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JP2005106544A - 放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法 Download PDF

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JP2005106544A JP2003338464A JP2003338464A JP2005106544A JP 2005106544 A JP2005106544 A JP 2005106544A JP 2003338464 A JP2003338464 A JP 2003338464A JP 2003338464 A JP2003338464 A JP 2003338464A JP 2005106544 A JP2005106544 A JP 2005106544A
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Noriyuki Mishina
紀之 三科
Akihiro Maezawa
明弘 前澤
Takafumi Yanagida
貴文 柳多
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Konica Minolta Medical and Graphic Inc
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Abstract

【課題】輝度及び鮮鋭性の劣化がなくコントラストに優れた放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】放射線像変換パネルは、支持体11上に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層12を備え、この輝尽性蛍光体層12は、気相堆積法により支持体11上に形成されて輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層12aと、気相堆積法により柱状結晶構造の層12aの上に形成されて母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層12bとを備える。そして、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層12bは、最も支配的な成長方向が(200)面である。
【選択図】図1

Description

本発明は、支持体上に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法に関する。
従来より、放射線画像を得るために銀塩を使用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、銀塩を使用しないで放射線像を画像化する方法が開発されている。すなわち、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体に吸収させ、その後、この輝尽性蛍光体をある種のエネルギーで励起してこの輝尽性蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を検出して画像化する方法が開示されている。
具体的な方法としては、支持体上に輝尽性蛍光体層を設けたパネルを用い、励起エネルギーとして可視光線及び赤外線の一方又は両方を用いる放射線画像変換方法が知られている(特許文献1参照)。
ところで、近年、高輝度、高感度、高鮮鋭性の輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換方法として、CsBrなどのハロゲン化アルカリを母体にEuを賦活した輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルが提案されている。特にEuを賦活剤とすることで、従来不可能であったX線変換効率の向上が可能になるとされている。
また、診断画像の解析においてより高鮮鋭性の放射線画像変換パネルが要求されており、鮮鋭性改善のための手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状そのものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試みがされている。
これらの試みの1つとして、例えば、気相堆積法によって支持体上に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記柱状結晶構造を有する輝尽性蛍光体層は、支持体界面において柱状結晶構造が乱れるため、柱状結晶構造層の底部にて励起半導体レーザーが拡散し、鮮鋭性を低下させるという問題がある。
そこで、蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造を電子線蒸着法により形成し、この柱状結晶構造の上に蛍光体の母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造を、電子線蒸着法により積層することによって蛍光体層を形成した放射線像変換パネルが知られている(特許文献3参照)。
米国特許第3,859,527号明細書 特開平2−58000号公報 特開2003−50298号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載の放射線像変換パネルにおいて、画質特性を決定する母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体層の結晶面が規定されておらず、未だ輝度及び鮮鋭性の劣化が問題とされており、また、放射線像変換パネルのX線吸収特性が規定されていないため、放射線像変換パネルに吸収されず透過したX線が、パネルの後方で散乱/反射し、透過したX線が再び放射線像変換パネルに吸収されるためコントラストの低下を招くことが問題とされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、輝度及び鮮鋭性の劣化がなくコントラストに優れた放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、支持体上に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を備えた放射線像変換パネルであって、
前記輝尽性蛍光体層は、気相堆積法により前記支持体上に形成されて輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層と、
気相堆積法により前記柱状結晶構造の層の上に形成されて母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層とを備え、
前記母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層は、最も支配的な成長方向が(200)面であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、輝尽性蛍光体層が、支持体上に形成されて母体成分からなる柱状結晶構造の層と、該柱状結晶構造の層の上に形成されて母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層とを備え、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層は、最も支配的な成長方向が(200)面であるので、支持体上に直接、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層を形成する場合に比して、結晶が乱れた状態で存在する支持体界面上に輝尽性蛍光体の層が形成されない。すなわち、予め支持体上に形成された母体成分からなる柱状結晶構造の層を下引きにして、輝尽性蛍光体の層を形成することで、結晶面を制御することができ、結晶性に極めて優れた輝尽性蛍光体の層を形成することが可能となる。そして、本発明では、この輝尽性蛍光体の層の成長方向を(200)面と規定することによって、従来に比べて輝度及び鮮鋭性の劣化がなくコントラストに優れ、放射線画像の画質を格段に向上させることができる。
また、被写体を透過し、放射線像変換パネルを透過した放射線(X線)が、障壁により反射した場合に、この反射した後方散乱線が母体成分からなる柱状結晶構造の層で吸収される。よって、後方散乱線による輝尽性蛍光体の層への影響も除去することができ、この点においても、得られた放射線画像の輝度及び鮮鋭性の劣化、コントラストの低下を防ぐことができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の放射線像変換パネルにおいて、
前記母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層の膜厚が300μm〜800μmであることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層の膜厚が300μm〜800μmであるので、必要とされる放射線吸収量を満たすことができ、輝度、鮮鋭性及びコントラストに優れた画質を得ることができる。
ここで、前記輝尽性蛍光体の層の膜厚を300μm〜800μmとしたのは、膜厚が300μm未満と薄い場合には、放射線吸収量が少なく透過量が多くなり、得られた放射線画像の画質が低下してしまうためである。一方、膜厚が800μmより厚い場合には、輝尽発光成分の散乱が大きくなるため、画質低下、特に鮮鋭性低下を招くこととなるためである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の放射線像変換パネルにおいて、
X線エネルギーが80kVp以下であるX線に対して80%〜100%の吸収特性を有することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、X線エネルギーが80kVp以下であるX線に対して80%以上の吸収特性を有するので、必要とされる放射線吸収量を満たすことができ、輝度、鮮鋭性及びコントラストに優れた画質を得ることができる。また、放射線(X線)を十分に吸収するため、放射線像変換パネルを透過するX線量が少なく、後方散乱線によるコントラスト低下を防ぐことができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体層は、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体を含有していることを特徴とする。
一般式(1)
1X・aM2X’2・bM3X”3:eA
[式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M2はM1以外のLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M3はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Yからなる群から選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。]
請求項4の発明によれば、輝尽性蛍光体層が上記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体としているので、高感度、高精鋭性を両立する輝尽性蛍光体層とすることができ、放射線画像の画質を格段に向上させることができる。
請求項5の発明は、抵抗加熱法による蒸着を使用した気相堆積法により請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線像変換パネルを製造することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、抵抗加熱法による蒸着を使用した気相堆積法により放射線像変換パネルを製造するので、その他の電子ビーム加熱法、高周波誘導による加熱法等に比して装置全体の構成が比較的簡単で取り扱いが容易で、かつ、安価であり、非常に多くの物質に適用可能となる。
本発明に係る放射線像変換パネル及び製造方法によれば、輝尽性蛍光体層が、支持体上に形成されて母体成分からなる柱状結晶構造の層と、該柱状結晶構造の層の上に形成されて母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層とを備え、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層は、最も支配的な成長方向が(200)面であるので、予め支持体上に形成された母体成分からなる柱状結晶構造の層を下引きにして、輝尽性蛍光体の層を形成することで、結晶面を制御することができ、結晶性に極めて優れた輝尽性蛍光体の層を形成することが可能となる。
また、輝尽性蛍光体の層の成長方向を(200)面と規定することによって、従来に比べて輝度及び鮮鋭性の劣化がなくコントラストに優れ、放射線画像の画質を格段に向上させることができる。
以下、本発明に係る放射線像変換パネル及び放射線像変換パネルの製造方法について詳細に説明する。
本発明の放射線像変換パネルは、図1に示すように支持体11と、該支持体11上に形成されて輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層12とを備えている。
輝尽性蛍光体層12は、支持体11上に輝尽性蛍光体の母体成分からなり気相堆積法により形成された柱状結晶構造の層12aと、該柱状結晶構造の層12aの上に母体成分と賦活剤成分とからなり気相堆積法により積層された柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層12bとを備えている。
そして、本発明者等は、輝尽性蛍光体の層12bの結晶面を(200)面に規定することによって、輝度及び鮮鋭性の劣化がなく、コントラストに優れ、放射線画像の画質を格段に向上させることができることを見いだした。
なお、図1中、符号13は、輝尽性蛍光体の柱状結晶であり、符号14は、柱状結晶13間に形成された間隙を示している。
本発明で使用される支持体は、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、気相堆積法により輝尽性蛍光体層を形成する際の支持体となる場合には、石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート及び炭素繊維強化シートが好ましい。
また、支持体には、その表面を平滑な面とするために樹脂層を有することが好ましい。
樹脂層は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、パラフィン、グラファイト等の化合物を含有することが好ましく、その膜厚は、約5μm〜50μmであることが好ましい。この樹脂層は、支持体の表面に設けても裏面に設けても両面に設けても良い。
また、支持体上に樹脂層を設ける手段としては、貼合法、塗設法等の手段が挙げられる。
貼合は加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件としては約80〜150℃が好ましく、加圧条件としては4.90×10〜2.94×102N/cm、搬送速度は0.1〜2.0m/秒が好ましい。
本発明の輝尽性蛍光体層の膜厚は、放射線像像変換パネルの使用目的によって、また輝尽性蛍光体の種類により異なるが、本発明の効果を得る観点から50μm〜2000μmであり、好ましくは100μm〜1000μmであり、さらに好ましくは400μm〜900μmである。
特に、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層の膜厚は、300μm〜800μmであることが好ましい。
ここで、輝尽性蛍光体の層の膜厚を300μm〜800μmとしたのは、膜厚が300μm未満と薄い場合には、放射線吸収量が少なく透過量が多くなり、得られた放射線画像の画質が低下してしまうためである。一方、膜厚が800μmより厚い場合には、輝尽発光成分の散乱が大きくなるため、画質低下、特に鮮鋭性低下を招くこととなるためである。
また、放射線像変換パネルは、X線エネルギーが80kVp以下であるX線に対して80%以上〜100%以下の吸収特性を有することが好ましい。
ここで、80%以上〜100%以下としたのは、X線吸収率が80%を下回る場合には、必要とされる放射線吸収量を満たすことができず、また、放射線像変換パネルを透過するX線量が多くなるため、後方散乱線によるコントラスト低下が生じ、放射線画像の画質低下を招くこととなるためである。
また、X線吸収率は、輝尽性蛍光体層のX線吸収物質の充填率や膜厚等によって調整することができる。
また、輝尽性蛍光層は、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体を含有している。
一般式(1)
1X・aM2X’2・bM3X”3:eA
[式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M2はM1以外のLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M3はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Yからなる群から選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。]
上記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、M1は、Na、K、Rb及びCs等の各原子から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子を表し、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、さらに好ましくはCs原子である。
2は、M1以外のLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子を表し、中でもNa、K、Rbの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましい。
3はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属原子を表し、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、La、Gd及びLu等の各原子から選ばれる三価の金属原子である。
Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Yからなる群から選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、中でも好ましくはEu原子である。
輝尽性蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点から、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも一種のハロゲン原子を表すが、F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が好ましく、Br原子が更に好ましい。
また、一般式(1)において、b値は0≦b<0.5であるが、好ましくは、0≦b<10-2である。
本発明の一般式(1)で表される輝尽性蛍光体は、例えば以下に述べる方法により製造される。
蛍光体原料としては、
(a)NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1種もしくは2種以上の化合物が用いられる。
(b)MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCI2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の化合物が用いられる。
(c)前記一般式(1)において、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を有する化合物が用いられる。
上記の数値範囲の混合組成になるように前記(a)〜(c)の蛍光体原料を秤量し、純水にて溶解する。
この際、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合しても良い。
次に、得られた水溶液のpH値Cを0<C<7に調整するように所定の酸を加えた後、水分を蒸発気化させる。
次に、得られた原料混合物を石英ルツボあるいはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉中で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が好ましい。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気あるいは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が好ましい。
なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ焼成条件で再焼成を行えば輝尽性蛍光体の発光輝度を更に高めることができ、また、焼成物を焼成温度より室温に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷することによっても所望の輝尽性蛍光体を得ることができるが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気のままで冷却しても良い。
また、焼成物を電気炉内で加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得られた輝尽性蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高めることができ好ましい。
また、本発明の輝尽性蛍光体層は気相堆積法によって形成される。
輝尽性蛍光体の気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、その他を用いることができるが、本発明では特に蒸着法が好ましい。
以下、本発明に好適な蒸着法について説明する。なお、ここでは図3に示す蒸着装置を使用して支持体に輝尽性蛍光体を蒸着するので、蒸着装置の説明とともに説明する。
図3に示すように、蒸着装置1は、真空容器2と、該真空容器2内に設けられて支持体11に蒸気を蒸着させる蒸発源3と、支持体11を保持する支持体ホルダ4と、該支持体ホルダ4を蒸発源3に対して水平方向に往復移動させることによって該蒸発源3からの蒸気を蒸着させる支持体搬送機構5と、支持体11と蒸発源3との間に設けられて蒸発源3から支持体11に至る空間を遮断するようにスリット6が形成された防着板7と、真空容器2内の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ8等を備えている。なお、スリット6は、支持体11の搬送方向Aと直交する方向に形成されている。
蒸発源3は、輝尽性蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、輝尽性蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では、比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から抵抗加熱法が好ましい。また、蒸発源3は分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
支持体搬送機構5は、例えば、支持体ホルダ4を水平方向に搬送する搬送用ワイヤ5aとガイドレール5b、駆動源であるモータ(図示しない)等から構成されている。
また、支持体ホルダ4には、支持体11を加熱する加熱ヒータ4aを備えることが好ましい。支持体11を加熱することによって、支持体11表面の吸着物を離脱・除去し、支持体11表面と輝尽性蛍光体との間に不純物層の発生を防いだり、密着性の強化や輝尽性蛍光体層の膜質調整を行うことができる。
このように構成された蒸着装置1を使用して、支持体11に輝尽性蛍光体層12を形成するには、はじめに輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層12aを形成した後、母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層12bを形成する。
すなわち、まず、輝尽性蛍光体の母体化合物が収容された蒸発源3を真空容器2内に設置し、支持体ホルダ4に支持体11を取り付ける。
次いで、真空容器2内を真空排気する。このとき、Arガス、Neガス等の不活性ガスを導入しても良い。
その後、支持体搬送機構5により支持体ホルダ4を水平方向に往復移動させ、蒸着可能な真空度(例えば1×10-5〜1×10-2Pa程度)に真空容器2が達したら、加熱された蒸発源3から輝尽性蛍光体の母体化合物を蒸発させて、防着板7のスリット6を介して支持体11表面に輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層12aを所望の厚さに成長させる。
次いで、輝尽性蛍光体の母体化合物と賦活剤とからなる混合物が収容された蒸発源3を使用して、上記手順と同様に、支持体11上に形成された母体成分からなる柱状結晶構造の層12aの上に輝尽性性蛍光体の層12bを所望の厚さに成長させる。このとき、母体化合物が収容された蒸発源と、母体成分と賦活剤成分とからなる混合物が収容された蒸発源の両方が、まとめて真空容器2内に配置されていても良いし、一旦、母体成分からなる柱状結晶構造の層12aを設けた後、真空容器2を大気開放し、母体成分と賦活剤とからなる混合物が収容された蒸発源を設け、母体成分と賦活剤とからなる輝尽性蛍光体の層12bを設けても良い。
なお、輝尽性蛍光体の母体化合物や輝尽性蛍光体混合物は、加圧圧縮によりタブレットの形状に加工しておくことも可能である。
また、輝尽性蛍光体の母体化合物の代わりにその原料もしくは原料混合物を用いても構わない。
図2は、支持体11上に輝尽性蛍光体層12が蒸着により形成される具体的な様子を示す図である。支持体ホルダ4に固定された支持体11面の法線方向(R)に対する輝尽性蛍光体の蒸気流15の入射角度をθ2(図では60°)とし、形成される柱状結晶13の支持体面の法線方向(R)に対する角度をθ1(図では30°)とすると、経験的にはθ1はθ2の約半分となり、この角度で柱状結晶13が形成される。なお、図3では、蒸気流15の入射角度θ2が0°に設定されている場合である。
ここでは、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層12が形成されるが、柱状結晶13の間に形成された間隙14に結着剤等の充填物を充填しても良く、輝尽性蛍光体層12の補強となるほか、高光吸収の物質、高光反射の物質を充填しても良い。これにより補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層12に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効である。
また、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。さらに、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体(支持体、保護層又は中間層)を冷却あるいは加熱しても良い。
さらに、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理することが好ましい。また、蒸着法においては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
上記の気相堆積法による輝尽性蛍光体層の形成にあたり、輝尽性蛍光体層が形成される支持体の温度は、室温(rt)〜300℃に設定することが好ましく、さらに好ましくは50〜200℃である。
以上のようにして輝尽性蛍光体層を形成した後、必要に応じて輝尽性蛍光体層の支持体とは反対の側に保護層を設けることにより本発明の放射線画像変換パネルを製造する。保護層は、保護層用の塗布液を輝尽性蛍光体層の表面に直接塗布して形成もよいし、また、予め別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層に接着してもよい。
保護層の材料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの通常の保護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護層として用いることもできる。
また、この保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよい。これらの保護層の層厚は0.1μm〜2000μmが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
下記の方法にしたがって実施例1〜5、比較例1〜3の放射線像変換パネルを作製した。
[実施例1]
(放射線像変換パネルの作製)
1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)支持体の表面に図3で示した蒸着装置1(但し、図2においてθ1=5度、θ2=5度に設定する)を用いて、輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層(CsBr)、次いで、母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体の層を形成した。
すなわち、蒸着装置1においては、アルミニウム製の防着板7を用い、支持体11と防着板7との距離を60cmとして、支持体11と平行な方向に支持体11を搬送しながら蒸着を行った。
蒸着装置1内を一旦排気した後、Arガス導入にて1.0×10-2Paに真空度を調整し、支持体11の温度を約150℃に保持しながら蒸着した。
CsBr層の膜厚が100μmとなったところで蒸着を終了し、次いで、CsBr:Eu層の膜厚が300μmとなったところで蒸着を終了した。
次いで、乾燥空気内で輝尽性蛍光体層を保護層袋に入れ、輝尽性蛍光体層が密封された構造の放射線像変換パネルを得た。
また、得られた放射線像変換パネルについて、保護層袋を排除した後、X線回折装置(理学電気株式会社製)を用いて輝尽性蛍光体操のX線回折測定を行ったところ、主な結晶成長方向が(200)面であった。また、80kVp以下のX線に対するX線吸収率を測定したところ83%であった。なお、X線吸収特性の評価方法については後述する。
[実施例2]
CsBr:Eu層の膜厚を500μmとした以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は89%であった。
[実施例3]
CsBr:Eu層の膜厚を800μmとした以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は95%であった。
[実施例4]
CsBr:Eu層の膜厚を1000μmとした以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は96%であった。
[実施例5]
CsBr:Eu層の膜厚を200μmとした以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は78%であった。
[比較例1]
CsBr層を形成せずに、支持体上に直接、CsBr:Eu層を、膜厚が300μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は78%であった。
[比較例2]
CsBr層を形成せずに、支持体上に直接、CsBr:Eu層を、膜厚が400μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(200)面であり、X線吸収率は83%であった。
[比較例3]
CsBr:Eu層の膜厚を300μmとした以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作製した。このとき、得られた放射線像変換パネルの主な結晶成長方向は(110)面であり、X線吸収率は83%であった。
そして、以上のようにして得られた放射線像変換パネルについて下記のような評価を行った。
《輝度》
輝度の測定は、各放射線像変換パネルについて、管弾圧80kVpのX線を放射線像変換パネルに照射した後、パネルを100mWの半導体レーザー光(680nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定義した。輝度は高いほど良好であることを示し、実施例1の放射線像変換パネルの値を100とし、相対評価を行った。表1にその結果を示す。
《鮮鋭性》
鮮鋭性は、放射線像変換パネルにMTF測定用矩形波チャートtype.No9(極光(株)製)を通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルを100mWの半導体レーザー(680nm)で走査して励起し、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光を、光電子増倍管(浜松ホトニクス製:光電子増倍管R1305)を用いて受光して電気信号に変換し、アナログ/デジタル変換して磁気テープにより記録した。記録した磁気テープをコンピュータで分析して磁気テープに記録されているX線増の変調伝達関数(MTF)値を求めた。MTFは空間周波数1サイクル(1p)/mmMTF%で示した。
鮮鋭性は高いほど良好であることを示し、実施例1の放射線像変換パネルの値を100とし、相対評価を行った。表1にその結果を示す。
《コントラスト評価》
コントラストは、放射線増変換パネルに直径の異なる円形の鉛ディスク(5/10/20/40mmφ)を貼り付け、管電圧80kVpのX線撮影を行い、上記と同様の方法で画像データを得た。各ディスク中心と周辺の信号値差(コントラスト)をコンピュータで分析し、ディスク径との近似より0mmのコントラスト値を求めた。
コントラスト値は低いほど良好であることを示し、実施例1の放射線像変換パネルの値を100として相対評価を行った。表1にその結果を示す。
《X線吸収特性評価》
80kVpで運転されるタングステン・ターゲット管から生じたX線を、200mA・secの条件にてX線照射を行い、ターゲット管のタングステン・アノードから105cmの位置に配した電離型線量計(東洋メディック製:アイオネックスドーズマスター2590B)を用いて到達X線量:Bを測定した。
次いで、ターゲット管のタングステン・アノードから100cmの位置に放射線像変換パネルを配し、上記と同様な条件にてX線照射を行い、放射線像変換パネルを透過したX線量:Dを、電離型線量計を用いて測定し、以下の算出式にてX線吸収特性(%)を求めた。
X線吸収特性(%)=(D/B)×100
Figure 2005106544
以上、表1の結果から明らかなように、支持体上に母体成分からなるCsBr層を形成した後に、このCsBr層上に母体成分と賦活剤成分とからなるCsBr:Eu層を形成した実施例1〜実施例5の放射線像変換パネルは、支持体上に直接、CsBr:Eu層を形成した比較例1、比較例2の放射線像変換パネルに比べて、輝度及び鮮鋭性が高く、コントラストが低く、輝度、鮮鋭性、コントラストの点で優れていた。
また、比較例3のようにCsBr:Eu層の主な結晶成長方向が(110)の場合、実施例1〜5のようにCsBr:Eu層の主な結晶成長方向が(200)の場合に比べて、輝度、鮮鋭性及びコントラストの点で優れていた。
また、膜厚が1000μmのCsBr:Eu層を有する実施例4は、300μm〜800μmのCsBr:Eu層を有する実施例1〜実施例3に比べて、輝度やコントラストは良好であるものの鮮鋭性は低下していた。一方、膜厚が200μmのCsBr:Eu層を有する実施例5は、実施例1〜実施例3に比べて、鮮鋭性やコントラストは良好であるもののX線吸収率が低く、輝度に低下が見られた。
したがって、支持体上に母体成分からなるCsBr層を形成して、このCsBr層を下引きとしてCsBr層上に母体成分と賦活剤成分とからなるCsBr:Eu層を形成することで、結晶面を制御することができ、結晶性に極めて優れたCsBr:Eu層を形成することができる。また、特に本発明では、CsBr:Eu層の主な結晶成長方向を(200)面に規定し、さらには、CsBr:Eu層の膜厚を300μm〜800μmの範囲内とすることによって、輝度及び鮮鋭性の劣化がなくコントラストに優れ、放射線画像の画質を格段に向上させることができる。
支持体上に形成した輝尽性蛍光体層の一例を示す概略断面図である。 支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着法により形成される様子を示す図である。 蒸着装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 蒸着装置
2 真空容器
3 蒸発源
5 支持体搬送機構
6 スリット
7 防着板
11 支持体
12 輝尽性蛍光体層
12a 輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層
12b 輝尽性蛍光体の母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層

Claims (5)

  1. 支持体上に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を備えた放射線像変換パネルであって、
    前記輝尽性蛍光体層は、気相堆積法により前記支持体上に形成されて輝尽性蛍光体の母体成分からなる柱状結晶構造の層と、
    気相堆積法により前記柱状結晶構造の層の上に形成されて母体成分と賦活剤成分とからなる柱状結晶構造の輝尽性蛍光体の層とを備え、
    前記母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層は、最も支配的な成長方向が(200)面であることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 前記母体成分と賦活剤成分とからなる輝尽性蛍光体の層の膜厚が300μm〜800μmであることを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. X線エネルギーが80kVp以下であるX線に対して80%〜100%の吸収特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 前記輝尽性蛍光体層は、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線像変換パネル。
    一般式(1)
    1X・aM2X’2・bM3X”3:eA
    [式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M2はM1以外のLi、Na、K、Rb、及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M3はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Yからなる群から選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。]
  5. 抵抗加熱法による蒸着を使用した気相堆積法により請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線像変換パネルを製造する放射線像変換パネルの製造方法。
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