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JP2005134863A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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JP2005134863A
JP2005134863A JP2004062781A JP2004062781A JP2005134863A JP 2005134863 A JP2005134863 A JP 2005134863A JP 2004062781 A JP2004062781 A JP 2004062781A JP 2004062781 A JP2004062781 A JP 2004062781A JP 2005134863 A JP2005134863 A JP 2005134863A
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film
optical compensation
liquid crystal
refractive index
compensation sheet
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JP2004062781A
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Hiroaki Sata
博暁 佐多
Keiichi Taguchi
慶一 田口
Hiroyuki Kawamoto
博之 川本
Ikuko Okaru
郁子 大軽
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】
セルロースアシレートフイルムのみで、VAモードの液晶セルを光学的に補償する光学補償シート、VAモード液晶表示装置に最適な光学補償機能を追加された偏光板、およびセルロースアシレートフイルムによって光学的に補償されたVAモード液晶表示装置を提供する。
【解決手段】
セルロースアシレート100質量部に対して、二つ以上の芳香族環を有し直線的な分子構造を有する化合物を0.01乃至20質量部含み、数式(I)のReが20乃至70nm、数式(II)のRthが70乃至400nm、Re/Rth比が0.2乃至0.4、膜厚が40〜110μmの一枚のセルロースアシレートフイルムのみからなる光学補償シート、このシートを用いた偏光板および液晶表示装置。数式(I)Re=(nx−ny)×d、数式(II)Rth={(nx+ny)/2−nz}×d[式中、nxは遅相軸方向の屈折率;nyは進相軸方向の屈折率;nzは厚み方向の屈折率;dは、フイルムの厚さ]
【選択図】 なし

Description

本発明は、一枚のセルロースアシレートフイルムのみからなる光学補償シートおよびそれを用いた偏光板と液晶表示装置とに関する。
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力で小型化・薄膜化が可能など様々な利点からパーソナルコンピューターや携帯機器のモニター、テレビ用途に広く利用されている。このような液晶表示装置は液晶セル内の液晶の配列状態により様々なモードが提案されているが、従来は液晶セルの下側基板から上側基板に向かって約90°捩れた配列状態になるTNモードが主流であった。
一般に液晶表示装置は液晶セル、光学補償シート、偏光板から構成される。光学補償シートは画像着色を解消したり、視野角を拡大するために用いられており、延伸した複屈折フィルムや透明フィルムに液晶を塗布したフィルムが使用されている。例えば、特許文献1ではディスコティック液晶をトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し配向させて固定化した光学補償シートをTNモードの液晶セルに適用し、視野角を広げる技術が開示されている。しかしながら、大画面で様々な角度から見ることが想定されるテレビ用途の液晶表示装置は視野角依存性に対する要求が厳しく、前述のような手法をもってしても要求を満足することはできていない。そのため、IPS(In-Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、VA(Vertically Aligned)モードなど、TNモードとは異なる液晶表示装置が研究されている。特にVAモードはコントラストが高く、比較的製造の歩留まりが高いことからTV用の液晶表示装置として着目されている。
セルロースアシレートフイルム、中でも、セルロースアセテートフイルムは、他のポリマーフイルムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)との特徴がある。従って、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテートフイルムを用いることが普通である。
一方、液晶表示装置の光学補償シート(位相差フイルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。特にVA用の光学補償シートでは20乃至70nmのReレターデーション、70乃至400nmのRthレターデーションが必要とされる。従って、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフイルムやポリスルホンフイルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフイルムを用いることが普通であった。
以上のように光学材料の技術分野では、ポリマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求される場合にはセルロースアセテートフイルムを使用することが一般的な原則であった。
特許文献2には、従来の一般的な原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフイルムが開示されている。該特許ではセルローストリアセテートで高いレターデーション値を実現するために、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物、中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物を添加し、延伸処理を行っている。一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、添加剤を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくすることを可能にし、高いレターデーション値を実現している。このフィルムは偏光板の保護フィルムを兼ねることができるため、安価で薄膜な液晶表示装置を提供することができる利点がある。
近年、液晶表示装置の軽量化、製造コスト低減のために液晶セルの薄膜化が必須となっている。そのために光学補償シートに必要とされる光学性能はより高いReレターデーション値であって、より低いRthレターデーション値であるフィルムが必要となってきている。
しかしながら、本発明者が特許文献2で開示された方法で鋭意検討した結果、該手法では、前述のReレターデーション値とRthレターデーション値を個々に指定された場合にそれらを両立することができない問題があることが判明した。上記特許文献2以外にもVA用位相差フィルムの光学性能についての技術を開示している特許文献、例えば特許文献3があるが、Re値とRth値を両立する方法については明示されていなかった。
特許第2587398号公報 欧州特許出願公開0911656A2号明細書 特開2001−116926号公報
本発明の目的は、セルロースアシレートフイルムのみで、液晶セル、とりわけVAモードの液晶セルを光学的に補償する光学補償シートを提供することである。
本発明の別の目的は、構成要素の数を増加することなく、偏光板にVAモード液晶表示装置に最適な光学補償機能が追加された偏光板を提供することである。
本発明のさらなる別の目的は、セルロースアシレートフイルムによって光学的に補償されたVAモード液晶表示装置を提供することである。
まず、前記特許文献2に開示の手法で高Re/Rth比が実現できない理由を説明する。
一定の膜厚で考えた場合、フィルムのレターデーションは素材の屈折率と存在量、配向状態によって決まる。前記特許文献2に開示された方法の場合、セルローストリアセテートの3軸の屈折率と配向状態、添加剤である円盤状化合物の屈折率、添加量、配向状態により決まる。その他の添加剤、例えば可塑剤などもレターデーション発現に若干影響するが、その効果は概ね小さいため省略する。
セルローストリアセテートは、一般に延伸しにくい素材であるため延伸倍率を大きくすることが難しく、大きいレターデーション値を実現しにくい。特許文献2のようにセルローストリアセテートを用いて高いレターデーションを実現した場合、発現したレターデーションは添加剤の寄与が大きい。
Reレターデーション値およびRthレターデーション値はいずれも3軸方向の屈折率で定義された値であるため、Re/Rth比はレターデーション発現に対する寄与が大きい添加剤によってほぼ決まってしまう。延伸倍率に対するRe/Rth比を調べた結果、その関係は比例関係にあり、延伸倍率が大きくなるとRe/Rth比は大きくなることが分かった。添加量を変えた場合も同様の比例関係となり、添加量を増やすとRe/Rth比は増加する。延伸倍率に対するRe/Rth比の傾きは添加素材によって決まり、上記特許文献2に具体的に記載されている円盤状化合物ではその傾きが小さいことが分かった。
レターデーション値を決めるセルローストリアセテートおよび添加剤の配向状態は延伸方法によっても異なる。一般に、一軸延伸する方法としてロール延伸法やテンター延伸法が知られているが、前者はフィルム幅の収縮が起こりnyが小さくなるため(nx−ny)値が大きくなりやすく、Reは発現しやすい。後者は搬送方向が規制されたまま幅方向に延伸されるため(nx−ny)値は大きくなりにくい。したがって、延伸倍率に対するRe/Rth比は前者に比べて後者は小さくなる。
テンター延伸法は膜厚や光学性能の面内ばらつきを小さくしやすいため、液晶表示装置用の光学補償シートを製造する手法として適している。この手法を前記開示の例に適用すると、Re/Rth比の増加量は延伸倍率1%当たり概ね0.01以下である。Re目標値とRth目標値が近く、Re/Rth比が0.5程度の場合、50%以上の延伸倍率が必要となる。延伸しにくいセルローストリアセテートフィルムにおいてこの倍率を安定的に実現することは事実上困難である。
また、添加量についても実際に可能な添加量の増量では目標光学性能を達成させることが困難であった。
本発明者は、前述のような最適なRe、Rth値をテンター延伸法で実現するような場合、延伸倍率に対するRe/Rth増加量を大きくするために、少なくとも二つの芳香族環を有し直線的な分子構造を有する棒状化合物を添加剤として用いることで延伸倍率に対するRe/Rth増加量を大きくすることができることを見出し、従来の手法では実現できなかった光学性能の光学補償シートを製造できることを可能にした。
本発明の目的は、下記1〜5の光学補償シート、下記6〜8の偏光板および下記9、10の液晶表示装置により達成される。
1.セルロースアシレート100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有し直線的な分子構造を有する棒状化合物を0.01乃至20質量部含み、下記数式(I)で定義されるReレターデーション値が20乃至70nmであり、下記数式(II)で定義されるRthレターデーション値が70乃至400nmであり、該Reレターデーション値と該Rthレターデーション値との比(Re/Rth比)が0.2乃至0.4であり、そして膜厚40μm〜110μmの一枚のセルロースアシレートフイルムのみからなることを特徴とする光学補償シート。
数式(I):Re=(nx−ny)×d
数式(II):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であり;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚さである]。
2.Reレターデーション値が40乃至70nmであり、Rthレターデーション値が90乃至200nmであることを特徴とする上記1に記載の光学補償シート。
3.光学補償シートが、3乃至100%の延伸倍率で延伸したセルロースアシレートフイルムからなることを特徴とする上記1または2に記載の光学補償シート。
4.セルロースアシレートが、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートであり、延伸倍率1%あたりのRe/Rth変化量が0.01乃至0.1であることを特徴とする上記1乃至3に記載の光学補償シート。
5.セルロースアシレートフィルムの残留溶剤量が2%乃至30%の状態で長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸し、該フィルムの遅相軸が該フィルムの長尺方向に対して直交する方向にあることを特徴とする上記4に記載の光学補償シート
6.偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、上記1乃至5に記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
7.偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一方が上記1ないし5に記載の光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護層には少なくとも光散乱層と低屈折率層からなる反射率2.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする上記6に記載の偏光板。
8.偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一方が請求項1ないし5に記載の光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護層には少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順に積層されてなる鏡面反射率0.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする上記6に記載の偏光板。
9. 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなり、該偏光板が偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であって、該液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間に、上記1乃至5に記載の光学補償シートが配置されており、該セルロースアシレートフイルムの遅相軸とセルロースアシレートフイルムに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
10.液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜の少なくとも一方が、上記1乃至5に記載の光学補償シートからなり、該光学補償シートを構成するセルロースアセテートフイルムの遅相軸とセルロースアセテートフイルムに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
本発明者は、特許文献2に開示されているセルロースアセテートフイルムを改良して、セルロースアセテートフイルムのみでVAモード液晶セルを光学的に補償することに成功した。
セルロースアセテートフイルムに芳香環を有する棒状化合物からなる添加剤(具体的には、二つの芳香族環を有する芳香族化合物)の種類と量あるいは製造条件(例えば、フイルムの延伸条件)を調節することによって、Reレターデーション値が20乃至70nmであり、Rthレターデーション値が70乃至400nmであり、Re/Rth比が0.2〜0.4であるセルロースアセテートフイルムが得られる。このセルロースアセテートフイルムは、VAモードの液晶セルを光学的に補償するために充分な光学的異方性を有している。従って、一枚のセルロースアセテートフイルムのみからなる光学補償シートが得られる。
偏光板の保護膜は、一般にセルロースアセテートフイルムからなる。上記のセルロースアセテートフイルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光学補償機能を追加することができる。
上記のセルロースアセテートフイルムのみからなる光学補償シートおよび上記のセルロースアセテートフイルムを保護膜として用いた偏光板は、VAモードの液晶表示装置に、特に有利に用いることができる。
[フイルムのレターデーション]
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下記数式(I)および(II)で定義される。
数式(I):Re=(nx−ny)×d
数式(II):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
数式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。
式(I)および(II)において、nyは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。
式(II)において、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率である。
式(I)および(II)において、dは、単位をnmとするフイルムの厚さである。
本発明では、セルロースアシレートフイルムのReレターデーション値を20乃至70nmに、そしてRthレターデーション値を70乃至400nmに調節する。また、本発明ではRe/Rth比を0.2乃至0.4に調節する。好ましくは、Reレターデーション値を40乃至70nmに、Rthレターデーション値を90乃至200nm、そしてにRe/Rth比を0.3乃至0.4に調節する。これらの調整は芳香環を有する棒状化合物の種類、添加量および延伸倍率により行うことが出来る。
本発明においては、延伸倍率1%あたりのRe/Rthの変化量を0.01乃至0.1とすることが可能である。ここで、延伸倍率1%あたりのRe/Rthの変化量は、延伸倍率5%以上の少なくとも3点の延伸倍率に対するRe/Rth比を一次近似した時の傾きから求めることができる。
なお、セルロースアシレートフイルムの複屈折率(nx−ny)は、0.0002乃至0.0009であることが好ましく、0.00025乃至0.0009が更に好ましく、0.00035乃至0.0009であることが最も好ましい。また、セルロースアシレートフイルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.0006乃至0.005であることが好ましく、0.0008乃至0.005であることが更に好ましく、0.0012乃至0.005であることが最も好ましい。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明に用いられるセルロースアシレートの原料綿は、公知の原料を用いることができる(例えば、発明協会公開技法2001−1745参照)。また、セルロースアシレートの合成も公知の方法で行なうことができる(例えば、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)参照)。セルロースアシレートの粘度平均重合度は200乃至700が好ましく250乃至500が更に好ましく250乃至350が最も好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.5乃至5.0であることが好ましく、2.0乃至4.5であることがさらに好ましく、3.0乃至4.0であることが最も好ましい。
該セルロースアシレートフィルムのアシル基は、特に制限は無いが、アセチル基、プロピオニル基を用いることが好ましく、特にアセチル基が好ましい。全アシル基の置換度は2.7乃至3.0が好ましく、2.8乃至2.95がさらに好ましい。本明細書において、アシル基の置換度とは、ASTM D817に従って算出した値である。
アシル基がアセチル基であることが最も好ましく、アシル基がアセチル基であるセルロースアセテートを用いる場合には、酢化度が59.0乃至62.5%が好ましく、59.0乃至61.5%がさらに好ましい。酢化度がこの範囲にあると、流延時の搬送テンションによってReが所望の値より大きくなることもなく、面内ばらつきも少なく、温湿度によってレターデーション値の変化も少ない。
6位のアシル基の置換度は、Re、Rthのばらつきを抑制する観点から、0.9以上が好ましい。
[レターデーション制御剤]
本発明では少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物をレターデーション制御剤として用いる。該棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造で主鎖の構成する角度が140度以上であることを意味する。
少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
一般式(I):Ar1−L1−Ar2
上記一般式(I)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N'−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)および非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
一般式(I)において、L1は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる基から選ばれる二価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、より好ましくは1乃至15であり、さらに好ましくは1乃至10であり、さらに好ましくは1乃至8であり、最も好ましくは1乃至6である。
アルケニレン基およびアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、好ましくは2乃至10であり、より好ましくは2乃至8であり、さらに好ましくは2乃至6であり、さらに好ましくは2乃至4であり、最も好ましくは2(ビニレンまたはエチニレン)である。
アリーレン基は、炭素原子数は6乃至20であることが好ましく、より好ましくは6乃至16であり、さらに好ましくは6乃至12である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
L−7:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−8:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
L−9:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−10:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
一般式(I)の分子構造において、L1を挟んで、Ar1とAr2とが形成する角度は、
140度以上であることが好ましい。
棒状化合物としては、下記式一般式(II)で表される化合物がさらに好ましい。
一般式(II):Ar1−L2−X−L3−Ar2
上記一般式(II)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、一般式(I)のAr1およびAr2と同様である。
一般式(II)において、L2およびL3は、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる基より選ばれる二価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、より好ましくは1乃至8であり、さらに好ましくは1乃至6であり、さらに好ましくは1乃至4であり、1または2(メチレンまたはエチレン)であることが最も好ましい。
2およびL3は、−O−CO−または−CO−O−であることが特に好ましい。
一般式(II)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2005134863
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Figure 2005134863
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Figure 2005134863
Figure 2005134863
Figure 2005134863
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具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1-trans)とシス型(1-cis)とを、以下に示す。
Figure 2005134863
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
具体例(2)および(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
その他、好ましい化合物を以下に示す。
Figure 2005134863
Figure 2005134863
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
レターデーション制御剤の添加量は、ポリマーの量の0.1乃至30質量%であることが好ましく、0.5乃至20質量%であることがさらに好ましい。
芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の化合物を併用してもよい。
[セルロースアセテートフイルムの製造]
ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフイルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でセルロースアシレート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアシレートの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアシレート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアシレートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレテートフイルムを製造する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
セルロースアシレートフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
セルロースアセテートフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、劣化防止剤添加による効果が発現し、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)を抑制する観点から、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
[セルロースアシレートフィルムの延伸処理]
セルロースアセテートフイルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好ましい。
延伸方法は請求の範囲を逸脱しない範囲で既存の方法を用いることができるが、面内の均一性の観点から特にテンター延伸が好ましく用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは少なくとも100cm以上の幅であることが好ましく、全幅のRe値のばらつきが±5nmであることが好ましく、±3nmであることが更に好ましい。また、Rth値のバラツキは±10nmが好ましく、±5nmであることが更に好ましい。また、長さ方向のRe値、及びRth値のバラツキも幅方向のバラツキの範囲内であることが好ましい。
また延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理しても良い。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量が2乃至30%で好ましく延伸することができる。この際、フィルムを長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸して該フィルムの遅相軸が該フィルムの長尺方向に対して直交するようにすることが好ましい。
延伸温度は延伸時の残留溶剤量と膜厚によって適当な条件を選ぶことができる。
残留溶剤を含む状態で延伸した場合には、延伸後に乾燥させることが好ましい。乾燥方法は前記フィルムの製膜に記載の方法に準じて行うことができる。
延伸後のセルロースアセテートフイルムの厚さは、110μm以下、好ましくは40乃至110μmであり、より好ましくは60乃至110μmであり、80乃至110μmであることが最も好ましい。この膜厚は本発明の光学補償シートの膜厚に相当する。
[セルロースアシレートフイルムの表面処理]
セルロースアシレートフイルムからなる光学補償シートを偏光板の透明保護膜として使用する場合、セルロースアシレートフイルムを表面処理することが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
以上説明した少なくとも二つの芳香族環を有する直線的な構造を有する棒状化合物を含んで延伸され、上記レターデーション値Re、Rth、およびRe/Rth比を満たし、膜厚が40μm〜110μmのセルロースアシレートフイルムは、一枚だけで光学補償シートとして機能する。
[偏光板]
偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、上記のセルロースアシレートフイルムからなる光学補償シートを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフイルムを用いてもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。
セルロースアシレートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
[反射防止層]
偏光板の、液晶セルと反対側に配置される透明保護膜には反射防止層を設けることが好ましい。特に本発明では透明保護膜上に少なくとも光散乱層と低屈折率層がこの順で積層した反射防止層又は透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層が好適に用いられる。以下にそれらの好ましい例を記載する。
透明保護膜上に光散乱層と低屈折率層を設けた反射防止層の好ましい例について述べる。
本発明の光散乱層には、マット粒子が分散しており、光散乱層のマット粒子以外の部分の素材の屈折率は1.50〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層の屈折率は1.35〜1.49の範囲にあることが好ましい。本発明においては光散乱層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えており、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。
反射防止層は、その表面凹凸形状として、中心線平均粗さRaが0.08〜0.40μm、10点平均粗さRzがRaの10倍以下、平均山谷距離Smが1〜100μm、凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差が0.5μm以下、中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差が20μm以下、傾斜角0〜5度の面が10%以上となるように設計することで、十分な防眩性と目視での均一なマット感が達成され、好ましい。また、C光源下での反射光の色味がa*値−2〜2、b*値−3〜3、380nm〜780nmの範囲内での反射率の最小値と最大値の比0.5〜0.99であることで、反射光の色味がニュートラルとなり、好ましい。またC光源下での透過光のb*値が0〜3とすることで、表示装置に適用した際の白表示の黄色味が低減され、好ましい。また、面光源上と本発明の反射防止フィルムの間に120μm×40μmの格子を挿入してフイルム上で輝度分布を測定した際の輝度分布の標準偏差が20以下であると、高精細パネルに本発明のフィルムを適用したときのギラツキが低減され、好ましい。
本発明の反射防止層は、その光学特性として、鏡面反射率2.5%以下、透過率90%以上、60度光沢度70%以下とすることで、外光の反射を抑制でき、視認性が向上するため好ましい。特に鏡面反射率は1%以下がより好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。ヘイズ20%〜50%、内部ヘイズ/全ヘイズ値0.3〜1、光散乱層までのヘイズ値から低屈折率層を形成後のヘイズ値の低下が15%以内、くし幅0.5mmにおける透過像鮮明度20%〜50%、垂直透過光/垂直から2度傾斜方向の透過率比が1.5〜5.0とすることで、高精細LCDパネル上でのギラツキ防止、文字等のボケの低減が達成され、好ましい。
[低屈折率層]
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であり、好ましくは1.30〜1.44の範囲にある。さらに、低屈折率層は下記数式(III)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(III)
(m/4)×0.7<n1d1<(m/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
本発明の低屈折率層を形成する素材について以下に説明する。
本発明の低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含む。フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.20、水に対する接触角90〜120°、純水の滑落角が70°以下の熱または電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなり好ましく、500gf以下が好ましく、300gf以下がより好ましく、100gf以下が最も好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難く、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーとしてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための構成単位としてはグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また上記含フッ素モノマー単位、架橋反応性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号および特開平10−147739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
[光散乱層]
光散乱層は、表面散乱および/または内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。従って、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、および必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを含んで形成される。
光散乱層の膜厚は、ハードコート性を付与する目的で、1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。薄すぎるとハード性が不足し、厚すぎるとカールや脆性が悪化して加工適性が不足となる。
散乱層のバインダーとしては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むものを選択することもできる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、上記のエチレンオキサイド変性体、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。これらの光ラジカル開始剤等は公知のものを使用することができる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
光散乱層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きく、平均粒径が1〜10μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子または樹脂粒子が含有される。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋アクリルスチレン粒子、シリカ粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
さらに、上記マット粒子の粒子径分布としては単分散であることが最も好ましく、各粒子の粒子径は、それぞれ同一に近ければ近いほど良い。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つマット粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布のマット剤を得ることができる。
上記マット粒子は、形成された光散乱層のマット粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2となるように光散乱層に含有される。
マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
光散乱層には、層の屈折率を高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
また逆に、マット粒子との屈折率差を大きくするために、高屈折率マット粒子を用いた光散乱層では層の屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いることも好ましい。好ましい粒径は前述の無機フィラーと同じである。
光散乱層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITOとSiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、光散乱層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このようなフィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
光散乱層のバインダーおよび無機フィラーの混合物のバルクの屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機フィラーの種類及び量割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に容易に知ることができる。
光散乱層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を防眩層形成用の塗布組成物中に含有する。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
次に透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層について述べる。
基体上に少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成から成る反射防止膜は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
又、透明支持体と中屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。更には、中屈折率ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなってもよい。
例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等が挙げられる。
又、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜のヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。又膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
[高屈折率層および中屈折率層]
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒径100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。
高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。
このような超微粒子とするには、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造とすること(:特開2001−166104等)、特定の分散剤併用(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等)等挙げられる。
マトリックスを形成する材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等が挙げられる。
更に、ラジカル重合性及び/又はカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有の多官能性化合物含有組成物、加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。
又、金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物と金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。
高屈折率層の屈折率は、−般に1.70〜2.20である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。また、厚さは5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
[低屈折率層]
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成る。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。
耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含む架橋性若しくは重合性の官能基を含む化合物が好ましい。
例えば、特開平9−222503号公報明細書段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報明細書段落番号[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報明細書段落番号[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物が挙げられる。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造をを有するものが好ましい。例えば、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製等)、両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報等)等が挙げられる。
架橋又は重合性基を有する含フッ素及び/又はシロキサンのポリマーの架橋又は重合反応は、重合開始剤、増感剤等を含有する最外層を形成するための塗布組成物を塗布と同時または塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
又、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜も好ましい。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報記載等記載の化合物)、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有することができる。
低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されても良い。安価に製造できる点で、塗布法が好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
[反射防止層の他の層]
さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
[ハードコート層]
ハードコート層は、反射防止層を設けた透明保護膜に物理強度を付与するために、透明 支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。
硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO00/46617号公報等記載のものが挙げられる。
高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。このような場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。
ハードコート層は、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
[帯電防止層]
帯電防止層を設ける場合には体積抵抗率が10-8(Ωcm-3)以下の導電性を付与することが好ましい。吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性剤、カチオンポリマー、アニオンポリマー、コロイダルシリカ等の使用により10-8(Ωcm-3)の体積抵抗率の付与は可能であるが、温湿度依存性が大きく、低湿では十分な導電性を確保できない問題がある。そのため、導電性層素材としては金属酸化物が好ましい。金属酸化物には着色しているものがあるが、これらの金属酸化物を導電性層素材として用いるとフィルム全体が着色してしまい好ましくない。着色のない金属酸化物を形成する金属としてZn, Ti, Al, In, Si, Mg, Ba, Mo, W, 又はVをあげることができ、これらを主成分とした金属酸化物を用いることが好ましい。具体的な例としては、ZnO, TiO2 , SnO2, Al2O3, In2O3, SiO2, MgO, BaO, MoO3, V2O5等、あるいはこれらの複合酸化物がよく、特にZnO, TiO2, 及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl, In等の添加物、SnO2に対してはSb,Nb,ハロゲン元素等の添加、またTiO2に対してはNb, Taなどの添加が効果的である。更にまた、特公昭59−6235号に記載の如く、他の結晶性金属粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の金属酸化物を付着させた素材を使用しても良い。尚、体積抵抗値と表面抵抗値は別の物性値であり単純に比較することはできないが、体積抵抗値で10-8(Ωcm-3)以下の導電性を確保するためには、該導電層が概ね10-10(Ω/□)以下の表面抵抗値を有していればよく更に好ましくは10-8(Ω/□)である。導電層の表面抵抗値は帯電防止層を最表層としたときの値として測定されることが必要であり、本特許に記載の積層フィルムを形成する途中の段階で測定することができる。
[液晶表示装置]
上記のセルロースアシレートフイルムからなる光学補償シート、または上記のセルロースアシレートフイルムを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
本発明の透過型液晶表示装置の一つの態様では、本発明の光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置する。
本発明の透過型液晶表示装置の別の態様では、液晶セルと偏光膜との間に配置される偏光板の透明保護膜として、上記のセルロースアシレートフイルムからなる光学補償シートが用いられる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光膜との間の)透明保護膜のみに上記の光学補償シートを用いてもよいし、あるいは双方の偏光板の(液晶セルと偏光膜との間の)二枚の透明保護膜に、上記の光学補償シートを用いてもよい。
液晶セルは、VAモードであることが好ましい。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、液晶セルを取り出した。取り出したセルと偏光板の間に、様々なReレターデーション値およびRthレターデーション値を有する透明なサンプルをそれらの軸が重なるように数枚積み重ねて、視野角特性が良好で黒表示がニュートラルになる最適なレターデーションを探索した結果、Re値は52nm、Rth値は132nmであることが分かり、目標の光学性能とした。
[実施例2]
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション制御剤(1)16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
レターデーション制御剤(1):
Figure 2005134863
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、130℃の条件で、テンターを用いて30%の延伸倍率で横延伸して、セルロースアセテートフイルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長633nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果は表1に示す。
[実施例3]
ミキシングタンクに、下記のレターデーション制御剤(2)16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
レターデーション制御剤(2):
Figure 2005134863
延伸倍率を28%とし、膜厚を82μmとしたこと以外は実施例2と同様にして横延伸したセルロースアセテートフィルムを製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[実施例4]
下記の添加溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション調整剤に更なる添加剤を加えた添加液を調整した。
(添加溶液組成)
実施例2で用いたレターデーション調整剤 16質量部
トリメチルトリメリテート 1質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 87質量部
メタノール(第2溶媒) 13質量部
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液44質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、6.0質量部であった。
実施例2と同様にして横延伸したセルロースアセテートフィルムを製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[実施例5]
ミキシングタンクに、下記のレターデーション制御剤(3)16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
レターデーション制御剤(3):
Figure 2005134863
残留溶媒量33%でバンド上から剥ぎ取り、80℃の搬送部を経て揮発分30%でテンター延伸機に導入した後、延伸倍率を28%で延伸した。延伸後の膜厚は95μmであった。延伸後、テンターから脱離させたフィルムを140℃の温風で乾燥させて残留溶媒量を1%以下としたセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[実施例6]
ミキシングタンクに、実施例5と同様のレターデーション制御剤16質量部、Sumisorb 165F(住友化学(株)製) 3質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
残留溶媒量33%でバンド上から剥ぎ取り、80℃の搬送部を経て揮発分30%でテンター延伸機に導入した後、延伸倍率を28%で延伸した。延伸後の膜厚は95μmであった。延伸後、テンターから脱離させたフィルムを140℃の温風で乾燥させて残留溶媒量を1%以下としたセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[実施例7]
ミキシングタンクに、実施例5と同様のレターデーション制御剤16質量部、紫外線吸収剤B(TINUVIN327 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)1.2質量部、紫外線吸収剤C(TINUVIN328 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)2.4質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
実施例6と同様にしてセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[比較例1]
ミキシングタンクに、下記のレターデーション制御剤(4)16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。
レターデーション制御剤(4):
Figure 2005134863
延伸倍率を28%としたこと以外は実施例2と同様にして横延伸したセルロースアセテートフィルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[比較例2]
ミキシングタンクに、下記のレターデーション制御剤(5)16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液30質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、4.2質量部であった。
レターデーション制御剤(5):
Figure 2005134863
バンド上に流延した後、残留溶剤量32%で剥ぎ取った後、テンター延伸機で横延伸した。延伸倍率は30%とし、延伸温度は110℃とした。その後、130℃の温風で乾燥させセルロースアセテートフィルムを作成した。乾燥後のフィルムの膜厚は96μmであった。得られたセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[比較例3]
比較例2で調製したドープを用いてバンド上に流延した後、残留溶剤量32%で剥ぎ取った後、テンター延伸機で横延伸した。延伸倍率は26%とし、延伸温度は130℃とした。その後、130℃の温風で乾燥させセルロースアセテートフィルムを作成した。また、乾燥後のフィルムの膜厚が92μmになるようにドープ流量を調整した。得られたセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[比較例4]
ミキシングタンクに、比較例2のレターデーション制御剤16質量部、紫外線吸収剤A(住友化学(製)Sumisorb 165F)3質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
実施例2のセルロースアセテート溶液474質量部に上記レターデーション制御(上昇)剤溶液30質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、4.2質量部であった。
バンド上に流延した後、残留溶剤量32%で剥ぎ取った後、テンター延伸機で横延伸した。延伸倍率は30%とし、延伸温度は110℃とした。その後、130℃の温風で乾燥させセルロースアセテートフィルムを作成した。乾燥後のフィルムの膜厚は96μmであった。得られたセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、実施例2と同様にReレターデーション値およびRthレターデーション値を評価した。結果は表1に示す。
[比較例5]
セルロースアセテート溶液を、そのままドープとして使用し、膜厚を80μmとし、延伸処理を実施しなかった以外は、実施例2と同様にセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)を作製して評価した。結果は表1に示す。
Figure 2005134863
[実施例8]
(偏光板01の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムにケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。なお、ケン化処理は以下のような条件で行った。
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01Nの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。 作製したセルロースアセテートフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。 最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。
偏光膜の透過軸と実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。
このようにして偏光板を作製した。
実施例3乃至7で作成したセルローストリアセテートフィルムからも同様にして偏光板を作製した。
[実施例9]
(光散乱層用塗布液の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PETA、日本化薬(株)製)50gをトルエン38.5gで希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を2g添加し、混合攪拌した。 この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.60、SX−350、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を1.7gおよび平均粒径3.5μmの架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.55、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を13.3g加え、最後に、フッ素系表面改質剤(FP−1)0.75g、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を10gを加え、完成液とした。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光散乱層の塗布液を調製した。
フッ素系表面改質剤(FP−1)
Figure 2005134863
(低屈折率層用塗布液の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、固形分濃度6%、JSR(株)製)13g、シリカゾル(シリカ、MEK−STの粒子サイズ違い、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3g、ゾル液a 0.6gおよびメチルエチルケトン5g、シクロヘキサノ0.6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
(反射防止層付き透明保護膜01の作製)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記の機能層(光散乱層)用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの機能層を形成し、巻き取った。
該機能層(光散乱層)を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、該調製した低屈折率層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度15m/分の条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
(偏光板02の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
作製した反射防止層付き透明保護膜01に実施例8と同様のケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。
実施例2で作製したセルロースアセテートフィルムに実施例8と同様のケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。
偏光膜の透過軸と実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板02を作製した。
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定し、450〜650nmの積分球平均反射率を求めたところ、2.3%であった。
実施例2の代わりに実施例3乃至7で作成したセルローストリアセテートフィルムからも同様にして偏光板を作製した。
[実施例10]
(ハードコート層用塗布液の調製)
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、日本化薬(株)製)750.0重量部に、重量平均分子量3000のポリ(グリシジルメタクリレート)270.0重量部、メチルエチルケトン730.0g、シクロヘキサノン500.0g及び光重合開始剤(イルガキュア184、日本チバガイギー(株)製)50.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
(二酸化チタン微粒子分散液の調製)
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129、石原産業(株)製)を使用した。
この粒子257.1gに、下記分散剤38.6g、およびシクロヘキサノン704.3gを添加してダイノミルにより分散し、重量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
Figure 2005134863
(中屈折率層用塗布液の調製)
上記の二酸化チタン分散液88.9gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)58.4g、光重合開始剤(イルガキュア907)3.1g、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.1g、メチルエチルケトン482.4gおよびシクロヘキサノン1869.8gを添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液を調製した。
(高屈折率層用塗布液の調製)
上記の二酸化チタン分散液586.8gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)47.9g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)4.0g、光増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製)1.3g、メチルエチルケトン455.8g、およびシクロヘキサノン1427.8gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用の塗布液を調製した。
(低屈折率層用塗布液の調製)
下記共重合体(P−1)をメチルイソブチルケトンに7質量%の濃度になるように溶解し、末端メタクリレート基含有シリコーン樹脂X−22−164C(信越化学(株)製)を固形分に対して3%、光ラジカル発生剤イルガキュア907(商品名)を固形分に対して5質量%添加し、低屈折率層用塗布液を調製した。
共重合体(P−1)
Figure 2005134863
(反射防止層付透明保護膜2の作製)
膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80UF、富士写真フイルム(株)製)上に、ハードコート層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量300mJ/cm2 の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ8μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液を3つの塗布ステーションを有するグラビアコーターを用いて連続して塗布した。
中屈折率層の乾燥条件は100℃、2分間とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の照射量とした。硬化後の中屈折率層は屈折率1.630、膜厚67nmであった。
高屈折率層および低屈折率層の乾燥条件はいずれも90℃、1分の後、100℃、1分とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2 、照射量600mJ/cm2の照射量とした。
硬化後の高屈折率層は屈折率1.905、膜厚107nm、低屈折率層は屈折率1.440、膜厚85nmであった。このようにして、反射防止層付き透明保護膜02を作製した。
(偏光板03の作製)
反射防止層付き透明保護膜01の代わりに反射防止層付き透明保護膜02を用いた以外は実施例9と同様にして偏光板03を作製した。
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定し、450〜650nmの積分球平均反射率を求めたところ、0.4%であった。
実施例2の代わりに実施例3乃至7で作成したセルローストリアセテートフィルムからも同様にして偏光板を作製した。
[比較例6]
(偏光板04の作製)
実施例2で作製したセルロースアセテートフィルムの変わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いた以外は実施例8と同様に偏光板を作製した。また、比較例2乃至5で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて同様に偏光板を作製した。
[比較例7]
(偏光板05の作製)
実施例2で作製したセルロースアセテートフィルムの変わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いた以外は実施例9と同様に偏光板を作製した。また、比較例2乃至5で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて同様に偏光板を作製した。
[比較例8]
実施例2で作製したセルロースアセテートフィルムの変わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いた以外は実施例10と同様に偏光板を作製した。また、比較例2乃至5で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて同様に偏光板を作製した。
[実施例11]
実施例1で使用した垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、実施例2で作製した光学補償シートを使用し、実施例8で作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向もニュートラルな黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。
下記表2に示したとおり、本発明の偏光板を具備することにより広い視野角が実現できていた。
実施例3乃至7で作製した光学補償シートを使用して作製した偏光板を使った場合についても同様の結果が得られた。
[実施例12]
実施例1で使用した垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、実施例2で作製した光学補償シートを使用し、実施例9で作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向もニュートラルな黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。
下記表2に示したとおり、本発明の偏光板を具備することにより広い視野角が実現できていた。
実施例3乃至7で作製した光学補償シートを使用して作製した偏光板を使った場合についても同様の結果が得られた。
[実施例13]
実施例1で使用した垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、実施例2で作製した光学補償シートを使用し、実施例10で作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向もニュートラルな黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。
下記表2に示したとおり、本発明の偏光板を具備することにより広い視野角が実現できていた。
実施例3乃至7で作製した光学補償シートを使用して作製した偏光板を使った場合についても同様の結果が得られた。
[比較例9]
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を表2に示す。本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かる。
[比較例10]
実施例1で使用した垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて比較例6で作製した偏光板を、比較例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向も黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。結果を表2に示す。本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かる。
比較例2乃至5で作製した偏光板を使用した場合にも本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かった。
[比較例11]
実施例1で使用した垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて比較例7で作製した偏光板を、比較例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向もニュートラルな黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。結果を表2に示す。本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かる。
比較例2乃至5で作製した偏光板を使用した場合にも本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かった。
[比較例12]
実施例1で得た垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置に設けられていた一対の偏光板および一対の光学補償シートの代わりに、比較例1で作製したセルロースアセテートフィルムを用いて比較例8で作製した偏光板を、比較例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置を観察した結果、正面方向および視野角方向もニュートラルな黒表示が実現できていた。また、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲)を測定した。結果を表2に示す。本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かる。
比較例2乃至5で作製した偏光板を使用した場合にも本発明の偏光板を用いた場合と比較して視野角が狭いことが分かった。
Figure 2005134863

Claims (10)

  1. セルロースアシレート100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有し直線的な分子構造を有する棒状化合物を0.01乃至20質量部含み、下記数式(I)で定義されるReレターデーション値が20乃至70nmであり、下記数式(II)で定義されるRthレターデーション値が70乃至400nmであり、該Reレターデーション値と該Rthレターデーション値との比(Re/Rth比)が0.2乃至0.4であり、そして膜厚40μm〜110μmの一枚のセルロースアシレートフイルムのみからなることを特徴とする光学補償シート。
    数式(I):Re=(nx−ny)×d
    数式(II):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
    [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であり;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚さである]。
  2. Reレターデーション値が40乃至70nmであり、Rthレターデーション値が90乃至200nmであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 光学補償シートが、3乃至100%の延伸倍率で延伸したセルロースアシレートフイルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学補償シート。
  4. セルロースアシレートが、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートであり、延伸倍率1%あたりのRe/Rth変化量が0.01乃至0.1であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光学補償シート。
  5. セルロースアシレートフィルムの残留溶剤量が2%乃至30%の状態で長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸し、該フィルムの遅相軸が該フィルムの長尺方向に対して直交する方向にあることを特徴とする請求項4に記載の光学補償シート。
  6. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、請求項1乃至5に記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
  7. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一方が請求項1ないし5に記載の光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜には少なくとも光散乱層と低屈折率層からなる鏡面反射率2.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする請求項6に記載の偏光板。
  8. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一方が請求項1乃至5に記載の光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜には少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順に積層されてなる鏡面反射率0.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする請求項6に記載の偏光板。
  9. 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなり、該偏光板が偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であって、該液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間に、請求項1乃至5に記載の光学補償シートが配置されており、該セルロースアシレートフイルムの遅相軸とセルロースアシレートフイルムに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
  10. 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜の少なくとも一方が、請求項1乃至5に記載の光学補償シートからなり、該光学補償シートを構成するセルロースアセテートフイルムの遅相軸とセルロースアセテートフイルムに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
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