JP2005097667A - フッ素ガス生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常事態における被害を最小限に食い止めることが可能なフッ素ガス生成装置を提供する。
【解決手段】フッ素ガス生成装置30は、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽32を有する。プロダクトガス及び副生ガスを導出するため、第1及び第2配管52、72が配設される。第2配管72には副生ガスの導出流量を制御する導出流量制御部74が配設される。陰極側の第2気相部分におけるガス中の水素濃度が70〜10%となるように、不活性ガスを導入する第1希釈管82が配設される。第2配管72から出るガス中の水素濃度が4%以下となるように、導出流量制御部74より下流で第2配管72内に不活性ガスを導入する第2希釈管84が配設される。
【選択図】 図2
【解決手段】フッ素ガス生成装置30は、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽32を有する。プロダクトガス及び副生ガスを導出するため、第1及び第2配管52、72が配設される。第2配管72には副生ガスの導出流量を制御する導出流量制御部74が配設される。陰極側の第2気相部分におけるガス中の水素濃度が70〜10%となるように、不活性ガスを導入する第1希釈管82が配設される。第2配管72から出るガス中の水素濃度が4%以下となるように、導出流量制御部74より下流で第2配管72内に不活性ガスを導入する第2希釈管84が配設される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、フッ素ガス生成装置に関し、特に半導体処理システムのガス供給系に配設されるフッ素ガス生成装置に関する。なお、ここで、半導体処理とは、半導体ウエハやLCD基板等の被処理基板上に半導体層、絶縁層、導電層等を所定のパターンで形成することにより、該被処理基板上に半導体デバイスや、半導体デバイスに接続される配線、電極等を含む構造物を製造するために実施される種々の処理を意味する。
半導体デバイスの製造においては、被処理基板、例えば半導体ウエハやLCD基板に、成膜、エッチング、拡散等の各種の半導体処理が施される。このような処理を行う半導体処理システムでは、例えば、シリコン膜やシリコン酸化膜をエッチングする場合や、処理室内をクリーニングする場合等、種々の用途の処理ガスとしてフッ素系のガスが利用される。新規なエッチングガス及びクリーニングガスとして、フッ素ガスが注目されているが、安全性及び信頼性の面で問題が完全に解消されていないため、半導体デバイスの製造の現場でフッ素を生成することは一般的に行われていない。
一方、ガス製造工場においてフッ素ガスを生成する装置として、電解槽を使用した装置が知られている。電解槽では、フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解する。これにより、陽極(アノード)側にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極(カソード)側に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる。フッ素ガスは非常に活性な酸化剤(支燃性)であり、フッ素ガスと水素ガスとが接触して反応することは非常に危険である。このため、陽極側のプロダクトガスと陰極側の副生ガスとの混触することを防止するための様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、ガス製造工場においてフッ素ガスを生成するフッ素ガス生成装置が開示される。これらの公報に開示の装置では、上方から溶融塩中に延びる仕切り板(スカート)により、電解槽内が中央の陽極室と周囲の陰極室とに仕切られる。陽極室内には異なる高さで終端する一対のプローブが配設される。一対のプローブは、陽極及び陰極間に供給する電流のオン/オフを制御するための液面計として機能する。即ち、この装置では、仕切り板により、陽極側のガスと陰極側のガスとの混触を防止すると共に、溶融塩の液面を検出しながらフッ素ガスの発生を制御する。この装置の場合、しかし、2つの高さ位置でしか液面を検出していないため、幾分かの液面の変動が起こることは避けられない。
図4は別の従来のフッ素ガス生成装置を示す概略図である。この装置は、電解槽からのフッ素ガスの供給を制御するための改良された機構を有する。この装置の場合、電解槽112の陽極114側で発生したフッ素ガスが配管120を通して連続的に中間のキャパシタ116に供給され、ここに一時的に溜められる。キャパシタ116がある一定の圧力に達した時、コンプレッサ118とキャパシタ116との間に配設された開閉バルブ122が一時的に開放され、ある一定量のフッ素ガスがコンプレッサ118に吸引される。バルブ122の操作は何回も繰り返され、二次バッファタンク124の圧力が所定の値まで昇圧される。
図4図示の装置の場合、キャパシタ116の圧力の上限でバルブ122を開放し、圧力の下限でバルブ122を閉鎖するという操作を行う。このため、フッ素ガスの配管120中に大きな圧力変動が生じ、これによりミスト状の溶融塩が配管120の入口に蓄積し、配管120を閉塞させる原因となる。また、設置環境によっては排出系の圧力が変化することが予想される。例えば排気系の吸引能力が高いと陰極側の圧力が自然に陰圧になり、陰極側の溶融塩レベルがそれに伴い上昇する。この場合、液面が大きく変動し、水素ガスの配管121側に溶融塩が引きずり込まれ、配管121を閉塞させる原因となる。
上述のように、従来のフッ素ガス生成装置の場合、安全性及び信頼性の面でいくつかの問題点がある。このような問題が解消されないと、自動化された生産システム、例えば、半導体デバイスの製造システムにフッ素ガス生成装置を組込んで使用することは実際上困難となる。また、本発明者等によれば、従来の装置では、後述するように、正常運転状態における陽極側のガスと陰極側のガスとの混触を予防する工夫は行っているが、異常事態により装置を停止した場合や、万が一に両ガスの混触が発生した場合に対する対応が十分ではないという問題点が見出されている。
特表平第9−505853号公報
特開2002−339090
本発明は、ある視点において、異常事態における被害を最小限に食い止めることが可能なフッ素ガス生成装置を提供することを目的とする。本発明はまた、別の視点において、長時間の運転においても高い安全性及び信頼性で作動することが可能なフッ素ガス生成装置を提供することを目的とする。本発明はまた、更に別の視点において、オンサイトで且つオンデマンドでフッ素ガスを生成するのに最適な装置を提供することを目的とする。ここで、オンサイトとは、フッ素ガス生成装置が、所定の主処理装置、例えば、半導体処理システムの主処理装置と組合わされることを意味する。また、オンデマンドとは、主処理装置側からの要求に応じたタイミングで且つ必要とされる成分調整を伴ってガスが供給可能となることを意味する。
本発明の第1の視点は、フッ素ガスを生成する装置であって、
フッ素ガスを生成する装置であって、
フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽と、
前記第1気相部分から前記プロダクトガスを導出する第1配管と、
前記第2気相部分から前記副生ガスを導出する第2配管と、
前記第2配管に配設された前記副生ガスの導出流量を制御する導出流量制御部と、
前記第2気相部分におけるガス中の水素濃度が70〜10%となるように、前記第2気相部分に不活性ガスを導入する第1希釈管と、
前記第2配管から出るガス中の水素濃度が4%以下となるように、前記導出流量制御部より下流で前記第2配管内に不活性ガスを導入する第2希釈管と、
を具備することを特徴とする。
フッ素ガスを生成する装置であって、
フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽と、
前記第1気相部分から前記プロダクトガスを導出する第1配管と、
前記第2気相部分から前記副生ガスを導出する第2配管と、
前記第2配管に配設された前記副生ガスの導出流量を制御する導出流量制御部と、
前記第2気相部分におけるガス中の水素濃度が70〜10%となるように、前記第2気相部分に不活性ガスを導入する第1希釈管と、
前記第2配管から出るガス中の水素濃度が4%以下となるように、前記導出流量制御部より下流で前記第2配管内に不活性ガスを導入する第2希釈管と、
を具備することを特徴とする。
本発明の第2の視点は、第1の視点の装置において、前記第1及び第2気相部分の圧力を実質的に互いに等しくする圧力制御機構を具備し、前記導出流量制御部は前記圧力制御機構の一部として使用されることを特徴とする。
本発明の第3の視点は、第2の視点の装置において、
前記圧力制御機構は、
前記第1気相部分の圧力を連続的に測定する第1圧力計と、
前記第2気相部分の圧力を連続的に測定する第2圧力計と、
前記第1配管に配設された第1流量制御弁と、
前記導出流量制御部として前記第2配管に配設された第2流量制御弁と、
前記第1気相部分の圧力が第1設定値に維持されるように、前記第1圧力計の測定結果に基づいて第1流量制御弁の開度を調整する第1制御部材と、
前記第2気相部分の圧力が前記第1設定値と実質的に等しい第2設定値に維持されるように、前記第2圧力計の測定結果に基づいて第2流量制御弁の開度を調整する第2制御部材と、
を具備することを特徴とする。
前記圧力制御機構は、
前記第1気相部分の圧力を連続的に測定する第1圧力計と、
前記第2気相部分の圧力を連続的に測定する第2圧力計と、
前記第1配管に配設された第1流量制御弁と、
前記導出流量制御部として前記第2配管に配設された第2流量制御弁と、
前記第1気相部分の圧力が第1設定値に維持されるように、前記第1圧力計の測定結果に基づいて第1流量制御弁の開度を調整する第1制御部材と、
前記第2気相部分の圧力が前記第1設定値と実質的に等しい第2設定値に維持されるように、前記第2圧力計の測定結果に基づいて第2流量制御弁の開度を調整する第2制御部材と、
を具備することを特徴とする。
本発明の第4の視点は、第2または第3の視点の装置において、前記第1希釈管に配設された不活性ガスの導入流量を制御する導入流量制御部を更に具備することを特徴とする。
本発明の第5の視点は、第1乃至第4の視点のいずれかの装置において、前記第1希釈管から前記第2気相部分への不活性ガスの供給時間を設定する手段を更に具備することを特徴とする。
本発明の第6の視点は、第1乃至第5の視点のいずれかの装置において、前記第1及び第2希釈管から導入される不活性ガスは共に窒素ガスであることを特徴とする。
本発明の第7の視点は、第1乃至第6の視点のいずれかの装置において、当該装置の動作を制御する主制御部を更に具備し、前記主制御部は所定の異常事態に対して、前記第1及び第2希釈管からの不活性ガスの導入を継続するトラブル対応モードを実行するように設定されることを特徴とする。
本発明の第8の視点は、第7の視点の装置において、前記トラブル対応モードにおいて前記第1気相部分に不活性ガスを導入するパージ管を更に具備することを特徴とする。
本発明の第9の視点は、第7または第8の視点の装置において、前記トラブル対応モードにおいて、前記第1及び第2希釈管にバックアップガス源を選択的に連通させるバックアップ管及び切替え弁を更に具備することを特徴とする。
本発明の第10の視点は、第7乃至第9の視点のいずれかの装置において、前記主制御部は、外部電源の遮断時に、バックアップ電源からの電力の供給により前記トラブル対応モードを実行することを特徴とする。
更に、本発明の実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
陰極側の第2気相部分におけるガス中の水素濃度を低下させることにより、陽極側のガスと陰極側のガスとの混触反応により発生する圧力が低下する。このため、電解槽に対する負担が軽くなり、異常事態における被害を最小限に食い止めることができる。
陽極側及び陰極側の第1及び第2気相部分の圧力を実質的に互いに等しくすることにより、電解槽内の液面変動が殆どなくなる。このため、長時間の運転においても高い安全性及び信頼性で作動することが可能となる。
トラブル対応モードにおいて、陰極側の第2気相部分への不活性ガスの導入を継続することにより、陰極側のガス中の水素濃度が異常事態発生時に時間の経過と共に低下する。このため、陽極側のガスと陰極側のガスとが混触しても、混触反応により発生する圧力が低下し、異常事態における被害を最小限に食い止めることができる。
本発明者等は、本発明の開発の過程において、従来のフッ素ガス生成装置における安全性及び信頼性の面の問題について研究した。その結果、本発明者等は、以下に述べるような知見を得た。
従来の装置では、正常運転状態(陽極側から発生するガスを製品として回収している状態)における陽極側のガスと陰極側のガスとの混触(即ちフッ素ガスと水素ガスとの混触)を予防するため、様々な工夫を行っている。しかし、液面の過剰な変動、電源やガス源の故障などの異常事態が実際に発生した場合、従来の装置では、通常、装置内の全ての電源供給を遮断し、フッ素ガスの発生を停止するという処置を施すだけである。ここで、陽極側のガスと陰極側のガスとの混触は、装置の運転を停止することにより、原則として発生しないものとしている。
しかし、異常事態により装置の運転を緊急停止した場合、種々の要因によって電解槽内で圧力変動が生じて陽極側のガスと陰極側のガスとの混触が発生する可能性がある。また、電解槽に対する電源供給が遮断されてヒータがオフ状態となって時間が経つと、電解槽内の溶融塩の固化が進行する。溶融塩が固化することにより、陽極側と陰極側との間でガスの導通が発生する(この導通量は1×10-2〜1×10Pa・m3 /secであることが確認されている)。即ち、装置を緊急停止した後に時間が経つと、陽極側のガスと陰極側のガスとの混触が発生する可能性がある。従来の装置では、万が一に陽極側のガスと陰極側のガスとの混触が生じてしまった場合には、爆発状の両ガスの反応に対しては、電解槽の機械的強度に依存するのみである(一般的には、電解槽は高圧に耐えられない構造となっている)。
以下に、このような知見に基づいて構成された本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は本発明の実施の形態に係る、フッ素ガス生成装置を組込んだ半導体処理システムを示す概略図である。この半導体処理システムは、半導体ウエハやLCD基板等の被処理基板に、成膜、エッチング、或いは拡散等の処理を施す半導体処理装置10を有する。
半導体処理装置10は、被処理基板を収納すると共に半導体処理を施すための処理室12を具備する。処理室12内には、被処理基板を載置するための下部電極兼載置台(支持部材)14が配設される。処理室12内にはまた、載置台14に対向して上部電極16が配設される。両電極14、16間にRF(高周波)電源15からRFパワーが印加されることにより、処理ガスをプラズマに転化するためのRF電界が処理室12内に形成される。処理室12の下部には、内部を排気すると共に真空に設定するための排気系18が接続される。また、処理室12の上部には、処理ガスを供給するためのガス供給系20が接続される。
なお、本発明の実施の形態に係るフッ素ガス生成装置は、処理室にリモートプラズマ室が付設されたタイプの半導体処理装置のガス供給系として使用することができる。また、本発明の実施の形態に係るフッ素ガス生成装置は、プラズマを利用しない半導体処理装置、例えば熱CVD装置に対してクリーニングガス等を供給する場合にも適用することができる。
ガス供給系20には、処理室12内に任意のガス、例えば半導体処理を行うための処理ガスや処理室12内をクリーニングするための処理ガスを、選択的に切替え且つ所定の流量で供給するための流れ管理部22が配設される。流れ管理部22には、種々な活性ガスや不活性ガスを貯蔵する複数のガス源を有するガス貯蔵部24が接続される。流れ管理部22にはまた、フッ素ガス系の処理ガスを反応処理により生成するガス生成部26が接続される。
流れ管理部22及びガス生成部26には、本発明の実施の形態に係るフッ素ガス生成装置30が着脱可能に接続される。即ち、生成装置30は、流れ管理部22にフッ素ガスを直接供給するか、或いはガス生成部26にフッ素ガス原料を供給するために使用される(切替え用のバルブは図示せず)。ガス生成部26では、例えば、フッ素ガス原料と、Cl等の他のハロゲンガスとを反応させることにより、ハロゲン間フッ素化合物ガスが生成される。
フッ素ガス生成装置30は、フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴を収納する気密な電解槽32を有する。電解槽32を含め、生成装置30の全体の動作は、主制御部40によって制御される。また、生成装置30は、通常は、半導体製造工場に設置された主電源によって運転される。なお、生成装置30は、停電などの電源系統の異常事態に対応するため、バックアップ電源BBも利用するように設定される。バックアップ電源BBは、生成装置30に専用のものであっても、或いは、半導体製造工場に設置されたものであってもよい。
電解槽32内の溶融塩は、フッ化カリウム(KF)とフッ化水素(HF)との混合物(KF/2HF)或いはフレミー塩(Fremy's salt)とフッ化水素との混合物からなる。電解槽32は上方から溶融塩中に延びる仕切り板(スカート)35により、陽極室34及び陰極室36に分割される。陽極室34及び陰極室36内で、溶融塩中にはカーボン電極(陽極)42及びニッケル電極(陰極)44が夫々浸漬される。電解槽32には、陽極42及び陰極44間に電流を供給するための電流源38が付設される。
陰極室36には、溶融塩中に消費原料であるフッ化水素ガスを供給するため、原料供給管31が溶融塩中に浸漬された状態で配設される。また、陽極室34及び陰極室36には、溶融塩の液面を検出する液面センサ37a、37bが配設される。なお、図1では、液面センサ37a、37bが夫々一本の線で示されるが、各液面センサ37a、37bは、複数の液面レベルを検出できるように、複数のセンサの組み合わせからなる。
電解処理中、電解槽32は付随するヒータ33により80〜90℃に加熱保温される。電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極室34の気相部分にフッ素ガス(F2 )を主成分とするプロダクトガスが発生され、陰極室36の気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスが発生される。プロダクトガス及び副生ガスの夫々には、原料の溶融塩中のフッ化水素ガスの蒸気圧分だけ、フッ化水素ガスが混入する(例えば5%)。陽極室34及び陰極室36には、夫々の気相部分の圧力を連続的に測定するため、第1及び第2圧力計46、48が配設される。
陽極室34には、プロダクトガスを導出し、ガス供給系20の流れ管理部22及びガス生成部26に送るための第1配管52が接続される。第1配管52には、上流側から順に、第1流量制御弁54、吸着カートリッジ56、ミニバッファタンク58、コンプレッサ(吸引手段)62、主バッファタンク64等が配設される。陽極室34で発生されたプロダクトガスは、コンプレッサ62により第1配管52が吸引されることにより、陽極室34から強制的に引出され、主バッファタンク64に貯留される。なお、図1において符号66はラインフィルタを示す。
上述のように、プロダクトガス中には、数パーセント(例えば5%)のフッ化水素が混入する。このフッ化水素は、プロダクトガスが吸着カートリッジ56を通過する際に除去される。このため、カートリッジ56内には、フッ化水素を吸着により捕捉する吸着剤が内蔵される。吸着剤は、取扱いや圧力損失を考慮し、カートリッジ56内に充填された多数のペレットからなる。吸着剤は、例えば、フッ化ナトリウム(NaF)のような、その吸着能力が温度により変化する吸着剤からなる。カートリッジ56の周囲には、カートリッジ56の温度を調節するための温度調節ジャケット(ヒータ)57が配設される。
主バッファタンク64には圧力計65が配設され、タンク64内の圧力が連続的に測定される。この測定結果は、電流源38に付随する制御部材39に伝達される。制御部材39は、伝達された測定結果に基づいて電流源38をオン/オフし、電解槽32への電流の供給を制御する。即ち、タンク64内の圧力が、ある圧力まで減少すると電流源38がオンされてフッ素ガスの生成が開始され、また、ある圧力まで増加すると電流源38がオフされてフッ素ガスの生成が停止される。これにより、電解槽32内の陽極室34及び陰極室36間で溶融塩の液面レベルに差をつけずに電解を止めることができる。なお、タンク64内の圧力は、例えば大気圧〜大気圧+0.18Mpaに設定される。
一方、陰極室36には、副生ガスを導出するための第2配管72が接続される。第2配管72は、例えば半導体製造工場の排気系(吸引手段)78の配管に着脱可能に接続される。第2配管72には第2流量制御弁74、除害部76等が配設される。陰極室36で発生された副生ガスは、排気系78により第2配管72が吸引されることにより、陰極室36から強制的に引出され、除害部76を通過した後、排気系78に送られる。
上述或いは後述するように、電解処理中、種々の要因で、陽極室34及び陰極室36間の圧力バランスが崩れ、電解漕32内で液面変動が起こりやすい。また、電解処理中以外でも、例えば、窒素ガスによる電解漕32内のパージ、原料フッ化水素ガスの供給時終了後の窒素パージ工程等、主にガス切替え工程の直後に、電解漕32内で液面変動が起こりやすい。これ等は、フッ素ガス生成装置の安全性及び信頼性を損なう原因となる。
これに対して、図1図示のフッ素ガス生成装置においては、陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の圧力が第1及び第2圧力計46、48により連続的に測定される。これ等の測定結果は、第1及び第2流量制御弁54、74の夫々に付随する第1及び第2制御部材55、75に伝達される。第1及び第2制御部材55、75は、伝達された測定結果に基づいて、陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の圧力が互いに実質的に等しい第1及び第2設定値に維持されるように、第1及び第2流量制御弁54、74の開度を調整する。即ち、第1及び第2流量制御弁54、74は、夫々に付随する第1及び第2制御部材55、75の制御下で連続的に開度が調整される。
このように、陽極室34及び陰極室36の圧力が、夫々独立して常時測定され且つ制御されるため、陽極室34及び陰極室36における溶融塩の液面の状態が均一に維持される。換言すれば、この構成により、電解槽32は、フッ素の発生状態、第1及び第2配管52、72内の状態、コンプレッサ62や半導体製造工場の排気系78の動作状態、その他の環境等の変動による悪影響から保護される。このため、高価な電極等に与える損害、例えば陽極効果を未然に回避することができ、安全にしかも突然の電解停止をすることなく処理を進行させることができる。また、第1及び第2配管52、72の入口で溶融塩が固化してこれ等を閉塞させることがないため、頻繁にメンテナンスをする必要がなくなる。
なお、上述の陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の第1及び第2設定値は、望ましくは大気圧〜820Torr、より望ましくは大気圧〜770Torrに設定される。また、陽極室34及び陰極室36の圧力を安定させるため、第1及び第2流量制御弁54、74は応答性よく開度が連続的に調整可能であることが必要である。かかる観点から、第1及び第2流量制御弁54、74としてピエゾバルブが望ましくは使用される。
図2は図1図示のフッ素ガス生成装置における、不活性ガス、例えば窒素(N2 )ガスの供給配管系の一部を取り出して示す概略図である。
陰極室36には、陰極室36の気相部分に不活性ガス、例えば窒素ガスを導入するため、第1希釈管82が接続される。第1希釈管82は、例えば半導体製造工場の不活性ガス源80に着脱可能に接続される。第1希釈管82にはマスフローコントローラのような流量制御部84が配設される。生成装置30の正常運転中、主制御部40の制御下で、第1希釈管82から陰極室36の気相部分に不活性ガスが制御された流量(流量制御部84により)で導入される。これにより、陰極室36の気相部分におけるガス中の水素濃度が後述するような所定の値に低減される。なお、窒素ガスは溶融塩には溶けないため、そのまま水素ガスと混合されて第2配管72に排出される。
また、第2配管72にも、不活性ガス、例えば窒素ガスを導入するため、第2希釈管83が接続される。第2希釈管83も、例えば半導体製造工場の不活性ガス源80に着脱可能に接続される。第2希釈管83は、第2流量制御弁74と除害部76との間で、バキュームジェネレータ75を介して第2配管72に接続される。第2配管72内をガスが流れることによりバキュームジェネレータ75において吸引力が発生し、この吸引力で第2希釈管83からの不活性ガスが第2配管72内に大量に引き込まれる。これにより、第2配管72を流れるガス中の水素濃度が大幅に低減される。
第1希釈管82からの不活性ガスにより、陰極室36の気相部分におけるガス中の水素濃度は約70〜約10%、望ましくは約40%〜約15%に低減される。この水素濃度の低減は、電解槽32内で陽極室34側のガスと陰極室36側のガスとが混触するという最終事態に対する対策として採用される。水素濃度を低減することにより、両ガスの混触反応により発生する圧力が低下するため、電解槽32が破壊するのを防止することができる。なお、第1希釈管82からの不活性ガスの供給は必ずしも連続的である必要はない。例えば、主制御部40によって不活性ガスの供給時間を設定し、この供給時間だけの不活性ガスの供給を所定間隔で繰り返して行うようにしてもよい。
一方、第2希釈管82からの不活性ガスにより、第2配管72により除害部76を通して排気系78に送られる(第2配管72から出る)ガスの水素ガスの濃度は4%以下となるように低減される。水素ガスの濃度4%は、水素ガスの爆発限界の濃度であり、即ち、この水素ガスの濃度の低減により、第2配管72から出るガスが爆発反応を起こす危険性を回避することができる。
図3は陰極室36に対する希釈ガス(不活性ガス)の供給流量(sccm)と、フッ素ガスと水素ガスとの混触反応により発生する圧力(bar)との関係を示すグラフである。図3図示のデータは、水素ガスの発生量が650sccm、希釈ガスが窒素ガスという条件で得られたものである。しかし、希釈ガスが他の不活性ガスであっても、同様な結果となるものと考えられる。
図3に示すように、希釈ガスの流量が増加するに従って、発生圧力は二次関数的に減少する。ここで、希釈ガスの流量が500sccm(水素濃度約55%に対応)までは、希釈ガスの流量の増加に伴って発生圧力は概ね直線的に減少する。一方、希釈ガスの流量が5000sccm(水素濃度約10%に対応)以上では、希釈ガスの流量を増加しても発生圧力はあまり減少しない。即ち、希釈ガスの供給量と発生圧力の低下効果との関係からすれば、希釈ガスの流量は5000sccm(水素濃度約10%に対応)までとすることが望ましいこととなる。
第1希釈管82から陰極室36の気相部分に供給する不活性ガスの量は、上述の供給量対効果の関係に加えて、更に重要な幾つかの要因を考慮して決定される。その一つの要因は、発生圧力(bar)に耐え得る電解槽32の機械的強度である。現在、一般的に使用されている電解槽32は、25bar程度の発生圧力には耐えることができる。かかる観点からすると、不活性ガスの供給量(希釈ガスの流量)は少なくとも250sccm程度(水素濃度約70%に対応)必要であり、しかも多ければ多いほどよいこととなる。
別の要因は、電解槽32の陽極室34の気相部分と陰極室36の気相部分との間の圧力バランスである。上述のように、陽極室34及び陰極室36の夫々の気相部分の圧力は、
第1及び第2圧力計46、48や第1及び第2流量制御弁54、74を含む圧力制御機構により、実質的に互いに等しくなるように連続的に制御される。陽極室34及び陰極室36には、基本的に同じ体積のガスが発生するため、陰極室36に不活性ガスを供給しない場合は、両室34、36間の圧力バランスを維持するのは比較的容易である。しかし、陰極室36に不活性ガスを供給すると、その分だけ陽極室34及び陰極室36の圧力バランスが崩れ易くなる。従って、この観点からすると、不活性ガスの供給量(希釈ガスの流量)をあまり多くすることは望ましくない。
第1及び第2圧力計46、48や第1及び第2流量制御弁54、74を含む圧力制御機構により、実質的に互いに等しくなるように連続的に制御される。陽極室34及び陰極室36には、基本的に同じ体積のガスが発生するため、陰極室36に不活性ガスを供給しない場合は、両室34、36間の圧力バランスを維持するのは比較的容易である。しかし、陰極室36に不活性ガスを供給すると、その分だけ陽極室34及び陰極室36の圧力バランスが崩れ易くなる。従って、この観点からすると、不活性ガスの供給量(希釈ガスの流量)をあまり多くすることは望ましくない。
以上のような種々の要因を考慮の上、水素ガスの発生量が650sccmの条件に対しては、第1希釈管82からの不活性ガスの供給量が、約250〜約5000sccm、望ましくは約1000〜約4000sccmに設定される。この供給量を陰極室36の気相部分におけるガス中の水素濃度に換算すると、約70〜約10%、望ましくは約40%〜約15%となる。
図2に戻って、陽極室34には、陽極室34の気相部分に不活性ガス、例えば窒素ガスを導入するため、パージ管86が接続される。パージ管86は、例えば半導体製造工場の不活性ガス源80に着脱可能に接続される。パージ管86にはマスフローコントローラのような流量制御部88が配設される。第1及び第2希釈管82、83とは異なり、パージ管86からの不活性ガスは、生成装置30の正常運転中には、陽極室34の気相部分に導入されることはない。パージ管86からの不活性ガスは、後述するトラブル対応モードを実行する際に、陽極室34の気相部分に導入される。
また、フッ素ガス生成装置30は、電源系統の故障などに起因する不活性ガス源80の異常事態に対応するため、バックアップ不活性ガス源GBも利用するように設定される。バックアップ不活性ガス源GBは、生成装置30に専用のものであっても、或いは、半導体製造工場に設置されたものであってもよい。第1及び第2希釈管82、83及びパージ管86は、夫々バックアップ管92、93、96を介してバックアップ不活性ガス源GBに接続される。バックアップ管92、93、96には、夫々切替え弁94、95、97が配設される。
次に、主制御部40の制御下で行うトラブル対応モードについて説明する。
例えば、液面センサ37a、37bにより、電解槽32内の過剰な液面変動が検出された場合、これは主制御部40に伝達される。主制御部40はアラームを発して、オペレータに対して電解槽32の異常事態の発生を知らせると共に、内蔵のタイマーにより異常事態の発生からの時間の経過をカウントし始める。この異常事態がオペレータによって対応処理されない場合、所定時間の経過後に主制御部40はトラブル対応モードを実行する。
トラブル対応モードにおいて、原料供給管31からの消費原料であるフッ化水素ガスの供給や、生成装置30内の殆どの部分に対する電源供給が遮断される。しかし、この際、第1及び第2希釈管82、83から陰極室36の気相部分及び第2配管72への不活性ガスの導入が継続されると共に、パージ管86から陽極室34の気相部分への不活性ガスの導入が開始される。即ち、この時、第1希釈管82及びパージ管86の流量制御部84、88は動作状態に維持される。
また、第1及び第2圧力計46、48や第1及び第2流量制御弁54、74を含む圧力制御機構も動作状態に維持される。更に、第1配管52の吸着カートリッジ56やコンプレッサ62への流路の切替え弁53が閉鎖される一方、第1配管52に接続されたバイパス管67の切替え弁68が開放される。これにより、陽極側では、不活性ガスがパージ管86から陽極室34を通してバイパス管67に流れるパージルートが形成される。また、陰極側では、不活性ガスが第1希釈管82から陰極室36を通して第2配管72に流れるパージルートが形成される。なお、バイパス管67は、除害部69を介して、例えば半導体製造工場の排気系78の配管に着脱可能に接続される。
上述のトラブル対応モードによれば、装置30の停止後、陽極室34の気相部分におけるガス中のフッ素濃度及び陰極室36の気相部分におけるガス中の水素濃度は、時間の経過と共に低下する。前述のように、電解槽32に対する電源供給が遮断されてヒータ33がオフ状態となって時間が経つと、電解槽32内の溶融塩の固化が進行する。溶融塩が固化することにより、陽極側と陰極側との間でガスの導通し、陽極側のガスと陰極側のガスとの混触が発生する可能性がある。この場合でも、陽極側のガス中のフッ素濃度及び陰極側のガス中の水素濃度は十分に低くなっているため、爆発状の混触反応が発生することはない。
また、停電などによる主電源からの電力の供給停止が検出された場合、バックアップ電源BBが起動されると共に、この情報が主制御部40に伝達される。主制御部40はアラームを発して、オペレータに対して主電源の異常事態の発生を知らせると共に、内蔵のタイマーにより異常事態の発生からの時間の経過をカウントし始める。この異常事態がオペレータによって対応処理されて電源が復旧されない場合、所定時間の経過後に主制御部40はバックアップ電源BBから供給される電力を用いて上述のトラブル対応モードを実行する。
なお、上記実施の形態において、フッ素ガス生成装置30は、半導体処理システムに着脱可能に組込まれているが、同システム内に固定的に据え付けられるものであってもよい。また、フッ素ガス生成装置30内の幾つかの部材、例えば、バックアップ不活性ガス源GB、バックアップ電源BB、コンプレッサ62、主バッファタンク64、除害部69、76等は、半導体製造工場側に設置されたものを使用することもできる。また、フッ素ガスは、流れ管理部22或いはガス生成部26に択一的に供給されるが、このガスは、他の処理ガスとは別に直接処理室12に供給するようにしてもよい。また、ガス生成部26は、ハロゲン間フッ素化合物ガスではなく、他のフッ素系の処理ガスを生成するように構成することもできる。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明によれば、オンサイトで且つオンデマンドでフッ素ガスを生成するのに最適なフッ素ガス生成装置を提供することができる。
10…半導体処理装置;12…処理室;18…排気系;20…ガス供給系;22…流れ管理部;24…ガス貯蔵部;26…ガス生成部;30…ガス生成装置;31…原料供給管;32…電解槽;34…陽極室;36…陰極室;37a、37b…液面センサ;38…電流源;40…主制御部;42…陽極;44…陰極;46、48…圧力計;52、72…配管;53、68、94、95、97…切替え弁;54、74…流量制御弁;55、75…制御部材;56…吸着カートリッジ;58…キャパシタ;64…バッファタンク;62…コンプレッサ;67…バイパス管;69、76…除害部;78…排気系;80…不活性ガス源;82、83…希釈管;84、88…流量制御部;86…パージ管;92、93、96…バックアップ管;BB…バックアップ電源;GB…バックアップ不活性ガス源。
Claims (10)
- フッ素ガスを生成する装置であって、
フッ化水素を含む溶融塩からなる電解浴中でフッ化水素を電解することにより、陽極側の第1気相部分にフッ素ガスを主成分とするプロダクトガスを発生させると共に、陰極側の第2気相部分に水素ガスを主成分とする副生ガスを発生させる電解槽と、
前記第1気相部分から前記プロダクトガスを導出する第1配管と、
前記第2気相部分から前記副生ガスを導出する第2配管と、
前記第2配管に配設された前記副生ガスの導出流量を制御する導出流量制御部と、
前記第2気相部分におけるガス中の水素濃度が70〜10%となるように、前記第2気相部分に不活性ガスを導入する第1希釈管と、
前記第2配管から出るガス中の水素濃度が4%以下となるように、前記導出流量制御部より下流で前記第2配管内に不活性ガスを導入する第2希釈管と、
を具備することを特徴とするフッ素ガス生成装置。 - 前記第1及び第2気相部分の圧力を実質的に互いに等しくする圧力制御機構を具備し、前記導出流量制御部は前記圧力制御機構の一部として使用されることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記圧力制御機構は、
前記第1気相部分の圧力を連続的に測定する第1圧力計と、
前記第2気相部分の圧力を連続的に測定する第2圧力計と、
前記第1配管に配設された第1流量制御弁と、
前記導出流量制御部として前記第2配管に配設された第2流量制御弁と、
前記第1気相部分の圧力が第1設定値に維持されるように、前記第1圧力計の測定結果に基づいて第1流量制御弁の開度を調整する第1制御部材と、
前記第2気相部分の圧力が前記第1設定値と実質的に等しい第2設定値に維持されるように、前記第2圧力計の測定結果に基づいて第2流量制御弁の開度を調整する第2制御部材と、
を具備することを特徴とする請求項2に記載のフッ素ガス生成装置。 - 前記第1希釈管に配設された不活性ガスの導入流量を制御する導入流量制御部を更に具備することを特徴とする請求項2または3に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記第1希釈管から前記第2気相部分への不活性ガスの供給時間を設定する手段を更に具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記第1及び第2希釈管から導入される不活性ガスは共に窒素ガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
- 当該装置の動作を制御する主制御部を更に具備し、前記主制御部は所定の異常事態に対して、前記第1及び第2希釈管からの不活性ガスの導入を継続するトラブル対応モードを実行するように設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記トラブル対応モードにおいて前記第1気相部分に不活性ガスを導入するパージ管を更に具備することを特徴とする請求項7に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記トラブル対応モードにおいて、前記第1及び第2希釈管にバックアップガス源を選択的に連通させるバックアップ管及び切替え弁を更に具備することを特徴とする請求項7または8に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記主制御部は、外部電源の遮断時に、バックアップ電源からの電力の供給により前記トラブル対応モードを実行することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のフッ素ガス生成装置。
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