[go: up one dir, main page]

JP2005090587A - 回転体の回転軸及びその製造方法 - Google Patents

回転体の回転軸及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005090587A
JP2005090587A JP2003323172A JP2003323172A JP2005090587A JP 2005090587 A JP2005090587 A JP 2005090587A JP 2003323172 A JP2003323172 A JP 2003323172A JP 2003323172 A JP2003323172 A JP 2003323172A JP 2005090587 A JP2005090587 A JP 2005090587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating shaft
bearing
surface layer
hard particles
modulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003323172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4197286B2 (ja
JP2005090587A5 (ja
Inventor
Shigeki Yamada
茂樹 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2003323172A priority Critical patent/JP4197286B2/ja
Publication of JP2005090587A publication Critical patent/JP2005090587A/ja
Publication of JP2005090587A5 publication Critical patent/JP2005090587A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4197286B2 publication Critical patent/JP4197286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/23Gas turbine engines
    • F16C2360/24Turbochargers

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 超硬合金などの高ヤング率材料をより少なく用いて製造することのできる高剛性の回転体の回転軸を提供することである。
【解決手段】 軸受により支承される回転体の回転軸であって、少なくとも前記軸受から前記回転体までの間の部位がその他の部位よりもヤング率が高く構成されていることを特徴とする回転体の回転軸。また、前記軸受から前記回転体までの間の部位における表層部は、マトリックス金属中に硼化物、炭化物、窒化物のうち少なくとも1種の硬質粒子が分散している複合材料で構成されていることを特徴とする回転体の回転軸。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸受により支承される回転体の回転軸に関する。
従来、騒音低減と過給圧向上を目的として、騒音低減用軸受と過給圧向上用軸受とによってシャフトを支承するターボチャージャーが知られている(特許文献1参照)。このターボチャージャーによれば、シャフトの高速回転時の振れを抑制できるので、コンプレッサホイールとコンプレッサハウジングとのクリアランスを小さくし、かつ、コンプレッサホイールとコンプレッサハウジングとの干渉を防止することができる。
このように、高速回転する回転体を備えた機器、例えば、上述したターボチャージャー、モーター、コンピュータに内蔵されるハードディスクなどの機器では、回転体を支持する回転軸の剛性を高めることが強く望まれている。回転軸の剛性を高めれば、その回転軸の高速回転時における振れやたわみをさらに抑制できるので、回転体とその回転体を収容するハウジング部材との接触干渉等に起因する種々の不具合を防止できるからである。そして、このような理由から、回転軸の材料として、例えば超硬合金やサーメットなどの高いヤング率を有する材料を選定することが考えられている。
しかしながら、超硬合金やサーメットなどは高価な材料であり、しかも硬質粒子を含有するので切削加工性が悪く、回転軸の材料としては採用しづらいという問題がある。
特開2001−12460号公報
本願発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超硬合金などの高ヤング率材料をより少なく用いて製造することのできる高剛性の回転体の回転軸を提供することである。
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の各請求項に記載した発明が構成される。
本願の第1の発明は、軸受により支承される回転体の回転軸であって、少なくとも前記軸受から前記回転体までの間の部位がその他の部位よりもヤング率が高く構成されていることを特徴とする回転体の回転軸である。この回転軸によれば、回転体と軸受との間の部位における剛性が高められるので、回転体の高速回転時における振れやたわみを防止することができる。また、この回転軸によれば、他の部位と比較して高い剛性が必要とされる部位にのみ高ヤング率材料が用いられているので、高い剛性を有する回転体の回転軸をより安価に製造することができる。
本願の第2の発明は、上記第1の発明において、少なくとも軸受から回転体までの間の部位における表層部は、マトリックス金属中に硼化物、炭化物、窒化物のうち少なくとも1種の硬質粒子が分散している複合材料で構成されていることを特徴とする回転体の回転軸である。このような回転軸は、表層部を例えばプラズマやレーザなどの高エネルギ熱源により溶融し、その溶融した表層部中に硬質粒子を含有させることによって製造することができる。したがって、高い剛性を有する回転体の回転軸を後加工によって製造することができる。この場合、例えば超硬合金などの切削加工性の悪い材料を加工する必要がないというメリットがある。
本願の第3の発明は、エンジン排気により回転駆動されるタービンホイールと、そのタービンホイールと回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールと、前記回転軸を支承する軸受とを有するターボチャージャーであって、前記回転軸は、少なくとも前記軸受から前記コンプレッサホイールまでの間の部位がその他の部位よりもヤング率が高く構成されていることを特徴とするターボチャージャーである。なお、この発明において、前記「軸受」とは、前記回転軸を回転可能に支承する軸受であって、前記回転体に最も近い側に配置されている軸受のことを指している。
この発明によれば、他の部位と比較して高い剛性が必要とされる部位にのみ高ヤング率材料が用いられているので、高い剛性を有する回転軸を備えたターボチャージャーをより安価に製造することができる。また、この発明によれば、高速回転時における回転軸の振れやたわみが防止されるので、圧縮エアの過給率が高く、しかも騒音の低いターボチャージャーを実現することができる。
本願の第4の発明は、上記第3の発明において、回転軸は、少なくとも軸受からコンプレッサホイールまでの間の部位における表層部が、マトリックス金属中に硼化物、炭化物、窒化物のうち少なくとも1種の硬質粒子が分散している複合材料で構成されていることを特徴とするターボチャージャーである。このような回転軸は、表層部を例えばプラズマやレーザなどの高エネルギ熱源により溶融し、その溶融した表層部中に硬質粒子を含有させることによって製造することができる。したがって、高い剛性を有するコンプレッサホイールの回転軸を後加工によって製造することができる。この場合、例えば超硬合金などの切削加工性の悪い材料を加工する必要がないというメリットがある。
本願の第5の発明は、軸受により支承される回転体の回転軸の製造方法であって、少なくとも前記軸受から前記回転体までの間の部位における表層部を高密度エネルギ熱源により溶融する工程と、その溶融した表層部に硬質粒子あるいは硬質粒子を析出させる材料を添加する工程と、を有することを特徴とする回転体の回転軸の製造方法である。この発明によれば、高速回転時における振れやたわみの少ない回転体の回転軸をより安価に製造することができる。また、回転軸の表層部を溶融させるための熱源として、例えばレーザやプラズマなどの高密度エネルギ熱源を用いるので、溶融状態の制御が容易であり、回転軸の表層部の溶融池の撹拌力が大きいので、回転軸の表層部に硬質粒子を均一に分散させることができるという効果がある。
本発明によれば、超硬合金などの高ヤング率材料をより少なく用いて製造することのできる高剛性の回転体の回転軸を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本実施の形態における回転体の回転軸は、エンジン排気により回転駆動されるタービンホイールと、そのタービンホイールと回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールとを備え、前記コンプレッサホイールの回転力によりガソリン燃焼用の圧縮エアをシリンダ内に送り込むターボチャージャーに適用されるものである。
図1は、本実施の形態におけるターボチャージャー10の断面図である。
図1に示すように、ターボチャージャー10は、図示しない排気通路内に設置されてエンジン排気により回転駆動されるタービンホイール12と、そのタービンホイール12と回転軸14を介して連結されるコンプレッサホイール16とを備えている。コンプレッサホイール16は、コンプレッサハウジング18内に収容されており、図示しない吸気通路を介して流入した燃焼用エアが、このコンプレッサハウジング18内においてコンプレッサホイール16により圧縮されてシリンダ内に送り込まれる。なお、コンプレッサホイール16が、本発明にいう「回転体」に対応している。
回転軸14は、例えばSCM415(クロムモリブデン鋼)などの鋼材により棒状に形成された部材である。この回転軸14は、軸受ハウジング22に収容された2つの軸受20a,20bによって回転可能な状態で支承されている。この軸受20a,20bの外周面と軸受ハウジング22との間には隙間(外径クリアランス)が設定されており、この軸受20a,20bの内周面と回転軸14の外周面との間にも隙間(内径クリアランス)が設定されている。そして、これら2つの軸受20a,20bには、油供給孔24aを介してオイルが供給されており、回転軸14及び軸受ハウジング22との間に油膜を形成することのできるフローティングベアリングを構成している。これにより、高速回転する回転軸14を円滑に支承できるようになっている。
また、回転軸14は、図1に示すように、軸受ハウジング22側からコンプレッサホイール16側に向けてその外径が段差状に細くなるように形成されている。この回転軸14の段差状の部分には円筒状のカラー26が設けられており、このカラー26によって回転軸14の軸方向への移動が規制されている。また、このカラー26には、油供給孔24bを介して潤滑用のオイルが供給されており、このカラー26のさらにコンプレッサホイール16側には、オイルシール27が設けられてオイルが封入されている。
本実施の形態における回転軸14は、軸受20aからコンプレッサホイール16までの間の部位、すなわち、図1中の矢印Bに示す範囲の部位が他の部位よりもヤング率が高く構成されている。これにより、回転軸14の軸受20aからコンプレッサホイール16までの部位における剛性が高められており、回転軸14の高速回転時における振れやたわみが防止されている。この回転軸14の製造方法について以下詳細に説明する。
図2は、回転軸14の製造方法を模式的に示す図である。
図2に示すように、回転軸14は、プラズマ溶融装置30によってその軸方向の矢印Bに示す範囲における表層部が溶融される。そして、その溶融された表層部中に硬質粒子が添加されてヤング率が高められている。
プラズマ溶融装置30は、回転軸14との間に発生させたプラズマアークによりその回転軸14の表層部を溶融し、その溶融池中に硬質粒子を噴射し添加する装置である。プラズマ溶融装置30は、このプラズマ溶融装置30を回転軸14の軸方向に沿って移動させることのできる図示しない可動受台に設置されている。回転軸14の表層部を溶融する際には、回転軸14を軸周りに自転させながらプラズマ溶融装置30をその回転軸14の軸方向に移動させる。これにより、回転軸14の表層部をほぼ均一の厚みで溶融させることができる。
プラズマ溶融装置30の熱源としては、移行性プラズマアーク(PTA法と呼ばれることがある)を用いてもよいし、非移行性プラズマアーク(プラズマ溶射法と呼ばれることがある)を用いてもよい。また、プラズマ熱源に限らず、熱集中度の高いものであれば、例えばレーザを熱源とした溶融装置を用いることもできる。これらの熱集中度が高い溶融装置を用いることにより、回転軸14の表層部をほぼ均一の厚みで溶融させることができる。また、これらの溶融装置は、溶融池の撹拌力が大きいので、回転軸14の表層部中にほぼ均一に硬質粒子を分散させることができる。
本実施の形態において、回転軸14の表層部に添加する硬質粒子としては、硼化物、炭化物、窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の硬質粒子を用いることができる。例えば、硼化チタン(TiB)、硼化鉄(FeB)、硼化ニオブ(NbB)、硼化クロム(CrB)などの硬質粒子を採用することができる。また、炭化物の硬質粒子として、炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、炭化珪素(SiC)、炭化モリブデン(MoC)、炭化タンタル(TaC)などの硬質粒子を採用することができる。また、窒化物の硬質粒子として、窒化チタン(TiN)、窒化硼素(BN)、窒化珪素(Si)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化バナジウム(VN)などの硬質粒子を採用することができる。
硬質粒子のヤング率は、500GPa以上であることが好ましい。硬質粒子のヤング率がこの範囲にあると、回転軸14の剛性の明確な向上が認められるからである。
また、回転軸14の表層部中に硬質粒子を分散させるためには、表層部の溶融池に直接的に硬質粒子を添加するのではなく、溶融池に添加された後に化学反応が生じて硬質粒子が析出するように成分の配合がしてある1種あるいは2種以上の原料粉末を添加するようにしてもよい。例えば、硬質粒子を析出させるための原料粉末として、以下の原料粉末を添加することができる。
(1)硼化鉄の粉末と、チタン鉄合金の粉末とを混合した原料粉末。この場合、硬質粒子として硼化チタンが析出する。
(2)モリブデン鉄合金の粉末と、高炭素鉄合金(炭素工具鋼SK3など)の粉末とを混合した原料粉末。この場合、硬質粒子として炭化モリブデンが析出する。
(3)チタン鉄合金の粉末と、高炭素鉄合金(炭素工具鋼SK3など)の粉末とを混合した原料粉末。この場合、硬質粒子として炭化チタンが析出する。
回転軸14の表層部に硬質粒子を添加することにより、表層部が金属マトリックス中に硬質粒子が分散している高ヤング率の複合材料により構成され、内層部が通常の金属材料(SCM415)で構成された2層構造を有する回転軸14を得ることができる。本発明の方法によると、回転軸14の表層部が高密度エネルギ熱源により溶融されて硬質粒子が添加されているので、この2層構造の境界部が微視的に観察した場合に連続的に形成されている回転軸14を得ることができる。したがって、この2層構造の境界部における剪断強度や剥離強度が高い回転軸14を得ることができる。
硬質粒子を添加する量としては、回転軸14の断面を見たときに、硬質粒子が分散している複合材料の層の面積比率が、回転軸14の断面積全体に対して30%以上となるような量が好ましい。また、硬質粒子が分散している複合材料の層において、硬質粒子の存在比率が体積比率で30%以上となるような量が好ましい。硬質粒子がこの範囲で存在していると、回転軸14の明確な剛性の向上が認められる。
例えば、SCM415からなる回転軸14の表層部を溶融させ、硬質粒子として硼化チタン(TiB)を供給し溶融池に均一に分散させる。このとき、回転軸14の断面における複合材料の層が断面積全体に対して30%以上であり、かつ、複合材料の層における硬質粒子の存在比率が体積比率で30%以上となるようにすると、この硬質粒子を添加した部分における回転軸14の見掛け上のヤング率は232GPa以上となり、回転軸14の剛性の明確な向上が認められるようになる。硼化チタンを析出させる2種の原料粉末(硼化鉄の粉末と、チタン鉄合金の粉末)を添加した場合も同様な効果が認められる。
ターボチャージャー10の過給効率は、コンプレッサハウジング18とコンプレッサホイール16間のクリアランスA(チップクリアランス)の大きさに影響される。燃焼用エアの過給率が高くかつ低騒音のターボチャージャーを実現するためには、このクリアランスAをできるだけ小さくしかつコンプレッサハウジング18とコンプレッサホイール16とがぶつからないようにする必要がある。本実施の形態における回転軸14によれば、軸受20aからコンプレッサホイール16までの間の部位のヤング率が高められているので、この回転軸14の高速回転時における振れやたわみが防止される。これにより、コンプレッサハウジング18とコンプレッサホイール16間のクリアランスAをできる限り小さくし、燃焼用エアの過給率が高く、かつ、低騒音のターボチャージャー10を実現することができる。
また、本実施の形態における回転軸14によれば、軸受20a,20bの内周面と回転軸14の外周面との隙間(内径クリアランス)を極端に小さくする必要がない。なぜならば、回転軸14の剛性が高められているので、内径クリアランスの極端に小さくしなくても、高速回転時における回転軸14の振れやたわみを十分に抑制することができるからである。したがって、油供給孔24aを介して供給されるオイルに燃焼生成物が混入したり、あるいは、軸受20a,20bに供給されるオイルが途切れたりした場合であっても、軸受20a,20bと回転軸14との固着や焼き付きが防止される。
本実施の形態における回転軸14によれば、高速回転時における回転軸14の振れやたわみを防止できるので、軸受ハウジング22中にオイルを封入しておくためのオイルシール27の寿命向上を期待できる。
また、本実施の形態における回転軸14によれば、軸方向における一部の範囲、すなわち、他の部位と比較して高い剛性が必要とされる範囲のみヤング率が高められているので、例えば超硬合金などの高価な材料を多く用いる必要がない。また、切削加工性の悪い超硬合金やサーメットなどの材料を加工する必要がない。これにより、高剛性を有する回転軸14をより安価に製造できるという効果がある。
なお、上記実施の形態では、回転軸14の表層部をプラズマ溶融装置30により溶融し硬質粒子を添加する例を示したが、回転軸14の一部の範囲におけるヤング率を高める方法としては、他の方法を採用することも可能である。
例えば、図1において、回転軸14の矢印Bに示す範囲の部位のみを超硬合金などの高ヤング率材料により形成し、その他の部位をSCM415などの通常の材料で形成する。そして、これら複数の棒状部材を溶接等により軸方向に接合すれば、矢印Bに示す範囲のみがヤング率が高く構成された回転軸14を得ることができる。
また、例えば、図1において、回転軸14の矢印Bに示す範囲の部位のみを他の部位よりも細く形成する。そして、その細く形成された部位の外周部に超硬合金などの高ヤング率材料を接合すれば、矢印Bに示す範囲のみが見掛け上ヤング率が高く構成された回転軸14を得ることができる。あるいは、その細く形成された部位の外周部に、硬質粒子が含有された高ヤング率の複合材料を形成し得る1種あるいは2種以上の材料を溶射により付着させれば、矢印Bに示す範囲のみが見掛け上ヤング率が高く構成された回転軸14を得ることができる。さらに、例えば、図1において、回転軸14の矢印Bに示す範囲の部位に軸方向に沿って複数の溝を形成し、この溝の内部に超硬合金などの高ヤング率材料を接合すれば、矢印Bに示す範囲のみが見掛け上ヤング率が高く構成された回転軸14を得ることができる。
上記実施の形態では、本発明をターボチャージャー10の回転軸14に適用する例を示したが、これに限るものではない。本発明は、回転体を備えた他の車両部品の回転軸に適用することができる。例えば、車両部品の一つである電動フューエルポンプの回転軸に適用することができる。
図3は、電動フューエルポンプ40の断面図である。図3に示すように、電動フューエルポンプ40は、電動モータ42と、この電動モータ42の出力軸である回転軸44と、この回転軸44を介して電動モータ42と連結されるインペラ46とを備えている。回転軸44は、軸受48により回転可能な状態で支承されている。電動モータ42により回転駆動されるインペラ46の回転力により、リザーバカップ内に貯留されたガソリン燃料を昇圧させてインジェクタに供給することができる。この電動フューエルポンプ40において、インペラ46が、本発明にいう「回転体」に対応している。
回転軸44は、軸受48からインペラ46の間の部位、すなわち、図3における矢印Cに示す範囲の部位が、他の部位よりもヤング率が高く構成されている。ヤング率を高くするためには、上記実施の形態で説明したどの方法を用いることもできる。これにより、インペラ46の高速回転時における回転軸44の振れやたわみが防止されるので、低騒音でかつ燃料供給効率の高い電動フューエルポンプ40を実現することができる。この回転軸44によれば、他の部位よりも高い剛性が必要とされる部位のみヤング率が高められているので、例えば超硬合金などの高ヤング率材料を全体に用いる必要がなく、高剛性の回転軸44を安価に製造することができる。
また、上記実施の形態では、回転軸14の矢印Bに示す範囲の部位におけるヤング率が高く構成されている例を示したが、これに限るものではない。本発明は、少なくとも矢印Bに示す範囲の部位が、他の部位よりもヤング率が高く構成されればよい。例えば、軸受20aからコンプレッサホイール16を固定するためのナット19に至るまでの部位におけるヤング率が、軸受20aからタービンホイール12側の部位よりもヤング率が高くなるように構成してもよい。これにより、高い剛性を有する回転軸14を、超硬合金などの高ヤング率材料をより少なく用いて製造することができる。
本発明は、例えばウオーターポンプなどのその他の車両部品における回転体の回転軸にも適用することができる。また、車両部品に限らず、例えばコンピューターに内蔵されるハードディスクの回転軸に適用することができる。
〔実施例1〕
まず、試験片を製作することにより、回転軸の表層部に硬質粒子を添加することによる剛性向上の効果について試験を行った。
本実施例では、軸径18mmのSCM415製の丸棒状の回転軸を用いた。この回転軸の表層部を、移行性プラズマ方法によるプラズマ溶融装置を用いて軸方向に沿って長さ100mmに亘って溶融し、硼化チタンからなる硬質粒子、あるいは、硼化チタンからなる硬質粒子を析出させるための混合粉末を溶融池に添加した。そして、この回転軸の軸方向における硬質粒子が含有された部分について、一方の端部を片持ちの状態で固定し、他方の端部に対して20kgの荷重を作用させて当該回転軸のタワミ量を測定した。このような試験を、溶融池に添加する硬質粒子あるいは硬質粒子を形成しうる材料の種類、表層部の複合化された部分における硼化チタンの存在比率(体積%)、回転軸の断面積全体に対する表層部の複合化された部分の面積比率(%)の条件を種々変更して、NO.1〜NO.8までの8種類の試験を行った。
以下の表1は、NO.1〜NO.8までの試験の条件及び結果をまとめたものである。NO.1〜NO.7までは、本発明の実施例として実施した試験である。NO.8は、本発明との比較例として実施した試験である。
Figure 2005090587
NO.1〜NO.7の試験結果と、NO.8の試験結果を比較すると、回転軸の表層部を溶融してその表層部中に硬質粒子を含有させることにより、回転軸のタワミ量が減少することが判明した。これにより、本発明による回転軸の剛性向上の効果が確認された。
また、NO.1〜NO.7の試験結果を見ればわかるように、複合化部分における硼化チタンの存在量が体積比率で30%以上であり、かつ、回転軸の断面積全体に対する複合化部分の面積比率が30%以上である場合には、回転軸のタワミ量が大幅に減少することが判明した。
〔実施例2〕
次に、本発明をターボチャージャーの回転軸に適用した。
本実施例では、軸径18mmのSCM415製の丸棒状の回転軸を用いた。この回転軸の表層部を、移行性プラズマ方法によるプラズマ溶融装置を用いて軸方向に沿って長さ100mmに亘って溶融し、硼化チタンの硬質粒子を析出させるために、硼化鉄(FeB)とチタン鉄合金(FeTi)との混合粉末を溶融池に添加した。このとき、表層部の複合化部分における硼化チタンの存在量が体積比率で30%であり、かつ、回転軸の断面積全体に対する複合化部分の面積比率が40%となるように混合粉末の量を調整した。そして、回転軸のコンプレッサホイール側の一端に荷重を作用させてタワミ量を測定したところ、硬質粒子が含有されていない通常のSCM415製の回転軸と比較した場合に、タワミ量を約20%以上抑制できることが判明した。
本実施の形態におけるターボチャージャーの断面図である。 回転軸の製造方法を模式的に示す図である。 電動フューエルポンプの断面図である。
符号の説明
10 ターボチャージャー
12 タービンホイール
14 回転軸
16 コンプレッサホイール(回転体)
18 コンプレッサハウジング
20a,20b 軸受
22 軸受ハウジング
26 カラー
30 プラズマ溶融装置
40 電動フューエルポンプ
42 電動モータ
44 回転軸
46 インペラ
48 軸受

Claims (5)

  1. 軸受により支承される回転体の回転軸であって、
    少なくとも前記軸受から前記回転体までの間の部位がその他の部位よりもヤング率が高く構成されていることを特徴とする回転体の回転軸。
  2. 請求項1に記載の回転体の回転軸であって、
    少なくとも軸受から回転体までの間の部位における表層部は、マトリックス金属中に硼化物、炭化物、窒化物のうち少なくとも1種の硬質粒子が分散している複合材料で構成されていることを特徴とする回転体の回転軸。
  3. エンジン排気により回転駆動されるタービンホイールと、そのタービンホイールと回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールと、前記回転軸を支承する軸受とを有するターボチャージャーであって、
    前記回転軸は、少なくとも前記軸受から前記コンプレッサホイールまでの間の部位がその他の部位よりもヤング率が高く構成されていることを特徴とするターボチャージャー。
  4. 請求項3に記載のターボチャージャーであって、
    回転軸は、少なくとも軸受からコンプレッサホイールまでの間の部位における表層部が、マトリックス金属中に硼化物、炭化物、窒化物のうち少なくとも1種の硬質粒子が分散している複合材料で構成されていることを特徴とするターボチャージャー。
  5. 軸受により支承される回転体の回転軸の製造方法であって、
    少なくとも前記軸受から前記回転体までの間の部位における表層部を高密度エネルギ熱源により溶融する工程と、その溶融した表層部に硬質粒子あるいは硬質粒子を析出させる材料を添加する工程と、を有することを特徴とする回転体の回転軸の製造方法。
JP2003323172A 2003-09-16 2003-09-16 回転体の回転軸及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4197286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323172A JP4197286B2 (ja) 2003-09-16 2003-09-16 回転体の回転軸及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323172A JP4197286B2 (ja) 2003-09-16 2003-09-16 回転体の回転軸及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005090587A true JP2005090587A (ja) 2005-04-07
JP2005090587A5 JP2005090587A5 (ja) 2006-01-26
JP4197286B2 JP4197286B2 (ja) 2008-12-17

Family

ID=34454323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003323172A Expired - Fee Related JP4197286B2 (ja) 2003-09-16 2003-09-16 回転体の回転軸及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4197286B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101846094A (zh) * 2010-06-03 2010-09-29 蓝星化工有限责任公司 一种磁力离心泵
KR20170102505A (ko) * 2015-01-27 2017-09-11 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 선박용 배기터빈
CN108699911A (zh) * 2016-02-23 2018-10-23 Ihi供应系统国际有限责任公司 用于废气涡轮增压机的叶轮
JP2021147666A (ja) * 2020-03-19 2021-09-27 日本製鉄株式会社 鋼部材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8734017B1 (en) * 2013-03-08 2014-05-27 Hamilton Sundstrand Corporation Air bearing shaft

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101846094A (zh) * 2010-06-03 2010-09-29 蓝星化工有限责任公司 一种磁力离心泵
KR20170102505A (ko) * 2015-01-27 2017-09-11 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 선박용 배기터빈
KR20190007526A (ko) * 2015-01-27 2019-01-22 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 선박용 배기터빈
KR102218632B1 (ko) * 2015-01-27 2021-02-22 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 선박용 배기터빈
CN108699911A (zh) * 2016-02-23 2018-10-23 Ihi供应系统国际有限责任公司 用于废气涡轮增压机的叶轮
JP2021147666A (ja) * 2020-03-19 2021-09-27 日本製鉄株式会社 鋼部材
JP7453524B2 (ja) 2020-03-19 2024-03-21 日本製鉄株式会社 鋼部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP4197286B2 (ja) 2008-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI252893B (en) Rotating component, frame body, bearing, gear box, rotating machinery, shaft structure and surface treatment method
JP4698979B2 (ja) 金属射出成形タービンロータと、同ロータへの金属シャフトの連結取り付け
US7832933B2 (en) Wear resistant foil bearing assembly
JP4472979B2 (ja) 肉盛用耐摩耗性銅基合金
JP2011168891A (ja) タフコートされた硬い粉末およびその焼結製品
CN100344781C (zh) 堆焊用耐磨铜合金及气门座
JP2006037952A (ja) チタン・アルミナイド製羽根車及びそれへの鋼製シャフト接続
JP2004346417A (ja) 溶射皮膜摺動材料、摺動部材および摺動部品並びにそれが適用される装置
JP5575335B2 (ja) 転動体、転動体の製造方法及び動力伝達装置
CN101530918A (zh) 通过粉末冶金法制备基于钛合金的并且TiB强化的复合部件的方法
JP4197286B2 (ja) 回転体の回転軸及びその製造方法
JP5100487B2 (ja) 焼結機械部品の製造方法
JP2002226955A (ja) ターボチャージャー用ターボ部品およびその製造方法
CN103060799A (zh) 一种用于提高钛合金表面自润滑耐磨性能的材料及其应用
CN1671878A (zh) 含陶瓷粒子自熔性合金喷镀材料
JP5085035B2 (ja) 焼結金属材、焼結含油軸受、流体軸受装置、及びモータ
CN1826478A (zh) 转动部件、机箱、轴承、齿轮箱、转动机械、轴构造及表面处理方法
JP2004359975A (ja) マトリックス金属中に硬質粒子が分散している複合材料の製造方法
JP2005206867A (ja) 組み合わせ摺動部材
JPH11107932A (ja) 自動変速機用アルミニウム合金製トロコイドポンプ
JP5214555B2 (ja) 焼結含油軸受
JP2001220605A (ja) 耐摩耗性に優れた摺動部材
Sudhakar et al. Mechanical and microstructural analysis of AA7075/B4C/ZrO2 hybrid composite
JP4694090B2 (ja) 耐食性サーメット及びポンプ装置
JPH10298683A (ja) マグネシウムまたはマグネシウム合金射出成形用ライニング材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20051130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051130

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20080311

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080805

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20080819

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080924

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080925

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees