪の液圧シリンダの液圧と左後輪の液圧シリンダの液圧とが作用する状態で前記右前輪の液圧シリンダと前記左後輪の液圧シリンダとが接続されるとともに、残りの受圧面に対向する液室が前記第2容積変化室とされた(2)項または(3)項に記載のサスペンションシステム。
第2作動装置は、右前輪の液圧シリンダと左後輪の液圧シリンダとの間に設けられる。例えば、第2可動部材の小径部側の受圧面と段部の受圧面との一方に右前輪の液圧シリンダの液圧が作用し、他方に左後輪の液圧シリンダの液圧が作用する状態で、右前輪、左後輪の液圧シリンダが接続される。
(5)前記作動状態切換装置が、前記第1容積変化室と第2容積変化室との間に設けられ、それら第1容積変化室と第2容積変化室との間の作動液の流れを許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能な流通状態制御装置を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のサスペンションシステム。
第1容積変化室と第2容積変化室との間で作動液の流れが許容された状態において、第1,第2の可動部材の移動が許容され、アーティキュレーションが許容される。
第1容積変化室と第2容積変化室との間で作動液の流れが抑制された状態において、第1、第2の可動部材の移動が抑制され、アーティキュレーションが抑制される。
(6)前記流通状態制御装置が、前記第1容積変化室と第2容積変化室とを接続する液通路と、その液通路に設けられた電磁弁と、その電磁弁のソレノイドへの供給電流を制御することにより、これらの間の流通状態を制御する電磁弁制御部とを含む(5)項に記載のサスペンションシステム。
電磁弁の制御により、第1容積変化室と第2容積変化室との間の作動液の流通状態が制御される。電磁弁は、開状態と閉状態とにソレノイドへの供給電流のON・OFFにより切り換え可能な電磁開閉弁としたり、開状態において、流路面積を変更可能な電磁リニア制御弁としたりすることができる。
(7)前記サスペンション制御装置が、前記アーティキュレーションを抑制すべき場合であるか許容すべき場合であるかを取得するアーティキュレーション抑制・許容取得部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のサスペンションシステム。
アーティキュレーション抑制・許容取得部によってアーティキュレーションを抑制すべき場合であるとされた場合に、アーティキュレーションが抑制される状態とされ、アーティキュレーションを許容すべき場合であるとされた場合に、アーティキュレーションが許容される状態とされる。
アーティキュレーションを許容すべき場合であるか抑制すべき場合であるかは、車両の走行状態に基づいて取得したり、路面状態に基づいて取得したりすることができる。
例えば、旋回中で前後加速度が設定値以上である場合、旋回の程度が設定レベル以上(例えば、旋回半径が設定値以下である場合、遠心力または横加速度が設定値以上である場合等が該当する)であり、かつ、前後加速度が設定値以上である場合等に、アーティキュレーションを抑制すべき場合であるとすることができる。また、路面の凹凸が大きい場合、凹凸の頻度が高い場合等悪路である場合に、アーティキュレーションを許容すべき場合であるとすることができる。路面の凹凸の状態は、路面状態センサによる検出値に基づいて取得したり、車輪側部材と車体側部材との間の相対距離の変化量、変化速度、変化加速度(上下加速度)等に基づいて取得したりすることができる。
(8)前記サスペンション制御装置が、前記第1作動装置と第2作動装置との間に設けられたヒーブ制御装置を含む(2)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のサスペンションシステム。
(9)前記ヒーブ制御装置が、ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能な段付きピストンである第3可動部材とを含み、その第3可動部材の同じ向きに設けられた2つの受圧面の一方に、前記第1作動装置の第1容積変化室の液圧が作用し、他方に前記第2作動装置の第2容積変化室の液圧が作用する第3作動装置を含む(8)項に記載のサスペンションシステム。
第3可動部材は、第1容積変化室の液圧と第2容積変化室の液圧とが同じ向きに変化した場合に移動可能なものである。第3作動装置は、原則として、第1容積変化室と第2容積変化室との間で作動液の流れが抑制される状態であっても許容する状態であっても、関係なく作動する。
また、ヒーブ制御装置は、第3可動部材の前記2つの受圧面とは反対側から弾性力を付与する弾性力付与装置を含むものとすることができる。弾性力付与装置は、スプリングを含むものであっても、アキュムレータを含むものであってもよい。
(10)前記ヒーブ制御装置が、前記第3可動部材の移動を許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能な移動許可・抑制装置を含む(9)項に記載のサスペンションシステム。
第3可動部材の移動が許容されればヒーブが許容され、移動が抑制されればヒーブが抑制される。
(11)当該サスペンションシステムが、車両の前後左右の車輪のそれぞれに設けられた液圧シリンダと、それら前後左右の液圧シリンダのうち、前側、後側の左右の液圧シリンダをそれぞれ接続する左右連通路、右側、左側の前後の液圧シリンダをそれぞれ接続する前後連通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、前記左右連通路、前後連通路にそれぞれ設けられた電磁弁と、それら電磁弁を制御することにより、電磁弁の両側の2つの液圧シリンダの間の作動液の流通状態を制御する電磁弁制御装置とを含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のサスペンションシステム。
左右、前後の液圧シリンダ同士が互いに連通させられた状態において、ロール、ピッチ、アーティキュレーションが許容され、左右、前後の液圧シリンダ同士が遮断された状態においては、ロール、ピッチ、アーティキュレーションが抑制される。左右の液圧シリンダの間の作動液の流れが抑制されればロールが抑制され、前後の液圧シリンダの間の作動液の流れが抑制されればピッチが抑制される。
なお、サスペンションシステムを、右前輪の液圧シリンダと左後輪の液圧シリンダとを接続する第1対角通路と、左前輪の液圧シリンダと右後輪の液圧シリンダとを接続する第2対角通路とを含むものとし、サスペンション制御装置を、第1対角通路、第2対角通路にそれぞれ設けられた電磁弁と、電磁弁を制御する電磁弁制御部とを含むものとすることができる。第1,第2の対角通路に設けられた電磁弁によりこれらの間の作動液の流れが許容されれば、ロールおよびピッチが許容され、これらの間の作動液の流れが抑制されれば、ロールおよびピッチが抑制される。
(12)前記サスペンション制御装置が、車両のロールおよびピッチを抑制し、アーティキュレーションを許容すべき場合に、前記電磁弁の制御により、右側、左側の前後の液圧シリンダの作動液の流れを抑制するとともに、前側、後側の左右の液圧シリンダの作動液の流れを抑制する作動液抑制装置を含む(11)項に記載のサスペンションシステム。
(11)項に記載のサスペンションシステムにおけるように、4つの液圧シリンダを接続する連通路を設けるとともに電磁弁を設け、電磁弁を制御しても、ロール、ピッチを抑制するとともにアーティキュレーションを許容する状態を実現することはできない。それに対して、アーティキュレーション制御装置によれば、ロール、ピッチを抑制する状態において、アーティキュレーションを許容する状態と抑制する状態とに切り換えることができる。前後の液圧シリンダの間、左右の液圧シリンダの間の作動液の流れが抑制されれば、ロールおよびピッチを抑制することができる。
(13)車両の前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダと、
それら前後左右の液圧シリンダを互いに連通させる連通路と
を含むサスペンションシステムにおいて、
前記連通路に設けられ、当該サスペンションシステムを、前記前後左右の液圧シリンダを、前記車両のロールとピッチとを抑制するとともに、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが互いに逆相に移動することを許容する状態とするサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
本項に記載のサスペンションシステムには、(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(14)前記サスペンション制御装置が、前記前後左右の液圧シリンダの液圧により作動させられる作動装置であって、前記互いに対角位置にある車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧が両方とも同じ向きに変化し、かつ、前記2つの組の一方に属する2つの車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧の変化の向きと他方に属する2つの車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧の変化の向きとが互いに反対である場合に移動可能な可動部材を備えた作動装置を含む(13)項に記載のサスペンションシステム。
可動部材は、アーティキュレーションが生じた場合に移動可能なものである。可動部材は1つであっても2つ以上であってもよく、作動装置は、ハウジングを1つ有するものであっても2つ以上有するものであってもよい。
(15)前記サスペンション制御装置が、前記可動部材の移動を許容する状態と阻止する状態とに切り換える移動状態切換装置を含む(14)項に記載のサスペンションシステム。
可動部材の移動が許容されればアーティキュレーションが許容される状態となり、可動部材の移動が抑制されればアーティキュレーションが抑制される状態となる。本項に記載のサスペンションシステムにおいては、アーティキュレーションが許容される状態と抑制される状態とに切り換えることができる。
(16)前記連通路が、前側、後側の左右の液圧シリンダ同士をそれぞれ接続する左右連通路と、右側、左側の前後の液圧シリンダ同士をそれぞれ接続する前後連通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、それら4つの液通路にそれぞれ設けられた電磁弁と、それら電磁弁の少なくとも1つを制御することにより、2つの液圧シリンダの間の作動液の流通状態を制御する電磁弁制御部とを含む(13)項ないし(15)項のいずれか1つに記載のサスペンションシステム。
(17)車両の前後左右の車輪と車体との間に設けられたサスペンションシステムであって、
前記車両のロールとピッチとの少なくとも一方を抑制する状態において、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが互いに逆相に移動するのを許容する状態とその移動を抑制する状態とに切り換え可能なサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
本項に記載のサスペンションシステムには、(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(18)車両の前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダと、
それら前後左右の液圧シリンダを互いに連通させる連通路と
を含むサスペンションシステムにおいて、
前記連通路に設けられ、当該サスペンションシステムを、前記前後左右の液圧シリンダを、前記車両のロールとピッチとの少なくとも一方を抑制するとともに、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが互いに逆相に移動することを許容する状態とするサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
本項に記載のサスペンションシステムには、(1)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
発明の実施の形態
本発明の一実施形態であるサスペンションシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、車両の前後左右の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材6と車輪側部材8との間に液圧シリンダ10〜16が設けられる。液圧シリンダ10〜16は、それぞれ、ハウジング20と、ハウジング20に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン22とを含む。本実施形態においては、ハウジング20が車輪側部材8に上下方向に相対移動不能かつ相対回動可能に取り付けられ、ピストン22のピストンロッド24が車体側部材6に上下方向に相対移動不能かつ相対回動可能に取り付けられる。ピストン22には、上下方向に延びる液通路26が設けられる。連通路26によって、ピストン22によって仕切られた2つの液室は互いに連通させられ、同じ液圧とされる。液圧室28の液圧は、車輪側部材8と車体側部材6との間に作用する荷重に応じた大きさとなる。液圧室28には、アキュムレータ30が接続され、ピストン22のハウジング20に対する相対移動が許容される。
左前輪に対応する液圧シリンダ10の液圧室28と右前輪に対応する液圧シリンダ12の液圧室28とは液通路40によって接続され、左後輪に対応する液圧シリンダ14の液圧室28と右後輪に対応する液圧シリンダ16の液圧室28とは液通路42によって接続される。また、左側の前後輪に対応する液圧シリンダ10,14が液通路44によって接続され、右側の前後輪に対応する液圧シリンダ12,16が液通路46によって接続される。液通路40〜46には、それぞれ、電磁弁50〜56が設けられる。電磁弁50〜56は、開状態と閉状態とにソレノイドのON・OFFにより切り換え可能な電磁開閉弁である。
本実施形態においては、左右前後の液圧シリンダ10〜16は、連通路としての液通路40〜46によって互いに連通させられた状態にある。電磁弁50〜56の開状態においては、2つの液圧シリンダの間の作動液の流れが許容され、閉状態においては、作動液の流れが阻止される。
例えば、車両の右側において左側におけるより車輪側部材8と車体側部材6との間の相対距離が小さくなる向きのロールが生じた場合には、液圧シリンダ12,16の液圧室28の液圧が液圧シリンダ10,14の液圧室28の液圧より高くなる。
電磁弁50,52が開状態にある場合には、液圧シリンダ12,16から液圧シリンダ10,14に向かって作動液が流れる。液圧シリンダ10〜16各々において、ハウジング20に対するピストン22の相対移動が許容され、ロールに起因する車輪側部材8と車体側部材6との間の相対移動が許容される。
電磁弁50,52が閉状態にある場合には、左右の液圧シリンダ10,12の間、左右の液圧シリンダ14,16の間の作動液の流れが阻止される。液圧シリンダ10〜16は別個独立にされたのと同じになり、電磁弁50,52が開状態にある場合に比較して、液圧シリンダ10〜16におけるハウジング20に対するピストン22の相対移動が抑制され、ロールに起因する車輪側部材8と車体側部材6との相対移動が抑制される。
このように、電磁弁50,52を開状態と閉状態とに切り換えることにより、ロールを許容する状態と抑制する状態とに切り換えることができる。
例えば、車両の前側において後側におけるより車輪側部材8と車体側部材6との間の相対距離が小さくなるピッチが生じた場合には、液圧シリンダ10,12の液圧が高くなり、液圧シリンダ14,16の液圧が低くなる。
電磁弁54,56が開状態にある場合には、前輪の液圧シリンダ10,12から後輪の液圧シリンダ14,16への作動液の流れが許容され、ピッチが許容される。
電磁弁54,56が閉状態にある場合には、作動液の流れが阻止されるため、液圧シリンダ10〜16は別個独立にされたのと同じになり、電磁弁54,56が開状態にある場合に比較してピッチが抑制される。
このように、電磁弁54,56の開閉により、ピッチを抑制する状態と許容する状態とに切り換えることができる。
なお、液通路40〜46,電磁弁50〜56等によりロール・ピッチ制御装置58が構成される。また、電磁弁50,52をロール抑制用制御弁、電磁弁54,56をピッチ抑制用制御弁と称することができる。
左右前後の液圧シリンダ10〜16には、それぞれ個別の液通路60〜66が接続され、これら個別通路60〜66にアーティキュレーション制御装置70が設けられる。
アーティキュレーション制御装置70は、第1作動装置としての第1液圧シリンダ80と、第2作動装置としての第2液圧シリンダ82と、これらの間に設けられた電磁弁84とを含む。第1,第2液圧シリンダ80,82は、それぞれ、シリンダボアが段付き形状を成したハウジング90、91と、ハウジング90、91にそれぞれ、液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストンである第1,第2可動部材92、93とを含む。第1、第2可動部材92、93の小径部の端面が第1受圧面94、95とされ、小径部と大径部との段部の端面が第2受圧面96、97とされ、大径部の端面が第3受圧面98、99とされ、第3受圧面98、99に対向する液室が容積変化室100、101とされる。第1受圧面94,95,第2受圧面96,97は第1,第2可動部材92,93各々の同じ側に設けられ、第1受圧面94,95および第2受圧面96,97が、第3受圧面98,99に対向する状態で設けられる。
第1液圧シリンダ80には、左前輪の液圧シリンダ10に接続された液通路60,右後輪の液圧シリンダ16に接続された液通路66が、第1可動部材92の第1受圧面94に左前輪の液圧シリンダ10の液圧が作用し、第2受圧面96に右後輪の液圧シリンダ16の液圧が作用する状態で接続される。第2液圧シリンダ82には、右前輪の液圧シリンダ12に接続された液通路62,左後輪の液圧シリンダ14に接続された液通路64が、第2可動部材93の第1受圧面95に右前輪の液圧シリンダ12の液圧が作用し、第2受圧面97に左後輪の液圧シリンダ14の液圧が作用する状態で接続される。
また、第1液圧シリンダ80の容積変化室100と第2液圧シリンダ82の容積変化室101とが連通路102によって接続され、連通路102には、電磁弁84が設けられる。電磁弁84は、開状態と閉状態とにソレノイドへの供給電流のON・OFFにより切り換え可能な電磁開閉弁である。電磁弁84の開閉により、容積変化室100,101の間の作動液の流れが許容される状態と阻止される状態とに切り換えられる。容積変化室100,101の容積変化が許容されて可動部材92,93の移動が許容される状態と、容積変化室100,101の容積変化が阻止されて可動部材92,93の移動が阻止される状態とに切り換えられるのである。
例えば、左前輪および右後輪において車体側部材6と車輪側部材8との相対距離が小さくなり、右前輪および左後輪において車体側部材6と車輪側部材8との相対距離が大きくなるアーティキュレーションが生じた場合には、左前輪、右後輪の液圧シリンダ10,16の液圧が高くなり、右前輪、左後輪の液圧シリンダ12,14の液圧が低くなる。
第1液圧シリンダ80において、第1可動部材92の第1受圧面94,第2受圧面96の液圧が高くなり、容積変化室100の液圧が高くなる。第2液圧シリンダ82において、第2可動部材93の第1受圧面95,第2受圧面97の液圧が低くなり、容積変化室101の液圧が低くなる。
この場合において、電磁弁84が開状態にある場合には、第1液圧シリンダ80から第2液圧シリンダ82に向かって作動液が流れる。第1液圧シリンダ80,第2液圧シリンダ82において、第1容積変化室100,第2容積変化室101の容積変化が許容され、第1可動部材92,第2可動部材93の移動が許容される。それによって、液圧シリンダ10〜16においてピストン22のハウジング20に対する相対移動が許容され、車輪側部材8と車体側部材6に対する相対移動が許容される。アーティキュレーションが許容されるのである。
電磁弁84が閉状態にある場合には、第1液圧シリンダ80と第2液圧シリンダ82との間の作動液の流れが阻止される。第1液圧シリンダ80においても第2液圧シリンダ82においても第1可動部材92、第2可動部材93の移動が抑制される。それによって、アーティキュレーションが抑制される。
第1液圧シリンダ80と第2液圧シリンダ82との間には、電磁弁84と並列にヒーブ制御装置108が設けられる。
ヒーブ抑制装置108は、第3液圧シリンダ110と、アキュムレータ111とを含む。第3液圧シリンダ110は、ハウジング112と、ハウジング112に液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストンである第3可動部材114とを含む。第3可動部材114の小径部側の端面である第1受圧面120は、第2液圧シリンダ82の容積変化室101の液圧を受け、小径部と大径部との段部の端面である第2受圧面122には、第2液圧シリンダ80の容積変化室100の液圧を受ける。大径部側の端面124に対向する容積変化室126には、アキュムレータ111が電磁弁130を介して接続される。電磁弁130は、ソレノイドへの供給電流のON・OFFにより開状態と閉状態とに切り換え可能な常閉の電磁開閉弁である。第3可動部材114は、容積変化室100,101の液圧が同じ向きに変化した場合に、すなわち、液圧シリンダ10〜16の液圧がすべて同じ向きに変化した場合に移動可能なものである。
電磁弁130の開状態において、容積変化室126とアキュムレータ111との間の作動液の流れが許容され、第3可動部材114の移動が許容されてヒーブが許容される。電磁弁130の閉状態において、容積変化室126とアキュムレータ111との間の作動液の流れが抑制され、第3可動部材114の移動が抑制されてヒーブが抑制される。
なお、ヒーブが生じた場合には、電磁弁84が開状態にあっても、閉状態にあっても、第1液圧シリンダ80,第2液圧シリンダ82の容積変化室100、101の液圧はほぼ同じになるため、電磁弁84を経て作動液が流れることがなく、第3液圧シリンダ110が作動させられることになる。
本サスペンションシステムは、サスペンションECU200の指令に基づいて制御される。サスペンションECU200は、コンピュータを主体とするものであり、実行部202、記憶部204、入出力部206等を含む。入出力部206には、車両の走行状態を検出する走行状態検出装置210が接続される。走行状態検出装置210は、旋回状態を検出する旋回状態検出装置212,前後加速度を検出する前後Gセンサ214等を含む。旋回状態検出装置212は、横加速度センサを含むものとしたり、操舵角センサと車速センサとを含むものとしたり、ヨーレイトセンサを含むものとしたりすることができる。
本実施形態においては、横加速度が設定値以上の場合、遠心力が設定値以上の場合、ヨーレイトが設定値以上の場合に、旋回のレベルが設定レベル以上であるとされる。実行部202には、電磁弁50〜56,84,130のソレノイドが図示しない駆動回路を介して接続される。記憶部204には、図2のフローチャートで表される姿勢変化制御プログラム等が記憶されている。
本実施形態においては、電磁弁50〜56、84は常開弁であり、電磁弁130は常閉弁である。各ソレノイドに電流が供給されない場合は図示する位置にある。この状態においては、ロール、ピッチ、アーティキュレーションが許容されて、ヒーブが抑制される。
図2のフローチャートで表される姿勢変化制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、旋回レベルが設定レベル以上であるかどうかが判定される。
旋回レベルが設定レベル以上である場合には、S2において、前後加速度が設定加速度以上であるかどうかが判定される。前後加速度が設定加速度より小さい場合には、S3,4において、電磁弁50,52が閉状態とされて、電磁弁84が開状態とされる。この場合には、車両のロールが抑制されて、ピッチが許容される。
旋回レベルが設定レベルより低い場合には、S5において、前後加速度の絶対値が設定値以上であるかどうかが判定される。前後加速度の絶対値が設定値以上である場合には、S6,7において、電磁弁54,56が閉状態とされて、電磁弁84が開状態とされる。この場合には、ピッチが抑制されて、ロールが許容される。
なお、これらの場合には、電磁弁84が開状態にあるので、アーティキュレーションは許容される。それによって、路面入力に起因する乗り心地の低下を抑制することができる。また、電磁弁50および電磁弁52と電磁弁54および電磁弁56とのいずれか一方が開状態にあるため、それによっても、アーティキュレーションは許容される。
旋回レベルが設定レベル以上であり、かつ、前後加速度が設定加速度以上である場合には、S8,9において、電磁弁50〜56が閉状態にされるとともに、電磁弁84が閉状態にされる。ロール、ピッチが抑制されるとともに、アーティキュレーションが抑制される。それによって大きな加速度で旋回する場合の走行安定性を向上させることができる。
旋回レベルが設定レベルより低く、かつ、前後加速度の絶対値も設定値より小さい場合には、電磁弁50〜56,電磁弁84に電流が供給されないで、図示する位置とされる。それによって、ロール、ピッチ、アーティキュレーションが許容される。
このように、本実施形態によれば、旋回状態が設定レベルより高く、かつ、前後加速度が設定値以上である場合には、ロール、ピッチが抑制されるとともにアーティキュレーションが抑制される。それによって、走行安定性を向上させることができる。
また、それ以外の場合には、アーティキュレーションが許容される状態にあるため、例えば、走行安定性を確保し得、路面入力に起因する乗り心地の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態においては、電磁弁50〜56,84、第1液圧シリンダ80,第2液圧シリンダ82およびサスペンションECU200の図2のフローチャートで表される姿勢変化制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりサスペンション制御装置が構成され、そのうちの、S4,7,9を記憶する部分、実行する部分等により作動状態切換装置が構成される。第1液圧シリンダ80,第2液圧シリンダ82等によって作動装置が構成される。
なお、上記実施形態においては、S3において電磁弁50,52が閉状態とされ、S6において電磁弁54,56が閉状態とされたが、電磁弁50〜56が閉状態とされるようにすることもできる。その場合の姿勢変化抑制プログラムのフローチャートを図3に示す。本実施形態においては、S3´、6´において電磁弁50〜56が閉状態とされる。旋回状態が設定レベル以上である場合、前後加速度の絶対値が設定値以上である場合に、電磁弁50〜56すべてを閉状態とすれば、走行安定性の向上を図ることができる。
また、アーティキュレーション制御装置の構造は、上記実施形態におけるそれに限らない。
例えば、図4に示すアーティキュレーション制御装置248は、上記実施形態における場合と同様の第1,第2液圧シリンダ80,82を含むが、第1、第2液圧シリンダ80,82の容積変化室100、101には、それぞれ、液通路250,252を介してアキュムレータ254,256が接続される。また、液通路250,252には、それぞれ電磁弁260,262が設けられる。
電磁弁260,262の開状態において、容積変化室100,101とアキュムレータ254,256とが連通させられる。容積変化室100,101の容積変化が許容されて第1、第2の可動部材92,93の移動が許容される。それによって、アーティキュレーションが許容される。
電磁弁260,262の閉状態において、容積変化室100,101とアキュムレータ254,256とが遮断されて、第1,第2の可動部材92,93の移動が抑制される。それによって、アーティキュレーションが抑制される。
なお、電磁弁260,262の開状態においては、ヒーブも許容される。
また、図5に示すアーティキュレーション許容装置300は、第1液圧シリンダ302,第2液圧シリンダ304を含む。第1液圧シリンダ302、第2液圧シリンダ304において、それぞれ、ハウジング310、312に第1,第2ピストン314,316がそれぞれ液密かつ摺動可能に嵌合される。2つの第1,第2ピストン314,316は連結ロッド318によって連結される。第1、第2ピストン314,316および連結ロッド318は一体的に移動可能とされるのであり、これを制御ピストン320と称する。
第1液圧シリンダ302は、左前輪の液圧シリンダ10,左後輪の液圧シリンダ14の間に設けられ、第2液圧シリンダ304は、右前輪の液圧シリンダ12,右後輪の液圧シリンダ16の間に設けられる。
第1液圧シリンダ302において、第1ピストン314の外側の第1受圧面320には左前輪の液圧シリンダ10の液圧を受け、内側の第2受圧面322には左後輪の液圧シリンダ14の液圧を受ける。第2液圧シリンダ304において、第2ピストン316の内側の第3受圧面324には右後輪の液圧シリンダ16の液圧を受け、外側の第4受圧面326には右前輪の液圧シリンダ12の液圧を受ける。
制御ピストン320において、左前輪の液圧シリンダ10の液圧と右後輪の液圧シリンダ16の液圧とが同じ向きに、右前輪の液圧シリンダ12の液圧と左後輪の液圧シリンダ14の液圧とが同じ向きに、かつ、これらが互いに逆向きに作用する。
制御ピストン320には、移動状態制御装置330が設けられる。移動状態制御装置300は第4液圧シリンダ332を含む。第4液圧シリンダ332は、ハウジング334と、連結ロッド318に相対移動不能に設けられたピストン336とを含む。連結ロッド318はピストン314,316を突出して設けられ、その突出部にピストン336が設けられるのである。ハウジング334の内部は、ピストン336によって2つの液圧室338,339に仕切られる。2つの液圧室338,339は液通路340によって接続され、液通路340には電磁弁342が設けられる。電磁弁342は、ソレノイドへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁である。
アーティキュレーションが生じると、左前輪、右後輪の液圧シリンダの液圧と、右前輪、左後輪の液圧シリンダの液圧との一方の液圧が高くなり、他方の液圧が低くなる。制御ピストン320において、釣り合いの状態が変わり、第4液圧シリンダ332において液圧室338,339の間に液圧差が生じる。
電磁弁342が開状態にある場合には、液圧室338,339の間において、液圧が高い方の液圧室から低い方の液圧室に向かう作動液の流れが許容され、制御ピストン320の移動が許容され、アーティキュレーションが許容される。
電磁弁342が閉状態にある場合には、液圧室338,339の間の作動液の流れが阻止され、制御ピストン320の移動が阻止される。それによって、アーティキュレーションが抑制される。
このように、本実施形態においては、電磁弁342を開状態と閉状態とに切り換えることにより、アーティキュレーションが許容される状態と抑制される状態とに切り換えることができる。
なお、アーティキュレーション制御装置300に、制御ピストン320の移動に応じた弾性力を付与する弾性力付与装置や、制御ピストン320の移動速度に応じた減衰力を発生させる減衰力発生装置を設けることができる。弾性力付与装置としては、スプリングを採用することが望ましい。
また、上記実施形態においては、左右前後の各車輪毎に設けられた液圧シリンダ10〜16が単動式のものであってが、ショックアブソーバとすることもできる。2つ以上のショックアブソーバが連通させられた状態においては減衰力が小さい状態とされ、ショックアブソーバが別個独立の状態においては、減衰力が大きい状態とされて、その姿勢の変化が抑制されることになる。
さらに、上記実施形態においては、旋回レベルが設定レベル以上であって、かつ、前後加速度が設定値以上である場合に、アーティキュレーションが抑制されるようにされていたが、旋回レベルが設定レベル以上であっても設定レベルより低くても、旋回中である場合に、前後加速度が設定値以上である場合には、アーティキュレーションが抑制されるようにすることもできる。
また、上記実施形態においては、液通路40〜46により、4つの液圧シリンダ10〜16が互いに連通状態にあったが、互いに連通状態にすることは不可欠ではない。例えば、左前輪の液圧シリンダ10と右後輪の液圧シリンダ16とを接続する連通路と、右前輪の液圧シリンダ12と左後輪の液圧シリンダ14とを接続する連通路とを設け、これら連通路に電磁弁を設けることができる。
さらに、アーティキュレーションが許容される状態と抑制される状態とに切り換え可能とすることも不可欠ではない。電磁弁84は不可欠ではなく、第1、第2の液圧シリンダ80,82の容積変化室100、101同士が連通状態にあれば、電磁弁50〜56の閉状態においてロール、ピッチが抑制されて、アーティキュレーションが許容される状態となる。
また、電磁弁50〜56,84,130は電磁開閉弁でなく、開状態において、流路面積が連続的に変更可能な流路制御弁とすることができる。
その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施形態であるサスペンションシステムの全体を概念的に示す図である。 上記サスペンションシステムのサスペンションECUの記憶部に記憶された姿勢変化抑制プログラムを表すフローチャートである。 上記サスペンションシステムのサスペンションECUの記憶部に記憶された別の姿勢変化抑制プログラムを表すフローチャートである。 上記サスペンションシステムの一部の別の態様を示す図である。 上記サスペンションシステムの一部のさらに別の態様を示す図である。
符号の説明
10〜16:液圧シリンダ 40〜46:液通路 50〜56:電磁弁 60〜66:接続通路 70:アーティキュレーション制御装置 80,82:液圧シリンダ 84:電磁弁 248:アーティキュレーション制御装置 260,262:電磁弁 300:アーティキュレーション制御装置 320:制御ピストン 330:移動制御装置 342:電磁弁

Claims (4)

  1. 車両の前後左右の車輪と車体との間に設けられたサスペンションシステムであって、
    前記車両のロールとピッチとを抑制する状態において、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが逆相に移動するのを許容する状態とその移動を抑制する状態とに切り換え可能なサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
  2. 当該サスペンションシステムが、前記前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダを含み、
    前記サスペンション制御装置が、
    それら前後左右の液圧シリンダのうち、右前輪の液圧シリンダの液圧と左後輪の液圧シリンダの液圧とが、同じ向きに変化した場合に移動可能な第1可動部材を備えた第1作動装置と、前記左前輪の液圧シリンダの液圧と右後輪の液圧シリンダの液圧とが同じ向きに変化した場合に移動可能な第2可動部材を備えた第2作動装置と、それら第1作動装置と第2作動装置との間の作動液の授受の状態を制御することにより、前記第1,第2の可動部材の移動を許容する状態と抑制する状態とに切り換え可能な作動状態切換装置とを含む請求項1に記載のサスペンションシステム。
  3. 車両の前後左右の車輪に対応してそれぞれ設けられた液圧シリンダと、
    それら前後左右の液圧シリンダを互いに連通させる連通路と
    を含むサスペンションシステムにおいて、
    前記連通路に設けられ、当該サスペンションシステムを、前記車両のロールとピッチとを抑制するとともに、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある車輪同士が上下方向に同相に、かつ、互いに対角位置にある車輪同士から成る2つの組の一方に属する2つの車輪と他方に属する2つの車輪とが互いに逆相に移動することを許容する状態とするサスペンション制御装置を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
  4. 前記サスペンション制御装置が、前記前後左右の液圧シリンダの液圧により作動させられる作動装置であって、前記互いに対角位置にある車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧が両方とも同じ向きに変化し、かつ、前記2つの組の一方に属する2つの車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧の変化の向きと他方に属する2つの車輪に対応する2つの液圧シリンダの液圧の変化の向きとが互いに反対である場合に移動可能な可動部材を備えた作動装置を含む請求項3に記載のサスペンションシステム。
JP2003382450A 2003-11-12 2003-11-12 サスペンションシステム Expired - Fee Related JP4200883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003382450A JP4200883B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 サスペンションシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003382450A JP4200883B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 サスペンションシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005145137A true JP2005145137A (ja) 2005-06-09
JP4200883B2 JP4200883B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=34691518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003382450A Expired - Fee Related JP4200883B2 (ja) 2003-11-12 2003-11-12 サスペンションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4200883B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023064170A1 (en) * 2021-10-12 2023-04-20 DRiV Automotive Inc. Suspension system with roll and pitch stiffness deactivation based on road profile information
US11685220B2 (en) 2021-10-12 2023-06-27 DRiV Automotive Inc. Control systems and methods for suspension systems
US11691474B2 (en) 2021-10-12 2023-07-04 DRiV Automotive Inc. Suspension system tank filling systems and methods
US11697319B2 (en) 2021-10-12 2023-07-11 DRiV Automotive Inc. Suspension system with comfort valve integration
CN116424052A (zh) * 2023-04-28 2023-07-14 江苏大学 一种多模式切换的新型油气互联馈能isd悬架及控制方法
US11865889B2 (en) 2021-10-12 2024-01-09 DRiV Automotive Inc. Suspension system with comfort valves between cross-over hydraulic circuits
US11865887B2 (en) 2021-10-12 2024-01-09 DRiV Automotive Inc. Suspension system with incremental roll and pitch stiffness control
US11904841B2 (en) 2021-10-12 2024-02-20 DRiV Automotive Inc. Suspension system integration with advanced driver assistance system
US11912092B2 (en) 2021-10-12 2024-02-27 DRiV Automotive Inc. Suspension leak check systems and methods
US11919355B2 (en) 2021-10-12 2024-03-05 DRiV Automotive Inc. Valve diagnostic systems and methods
US11938772B2 (en) 2021-10-12 2024-03-26 DRiV Automotive Inc. System for grading filling of a hydraulic suspension system
US12097739B2 (en) 2021-10-12 2024-09-24 DRiV Automotive Inc. Pump rinsing systems and methods
US12168378B2 (en) 2021-10-12 2024-12-17 DRiV Automotive Inc. Accumulator check systems and methods

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11865887B2 (en) 2021-10-12 2024-01-09 DRiV Automotive Inc. Suspension system with incremental roll and pitch stiffness control
US11938772B2 (en) 2021-10-12 2024-03-26 DRiV Automotive Inc. System for grading filling of a hydraulic suspension system
US11691474B2 (en) 2021-10-12 2023-07-04 DRiV Automotive Inc. Suspension system tank filling systems and methods
US11697319B2 (en) 2021-10-12 2023-07-11 DRiV Automotive Inc. Suspension system with comfort valve integration
US12168378B2 (en) 2021-10-12 2024-12-17 DRiV Automotive Inc. Accumulator check systems and methods
US11865889B2 (en) 2021-10-12 2024-01-09 DRiV Automotive Inc. Suspension system with comfort valves between cross-over hydraulic circuits
US11912092B2 (en) 2021-10-12 2024-02-27 DRiV Automotive Inc. Suspension leak check systems and methods
US12097739B2 (en) 2021-10-12 2024-09-24 DRiV Automotive Inc. Pump rinsing systems and methods
US11685220B2 (en) 2021-10-12 2023-06-27 DRiV Automotive Inc. Control systems and methods for suspension systems
US11919355B2 (en) 2021-10-12 2024-03-05 DRiV Automotive Inc. Valve diagnostic systems and methods
WO2023064170A1 (en) * 2021-10-12 2023-04-20 DRiV Automotive Inc. Suspension system with roll and pitch stiffness deactivation based on road profile information
US12059937B2 (en) 2021-10-12 2024-08-13 DRiV Automotive Inc. Suspension system with roll and pitch stiffness deactivation based on road profile information
US11904841B2 (en) 2021-10-12 2024-02-20 DRiV Automotive Inc. Suspension system integration with advanced driver assistance system
CN116424052A (zh) * 2023-04-28 2023-07-14 江苏大学 一种多模式切换的新型油气互联馈能isd悬架及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4200883B2 (ja) 2008-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7360777B2 (en) Vehicle suspension system
US7789398B2 (en) Hydraulic system for a vehicle suspension
US8960697B2 (en) Suspension device for vehicle
US20020121416A1 (en) Hydraulic cylinder apparatus
JP3951728B2 (ja) スタビライザ装置
JP4200883B2 (ja) サスペンションシステム
JPWO2004080735A1 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2008308161A (ja) ダンパ作動の能動的ロール制御
JP2005059613A (ja) 車両用サスペンションシステム
US12023978B2 (en) Hydraulic suspension system and method for operation of said system
JP4356409B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2006088754A (ja) サスペンション装置
JP4539283B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2008168747A (ja) アーティキュレーション許容型サスペンションシステム
JPH04100724A (ja) 車両用能動型スタビライザ
JP4581880B2 (ja) サスペンション装置
JP2008168861A (ja) サスペンションシステム
AU2004215923A1 (en) Hydraulic system for a vehicle suspension
JP2009012770A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2006076469A (ja) サスペンション装置
JP2003159924A (ja) 車両用サスペンション装置
JP4518008B2 (ja) サスペンション装置
JPH0260815A (ja) 車両用アンチローリング装置
JP2005059614A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP4225865B2 (ja) スタビライザ用制御弁装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060123

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080417

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080430

A521 Written amendment

Effective date: 20080619

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080916

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20080929

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees