[go: up one dir, main page]

JP2005114355A - アンモニアセンサ - Google Patents

アンモニアセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2005114355A
JP2005114355A JP2003328322A JP2003328322A JP2005114355A JP 2005114355 A JP2005114355 A JP 2005114355A JP 2003328322 A JP2003328322 A JP 2003328322A JP 2003328322 A JP2003328322 A JP 2003328322A JP 2005114355 A JP2005114355 A JP 2005114355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia sensor
ammonia
zro
sensor
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003328322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3950833B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Nishiyama
寛幸 西山
Shiro Kakimoto
志郎 柿元
Takaharu Inoue
隆治 井上
Hitoshi Yokoi
等 横井
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
Satoshi Sugaya
聡 菅谷
Koichi Imaeda
功一 今枝
Tadashi Hattori
忠 服部
Atsushi Satsuma
篤 薩摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2003328322A priority Critical patent/JP3950833B2/ja
Publication of JP2005114355A publication Critical patent/JP2005114355A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3950833B2 publication Critical patent/JP3950833B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

【課題】 感度が大きく、選択性が高く、耐熱性及び耐久性に優れたアンモニアセンサを提供すること。
【解決手段】 アンモニアセンサ(1)は、絶縁基板(5)上にリード部(7)、(9)が配置され、各リード部(7)、(9)には一対の櫛歯電極(11)、(13)が接続され、櫛歯電極(11)、(13)の上には、感応層(15)が配置され、感応層(15)の上には、保護層(17)が配置されている。特に、この感応層(15)は、ZrO2
を主体とし、少なくともWを原料組成においてWO3換算で2〜40重量%の範囲で添加
した感ガス材料から構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検知ガス中のアンモニア濃度を検出するアンモニアセンサに関する。この種のアンモニアセンサは、例えば内燃機関の排ガス中のアンモニア濃度を測定するために用いられ、特に、尿素を添加してNOxを浄化するNOx選択還元システムに好適に使用される。
近年では、内燃機関から排出されるNOxを浄化する研究が進んでおり、例えばSCR
(Selective Catalytic Reduction)触媒に尿素を添加することによりアンモニアを発生
させ、そのアンモニアによりNOxを還元して排ガスを浄化する技術(NOx選択還元システム)が開発されている。
この技術では、排出されるNOxをアンモニアにより高効率で還元浄化するために、尿
素の添加量を調節する必要があるので、アンモニア濃度を正確に測定する必要がある。
そのため、例えばWO3を主体とし、貴金属を添加した感応層を用いたアンモニアセン
サ(例えば特許文献1参照)や、WO3を主体としMoO3を添加した感応層を用いたアンモニアセンサ(例えば特許文献2参照)が開示されている。
また、これとは別に、ゼオライトからなる感応層を用いたアンモニアセンサが提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。
特開平5−87760号公報 (第2頁) 特開平10−19821号公報 (第2頁) 米国特許第5143696号明細書 (第3頁、第4図) 米国特許第6069013号明細書 (第3頁、第2a図)
しかしながら、前記特許文献1に記載のアンモニアセンサは、NO、NO2に感度があ
り、尿素を添加して排ガス中のNOxを還元浄化するNOx選択還元システムに使用できないという問題がある。
また、前記特許文献2に記載のアンモニアセンサでは、選択性は改善されているものの、選択性改善のために添加されているMoO3の融点が795℃、沸点が1155℃と低
いため、上述したNOx選択還元システムに使用するには、耐熱性に問題があり、排ガス
中で使用することは困難である。
更に、前記特許文献3、4に記載のアンモニアセンサでは、SiO2/Al23比が小
さい(Al量が大きい)ゼオライトは、耐熱性が悪く、特に排気系材料として適さないという問題がある(例えば自動車技術会 学術講演会前刷集961 73〜76頁参照)。
その上、センサの実使用を考えた場合、耐久性(特に熱に対する耐久性)、即ち(例えば高温下において)長時間センサを作動させても、出力が安定して得られることが重要であるが、上述した従来技術では、この検討が十分ではない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、主として、アンモニアに対して感度が大きく、選択性が高く、耐熱性及び耐久性が高いアンモニアセンサを提供することを目的とする。
また、ガス温度が変化しても、測定精度が高いアンモニアセンサを提供することを目的とする。
本発明者等の研究により、固体超強酸物質が、アンモニアセンサの検知材料(感応部の感ガス材料)として有効であることを見いだし、本発明に到ったものである。以下、詳細に説明する。
・本発明でいう超強酸とは、ハメットの酸度関数HOにして−11.93以下のもので
ある。このハメットの酸度関数HOは、あるハメット塩基[B]に溶媒がプロトンを与え
る能力の尺度となるもので、下記式(1)に対して、下記(2)のように表される。
Figure 2005114355
・本発明においては、後述するように、主成分に副成分を添加した感応部が考えられるが、この場合の感応部の副成分の存在形態は、必ずしも十分に明らかにされていない。しかし、超強酸性を示す感応部の主成分と副成分は、単に混合物として存在しているのではなく、主成分の酸化物粒子の表面に、1分子状態の副成分が化学結合していると推定される。
例えば後述する固体超強酸(金属酸化物超強酸)は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光法)及びIR(Infrared Spectroscopy:赤外分光法)に
よる研究から、例えば図1(上図、中図)に示す構造やこれらに類似の構造を持つと推定されている。
また、副成分が主成分に上記のように化学結合をなして存在する場合の超強酸性発現機構についても、未だ十分に明らかにされていないが、図1(下図)のように理解されている。
即ち、上記副成分が主成分粒子表面に化学結合をなして存在することにより、図中の矢印で示される様に、「S=O」の二重結合の誘起効果によって、Zr4+のルイス酸性が非常に強められていることに因るものと考えられている。
・更に、超強酸性が発現するためには、上述のように副成分は主成分粒子表面に化学結合をなして存在することが必要であると考えられるので、主成分粒子の比表面積が大きければ大きいほど、多くの副成分分子(粒子)を主成分粒子表面に結合させることができ、その結果として、酸量が増加する。
従って、主成分に添加できる副成分の量は、主成分の比表面積に依存するが、後述する様に、副成分の添加量を適宜選択することにより、被検知ガス中のアンモニアガスを、安定且つ選択的に検知できる。
以下、各請求項毎に説明する。
(1)請求項1の発明は、一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、前記感応部が、ハメットの酸度関数
Oにして−11.93以下であり、且つ、ゼオライトを除く固体超強酸物質を含むこと
を特徴とする。
本発明のアンモニアセンサでは、感応部が、ハメットの酸度関数HOにして−11.9
3以下であり、且つ、ゼオライトを除く固体超強酸物質を含むので、アンモニアに対して感度が大きく、選択性が高く、耐熱性が高い。
尚、ここでゼイライトを除外したのは、耐熱性が低いからである。また、感応部が、主として(好ましくは全体が)前記固体超強酸物質からなる場合には、前記効果が高いので一層好適である。尚、前記主としてとは、感応部全体を100重量%としたときに、固体超強酸物質の含有量が80重量%以上であることを意味する。
(2)請求項2の発明は、一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、前記感応部が、ハメットの酸度関数HOにして−11.93以下の固体超強酸物質を含むとともに、該固体超強酸物質を構成
する主成分の酸化物と副成分の酸化物もしくは酸化物イオンとが、化学結合していることを特徴とする。
本発明のアンモニアセンサでは、感応部が、ハメットの酸度関数HOにして−11.9
3以下の固体超強酸物質を含むとともに、固体超強酸物質を構成する主成分の酸化物と副成分の酸化物もしくは酸化物イオンとが化学結合しているので、アンモニアに対して感度が大きく、選択性が高く、且つ、主成分、副成分とも酸化物(もしくは酸化物イオン)からなるので、耐熱性が高い。
主成分の酸化物と副成分の酸化物もしくは酸化物イオンとが化学結合していることは、例えばセンサの感応部をXPS測定して主成分(或いは副成分)のある特定の電子軌道スペクトルを取得し、得られたスペクトルに、主成分のみのスペクトル(或いは副成分のみのスペクトル)や主成分と副成分との混合物のスペクトルには現れないピークが存在することにより、確認することができる。
尚、副成分が主成分に結合した本発明の固体超強酸物質の比表面積としては、35〜80m2/g程度が好ましい。また、感応部が、主として(好ましくは全体が)前記固体超
強酸物質からなる場合には、前記効果が高いので一層好適である。尚、前記主としてとは、感応部全体を100重量%としたときに、固体超強酸物質の含有量が80重量%以上であることを意味する。
(3)請求項3の発明は、一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、前記感応部が、Fe23、TiO2
、ZrO2、HfO2、SnO2、Al23、SiO2から選ばれる1種の酸化物を主成分とし、且つ、副成分としてWO3、MoO3、B23、SO4 2-、PO4 3-から選ばれる少なくとも1種を含有する固体超強酸物質を含むことを特徴とする。
本発明では、前記固体超強酸物質(金属酸化物超強酸)を感応部の材料として用いることにより、アンモニアガスを、応答性良く、且つ、感度良く、しかも、精度良く選択的に検知することができる。また、感応部が、主として(好ましくは全体が)前記固体超強酸物質からなる場合には、前記効果が高いので一層好適である。尚、前記主としてとは、感応部全体を100重量%としたときに、固体超強酸物質の含有量が80重量%以上であることを意味する。
尚、副成分として、前記SO4 2-、PO4 3-を用いたものが、それぞれ硫酸化金属酸化物
超強酸、リン酸化金属酸化物超強酸である。
(4)請求項4の発明は、前記固体超強酸物質が、WO3/ZrO2、SO4 2-/ZrO2、PO4 3-/ZrO2、SO4 2-/TiO2から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明では、前記固体超強酸物質を感応部の材料として用いることにより、アンモニアガスを、応答性良く、且つ、感度良く、しかも、精度良く選択的に検知することができる。
(5)請求項5の発明は、前記固体超強酸物質が、ZrO2を主成分とする担体の表面
に、副成分としてWO3、MoO3、B23、SO4 2-、PO4 3-から選ばれる少なくとも1種を結合させた複合酸化物であり、前記担体が、結晶構造の安定化剤を含有することを特徴とする。
本発明では、ZrO2を主成分とする担体が、結晶構造の安定化剤を含有しているので
、耐熱性及び熱に対する耐久性に優れており、例えば400℃以上の高温下で長期間にわたりアンモニアセンサを使用した場合でも、安定した出力が得られるという顕著な効果を奏する。
つまり、本発明は、担体を構成するZrO2に所定量の安定化剤を含有(具体的には固
溶)させることにより、ZrO2の結晶相を安定化させたものであり、これにより、熱に
よる結晶構造の変化を抑制することができる。よって、担体の表面に結合した副成分の結合状態も安定化するので、高温下でも長期間にわたり、感度劣化を生ずることなく、安定した出力が得られる。
ここで、本発明における結晶構造について説明する。
本発明者らの研究により、アンモニアセンサの耐久性を調べたところ、耐久時間とともに感度が徐々に劣化し、感度劣化にともない、ZrO2の結晶相において、単斜晶の比率
が増加していくことが分かった。
そこで、主成分のZrO2に安定化剤(例えばY23)を添加することにより、単斜晶
を含まない正方晶及び立方晶の結晶相としたところ、耐久性が向上し、感度劣化に大きな効果があることが分かり、本発明に至ったものである。
(6)請求項6の発明は、前記結晶構造の安定化剤が、CaO、MgO、Y23、Yb23、Ga23から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明は、安定化剤を例示したものである。
(7)請求項7の発明は、前記Y23の含有量が、4mol%以上であることを特徴とす
る。
23を4mol%以上添加したものは、高温下においても、結晶相が変化しにくく、よ
って、感度劣化を効果的に防止することができる。
(8)請求項8の発明は、前記Y23の含有量が、6mol%以上であることを特徴とす
る。
23を含有したZrO2を主成分とする担体を100mol%としたときに、Y23を6mol%(好ましくは8mol%)以上添加したものは、高温下においても、結晶相が極めて変化しにくく、よって、一層感度劣化を防止することができる。
尚、ZrO2にY23を4〜6mol%程度添加したものは、結晶相の安定性が高く、部分
安定化ジルコニアと呼ばれ、また、6mol%より添加量が多いものは、一層結晶相の安定
性が高く、完全安定化ジルコニアと呼ばれる。
(9)請求項9の発明では、前記固体超強酸物質の酸量が、0.05mmol/g以上であ
ることを特徴とする。
本発明は、固体超強酸物質の好ましい酸量を例示したものであり、酸量がこの範囲であれば、アンモニアの吸着が十分に起こり、アンモニアセンサとして十分な性能が得られ好適である。尚、より好ましい範囲は、0.07〜0.25mmol/gである。
この酸量が多くなるほど、アンモニアガスに対する感度が大きくなり、よって、素子を作動させる温度を上げることができる。
つまり、センサの作動温度を上げると感度が小さくなる傾向があるが、酸量が多く感度が大きいものは、作動温度が高くなっても十分な感度を維持しており、しかも、作動温度が高くなると応答性が速くなるという利点がある。
尚、酸量は、後述するNH3−TPD(Ammonia−Temperature Programmed Desorption
:アンモニア昇温離脱)によって、そのピーク積分面積から算出できる。
(10)請求項10の発明では、前記主成分と前記副成分との合計を100mol%とし
たときに、前記副成分が1〜25mol%(従って主成分が99〜75mol%)であることを特徴とする。
本発明は、副成分の添加量を例示したものであり、この範囲であれば、被検知ガス中のアンモニアガスを、安定且つ選択的に検知でき好適である。
特に、副成分の添加量が2.7〜18.6mol%(主成分が97.3〜81.4mol%)であると、アンモニアに対する感度も大きくより好ましい。
尚、主成分粒子の比表面積としては、上記mol%の範囲を考慮すると、100m2/g程度が好ましい。
(11)請求項11の発明では、前記感応部が、ZrO2を主体とし、少なくともWを
含むものである場合には、前記感応部における前記Wの含有量が、WO3換算で1.5〜
30重量%であることを特徴とする。
本発明では、感応部はZrO2を主体としているので、高い耐熱性を有している。また
、感応部をZrO2を主体とし、少なくともWを含む構成としたことにより、アンモニア
に対して感度が大きく、しかも、アンモニア以外の例えばNO、NO2などの妨害ガスに
対して感度が低く選択性が高いという効果が発現する。
また、本発明のように、Wの含有量がWO3換算で1.5〜30重量%であれば、アン
モニアに対する高い感度が得られる。
尚、本発明においては、感応部の原料組成における前記Wの含有量(添加量)は、WO3換算で2〜40重量%である。
(12)請求項12の発明では、前記感応部を覆う保護層を備えたことを特徴とする。
本発明では、感応部の表面を、NH3の通過が可能な(例えば多孔質の)保護層で覆っ
ている。従って、例えば排ガス中のカーボン等のデポジットやリン、シリコン等の被毒物質が感応部に付着することを防止でき、感応部の劣化を抑制することができる。
尚、保護層を構成する主材料としては、マグネシアアルミナスピネル、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。
(13)請求項13の発明は、更に、前記素子部を加熱するヒータを備えたことを特徴
とする。
本発明では、ヒータによって素子部を加熱することにより、素子部(特に感応部)の温度をアンモニアの検出に最適な温度とすることができる。これにより、アンモニアの測定精度や応答性等のセンサ性能が向上するという利点がある。
(14)請求項14の発明では、前記アンモニアセンサは、前記ヒータが埋設された絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された一対の電極と、該一対の電極を被覆するように形成された感応部と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、素子部の構成を例示したものである。この構造であれば、製造が容易で量産に適し、しかも高い機械的強度を有するので、好適である。尚、一対の電極としては、平行電極や櫛歯電極を採用できる。
(15)請求項15の発明では、前記アンモニアセンサは、前記ヒータが埋設された絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された下部電極と、該下部電極を被覆するように形成された感応部と、該感応部上に形成された上部電極と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、素子部の構成を例示したものである。この構造であれば、製造が容易で量産に適し、しかも高い機械的強度を有するので、好適である。また、上部電極が感応部の保護層となりうるという効果もある。
(17)請求項17の発明では、更に、素子温度を検出する素子温度検出手段と、前記素子温度が所定の温度範囲となるように前記ヒータを制御する温度制御手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明では、素子温度検出手段により、素子温度(素子部の温度)を検出し、その素子温度が所定の温度範囲(アンモニア濃度の測定に好適な温度範囲)となるように、例えばヒータに印加する電圧等を制御しているので、常に、精度良くアンモニア濃度を測定することができる。
つまり、素子温度が異なるとアンモニア感度が変化するので、一定温度に制御することにより、アンモニア濃度を精密に測定することができる。つまり、制御温度は、アンモニアセンサの測定環境に応じた制御温度にすることができる。例えば、ディーゼルエンジンの排ガス中のアンモニア濃度を精密に検出するには、走行条件による排ガス温度を考慮すると、素子部を350〜450℃程度の一定の温度で作動させることが望ましい。
また、センサのアンモニアに対する応答性(応答速度)は、センサ作動温度(素子部の加熱温度)に依存し、温度を上げれば上げるほどアンモニアガス分子の吸脱着速度が速くなるので、センサのアンモニアに対する応答性が早くなる。一方、センサ作動温度を上げると、アンモニアガスに対する感度は小さくなる。
これらのことから、NH3−TPDのピークエンドの温度をT℃としたときに、素子部
の温度t℃を、T−100≦t≦T+100の範囲の一定温度で制御することが望ましい。
尚、素子温度検出手段としては、白金抵抗体又はサーミスタからなる温度センサを用いることができる。
以下に、本発明のアンモニアセンサを実施するための最良の形態(実施例)について説明する。
a)まず、本実施例のアンモニアセンサの構成について説明する。尚、図2はアンモニアセンサの主要部分及びその分解した状態を示す斜視図、図3は図2のA−A’断面図である。
図2に示す様に、本実施例のアンモニアセンサ1は、アンモニア濃度に応じてインピーダンス(Z)が変化する感ガス材料を用いたアンモニアセンサ1である。つまり、本実施例では、交流を印加したときに、アンモニア濃度に応じて感ガス材料のインピーダンス(Z)が変化するので、そのインピーダンスの変化に基づいてアンモニア濃度を検出する。
前記アンモニアセンサ1の要部を構成する素子部3は、絶縁基板5上に、以下の様に、順次各構成要素が積層されたものである。尚、各構成要素が積層された絶縁基板5をセンサ素子部材6と称し、図2ではその先端側のみを示している。
つまり、アルミナ製の絶縁基板5上には、白金を主成分とする一対のリード部7、9が配置され、各リード部7、9には、一対の櫛歯電極11、13がそれぞれ接続され、櫛歯電極11、13の上には、櫛歯電極11、13の全てを覆うように前記感ガス材料からなる感応部(感応層)15が配置され、感応層15の上には、感応層15の全てを覆うように、保護層17が配置されている。
また、図3に示す様に、絶縁基板5内には、素子部3を加熱するヒータ19と、測温抵抗体である温度センサ21とが配置されている。このヒータ19は主として白金からなり、温度センサ21も主として白金からなる。
前記感応層15は、厚膜印刷により形成された膜厚約30μmの多孔質の感ガス材料、即ち固体超強酸物質からなる。この固体超強酸物質は、周囲の雰囲気のアンモニア濃度が変化すると、そのインピーダンス(又は抵抗)が変化する性質を有する物質である。
具体的には、感応層15は、Fe23、TiO2、ZrO2、HfO2、SnO2、Al2
3、SiO2等から選ばれる酸化物を主成分(含有量:99〜75mol%)とし、少なく
ともSO4 2-、PO4 3-、WO3、MoO3、B23等から選ばれる副成分(含有量:1〜25mol%)を含むものである。
尚、感応層15中の主成分及び副成分の含有量は、例えば高周波プラズマ発光分光分析装置(IRIS Advantage ICAP、日本ジャーレルアッシュ社製)を用いて、各元素を定量し、酸化物に換算して求めることができる。
前記保護層17は、カーボン等のデポジットなどが櫛歯電極11、13や感応層15に付着することを防止するために、厚膜印刷により形成された膜厚約30μmの層であり、主としてマグネシアアルミナスピネル(MgAl24)からなる多孔質の保護膜である。
ここで、上述したセンサ素子部材6を組み付けたアッセンブリであるアンモニアセンサ1の全体構成について簡単に説明する。
図4に示す様に、このアンモニアセンサ1においては、先端側(同図下方)に素子部3を備えたセンサ素子部材6は、後端側(同図上方)に取出線31が接続され、取出線31はそれぞれ電極リード33の一端に溶接されている。また、各電極リード33の他端は、それぞれ接続端子35を介してリード線37に接続されている。
前記センサ素子部材6は、その後端側をアルミナ製の筒状の絶縁体39に収容され、先端側はその絶縁体39から突出して露出している。詳しくは、絶縁体39の先端部分では、センサ素子部材6は絶縁体39に内挿されたアルミナ製の絶縁碍管41に嵌挿され、セメント43により絶縁碍管41に接合されている。更に、絶縁体39とセンサ素子部材6とは、滑石とガラスの混合粉末を溶融・固化した第1充填材層45及び第2充填材層47を介して固着されており、取出線31と電極リード33との接合部分は、ガラス粉末を溶融・固化したガラス層49により封止されている。
前記センサ素子部材6の先端側は、主体金具51に保持された有孔のプロテクタ53にて保護されている。主体金具51と絶縁体39とは、板パッキン55及び滑石層57を介して嵌合している。前記絶縁体39には、滑石層57を封止するカシメリング59が外嵌され、カシメリング59には外筒61が外嵌され、外筒61一端にはリング63が外嵌され、そのリング63を覆うようにして主体金具51の端部がカシメられている。
一方、外筒61の他端には、保護外筒65がカシメにより連結され、その保護外筒65に内嵌されたゴムキャップ67により、接続端子35及びリード線37が保持されている。
b)次に、本実施例のアンモニアセンサ1(特にセンサ素子部材6)の製造方法について説明する。
1)まず、絶縁基板5上に、リード部7、9及び櫛歯電極11、13を形成する。
具体的には、Al23からなる絶縁基板5上に、リード部7、9を形成するために、Pt系ペーストを印刷し、120℃にて1時間乾燥し、1400℃で1時間焼成する。
一方、櫛歯電極11、13を形成するために、櫛歯電極11、13の形状の開口部を有するマスク(図示せず)を用い、リード部7、9の端部と櫛歯電極11、13の端部とを重ねる様にして、Auペーストを印刷し、120℃にて1時間乾燥し、1000℃で1時間焼成する。
2)次に、櫛歯電極11、13を覆って、(下記合成法Aにより)感応層15を形成する。
具体的には、オキシ硝酸ジルコニウムをH2Oに溶解させ、アンモニア水を加えてpH
8に調整する。得られた水酸化ジルコニウムを吸引濾過し、洗浄する。その後、乾燥機にて、110℃で24時間乾燥後、電気炉にて、400℃で24時間焼成し、表面積の大きなZrO2粉末を得る。
一方、タングステン酸アンモニウムをH2Oに溶解させ、アンモニア水を加えて、pH
10〜11に調整された溶液(W溶液)を得る。
そして、前記の方法にて得られたZrO2粉末とW溶液とを用い、W量とZrO2量とを調整して、即ち、W量がWO3換算で(WO3量及びZrO2量の合計量を100重量%と
したときに)2〜40重量%の範囲の所定値となるように調整して、るつぼに入れる。その後、乾燥機にて、120℃で24時間乾燥後、電気炉にて、800℃で5時間焼成し、目的のWを含有したZrO2の粉末を得る。
次に、乳鉢に、前記主成分及び副成分からなる粉末(Wを含有したZrO2粉末)と有
機溶剤と分散剤とを入れ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダーを添加し、更に4時間湿式混合を行ってスラリーとし、粘度調整を行ってペーストとする。
そして、この感ガス材料のペーストを、前記櫛歯電極11、13を印刷した絶縁基板5
上にスクリーン印刷し、厚膜化する。その後、60℃で乾燥後、600℃で1時間焼成して、感ガス材料のペーストを絶縁基板5上に焼き付ける。
3)次に、感応層15の上に、保護層17を形成する。
具体的には、感応層15の上にスピネル(MgAl24)ペーストを印刷する。
これにより、本実施例のアンモニアセンサ1のセンサ素子部材6が完成する。
c)次に、前記アンモニアセンサ1の使用方法について簡単に説明する。
本実施例のアンモニアセンサ1は、車両(ディーゼル車)の排ガス中のNOxを低減す
るシステムに用いられる。
具体的には、図5に示す様に、車両の排気管71に取り付けられた酸化触媒73上流側に、周知のSCR触媒装置75が配置されており、このSCR触媒装置75に(還元剤として)尿素を供給してアンモニアを発生させ、このアンモニアによって、排ガス中のNOxを窒素に還元して排ガスの浄化を行う。
このとき、排ガスの還元浄化を効率よく行わせるためには、供給する尿素の量(従って発生するアンモニアの濃度)を調節することが必要であるので、SCR触媒装置75の下流側にアンモニアセンサ1を配置して、SCR触媒装置75から排出されるアンモニアの濃度を検出するのである。
つまり、アンモニアセンサ1により検出されるアンモニア濃度が検出限界以下の場合には、尿素の供給量を増加し、一方、アンモニア濃度が検出される場合には、その濃度に応じて尿素の供給量を低減する等の制御を行うことにより、排ガスの還元浄化効率を高めることができる。
本実施例では、例えばアンモニアセンサ1による濃度測定を行わない期間に、アンモニアセンサ1の加熱クリーニングを実施して、アンモニアセンサ1の能力を常に高いレベルに保つ制御を行うことができる。
具体的には、内燃機関の作動中において、素子部3を、例えば500〜700℃の温度範囲、即ち、アンモニアセンサ1の通常の使用時の素子温度よりも高く、且つ、感応層15の材料粉末を得るときの仮焼温度よりも低い温度の範囲(例えば600℃で5分間)にて加熱するように、ヒータ19に通電する。これにより、アンモニアセンサ1(特に感応層15)に吸着した水分や雑ガス等を十分に除去することができる。
それによって、アンモニアセンサ1のセンサ特性を回復させることができる。
尚、上述したNH3濃度の測定の制御及び加熱クリーニングの制御は、図示しない電子
制御装置(例えばマイクロコンピュータ)により実施される。
d)実験例
次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例1〜4について説明する。まず、各実験例で用いる試料や実験装置等について説明する。
1)アンモニアセンサ
本実験例では、下記の製造方法にて、下記表1に記載の各試料からなる感応層を有するアンモニアセンサを製造した。
具体的には、前記実施例1の製造方法(合成法A)にて、試料No.1〜4のアンモニアセンサを製造した。
また、下記合成法Bにて、試料No.5のアンモニアセンサを製造した。
この合成法Bでは、まず、アンモニア水溶液中に硝酸ジルコニウム水溶液を適下し、調製した水酸化ジルコニウム沈殿を水洗後、タングステン酸アンモニウム水溶液中で攪拌する。次に、得られた沈殿を濾過し、乾燥機にて、110℃、12時間乾燥後、700℃で5時間焼成し、目的のWを含有したZrO2を得る。そして、Wを含有したZrO2粉末を用いて、以後、前記実施例1と同様にしてアンモニアセンサを製造した。
更に、下記合成法Cにて、試料No.7〜9のアンモニアセンサを製造した。
具体的には、試料No.8を製造するにあたり、アンモニア水溶液中に硝酸ジルコニウム水溶液を滴下し、調製した水酸化ジルコニウム沈殿を水洗後、0.5M硫酸水溶液中で攪拌する。次に、得られた沈殿を濾過し、乾燥機にて、100℃12時間乾燥後、650℃で5時間焼成し、目的のSを含有したZrO2を得る。そして、Sを含有したZrO2粉末を用いて、以後、前記実施例1と同様にしてアンモニアセンサを製造した。
また、試料No.7は、硝酸ジルコニウム水溶液の代わりに、塩化チタンを使用し、525℃、5時間の焼成にて、目的の材料を合成した。更に、試料No.9は、硫酸水溶液の代わりに、リン酸水溶液を使用し、650℃、5時間の焼成にて、目的の材料を得た。
一方、比較例(試料No.6)として、主成分のみからなる感応層を有するアンモニアセンサを製造し、また、比較例(試料No.10)として、副成分のみからなる感応層を有するアンモニアセンサを製造した。尚、これらの製造方法は、各成分の粉末をペースト化して焼き付けたものである。
2)評価装置(ガス測定装置)
後述する実験例1〜4に使用する評価装置として、モデルガス発生装置を使用し、下記の測定条件のいずれかを採用して、それぞれ測定を行った。
<測定条件>
ガス温 :280℃、300℃、400℃
素子温 :350℃、400℃、450℃
ガス組成:O2:10体積%、CO2:5体積%、H2O:5体積%
NH3:0〜200ppm、残部はN2
妨害ガス:NO2、NO、CO、C36
各100ppm(C36は100ppmC)
そして、前記評価装置では、評価装置におけるガス流中に、実験に用いるアンモニアセンサを配置し、所定電圧(2V)、所定の周波数(400Hz)の交流電圧を、アンモニアセンサの両電極のリード部間に印加し、その際に両電極間に流れる電流値から、アンモニアセンサ(従って感応層)のインピーダンスを測定した。
尚、NH3の感度は、インピーダンス値の変化の割合で定義する。即ち、NH3=0ppm
のガス組成に対するインピーダンス値をZbase、NH3混入時のインピーダンス値をZNH3としたとき、NH3感度は、
「NH3感度={(Zbase−ZNH3)/Zbase}×100[%]」で定義される。
その他のガス種を評価する場合も、上記と同様の感度定義を用いた。
以下、各実験例について、具体的に説明する。
本実験例は、下記表1に示す種々の主成分、副成分からなる固体超強酸物質の比表面積、NH3感度、酸量について調べたものであり、その結果を表2に示している。
尚、下記表1における分析値とは、形成された製品の感応層を、前記高周波プラズマ発光分光分析装置を用いて分析した値である。
また、ハメットの酸度関数HOに関しては、ハメットの指示薬を用いて、ADVANCES IN
CATALYSIS VOLUME37(ACADEMIC PRESS,INC)pp.186-187に記載の方法に準じて測定を行った。
Figure 2005114355
Figure 2005114355
(実験例1)
本実験例では、上述した各製造方法(合成法A、B、C)にて、試料No.1〜10のアンモニアセンサを製造した。
この際に、各試料の感応層の原料粉末の比表面積(試料No.1〜9については主成分であるZrO2粉末の比表面積、試料No.10では副成分であるWO3粉末の比表面積)を、
BET法により測定した。具体的には、ユアサアイオニクス株式会社製マルチソープ12を用いて、200℃で60分間、HeとN2の混合ガスを流し、N2ガス吸着によるBET法により比表面積を測定した。その結果を、前記表2に記す。
また、評価装置に各アンモニアセンサを取り付け、ガス温:280℃、素子温:350℃、400℃、450℃の条件で、評価装置に、NH3濃度、0、5、20、50、10
0、150ppmのガスを供給し、その際の各アンモニアセンサのインピーダンス(Z)を
求めた。その結果を、図6〜図16に記す。尚、各図には、素子No.及び素子制御温度を記す。
この図6〜図16から明らかな様に、固体超強酸物質からなる感応層を有する本発明例のアンモニアセンサ(試料No.1〜5、7〜9)は、各濃度のアンモニアに対して明瞭な感度を示すことが分かる。
それに対して、図13に示す様に、主成分のみからなる比較例のアンモニアセンサ(試料No.6)は、各濃度のアンモニアに対して感度がなく好ましくない。尚、副成分のみからなる比較例のアンモニアセンサ(試料No.10)については、下記実験例2にて述べる。
また、図6(試料No.1)〜図12(試料No.5)の実験結果から明らかな様に、副成分であるWO3の添加量が多くなると、NH3=0ppmの時のベースインピーダンスの値が
小さくなり、後述する様に酸量が増加するので、NH3感度(インピーダンスの変化の割
合)が大きくなることが分かる。このベースインピーダンスが小さいと、センサ制御回路設計に有利になるという利点がある。
更に、図11及び図12(試料No.5)の実験結果に示す様に、副成分であるWO3
添加量が多い試料(=酸量が多い試料)では、素子動作温度(素子制御温度)を上げても、十分な感度があることが分かる。従って、例えば排ガス中等の高温の雰囲気中で使用しても十分な感度が得られるという利点がある。
(実験例2)
本実験例は、妨害ガスの影響を調べたものである。
この実験例では、本発明例として、前記試料No.3のアンモニアセンサを用いた例を挙げる。
本実験例では、ガス温:280℃、素子温:350℃の条件で、評価装置に、NO2
NO、CO、C36、NH3を、それぞれ100ppm(C36、は100ppmC)導入し、
その際のアンモニアセンサの感度を測定した。その結果を、図17に示す。
尚、図17及び下記図18は、NH3=100ppmに対する感度の値が100になるように規格化したときの、それぞれのガス種の感度(感度比)を表記している。
図17から明らかな様に、本発明例のアンモニアセンサは、NH3のみに高い感度を示
し、その他の妨害ガスの場合には、殆ど感度が無く、選択性に優れていることが分かる。
また、比較例として、感応層が副成分であるWO3のみからなる試料No.10について
の実験結果を、図18に示す。
図18に示す様に、副成分であるWO3のみからなる試料No.10は、種々のガスに感
度を示し、NH3を選択的に検知することができず、好ましくない。
(実験例3)
本実験例は、Pt抵抗体による温度制御を調べたものである。
この実験例では、本発明例として、前記試料No.3のアンモニアセンサを用いた例を挙げる。
本実験例では、素子温を一定にするために、Pt抵抗体(即ち測温抵抗体である温度センサ)を用いて制御(素子温制御)を行った。
つまり、評価装置に、ガス温が300℃、400℃で、NH3濃度が、0、5、20、
50、100、200ppmのガスを供給するとともに、素子温制御を実施しない場合と、
同様なガス条件で、素子温制御(400℃に制御)を実施する場合とにおいて、そのときのインピーダンス(Z)を求めた。その結果を、図19の素子温制御無しガス温依存性のグラフと、図20の素子温制御有りガス温依存性のグラフに示す。
この図19及び図20から明らかな様に、Pt抵抗体を用いて素子温制御を行うことにより、異なるガス温中でも素子温度を一定に保つことができ、それによって、NH3感度
の温度依存性を低減できることが分かる。一方、素子温制御を実施しない場合には、温度依存性が大きく好ましくない。
(実験例4)
本実験例は、酸量と素子温とNH3感度との関係について調べたものである。
まず、前記試料No.3のアンモニアセンサを用いて、感応層に対するNH3−TPD測
定について説明する。
前記TPD測定によって得られたデータを図21に示すが、山形状のグラフ(NH3
温脱離曲線)から見積もったピークエンドの温度(即ちT)は、450℃であった。尚、ピークエンドの温度Tは、酸強度(NH3の吸着の強さ)を示す。
つまり、図示の様な昇温脱離曲線を利用すると、酸特性を見積もることができる。即ち、酸量を積分面積から、また、酸強度をピークエンドの値から、簡便に見積もることができる。但し、これらの値は、実験条件、例えば試料の量にも影響を受けるため、必ずしも物質固有の値を示すものではない。
例えば前記表1に示す様に、試料No.2の酸量は0.071mmol/g、試料No.3の酸
量は0.107mmol/g、試料No.5の酸量は0.224mmol/gと見積もることができる。
ここでは、試料No.5のアンモニアセンサを用い、ガス温度:280℃にて、素子温を350℃、450℃に設定し、所定時間(200秒)毎に、0、5、20、100、150、0ppmと階段状に変化させ、そのときのインピーダンス(Z)を求めた。その結果を
、図22及び図23の各素子温におけるNH3ガス応答性のグラフに示す。
前記図22、図23から、素子温を上げるとNH3の吸着離脱速度が速くなるため、セ
ンサの応答性が良くなることが分かる。
また、(副成分の添加量の少ない:酸量の少ない)試料No.3の素子温度の違いによる感度の変化を示す実験結果(図8及び図9)と、(副成分の添加量の多い:酸量の多い)試料No.5の素子温度の違いによる感度の変化を示す実験結果(図11、図12)と、試料No.5の素子温度の違いによる応答性の変化を示す実験結果(図22、図23)とから
、酸量の多い試料では、制御温度を高くしてもNH3濃度を高精度で検出できることが分
かる。
つまり、副成分の添加量を増やすことで、酸量が増加し、その結果、NH3感度が大き
くなる。そして、NH3感度が大きいと、センサ作動温度(素子温度)を上げることがで
きる。即ち、センサ作動温度を上げるとNH3感度は小さくなるものの、酸量が多い場合
には十分なNH3感度を確保できるので、センサ作動温度を上げることが可能になり、そ
れによって、応答性を高めることができる。
この様に、副成分の添加量に従って(酸量が増えるに従って)、センサの最適作動温度を高くできるので、センサを使用する環境に合わせ、必要作動温度を選択し(環境温度の影響を回避するために、環境温度よりも高い温度でセンサを作動させることが望ましい)、それに必要な主成分と副成分の組成を選択して好適なセンサの設計が可能になる。
また、上述した様に、酸量が増加すると、NH3=0ppmの時のベースインピーダンスの値が小さくなるので、センサ制御回路設計に有利になるという利点がある。
尚、上述した実験例では、金属酸化物超強酸の主成分として、TiO2、ZrO2、副成分として、WO3、SO4 2-、PO4 3-を用いる例に挙げたが、これとは別に、主成分とし
て、Fe23、HfO2、SnO2、Al23、SiO2、副成分として、MoO3、B23を選択して用いてもよい。これは、実験例の金属酸化物超強酸の成分と同様な性質を有することが推定されるからである。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
本実施例2のアンモニアセンサは、前記実施例1とは、そのセンサ素子部材の構造が異なる。
a)まず、本実施例のアンモニアセンサの構成について説明する。尚、図24はアンモニアセンサの主要部分(センサ素子部材)及びその分解した状態を示す斜視図、図25は図1のB−B’断面図である。
図24に示す様に、本実施例のアンモニアセンサ101の要部を構成するセンサ素子部材102の素子部103は、絶縁基板105上に、以下の様に、順次各構成要素が積層されたものである。
つまり、アルミナ製の絶縁基板105上には、白金を主成分とする一対のリード部107、109と、一方のリード部107に接続された下部電極111とが配置され、下部電極111上には、下部電極111の全てを覆うように感応層113が配置され、感応層113の上には、他方のリード部109に接続された上部電極115が配置され、上部電極115上には、上部電極115及び上部電極115の周囲に露出する感応層113の全てを覆うように、保護層117が配置されている。
尚、前記感応層113は、前記実施例1と同様に、厚膜印刷により形成された膜厚約30μmの多孔質の感ガス材料、即ち固体超強酸物質からなる。
また、前記下部電極111及び前記上部電極115は、前記感応層113への被検知ガスの拡散を阻害することがない様に、感応層113よりも気孔率の大きい(粗い)多孔質な電極材を用いることがなお好ましい。
更に、図25に示す様に、絶縁基板105内には、素子部103を加熱するヒータ119と、測温抵抗体である温度センサ120とが配置されている。
本実施例のアンモニアセンサ101は、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、上部電極115が感応層113の保護層となりうるという効果もある。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1、2と同様な箇所の説明は省略する。
本実施例は、前記実施例1、2とは、感応層の構成が異なる。
a)まず、本実施例のアンモニアセンサのセンサ素子部材の構成について説明する。
本実施例では、感応層(図示せず)は、主成分のZrO2からなる担体の表面に副成分
のWO3を結合させた複合酸化物からなり、その担体を構成するZrO2には、結晶構造の安定化剤として所定量のY23が含有(固溶)されている。
尚、本実施例では、副成分としてWO3を用いるが、WO3、MoO3、B23、SO4 2-、PO4 3-から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。また、安定化剤としは、
23に限らず、CaO、MgO、Y23、Yb23、Ga23から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本実施例では、主成分であるZrO2の結晶相中にY23が固溶されている構造である
ので、結晶相の安定性が高く、耐熱耐久性に優れており、例えば400℃以上の高温下で長期間にわたりアンモニアセンサを使用した場合でも、感度劣化を生ずることなく、安定した出力が得られる。
つまり、本実施例では、ZrO2の結晶相中にY23を固溶させることにより、ZrO2の結晶相を安定化させたものであり、これにより、結晶構造の変化を抑制することができる。よって、担体の表面に結合した副成分の結合状態も安定化するので、高温下でも長期間にわたり、感度劣化を生ずることなく、安定した出力が得られる。
b)次に、本実施例のアンモニアセンサの製造方法(特にセンサ素子部材の感応層の材料の合成法)について説明する。ここでは、後述する実験例で用いるアンモニアセンサを例に挙げて説明する。
・(粉末合成)
オキシ硝酸ジルコニウムと硝酸イットリウムをH2Oに溶解させ、アンモニア水を加え
pH8に調整した。このとき、硝酸イットリウムは、最終的なZrO2−Y23粉末に対
するYの含有量が、Y23換算で、(1)2.7mol%、(2)4mol%、(3)8mol%となる様に調合した。得られた沈殿を、吸引濾過・洗浄し、乾燥機にて110℃で24時間乾燥し、その後マッフル炉にて400℃で24時間の焼成を行い、(担体となる)比表面積の大きなZrO2−Y23粉末を得た。
次に、所定量のZrO2−Y23に対して、最終的なWO3/ZrO2−Y23粉末にお
けるWの含有量がWO3換算で10重量%となる様に、タングステン酸アンモニウムを計
り取り、H2Oに溶解させ、アンモニア水を加え、pH10〜11に調整した。この溶液
に前記所定量のZrO2−Y23粉末を加え、十分に攪拌し懸濁液としたものを、ロータ
リーエバポレーターにて蒸発乾固させた。得られた固体を、乾燥機にて120℃で24時間乾燥し、マッフル炉にて800℃で5時間の焼成を行った。
以上により、(後述する実験例に供する)目的の10重量%WO3/ZrO2−Y23粉末を得た。そして、この様にして得られた粉末の比表面積をBET法により測定した。その結果を、下記表3に記す。
また、後述する実験例における比較対象として、上記合成法において、担体の作成時に、硝酸イットリウムを加えない以外は前記と同様な条件で合成を行い、Y23を含まない10重量%WO3/ZrO2粉末を得た。そして、この粉末の比表面積もBET法により測定した。その結果を、下記表3に併せて記す。尚、試料(4)は本発明の範囲内である。
Figure 2005114355
尚、各試料においては、WO3量は、ZrO2−Y23(又はZrO2)及びWO3の合計を100重量%としたときに、10重量%含有している。
・(センサ素子部材の製造)
次に、上述した様にして合成した粉末と有機溶剤と分散剤とを乳鉢にいれ、らいかい機で4時間分散混合した後、バインダーを添加して更に4時間湿式混合を行ってスラリーとし、粘度調整を行ってペーストを作成した。
作成したペーストを、前記実施例1と同様に、表面に一対の櫛歯電極を有する絶縁基板上にスクリーン印刷にて厚膜化した。尚、櫛歯電極の材料としては、Au、その他の貴金属、各種合金、或いは貴金属の混合材料等を用いることができる。
その後、60℃で乾燥後、600℃で1時間で焼き付けてアンモニアセンサのセンサ素子部材を得た。
c)次に、本実施例のアンモニアセンサの効果を確認するために行った実験例について説明する。
(実験例5)
この実験例は、センサ特性の耐久性を評価するためのものである。
(i)評価装置(ガス測定装置)
評価装置としては、前記実験例1と同様なモデルガス発生装置を使用し、下記の測定条件を採用して測定を行った。
<測定条件>
ガス温 :280℃
素子温 :350℃
ガス組成:O2:10体積%、CO2:5体積%、H2O:5体積%
NH3:0〜200ppm、残部はN2
前記評価装置では、評価装置におけるガス流中に、実験に用いるアンモニアセンサを配置し、所定電圧(2V)、所定の周波数(400Hz)の交流電圧を、アンモニアセンサの両電極のリード部間に印加し、その際に両電極間に流れる電流値から、アンモニアセンサ(従って感応層)のインピーダンスを測定した。
そして、前記実験例1と同様に、NH3=0ppmにおけるインピーダンスと各NH3の投
入時のインピーダンスを測定し、これよりNH3感度を求めた。
(ii)センサ特性の耐久評価
センサの耐久性を評価するために、前記表3に示す試料1)〜4)の組成の感応層を備えた各センサ素子部材を組み付けて、それぞれ試験に供するアンモニアセンサ(未処理品)とした。
また、未処理品とは別に、前記表3に示す試料(1)〜(4)の組成の感応層を備えた各センサ素子部材に対して、熱処理を施した。具体的には、各センサ素子部材を、小型加熱炉に入れて、600℃で100時間加熱した。そして、加熱処理後の各センサ素子部材を組み付けて、それぞれ試験に供するアンモニアセンサ(耐久品)とした。
次に、前記未処理品及び耐久品のアンモニアセンサを、前記評価装置に装着して、センサ性能の評価を行った。具体的には、アンモニア濃度を変化させて、その際の各アンモニアセンサのインピーダンスの変化から、感度を求めた。その結果を、図26に記す。
図26から明らかな様に、本実施例の前記試料(1)〜(3)の感応層を備えたアンモニアセンサ、即ち、Y23によって安定化されたZrO2を用いたものは、耐久品であっても、
(未耐久品に比べて)感度の変動が少なく、即ち感度の低下が少なく、耐熱耐久性に優れていることが分かる。
また、Y23の含有量が多いほど感度低下は抑制される傾向にあり、特にY23を8mol%固溶させた試料(3)においては、全く感度低下が見られなかった。
これに対して、比較対象の試料(4)の感応層を備えたアンモニアセンサ、即ち、Y23
によって安定化されていないZrO2を用いたものは、耐久品は未処理品に比べて、感度
低下が大きいことが分かる。
(実験例6)
この実験例は、結晶構造の変化を調べたものである。
本実験例では、前記表3に示す各試料(1)〜(4)の材料をペースト化し、アルミナ板(縦5cm×横5cm)上に印刷し、600℃で1時間焼成し、厚膜形状の各サンプルを作製した(未処理品)。
また、これとは別に、前記と同様な各サンプルを作製し、これを小型加熱炉に入れて、600℃で100時間加熱して、耐久品の各サンプルとした。
次に、前記未処理品及び耐久品のサンプルに対して、アルミナ板から(前記各試料の材料からなる)検知材料のみを回収し、その粉末に対して、RIGAKU製のRU−200を用いてXRD測定を行った。その結果を、図27に記す。
尚、図27のXRDパターンにおいて、28°及び31.5°のピークは、単斜晶ZrO2に帰属されるピークであり、30°のピークは、正方晶或いは立方晶ZrO2に帰属されるピークである。
図27から明らかな様に、本実施例の前記試料(1)〜(3)の材料を用いたもの、即ち、Y23によって安定化されたZrO2を用いたものは、耐久品は未耐久品に対して結晶相の
変化(単斜晶→正方晶或いは立方晶)が少なく、安定した結晶構造を維持できていることが分かる。
また、Y23の含有量が多いほど結晶構造の安定性が増す傾向にあり、特にY23を8mol%固溶させた完全安定化ZrO2の試料(3)においては、非常に安定性が高いこと(耐
久品で単斜晶のピークが殆ど発現していないこと)が分かる。
これに対して、比較対象の試料(4)の材料を用いたもの、即ち、Y23によって安定化
されていないZrO2を用いたものは、耐久品では正方晶が大幅に減少し、常温でより安
定な単斜晶への相転移が起こっていることが分かる。
この様に、前記実験例5及び実験例6の結果から、ZrO2にY23等の安定化剤を添
加することにより、高温においても長期間安定性に優れたアンモニアセンサが実現できることが明らかである。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1〜3と同様な箇所の説明は省略する。
本実施例は、前記実施例1〜3とは、センサ素子部材を組み付ける対象であるアンモニアセンサの筐体やその内部構成が異なる。
ここでは、センサ素子部材を組み付けたアッセンブリである本実施例のアンモニアセンサの全体構成について説明する。
図28に示す様に、本実施例のアンモニアセンサ121においては、先端側(同図下方)に素子部(図示せず)を備えたセンサ素子部材123は、その後端側(同図上方)に金属板125が接続され、金属板125の他端は接続端子127を介してリード線129に接続されている。
前記センサ素子部材123の周囲には、その先端側より、セラミックホルダ131、タルク粉末133、絶縁保護体135が配置されており、それらは、主体金具137内に収容されている。
また、センサ素子部材123の先端側は、主体金具137に保持された有孔のプロテクタ139にて保護されている。一方、センサ素子部材123の後端側では、センサ素子部材123と絶縁保護体135との間隙に、金属板125の波形状の先端側が狭持されて、センサ素子部材123と接触している。
更に、アンモニアセンサ121の後端側には、その周囲を覆う様に、主体金具137に外筒141が外嵌されており、外筒141の後端側には、(リード線129が貫挿された)セラミックセパレータ143及びグロメット145が内嵌されている。尚、セラミックセパレータ143内に接続端子127が配置され、グロメット145により外筒141の後端側が封止されている。
本実施例の構造のアンモニアセンサ121においても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施しうることはいうまでもない。
例えばヒータの位置については、素子部と一体ではなく別体としてもよい。また、白金抵抗体とヒータの位置が、上下反転した構成を用いることも可能である。
固体超強酸物質の構成を示す説明図である。 実施例1のアンモニアセンサの素子部の全体及び分解した状態を示す説明図である。 実施例1の素子部の図1におけるA−A’断面図である。 実施例1のアンモニアセンサの全体構成を破断して示す説明図である。 アンモニアセンサの使用方法を示す説明図である。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例1のNH3濃度に対するインピーダンスの変化を示すグラフである。 実験例2のアンモニアセンサの選択性を示すグラフである。 実験例2のアンモニアセンサの選択性を示すグラフである。 実験例3の素子温制御無しの場合のガス温依存性を示すグラフである。 実験例3の素子温制御有りの場合のガス温依存性を示すグラフである。 感応層のNH3−TPDを示すグラフである。 実験例4の素子温におけるNH3ガス応答性を示すグラフである。 実験例4の素子温におけるNH3ガス応答性を示すグラフである。 実施例2のアンモニアセンサの素子部の全体及び分解した状態を示す説明図である。 実施例2の素子部の図24におけるB−B’断面図である。 実験例5の耐熱耐久実験の結果を示すグラフである。 実験例6の耐熱耐久実験における結晶構造の特徴を示すグラフである。 実施例4のアンモニアセンサの全体構成を破断して示す説明図である。
符号の説明
1、101、121…アンモニアセンサ
3、103…素子部
5、105…絶縁基板
6、102、123…センサ素子部材
7、9、107、109…リード部
11、13…櫛歯電極
15、115…感応層
17、117…保護層
19、119…ヒータ
21、121…温度センサ
111…下部電極
115…上部電極

Claims (16)

  1. 一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、
    前記感応部が、ハメットの酸度関数HOにして−11.93以下であり、且つ、ゼオラ
    イトを除く固体超強酸物質を含むことを特徴とするアンモニアセンサ。
  2. 一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、
    前記感応部が、ハメットの酸度関数HOにして−11.93以下の固体超強酸物質を含
    むとともに、該固体超強酸物質を構成する主成分の酸化物と副成分の酸化物もしくは酸化物イオンとが、化学結合していることを特徴とするアンモニアセンサ。
  3. 一対の電極と、該一対の電極に接して設けられた感応部と、を有する素子部を備えたアンモニアセンサにおいて、
    前記感応部が、Fe23、TiO2、ZrO2、HfO2、SnO2、Al23、SiO2
    から選ばれる1種の酸化物を主成分とし、且つ、副成分としてWO3、MoO3、B23、SO4 2-、PO4 3-から選ばれる少なくとも1種を含有する固体超強酸物質を含むことを特徴とするアンモニアセンサ。
  4. 前記固体超強酸物質が、WO3/ZrO2、SO4 2-/ZrO2、PO4 3-/ZrO2、SO4 2-/TiO2から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  5. 前記固体超強酸物質が、ZrO2を主成分とする担体の表面に、副成分としてWO3、MoO3、B23、SO4 2-、PO4 3-から選ばれる少なくとも1種を結合させた複合酸化物
    であり、
    前記担体が、結晶構造の安定化剤を含有することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  6. 前記結晶構造の安定化剤が、CaO、MgO、Y23、Yb23、Ga23から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記請求項5に記載のアンモニアセンサ。
  7. 前記Y23の含有量が、4mol%以上であることを特徴とする前記請求項6に記載のア
    ンモニアセンサ。
  8. 前記Y23の含有量が、6mol%以上であることを特徴とする前記請求項6に記載のア
    ンモニアセンサ。
  9. 前記固体超強酸物質の酸量が、0.05mmol/g以上であることを特徴とする前記請求
    項1〜8のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  10. 前記主成分と前記副成分との合計を100mol%としたときに、前記副成分が1〜25mol%であることを特徴とする前記請求項2〜9のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  11. 前記感応部が、ZrO2を主体とし、少なくともWを含むものである場合には、前記感
    応部における前記Wの含有量が、WO3換算で1.5〜30重量%であることを特徴とす
    る前記請求項1〜10のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  12. 前記感応部を覆う保護層を備えたことを特徴とする前記請求項1〜11のいずれかに記
    載のアンモニアセンサ。
  13. 更に、前記素子部を加熱するヒータを備えたことを特徴とする前記請求項1〜12のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
  14. 前記アンモニアセンサは、前記ヒータが埋設された絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された一対の電極と、該一対の電極を被覆するように形成された感応部と、を備えたことを特徴とする前記請求項13に記載のアンモニアセンサ。
  15. 前記アンモニアセンサは、前記ヒータが埋設された絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された下部電極と、該下部電極を被覆するように形成された感応部と、該感応部上に形成された上部電極と、を備えたことを特徴とする前記請求項13に記載のアンモニアセンサ。
  16. 更に、素子温度を検出する素子温度検出手段と、
    前記素子温度が所定の温度範囲となるように前記ヒータを制御する温度制御手段と、
    を備えたことを特徴とする前記請求項13〜15のいずれかに記載のアンモニアセンサ。
JP2003328322A 2002-09-25 2003-09-19 アンモニアセンサ Expired - Fee Related JP3950833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003328322A JP3950833B2 (ja) 2002-09-25 2003-09-19 アンモニアセンサ

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002279680 2002-09-25
JP2003051346 2003-02-27
JP2003275327 2003-07-16
JP2003326576 2003-09-18
JP2003328322A JP3950833B2 (ja) 2002-09-25 2003-09-19 アンモニアセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005114355A true JP2005114355A (ja) 2005-04-28
JP3950833B2 JP3950833B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=34557740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003328322A Expired - Fee Related JP3950833B2 (ja) 2002-09-25 2003-09-19 アンモニアセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3950833B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007155529A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ及びその製造方法
WO2007114192A1 (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology ガス検知素子及びその製造方法
JP2007322184A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ
JP2008268049A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ
WO2008140024A1 (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Ideal Star Inc. ガスセンサー、これを用いた気体計測システム、およびそのための気体検知モジュール
JP2009002917A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ及びその製造方法
JP2009133808A (ja) * 2007-11-08 2009-06-18 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ及びガスセンサ制御装置
JP2010038806A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Ngk Spark Plug Co Ltd マルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置
JP2010071658A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアセンサ
US7887940B2 (en) 2005-12-13 2011-02-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrolyte membrane, electrode, and fuel cell
JP2011509234A (ja) * 2008-01-09 2011-03-24 ロデイア・オペラシヨン 酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化タングステンをベースとする組成物、調製方法および触媒または触媒担体としての使用
EP2317091A1 (en) 2009-11-02 2011-05-04 Honda Motor Co., Ltd. Exhaust purification system for internal combustion engine
KR101774757B1 (ko) * 2011-10-13 2017-09-07 한국전자통신연구원 가스 센서, 그의 제조 및 사용 방법
JP2018105704A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 株式会社Soken アンモニアセンサ素子
JP2019020299A (ja) * 2017-07-19 2019-02-07 株式会社Soken アンモニアセンサ素子及びアンモニアセンサ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111524995B (zh) * 2020-04-21 2022-02-15 昌吉学院 β-Ga2O3/GaN异质结日盲/可见盲双色紫外探测器及其制备方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007155529A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ及びその製造方法
US7887940B2 (en) 2005-12-13 2011-02-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrolyte membrane, electrode, and fuel cell
WO2007114192A1 (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry, Science And Technology ガス検知素子及びその製造方法
JPWO2007114192A1 (ja) * 2006-03-29 2009-08-13 財団法人北九州産業学術推進機構 ガス検知素子及びその製造方法
JP4565092B2 (ja) * 2006-03-29 2010-10-20 財団法人北九州産業学術推進機構 ガス検知素子及びその製造方法
JP2007322184A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ
JP2008268049A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアガスセンサ
WO2008140024A1 (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Ideal Star Inc. ガスセンサー、これを用いた気体計測システム、およびそのための気体検知モジュール
US8381587B2 (en) 2007-05-08 2013-02-26 Ideal Star Inc. Gas sensor, gas measuring system using the gas sensor, and gas detection module for the gas sensor
JP2009002917A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ及びその製造方法
JP2009133808A (ja) * 2007-11-08 2009-06-18 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ及びガスセンサ制御装置
JP2011509234A (ja) * 2008-01-09 2011-03-24 ロデイア・オペラシヨン 酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび酸化タングステンをベースとする組成物、調製方法および触媒または触媒担体としての使用
KR101208888B1 (ko) * 2008-01-09 2012-12-05 마그네슘 일렉트론 리미티드 산화 지르코늄, 산화 이트륨, 및 산화 텅스텐 기재 조성물, 제조 방법 및 촉매 또는 촉매 지지체로서의 용도
JP2010038806A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Ngk Spark Plug Co Ltd マルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置
JP2010071658A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ngk Spark Plug Co Ltd アンモニアセンサ
EP2317091A1 (en) 2009-11-02 2011-05-04 Honda Motor Co., Ltd. Exhaust purification system for internal combustion engine
KR101774757B1 (ko) * 2011-10-13 2017-09-07 한국전자통신연구원 가스 센서, 그의 제조 및 사용 방법
JP2018105704A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 株式会社Soken アンモニアセンサ素子
JP2019020299A (ja) * 2017-07-19 2019-02-07 株式会社Soken アンモニアセンサ素子及びアンモニアセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3950833B2 (ja) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3950833B2 (ja) アンモニアセンサ
US7341694B2 (en) Ammonia sensor
JPH11223617A (ja) 二酸化硫黄ガスセンサ
JP2010519514A (ja) 選択性および検出感度の改善されたNOxセンサー
KR20170067775A (ko) 전류 측정 고체 전해질 센서 및 NH3 및 NOx 검출 센서
WO2010062566A2 (en) Ammonia gas sensor method and device
JP5728426B2 (ja) マルチガスセンサの製造方法
EP1831665A2 (en) Ammonia gas sensor method and device
US20070029210A1 (en) High temperature total NOx sensor
JP2003107047A (ja) ガス濃度検出素子
JP2011069705A (ja) アンモニアセンサ素子及びプロトン導電性固体電解質体の製造方法
JP2002031618A (ja) ガスセンサ
CN112601954A (zh) 用于测量氮氧化物的方法和用于执行该方法的装置
JP2007155529A (ja) アンモニアガスセンサ及びその製造方法
JP2000121597A (ja) 酸素センサ及びその製造方法
JP2020071080A (ja) アンモニア検出装置
JP2006071479A (ja) アンモニアガス用感応材料の製造方法及びアンモニアガスセンサの製造方法
JP5107844B2 (ja) アンモニアセンサ
JP2016128776A (ja) アンモニア検出素子及びアンモニアセンサ
JP2006071480A (ja) アンモニアガスセンサ
JP2003254924A (ja) 窒素酸化物センサ
JP2000180397A (ja) 排気ガス用NOx測定素子
JP4806232B2 (ja) 半導体ガスセンサ及びガスクロマトグラフ用半導体ガスセンサ
JP3296092B2 (ja) 窒素酸化物センサ
JPH0466858A (ja) 一酸化炭素ガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees