[go: up one dir, main page]

JP2005101152A - プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板 - Google Patents

プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板 Download PDF

Info

Publication number
JP2005101152A
JP2005101152A JP2003331301A JP2003331301A JP2005101152A JP 2005101152 A JP2005101152 A JP 2005101152A JP 2003331301 A JP2003331301 A JP 2003331301A JP 2003331301 A JP2003331301 A JP 2003331301A JP 2005101152 A JP2005101152 A JP 2005101152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
layer
resin layer
circuit
printed wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003331301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4226981B2 (ja
Inventor
Tetsuro Sato
哲朗 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2003331301A priority Critical patent/JP4226981B2/ja
Priority to KR1020040072060A priority patent/KR100713976B1/ko
Priority to TW093128191A priority patent/TWI279174B/zh
Publication of JP2005101152A publication Critical patent/JP2005101152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4226981B2 publication Critical patent/JP4226981B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/101Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by casting or moulding of conductive material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/16Printed circuits incorporating printed electric components, e.g. printed resistor, capacitor, inductor
    • H05K1/162Printed circuits incorporating printed electric components, e.g. printed resistor, capacitor, inductor incorporating printed capacitors
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0011Working of insulating substrates or insulating layers
    • H05K3/0017Etching of the substrate by chemical or physical means
    • H05K3/0023Etching of the substrate by chemical or physical means by exposure and development of a photosensitive insulating layer
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/06Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding the conductive material being removed chemically or electrolytically, e.g. by photo-etch process
    • H05K3/061Etching masks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【課題】優れたレーザー加工性能と、キャパシタ回路の誘電層厚さを良好に保つことができ、しかも、外層回路が絶縁樹脂基材内に埋設された状態のプリント配線板を提供する。
【解決手段】以下に述べる製造方法を、基本的な製造方法として用いることによる。
A)銅箔の片面に当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとした硬化樹脂層を備え、その硬化樹脂層上に骨格材を含む半硬化樹脂層を備えた絶縁層付銅箔を用い、その銅箔面をエッチング加工して回路形成し、絶縁層付回路シートを形成する。
B)前記絶縁層付回路シートの半硬化樹脂層を、張り合わせる基材面に重ねて、熱間プレス成型し、回路部の銅箔に前記硬化樹脂層を衝破させ、絶縁樹脂層に埋設配置した回路を備えるプリント配線板とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、絶縁層付銅箔の製造方法及びその製造方法で得られた絶縁層付銅箔並びにその絶縁層付銅箔を用いた多層プリント配線板に関する。
近年のプリント配線板に対しては、次に掲げる2つの要求が常に行われている。一つには、プリント配線板が搭載される電子機器・電気製品の軽薄短小化に伴い、より薄く、より軽くすることが求められ、しかも配線密度及び部品実装密度の向上、即ちファインピッチ化が求められているのである。そして、同時に、多層プリント配線板の内層回路部分にキャパシタ回路を形成し、電子機器等の消費電力の節減、供給電圧の安定化を図るのが一般化している。
レーザー穴明け性に関する技術背景: 最初にファインピッチ化に関する技術背景に関して述べることとする。配線密度の向上を図るためには、特許文献1に開示されているようにレーザー加工法を用いて小径バイアホールを形成することが一般化してきた。ところが、レーザー穴明け加工の普及と共に、従来のガラスエポキシ基材であるFR−4プリプレグを用いて製造する多層プリント配線板では、バイアホールの内壁面形状に関するレーザー穴明け加工性が劣ることが判明してきた。最初に問題となったのは、ガラスエポキシ基材の骨格材であるガラスクロスの存在である。ガラスクロスは、織りが存在し、ガラス自体がレーザー加工性に劣るため、良好な精度での穴明けが出来なかったのである。
特開平11−195853号公報
そこで、本件発明者等は、特許文献2に開示しているように銅箔の表面に骨格材を含まない半硬化状態の樹脂層のみを設けた樹脂付銅箔を市場に供給して、プリプレグ無しでビルトアップ工法を用いて、レーザー穴明け加工性優れる銅張積層板の製造を可能とし、高品質の多層プリント配線板の供給を可能としてきた。即ち、樹脂付銅箔は、その樹脂層に骨格材を含んでいないため軽量で、且つ、バイアホール内壁部が滑らかになりブローホールの無くせるという意味でのレーザー穴明け加工性に優れるという特徴を有するのであるが、同時に、骨格材を含んでいないがための欠点として、次のようなものがある。
国際公開番号 WO 97/02728号公報
即ち、樹脂付銅箔のみを用いて製造した銅張積層板は、曲げ、引張り、衝撃等の外力に対して、樹脂層の持つ機械的強度が十分ではないと言う問題があったのである。そして、樹脂付銅箔は補強材がないため、樹脂付銅箔のみを用いて製造した銅張積層板は、内層回路の銅回路密度が不均一な系では、同一面内の絶縁層厚さが極端に変動し、コントロールが困難になる。材料としての熱膨張率が大きく、異種材料、例えば銅回路との界面にストレスを生じ易く信頼性に悪影響を与えている。その他、樹脂付銅箔のみを用いて製造した銅張積層板は、強度が低いため、ICチップのワイヤボンディング時に、パッドが沈み込み、安定した接合が得られない等の種々の欠点が指摘されていた。
他方のプリプレグの分野においても、特許文献3に開示されているように、上述した機械的強度をそのままに、レーザー穴明け加工性を改善する方法として、骨格材に工夫をした製品が供給されてきた。即ち、骨格材にガラスクロスを用いた場合には、総じてレーザー穴明け加工性に劣るものと言われてきた。従って、織りのあるクロスタイプのものを使用せずに、所謂不織布タイプのものを骨格材として用いることが一般化してきたのである。不織布を用いることで、クロスタイプの骨格材に見られるようなクロス糸の不均一性が改善され、レーザー穴明け性が大幅に改善されることとなってきた。
特開2003−213019号公報
キャパシタ回路を備えたプリント配線板に関する技術背景: 続いて、キャパシタ回路基板に関する技術背景に関して述べることとする。銅張積層板を用いてキャパシタ回路基板を製造する場合は、所謂両面の各々の銅箔層とその両銅箔層の間に位置する誘電体層とからなる両面銅張積層板を用いて、その両面の銅箔層を所望の形状のキャパシタ電極にエッチング加工して、両面のキャパシタ電極に誘電体層を挟み込んだ状態のキャパシタ構造を目的位置に形成することにより行われるのが通常である。
形成されたキャパシタは、可能な限り大きな電気容量を持つことが基本的な品質として求められる。キャパシタの容量(C)は、C=εε(A/d)の式(εは真空の誘電率)から計算される。従って、キャパシタ容量を増大させるためには、i)キャパシタ電極の表面積(A)を大きくする。ii)誘電体層の厚さ(d)を薄くする。iii)誘電体層の比誘電率(ε)を大きくする。これらのいずれかの手法を採用すればよいことになる。
ところが、i)の表面積(A)に関しては、最近の電子、電気機器の軽薄短小化の流れから、プリント配線板にも同様の要求が行われることになり、一定のプリント配線板面積の中で、キャパシタ電極の面積を広く採ることは殆ど不可能である。ii)の誘電体層の厚さ(d)を薄くすることに関して、誘電体層がプリプレグに代表されるように従来のガラスクロス等の骨格材を含むものであれば、骨格材があるが故に薄層化に限界が生じる。一方で、従来の誘電体層構成材料を用いて単に骨格材を省略すると、キャパシタ電極をエッチングで作成する際のエッチング液のシャワー圧で銅箔層がエッチング除去された部位の誘電体層が破壊するという不具合が生じていた。これらのことから、iii)の誘電体層の比誘電率(ε)を大きくすることを考えるのが一般化してきた。
即ち、特許文献4に開示されているように、誘電体層の構成には、ガラスクロス等の骨格材を必須のものとして、骨格材の不織化等により薄層化を図り、誘電体層全体の厚さを薄くして、且つ、誘電体層の構成材料に誘電体フィラーを分散含有させた樹脂を用いる等してキャパシタ電気容量の増大が図られてきた。
特開2003−198091号公報
従来のプリント配線板形状に関する技術背景: 更に、通常のプリント配線板は、銅箔層をエッチング加工することにより形成した回路が、外層表面から突出しており、この回路を物理的に引っかけることにより、回路断線、回路剥離等の不良が発生していた。そのため、微細な回路の形成されたプリント配線板ほど、ハンドリングに細心の注意を要するため、過剰包装、作業効率の低下を引き起こす原因となっていた。これに関しては、外層の回路が絶縁基材内に埋設された状態にすれば、問題解決が可能として、特許文献5〜特許文献7に開示されているように、種々の技術が開示されている。
特許第2896116号掲載公報 特開2000−332387号公報 特開平09−191178号公報
しかしながら、従来の骨格材を含んだプリプレグは、骨格材に樹脂成分を含浸させ、乾燥させる方法が採用されるのが通常であり、これが原因でレーザー穴明け加工性に関する問題を生じ、ファインピッチ化の要求を完全に満たすことは困難となるのである。一方、更なる内蔵キャパシタ回路の電気容量の大容量化が求められるようになり、しかも、その電気容量の安定化に対する要求が日々強くなっており、誘電体層厚さの安定化に対する要求を満たせないという現状が存在するのである。
レーザー穴明け加工性に関する課題: レーザー穴明け加工性を良好にしてファインピッチ化の要求に応えるためには、骨格材の厚さを薄くすればよいと考えられる。ところが、不織布自体は、クロスタイプのものと比較して、強度に劣るものであり、樹脂含浸させ、浸漬した樹脂中から当該不織布を引き上げる際に含浸した樹脂重量により不織布自体が切断不良を起こしやすいという欠点があった。そして、クロスタイプの織布であっても、その厚さが薄くなるほど、不織布と同様の問題は生じていた。
そこで、軽量化のために絶縁樹脂層の厚さを薄くしようとする目的を達成すると同時に、不織布若しくは織布に含浸させる樹脂量を減少させ、より薄い不織布若しくは織布を用いたプリプレグを供給しようとされてきた。ところが、銅張積層板は、プリプレグに、プレス加工により銅箔を張り付けることにより生産されるものである。このとき銅箔の表面には凹凸のある粗化処理が施されており、この粗化処理が基材の樹脂内に食い込みアンカー効果を得て密着強度を向上させるのであるが、含浸させる樹脂量を一定レベル以下に減少させるとプリプレグの骨格材と銅箔表面の粗化処理とが接触してしまい、基材の樹脂の付周りが悪くなり引き剥がし強度を劣化させ、しかも、骨格材と直接接触するため骨格材の繊維に沿ったマイグレーションを助長する可能性すら考えられることになっていた。
これらのことから、銅張積層板を製造したときの絶縁樹脂層の中に含める骨格材を可能な限り薄くして、絶縁樹脂層内の樹脂コンテンツを高めると共に、張り付けた銅箔の粗化処理と骨格材との接触をより安全に防止できる材料と方法が望まれてきたのである。
キャパシタ回路を備えたプリント配線板に関する課題: 一方、キャパシタ回路の誘電体層でも、吸湿した場合のマイグレーション現象の発生が問題となる。骨格材を含む誘電体層におけるマイグレーション現象は、プリント配線板の銅メッキ層の銅成分や、誘電体フィラーの構成金属成分が骨格材と樹脂との界面に沿って電気泳動的に拡散移動して隣接した回路間にショート不良を起こさせるというものである。係る現象が、骨格材(特にクロスタイプのもの)が存在することで起こりやすくなると考えられるのである。まして、誘電体層として用いる層には、かなりの高充填率を持って誘電体フィラーを分散させた樹脂が用いられるためである。
従って、キャパシタ回路の誘電体層には、骨格材を含まず、任意の膜厚の形成が可能で、且つ、エッチング時のエッチング液のシャワー圧により破壊されないプリント配線板の製造方法が望まれてきたのである。
プリント配線板形状に関する課題: 更に、通常のプリント配線板の外層回路を、絶縁基材内に埋設された状態にするには、回路を一旦樹脂で埋め、更に研磨することで埋設状態を作り出す等、総じて複雑な工程が採用されており、市場で広く普及する技術とはなり得なかったのである。
以上に述べてきた問題点から、ファインピッチ化をより向上させることの出来る良好なレーザー加工性能と、同時にキャパシタ回路の形成用途として誘電体層厚さを良好に保つことの出来るプリント配線板の製造方法が望まれてきたのである。しかも、このプリント配線板の外層回路が、絶縁樹脂基材内に埋設された状態になれば、プリント配線板としての極めて高いハンドリング性を備え、物理的な回路損傷を有効に防止できるものとなるのである。
以下、本件発明に係るプリント配線板の製造方法に関して説明するが、これらの製造方法は、最も単純な形で説明するのであり、当業者であれば以下に述べる方法を応用して、高多層化したプリント配線板を製造することが可能となる。また、以下の製造方法は、通常のプリント配線板の製造に用いる基本概念(以下、「製造方法1」と称する。)と、キャパシタ回路を備えるプリント配線板との場合(以下、「製造方法2」と称する。)に分けて説明することとする。キャパシタ回路を備えるプリント配線板の場合には、誘電体層を構成する層に、誘電体フィラーを含有する場合等が考えられるからである。本件発明に係る製造方法で得られるプリント配線板は、外層の回路が絶縁樹脂層に埋設配置された状態になる点に特徴を備えるものとなる。
<製造方法1>
ここでは、本件発明に係るプリント配線板の製造方法の内、最も基本的と言える製造方法に関して説明する。この製造方法は、以下に図1〜図8を参照しつつ説明するA)及びB)の各工程を備えることを特徴とするのである。なお、念のために記載しておくが、図面では、加工フローを断面から観察した模式図として捉えて表示しているが、説明が分かりやすいように、各層の厚さは現実の製品と対応するものではない。
工程A): 最初のA)の工程は、図1〜図7を用いて説明する。この工程を一言で言えば、絶縁層付銅箔2の銅箔層3をエッチングして、回路形成することで絶縁層付回路シートSを形成するものである。この工程において用いる絶縁層付銅箔2とは、図5(8)に示した如き断面層構成を備えており、銅箔の片面に当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとした硬化樹脂層4を備え、その硬化樹脂層4上に骨格材5を含む半硬化樹脂層6を備えたものである。そして、この絶縁層付銅箔を用いて、図6(9)に示すように銅箔面にエッチングレジスト層Rを形成し、図6(10)に示すように回路パターンを露光し、現像し、図7(11)に示すように銅箔層3をエッチングして回路Cを形成し、図6(12)に示すようにエッチングレジスト層Rを剥離することで、絶縁層付回路シートSを形成するのである。
ここで用いる、絶縁層付銅箔2とは、銅箔表面と接する形で片面に所定の厚さの硬化樹脂層4を備え、その硬化樹脂層4上に骨格材5を含む半硬化樹脂層6を備えたものである。ここで、特徴的なことは、硬化樹脂層4の厚さが、銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとする点である。この厚さは、仮に完全平面に硬化樹脂層を形成したと考えたときの換算厚さである。下限値を(銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値+0.5)μmの厚さとしたのは、銅箔の粗化面の持つ凹凸を完全に被覆し、且つ、銅箔層側にエッチング液を当てエッチング加工を行う際の半硬化樹脂のバリアとして機能させるための安全性を考慮して定めたのである。これに対し、上限値を(銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値+10)μm以下としたのは、以下の熱間成型プレス工程の説明で詳説するが、この硬化樹脂層はプレス成型時に回路によって押されて突き破ることのできる(以下、これを「衝破」と称している。)厚さ及び材質のものでなければならない。そこで、一般的なリジット板に使用される銅箔の厚さが9μm以上であることを考慮して定めたのである。従って、10μmを超えると回路による硬化樹脂層4の衝破が困難となるのである。
以上に述べた硬化樹脂層4には厚さの限定があるが、当該硬化樹脂層の上に設けられる半硬化樹脂層6の厚さに関しては特に制限は存在しない。しかしながら、熱間成型プレス加工時に回路が、実質的に埋まり込む層となるため、クロストーク特性を劣化させないように層間絶縁が十分に確保できる厚さである必要を考慮する限り、基板設計に応じて任意に厚さ調節を行えばよいのである。絶縁層付銅箔では、硬化樹脂層4と半硬化樹脂層6とを併せて絶縁層と称しているのである。
ここで、本件発明で用いる、絶縁層付銅箔の製造に関して、図1〜図5を用いて説明しておく。図1(1)に示すように銅箔層3の片面に熱硬化性樹脂溶液を塗布し塗膜Sを形成し、好ましくは図1(2)に示すように乾燥させ、これを図2(3)に示すように加熱炉20内(図面にはヒータ21乾燥を行う場合を記載)に入れ、加熱処理することで硬化させ硬化樹脂層4を形成する。
そして、図3(4)に示すように硬化樹脂層4上に熱硬化性樹脂溶液を塗布して塗膜Sを形成し、図3(5)に示すように半硬化状態とするのである。その後、図4(6)に示す手順の、第1ステップで半硬化状態の塗膜Sの上に骨格材5を載置し、図4(6)の第2ステップに示すように半硬化状態の塗膜Sに骨格材5を圧着し(図4では、加熱ロール22を用いて圧着する様子を模式的に示している。)、図4(6)の最終形態とする。
更に、図5(7)に示すように、これを加熱炉20内で加熱することで半硬化状態の塗膜Sの構成樹脂を再流動化させ、当該不織布若しくは織布である骨格材5に浸透させ反対面に滲み出させて、当該不織布若しくは織布を熱硬化性樹脂の構成樹脂で被覆する。炉内での操作が終了すると、直ちに炉外に出し、好ましくは図5(8)に示すようにエアーブロア装置23を用いて衝風する等して強制的に降温処理して、半硬化状態の維持を確実にするのである。以上のようにして、銅箔の片面に硬化樹脂層4と骨格材5を含んだ半硬化樹脂層6とからなる絶縁層を備えた絶縁層付銅箔2を得るのである。
ここで銅箔層3を構成する銅箔は、圧延で得られた圧延銅箔、電解で得られる電解銅箔等、特に製法にこだわるものでなく、プリント配線板の電子材料用途に用いられる銅箔であればよいのである。そして、この銅箔には、キャリア箔付銅箔をも含む概念として記載している。キャリア箔付銅箔は、銅箔の基材との接着面の反対面にキャリア箔が取り付けられており、キャリア箔を付けたままプレス加工して銅張積層板として、その後キャリア箔を除去して、通常の銅張積層板として用いるものである。キャリア箔付銅箔を用いる利点は、9μm厚さ等の薄い銅箔の取り扱いが容易で、プレス加工時に起こりうる銅箔表面への異物付着、汚染を防止して、エッチング加工の直前まで銅箔表面を傷等の損傷から保護できる点にある。
硬化樹脂層4を構成する樹脂には、一般的にはエポキシ樹脂を用いることになる。プリント配線板用途において広く用いられているからである。従って、ここで硬化樹脂層4を構成する樹脂としては、熱硬化性を備えた樹脂であり、且つ、電気、電子材料の分野でプリント配線板に使用可能なものであれば特に限定は要さないのである。この硬化樹脂層4は、溶剤を用いて液体状にした熱硬化性樹脂溶液を銅箔表面に塗布する方法を採用するのが一般的であるが、半硬化状態の樹脂フィルムをラミネートするように張り付ける方法等を採用することも可能である。溶剤を用いて熱硬化性樹脂溶液とする場合は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を配合し、メチルエチルケトン等の溶剤を用いて粘度調整を行い用いることになる。硬化樹脂層4の厚さが当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとなる範囲に入る限り、硬化方法及び硬化条件に関しても、特に限定は要さないのである。
更に、半硬化樹脂層6を構成する樹脂にも、上述した硬化樹脂層4と同様の概念の熱硬化性樹脂と以下に述べる骨格材5とが用いられるのである。但し、必ずしも半硬化樹脂層6を構成する樹脂と、硬化樹脂層4とを構成する樹脂組成が同じである必要はないのである。ここで図3〜図5に示した半硬化樹脂層6の製造方法に関して補足的に詳説する。まず、銅箔表面に形成した硬化樹脂層4の上に、熱硬化性樹脂溶液を塗工し、有機溶剤成分を除去するのである。そして、以下に述べる不織布若しくは織布等の骨格材5を載置し、骨格材5に当該熱硬化性樹脂溶液を浸透させ、骨格材の反対面にまで樹脂を染み出させるのである。そして、硬化させることなく乾燥を行い、硬化樹脂層4の上に、骨格材5を含んだ半硬化樹脂層6を形成するのである。
このときの熱硬化性樹脂溶液の塗膜厚さは、以下に述べる不織布若しくは織布5の厚さを考慮して定められる。形成する半硬化樹脂層厚さ(X(μm))に対し、X−40(μm)〜X−3(μm)の厚さとすることが望ましい。例えば、半硬化樹脂層厚さを100μmとするためには、100−40=60μmから100−3=97μmの厚さの塗膜厚さとして、銅箔表面に液体状の樹脂の塗布を行っておくのである。このようにすることで、硬化樹脂層4の表面に狙い通りの厚さの半硬化樹脂層6の形成が可能となるのである。前記塗膜厚さをX−40(μm)未満とすると、最終的に得られる半硬化樹脂層と張り合わせる基材との十分な密着性が得られず、塗膜厚さをX−3(μm)を超える厚さとしても、半硬化樹脂層と張り合わせる基材との密着性を向上させる効果が増大する事はなくなるのである。
そして、この熱硬化性樹脂溶液の塗膜S上に、骨格材5(不織布若しくは織布)を載置して、その塗膜Sの構成樹脂成分を骨格材5を構成するガラス繊維又は有機繊維の毛細管現象を利用して浸透させ、当該骨格材5の反対側に滲み出させ、骨格材5の表面を完全に被覆することで、絶縁層付銅箔2を得るのである。ここで言う有機繊維には、半田バス温度(260℃程度)で分解や融解しないものを用いることが好ましく、アラミド、全芳香族ポリエステル、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)のいずれかを用いることが好ましい。
このとき、図3〜図5に示す工程では、次のような点に考慮して、不織布若しくは織布5に樹脂含浸をさせ、不織布若しくは織布5の樹脂被覆を行なう事が好ましい。熱硬化性樹脂溶液の塗膜は、有機溶剤を多量に含んでいる。そのため、その溶剤を全く除去することなく、その表面に骨格材5を載置して、以下の工程を行わせると、最終的に半硬化状態に乾燥する際に、骨格材5の不織布若しくは織布の繊維にトラップされる形でバブルが発生しやすくなる。そこで、図3(5)の工程を設けたように、骨格材5を塗膜表面に載置する前に、バブル発生を防止するため一定量の溶剤除去を行うことが好ましいのである。溶剤の除去は、単に風乾させても、硬化温度以下の温度領域に加熱して行うものであっても構わない。
骨格材5を載置する前に、塗膜の樹脂成分を半硬化状態にし、この半硬化状態になった塗膜に骨格材を載置する場合には、塗膜と骨格材との間に隙間が出来ないように、図4(6)に示したように骨格材を塗膜に仮圧着させることが好ましい。そして、図5(7)に示すようにして半硬化した塗膜樹脂を、再流動化させるため硬化温度以下の加熱を行い、当該骨格材5を構成するガラス繊維又はアラミド繊維の毛細管現象を利用して浸透させるのである。
ここで骨格材5には、ガラス繊維、アラミド繊維を用いた不織布若しくは織布を用いることが望ましい。いずれもプリント配線板用途においては、長年の使用実績があるものであり、信頼性の高い材料だからである。しかし、不織布若しくは織布の材質は、特に限定を要するものではなく、プリント配線板用途に用いることのできるもので、十分な機械的特性を備えていればよいのである。なお、ここで用いる不織布及び織布を構成する繊維は、その表面の樹脂との濡れ性を向上させるため、シランカップリング剤処理を施す事が好ましい。このときのシランカップリング剤は、使用目的に応じてアミノ系、エポキシ系等のシランカップリング剤を用いればよいのである。
そして、当該骨格材5の厚さにも特段の限定は存在しないが、本件発明のような絶縁層付銅箔の製造方法を採用すれば、従来使用することの出来なかった厚さ50μm以下の薄い不織布若しくは織布を使用することが可能となるのである。従来は、骨格材を樹脂ワニスに浸漬して含浸させ、乾燥塔内に引き上げ半硬化状態に乾燥させ、プリプレグとする方法を採用しており、厚さ50μm以下の薄い不織布若しくは厚さ20μm以下の織布は、その機械的強度の弱さから、直ぐに破断、破損する不良が発生していたのである。ところが、本件発明に係る絶縁層付銅箔の製造方法を採用すれば、厚さ50μm以下の薄い不織布若しくは厚さ20μm以下の織布を用いても破断、破損することが無くなるのである。このように薄い骨格材を用いることが出来るため、本件発明に係る製造方法で得られるプリント配線板は、極めて良好なレーザー穴明け加工性能を示すと同時に、プリント配線板に求められる必要最小限の強度を確保でき、市場でのファインピッチ回路形成の要求に応えることが可能となるのである。
以上のようにして本件発明に係る製造方法で使用する絶縁層付銅箔が得られるのである。そして、図6(9)に示すように、この絶縁層付銅箔2の銅箔層3の表面にエッチングレジスト層Rを設け、図6(10)に示すように回路パターンを露光し、現像するのである。そして、図7(11)に示すように銅箔層側の表面から銅エッチングして、図7(12)に示すようにエッチングレジストを剥離して、回路パターンを形成するのである。これが絶縁層付回路シート7である。この回路エッチング時には、銅箔層側からエッチング液を当てれば、硬化樹脂層4がバリアとなり、半硬化樹脂層6に損傷を与えないことになる。しかしながら、半硬化樹脂層6側へのエッチング液、レジスト剥離剤等の回り込みが起こる場合には、半硬化樹脂層6の表面に対しPETフィルム、ポリエチレンフィルム等の防護フィルムを用いることが好ましい。
工程B): そして、以上のようにして得られた絶縁層付回路シート7の半硬化樹脂層6を、図8(13)に示すように、張り合わせる基材(図面中では内層回路Cを備える内層コア材24を採用している。)と当接させ重ね合わせて、熱間プレス成形するのである。熱間プレス成形時には、170℃〜180℃程度の加熱が行われ、加圧されることになる。この加圧により、回路が、その下にある硬化樹脂層にクラックを生じつつ、半硬化樹脂層側へ押し込まれることになるのである。本件発明では、この現象を衝破と称しているのである。衝破の際には、硬化樹脂層4にクラックを生じ、そのクラックから再流動を初めている半硬化樹脂層6の熱硬化性樹脂が回路の側壁面を伝って染み出すことで、回路を完全に絶縁樹脂層内に埋設し、硬化樹脂層4と半硬化樹脂層6とが一体化した絶縁層が形成されるのである。以上のように、熱間プレス工程が終了すると、図8(14)に示した本件発明に係る絶縁樹脂層に埋設配置した回路Cを備えるプリント配線板1aが得られるのである。
<キャパシタ用プリント配線板の製造方法>
以下の工程は、上述のプリント配線板の製造方法と共通する箇所があるため、共通箇所に関しては重複した説明を避けるため、記載を省略し、図9〜図11を参照しつつ、キャパシタ用プリント配線板1bの製造方法において特徴的な部分のみを工程順に説明することとする。
工程A): この工程では、銅箔3の片面に、当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとした硬化樹脂層を備え、その硬化樹脂層上に骨格材を含む半硬化樹脂層を備えた絶縁層付銅箔を用いて、その銅箔面にエッチングレジスト層を形成し、キャパシタ回路パターンを露光し、現像し、銅箔面をエッチングして一面側の電極となるキャパシタ回路を形成し、レジスト層を剥離することで、絶縁層付キャパシタ回路シートを形成するのである。従って、上述の工程A)と異なるのは、形成する回路がキャパシタ用の回路の上部電極若しくは下部電極となる一方の電極形状を含む回路であるという点が異なるのみであるため、この工程の詳細な説明は省略する。
工程B): この工程では、前記絶縁層付キャパシタ回路シートの半硬化樹脂層を張り合わせる基材面に当接させ重ね合わせて、熱間プレス成型することで、回路部の銅箔が前記硬化樹脂層を衝破し、前記半硬化樹脂層に埋設し、絶縁樹脂層に埋設配置したキャパシタ回路を備えるプリント配線板とするものである。従って、熱間成形プレスでキャパシタ用の回路の上部電極若しくは下部電極となる一方の電極形状を含む回路が埋設されたプリント配線板を得るのであり、上述の工程B)の熱間成形プレス工程と何ら異なるところはなく、当業者であれば容易に理解できるため、この工程の詳細な説明も省略する。
工程C): この工程では、図9(1)に示すように前記キャパシタ回路を備えるプリント配線板1aの埋設した回路C面に、誘電層付銅箔10の誘電層11面を当接させ重ね合わせる。そして、熱間プレス成形することで、図9(2)に示すように外層に銅箔層が位置する銅張積層板12とするのである。この誘電層付銅箔10は、銅箔の片面にキャパシタ回路を形成したときの誘電層11を構成する樹脂層若しくは誘電体フィラーを含有した樹脂層を備えたものである。従って、その断面から見た層構成は、図9(1)から見て取れるように、極めて単純な構成を持つものである。図9〜図11では、誘電層に誘電体フィラーを含んだ状態が見て取れるまでの記載はしていない。このときの誘電層を構成する樹脂及び誘電体フィラーの種類、誘電層の厚さによりキャパシタとしての性能が左右されることになる。
本件発明の場合、工程B)で製造したキャパシタ回路を備えるプリント配線板の表面がフラットであり、回路C部が突出していないため、回路間ギャップへの樹脂成分の広がりを考慮する必要がなく、例えレジンフローが小さな樹脂を誘電層に用いてもボイド等の空隙が生ずることなく、良好な密着性が得られることになるのである。しかも、当該プリント配線板の表面がフラットであるため、誘電層の厚さ精度の確保が容易であり、誘電層の薄層化が容易で、電気容量の大きなキャパシタ回路の形成が可能となるのである。
ここで、誘電層付銅箔10の誘電層11を構成する樹脂組成物に関して説明する。本来、この樹脂組成に関しては、特に限定を要するものではなく、キャパシタ回路に要求される電気容量等の設計品質を考慮して、適宜選択的に使用材料を選定すればよいのである。しかしながら、張り合わせるプリント配線板の表面がフラットで凹凸のないものであるため、出来る限り界面剥離(デラミネーション)を防止する観点から、密着性に優れた樹脂組成を採用することが好ましい。特に望ましいのが、以下に述べるが如き樹脂組成である。
誘電層を構成するのに望ましい樹脂組成物を端的に表せば、エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤に可溶な芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、及び、必要に応じて適宜量添加する硬化促進剤からなるのである。
ここで言う「エポキシ樹脂」とは、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであって、電気・電子材料用途に用いることのできるものであれば、特に問題なく使用できる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂の群から選ばれる一種又は2種以上を混合して用いることが好ましい。
このエポキシ樹脂は、樹脂組成物の主体をなすものであり、20重量部〜80重量部の配合割合で用いられる。但し、ここには以下に述べる硬化剤を含むものとして考えている。従って、硬化剤を含む状態での当該エポキシ樹脂が20重量部未満の場合には、熱硬化性を十分に発揮せず基材樹脂とのバインダーとしての機能及び銅箔との密着性を十分に果たし得ず、80重量部を越えると樹脂溶液としたときの粘度が高くなりすぎて銅箔表面への均一な厚さでの塗布が困難となるとともに、後に述べる芳香族ポリアミド樹脂ポリマーの添加量とのバランスがとれず、硬化後の十分な靭性が得られなくなる。
そして、エポキシ樹脂の「硬化剤」とは、ジシアンジアミド、イミダゾール類、芳香族アミン等のアミン類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA等のフェノール類、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のノボラック類、無水フタル酸等の酸無水物等である。エポキシ樹脂に対する硬化剤の添加量は、それぞれの当量から自ずと導き出されるものであるため、本来厳密にその配合割合を明記する必要性はないものと考える。従って、本件発明では、硬化剤の添加量を特に限定していない。
次に、「芳香族ポリアミド樹脂ポリマー」とは、芳香族ポリアミド樹脂とゴム性樹脂とを反応させて得られるものである。ここで、芳香族ポリアミド樹脂とは、芳香族ジアミンとジカルボン酸との縮重合により合成されるものである。このときの芳香族ジアミンには、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン、3,3’−オキシジアニリン等を用いる。そして、ジカルボン酸には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸等を用いるのである。
そして、この芳香族ポリアミド樹脂と反応させるゴム性樹脂とは、天然ゴム及び合成ゴムを含む概念として記載しており、後者の合成ゴムにはスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等がある。更に、形成する誘電体層の耐熱性を確保する際には、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の耐熱性を備えた合成ゴムを選択使用することも有用である。これらのゴム性樹脂に関しては、芳香族ポリアミド樹脂と反応して共重合体を製造するようになるため、両末端に種々の官能基を備えるものであることが望ましい。特に、CTBN(カルボキシ基末端ブタジエンニトリル)を用いることが有用である。
芳香族ポリアミド樹脂ポリマーを構成することとなる芳香族ポリアミド樹脂とゴム性樹脂とは、芳香族ポリアミド樹脂が25重量部〜75重量部、残部ゴム性樹脂という配合で用いることが好ましい。芳香族ポリアミド樹脂が25重量部未満の場合には、ゴム成分の存在比率が大きくなりすぎ耐熱性に劣るものとなり、一方、75重量部を越えると芳香族ポリアミド樹脂の存在比率が大きくなりすぎて、硬化後の硬度が高くなりすぎ、脆くなるのである。この芳香族ポリアミド樹脂ポリマーは、銅張積層板に加工した後の銅箔をエッチング加工する際に、エッチング液によりアンダーエッチング等の損傷を受けないことを目的に用いたものである。
この芳香族ポリアミド樹脂ポリマーには、まず溶剤に可溶であるという性質が求められる。この芳香族ポリアミド樹脂ポリマーは、20重量部〜80重量部の配合割合で用いる。芳香族ポリアミド樹脂ポリマーが20重量部未満の場合には、銅張積層板の製造を行う一般的プレス条件で硬化しすぎて脆くなり、基板表面にマイクロクラックを生じやすくなるのである。一方、80重量部を越えて芳香族ポリアミド樹脂ポリマーを添加しても特に支障はないが、80重量部を越えて芳香族ポリアミド樹脂ポリマーを添加してもそれ以上に硬化後の強度は向上しないのである。従って、経済性を考慮すれば、80重量部が上限値であると言えるのである。
「必要に応じて適宜量添加する硬化促進剤」とは、3級アミン、イミダゾール、尿素系硬化促進剤等である。本件発明では、この硬化促進剤の配合割合は、特に限定を設けていない。なぜなら、硬化促進剤は、銅張積層板製造の工程での生産条件性等を考慮して、製造者が任意に選択的に添加量を定めて良いものであるからである。
次に、誘電層11を構成するのに用いる誘電体フィラーに関して説明する。この誘電体フィラーは、上述してきた誘電層を構成するために用いる樹脂成分中に混合して誘電層の中に分散して存在させるものであり、最終的にキャパシタ形状に加工したときのキャパシタの電気容量を増大させるために用いるのである。この誘電体フィラーには、BaTiO、SrTiO、Pb(Zr−Ti)O(通称PZT)、PbLaTiO・PbLaZrO(通称PLZT)、SrBiTa(通称SBT)等のペブロスカイト構造を持つ複合酸化物の誘電体粉を用いるのが好ましい。
そして、この誘電体フィラーの粉体特性は、まず粒径が0.1〜1.0μmの範囲のものであることが好ましい。ここで言う粒径は、粉粒同士がある一定の2次凝集状態を形成しているため、レーザー回折散乱式粒度分布測定法やBET法等の測定値から平均粒径を推測するような間接測定では精度が劣るものとなるため用いることができず、誘電体フィラーを走査型電子顕微鏡(SEM)で直接観察し、そのSEM像を画像解析し得られる平均粒径を言うものである。本件明細書ではこの時の粒径をDIAと表示している。なお、本件明細書における走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される誘電体フィラーの粉体の画像解析は、旭エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCを用いて、円度しきい値10、重なり度20として円形粒子解析を行い、平均粒径DIAを求めたものである。
更に、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50が0.2〜2.0μmであり、且つ、重量累積粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIAで表される凝集度の値が4.5以下である略球形の形状をしたペロブスカイト構造を持つ誘電体粉末であることが求められる。
レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる重量累積50%における粒径のことであり、この重量累積粒径D50の値が小さいほど、誘電体フィラー粉の粒径分布の中で微細な粉粒の占める割合が多いことになる。本件発明では、この値が0.2μm〜2.0μmであることが求められる。即ち、重量累積粒径D50の値が0.2μm未満の場合には、どのような製造方法を採用した誘電体フィラー粉であれ、凝集の進行が著しく以下に述べる凝集度を満足するものとはならないのである。一方、重量累積粒径D50の値が2.0μmを越える場合には、本件発明の目的とするところであるプリント配線板の内蔵キャパシタ層形成用の誘電体フィラーとしての使用が不可能となるのである。即ち、キャパシタ層を形成するのに用いる両面銅張積層板の誘電体層は、通常10μm〜50μmの厚さのものであり、ここに誘電体フィラーを均一に分散させるためには2.0μmが上限となるのである。
なお、本件発明における重量累積粒径D50の測定は、誘電体フィラー粉をメチルエチルケトンに混合分散させ、この溶液をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(日機装株式会社製)の循環器に投入して測定を行った。
ここで凝集度という概念を用いているが、以下のような理由から採用したものである。即ち、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる重量累積粒径D50の値は、真に粉粒の一つ一つの径を直接観察したものではないと考えられる。殆どの誘電体粉を構成する粉粒は、個々の粒子が完全に分離した、いわゆる単分散粉ではなく、複数個の粉粒が凝集して集合した状態になっているからである。レーザー回折散乱式粒度分布測定法は、凝集した粉粒を一個の粒子(凝集粒子)として捉えて、重量累積粒径を算出していると言えるからである。
これに対して、走査型電子顕微鏡を用いて観察される誘電体粉の観察像を画像処理することにより得られる平均粒径DIAは、SEM観察像から直接得るものであるため、一次粒子が確実に捉えられることになり、反面には粉粒の凝集状態の存在を全く反映させていないことになる。
以上のように考えると、本件発明者等は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いて、D50/DIAで算出される値を凝集度として捉えることとしたのである。即ち、同一ロットの銅粉においてD50とDIAとの値が同一精度で測定できるものと仮定して、上述した理論で考えると、凝集状態のあることを測定値に反映させるD50の値は、DIAの値よりも大きな値になると考えられる(現実の測定に置いても、同様の結果が得られる)。
このとき、D50の値は、誘電体フィラー粉の粉粒の凝集状態が全くなくなるとすれば、限りなくDIAの値に近づいてゆき、凝集度であるD50/DIAの値は、1に近づくことになる。凝集度が1となった段階で、粉粒の凝集状態が全く無くなった単分散粉と言えるのである。但し、現実には、凝集度が1未満の値を示す場合もある。理論的に考え真球の場合には、1未満の値にはならないのであるが、現実には、粉粒が真球ではないために1未満の凝集度の値が得られることになるようである。
本件発明では、この誘電体フィラー粉の凝集度が4.5以下であることが求められる。この凝集度が4.5を越えると、誘電体フィラーの粉粒同士の凝集レベルが高くなりすぎて、上述したバインダー樹脂との均一混合が困難となるのである。
誘電体フィラー粉の製造方法として、アルコキシド法、水熱合成法、オキサレート法等のいずれの製造方法を採用しても、一定の凝集状態が不可避的に形成されるため、上述の凝集度を満足しない誘電体フィラー粉が発生し得るものである。特に、湿式法である水熱合成法の場合には、凝集状態の形成が起こりやすい傾向にある。そこで、この凝集した状態の粉体を、一粒一粒の粉粒に分離する解粒処理を行うことで、誘電体フィラー粉の凝集状態を、上述の凝集度の範囲とすることが可能なのである。
単に解粒作業を行うことを目的とするのであれば、解粒の行える手段として、高エネルギーボールミル、高速導体衝突式気流型粉砕機、衝撃式粉砕機、ゲージミル、媒体攪拌型ミル、高水圧式粉砕装置等種々の物を用いることが可能である。ところが、誘電体フィラー粉とバインダー樹脂との混合性及び分散性を確保するためには、以下に述べる誘電体フィラー含有樹脂溶液としての粘度低減を考えるべきである。誘電体フィラー含有樹脂溶液の粘度の低減を図る上では、誘電体フィラーの粉粒の比表面積が小さく、滑らかなものとすることが求められる。従って、解粒は可能であっても、解粒時に粉粒の表面に損傷を与え、その比表面積を増加させるような解粒手法であってはならないのである。
このような認識に基づいて、本件発明者等が鋭意研究した結果、二つの手法が有効であることが見いだされた。この二つの方法に共通することは、誘電体フィラーの粉体の粉粒が装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒体等の部分と接触することを最小限に抑制し、凝集した粉粒同士の相互衝突を行わせることで、解粒が十分可能な方法という点である。即ち、装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒体等の部分と接触することは粉粒の表面を傷つけ、表面粗さを増大させ、真球度を劣化させることにつながり、これを防止するのである。そして、十分な粉粒同士の衝突を起こさせることで、凝集状態にある粉粒を解粒し、同時に、粉粒同士の衝突による粉粒表面の平滑化の可能な手法を採用できるのである。
その一つは、凝集状態にある誘電体フィラー粉を、ジェットミルを利用して解粒処理するのである。ここで言う「ジェットミル」とは、エアの高速気流を用いて、この気流中に誘電体フィラー粉を入れ、この高速気流中で粉粒同士を相互に衝突させ、解粒作業を行うのである。
また、凝集状態にある誘電体フィラー粉を、そのストイキオメトリを崩すことのない溶媒中に分散させたスラリーを、遠心力を利用した流体ミルを用いて解粒処理するのである。ここで言う「遠心力を利用した流体ミル」を用いることで、当該スラリーを円周軌道を描くように高速でフローさせ、このときに発生する遠心力により凝集した粉粒同士を溶媒中で相互に衝突させ、解粒作業を行うのである。このようにすることで、解粒作業の終了したスラリーを洗浄、濾過、乾燥することで解粒作業の終了した誘電体フィラー粉が得られることになるのである。以上に述べた方法で、凝集度の調整及び誘電体フィラー粉の粉体表面の平滑化を図ることができるのである。
以上述べてきた熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとを混合して、プリント配線板のキャパシタ層形成用の誘電体フィラー含有樹脂とするのである。このときの、熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとの配合割合は、誘電体フィラーの含有率が75wt%〜85wt%、残部熱硬化性樹脂とすることが望ましい。誘電体フィラーの含有率が75wt%未満の場合には、市場で現在要求されている比誘電率20を満足できず、誘電体フィラーの含有率が85wt%を越えると、熱硬化性樹脂の含有率が15wt%未満となり、誘電体フィラー含有樹脂とそこに張り合わせる銅箔との密着性が損なわれ、プリント配線板製造用としての要求特性を満足する銅張積層板の製造が困難となるのである。
以上に説明してきた誘電体フィラー含有樹脂を用いて、プリント配線板のキャパシタ層の誘電体層を構成すると、十分な膜厚の均一性を備えた状態での誘電層の薄層化が可能であり、結果として非常に良好な高電気容量を備えたキャパシタ回路となるのである。
工程D): この工程では、外層銅箔3にエッチングレジスト層を形成し、キャパシタ回路パターンを露光し、現像し、銅箔面をエッチングしてキャパシタ回路Cを形成し、レジスト層を剥離することで、他面側の電極となるキャパシタ回路Cを形成し、キャパシタ回路を備えたプリント配線板とするのである。この工程を示したのが、図10及び図11である。
即ち、上述の工程A)で形成したキャパシタ用の回路の上部電極若しくは下部電極となる他方の電極形状を含む回路を、多層プリント配線板の外層銅箔をエッチングするのと同様に加工するのである。従って、当業者であれば容易に理解することが可能であり、しかも、工程A)の説明と重複部分も多くあるため、この工程の詳細な説明は省略する。
以上に述べてきた製造方法の説明では、図面中で両面に積層加工するイメージを示してきたが、当業者であれば、片面、両面、3層以上の多層板を含むいかなる層構成に係るプリント配線板にも応用可能な製造方法である。
以上に述べてきたプリント配線板の製造方法は、絶縁樹脂層に埋設配置した回路を備えるプリント配線板を非常に効率よく製造できる方法であり、得られたプリント配線板の表面は非常にフラットであり、且つ、絶縁層内の骨格材を極めて薄くすることが可能であるため、レーザー穴明け加工性に優れ低出力の炭酸ガスレーザーによる加工効率を飛躍的に高め、高密度配線化及び高密度実装化の要求に応えることが可能となる。
また、本件発明に係る絶縁樹脂層に埋設配置したキャパシタ回路を備えるプリント配線板の製造方法を採用することで、フラットなプリント配線板の表面に誘電層を張り合わせ加工することとなるため、キャパシタ回路の誘電層厚さを薄く設計しても、極めて高い厚さ精度を得ることが可能となる。
以下、本件発明に係るプリント配線板の製造方法の最良の実施の形態に関して説明することとする。
本実施形態においては、図1〜図5に示したフローに従い、公称厚さ12μmで、粗化面の表面粗さ(Rz)が3.0μmである電解銅箔3を用いて、絶縁層付銅箔2を製造した。
まず最初に、硬化樹脂層4及び半硬化樹脂層6の形成に用いるエポキシ樹脂組成物を調整した。ここでは、樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:YD−128、東都化成社製)30重量部、o−クレゾール型エポキシ樹脂(商品名:ESCN−195XL80、住友化学社製)50重量部、エポキシ樹脂硬化剤として固形分25%のジメチルホルムアルデヒド溶液の形でジシアンジアミド(ジシアンジアミドとして4重量部)を16重量部、硬化促進剤として2−エチル4−メチルイミダゾール(商品名:キャゾール2E4MZ、四国化成社製)を0.1重量部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアルデヒドとの混合溶剤(混合比:メチルエチルケトン/ジメチルホルムアルデヒド=4/6)に溶解して固形分60%のエポキシ樹脂組成物とし、これを用いた。
絶縁層付銅箔の製造: 図1〜図2に示したフローに従って、このエポキシ樹脂組成物を、前記公称厚さ12μmの電解銅箔3の粗化面(Rz=2.0μm)に均一に塗布して、室温で30分間放置して、熱風乾燥機を用いて150℃の温風を2分間衝風することで、一定量の溶剤を除去し、更に170℃の温度で60分間の硬化処理を行い、硬化樹脂層4を形成した。このときのエポキシ樹脂組成物の塗布量は、硬化後の膜厚として当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも8μm厚いものとなるようにした。
次に、図3〜図5に示したフローに従って、硬化樹脂層4の表面に半硬化樹脂層6を形成した。硬化樹脂層4の表面に前記エポキシ樹脂組成物を、均一に塗布して、室温で30分間放置して、熱風乾燥機を用いて150℃の温風を2分間衝風することで10μm厚さの半硬化状態の膜厚とした。そして、この上に、骨格材5として公称厚さ50μm厚のアラミド繊維の不織布を張り合わせた。この張り合わせは、半硬化状態の塗膜Sの表面に当該不織布を重ね合わせて、150℃に加熱し、9kg/cmのラミネート圧力を掛けることの出来るようにし加熱ロール22の間を、20cm/分の速度で通過させることにより行った。その結果、張り合わせた状態での塗膜S2と骨格材5との合計厚さが平均55μmであった。
以上のようにして骨格材5の張り合わせが終了すると、熱風乾燥機を用いて150℃の雰囲気中に1分間維持することで、塗膜Sの半硬化状態の樹脂を再流動化させ、その構成樹脂成分を骨格材5を構成するアラミド繊維の毛細管現象を利用して浸透させ、更に当該骨格材5の塗膜Sとの接触面の反対側にまで滲み出させ、骨格材5の表面を完全に被覆し、乾燥させることで半硬化樹脂層6を形成し、エアーブロア23で強制的に降温処理することで、図5(8)に示す絶縁層付銅箔2を得た。このときの、半硬化樹脂層6の乾燥後の合計厚さは42μmであり、この半硬化樹脂層6にはPETフィルム(図面中では省略)をラミネートして張り合わせた。
絶縁層付回路シートの製造: 図6〜図7に示すフローに従い、前記絶縁層付銅箔2の、銅箔層3の表面にドライフィルムをラミネートしてエッチングレジスト層Rを形成し、そして、エッチングレジスト層Rの表面に露光用フィルムを重ね露光し、現像することで、回路となる銅箔表面にのみドライフィルムを残した。その後、塩化鉄銅エッチング液を銅箔面にのみ当て、回路エッチングを行い、レジスト剥離及び半硬化樹脂層6のPETフィルム剥離を行い図7(12)に示すように絶縁層上に回路Cが存在するような絶縁層付回路シート7を得たのである。
熱間プレス成形: そして、図8に示したフローに従って、この絶縁層付回路シート7と、内層回路C2を表面に形成した内層コア材24(板厚0.6mm、銅箔厚さ35μmのFR−4材)とを用いて、4層の多層プリント配線板1aを製造した。即ち、図8(13)に示したように内層コア材24を中心に、その両外層面のそれぞれに各1枚の絶縁層付回路シート7を、当該絶縁層が内層コア材24の外層面に接するように積層しプレス加工することで、外層回路が絶縁樹脂層内に埋設してフラットな表面を持つ多層プリント配線板1aを製造したのである。このときのプレス加工条件は、プレス温度180℃、プレス圧力20kg/cm、硬化時間90分とした。
本実施例では、図9〜図11に示すフローに従い、実施例1で製造した4層の多層プリント配線板1aの外層に以下に述べる誘電層付銅箔10を張り合わせることで、キャパシタ回路層を備える6層の多層プリント配線板1bを製造したのである。従って、重複する説明は省略し、誘電層付銅箔10の製造から説明することとする。
誘電層付銅箔の製造: 最初に誘電層11を構成する樹脂溶液を製造した。この樹脂溶液を製造するにあたり、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDCN−704)、溶剤に可溶な芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、溶剤としてのシクロペンタノンとの混合ワニスとして市販されている日本化薬株式会社製のBP3225−50Pを原料として用いた。そして、この混合ワニスに、硬化剤としてのフェノール樹脂に大日本インキ株式会社製のVH−4170及び硬化促進剤として四国化成製の2E4MZを添加して以下に示す配合割合を持つ樹脂混合物とした。
樹脂混合物
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 38重量部
芳香族ポリアミド樹脂ポリマー 50重量部
フェノール樹脂 18重量部
硬化促進剤 0.1重量部
この樹脂混合物を、更にメチルエチルケトンを用いて樹脂固形分を30重量%に調整ですることで樹脂溶液とした。そして、この樹脂溶液に、以下に示す粉体特性を持つ誘電体フィラーFであるチタン酸バリウム粉を混合分散させ、以下の組成の誘電体フィラー含有樹脂溶液とした。
誘電体フィラーの粉体特性
平均粒径(DIA) 0.25μm
重量累積粒径(D50) 0.5μm
凝集度(D50/DIA) 2.0
誘電体フィラー含有樹脂溶液
バインダー樹脂溶液 83.3重量部
チタン酸バリウム粉 100重量部
以上のようにして製造した誘電体フィラー含有樹脂溶液を、エッジコーターを用いて、35μm厚さの電解銅箔2の粗化面に所定の厚さとなるように塗布し、5分間の風乾を行い、その後140℃の加熱雰囲気中で3分間の乾燥処理を行い、半硬化状態の20μm厚さの誘電体層11を形成した。
キャパシタ回路を備えたプリント配線板の製造: 誘電層11の形成が終了すると、図9(1)に示すように、当該誘電層11を実施例1で得られた多層プリント配線板1aの外層面に当接させ、積層して180℃×60分の加熱条件下で熱間プレス成形することで6層の銅張積層板12の状態とした。
以上のようにして製造した銅張積層板12の両面の銅箔層3を整面し、図10(3)に示すように、その両面にドライフィルムを張り合わせて、エッチングレジスト層Rを形成した。そして、図10(3)に示すように、その両面のエッチングレジスト層Rに、キャパシタ回路を露光現像し、エッチングパターンを形成した。その後、図11に示すように、塩化鉄エッチング液で回路エッチングを行い、エッチングレジスト剥離を行い、回路Cと回路Cとが上部又は下部電極となりその間に誘電層が存在するキャパシタ回路を備えたプリント配線板1bを製造した。
そして、そのキャパシタ回路を構成した誘電層の比誘電率を測定した結果、ε=20と非常に良好な値を示し、電気容量の高いキャパシタが得られたことが分かった。
比較例1
この比較例では、実施例1で用いたと同様の樹脂を、公称厚さ12μmの電解銅箔の粗化面に、均一に塗布して、室温で30分間放置して、熱風乾燥機を用いて150℃の温風を5分間衝風することで、一定量の溶剤を除去し、樹脂層を半硬化状態に乾燥させ、従来の骨格材を含まない樹脂付銅箔を得た。このときのエポキシ樹脂組成物の塗布量は、乾燥後の樹脂層厚として75μmとなるようにした。
そして、この樹脂付銅箔を、上述した実施例1の絶縁層付銅箔1の代わりに用いて、実施例1と同様の方法で、樹脂層付回路シートを得て、内層コア材と熱間プレス成形することで4層のプリント配線板を製造した。その結果、熱間プレス加工前の回路形成エッチング時に、ハンドリングによって半硬化樹脂層が割れてしまうこともあり、例えPETフィルムで裏打ちされていても、骨格材が存在しないことによる不具合が生じて、高品質の製品を得ることが出来なかった。
本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁樹脂層に埋設配置した回路を備えるプリント配線板を非常に効率よく製造できるものである。従って、表面が非常にフラットなプリント配線板を歩留まり良く製造することが可能であり、当該プリント配線板を市場に安価に供給することが可能となる。しかも、当該プリント配線板は、絶縁層内の骨格材を極めて薄くすることが可能であるため、レーザー穴明け加工性に優れ、且つ、基板に求められる強度も兼ね備えたものとなるのである。
また、本件発明に係る絶縁樹脂層に埋設配置したキャパシタ回路を備えるプリント配線板の製造方法を採用することで、キャパシタ回路の誘電層厚さを薄く設計しても、極めて高い厚さ精度を得ることが可能となり、キャパシタ回路を備えたプリント配線板の品質を著しく高めることが出来るようになるのである。
絶縁層付銅箔の製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔の製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔の製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔の製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔の製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔から絶縁層付回路シートへの製造フローを表す模式図。 絶縁層付銅箔から絶縁層付回路シートへの製造フローを表す模式図。 絶縁層付回路シートと内層コア材とを用いたプレスイメージを表す模式図。 誘電層付銅箔の積層イメージを表す模式図。 キャパシタ回路の形成フローを表す模式図。 キャパシタ回路の形成フローを表す模式図。
符号の説明
1a プリント配線板
1b キャパシタ回路を備えたプリント配線板
2 絶縁層付銅箔
3 銅箔層(銅箔)
4 硬化樹脂層
5 骨格材(不織布若しくは織布)
6 半硬化樹脂層
7 絶縁層付回路シート
10 (多層)プリント配線板
11 誘電層
12 銅張積層板
20 加熱炉
21 ヒータ
22 圧着ロール
,S 塗膜
,C,C 回路
R エッチングレジスト層

Claims (5)

  1. 絶縁樹脂層に埋設配置した回路を備えるプリント配線板の製造方法であって、以下のA)及びB)の各工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
    A)銅箔の片面に当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとした硬化樹脂層を備え、その硬化樹脂層上に骨格材を含む半硬化樹脂層を備えた絶縁層付銅箔を用いて、その銅箔面にエッチングレジスト層を形成し、回路パターンを露光し、現像し、銅箔面をエッチングして回路形成し、レジスト層を剥離することで、絶縁層付回路シートを形成する。
    B)前記絶縁層付回路シートの半硬化樹脂層を張り合わせる基材面に当接させ重ね合わせて、熱間プレス成型することで、回路部の銅箔が前記硬化樹脂層を衝破し、前記半硬化樹脂層に埋設し、絶縁樹脂層に埋設配置した回路を備えるプリント配線板とする。
  2. 絶縁樹脂層に埋設配置したキャパシタ回路を備えるプリント配線板の製造方法であって、以下のA)〜D)の各工程を備えることを特徴とするキャパシタ回路を備えたプリント配線板の製造方法。
    A)銅箔の片面に当該銅箔の接着面の持つ表面粗さ(Rz)の値よりも0.5μm〜10μm厚いものとした硬化樹脂層を備え、その硬化樹脂層上に骨格材を含む半硬化樹脂層を備えた絶縁層付銅箔を用いて、その銅箔面にエッチングレジスト層を形成し、キャパシタ回路パターンを露光し、現像し、銅箔面をエッチングして一面側の電極となるキャパシタ回路を形成し、レジスト層を剥離することで、絶縁層付キャパシタ回路シートを形成する。
    B)前記絶縁層付キャパシタ回路シートの半硬化樹脂層を張り合わせる基材面に当接させ重ね合わせて、熱間プレス成型することで、回路部の銅箔が前記硬化樹脂層を衝破し、前記半硬化樹脂層に埋設し、絶縁樹脂層に埋設配置したキャパシタ回路を備えるプリント配線板とする。
    C)前記キャパシタ回路を備えるプリント配線板の埋設した回路面に、誘電層付銅箔の樹脂層面を当接させ重ね合わせて、熱間プレス成型することで、外層に銅箔層が位置する銅張積層板とする。
    D)外層銅箔にエッチングレジスト層を形成し、キャパシタ回路パターンを露光し、現像し、銅箔面をエッチングしてキャパシタ回路を形成し、レジスト層を剥離することで、他面側の電極となるキャパシタ回路を形成し、キャパシタ回路を備えたプリント配線板とする。
  3. 半硬化樹脂層を構成する骨格材は、不織布若しくは織布であり、ガラス繊維又は有機繊維からなるものである請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 誘電層付銅箔を構成する樹脂層は、誘電体フィラーを含有したものである請求項2に記載のキャパシタ回路を備えたプリント配線板の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4に記載のいずれかの製造方法により製造されたプリント配線板。
JP2003331301A 2003-09-24 2003-09-24 プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板 Expired - Fee Related JP4226981B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003331301A JP4226981B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板
KR1020040072060A KR100713976B1 (ko) 2003-09-24 2004-09-09 프린트 배선판의 제조방법 및 그 제조방법으로 얻어진프린트 배선판
TW093128191A TWI279174B (en) 2003-09-24 2004-09-17 Manufacturing method of PCB, and PCB obtained thereby

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003331301A JP4226981B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005101152A true JP2005101152A (ja) 2005-04-14
JP4226981B2 JP4226981B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=34460009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003331301A Expired - Fee Related JP4226981B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4226981B2 (ja)
KR (1) KR100713976B1 (ja)
TW (1) TWI279174B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1729280A1 (en) 2005-03-31 2006-12-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device, display module, electronic apparatus and driving method of the display device

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0220581D0 (en) 2002-09-04 2002-10-09 Novartis Ag Organic Compound
GB0415746D0 (en) 2004-07-14 2004-08-18 Novartis Ag Organic compounds
KR100799847B1 (ko) * 2005-09-21 2008-01-31 삼성전기주식회사 Pcb 내장형 박막 커패시터 및 그 제조방법
GB0525672D0 (en) 2005-12-16 2006-01-25 Novartis Ag Organic compounds
GB0525673D0 (en) 2005-12-16 2006-01-25 Novartis Ag Organic compounds
KR100850760B1 (ko) * 2007-05-30 2008-08-06 삼성전기주식회사 인쇄회로기판 및 그 제조방법
KR100982795B1 (ko) * 2008-07-10 2010-09-16 삼성전기주식회사 전자소자 내장형 인쇄회로기판 제조방법
JP6348419B2 (ja) * 2012-09-18 2018-06-27 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物
CN114286515B (zh) * 2021-11-12 2025-06-17 沪士电子股份有限公司 一种增加线路板电源面积的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070086863A (ko) * 1998-09-03 2007-08-27 이비덴 가부시키가이샤 다층프린트배선판 및 그 제조방법
KR20030016515A (ko) * 2001-08-21 2003-03-03 주식회사 코스모텍 비어 필링을 이용한 빌드업 다층 인쇄회로기판의 제조 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1729280A1 (en) 2005-03-31 2006-12-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device, display module, electronic apparatus and driving method of the display device

Also Published As

Publication number Publication date
KR100713976B1 (ko) 2007-05-02
KR20050030106A (ko) 2005-03-29
JP4226981B2 (ja) 2009-02-18
TW200518654A (en) 2005-06-01
TWI279174B (en) 2007-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6475781B2 (ja) 表面処理銅箔、キャリア付銅箔、基材の製造方法、プリント配線板の製造方法、プリント回路板の製造方法、銅張積層板
WO2005087489A1 (ja) 絶縁層形成用の樹脂層を備えたキャリア箔付電解銅箔、銅張積層板、プリント配線板、多層銅張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP4148501B2 (ja) プリント配線板の内蔵キャパシタ層形成用の誘電体フィラー含有樹脂及びその誘電体フィラー含有樹脂を用いて誘電体層を形成した両面銅張積層板並びにその両面銅張積層板の製造方法
JP5470493B1 (ja) 樹脂基材、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
JP2015078422A (ja) キャリア付き銅箔
JP5521099B1 (ja) キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法
WO2014017606A1 (ja) キャリア付銅箔
JP4226981B2 (ja) プリント配線板の製造方法及びその製造方法で得られたプリント配線板
JP5118469B2 (ja) フィラー粒子含有樹脂層付銅箔及びそのフィラー粒子含有樹脂層付銅箔を用いた銅張積層板
JP6593979B2 (ja) 表面処理銅箔、キャリア付銅箔、基材、銅張積層板の製造方法、電子機器の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP6310191B2 (ja) キャリア付銅箔及びその製造方法、銅張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP6310193B2 (ja) キャリア付銅箔、その製造方法、銅張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP2015009556A (ja) キャリア付銅箔、その製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
JP6335449B2 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP2016146477A (ja) 表面処理銅箔、キャリア付銅箔、基材、樹脂基材、積層体、プリント配線板、電子機器の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP6273106B2 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP2005288966A (ja) 両面金属張積層板の製造方法及びその製造方法により得られた両面金属張積層板
JPH05235546A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP2015010274A (ja) キャリア付銅箔、その製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
JP2006123232A (ja) 誘電体フィラー含有樹脂層付銅箔及びその誘電体フィラー含有樹脂層付銅箔を用いて得られたプリント配線板
JP2004134693A (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP3002591B2 (ja) 接着剤シートとこの接着剤シートを用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板
JP2015043419A (ja) 樹脂基材、銅張積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081127

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees