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JP2005103696A - 研磨装置 - Google Patents

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JP2005103696A
JP2005103696A JP2003339951A JP2003339951A JP2005103696A JP 2005103696 A JP2005103696 A JP 2005103696A JP 2003339951 A JP2003339951 A JP 2003339951A JP 2003339951 A JP2003339951 A JP 2003339951A JP 2005103696 A JP2005103696 A JP 2005103696A
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polishing
polishing liquid
semiconductor wafer
polished
fixed abrasive
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JP2003339951A
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English (en)
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Keiichi Nagasawa
圭一 長澤
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Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
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Abstract

【課題】 被研磨物と研磨手段との間に研磨液を均等に供給して,被研磨物を高精度で平坦化することの可能な研磨装置を提供すること。
【解決手段】 被研磨物5を保持するチャック手段202と,チャック手段202の上方に配置された研磨手段300とを備え,研磨手段300を回転させながら被研磨物5の被研磨面に押圧することにより被研磨面を研磨する研磨装置が提供される。この研磨装置は,研磨手段300の下方に配置され,研磨液を下方から研磨手段300に噴射する研磨液供給手段410を備えることを特徴とする。かかる構成により,研磨液供給手段410は,研磨手段300に対して下方から研磨液を直接吹き付けることができるので,研磨手段300の表面全体に均等に研磨液を供給することができる。このため,被研磨物5と研磨手段300との間に研磨液を均等に供給できるので,被研磨物5を高精度で研磨できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は,研磨装置にかかり,特に,研磨液を供給しながら被研磨物を研磨する研磨装置に関する。
近年,LSI高集積化技術の一つとして,多層配線化技術が急速に普及している。この多層配線化技術は,半導体ウェハに半導体回路を立体的に形成して,単位面積当たりの回路規模を増大させる技術である。かかる多層配線化を行うためには,ウェハ処理工程において新たな配線を積層する前に,ベースとなる下層の表面を,浅い焦点深度でも余裕を持った露光を行えるように,CMP(Chemical Mechanical Po1ishing:化学的機械的研磨法)によって高精度で平坦化する必要がある。
また,CMPは,LSIの高速動作を実現する銅配線技術に必要なダマシンプロセスにとっても必須となっている。このダマシンプロセスとは,配線材料の埋め込み技術であり,絶縁膜に溝加工を施して,そこに配線材料を埋め込み,溝外部の余分な薄膜をCMPにより,研磨・除去する技術である。
さらに,近年,半導体デバイスの小型化,薄厚化の要請から,半導体ウェハの薄厚化が求められている。このため,半導体ウェハの裏面を砥石などで機械的に研削加工した後,この研削により生じた加工歪の除去や抗折強度の向上を目的として,研削後の半導体ウェハ裏面をCMPによって研磨加工している。
このように,半導体デバイスを製造する様々な場面において,CMPが利用されている。このCMPでは,一般的に,不織布の研磨パッドと,例えばシリカなどの遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)とを使用して,半導体ウェハ等の被研磨物の表面が研磨される(例えば,特許文献1参照)。しかし,遊離砥粒を含む研磨液を使用したCMPでは,大部分の遊離砥粒が廃液中に残存してしまうので,廃液処理が困難であるといい問題があった。また,研磨時の砥粒の消費量は,通常,砥粒全体の3〜4%程度であることから,大部分の砥粒が研磨に寄与することなく無駄に消費されているという問題もあった。
これらの問題を解決するため,遊離砥粒を含有しない研磨液(例えばアルカリ溶液)と,研磨パッドに砥粒を含有させた固定砥粒研磨パッドとを使用したCMPが検討されている。かかるCMPでは,大部分の砥粒が研磨に寄与して消費されるため,廃液中に砥粒が殆ど残存しないので,廃液を濾過して再利用することができる。さらに,遊離砥粒を使用した場合と比して,砥粒が無駄にならないので,研磨工程のランニングコストを大幅に低減することも可能である。
このように,遊離砥粒を含有しない研磨液と,固定砥粒研磨パッドとを用いてCMPを行う研磨装置としては,下盤に固定砥粒研磨パッドを装着し,上盤に半導体ウェハを保持して,固定砥粒研磨パッドと半導体ウェハとをともに回転させながら接触させつつ,固定砥粒研磨パッドと半導体ウェハとの間に研磨液を供給することによって,半導体ウェハを研磨する構成の研磨装置が考えられる。
しかし,かかる構成の研磨装置では,下盤に装着された固定砥粒研磨パッドの表面に,半導体ウェハの研磨屑(コンタミネーション)が残留して,固定砥粒研磨パッドが目詰まりを起こし易いという問題があった。
そこで,かかる問題を解決する方法として,上盤と下盤を反対にする,つまり,上盤に固定砥粒研磨パッドを装着し,下盤に半導体ウェハを保持する構成の研磨装置が検討されている。かかる構成の研磨装置によれば,固定砥粒研磨パッドの表面を下向きにして配設できるので,研磨屑の多くが重力によって落下し,固定砥粒研磨パッドが目詰まりを起こし難いという利点がある。
特開平11−70465号公報 特開平10−296618号公報 特開2001−62714号公報
ところで,上記のように,上盤に固定砥粒研磨パッドを装着し,下盤に半導体ウェハを保持する構成の研磨装置において,固定砥粒研磨パッドと半導体ウェハとの間に研磨液を供給する方法としては,特許文献3に記載のように,半導体ウェハの上方に配置されたノズルから,研磨液を半導体ウェハ上に直接供給する方法が考えられる。
しかしながら,半導体ウェハ表面は疎水性を有しており,研磨液を弾いてしまうため,上記のように半導体ウェハ上に直接研磨液を供給すると,供給された研磨液は,遠心力により半導体ウェハの外周部に偏在してしまう。このため,半導体ウェハの外周部のみが集中的に研磨されるので,半導体ウェハを高精度で平坦化できないという問題があった。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,半導体ウェハ等の被研磨物と,固定砥粒研磨パッド等の研磨手段との間に研磨液を均等に供給して,被研磨物を高精度で平坦化することの可能な,新規かつ改良された研磨装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,被研磨物を保持するチャック手段と,チャック手段の上方に配置された研磨手段とを備え,研磨手段を回転させながら被研磨物の被研磨面に押圧することにより被研磨面を研磨する研磨装置が提供される。この研磨装置は,研磨手段の下方に配置され,研磨液を下方から研磨手段に噴射する研磨液供給手段を備えることを特徴とする。
かかる構成により,被研磨物はその被研磨面を略垂直方向上向きにしてチャック手段に保持され,一方,研磨手段はその表面(研磨面)が略垂直方向下向きとなるように配設される。換言すると,上盤に装着された研磨手段と,下盤に保持された被研磨物とが,上下方向に対向するように配置される。
また,研磨液供給手段は,研磨加工時に,研磨液を上方に向けて噴射することにより,上記研磨手段に対して下方から研磨液を吹き付けることができる。このため,研磨液供給手段は,研磨手段の表面に研磨液を直接的に塗布することができるので,研磨手段の表面全体に均等に研磨液を供給することができる。この結果,研磨手段が回転することで,研磨手段の表面と被研磨物の被研磨面との間に研磨液を均等に供給できるので,被研磨面を均等に研磨して高精度で平坦化できる。また,下向きに配置された研磨手段の表面に吹き付けられた研磨液は,自重によりある程度の量が落下するが,これにより研磨手段の表面に付着している研磨屑を洗い流すことができる。
また,上記研磨手段は,砥粒と,砥粒を結合する結合剤とからなる固定砥粒研磨パッドを備え,上記研磨液は砥粒を含有しないように構成してもよい。かかる構成により,固定砥粒研磨パッドに含まれる砥粒は,大部分が研磨加工に消費されるので,砥粒を有効利用することができる。また,研磨液の廃液に砥粒がほとんど含まれていないので,廃液処理が容易になるとともに,研磨液の再利用も可能となる。さらに,固定砥粒研磨パッドに吹き付けられた研磨液はある程度の量が落下するが,固定砥粒研磨パッドは,表面が研磨液で濡れている程度であれば,好適に被研磨面を研磨することができる。むしろ,この落下する研磨液により,固定砥粒研磨パッドの表面に付着している研磨屑を洗い流すことができるので,固定砥粒研磨パッドの目詰まりを好適に防止できる。
また,上記研磨液供給手段は,側面に研磨液噴出用の開口が形成された中空部材であるように構成してもよい。かかる構成により,中空部材の内部に研磨液を高圧で供給することにより,この中空部材の側面の開口から研磨液を噴出させて,研磨手段に吹き付けることができる。
さらに,上記開口はスリットであるように構成してもよい。これにより,スリットの開口幅および開口長を調整することにより,研磨手段に対する研磨液の噴射角および噴射面積を容易に調整できる。さらに,上記開口を中空部材の側面に複数形成してもよい。これにより,研磨液を研磨手段に均等に吹き付けることができる。
また,上記研磨液供給手段は,研磨液を研磨手段に向けて噴霧するスプレー手段を備えるように構成してもよい。かかる構成により,スプレー手段は,霧状の研磨液を研磨手段に噴射することができる。この霧状の研磨液は,微粒子であるため,研磨手段の表面に容易に付着できる。さらに,研磨液を均等に拡散させて,研磨手段の表面全体に均一に塗布することができる。
以上説明したように本発明によれば,研磨液を研磨手段に対して下方から直接噴射するため,被研磨物と研磨手段との間に研磨液を均等に供給することができる。このため,被研磨物の被研磨面全体を均等に研磨して,高精度で平坦化することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に本発明の第1の実施形態にかかる研磨装置について説明する。本実施形態にかかる研磨装置は,例えば,遊離砥粒を含まない研磨液と,固定砥粒研磨パッドとを用いて研磨加工を行う装置である。この研磨装置は,上盤に固定砥粒研磨パッドを装着し,下盤であるチャックテーブルにより被研磨物を保持して,固定砥粒研磨パッドと被研磨物を相対的に回転させながら接触させるとともに,固定砥粒研磨パッドと被研磨物との間に研磨液を供給することによって,被研磨物を湿式研磨加工(例えばCMP加工)することができる。本実施形態にかかる研磨装置は,このように下向きに配置された固定砥粒研磨パッドの表面に対して,下方から,研磨液を高圧で吹き付ける点に特徴を有する。以下に,かかる特徴を有する研磨装置の構成について詳細に説明する。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかる研磨装置の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる研磨装置1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる研磨装置1は,例えば,本実施形態にかかる被研磨物である半導体ウェハ5の被研磨面(例えば裏面)を研磨加工して,当該被研磨面を高精度で平坦化することが可能な装置である。この研磨装置1は,概略的には,例えば,搬送ユニット10と,チャック手段20と,研磨ユニット30と,研磨液供給ユニット40と,から構成される。
まず,搬送ユニット10について説明する。搬送ユニット10は,半導体ウェハ5を搬入してチャック手段20上に供給するとともに,研磨加工された半導体ウェハ5を回収して搬出するための装置群である。この搬送ユニット10は,例えば,搬入カセット102と,搬出カセット104と,搬送機構106と,仮受手段108と,搬入アーム110と,搬出アーム112と,洗浄手段114と,を備える。
搬入カセット102および搬出カセット104は,複数の半導体ウェハ5を収容して持ち運ぶことが可能な収容ケースである。被研磨物である半導体ウェハ5は,例えば,かかる搬入カセット102に収容された状態で研磨装置1に搬入される一方,搬出カセット104に収容された状態で研磨装置1から搬出される。
この半導体ウェハ5は,例えば,略円盤形状を有する8インチのシリコンウェハなどであり,その表面には複数の回路(半導体素子)が形成されている。かかる半導体ウェハ5は,その裏面(回路が形成されていない側の面)側を上向きにした状態で,例えば,その表面側に貼り付けられた表面保護テープ(UV硬化型の粘着テープなど。図示せず。)を介してフレーム(図示せず。)上に固着されている。なお,半導体ウェハ5は,裏面側を上向きにした状態で,例えばサブストレート(図示せず。)等の支持基材上に粘着剤等で直接固着されていてもよい。
かかる半導体ウェハ5は,例えば,研磨装置1による研磨工程の前工程である裏面研削工程において,グラインダー等によって,裏面側から平面研削加工されている。この裏面研削加工により,半導体ウェハ5を例えば数十μm程度の厚さにまで薄型化することができるが,この結果,半導体ウェハ5裏面には加工歪が生じてしまっている。本実施形態では,このような半導体ウェハ5の裏面の加工歪みを除去するべく,半導体ウェハ5の裏面を被研磨面として研磨加工する例について説明する。しかし,被研磨物はかかる半導体ウェハ5の例に限定されるものではない。
このような半導体ウェハ5を収容した搬入カセット102は,研磨装置1に例えば手動で搬入され,所定領域に載置される。搬送機構106は,例えば,この搬入カセット102から半導体ウェハ5を1枚ずつ取り出して,搬送し,仮受手段108上に載置する。搬入カセット102に収容されていた半導体ウェハ5が全て搬出されると,空の搬入カセット102に替えて新しい搬入カセット102が載置される。
搬入アーム110および搬出アーム112は,例えば,回転動作および昇降動作が可能な搬送用のアームであり,その先端に,対象物を真空吸着可能な吸着部110a,112aを備えている。この搬入アーム110および搬出アーム112は,吸着部110a,112aを用いて半導体ウェハ5を吸着して,搬送することができる。具体的には,搬入アーム110は,上記仮受手段108上に載置された半導体ウェハ5を吸着して搬送し,チャック手段20上に載置することができる。このようにチャック手段20上に載置された半導体ウェハ5は,研磨ユニット30によって研磨加工される(詳細は詳述する)。一方,搬出アーム112は,研磨加工された半導体ウェハ5を吸着して,洗浄手段114に搬送することができる。
洗浄手段114は,例えば,スピンナ洗浄装置等で構成されており,高速回転させた半導体ウェハ5に対して純水等の洗浄液を噴射することによって,半導体ウェハ5裏面を洗浄して,乾燥させることができる。
このように洗浄された半導体ウェハ5は,再び搬送機構106によって搬送され,搬出カセット104に収容される。搬出カセット104に所定枚数の半導体ウェハ5が収容されると,かかる搬出カセット104に替えて,新しい空の搬出カセット104が載置される。
次に,チャック手段20について説明する。チャック手段20は,載置された半導体ウェハ5を吸着・保持して,回転させることができる。このチャック手段20は,例えば,チャックテーブル202と,ハウジング204と,から構成される。
チャックテーブル202は,例えば,上面に平滑な水平面を有する略円盤形状のテーブル(下盤)であり,ハウジング204によって支持されている。このチャックテーブル202は,例えば,少なくともその上面が多孔性セラミックス等の多孔質材料で形成されており,ハウジング204内部等に形成された連通路(図示せず。)を介して,真空ポンプ(図示せず。)等に連通されている。このため,この真空ポンプを動作させて負圧を加えることで,チャックテーブル202は,例えば,その上面に載置された半導体ウェハ5を真空吸着して,保持・固定することができる。このとき,半導体ウェハ5は,例えば,被研磨面である裏面を上向きにして,チャックテーブル202上に載置される。また,上記搬出アーム112によって半導体ウェハ5を搬出する際には,チャックテーブル202による真空吸着を解除することにより,半導体ウェハ5を容易にピックアップすることができる。
また,このチャックテーブル202は,例えばハウジング204内等に設けられた回転用モータ(図示せず。)によって,所定の回転速度(例えば50〜500rpm)で水平方向に回転することができる。これにより,チャックテーブル202は,研磨加工中に,保持した半導体ウェハ5を回転させて,被研磨面である半導体ウェハ5裏面が均等に研磨されるようにすることができる。
ハウジング204は,上記チャックテーブル202を支持するとともに,内部に上記回転用モータ等を収容するための筐体である。このハウジング204は,例えば,移動用モータ等で構成されるチャック手段移動機構(図示せず。)によって,搬送ユニット10と研磨ユニット30との間で水平方向(例えばX軸方向)に移動可能である。具体的には,半導体ウェハ5をチャックテーブル202に載置または回収するときには,ハウジング204は搬送ユニット10側に移動される。一方,半導体ウェハ5裏面を研磨加工するときには,ハウジング204は研磨ユニット30の下方に移動される。
また,チャック手段20は,例えば,ハウジング204を,水平方向(例えばX軸方向)に所定の振幅で周期的に揺動できるように構成されてもよい。これにより,研磨加工中には,チャックテーブル202に保持された半導体ウェハ5を,研磨手段300に対して揺動させることができる。このため,研磨手段300が半導体ウェハ5裏面全体に略均等に作用して,高精度で研磨加工することが可能になる。
次に,研磨ユニット30について説明する。研磨ユニット30は,例えば,研磨手段300と,回転軸310と,回転機構320と,移動機構330と,を備える。
研磨手段300は,上記チャック手段20の上方に配置された略円盤形状の部材(上盤)であり,その下面(チャックテーブル202と対向する面)には,湿式研磨部材である固定砥粒研磨パッド(詳細は後述する。)が貼り付けられている。このため,固定砥粒研磨パッドは,その表面(被研磨面に作用する研磨面)が下向きとなるような状態で配設され,チャック手段20上の半導体ウェハ5裏面と対面している。
回転軸310は,例えば,略棒状のスピンドルである。この回転軸310の下端には,上記研磨手段300が上記チャック手段20と対向するように装着される。また,回転軸310の上部は,回転機構320内に収容されている。
回転機構320は,例えば,内部に備えた電動モータ等によって,上記回転軸310を回転させることができる。この回転機構320によって,研磨加工時に,回転軸310を介して研磨手段300を水平方向に回転させることができる。この回転速度は,例えば,50〜500rpmなどである。
移動機構330は,例えば,電動モータ等によって,研磨ユニット30を垂直方向(z軸方向)に移動させることができる。この移動機構330によって,研磨手段300をチャック手段20に対して昇降させることができる。これにより,研磨加工時には,下降させた研磨手段300を,チャックテーブル202上に保持された半導体ウェハ5裏面に押圧することができる。この押圧力(即ち,研磨圧)は,例えば50〜500g/cmである。
このような構成の研磨ユニット30は,上記チャック手段20に保持されている半導体ウェハ5の裏面に対して,上記研磨手段300を回転させながら押圧して,半導体ウェハ5裏面を湿式研磨加工(例えばCMP加工)することができる。
次に,研磨液供給ユニット40について説明する。研磨液供給ユニット40は,例えば,研磨加工中に,被研磨面(即ち,半導体ウェハ5裏面)と,研磨手段300との間に,研磨砥粒を含まない研磨液(例えばアルカリ溶液)を供給する機能を有する。この研磨液供給ユニット40は,例えば,第1の液体を貯留する第1の貯留タンク402と,第2の液体を貯留する第2の貯留タンク404と,第1の貯留タンク402および第2の貯留タンク404と連結された研磨液混合部406と,加圧手段408と,連結ホース409と,研磨液供給手段410と,を備える。
第1の貯留タンク402は,研磨液を生成するための第1の液体として,例えばアンモニア水溶液を貯留することができる。このアンモニア水溶液は,例えば,アンモニア原液(濃度28%)を2倍の容量の水で希釈したものであり,pHは例えば12.5である。
第2の貯留タンク404は,研磨液を生成するための第2の液体として,例えばエチレンジアミン四酢酸水溶液を貯留することができる。このエチレンジアミン四酢酸水溶液の濃度は,例えば,0.01mol/リットルである。かかるエチレンジアミン四酢酸水溶液は,例えば,半導体ウェハ5に銅等の金属が付着することを防止する機能を有する。
研磨液混合部406は,例えば,上記第1の貯留タンク402および第2の貯留タンク404から,上記第1の液体と第2の液体をポンプによって汲み出して,好適な割合で混合することにより,砥粒を含まない研磨液を生成することができる。具体的には,上記第1の液体と第2の液体として,例えば,上記アンモニア水溶液とエチレンジアミン四酢酸水溶液とを用いる場合には,研磨液混合部406は,双方の混合比率を例えば9:1とすることができる。より詳細には,研磨液混合部406は,例えば,アンモニア水溶液を90ml/分,エチレンジアミン四酢酸水溶液を10ml/分の割合で汲み出して,双方を攪拌して混合し,アルカリ溶液である研磨液を生成することができる。また,かかる研磨液混合部406は,例えば,混合液のpH値を測定するpHセンサ(図示せず。)と,混合量制御装置(図示せず。)とを備えており,制御装置によって,読み取ったpH値に応じてエチレンジアミン四酢酸水溶液の供給量を調整することができる。このような,研磨液混合部406が生成した研磨液は,例えば,加圧手段408に供給される。
加圧手段408は,例えば,高圧ポンプなどで構成されており,研磨液混合部406からの研磨液を加圧して送出することができる。この加圧手段408は,例えば,加圧した研磨液を,連結ホース409を介して研磨液供給手段410に供給することができる。このときの研磨液の供給流量は,例えば100〜1000ml/minである。
研磨液供給手段410は,例えば,研磨液を研磨手段300に供給するための部材であり,研磨手段300の下方に配置される。この研磨液供給手段410は,例えば,加圧手段408から供給された高圧の研磨液を,研磨手段300に向けて下方から噴射することができる。かかる研磨液供給手段410は,本実施形態にかかる特徴的な構成要素であり,詳細については後述する。このようにして研磨手段300に吹き付けられた研磨液は,研磨手段300の回転に伴って,半導体ウェハ5裏面と研磨手段300との間に入り込んで,半導体ウェハ5裏面の化学的研磨に寄与する。
このように,研磨液供給ユニット40は,第1の貯留タンク402から供給された第1の液体と,第2の貯留タンク404から供給された第2の液体を,研磨液混合部406で混合することにより,砥粒を含まない研磨液を生成することができる。また,上記研磨液混合部406は,研磨液の生成量を,供給量に応じた必要最小限の量に調整することができる。このため,生成された研磨液は,研磨液混合部406内に長時間滞留することなく,直ちに研磨液供給手段410から放出されることとなる。従って,生成直後の研磨液を,研磨手段300と半導体ウェハ5との接触部に供給することができるので,時間が経つことにより研磨液が変質してしまうことを防止できる。
以上,本実施形態にかかる研磨装置1の全体構成について説明した。なお,研磨装置1は,例えば,半導体ウェハ5を一定の研磨精度で安定的に研磨するために,研磨手段300の作用面を目立てするコンディショニング機構,またはドレッシング機構などを具備してもよい。
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかる研磨手段300の構成について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる研磨手段300を示す斜視図である。
図2に示すように,研磨手段300は,全体としては略円盤形状を有しており,その外径は例えば上記半導体ウェハ5と略同一径である。この研磨手段300は,例えば,固定砥粒研磨パッド302と,支持部材304とを備える。
固定砥粒研磨パッド302は,例えば,略円環状を有する研磨パッドであり,湿式研磨部材として構成されている。この固定砥粒研磨パッド302は,例えば,分散させた状態の砥粒を,ウレタン等の樹脂製の結合剤(ボンド剤)によって結合して形成されている。このため,固定砥粒研磨パッド302は,従来のCMP用の研磨パッド(研磨布とも呼ばれ柔軟性があるもの)と比して,比較的硬質である。
この固定砥粒研磨パッド302に含有される砥粒としては,例えば,シリカ,アルミナ,ジルコニア,二酸化マンガン,セリア,コロイダルシリカ,ヒュームドシリカ,ベーマイト,バイヤライト,ダイヤモンド,CBN(立方晶窒化ホウ素)などを用いることができる。また,結合剤としては,上記ウレタンの例に限定されず,例えば,ポリウレタン,フェノール,エポキシなどの各種の樹脂を用いてもよい。
かかる固定砥粒研磨パッド302を製造する場合には,例えば,まず,ポリオール80重量比,インシアネート52.4重量比,水0.2重量比,触媒0.7重量比,シリコーン製泡剤0.5重量比,シリカ90重量比,などを混合して液状混合物を生成する。次いで,かかる液状混合物を金型に注入し,20℃〜30℃の室温で24時間放置して,固化させる。かかる製法により,例えば,発泡ポリウレタン中に体積比30%のシリカを含有した固定砥粒研磨パッド302(例えば直径60cm,厚さ9mm)を製造することができる。
なお,コロイダルシリカ,ヒュームドシリカ,ベーマイト,バイヤライト等の水酸基が付着した砥粒を,ウレタン素材に混入することにより,長寿命の固定砥粒研磨パッド302を形成できることが確認されている。また,固定砥粒研磨パッド302を,図2のような略円環状に成形することにより研磨特性が優れたものとなるが,かかる例に限定されず,固定砥粒研磨パッド302は,例えば略円盤形状等に成形されてもよい。
また,支持部材304は,例えば,リング状の円周側面部と円盤状の底面部とからなる略カップ形状を有しており,アルミ等の金属材料などで形成される。この支持部材304の外径は,上記固定砥粒研磨パッド302の外径と略同一である。この支持部材304は,締結ボルト等の固定部材によって,回転軸310の下端に装着される。かかる支持部材304の下面には,例えば,エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤などを用いて,上記固定砥粒研磨パッド302が貼り付けられる。このような支持部材304は,回転軸310に装着されることで,上記固定砥粒研磨パッド302を,半導体ウェハ5裏面に対向させた状態で保持することができる。
次に,図3に基づいて,本実施形態にかかる特徴である研磨液供給手段410の構成について詳細に説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる研磨液供給手段410を示す斜視図である。
図3に示すように,研磨液供給手段410は,全体としては,例えば,略円筒形状等を有する中空部材である。この研磨液供給手段410の外径は例えば8mmであり,内径は例えば6mmである。また,かかる研磨液供給手段410は,例えば,長手方向の一端にある先端部411は閉塞されており,一方,長手方向の他端には,連結ホース409と連結される連結部413が形成されている。かかる研磨液供給手段410の素材は,例えば金属等である。
また,研磨液供給手段410の側面には,例えば,複数のスリット412が形成されている。より具体的には,このスリット412は,例えば,研磨液供給手段410の上側面(研磨手段300側の側面)に略等間隔に3つ形成されている。このスリット412の開口幅は例えば0.5mmであり,スリット412の切り込み深さは例えば3mmである。かかるスリット412は,研磨液を噴出するための開口として構成されている。
かかる構成の研磨液供給手段410には,例えば,上記加圧手段408から連結ホース409を介して,砥粒を含まない研磨液が高圧で供給される。このように供給された研磨液は,中空の研磨液供給手段410の内部を流動し,各スリット412から上方に向けて噴出する。
次に,図4に基づいて,かかる構成の研磨液供給手段410によって研磨液を供給しながら,上記研磨手段300によって半導体ウェハ5裏面を研磨加工する態様について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる研磨液供給手段410によって研磨液を供給しながら,研磨手段30によって半導体ウェハ5を研磨加工する態様を示す側面図である。
研磨加工を行う場合には,まず,チャックテーブル202を水平方向(X軸方向)に移動させて,チャックテーブル202上に保持された半導体ウェハ5を,研磨手段300の下方の所定位置に配置する。このとき,例えば,図4に示すように,チャックテーブル202の回転軸206上に研磨手段300の外周側端が位置するように,チャックテーブル202の回転軸206と,研磨手段300の回転軸310の軸芯312との水平方向の位置関係を調整することが好ましい。これにより,固定砥粒研磨パッド302の一側半分の下方には,半導体ウェハ5裏面の一側半分を配置するとともに,固定砥粒研磨パッド302の他側半分の下方には,研磨液供給手段410を配置することができる。しかし,かかる例に限定されず,半導体ウェハ5と研磨手段300とが,図4の例よりも水平方向に接近あるいは離隔するように,チャックテーブル202の回転軸206と研磨手段300の回転軸310との位置関係を調整してもよい。
このようにして研磨加工の準備が整った段階で,研磨ユニット30の回転機構320を動作させ,研磨手段300を所定の回転速度(例えば50〜500rpm)で例えば左回りに回転させ,さらに,半導体ウェハ5を保持しているチャックテーブル202を所定の回転速度(例えば50〜500rpm)で例えば右回りに回転させる。なお,上記研磨手段300の回転方向とチャックテーブル202の回転方向とは,例えば,逆方向であることが好ましいが,かかる例に限定されず,同一方向であってもよい。
次いで,研磨ユニット30の移動機構330を動作させ,研磨手段300を半導体ウェハ5裏面に向けて下降させる。これにより,研磨手段300の下面に貼り付けられている固定砥粒研磨パッド302が,半導体ウェハ5裏面に所定の押圧力(例えば例えば50〜500g/cm)で押圧される。この結果,固定砥粒研磨パッド302表面と半導体ウェハ5裏面とが擦り合うようにして干渉するので,固定砥粒研磨パッド302に含まれる砥粒によって半導体ウェハ5裏面が機械的に研磨される。
さらに,かかる固定砥粒研磨パッド302と半導体ウェハ5裏面との干渉時(即ち,研磨加工時)には,固定砥粒研磨パッド302の下方に配置された研磨液供給手段410によって,上記砥粒を含まない研磨液が固定砥粒研磨パッド302表面に対して下方から高圧で吹き付けられる。
具体的には,図4に示すように,固定砥粒研磨パッド302表面一側の直下に配置されている研磨液供給手段410は,加圧手段408から供給された研磨液を,各スリット412から上方に向けて高圧で噴射する。このとき,各スリット412の開口形状,位置および設置数は,例えば,固定砥粒研磨パッド302表面の一側半分のほぼ全体に対して研磨液を均等に吹き付けることができるように調整されている。このため,各スリット412から噴射された研磨液は,下方から,固定砥粒研磨パッド302表面の一側半分のほぼ全体に均等に塗布される。なお,研磨液の供給量(吹き付け量)は例えば100〜1000ml/minの範囲に設定することができる。
さらに,このようにして固定砥粒研磨パッド302の表面に塗布された研磨液は,固定砥粒研磨パッド302の回転に伴って,半導体ウェハ5裏面と固定砥粒研磨パッド302表面との間に入り込む。この結果,研磨液は,半導体ウェハ5裏面と固定砥粒研磨パッド302表面との接触部に供給されて,化学的研磨作用をもたらす。
このように,本実施形態にかかる研磨液供給手段410は,研磨加工時に,固定砥粒研磨パッド302に向けて下方から研磨液を噴射することによって,疎水性を有さない固定砥粒研磨パッド302表面上に研磨液を直接的に塗布できる。このため,固定砥粒研磨パッド302表面上に研磨液を均等に供給でき,最終的には,固定砥粒研磨パッド302と半導体ウェハ5裏面との間に研磨液を均等に供給することができる。かかる手法によれば,半導体ウェハ5裏面上に研磨液を直接供給する従来手法のように,供給した研磨液が疎水性の半導体ウェハによって弾かれて半導体ウェハの外周部に偏在し,結果的には,固定砥粒研磨パッドと半導体ウェハ裏面との間で研磨液が不均一に作用してしまうといったことがない。
また,このようにして固定砥粒パッド302に対して下方から研磨液を吹き付けた場合には,例えば,固定砥粒研磨パッド302の表面に供給された研磨液の多くは,自重により落下することになる。しかし,固定砥粒研磨パッド302は,その表面が研磨液で濡れている程度で十分に研磨(CMP加工)できるという特性を有しているので,ある程度の研磨液が重力によって落下しても,研磨効率が低下することはない。むしろ,研磨液が固定砥粒研磨パッド302の表面から落下することによって,固定砥粒研磨パッド302表面に残留している研磨屑(コンタミネーション)を洗い流すことができる。
以上のように,本実施形態にかかる研磨装置1は,研磨液供給手段410によって遊離砥粒を含まない研磨液を供給しながら,回転する研磨手段300を半導体ウェハ5裏面に押圧することにより,固定砥粒研磨パッド302と半導体ウェハ5裏面30を相互に擦り合わせて,被研磨面である半導体ウェハ5裏面を研磨できる。このとき,固定砥粒研磨パッド302と半導体ウェハ5の双方が回転しているので,両者は複合的な方向で擦り合わせられて,被研磨面全体を均等に研磨することができる。
かかる研磨加工は,例えば,固定砥粒研磨パッド302が含有する砥粒による機械的研磨作用と,研磨液による化学的研磨作用との複合作用により,半導体ウェハ5裏面をCMP加工するものである。このため,上記のような研磨手段300を用いた研磨加工では,半導体ウェハ5裏面を高精度で研磨加工して,鏡面化することができる。
また,このような研磨加工では,使用する研磨液中に遊離砥粒が含まれていないので,廃液処理を非常に容易かつ迅速に行うことができる。また,廃液を濾過して研磨液を再利用できるので,コスト面で有益であるだけでなく,廃液を産業廃棄物として廃棄処理しなくて済むため,環境親和面においても有益である。
以上,本実施形態にかかる研磨装置1の構成およびこの研磨装置1を用いた研磨方法について説明した。上記のように,かかる研磨装置1は,研磨加工中に,研磨液供給手段410によって,研磨液を下方から固定砥粒研磨パッド302に直接的に噴射するため,固定砥粒研磨パッド302表面上に研磨液を均等に塗布できる。従って,固定砥粒研磨パッド302と半導体ウェハ5裏面との間で,研磨液が均等に化学的研磨作用を発揮するので,半導体ウェハ5を高精度で平坦化することができる。
さらに,下向きの固定砥粒研磨パッド302表面に研磨液を下方から吹き付けて塗布した場合には,ある程度の量の研磨液は重力によって落下する。このため,このように落下する研磨液によって,固定砥粒研磨パッド302表面に付着している研磨屑を除去して,固定砥粒研磨パッド302表面を洗浄することができる。従って,固定砥粒研磨パッド302の目詰まりを好適に防止できるので,長時間連続して研磨装置1を稼動することができるとともに,固定砥粒研磨パッド302の寿命が長くなる。
次に,上記のような構成の研磨液供給手段410を備えた研磨装置1を用いて半導体ウェハ5を研磨加工して,固定砥粒研磨パッド302の目詰まりが発生するまでの時間を測定する実験を行った結果について説明する。
図5に示すように,本実施例では,研磨液供給手段410によって砥粒を含まない研磨液を供給しながら,上盤の固定砥粒研磨パッド302と下盤のチャックテーブル202とをそれぞれ反対方向に回転させて接触させ,研磨加工を行った。この研磨液供給手段410は,固定砥粒研磨パッド302の直下に配置されており,3つのスリット412から研磨液を噴射して,下方から固定砥粒研磨パッド302表面に研磨液を直接的に供給することができる。本実施例にかかる研磨加工のその他の実験条件を,次の表1に示す。
Figure 2005103696
比較例
また,比較例として,図5に示すように,回転軸310の内部に設けた研磨液供給手段410’によって,固定砥粒研磨パッド302の表面に形成した研磨液供給口412’から研磨液を供給するという構成の研磨装置を用いて,上記表1と同様の実験条件で研磨加工実験を行った。以下に,このような比較例にかかる研磨装置を用いた実験結果と,上記本実施例にかかる研磨装置1を用いた実験結果とを比較して説明する。
まず,上記比較例にかかる研磨装置では,8インチシリコンウェハ1枚当たりの研磨時間が120秒を超えると固定砥粒研磨パッド302表面に目詰まりが発生した。また,8インチシリコンウェハ1枚当たりの研磨時間が120秒以内であっても,連続して10枚程度研磨すると,固定砥粒研磨パッド302表面に目詰まりが発生した。
これに対して,上記本実施例にかかる研磨装置1では,8インチシリコンウェハ1枚当たりの研磨時間が300秒を超えても,固定砥粒研磨パッド302表面に目詰まりが発生しなかった。また,8インチシリコンウェハ1枚当たりの研磨時間が120秒以内であれば,連続20枚程度研磨しても,固定砥粒研磨パッド302表面に目詰まりが発生しなかった。
このように,本実施例にかかる研磨装置1では,比較例と比して,固定砥粒研磨パッド302の目詰まりを大幅に抑制することが実証された。この原因は,本実施例では,研磨液を下方から固定砥粒研磨パッド302に供給しているため,固定砥粒研磨パッド302表面から落下する研磨液によって,固定砥粒研磨パッド302表面に付着している研磨屑を洗浄できるからと考えられる。
また,上記実験条件では,研磨液の供給量を500ml/minとしているが,上記実施例にかかる研磨装置1では,研磨液の供給量を300ml/min程度にしても,同等の研磨レートが得られるという実験結果を得た。しかし,上記のように,敢えて研磨液の供給量を500ml/minにして比較しているのは,比較例にかかる研磨装置において研磨液の供給量を300ml/minとしてしまうと,遠心力による研磨液の飛散が原因で,固定砥粒研磨パッド302が目詰まりを起こしてしまうことが実験により判明したからである。
従って,本実施例にかかる研磨装置1では,研磨液の供給量を大幅に低減しても,固定砥粒研磨パッド302によって好適に研磨加工を実行できることが実証されたといえる。この原因は,研磨液を直接的に固定砥粒研磨パッド302に吹き付けて,均等に塗布することができるため,研磨液を効率的に作用させることができるからと考えられる。
さらに,比較例にかかる研磨装置の場合には,固定砥粒研磨パッド302表面に研磨液を均等に分散させるためには,固定砥粒研磨パッド302表面に例えば放射状に延びる溝を形成する必要がある。しかしながら,上記実施例にかかる研磨装置1では,固定砥粒研磨パッド302の表面に溝加工を施さなくても済むので,固定砥粒研磨パッド302の製造コストおよび手間を低減できるという利点もある。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,被研磨面として,裏面研削によって加工歪みが生じている半導体ウェハ5の裏面を研磨する例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,被研磨面としては,多層配線化あるいはダマシンプロセスを行うために,半導体ウェハの表面を研磨する場合であってもよい。また,被研磨物は,半導体ウェハ5の例に限定されず,例えば,CSP基板,GPS基板,BGA基板,ガラス基板,石英板,サファイア基板,セラミックス材,金属材などであってもよい。
また,上記実施形態にかかる研磨装置1では,移動機構330によって研磨手段300を下降させて,半導体ウェハ5裏面に押圧したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,かかる移動機構330の代わりに,シリンダ等で構成された加圧機構を上記回転機構320内等に設けて,この加圧機構によって研磨手段300を半導体ウェハ5裏面に対して押圧するように構成してもよい。また,例えば,研磨ユニット30を固定し,チャック手段20を上昇させることにより,研磨手段300に対して半導体ウェハ5の裏面を押圧するように構成してもよい。
また,研磨液の成分,濃度,pH等は,上記アルカリ溶液の例に限定されない。例えば,研磨液は,遊離砥粒を含まず,湿式研磨加工を好適に実現可能なものであれば,任意の成分,濃度に調整することができる。また,研磨液供給ユニット40も上記構成例に限定されず,供給する研磨液に応じて,貯留タンクを1または3以上設ける,或いは研磨液混合部406を設けないなど,任意の構成に設計変更することができる。
また,上記実施形態にかかる研磨液供給手段410は,側面にスリット412が形成された略円筒形状の中空部材で構成されていたが,本発明はかかる例に限定されない。研磨液供給手段410は,研磨手段300に対して下方から研磨液を噴射可能な構成であれば,多様に変更できる。
例えば,研磨液供給手段410に形成されるスリット412の設置数は,上記3つの例に限定されず,1つ,2つ若しくは4つ以上であってもよい。また,各スリット412の位置,形状なども任意に変更できる。これにより,研磨液の噴射位置,噴射角などを多様に変更できる。具体的には,スリット412の噴射角を大きくすれば,スリット412の設置数が少なくても,固定砥粒研磨パッド302表面全体に研磨液を均等に噴射できる。一方,スリット412の設置数を多くすれば,固定砥粒研磨パッド302表面に対して研磨液をより小さい噴射で高圧に噴射できる。
また,研磨液を噴出する開口は,上記スリット412の例に限定されず,例えば,略円形,略方形等を有する孔などであってもよい。
また,研磨液供給手段410は,略円筒形状を有していなくてもよく,例えば,略直方体形状,略円盤形状,略湾曲した棒形状,或いは複数の棒状に分岐した形状など,任意の形状を有することができる。さらに,かかる任意の形状の上部(上面)に,研磨液を噴出する1または2以上の開口を,任意の形状,配置で形成することができる。
また,研磨液供給手段410は,例えば,図6に示すように,噴出口にスプレー手段414が設置された構成であってもよい。このスプレー手段414は,例えば,固定砥粒研磨パッド302に向けて下方から研磨液を霧状に噴射(即ち,噴霧)する装置であり,例えば,微粉発生ノズル,ミストノズル等のスプレーノズルなどで構成できる。このように,研磨液供給手段410は,スプレー手段414によって研磨液を噴霧することにより,吹き付ける研磨液をより微粒子にして,固定砥粒研磨パッド302a表面に付着しやすくできるとともに,研磨液を研磨手段300表面上にさらに均一に塗布することができる。なお,このスプレー手段414による研磨液の噴霧形状は,例えば,扇形,空円錐,充円錐など任意の形状であってよい。また,このスプレー手段414は,1つの研磨液供給手段410に複数設けられてもよい。
また,研磨液供給手段410は,研磨手段300の直下に配設されなくともよく,例えば,研磨手段300の斜め下方に配置され(即ち,水平面に投影したときに,研磨手段300と研磨液供給手段410が重ならないように配置して),固定砥粒研磨パッド302表面に向けて斜め下方から研磨液を吹き付けるような構成であってもよい。これにより,研磨液供給手段410の存在によってチャックテーブル202のX軸方向の移動が制限されないので,チャックテーブル202の移動スペースを確保することができる。また,研磨液供給手段410を水平方向等に移動させる研磨液供給手段移動機構を設けて,研磨液供給手段410を可動とする構成にしてもよい。これにより,研磨液供給時には,研磨液供給手段410を研磨手段300の下方に配置し,それ以外の時には,研磨液供給手段410を研磨手段300の下方から退避させることもできる。
本発明は,研磨装置に適用可能であり,特に,半導体ウェハ等をCMP加工する研磨装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる研磨装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる研磨手段を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる研磨液供給手段を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる研磨液供給手段によって研磨液を供給しながら,研磨手段によって半導体ウェハを研磨加工する態様を示す側面図である。 本発明の実施例にかかる研磨液供給手段と,比較例にかかる研磨液供給手段によって,研磨液を供給しながら,研磨手段によって半導体ウェハを研磨加工する態様を示す斜視図である。 本発明の変更例にかかる研磨液供給手段によって研磨液を供給しながら,研磨手段によって半導体ウェハを研磨加工する態様を示す側面図である。
符号の説明
1 : 研磨装置
10 : 搬送ユニット
20 : チャック手段
30 : 研磨ユニット
40 : 研磨液供給ユニット
202 : チャックテーブル
300 : 研磨手段
302 : 固定砥粒研磨パッド
304 : 支持部材
310 : 回転軸
320 : 回転機構
330 : 移動機構
408 : 加圧手段
410 : 研磨液供給手段
412 : スリット
414 : スプレー手段

Claims (4)

  1. 被研磨物を保持するチャック手段と,前記チャック手段の上方に配置された研磨手段とを備え,前記研磨手段を回転させながら前記被研磨物の被研磨面に押圧することにより,前記被研磨面を研磨する研磨装置であって:
    前記研磨手段の下方に配置され,研磨液を下方から前記研磨手段に噴射する研磨液供給手段を備えることを特徴とする,研磨装置。
  2. 前記研磨手段は,砥粒と,前記砥粒を結合する結合剤とからなる固定砥粒研磨パッドを備え,
    前記研磨液は砥粒を含有しないことを特徴とする,請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記研磨液供給手段は,側面に研磨液噴出用の開口が形成された中空部材であることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の研磨装置。
  4. 前記研磨液供給手段は,前記研磨液を前記研磨手段に噴霧するスプレー手段を備えることを特徴とする,請求項1,2または3のいずれかに記載の研磨装置。
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