JP2005121893A - レンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器ならびにレンズ駆動装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度が出しやすく、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供すること。
【解決手段】レンズ駆動装置1は、レンズ12を有する移動レンズ体10と、移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体10および駆動機構を収納するケース体50とを有する。ケース体50は、少なくとも第1ケース分割体60と第2ケース分割体70とから構成され、第1ケース分割体60の内側を移動レンズ体10の最大径部分が光軸F方向に移動するように構成されており、第1ケース分割体60の開口突出部60aと第2ケース分割体70の開口突出部70aとが、開口突出部60aが内側に、開口突出部70aが外側になるように配置され、開口突出部60aの弾性変形量を、開口突出部70aの弾性変形量より小さくして、開口突出部70aが開口突出部60aに圧入されている。
【選択図】図1
【解決手段】レンズ駆動装置1は、レンズ12を有する移動レンズ体10と、移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体10および駆動機構を収納するケース体50とを有する。ケース体50は、少なくとも第1ケース分割体60と第2ケース分割体70とから構成され、第1ケース分割体60の内側を移動レンズ体10の最大径部分が光軸F方向に移動するように構成されており、第1ケース分割体60の開口突出部60aと第2ケース分割体70の開口突出部70aとが、開口突出部60aが内側に、開口突出部70aが外側になるように配置され、開口突出部60aの弾性変形量を、開口突出部70aの弾性変形量より小さくして、開口突出部70aが開口突出部60aに圧入されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラ付き携帯電話のカメラなどに用いられるレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器ならびにレンズ駆動装置の製造方法に関する。
カメラ付き携帯電話では、片手で携帯電話を持って自己の顔やその他の近接位置となる被写体を撮影する場合が多い。このため、カメラ付き携帯電話に用いられる撮影レンズ系は、接写撮影機能を有しているものが多い。このような接写撮影機能を有する撮影レンズ系の場合、通常の撮影を行うときのレンズ位置と接写撮影すなわちマクロ撮影を行うときのレンズ位置が異なるものとなる。接写撮影時のレンズ位置は、通常撮影時のレンズ位置よりも僅かに一定の距離だけ被写体側に近づけた位置になる。
このため、接写撮影機能を有する撮影レンズ系では、レンズ位置を通常撮影の位置とマクロ撮影の位置との間で移動させるための駆動機構を備え、スイッチの切り換えによって駆動機構を駆動し、これら2つの撮影位置の間をレンズが移動するようになっている。
このような2つの撮影位置の間をレンズが移動するレンズ駆動装置の例として、レンズを取り付けたケースを光軸の周りに回転させながらケースを光軸方向に移動させるように構成したものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
さらに別の例として、コイルが巻かれた可動部を軸に揺動自在に取り付け、その可動部を、軸方向両側からマグネットとヨークで挟むように対向させて配置し、コイルとマグネットとの間に生じ、かつ対向面に平行な方向に生じる電磁的推力によって、可動部を上述の軸中心に揺動させ、この揺動をカム機構によってレンズ系の直線移動に変換するように構成したカメラ用電磁アクチュエータが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載されているものは、ケースを光軸の周りに回転させながらケースを回転軸線方向すなわち光軸方向に移動させる形式のレンズ駆動装置であるため、回転力を直線移動に変換するための機構が複雑になり、かつ、部品点数が多くなり、精度が出しづらく携帯電話などの携帯機器に搭載するには適していないという問題点がある。
また、特許文献2に記載されているカメラ用電磁アクチュエータは、可動部を電磁力によって揺動させる機構と、この揺動を直線移動に変換するカム機構を備える必要があるため、構成が複雑で部品点数が多くなるため、精度が出しづらく、携帯電話などの携帯機器に搭載するには適していないという問題点がある。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、精度が出しやすく、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供することを目的とする。また他の発明は、レンズの焦点距離の調整を容易にしたレンズ駆動装置の製造方法を提供とすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、レンズを有する移動レンズ体と、移動レンズ体をレンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体および駆動機構を収納するケース体とを有するレンズ駆動装置において、ケース体は、少なくとも第1ケース分割体と第2ケース分割体とから構成され、第1ケース分割体の内側を移動レンズ体の最大径部分が光軸方向に移動するように構成されており、第1ケース分割体の第1開口突出部と第2ケース分割体の第2開口突出部とが、第1開口突出部が内側に、第2開口突出部が外側になるように配置され、第2開口突出部が第1開口突出部に圧入できるように構成されており、第1開口突出部の弾性変形量を、第2開口突出部の弾性変形量より小さくして、第2開口突出部が第1開口突出部に圧入されている。
この発明では、圧入の際、第1開口突出部の弾性変形量を、第2開口突出部の弾性変形量より小さくするので、精度が出しやすく、組み立て作業が容易となる。特に、組み立て作業において第1ケース分割体と第2ケース分割体との距離を変更させながらレンズの焦点距離を調整する工程を採用した場合では、第2ケース分割体が第1ケース分割体に弾性的に仮固定できるため、両ケース分割体の開口突出部同士を単に係合させた場合に生じる両ケース分割体間の位置精度の低下を抑制することができる。また、第2開口突出部の外側への変形量に比べ、第1開口突出部の内側への変形量を少なくできるため、移動レンズ体を含む移動物体が移動しても、第1ケース分割体の内壁に接触しないだけの移動物体と第1ケース分割体の内壁との間隔を小さくでき、レンズ駆動装置のより一層の小型化が可能となる。
駆動機構は、移動レンズ体の周囲に保持された駆動マグネットと、駆動マグネットを挟むように光軸方向に対向配置された第1駆動コイルと第2駆動コイルとを有し、駆動マグネットは、第1ケース分割体の内壁に近接して配置されている構成を採用することができる。この構成を採用することで、駆動マグネットを第1ケース分割体の内壁に接触させずにレンズ駆動装置を小型化できる。
第1ケース分割体は、レンズから取り込んだ光を処理する撮像素子を有する撮像素子ユニットが光軸を中心とした径方向に位置決めされるように当接される第1基準と、第2ケース分割体が径方向に位置決めされるように当接される第2基準面とを有し、第2ケース分割体は、移動レンズ体が径方向に位置決めされるように当接される第3基準面を有し、第3基準面は、移動レンズ体の光軸方向への移動を許容し、第3基準面は、第2基準面の径方向の内側に配置されることが好ましい。
この構成を採用することで、移動レンズ体および本発明に係るレンズ駆動装置の後側に配置されて使用される撮像素子ケースの径方向の位置を高精度に決めることができる。
上述の目的を達成するための他の発明は、上記のレンズ駆動装置と、このレンズ駆動装置によって得られた画像を表示する表示手段とを有するカメラ付き携帯機器である。この発明では、カメラ付き携帯機器中のレンズ駆動装置部分が精度の良いものとなり、その結果、得られる画像が高品質なものとなる。
上述の目的を達成するための他の発明は、レンズを有する移動レンズ体と、移動レンズ体をレンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体と駆動機構とを収納するケース体と、レンズから取り込んだ光を処理する撮像素子を有する撮像素子ユニットとを有するレンズ駆動装置の製造方法であって、ケース体は、少なくとも第1ケース分割体と第2ケース分割体とから構成されており、第2ケース分割体を第1ケース分割体に仮圧入する工程と、撮像素子ユニットを第1ケース分割体に仮係合する工程と、移動レンズ体を第1ケース分割体に設けられた移動限界に当接させた状態で、第1ケース分割体と撮像素子ユニットの少なくとも一方を光軸方向に直動させて第1ケース分割体と撮像素子ユニットとの距離を変更させながらレンズの焦点距離を調整する工程と、第1ケース分割体と撮像素子ユニットとを固定する工程と、移動レンズ体を第2ケース分割体に設けられた移動限界に当接させた状態で、第2ケース分割体と第1ケース分割体の少なくとも一方を光軸方向に直動させて第2ケース分割体と第1ケース分割体との距離を変更させながらレンズの焦点距離を調整する工程と、第2ケース分割体と第1ケース分割体とを固定する工程と、を有するレンズ駆動装置の製造方法である。
この発明では、第2ケース分割体および撮像素子ユニットが第1ケース分割体に圧入等によって仮固定されるので、レンズの焦点距離を調整する工程で、第1ケース分割体と第2ケース分割体および第1ケース分割体と撮像素子ユニットが単に係合されている場合に生じる第1ケース分割体と第2ケース分割体間または第1ケース分割体と撮像素子ユニット間の位置精度の低下を抑制することができる。
本発明によれば、精度が出しやすく、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供することができる。また、レンズの焦点距離の調整を容易にしたレンズ駆動装置の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るレンズ駆動装置およびその製造方法の実施の形態について説明する。各実施の形態に係るレンズ駆動装置は、カメラ付き携帯電話等の携帯機器のカメラ部分として搭載するのに適した構成となっているが、PDA(Personal Degital Assistance)等の他の携帯機器に搭載してもよい。また、本発明に係るカメラ付き携帯機器については、レンズ駆動装置と併せて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の断面図である。このレンズ駆動装置1は、主に、移動レンズ体10と、移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構と、駆動機構の一部を位置決めする位置決め部材40と、これらを収納するケース体50とから構成されている。
移動レンズ体10は、レンズ12と、レンズ12を保持する第1レンズ保持部材14および第2レンズ保持部材15からなるレンズホルダ16とから構成されている。
レンズ12は、カメラの撮影レンズで、複数枚のレンズ部材が組み合わせられることによって構成されている。図1の上側(レンズ駆動装置1の前側)が被写体側レンズ部材12aで、下側(レンズ駆動装置1の後側)がカメラボディ側レンズ部材12bである。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、移動レンズ体10が、レンズ12とレンズホルダ16(第1レンズ保持部材14、第2レンズ保持部材15)という複数の部材から構成されているが、これらが同一部材で一体に構成されていても良い。
被写体側レンズ部材12aは、中央にレンズ機能を持つ円形のレンズ部を有し、外周にレンズ部を保持して支えるためのホルダ部を有している。ホルダ部は後述する中間部材17に当接している。カメラボディ側レンズ部材12bは、中央にレンズ機能を持つレンズ部を有し、外周にレンズ部を保持して支えるためのホルダ部を有している。カメラボディ側レンズ部材12bのホルダ部も中間部材17に当接している。
被写体側レンズ部材12aおよびカメラボディ側レンズ部材12bのレンズ部は、樹脂製の非球面レンズとされており、ホルダ部とレンズ部は、樹脂で一体成型されて形成されている。
レンズホルダ16が、第1レンズ保持部材14と第2レンズ保持部材15とから構成されており、また、中間部材17が存在することによって、レンズ12の取り付け作業を簡易にしている。第1レンズ保持部材14は、底部に孔が設けられた有底筒形状をしており、レンズ10がその筒部内に嵌め込まれている。第2レンズ保持部材15は、第1レンズ保持部材14に組み込まれたレンズ12を後側から押さえつけて支持している。
第2レンズ保持部材15は、第1レンズ保持部材14の後方の開口端部に嵌められている。第2レンズ保持部材15の内周側の先端は、カメラボディ側レンズ部材12bのホルダ部に当接し、レンズ12がレンズホルダ16内の所定位置からずれないようにしている。移動レンズ体10が最も後側に移動した位置(以下、通常撮影位置という。)は、ケース体50を構成している第1ケース分割体60の内側張出部61に突き当たる位置となる。
中間部材17は、中央に孔17aを有する円板状部材とされている。この中間部材17によって、被写体側レンズ部材12aとカメラ側レンズ部材12bの間隔を一定に保持している。
第1レンズ保持部材14の外周は、前側が大径に、後側が小径になっており、その境界には段部が形成されている。後側の小径部の周囲であって、前側の大径部と第2レンズ保持部材15との間の位置には、リング状に形成された駆動マグネット19が嵌められている。この段部に当接された状態では、駆動マグネット19は、第2レンズ保持部材15との間にわずかな隙間を有している。また、駆動マグネット19は、レンズ駆動装置1を小型化するため、第1ケース分割体60の内壁に近接して配置されている。なお、第1レンズ保持部材14の後端面と、この後端面と光軸F方向に対向している第2レンズ保持部材15の面との間には隙間が形成されている。これは、レンズ12に第2レンズ保持部材15が確実に当接するようにするためである。
第1レンズ保持部材14の前面には、移動レンズ体10が最も前方に進出した位置(以下、マクロ撮影位置という。)で、移動レンズ体10の位置決めをするための突起部20が形成されている。突起部20は、第1レンズ保持部材14の前面に円周形状に設けられている。なお、突起部20は、第1レンズ保持部材14の前面には設けず平らな面とし、第2ケース分割体70の底部71の後側面71aの方に設けても良い。
また、第1レンズ保持部材14の前面には、被写体からの反射光をレンズ12に取り込む円形の入射窓21が形成されている。入射窓21の前方には、図示されないレンズ保持用の開閉自在のバリヤが設けられている。
移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構は、駆動マグネット19および第1、第2駆動コイル22,23から構成されている。
第1、第2駆動コイル22,23は、図2に示すように、1本の導線を互いに逆向きに巻くことによって、それぞれリング状に形成されている。第1、第2駆動コイル22,23の本体から引き出されている一方の導線同士は連結線24として互いにつながっており、他方の導線、すなわち、第1駆動コイル22の巻線端末25および第2駆動コイル23の巻線端末26は、レンズ駆動装置1の外部にある図示されない電源にそれぞれ接続されている。第1、第2駆動コイル22,23の形成方法の詳細および巻線端末25,26の第1、第2駆動コイル22,23の本体から電源までの配置についは後述する。
第1、第2駆動コイル22,23は、被写体側から見たら巻回方向が互いに同じになるように、駆動マグネット19を挟んで光軸F方向に対向配置されている。第1、第2駆動コイル22,23に通電することによって、駆動マグネット19との間で電磁力が発生し、移動レンズ体10が光軸F方向に移動する。この移動の仕組みについては後述する。
駆動マグネット19は、リング状となっており、図3に示すように中央の孔を囲む部分がN極に着磁され、全体の外周部分がS極にそれぞれ単極着磁されている。なお、この着磁関係は、NSが逆となるようにしても良い。
図1に示しように、第1駆動コイル22の後側には、リング状の第1磁性体32が配置されている。また、第2駆動コイル23の前側には、リング状の第2磁性体33が配置されている。したがって、駆動マグネット19を挟んで光軸F方向に並んだ第1駆動コイル22と第2駆動コイル23の光軸F方向の外側にそれぞれ第1磁性体32と第2磁性体33が配置されている。
第1駆動コイル22は、第1駆動コイル22と第1磁性体32との中心がほぼ一致するように、第1磁性体32に固着されている。同様に、第2駆動コイル23は、第2駆動コイル23と第2磁性体33との中心がほぼ一致するように、第2磁性体33に固着されている。
次に、第1、第2磁性体32,33の形状について図4および図5を参照しながら説明する。なお、第1、第2磁性体32,33の形状は、基本的に同一であるため、主に第1磁性体32について説明する。
図4に示すように、第1磁性体32の第1駆動コイル22との固着面には、凸部32aと凹部32bを有する凹凸形状が設けられている。図1には示されていないが、図5の第1駆動コイル22と第1磁性体32との固着部付近の断面図に示すように、この凹凸形状の凹部32bの少なくとも一部には接着剤30が充填されており、この接着剤30によって第1駆動コイル22が第1磁性体32に固着されている。
この構成によって、第1駆動コイル22と第1磁性体32とは凹凸形状の凸部32aで接触するので、平面全体で接触する場合と比べて接触面積が少なくなる。したがって、第1駆動コイル22の導線の絶縁被膜に孔が開いていたり、絶縁被膜の一部が剥離している場合でも、第1駆動コイル22の導線と第1磁性体32とが短絡する確率を減少させることができる。また、凹凸形状の凹部32bは接着剤の充填部として使用でき、第1駆動コイル22と第1磁性体32とを確実に固着することができる。なお、第1駆動コイル22の導線の絶縁被膜に孔が開いていたり、絶縁被膜の一部が剥離している可能性と、第1磁性体32の表面を凹凸加工するコストや困難性とを比較考量して、第1磁性体32の表面を平坦にしても良い。
第1磁性体32の外周部には、図4に示すように、光軸Fを中心とした径方向に突出した複数の突出部34が設けられている。後述するように、この突出部34が、位置決め部材40で抑えられて、第1磁性体32、すなわち第1磁性体32に固着されている第1コイル22が位置決めされる。
突出部34の外周が第1ケース分割体60の内壁に当接されることによって第1コイル22の中心と光軸Fとが略一致するように、第1ケース分割体60が加工されている。この構成によって、レンズ駆動装置1の組み立て時に、第1コイル22の中心と光軸Fとの位置合わせを容易に行うことができる。
複数の隣接する突出部34の間の1つには、リング形状を横断するスリット35が形成されている。第1駆動コイル22の本体から引き出され第2駆動コイル23につながっている連結線24は、このスリット35を通過している。すなわち、第1駆動コイル22の内周端末は、第1駆動コイル22の内周の底部に存在する第1磁性体32の一方のスリット端35aから他方のスリット端35bに向かい、連結線24となり、第2駆動コイル23の本体につながる。第2駆動コイル23の巻線端末26も同様に第2磁性体33のスリット35を通過することとなる。
連結線24や巻線端末26がスリット35を通過しているため、スリット35がない場合と比べて、コイル導線の直径の2倍分だけレンズ駆動装置1の前後方向(厚さ方向)の小型化が可能になる。なお、第1磁性体32と同様に、第2磁性体33にも突出部34およびスリット35が形成されている。なお、スリット35に代えて、スリット35の位置に凹部を第1磁性体32や第2磁性体33の表面に設けても良い。
位置決め部材40は筒形状をしており、第1、第2駆動コイル22,23の本体を囲むように配置されていると共に、第1、第2駆動コイル22,23の光軸F方向の位置決めをしている。
図1に示すように、第1磁性体32は、第1ケース分割体60と位置決め部材40によって挟持されている。すなわち、第1磁性体32の突出部34の前面側は、位置決め部材40の隣接する張出部42の間に入り、位置決め部材40の端面に当接し、第1磁性体32の後面側は、第1ケース分割体60の内側張出部61の上段部に当接し支持されている。第2磁性体33も、第1磁性体32と同様に、位置決め部材40の隣接する張出部44の間の端面と、第2ケース分割体70の底部71とで挟持されている。
移動レンズ体10と、駆動マグネット19と、第1、第2駆動コイル22,23と、第1、第2磁性体32,33と、位置決め部材40とを収納するケース体50は、それぞれ有底筒形状を主体とする後側の第1ケース分割体60と前側の第2ケース分割体70とからなる。
第1、第2ケース分割体60,70は、図1に示すように、内側に位置することとなる第1ケース分割体60の開口突出部60aと、外側に位置することとなる第2ケース分割体70の開口突出部70aとが、第2ケース分割体70の開口突出部70aが弾性変形しながら圧入されている。第1開口突出部となる開口突出部60aもわずかに弾性変形するが、開口突出部60aの弾性変形量は、第2開口突出部となる開口突出部70aの弾性変形量より小さい。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、ケース体50を2つに分割してあるが、3つ以上に分割しても良い。
第1ケース分割体60は、図1,図6および図7に示すように、筒の後側に内側張出部61と外側張出部62が設けられた形状をしている。内側張出部61は、中央側のリング状の低段部61aと、外周側のリング状の高段部61bから構成されている。内側張出部61の高段部61bには、位置決め部材40の張出部42を嵌合する円形状の溝64が形成されている。溝64は、位置決め部材40の外壁と第1ケース分割体60の内壁とが接するような位置に形成されている。さらに、図1に示すように、第1ケース分割体60の内壁面には、巻線端末25,26と連結線24をそれぞれ配置するための溝66,67が、また、第1ケース分割体60の開口突出部60aには、第1、第2駆動コイル22,23のそれぞれ本体から引き出された巻線端末25,26が通過するための切欠部68が形成されている。
すなわち、第1駆動コイル22の本体から引き出された巻線端末25は、位置決め部材40の外周に引き出され、位置決め部材40の外壁と第1ケース分割体60の内壁との間の溝66を経由し、第1ケース分割体60の切欠部68を通過して第1ケース分割体60の外部に延伸している。外部に延伸した巻線端末25は、第1ケース分割体60の外周に設けられた導線保護部69に囲まれた孔を通過して、後述する回路基板84上の給電端子86に接続されている。
第1ケース分割体60の低段部61aの上面61cは、レンズホルダ16が突き当たるホルダ基準面とされている。また、高段部61bの上面61dは、第1磁性体32が当接するヨーク基準面とされている。さらに、内側張出部61の下面61eは、後述する撮像素子82を含む撮像素子ユニット80の高さ方向の基準面とされている。
第2ケース分割体70は、図1,図8,図9および図10に示すように、レンズ窓73となる孔部が形成された底部71が前側となる有底筒形状をしている。底部71には、位置決め部材40の張出部44を嵌合する円形状の溝74が形成されている。溝74は、位置決め部材40の外壁と第2ケース分割体70の内壁とが接するような位置に形成されている。さらに、図1に示すように、第2ケース分割体70の内壁面には、ゆるんだ巻線端末26を収納するための溝76が形成されている。溝74と溝76は、図9に示すように、一体的に設けられると共に、溝76が溝74の外周の一部を形成している。
溝76と光軸Fを中心とした対称位置に、連結線24を収納するための溝77が設けられている。溝77は、溝67に対応する位置に配置され、溝74と一体的に設けられる。第2ケース分割体70の中央下端面には、図10に示すように、移動レンズ体10の上端の突起部20が突き当たる上端基準面71aが、わずかに撮像素子82側に突出するように設けられている。
第2駆動コイル23の本体から引き出された巻線端末26は、第2磁性体33のスリット35、第2磁性体33の隣接する突出部34の間、位置決め部材40の隣接する前側の張出部44の間、位置決め部材40の外壁と第2ケース分割体70の内壁との間のスペース78を経由し、第1ケース分割体60の切欠部68を通過して第2ケース分割体70の外部に延伸している。外部に延伸した第2駆動コイル23の巻線端末26は、第1駆動コイル22の巻線端末25と同様に、導線保護部69に囲まれた孔を通過して、後述する回路基板84上の巻線端末25が接続されている給電端子86とは別の給電端子88に接続されている。
また、図1に示すように、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24は、第1駆動コイル22、第1磁性体32のスリット35、第1磁性体32の隣接する突出部34の間、位置決め部材40の隣接する後側の張出部42の間、位置決め部材40の外周と第1ケース分割体60の内壁との間の溝67を経由し、第2駆動コイル23の本体につながっている。
このように、移動レンズ体10に保持された駆動マグネット19の移動空間には、第1、第2駆動コイル22,23の巻線端末25,26や第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が存在しないので、駆動マグネット19と巻線端末25,26や連結線24とが絡み合うことがない。
レンズ駆動装置1の光軸Fに沿った後側には、撮像素子ユニット80が配置されている。撮像素子ユニット80は、図1,図11および図12に示すように、フィルタ81、撮像素子82および回路基板84等を有する。フィルタ81は、撮像素子82の検出波長に対応させて所定の波長の光をカットするためのものである。撮像素子82は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されており、その検知信号をフレキシブル印刷回路基板からなる回路基板84へ送る。検知信号となる画像信号は、回路基板84上の複数の画像信号端子85から図示されないマイクロコンピュータ等で構成されている制御部へ送られる。なお、撮像素子82としては、CMOS以外にCCDやVMIS等を採用することができる。
また、回路基板84には、上述のように第1、第2駆動コイル22,23に給電するための給電端子86,88も設けられており、画像信号伝達用の回路基板84と給電端子86,88を形成する基板とを兼用することで部品数の削減を図っている。なお、巻線端末25,26をツイスト(ねじり巻き)させたり、らせん状にして導線保護部69内を通過させることで断線のおそれを減少させることができる。また、回路基板84上に給電端子86,88を設けず、第1、第2駆動コイル22,23の巻線端末25,26をねじり巻いたり、らせん状等にして導線保護部69内に接着剤等で固定して、それから先は、金属端子を利用して接続しても良い。この構成によれば、巻線端末25,26を回路基板84に固定しなくても断線するおそれがほとんどない。
撮像素子ユニット80は、第1ケース分割体60の底面に取り付けられている。第1ケース分割体60の底面には、図13および図14に示すように、中央の露光用空間孔部60bと、4つの爪部63と、外側張出部62と一体の3つのユニット寸法保持部65とが設けられている。
露光用空間孔部60bは、被写体からの光を通過させ、撮像素子ユニット80への入射させる働きを有している。爪部63は、撮像素子ユニット80が、図18の矢示A方向から圧入される(組み込まれる)とき、その圧入された撮像素子ユニット80に当接して径方向の概略位置を決める共に、撮像素子ユニット80を保持する機能を有する。
次に、第1の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の組み立て方法について図2を用いて説明する
まず、円柱形状の巻回治具を2つ並べ、巻線端末26側から第2駆動コイル23を形成して行く。すなわち、第2駆動コイル23の内側から巻回していく。そして、図2(a)に示すように、時計方向に巻いていき、第2駆動コイル23の形成が終了したら、その最外周から連結線24を引き伸ばし、次に第1駆動コイル22を形成する。第1駆動コイル22も、内側から外側に向けて巻回していき、その最外周から巻線端末25を引き出す。第1駆動コイル22の巻回方向は、第2駆動コイル23とは逆となる方向である。第1、第2駆動コイル22,23が所定の巻数となるように巻回し、第1、第2駆動コイル22,23を作成したら、巻回治具を外す(図2(a)(b))。
その後、第1駆動コイル22の本体を第1磁性体32に、第2駆動コイル23の本体を第2磁性体33にそれぞれ接着剤等で固着する(図2(c))。この際、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつなぐ連結線24は、第1磁性体32に設けられたスリット35を通過させ、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26は第2磁性体33に設けられたスリット35を通過させている。
そして、第1ケース分割体60の中に、第1磁性体32に固着された第1駆動コイル22を配置する。この際、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が第1ケース分割体60の内壁の溝67に配置され、第1駆動コイル22の本体から引き出された巻線端末25が第1ケース分割体60の内壁の溝66に配置されるようにする。
次いで、位置決め部材40を、第1ケース分割体60の溝64に嵌め込む。この際、位置決め部材40の後側の張出部42は、第1磁性体32の隣接している突出部34の間に配置されるようにする。その後、駆動マグネット19を保持した移動レンズ体10を、第2レンズ保持部材16が第1ケース分割体60の内側張出部61の低段部61aの上面61cに当接するように、第1ケース分割体60内に挿入する。このとき、内側張出部61の高段部61bの内壁と第2レンズ保持部材15の外周には、ほんのわずなだけ隙間が形成されている。
そして、第2磁性体33に固着された第2駆動コイル23を第1駆動コイル22と同じ巻回方向になるように位置決め部材40の内側に配置する。この際、第2磁性体33の突出部34が位置決め部材40の隣接している前側の張出部44の間に位置するようにする。さらに、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が位置決め部材40の端面をまたぎ、また、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26が第1ケース分割体60の切欠部68をそれぞれ通過するように配置する。
その後、第2ケース分割体70を、第2ケース分割体70の開口突出部70aと第1ケース分割体60の開口突出部60aとを開口突出部70aが外側に、開口突出部60aが内側にそれぞれ配置されるように、第2ケース分割体70の開口突出部70aを弾性変形させながら、第1ケース分割体60に圧入する。この際、第2ケース分割体70の底部71の大径内壁71bが移動レンズ体10の第1レンズ保持部材14の外周に当接して移動レンズ体10の径方向の位置決めをするように、また、第2ケース分割体70の溝74が位置決め部材40の前側の張出部44に嵌合するように配置される。大径内壁71bは、第2ケース分割体70との当接面でもある第1ケース分割体60の開口突出部60aの光軸Fを中心とした径方向の内側に配置されると共に、移動レンズ体10の光軸F方向への移動を許容している。このとき、第2ケース分割体70の内壁の溝76および図10で示すその下方のスペース78が、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26の収納スペースとなるように配置する。この時点では、第1、第2ケース分割体60,70同士は仮固定となっている。
本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、第2ケース分割体70を第1ケース分割体60に圧入しても、第1ケース分割体60の開口突出部60aが、光軸Fを中心とした径方向にほとんど変形しないため、移動レンズ体10に当接している第2ケース分割体70の大径内壁71bも径方向にほとんど変形しない。また、後述するように、撮像素子ユニット80もユニット寸法保持部65と爪部63によって、径方向に精度良く第1ケース分割体60の後方に配置されている。したがって、第1ケース分割体60にこのような移動レンズ体10と撮像素子ユニット80の径方向の位置を精度良く配置することができる。
次に、上述の組立工程にて組み立てられた移動レンズ体10や駆動機構等が組み込まれているケース体50、詳しくは第1ケース分割体60の後部の爪部63に、撮像素子ユニット80を底面側から圧入する(図15矢示A)。この際、図1に示したように、第1ケース分割体60の外側張出部62と一体のユニット寸法保持部65の内壁65aと撮像素子ユニットの外壁80aとが係合するように行う。このとき、爪部63が、図15の矢示Bのように曲げられることで、撮像素子ユニット80は、爪部63に係止させられる。この時点では、第1ケース分割体60と撮像素子ユニット80とは仮固定となっている。
その後、第1、第2駆動コイル22,23に通電して移動レンズ体10を第1ケース分割体60に設けられた移動限界に当接させた状態で、すなわち、移動レンズ体10を通常撮影位置に移動した状態で、第1ケース分割体60と撮像素子ユニット80の少なくとも一方を光軸F方向に直動させて第1ケース分割体60と撮像素子ユニット80との距離を変更させながらレンズ12の焦点距離を調整し、通常撮影画像が最適となる位置で第1ケース分割体60と撮像素子ユニット80とをレーザ溶接や接着等で本固定する。
そして、第1、第2駆動コイル22,23に通電して移動レンズ体10を第2ケース分割体70に設けられた移動限界に当接させた状態で、すなわち、移動レンズ体10をマクロ撮影位置に移動した状態で、第2ケース分割体70と第1ケース分割体60の少なくとも一方を光軸F方向に直動させて第2ケース分割体70と第1ケース分割体60との距離を変更させながらレンズ12の焦点距離を調整し、マクロ撮影画像が最適となる位置で第2ケース分割体70と第1ケース分割体60とをレーザ溶接や接着等で本固定する。
撮像素子ユニット80および第2ケース分割体70が、第1ケース分割体60に圧入されて仮固定されているため、レンズ12の焦点距離を調整する工程で、第2ケース分割体70および撮像素子ユニット80を支えていなくても、これらが不意に動いてしまうことはない。
その後、第1、第2駆動コイル22,23から引き出された巻線端末25,26を第1ケース分割体60の外周の導線保護部69に通過させて、回路基板84上の給電端子86,88にそれぞれ接続する。
次に、図16を参照しながら、このレンズ駆動装置1を含むカメラ90のシステム構成を説明する。
このカメラ90は、レンズ12を有する移動レンズ体10を駆動して切り換え動作を実現するドライバ91と、撮像素子82から得られる画像信号を処理するISP(Image Signal Processor)92と、画像データを保存するストレージデバイス93と、コントロールロジック部94と、電子処理をするための画像を一時保管する単数または複数のメモリ95と、光学画像や電子処理された電子画像を表示する表示手段96と、これらの各部材をコントロールするシステムコントローラとしてのMPU(Micro Processing Unit)97とを有している。
ここで、レンズ駆動装置1に相当するカメラモジュールは、レンズ12を有する移動レンズ体10等からなるレンズ駆動装置1のメカ部分と、撮像素子82と、ドライバ91と、ISP92とから構成される。撮像素子82とドライバ91とISP92とは撮像素子ユニット80に設置される。コントロールロジック部94とMPU97とで制御部が構成される。撮像素子82とISP92と制御部とで、画像取得手段が構成される。MPU97は、切り換え指令を読み取る切り換え指令読取手段となり、レンズ12の操作位置を確認する操作位置確認手段となり、また、レンズ12の位置を検出する現在位置検出手段ともなる。
なお、レンズ12の位置、すなわち移動レンズ体10の位置を検出するセンサを設けることで、そのセンサが現在位置検出手段の一部を構成するようにしても良いが、特別なセンサを設けず、第1、第2駆動コイル22,23をセンサとして使用するようにしても良い。その場合、第1、第2駆動コイル22,23が現在位置検出手段の一部を構成することとなる。
また、コントロールロジック部94は、MPU97の内部に組み込むようにしても良い。また、表示手段96は、液晶からなる表示素子とその表示素子を駆動する表示ドライバとからなる。表示ドライバは、回路基板84内に配置するようにしても良い。なお、表示素子は、LED(Light Emitting Diode)やEL(Electro Luminescence)としたり、その他の表示素子としても良い。また、メモリ95を図15に示すように複数設けると、一時的に保存した画像を利用して、よりスムーズな電子処理(デジタル処理)を行ってデジタルズーム(徐々に画像が拡大したり縮小したりするズーミング)を実行したり、複数の異なる解像度の画像を合成することができる。
このようなカメラ90を携帯電話などの携帯機器に組み込む。この携帯機器は、各部材の組み込み精度や各部材とケース体50との間での精度を高くできるため、得られる画像の品質をさらに高いものとすることができる。
次に、レンズ駆動装置1における移動レンズ体10の光軸F方向の移動の仕組みについて説明する。
図1に示す状態では、駆動マグネット19が移動レンズ体10と共に後側に移動し、第1、第2駆動コイル22,23に通電されなくても、駆動マグネット21と第1磁性体32との間に生じる磁気吸引力によって通常撮影位置に保持されている。このとき、図1に示すように、第1駆動コイル22と駆動マグネット19との間にわずかな隙間が生じている。これは第1駆動コイル22と駆動マグネット19とが衝突すると、いずれか一方または両者が損傷してしまうためであり、その衝突を防止しているのである。
図1に示す状態において、図示されない所定のマクロ切り換えスイッチが操作されると、第1、第2駆動コイル22,23に通電され、電流の向きと駆動マグネット19による磁界の向きとによって、フレミングの左手の法則により駆動マグネット19を前方に押し出す向きの力が働き、駆動マグネット19と共に移動レンズ体10が前方に進出し、移動レンズ体10がマクロ撮影位置となる。なお、フレミングの左手の法則は、磁界中に線電流が流れているときに、その線電流を流している物体に働く力の関係を示すものであるが、この実施の形態では、第1、第2駆動コイル22,23が共に固定されているため反作用として駆動マグネット19に力が働くこととなる。
マクロ撮影位置における移動レンズ体10は、第1、第2駆動コイル22,23が通電されなくても、駆動マグネット19と第2磁性体33との間に生じる磁気吸引力によって保持される。このとき、第2駆動コイル23と駆動マグネット19との間にはわずかな隙間を発生させている。これは第2駆動コイル23と駆動マグネット19とが衝突し、それらが損傷することを防止するためである。
前方への移動の際に生ずる電磁力は、第1駆動コイル22への通電では駆動マグネット19を前側に押し出す向きに発生させ、第2駆動コイル23への通電では駆動マグネット19を前側に引き寄せる向きに発生させる。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、第1、第2駆動コイル22,23が連結線24でつながっているが、第1、第2駆動コイル22,26のそれぞれに独立して給電するような構成にして、移動レンズ体10を光軸F方向の移動する際には、第1、第2駆動コイル22,23のいずれか一方に通電するようにしても良い。
移動レンズ体10をマクロ撮影位置から通常撮影位置に切り換えるには、切り換えスイッチを通常撮影位置に切り換える。この切り換えによって、第1、第2駆動コイル22,23に逆向きに通電され、この電流の向きと駆動マグネット19による磁界の向きとによって、フレミングの左手の法則により駆動マグネット19を後方に引き戻す向きの電磁力が働き、駆動マグネット19と共に移動レンズ体10が後退して、図1に示す通常撮影位置となる。
以上に説明した実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能である。たとえば、本発明は、撮影位置を3箇所、たとえば、テレ,マクロ,ワイドや4箇所以上で切り換えるレンズ駆動装置にも適用可能である。
また、本発明は、マクロ撮影位置と通常撮影位置とを切り替えるレンズ駆動装置に限らず、2つのレンズを駆動モータ等で独立に駆動するズーム撮影機能を有するレンズ駆動装置にも適用することもできる。
また、本実施の形態では、可動側に駆動マグネット19を、固定側に第1、第2駆動コイル22,23を配置したムービングマグネット型の構成となっているが、これに代えて、可動側に駆動コイルを、固定側に駆動マグネットを配置したムービングコイル型の構成、すなわち、一方の駆動部材が駆動コイルを、他方の駆動部材が2つの駆動マグネットをそれぞれ有している構成としても良い。
ムービングコイル型レンズ駆動装置は、たとえば次の構成を採用することができる。レンズを有する移動レンズ体は、レンズの光軸方向に移動可能な駆動コイルと磁性体を備え、支持体の内部には、上記駆動コイルを挟んでレンズの光軸方向に配置された第1駆動マグネットおよび第2駆動マグネットを備えると共に、上記駆動マグネットと磁気回路を構成し、駆動コイルへの通電を停止したときに第1駆動マグネットと第2駆動マグネットの一方と磁性体との磁気吸着により移動体を所定の位置に保持し、駆動コイルへの通電によって移動レンズ体を第1駆動マグネットと第2駆動マグネットとの間で移動させる。
本実施の形態では、第1、第2駆動コイル22,23は、図2に示すように、互いに逆方向に巻いているが、同方向に巻いて形成した駆動コイルの一方を180°回転(コイルの上面と下面を反転)させてから上下方向に重ねるように配置しても良い。また、図17(A)(B)に示すように、第1、第2駆動コイル22,23を独立させても良い。この場合、コイルの色を第1、第2駆動コイル22,23で相違させたり、コイルの巻き始めと巻き終わりの導線の長さを変えることよって、第1、第2駆動コイル22,23の結線ミスを防いでも良い。
また、回路基板は、図18のように、CCD用フレキシブル印刷回路基板120とレンズ駆動用フレキシブル印刷回路基板130とをそれぞれ独立のものとしても良い。
また、上述の実施の形態では、レンズ駆動装置1をカメラ付き携帯電話のカメラ部分の機能として組み込んだ例を示したが、これらのレンズ駆動装置や薄型カメラは、モバイルコンピュータ、PDA等の他の携帯機器に使用したり、監視カメラ、医療用カメラ等他のカメラ装置や、自動車、テレビ等の電子機器にも組み込むことができる。
本発明は、カメラ装置に応用できる。また、カメラ機能を有する携帯電話等の携帯機器に適用できる。さらには、レンズの位置切り換え機構を備えている電子機器であれば、すべての電子機器に組み込むことが可能である。
1 レンズ駆動装置
10 移動レンズ体
12 レンズ
16 レンズホルダ
19 駆動マグネット
22 第1駆動コイル
23 第2駆動コイル
24 連結線
25 第1駆動コイルの巻線端末
26 第2駆動コイルの巻線端末
32 第1磁性体
33 第2磁性体
40 位置決め部材
50 ケース体
60 第1ケース分割体
70 第2ケース分割体
80 撮像素子ユニット
81 フィルタ
82 撮像素子
84 回路基板
90 カメラ
10 移動レンズ体
12 レンズ
16 レンズホルダ
19 駆動マグネット
22 第1駆動コイル
23 第2駆動コイル
24 連結線
25 第1駆動コイルの巻線端末
26 第2駆動コイルの巻線端末
32 第1磁性体
33 第2磁性体
40 位置決め部材
50 ケース体
60 第1ケース分割体
70 第2ケース分割体
80 撮像素子ユニット
81 フィルタ
82 撮像素子
84 回路基板
90 カメラ
Claims (5)
- レンズを有する移動レンズ体と、上記移動レンズ体を上記レンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、上記移動レンズ体および上記駆動機構を収納するケース体とを有するレンズ駆動装置において、
上記ケース体は、少なくとも第1ケース分割体と第2ケース分割体とから構成され、上記第1ケース分割体の内側を上記移動レンズ体の最大径部分が上記光軸方向に移動するように構成されており、
上記第1ケース分割体の第1開口突出部と上記第2ケース分割体の第2開口突出部とが、上記第1開口突出部が内側に、上記第2開口突出部が外側になるように配置され、
上記第2開口突出部が上記第1開口突出部に圧入できるように構成されており、上記第1開口突出部の弾性変形量を、上記第2開口突出部の弾性変形量より小さくして、上記第2開口突出部が上記第1開口突出部に圧入されていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記駆動機構は、前記移動レンズ体の周囲に保持された駆動マグネットと、上記駆動マグネットを挟むように前記光軸方向に対向配置された第1駆動コイルと第2駆動コイルとを有し、
上記駆動マグネットは、前記第1ケース分割体の内壁に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 前記第1ケース分割体は、前記レンズから取り込んだ光を処理する撮像素子を有する撮像素子ユニットが前記光軸を中心とした径方向に位置決めされるように当接される第1基準と、前記第2ケース分割体が上記径方向に位置決めされるように当接される第2基準面とを有し、
前記第2ケース分割体は、前記移動レンズ体が上記径方向に位置決めされるように当接される第3基準面を有し、上記第3基準面は、前記移動レンズ体の前記光軸方向への移動を許容し、
上記第3基準面は、上記第2基準面の上記径方向の内側に配置されることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 請求項1から3のいずれか1項記載のレンズ駆動装置と、このレンズ駆動装置によって得られた画像を表示する表示手段とを有することを特徴とするカメラ付き携帯機器。
- レンズを有する移動レンズ体と、上記移動レンズ体を上記レンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、上記移動レンズ体と上記駆動機構とを収納するケース体と、上記レンズから取り込んだ光を処理する撮像素子を有する撮像素子ユニットとを有するレンズ駆動装置の製造方法であって、
上記ケース体は、少なくとも第1ケース分割体と第2ケース分割体とから構成されており、
上記第2ケース分割体を上記第1ケース分割体に仮圧入する工程と、
上記撮像素子ユニットを上記第1ケース分割体に仮係合する工程と、
上記移動レンズ体を上記第1ケース分割体に設けられた移動限界に当接させた状態で、上記第1ケース分割体と上記撮像素子ユニットの少なくとも一方を上記光軸方向に直動させて上記第1ケース分割体と上記撮像素子ユニットとの距離を変更させながら上記レンズの焦点距離を調整する工程と、
上記第1ケース分割体と上記撮像素子ユニットとを固定する工程と、
上記移動レンズ体を上記第2ケース分割体に設けられた移動限界に当接させた状態で、上記第2ケース分割体と上記第1ケース分割体の少なくとも一方を上記光軸方向に直動させて上記第2ケース分割体と上記第1ケース分割体との距離を変更させながら上記レンズの焦点距離を調整する工程と、
上記第2ケース分割体と上記第1ケース分割体とを固定する工程と、
を有することを特徴とするレンズ駆動装置の製造方法。
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