[go: up one dir, main page]

JP2005096774A - 包装用容器の蓋部材 - Google Patents

包装用容器の蓋部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005096774A
JP2005096774A JP2003323229A JP2003323229A JP2005096774A JP 2005096774 A JP2005096774 A JP 2005096774A JP 2003323229 A JP2003323229 A JP 2003323229A JP 2003323229 A JP2003323229 A JP 2003323229A JP 2005096774 A JP2005096774 A JP 2005096774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid member
claw
packaging container
circumferential direction
container according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003323229A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Takayama
敏昭 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIGA SEIKAN KK
Original Assignee
SHIGA SEIKAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIGA SEIKAN KK filed Critical SHIGA SEIKAN KK
Priority to JP2003323229A priority Critical patent/JP2005096774A/ja
Publication of JP2005096774A publication Critical patent/JP2005096774A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

【課題】 構造を複雑化することなく、嵌合力を高めると共に、気密性を向上して、内容物の漏洩を低減することができる蓋部材を提供する。
【解決手段】 包装用容器の口金部に嵌合し、膨出部42を押圧することによって裾部41が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材40において、各爪部43の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までの少なくとも一部を、一定方向に傾斜させた。端縁を傾斜させることにより、爪部43の枚数を同じ枚数で設定した場合と比較して、一方の端縁の下端部から他方の端縁の肩部寄りの部位までの距離が相対的に長くなる。このため、内側から圧力がかかって抜ける方向に押圧された際、口金部11の筒部11bの膨らみにより爪部を押し広げる方向に加わる力のかかり方が変わり、開蓋性を損なうことなく、より高い嵌合力、気密性を備えた蓋部材となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、包装用容器の蓋部材に関し、特に、金属製缶等の包装用容器の口金部に装着される蓋部材に関する。
18リットル缶などの口金部には、略中央部を押圧することにより裾部が開いて取り外し可能となるタイプの蓋部材(いわゆる「B形キャップ」)が装着されている。この種の蓋部材は、当然のことながら、内容物の膨張などに伴う内圧上昇に耐え得るように、高い嵌合力(嵌合性)を有する必要がある。
例えば、JIS規格 Z1607:2003のB形50のつめ式ふた・口金に準じた従来公知の複数の蓋部材(外径50.5mm、内径47.2mm、高さ(肩部までの高さ)8.0mm)は、厚さ2.4〜2.5mmのシートパッキンを介して口金部に装着し、その略中央部を内面側から力をかけると、多少のバラツキはあるものの約9kg〜約12kgの嵌合力を備えている。これは、蓋部材単体の口金部に対する嵌合力であり、プロテクタを装着した状態ではこれより高くなるため、かかる範囲でも現状では問題ないが、トラックなどにおける輸送中の揺れに伴う内圧上昇等を考慮すると、開蓋性を損なうことなく、より高い嵌合力を備えた蓋部材の開発が常に望まれている。また、この種の蓋部材は、嵌合力を高めると同時に、蓋部材と口金部からの隙間からの内容物の漏洩を極力少なくするため、気密性を高めることも常に求められている課題である。
日本工業規格 「金属板製ふた・口金」 JIS Z 1607:2003
本発明は上記した点に鑑みなされたものであり、構造を複雑化することなく、かつ開蓋性を損なうことなく、嵌合力を高めることができると共に、気密性を向上して、内容物の漏洩を低減することができる蓋部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を行った結果、裾部を形成している爪部と隣接する爪部端縁間の隙間の円周方向に沿った各長さ、あるいは爪部端縁の形状を、従来汎用されているものと異なる範囲あるいは所定の構造に限定することにより、構造を複雑化せずに、開蓋性を損なうことなく、嵌合力を高め、かつ気密性を高めて、内容物の漏洩を低減できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1記載の本発明では、周縁の肩部から一方向に突出する裾部と、該肩部から略中央部にかけて裾部と反対方向に膨出するように形成された膨出部とを備え、包装用容器の口金部に嵌合する一方、前記膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材であって、
前記裾部が、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成されており、各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/7.5の範囲で形成され、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、1mm以下に設定したことを特徴とする包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/8.5の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項3記載の本発明では、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項4記載の本発明では、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20〜1/50に設定したことを特徴とする請求項3記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項5記載の本発明では、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40又はB形50の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、8〜9枚の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記爪部の枚数が、9枚であることを特徴とする請求項5記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項7記載の本発明では、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形70の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、11枚であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項8記載の本発明では、周縁の肩部から一方向に突出する裾部と、該肩部から略中央部にかけて裾部と反対方向に膨出するように形成された膨出部とを備え、包装用容器の口金部に嵌合する一方、前記膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材であって、
前記裾部が、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成されており、各爪部の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までの少なくとも一部が、傾斜していることを特徴とする包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記各爪部の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までが、一定方向に傾斜していることを特徴とする請求項8記載の包装容器の蓋部材を提供する。
請求項10記載の本発明では、前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/7.5の範囲で形成され、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、1mm以下に設定したことを特徴とする請求項8又は9記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項11記載の本発明では、前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/8.5の範囲で形成されていることを特徴とする請求項10記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項12記載の本発明では、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20以下に設定したことを特徴とする請求項10又は11記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項13記載の本発明では、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20〜1/50に設定したことを特徴とする請求項12記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項14記載の本発明では、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40又はB形50の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、8〜9枚の範囲であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項15記載の本発明では、前記爪部の枚数が、9枚であることを特徴とする請求項14記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項16記載の本発明では、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形70の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、11枚であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材を提供する。
請求項1〜7のいずれかに記載の発明によれば、包装用容器の口金部に嵌合する一方、膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形し、かつ、裾部が、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成された包装用容器の蓋部材において、蓋部材の各爪部の円周方向に沿った最大長さを従来と異なる所定の長さに設定し、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を従来と異なる所定の長さに設定している。従って、より高い嵌合力を備えた蓋部材となり、トラックなどにおける輸送中の揺れに伴う内圧上昇等に十分に対処でき、同時に気密性を高めることもできるため、蓋部材と口金部との隙間からの内容物の漏洩を極力少なくすることができる。しかも、各請求項に記載の範囲に設定することにより、蓋部材の開蓋性を損なうこともない。また、蓋部材の構造を全く複雑化することがなく、製作コストも嵩むことはない。
請求項8〜16のいずれかに記載の発明によれば、包装用容器の口金部に嵌合する一方、膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材において、裾部を、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成し、各爪部の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までの少なくとも一部を傾斜させた構成である。端縁を傾斜させることにより、爪部の枚数を同じ枚数で設定した場合と比較して、一方の端縁の下端部から他方の端縁の肩部寄りの部位までの距離が相対的に長くなる。このため、内側から圧力がかかって抜ける方向に押圧された際、口金部の筒部の膨らみにより爪部を押し広げる方向に加わる力のかかり方が変わり、開蓋性を損なうことなく、より高い嵌合力、気密性を備えた蓋部材を提供できる。また、蓋部材の構造を複雑化することがないため、製作コストも嵩むことはない。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
先ず、図1〜図3に基づき本発明の第1の実施形態に係る包装用容器の蓋部材を説明する。蓋部材1は、これらの図に示すように、周縁の肩部2から一方向に突出する裾部3と、該肩部2から略中央部にかけて裾部3と反対方向に膨出するように形成された膨出部4とを備えている。
より詳しくは、蓋部材1は円盤状に形成されており、周縁の肩部2から図1の下方向に突出する裾部3は外側に凸に若干湾曲して形成され、図1の上方向に膨出する膨出部4は中央の円形の頂部4aが突出する略山型形状に形成されている。また、裾部3は円周方向に複数枚の爪部5を備えて形成されている。包装用容器、例えば18リットル缶等の金属製缶の口金部11は、図3に示したように、金属製缶の本体に開口された口部にかしめられるリング部11aと、中途でくびれ、かつ、先端部の周面が外側に凸に湾曲した筒部11bとを備えて形成される。蓋部材1は、図3に示すような例えば円形のシートパッキン20を裏側に装填した状態で口金部11の筒部11bに嵌合される。そして、蓋部材1を口金部11から外すには、膨出部4の頂部4aを押圧することによって裾部3を口金部11の筒部11bから離間する方向に拡開させて変形させる。
そして、蓋部材1の各爪部5の円周方向に沿った最大長さcは、円周の1/10〜1/7.5の範囲、より好ましくは1/10〜1/8.5の範囲で形成され、各爪部5の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔dが、膨出部32の非押圧状態で、1mm以下、好ましくは爪部5の最大長さcの1/20以下、より好ましくは1/20〜1/50の範囲に設定される。ここで、爪部5の円周方向に沿った最大長さcとは、各爪部5の端縁間でアールのついた部位を除き、円周方向に最も長い(幅の広い)端縁間の部分を、蓋部材1を平坦面に載置した際に、該平坦面に対して平行となる面に沿って測定した各爪部5の円弧に沿った長さである。また、隣接する端縁間の隙間の最大間隔dとは、隣接する各爪部5の端縁のうち、アールのついた部分を除き、円周方向に最も間隔の開いた端縁間の部分を、同じく、蓋部材1を平坦面に載置した際に、該平坦面に対して平行となる面に沿って測定した、爪部5に連続する各隙間の仮想円弧に沿った長さである。
従来市販により入手可能なものは、蓋部材1の各爪部5の円周方向に沿った最大長さcは、円周の1/11.5〜1/10.5の範囲であり、各爪部5の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔dは、爪部5の最大長さcの1/11〜1/17の範囲である。すなわち、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40の規格を満たすものを測定すると多少のバラツキはあるものの、その多くは、爪部5の最大長さcが、12.29〜12.41mmの範囲であり、隙間の最大間隔dが、0.73mm〜1.0mmである。また、B形50の規格を満たすものの多くは、爪部5の最大長さcが、14.22〜14.55mmの範囲であり、隙間の最大間隔dが、1.10mm〜1.43mmである。この結果、いずれも、裾部3を形成する爪部5の枚数は10枚となっている。
これに対し、本実施形態のような数値範囲に規定した場合には、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40及びB形50のいずれを満たすものでも、爪部5が、最大で9枚、最小で8枚となる。この結果、爪部5と口金部11との接触面積が従来よりも大きくなり、形状を変化させる力に対する抵抗力が高くなって、結果として嵌合力、気密性が高まる。各爪部5の円周方向に沿った最大長さcを、円周の1/10〜1/8.5の範囲とし、各爪部5の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔dを、膨出部4の非押圧状態で、1mm以下であって、爪部5の最大長さcの1/20〜1/50の範囲に設定すると、上記B形40及びB形50のいずれの場合でも、爪部5の枚数を9枚に調整できる。爪部5が8枚の場合には、9枚の場合と比較して爪部4の外方への変形の容易性が小さくなるため、開蓋時の取り外しやすさを考慮すると、上記B形40及びB形50の規格を満たすものにあっては、爪部5が9枚となるように設定することが最も好ましい。但し、爪部5の最大長さc及び隙間の最大間隔dを上記範囲外にし、爪部5の枚数を7枚以下とすると、膨出部4を押圧した際の爪部5の外方への変形の容易性を損なう。
また、JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形70のものもあるが、市販のものは全て爪部5の枚数が12枚であり、各爪部5の最大長さcは、1/13〜1/12の範囲である。この場合でも、本実施形態のような数値範囲で設定すると、爪部5の枚数が11枚となり、開蓋の際に必要な押圧力をあまり高くすることなく、嵌合力、気密性を高めることができる。
次に、図4に基づき本発明の第2の実施形態に係る包装用容器の蓋部材を説明する。この蓋部材40は、先の実施形態の蓋部材1と同様に、円盤状に形成されており、裾部41は外側に凸に若干湾曲して形成され、膨出部42は中央の円形の頂部42aが平坦な略山型形状に形成されている。また、裾部41は円周方向に複数枚の略方形状の爪部43を備えて形成されている。かかる蓋部材40も、図4(c)に示すように、膨出部42を押圧することによって裾部41を図3の口金部11から離間する方向に開いて変形させる。そして、この実施形態では、蓋部材40の裾部41における各爪部43の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までは、一定方向に傾斜されている。なお、各爪部43の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までの全てが傾斜されていなくとも、少なくとも一部が傾斜されていれば良い。また、端縁を、略螺旋状(曲線状)に傾斜させたものとすることも可能であり、このような構成としたものも、本発明の「端縁の少なくとも一部を傾斜させた態様」に含まれる。但し、製造の容易性等を考慮すると、図4に示したように、各爪部43の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までは、一定方向に傾斜させることが好ましい(但し、端縁の肩部又は下端部においてアールがついている場合には、その部分を除いた部分が一定方向に傾斜していることを意味である)。
従来使用されているものは、蓋部材40の裾部41における各爪部43の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までは、垂直に延びているが、本実施形態のように、端縁の少なくとも一部を傾斜させた形状とすることにより、より高い嵌合力を発揮できると共に、気密性を高めることができる。端縁を傾斜させることにより、爪部43の枚数を同じ枚数で設定した場合と比較して、一方の端縁の下端部から他方の端縁の肩部寄りの部位までの距離、すなわち、対角線に沿った長さが相対的に長くなる。この結果、内側から圧力がかかって抜ける方向に押圧された際、口金部11の筒部11bの膨らみにより爪部を押し広げる方向に加わる力のかかり方が変わり、本実施形態のように傾斜して形成したものの方が、変形しにくくなっていること等の理由による。
従来のように垂直に切り込んで形成したものと比較した場合、上記したことから、端縁を僅かでも傾斜させれば、嵌合力、気密性が高まる。従って、端縁の傾斜角度は限定されるものではなく、水平面に対して0度より大きく、90度未満であれば本発明に含まれる。但し、垂直に切り込んだものと比べて高い嵌合力、気密性を備えると共に、開蓋性を損なわせることがなく、かつ成形の容易性を考慮すると、水平面に対する端縁の傾斜角度は、30度〜70度の範囲とすることが好ましく、さらには、40度〜60度の範囲に設定することがより好ましい。
なお、この実施形態においても、図4(b)に示すように、蓋部材40の各爪部43の円周方向に沿った最大長さc及び端縁間の隙間の最大間隔dは、上記第1の実施形態と同様に設定することが好ましい。嵌合力をさらに高めることができると共に、気密性をさらに向上することができる。この場合における最大長さc及び最大間隔dの定義は、上記第1の実施形態と全く同様であり、蓋部材40を平坦面に載置した際に、該平坦面に平行な面で測定した際の各円弧に沿った長さである。
ここで、本発明者らの試験データに基づいて、本発明の蓋部材の効果についてさらに明確にする。
本発明者らは、次の項目について実験してこの結果を表に示し、従来の蓋部材と本発明の蓋部材とを比較した。
(1)閉蓋時の嵌合力
(2)開蓋時の押圧力
(3)閉蓋時の気密性(漏れ試験)
なお、嵌合力の試験は、蓋部材の裏側に全て同じ厚み、大きさのシートパッキンを2枚積層して(蓋部材の裏面に近い側にボール紙製パッキンを、裏面から離間した側にボール紙の表面にアルミ箔ラミネートを施したアルミ箔パッキンを互いに重ね合わせて)装填し、口金部(板の呼び厚さ:0.30mm、外径:48.9mm、内径:46.5mm、口径:40.0mm、溝までの高さ5.8mm)に嵌合した後、裏側(シートパッキン側)の中央部を治具で押圧して、蓋部材が外れたときの力を測定した。なお、シートパッキンを2枚積層した際の平均厚さは、2.45mmであり、直径はボール紙製パッキンが47.62mm、アルミ箔製パッキンが48.88mmであった。また、蓋部材のみの嵌合力を測定するためプロテクタ(蓋部材の締め付け具)は外している。気密性の試験は、JIS Z 1607:2003に規定されているように、口金部を取り付けた容器に着色水を入れて、蓋部材を閉め、この蓋部材を下方に向けゲージ圧40kPaの圧縮空気を送り込み、4分間放置した後、蓋部材からの着色水の漏れの有無を調べる。なお、蓋部材のみの気密性を試験するため、JIS Z 1607:2003の「8.気密試験」において使用することになっているプロテクタは外して気密試験を実行している。
また、試験に使用した蓋部材の条件は次の通りであり、各試験例及び比較例ごとにそれぞれ10枚の蓋部材を製作し、そのそれぞれについて試験した。
試験例1(第1の実施形態)
板の呼び厚さ:0.36mm
外径:50.5mm
内径:47.2mm
高さ(肩部までの高さ):7.70〜7.84mm
全高(頂部までの高さ):8.77mm
頂部と肩部の高さの差(平均値):0.93mm
爪部の円周方向の最大長さc:16.47mm
爪部の円周方向の最大長さc/全周:約1/9.6
爪部の枚数:9枚
爪部端縁間の隙間の最大間隔d/爪部端縁形状(肩部から下端部まで):垂直
試験例2(第2の実施形態)
板の呼び厚さ:0.36mm
外径:50.5mm
内径:47.2mm
高さ(肩部までの高さ):7.94〜8.04mm
全高(頂部までの高さ):9.08mm
頂部と肩部の高さの差(平均値):1.04mm
爪部の円周方向の最大長さc:16.70mm
爪部の円周方向の最大長さc/全周:約1/9.5
爪部の枚数:9枚
爪部端縁間の隙間の最大間隔d:0.41〜0.55mm
爪部端縁形状(肩部から下端部まで):傾斜(下端部にアールあり)
比較例1(従来品「志賀製缶(株)」製)
板の呼び厚さ:0.36mm
外径:50.5mm
内径:47.2mm
高さ(肩部までの高さ):7.83〜7.90mm
全高(頂部までの高さ):8.89mm
頂部と肩部の高さの差(平均値):0.99mm
爪部の円周方向の最大長さc:14.40mm
爪部の円周方向の最大長さc/全周:約1/11
爪部の枚数:10枚
爪部端縁間の隙間の最大間隔d:1.27〜1.43mm
爪部端縁形状(肩部から下端部まで):垂直
Figure 2005096774
この表から明らかなように、試験例1〜2と比較例1とを比較すると、試験例1〜2の蓋部材は、いずれも、嵌合力及び気密性の点で優れていた。また、開蓋時の押圧力は、試験例1〜2及び比較例1共に有意な差はなく、試験例のものが比較例のものよりも大きくなるということはなかった。
試験例1の、円周方向の爪部の長さと隙間とを調整したものにあっては、比較例1と比較して約1.5倍以上の嵌合力を示し、気密性も約1.4倍となっており、極めて高い効果を示した。また、試験例2の、爪部の端縁を斜めにする構造とし、さらに、円周方向の爪部の長さと隙間とを調整したものにあっては、比較例1と比べて嵌合力が約2倍、気密性が約1.4倍で、さらに高い値を示した。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る包装用容器の蓋部材の斜視図であり、図1(b)は、該蓋部材の一部断面正面図である。 図2は、上記第1の実施形態に係る包装用容器の蓋部材の裏面図である。 図3は、上記第1の実施形態に係る包装用容器の蓋部材とシートパッキンと口金部材の関係を示す斜視図である。 図4(a)は、本発明の第2の実施形態に係る包装用容器の蓋部材の斜視図であり、図4(b)は、該蓋部材の一部断面正面図、図4(c)は、該蓋部材の開蓋時における一部断面正面図である。
符号の説明
1 蓋部材
2 肩部
3 裾部
4 膨出部
4a 頂部
5 爪部
11 口金部
40 蓋部材
41 裾部
42 膨出部
42a 頂部
43 爪部
44 肩部

Claims (16)

  1. 周縁の肩部から一方向に突出する裾部と、該肩部から略中央部にかけて裾部と反対方向に膨出するように形成された膨出部とを備え、包装用容器の口金部に嵌合する一方、前記膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材であって、
    前記裾部が、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成されており、各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/7.5の範囲で形成され、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、1mm以下に設定したことを特徴とする包装用容器の蓋部材。
  2. 前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/8.5の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装用容器の蓋部材。
  3. 各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の包装用容器の蓋部材。
  4. 各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20〜1/50に設定したことを特徴とする請求項3記載の包装用容器の蓋部材。
  5. JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40又はB形50の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、8〜9枚の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材。
  6. 前記爪部の枚数が、9枚であることを特徴とする請求項5記載の包装用容器の蓋部材。
  7. JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形70の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、11枚であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材。
  8. 周縁の肩部から一方向に突出する裾部と、該肩部から略中央部にかけて裾部と反対方向に膨出するように形成された膨出部とを備え、包装用容器の口金部に嵌合する一方、前記膨出部を押圧することによって裾部が口金部から離間する方向に変形する包装用容器の蓋部材であって、
    前記裾部が、円周方向に複数枚の爪部を備えて形成されており、各爪部の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までの少なくとも一部が、傾斜していることを特徴とする包装用容器の蓋部材。
  9. 前記各爪部の円周方向に沿った各端縁の肩部から下端部までが、一定方向に傾斜していることを特徴とする請求項8記載の包装容器の蓋部材。
  10. 前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/7.5の範囲で形成され、各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、1mm以下に設定したことを特徴とする請求項8又は9記載の包装用容器の蓋部材。
  11. 前記各爪部の円周方向に沿った最大長さが、円周の1/10〜1/8.5の範囲で形成されていることを特徴とする請求項10記載の包装用容器の蓋部材。
  12. 各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20以下に設定したことを特徴とする請求項10又は11記載の包装用容器の蓋部材。
  13. 各爪部の円周方向に沿った隣接する端縁間の隙間の最大間隔を、前記膨出部の非押圧状態で、爪部の長さの1/20〜1/50に設定したことを特徴とする請求項12記載の包装用容器の蓋部材。
  14. JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形40又はB形50の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、8〜9枚の範囲であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材。
  15. 前記爪部の枚数が、9枚であることを特徴とする請求項14記載の包装用容器の蓋部材。
  16. JIS Z 1607:2003「金属板製ふた・口金」に規定されるB形70の規格を満たす蓋部材であって、その各爪部の枚数が、11枚であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の包装用容器の蓋部材。
JP2003323229A 2003-08-27 2003-09-16 包装用容器の蓋部材 Pending JP2005096774A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323229A JP2005096774A (ja) 2003-08-27 2003-09-16 包装用容器の蓋部材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302894 2003-08-27
JP2003323229A JP2005096774A (ja) 2003-08-27 2003-09-16 包装用容器の蓋部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005096774A true JP2005096774A (ja) 2005-04-14

Family

ID=34467218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003323229A Pending JP2005096774A (ja) 2003-08-27 2003-09-16 包装用容器の蓋部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005096774A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515690A (ja) * 2009-01-26 2012-07-12 クリュー モールディングス リミテッド 容器用の閉じ蓋
JP2015078009A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 株式会社ダイゾー 吐出容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515690A (ja) * 2009-01-26 2012-07-12 クリュー モールディングス リミテッド 容器用の閉じ蓋
JP2015078009A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 株式会社ダイゾー 吐出容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2006314808B2 (en) Lid for a cup-shaped receptacle
US20100108679A1 (en) Can, and a Body and Panel Therefor
JP2001213416A (ja) ねじ付金属缶
US11858681B2 (en) Can body and method of manufacturing thereof
JP2005096774A (ja) 包装用容器の蓋部材
JP4406818B2 (ja) 包装用容器
JP2022539431A (ja) バルブ付き食品保存調理容器
JP2008110807A (ja) 二重エアゾール容器用の内袋および二重エアゾール容器ならびに二重エアゾール製品の製造法
JP4954598B2 (ja) 合成樹脂製包装容器
JP2019038564A (ja) ボトル缶及びキャップ付きボトル缶
CN211168066U (zh) 罐盖
JP2020001705A (ja) 包装用容器
JP5735319B2 (ja) 二重巻締用缶蓋
JP6576047B2 (ja) 缶蓋
JP2008155937A (ja) 金属箔成型容器
JP4666330B2 (ja) 正内圧缶用の缶蓋
JP5219131B2 (ja) マウンティングカップのクリンチ部の構造
CN222769787U (zh) 一种减少罐身变形的金属罐
JP6072127B2 (ja) 二重巻締用缶蓋
JP2019156430A (ja) 缶体
JP3103707U (ja) パッキン
JP2003170977A (ja) 耐食性エアゾール容器
WO1989005758A1 (en) Pail lid and closure
JPH0211292Y2 (ja)
WO1989011423A1 (en) Lug-cover

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060817

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091014