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JP2005120409A - 鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 複雑な温度制御や繰り返し計算のような計算量が非常に多い解析手法を必要としない、鋼板長手方向の強度のバラツキを低減する製造方法を提供する。
【解決手段】 熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置1を用いて焼戻し処理を行う際、初段の装置1の入り側の温度検出器3で鋼材2の先頭部分の温度を実測し、装置1毎の目標加熱温度を算出して鋼材2の先頭部分に供給する電力を決定する工程と、鋼材2の先頭より後の部分においては、温度検出器3で検出された温度と先頭部分の温度差に応じて装置1毎の目標加熱温度を補正して、先頭より後ろの部分に供給する新たな電力を決定する工程と、鋼材2の移動に合わせて、装置1に前記決定された電力を制御して供給する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた厚鋼板の製造方法。

【選択図】図2

Description

この発明は、熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に設置した誘導加熱装置を用いてライン上で焼戻し処理を行う高強度鋼板の製造方法に関する。
最近、パイプラインや建築、橋梁等の鋼構造物において、高強度鋼の使用が増加している。一方、これらの用途における高精度設計により、材料特性のバラツキの小さい鋼板の要求が高まっている。特に、鋼板長手方向における強度のバラツキを一定レンジの範囲とする狭強度レンジの高強度鋼板が要求されるようになってきている。
一般に高強度鋼板は、制御圧延や圧延後の加速冷却により製造される。制御圧延においては、オーステナイト未再結晶温度域や2相域で強圧下されるため、鋼板長手方向での温度のバラツキによる再結晶率や相分率の違いにより、強度の不均一を生じやすい。また、圧延後の加速冷却によっても、鋼板長手方向での冷却開始温度、冷却停止温度のバラツキにより強度の不均一が発生する。
これらのバラツキを低減するための対策として、鋼板をガス燃焼炉に挿入して均一な温度に加熱する焼戻し処理が行われてきた。この方法は、一般に焼き戻し前の強度が高い部分の方が焼戻しによる軟化量が大きいので、焼戻し後の強度の差が縮まることを利用している。しかしながら、従来の焼戻し処理の場合、軟化させる必要のない部分まで軟化するため強度のバラツキ低減には限度があるとともに、場合によっては規格強度を下回ってしまう恐れもある。さらに、オフラインでの熱処理のため、生産効率が悪いという問題があった。
特許文献1(特開2003-27136号公報)には、誘導加熱装置により焼戻し処理を行い、鋼板の材料特性のバラツキを低減する方法が記載されている。これは、鋼板長手方向で加熱条件を変化させて誘導加熱することで、鋼板長手方向の強度を均一化するものである。
特開2003-27136号公報
特許文献1(特開2003-27136号公報)記載の誘導加熱による焼戻しは、鋼板の先端部や尾端部のみの焼分けも可能なことから、鋼板長手方向の材料特性を均一化するには有効な手段である。また誘導加熱装置を圧延ライン上に設置して、オンラインで焼戻し処理することで生産効率の飛躍的な向上も期待できる。
しかしながら、誘導加熱装置を設置したライン上で鋼材を搬送しながら加熱する場合、鋼材の先端部と尾端部では最初の誘導加熱装置によって誘導加熱されるまでの待ち時間が異なるため、大気への熱放散によって鋼板の長手方向で温度勾配を生じる。図1は、誘導加熱装置に搬送される直前の鋼材の長手方向の温度分布を模式的に示したものである。このような温度勾配がある場合、加熱後に均一な温度になるように温度勾配に合わせて長手方向で加熱条件を変化させて焼戻し処理するためには、複雑な温度制御が必要となる。たとえば、鋼材の進行方向に分割された各部分の温度を測定し、その温度値を用いて誘導加熱装置の最適な加熱電力をその都度繰り返して、解析手法により計算することが考えられる。しかし、この計算方式では計算量が非常に多く、計算機への負荷が大きい。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う厚鋼板の製造方法において、複雑な温度制御や繰り返し計算のような計算量が非常に多い解析手法を必要としない、鋼板長手方向の強度のバラツキを低減する製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題は、次の発明により解決される。その発明は、熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う高強度鋼板の製造方法において、初段の誘導加熱装置の入り側に設けられた温度検出器で前記鋼材の先頭部分の温度を実測し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を算出して前記鋼材の先頭部分に供給する電力を決定する工程と、
前記鋼材の先頭より後の部分においては、前記温度検出器で検出された温度と先頭部分の温度差に応じてそれぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標加熱温度を算出し、先頭より後ろの部分に供給する新たな電力を決定する工程と、
前記鋼材の移動に合わせて、それぞれの誘導加熱装置に前記決定された電力を制御して供給する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた厚鋼板の製造方法である。
また別の発明としては、熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う高強度鋼板の製造方法において、初段の誘導加熱装置の入り側に設けられた温度検出器で前記鋼材の先頭部分の温度を実測し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を算出して前記鋼材の先頭部分に供給する電力を決定する工程と、
前記鋼材の先頭部分の実測温度から、前記鋼材の尾端部分の温度を推定し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標加熱温度を算出し、前記鋼材の尾端部分に供給する電力を決定する工程と、
前記鋼材の先頭部分と尾端部分に挟まれた中間部分においては、前記先端部分の実測温度と尾端部分の推定温度と、長手方向中間部分の各々の実測温度とに基づいて、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標温度を算出し、前記中間部分に供給する新たな電力を決定する工程と、
前記鋼材の移動に合わせて、それぞれの誘導加熱装置に前記決定された電力を制御して供給する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた厚鋼板の製造方法である。
これらの発明において更に、各誘導加熱装置間に設置された温度検出器により誘導加熱後の鋼板の長手方向の温度を測定し、前記実測温度から次の誘導加熱装置の目標加熱温度を補正する工程と、
補正された目標加熱温度に基づき次の誘導加熱装置に供給する新たな電力を決定する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた厚鋼板の製造方法とすることもできる。
以上の発明は、熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う厚鋼板の製造方法において、鋼板の長手方向の温度勾配に応じて誘導加熱装置への供給電力を制御することで、鋼板長手方向の強度のバラツキを低減するものである。いずれの発明においても、鋼材の先頭部分の温度を実測し、その実測値に基づきそれぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を算出し、各誘導加熱装置に供給する電力を制御することを特徴としている。
本発明によれば、鋼板を加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行うことにより、鋼板長手方向での材質均一性に優れた高強度鋼板を製造することが可能となる。特に誘導加熱装置の設定電力値の計算を行う制御装置に過大な負荷をかけることなく、高精度の温度制御を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための制御方法を詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱装置の概略構成の一例を示す側面図である。ライン上には誘導加熱装置1が複数台設置されており、被加熱材である鋼材2は図中左から右に搬送されながら、それぞれの誘導加熱装置1によって加熱される。
初段の誘導加熱装置1の入り側には温度検出器3が備えられ、加熱前の鋼材2の温度を検出する。検出された温度は制御装置4に入力され、制御装置4は鋼材2の温度からそれぞれの誘導加熱装置1に供給するべき電力量を計算し、電力供給装置5に対してその電力を設定値として出力する。そして、電力供給装置5は誘導加熱装置1の電力を制御装置4からの設定値となるよう制御する。
なお、制御装置4には搬送ローラ7から搬送パルスが入力され、制御装置4はこのパルス信号に基づいて、鋼材の搬送速度、搬送量を計算する。また、各誘導加熱装置の出側には温度検出器8が備えられ、加熱処理された鋼材2の温度を監視できるように構成されている。
次に、本構成の誘導加熱装置を用いて鋼材の温度を制御する方法について説明する。
本発明においては、鋼材の移動方向の温度を精度良く制御するため、鋼材を仮想的に複数の部分(以下、「仮想部分」という)に分割して温度を管理する。図2で鋼材に記された点線が仮想部分の境界を示している。この仮想部分に記載された番号i−1,i,i+1は、鋼材2の先頭からの順番を表したものである。
誘導加熱装置を複数台用いて鋼材を加熱する場合、それぞれの誘導加熱装置での加熱目標温度は、最終目標温度、消費電力、鋼材の熱処理上受ける温度制約条件(たとえば、表面温度がAc1変態温度以下)などの要因により決定される。通常これらの条件は、加熱処理のための基準として鋼材毎に予め上位コンピューター等から指示され、制御装置に入力されている。
[供給電力制御方法1]
まず、第1の実施形態により各誘導加熱装置に供給する電力を決定する手順を示す。
(S1)加熱する鋼材の最終目標温度を制御装置から取り出して決定する。
(S2)鋼材が搬送されて所定の位置を通過したときに、図示しない通過検出器が「材料有り」を検出して制御装置に信号を出力する。制御装置はこのタイミングで鋼材の先頭部分の温度と鋼材の搬送速度を読み込む。
(S3)伝熱計算等の手法によって、各誘導加熱装置での加熱目標温度を決定する。
(S4)ラインに設置される複数の誘導加熱装置のうち、先頭からj番目の誘導加熱装置の加熱目標温度をTt(j)とし、Tt(j)を得るための電力量Pt(j)を算出する。
(S5)鋼材の先頭部分の移動に同期して、算出した設定電力Pt(j)を電力供給装置に出力する。
(S6)鋼材が搬送されて、鋼材の長手位置が変化していくのに合わせて、鋼材のi番目の仮想部分の温度を読み込む。
(S7)制御装置は実測温度から加熱目標温度Tt(j)を補正し、先頭からi番目の仮想部分の新たな加熱目標温度Ti(j)を算出する。
(S8)新たな加熱目標温度Ti(j)から、誘導加熱装置jに供給する新たな電力Pi(j)を算出する。
ここで、Pi(j)は以下の式で表される。
Pi(j)=Pt(j)+ΔPi
ΔPiは、ΔT=Ti−Ttの昇温量を与える電力
Pt:先頭部分電力、Pi:仮想部分iでの電力
Tt:先頭部分温度、Ti:仮想部分iの温度
(S9)鋼材のi番目の仮想部分の搬送に同期して、算定した電力Pi(j)を電力供給装置に出力する。
このようにして、初期温度差ΔTの影響を、加熱目標温度を変更して、全ての誘導加熱装置を使用して解消することによって鋼材の均一加熱が可能になるとともに、誘導加熱装置の負荷軽減を図ることが出来る。
[供給電力制御方法2]
次に、第2の実施形態により各誘導加熱装置に供給する電力を決定する手順を示す。
(S1)加熱する鋼材の最終目標温度を制御装置から取り出して決定する。
(S2)鋼材が搬送されて所定の位置を通過したときに、図示しない通過検出器が「材料有り」を検出して制御装置に信号を出力する。制御装置はこのタイミングで鋼材の先頭部分の温度と鋼材の搬送速度を読み込む。
(S3)先頭部分の温度から尾端部分の温度を推定する。尾端部分の温度推定方法は、同じ時刻であれば冷却後の先頭部と尾端部の温度が同じものであるとして、同じ位置、すなわち誘導加熱装置に入るまでの先頭部と尾端部の時間差から冷却されて温度降下がどれくらいかを推定する。なお、より精度を上げるためには、過去に同じ条件の鋼材の先頭部と尾端部の温度差を記憶しておき、その値に基づいて尾端部の温度を推定することも可能である。
(S4)伝熱計算等の手法によって、先頭部分と尾端部分について最終目標温度を得るためのそれぞれの誘導加熱装置での加熱目標温度を決定する。
(S5)ラインに設置される複数の誘導加熱装置のうち、先頭からj番目の誘導加熱装置の先頭部分の加熱目標温度をTt(j)、尾端部分の加熱目標温度をTb(j)とし、Tt(j)、Tb(j)を得るための電力量Pt(j)、Pb(j)を算出する。
(S6)鋼材の先頭部分の移動に同期して、算出した設定電力Pt(j)を電力供給装置に出力する。
(S7)鋼材が搬送されて、鋼材の長手位置が変化していくのに合わせて、鋼材のi番目の仮想部分の温度を読み込む。
(S8)制御装置は実測温度から加熱目標温度Tt(j)を補正し、先頭からi番目の仮想部分の新たな加熱目標温度Ti(j)を算出する。
(S9)新たな加熱目標温度Ti(j)から、誘導加熱装置jに供給する新たな電力Pi(j)を算出する。
ここで、Pi(j)は以下の式で表される。
Pi(j)=(Pt(j)−Pb(j))/(Tt−Tb)*(Ti−Tt)+Pt(j)
Pt:先頭部分電力、Pb:尾端部分電力、Pi:仮想部分iでの電力
Tt:先端部分温度、Tb:尾端部分温度、Ti:仮想部分iの温度
(S10)鋼材のi番目の仮想部分の搬送に同期して、算定した電力Pi(j)を電力供給装置に出力する。
上述した2つの方法は、どちらを使用してもよく、装置構成のレイアウトや演算装置の能力、鋼材の種類(製造方法による長手方向の温度分布の程度)に合わせて適宜選択可能である。特に、鋼材の長手方向の温度変化が大きい場合には、第1実施形態[供給電力制御方法1]を用いると尾端部位置になるにつれて算出誤差が大きくなるため、第2実施形態[供給電力制御方法2]の方がより精度の高い制御が可能である。
[供給電力制御方法3]
上記の実施の形態[供給電力制御方法1、2]にFF制御を取り入れることで、さらに高精度の温度制御を行う方法を第3の実施形態として説明する。
実施の形態1、2のように、数式モデルを使って電力設定を行う際には、数式モデルの誤差により温度に誤差が生じる場合がある。このため、誘導加熱装置の出側に設置された温度検出器で加熱後の鋼材の温度を測定し、その実測温度に基づいて電力を補正する。
図3は、FF制御電力演算装置18は、各誘導加熱装置(電力供給装置を含む)6の入り側に設置された温度検出器3の測定信号に基づいて電力を補正する。この補正出力により、誘導加熱装置(電力供給装置を含む)6は、この補正出力により電力供給量を調整し、鋼材の温度を制御する。
たとえば、上記実施形態1、2[供給電力制御方法1、2]において、j番目の誘導加熱装置での先頭部分の加熱目標温度Tt(j)と、(j+1)番目の誘導加熱装置の前に設置された温度検出器で測定した先頭部分の実測温度に差が生じた場合、この温度格差を補償するために(j+1)番目の誘導加熱装置で電力の補正が必要となる。すなわち、実測温度に基づいて新たな加熱目標温度Tt(j+1)を算出し、新たな加熱目標温度Ti(j+1)から、誘導加熱装置(j+1)に供給する新たな電力Pt(j+1)を算出する。
このようなFF制御を行うことにより、より高精度な温度制御が可能となり、長手方向での材質均一性に優れた高強度鋼板を製造することができる。
なお、上記実施の形態では、鋼板の長手方向で温度が徐々に低下している温度分布を持つ鋼板の実施例について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
たとえば、加速冷却の条件によっては、鋼板の先頭部と尾端部が中間部分に較べて温度が低下する場合がある。このような場合、先頭部と尾端部の加熱目標温度を中間部分に較べて高く設定することで、長手方向での温度分布のバラツキを解消することができる。高温に加熱する先頭部と尾端部の長さは、鋼板の種類、製造条件によって、従来知見に基づき予めその範囲を設定しておき、その長さの部分を一定温度となるように加熱し、中間部分については実施の形態1または2[供給電力制御方法1、2]の方法で加熱すればよい。
本発明の実施例について述べる。表1に示す化学成分の鋼を熱間圧延後、加速冷却を行い種々の鋼板を製造した。製造条件を表2に示す。圧延後の鋼板に、ライン上に3台直列に配置した誘導加熱装置装置を用いて焼戻しを行い、引張試験により鋼板長手方向の強度分布を測定した。
Figure 2005120409
Figure 2005120409
表3に引張試験結果を示す。本発明の温度制御方法を用いて誘導加熱装置により焼戻しを行うことにより、鋼板長手方向の強度のバラツキは大幅に低減した。
特に、FF制御を組合わせた場合、そのバラツキは最も小さくなった。
Figure 2005120409
誘導加熱装置に搬送される直前の鋼材の長手方向の温度分布を模式的に示す図。 発明の実施の形態に係る誘導加熱装置の概略構成の一例を示す側面図。 誘導加熱装置のFF制御の構成を示す図。
符号の説明
1 誘導加熱装置
2 鋼材
3 温度検出器
4 制御装置
5 電力供給装置
6 誘導加熱装置(電力供給装置を含む)
7 搬送ローラ
8 温度検出器(出側)
18 FF制御電力演算装置

Claims (3)

  1. 熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う高強度鋼板の製造方法において、
    初段の誘導加熱装置の入り側に設けられた温度検出器で前記鋼材の先頭部分の温度を実測し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を算出して前記鋼材の先頭部分に供給する電力を決定する工程と、
    前記鋼材の先頭より後の部分においては、前記温度検出器で検出された温度と先頭部分の温度差に応じてそれぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標加熱温度を算出し、先頭より後の部分に供給する新たな電力を決定する工程と、
    前記鋼材の移動に合わせて、それぞれの誘導加熱装置に前記決定された電力を制御して供給する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法。
  2. 熱間圧延後、加速冷却又は直接焼入れした後、圧延ライン上に複数台設置した誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行う高強度鋼板の製造方法において、
    初段の誘導加熱装置の入り側に設けられた温度検出器で前記鋼材の先頭部分の温度を実測し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を算出して前記鋼材の先頭部分に供給する電力を決定する工程と、
    前記鋼材の先頭部分の実測温度から、前記鋼材の尾端部分の温度を推定し、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標加熱温度を算出し、前記鋼材の尾端部分に供給する電力を決定する工程と、
    前記鋼材の先頭部分と尾端部分に挟まれた中間部分においては、前記先端部分の実測温度と尾端部分の推定温度と、前記中間部分の各々の実測温度とに基づいて、それぞれの誘導加熱装置毎の目標加熱温度を補正して新たな目標加熱温度を算出し、中間部分に供給する新たな電力を決定する工程と、
    前記鋼材の移動に合わせて、それぞれの誘導加熱装置に前記決定された電力を制御して供給する工程とを有することを特徴とする鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法。
  3. 各誘導加熱装置間に設置された温度検出器により誘導加熱後の鋼板の長手方向の温度を測定し、前記実測温度から次の誘導加熱装置の目標加熱温度を補正する工程と、
    補正された目標加熱温度に基づき次の誘導加熱装置に供給する新たな電力を決定する工程とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板長手方向の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造方法。
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