JP2005088070A - 溶湯移送ポンプ、溶湯移送装置、及び溶湯移送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移送中の溶湯の酸化、ガス吸収等を防止し、清浄度を少なくとも維持し得るとともに、移送先における溶湯の汚染防止を図ることが出来、更に、移送元及び移送先を限定しない汎用性のある溶湯移送手段を提供すること。
【解決手段】サイホン作用により溶湯を移送するポンプである。この溶湯移送ポンプ1は、所定の空間を有するチャンバ室2と、チャンバ室2に通じる吸引管4及び吐出管3と、チャンバ室2を減圧する減圧手段と、吐出管3とチャンバ室2との接続口に設けられる接続口開閉手段と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】サイホン作用により溶湯を移送するポンプである。この溶湯移送ポンプ1は、所定の空間を有するチャンバ室2と、チャンバ室2に通じる吸引管4及び吐出管3と、チャンバ室2を減圧する減圧手段と、吐出管3とチャンバ室2との接続口に設けられる接続口開閉手段と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、溶湯の清浄度を維持しつつ移送可能な、サイホン作用を用いた溶湯移送ポンプ、及び、溶湯移送方法に関するものである。
鋳造法を用いて成形し鋳物製品を得る場合、溶解炉で金属を溶融乃至溶解して溶湯を得て金型で成形するまでの間に、溶湯は、例えば、先ず、溶解炉から出湯され保持炉に移送されて保温され、次いで、保持炉から取鍋に出湯され、取鍋によって鋳造金型へ供給される、という具合に移送される。あるいは、低圧鋳造法の場合、溶解炉から出湯され保持炉に移送されて保温され、次いで、保持炉から鋳造金型近傍の保持炉に移送され、保持炉から低圧力で押し上げられて鋳造金型へ供給される。
溶湯の移送時には、空気を巻き込み酸化物を形成したり、水素ガス吸収してしまうという避けるべき問題が生じ得るため、従来より溶湯の移送にかかり種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1によれば、低圧鋳造機の移湯方法等が提案されている。この提案は、鋳造機保持炉内に収納された受湯側容器湯面上に、管体の一方の管口を配置し他方の管口を移湯側容器の溶湯内に配置し、鋳造保持炉内を減圧して移湯を開始し、減圧により移湯側の溶湯が受湯側に向かって移動して管体内を満たし、受湯側容器湯面が上昇して一方の管口位置を越えた後、サイホン作用により移湯を継続させることを特徴とする方法であり、サイホン移湯開始時に管体内で溶湯が空気を巻き込むことがないため、移湯の際に溶湯酸化及びガス吸収を低減させることが出来、受湯側容器湯面に溶湯が落下する際の炉内雰囲気が希ガスであるため、酸化物の発生、ガス吸収を低減させることが出来、減圧パイプを備えない構成であるため、バルブの閉塞を防止することが出来るとしている。
又、特許文献2によれば、移送管式給湯装置等が提案されている。この提案は、配湯用樋又は独立した炉からなる溶湯保持部とダイカストマシンの射出スリーブを接続する溶湯移送管を備え、溶湯移送管は、配湯側端部に、互いに連通し、且つ溶湯移送管と交差連通するサイホン部と溶湯引上部からなる吸引管を有し、サイホン部を溶湯保持部内の溶湯中に浸漬し、溶湯引上部を真空装置に接続し、又溶湯移送管の排湯側端部に計量注湯バルブ装置を配設したことを特徴とする装置であり、構造を簡素化するとともに小さくすることが出来、ヒータによる伝熱効率を向上させることが出来、溶湯の漏洩を防止することが出来る、等の効果があるとしている。
更に、特許文献3によれば、溶融金属の移送方法が提案されている。この提案は、溶融金属を貯留した第1の容器と溶融金属を出湯すべき第2の容器との間に給湯パイプを架け渡し、この給湯パイプの端部を第1及び第2の容器内の溶融金属中に浸漬し、給湯パイプを減圧することにより、第1の容器内の溶融金属を給湯パイプを介して吸引して第2の容器に溶融金属を供給することを特徴とする方法であり、給湯時の空気の巻き込み、それに伴う溶湯酸化、製品への酸化物混入を防止することが出来、溶湯が空気に触れる面が少なく、これによっても溶湯酸化を防止することが出来、溶湯を受ける各容器について給湯パイプを設けることにより、溶湯の品種が変更された場合にも合金が相違することによる成分コンタミネーションを起こすことがない等の効果があるとしている。
特開平7−195166号公報
特開平7−290223号公報
特開2000−117418号公報
しかしながら、サイホン作用により溶湯を移送する上記従来の提案には、以下のような種々の問題が残されていた。
特許文献1に開示された提案においては、溶湯が送湯側の鋳造保持炉内を減圧して、送湯側の容器から溶湯を吸引し移動させているので、移送に時間がかかるという問題がある。又、減圧装置が大型化し設備コスト増を招くとともに、減圧に要するエネルギー消費量が多く運転コストも増加する。更に、鋳造保持炉内の加圧(金型へ注湯)と移送用の減圧を一の配管で兼ねているので、互いに拘束され、生産効率が低下するとともに、明らかに湯面レベルは一定にならない。
特許文献2に開示された提案においては、ダイカストマシン専用であるため、使用環境が限定され、一般鋳造や低圧鋳造には不向きである。又、移送管式であるため、減圧調整がし難く、溶湯が真空装置側にまで上ってしまい、機器、配管、弁の障害が生じ易い。
特許文献3に開示された提案においては、単なるサイホン作用の応用であり、ガスシールが行われておらず(明示されていない)、且つ、減圧方法が明示されていない。そのため、酸化物生成、ガス巻き込みが生じ得、又は、それらの低減に限界がある。配管を減圧する場合には、上記特許文献2の減圧にかかる問題と同じ問題が生じ得る。保持炉内を減圧する場合には、移送距離が制限され、距離が長い場合に、上記特許文献1と同じく移送に時間がかかるという問題がある。
特許文献1〜3に共通して、移送される側の湯面レベルを一定にすることが出来ない(明示されていない)ため、移送先の炉に不活性ガスシールが行われているとしても介在物形成のおそれがあるか、又は、移送先の炉に不活性ガスシールが行われているときには、ガス消費量が多くなり運転コストが増加するという問題がある。
本発明は、以上のような従来技術における問題点を鑑みてなされたものであり、移送中の溶湯の酸化、ガス吸収等を防止し、清浄度を少なくとも維持し得るとともに、移送先における溶湯の汚染防止を図ることが出来、移送元及び移送先を限定しない汎用性のある溶湯移送手段を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る溶湯移送ポンプは、サイホン作用により溶湯を移送するポンプであって、所定の空間を有するチャンバ室と、チャンバ室に通じる吸引管及び吐出管と、チャンバ室を減圧する減圧手段と、吐出管のチャンバ室との接続口に設けられる接続口開閉手段と、を有するところに特徴がある。
本発明に係る溶湯移送ポンプにおいては、チャンバ室に、湯面計及び不活性ガスによるシール手段が備わることが好ましい。又、接続口開閉手段としては、吐出管とチャンバ室との接続口に備わる弁座と、弁座に座る弁体と、弁体を弁座に対し連続的に密着・離反可能にする上下ストローク手段を備える弁棒と、を有する態様を用いることが出来る。この態様では、弁棒が、弁体を弁座に密着させて摺動可能にする回転手段を備えることが好ましい。
又、本発明によれば、金属を溶融乃至溶解して溶湯を得る1乃至複数の溶解炉と、溶解炉に対し低位に設置され鋳造金型へ溶湯を注湯する1乃至複数の保持炉と、の間に備わる溶湯移送装置であって、少なくとも、溶解炉と保持炉との中間位に設置され密閉された1乃至複数の中継炉と、溶湯を中継炉から吸引し保持炉へ吐出する1乃至複数の上記した溶湯移送ポンプと、から構成される溶湯移送装置が提供される。
本発明に係る溶湯移送装置においては、保持炉及び中継炉の何れか若しくは両方に、湯面計が備わることが好ましく、不活性ガスによるシール手段が備わることが好ましい。
更に、本発明によれば、溶湯を貯留した一の炉から、その一の炉より低位に設置される他の炉へ、サイホン作用により溶湯を移送する方法であって、一の炉と他の炉とを、吸引管と、その吸引管と通じるチャンバ室と、そのチャンバ室に通じる吐出管と、により連通する第一の工程と、他の炉側に配置された吐出管とチャンバ室との接続口を閉じるとともにチャンバ室を減圧し、一の炉の溶湯中に管口を浸漬した吸引管よりチャンバ室中へ溶湯を吸い込む第二の工程と、チャンバ室に吸い込まれた溶湯が所定量に達した後に吐出管とチャンバ室との接続口を開き、他の炉へ溶湯を吐出する第三の工程と、他の炉に吐出された溶湯中に吐出管の管口が浸漬した後にチャンバ室の減圧を停止し所定の圧力を保持するとともにチャンバ室に不活性ガスを吹き込みシールしつつ、一の炉からチャンバ室を介して他の炉へ溶湯の移送を継続する第四の工程と、を有することを特徴とする溶湯移送方法が提供される。
本発明に係る溶湯移送方法においては、移送先である他の炉の湯面レベルを検知し、その湯面レベルが所定範囲になるように、吐出管とチャンバ室との接続口の開口面積を変化させ溶湯の流量を調整することが好ましい。他の炉における溶湯の酸化等を防止出来るからである。又は、他の炉において不活性ガスによるシールを行っている場合には不活性ガスの使用量を低減出来るからである。更に、この流量調整により溶湯の乱流が防止される。接続口は、通常、チャンバ室中へ溶湯を吸い込む上記第二の工程において全閉、他の炉へ溶湯を吐出する上記第三の工程において半開であり、チャンバ内の湯面上昇時には全開にされる。
本発明に係る溶湯移送ポンプを、使用するときに、吸引管を移送元に通じ吐出管を移送先に通じて、移送元と移送先とを連通し、減圧手段によりチャンバ室を減圧して移送元からチャンバ室に溶湯を吸引した後に移送先へ溶湯を吐出し、移送元と移送先とを溶湯により通じた状態で一定の圧力(負圧)下におけば、サイホン作用により溶湯の移送は継続する。
本発明に係る溶湯移送ポンプは、移送元及び移送先から独立しており、汎用性に優れ、鋳造方法を限定せずに溶湯移送手段として適用することが出来る。
又、例えば、移送先が低圧鋳造装置の保持炉である場合に、その保持炉から金型への注湯とは独立して、保持炉へ溶湯を移送することが可能である。従って、生産効率は、より向上する。加えて、溶湯の酸化等による介在物の生成が生じ難く、溶湯移送中に、移送先の例えば保持炉から金型への注湯が行われても、鋳造欠陥が発生し難くなる。又、移送先の湯面レベルが一定に出来ることから、移送先において不活性ガスによるシールを行う場合に、不活性ガス使用量を格段に減少させることが可能であり、運転コストを低減出来る。
この溶湯移送ポンプ(チャンバ室)は、移送元の炉等の近傍に設置することが出来、移送元に通じた吸引管を介してチャンバ室に容易に溶湯を吸引可能であり、移送元から移送先までの距離が長い場合でも、サイホン作用を導くのに時間を要せず、より短時間で溶湯を移送可能であるとともに、減圧に要するエネルギー消費量も少なくて済み、減圧装置を、より小型化することが出来る。
本発明に係る溶湯移送ポンプは、管のみで移送元と移送先を連通せず、所定の空間を有し湯面計が備わるチャンバ室を用い、このチャンバ室を減圧しサイホン作用を導くものであることから、減圧に要する調整が容易であり、配管、弁、減圧装置等に障害を招き難い。
更に、長い間使用していると弁体乃至弁座に固化した溶湯(酸化物等を含む)が蓄積されることがあり得るが、好ましくは上記態様の接続口開閉手段を有しているので、これを溶湯移送毎に除去することが出来る。
本発明に係る溶湯移送装置の基本形は、溶解炉と中継炉と溶湯移送ポンプと保持炉とを各々1基設けた装置であるが、それぞれを複数備え、ネットワークを形成することにより、溶湯経路が複数になり、各機器にトラブルが発生したときに操業停止を防止出来、又、操業継続中に定期メンテナンスを実施することが可能である。
溶湯移送ポンプにおける移送元である中継炉に湯面計があれば空引きを防止出来、移送先である保持炉に湯面計があれば保持炉のオーバーフローを防止することが可能である。両炉に湯面計が備わっていれば制御装置を加え湯面レベルに応じて自動移送運転を行うことが出来る。又、湯面計により各炉の湯面レベルを監視することで運転異常が早期に検知出来、操業停止に至るトラブルを未然に防止出来る。溶湯移送ポンプは不活性ガスによるシール手段を有するので、両炉に不活性ガスによるシール手段が備われば、移送中の溶湯の酸化、ガス吸収等を完全に防止出来、溶湯品質を良好に保ち得ることから鋳物製品の機械的強度等の特性が向上する。
以下、本発明の溶湯移送ポンプ及び溶湯移送方法について、実施の形態を、適宜図面を参照して、より詳細に説明する。尚、本発明は、これらに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
先ず、溶湯移送ポンプについて説明する。本発明に係る溶湯移送ポンプは、サイホン作用を利用するポンプであり、少なくとも、(1)所定の空間を有するチャンバ室、(2)そのチャンバ室に通じる吸引管及び吐出管と、(5)減圧手段、(6)吐出管とチャンバ室との接続口に設けられる接続口開閉手段と、を備え、加えて、好ましくは、チャンバ室に備わる(3)湯面計、(4)不活性ガスによるシール手段を有する。
(1)チャンバ室は、湯面計、シール手段、減圧手段、接続口開閉手段が備わり作用を発現する空間を有し、その空間を吸引管から入った溶湯が吐出管へ出るまでに滞留・通過する。空間形状は限定されるものではない。チャンバ室は、その空間において少なくとも下部が溶湯と接し雰囲気も高温になるので耐熱性を有する材料で形成される。あるいは、鉄板、鉄骨等で空間を形成し、少なくとも溶湯と接する部分(チャンバ室内面等)を耐熱性材料でコーティングする態様でもよい。チャンバ室の空間の大きさは限定されない。移送能力(最大流量)とそのときの滞留時間により決定される。
(2)吸引管及び吐出管は、溶湯移送ポンプを機能させるために、移送元と溶湯移送ポンプ、及び、溶湯移送ポンプと移送先とを接続する管である。管形状、管径、長さ等は、移送元及び移送先の事情(距離乃至位置、形状等)で決定され限定されない。本発明に係る溶湯移送ポンプはサイホン作用を利用し高所から低所に移送するものであることから、又、吸引が重力に逆らい吐出が重力に従うことから、相対的に吸引管がより短くより太く(圧力損失がより少なく)、吐出管がより長くより細く形成される。吐出管は、少なくとも溶湯移送ポンプ内において(即ち、後述する弁座近傍において)移送先方向へ向けて広がるテーパー形状をなしていてもよい。こうすると溶湯のつまりが、より生じ難くなる。吸引管及び吐出管の管形状は、好ましくは、圧力損失低減、溜まりの防止等の理由により断面円形である。吸引管及び吐出管は溶湯と内面全面が接するので耐熱性を有する材料で形成される。あるいは、金属系の管等を用い、溶湯と接する内面を耐熱性材料でコーティングしてもよい。
(3)湯面計は、チャンバ室を滞留・通過する溶湯のレベル(湯面レベル)を測定する計器である。湯面計は、高温になるチャンバ室において適用可能なものであれば、その原理、形式、設置方法等は限定されない。例えば、接触型として後述する浮子式湯面計、非接触型としてレーザーセンサ式湯面計を挙げることが出来る。湯面計は、湯面レベルを電気信号、空気信号等により外部へ出力出来ることが好ましい。湯面レベルによりポンプの異常を検出し知らせることが可能になるとともに後述する溶湯移送動作(ポンプの立ち上げ、サイホン作用による移送継続、ポンプ停止、等)の自動化が図れるからである。又、湯面計は、常用の湯面計と非常用の湯面計とに分けて設置することが好ましい。
(4)シール手段は不活性ガスによりチャンバ室をシールし、チャンバ室に入った溶湯を空気等から遮断する手段である。少なくともチャンバ室に対し不活性ガスの吹込/吹込停止を行えればよく、手段の具体的内容は限定されない。以下に例示する。不活性ガスとしては窒素(N2)、アルゴン(Ar)などを用いることが出来る。不活性ガスの純度は高いほど好ましく、99.9%以上であることが好ましい。不活性ガスは、独立してあるいは他の設備と共有して不活性ガス製造・精製装置を設けるか、ボンベで購入するか、乃至は、不活性ガス購入した不活性ガスを貯留するタンクを設けて、配管等を介し供給すればよい。不活性ガスの吹込/停止は弁、好ましくは自動弁、を設けて行うことが出来る。供給系(配管等)に2次圧調節機構(弁)を設けチャンバ室内の圧力を自動調節すると尚好ましい。省力化出来るとともに不活性ガス消費量の低減が図れるからである。
(5)減圧手段は、吸引管を移送元の溶湯に浸漬しその他は密閉されたチャンバ室を減圧し、吸引管を介して移送元からチャンバ室へ溶湯を吸引する手段である。少なくともチャンバ室を減圧し、減圧状態を保持出来ればよく、減圧装置等の手段の具体的内容は限定されない。例えば、独立してあるいは他の設備と共有して真空発生装置、真空ポンプ等を設け、それらにより配管等を介しチャンバ室内を吸引して減圧することが出来る。減圧手段の能力(最低圧力、減圧速度、等)は限定されない。減圧状態の保持は、減圧の後、溶湯がチャンバ室において所定の湯面レベルに達した後に(このとき吸引管は移送元において溶湯に浸漬され、吐出管は移送先において溶湯に浸漬されている)、弁、好ましくは自動弁によりチャンバ室を密閉することで実現出来る。
(6)接続口開閉手段は、吐出管とチャンバ室との接続口に設けられる。接続口開閉手段が接続口に設けられることにより、上記減圧の際に要するチャンバ室の密閉が、流量を0にする(接続口を全閉する)ことにより実現されるので、溶湯移送ポンプが、より簡素な構成になる。接続口開閉手段の具体的な好ましい態様については後述する。
図1及び図2に本発明に係る溶湯移送ポンプの一実施形態を示す。図1は溶湯移送ポンプのチャンバ室及びチャンバ室に取り付けられた接続口開閉手段等の断面図である。図2は溶湯移送ポンプと移送元(例えば中継炉)及び移送先(例えば保持炉)を含めたフロー図である(溶湯はサイホン作用により移送継続中の状態を表し、溶湯移送ポンプ、移送元及び移送先は断面を示し、溶湯移送ポンプは図1に対し簡略化表現されている)。
溶湯移送ポンプ1は、耐火性の壁により空間21を形成するチャンバ室2と、そのチャンバ室2に通じる吸引管4と、チャンバ室2に通じるとともにチャンバ室2との接続口に弁座10が形成された吐出管3とを備える。チャンバ室2には、湯面計8(図2中でLI:Level Indicator)、温度センサ7、ヒータ6(図2中でH:Heater)、圧力センサ9(図2中でPS:Pressure Sensor)、及び、上記弁座10に対し弁体11aを連続的に密着・離反可能にする上下ストローク手段と弁座10に対し弁体11aを摺動可能にする回転手段とを備え、弁座10とともに接続口開閉手段を構成する弁棒11b及び弁体11aが設けられている。更に、チャンバ室2には、シール用の不活性ガスを吹き込むため、及び、チャンバ室2を減圧するため、の給排気孔5が形成されている。その他に、湯面上昇時に目視確認可能な確認窓12と、非常用湯面計13が備わる。
温度センサ7は、例えば熱電対等によりチャンバ室2内の温度を検出する役割を担い、上面からチャンバ室2中へ挿入されて設けられる。ヒータ6は、チャンバ室2内を加熱し温度保持する役割を担い、溶湯に浸漬するようにチャンバ室2下部に設けてもよいが、図示されるように溶湯と接触しないチャンバ室2上面に設けるとヒータ6に付着した溶湯が酸化し介在物となる瑕疵が生じ得ず、より好ましい。圧力センサ9は、チャンバ室2内の圧力を検出する役割を担う。
弁棒11bの回転手段は、例えば空圧式のロータリアクチュエータ24である。このロータリアクチュエータ24は、弁棒11bを回転させ、その端に備わる弁体11aを弁座10に接触したまま回転させて、摺動を実現する。又、弁棒11bの上下ストローク手段は、例えば空圧式のシリンダ22(半開用)、シリンダ23(全開用)である。このシリンダ22,23は、弁棒11bを上下ストロークさせることにより、弁体11aを弁座10に対し密着・離反させることが出来る。
給排気孔5には、配管、自動弁を介して真空ポンプ(図2中でVP:Vacuum Pump)が接続され、チャンバ室2を減圧するときに自動弁を開け真空ポンプを稼動させ、吸引管が移送元の溶湯でシールされその他は密閉したチャンバ室内を吸引する。減圧後に減圧を維持するときには自動弁を閉じるとともに真空ポンプを停止する。配管系にはバキュームタンク(図2中でVT:Vacuum Tank)を設けることが好ましい。
又、給排気孔5には、配管、自動弁を介して図示しないアルゴンガスタンクも続される。アルゴンガスタンクは加圧されたアルゴンガス(Ar)が貯められたタンクであり、チャンバ室2に入った溶湯をシールするときに自動弁を開けアルゴンガスを吹き込み2次圧調節弁等でチャンバ室2内の圧力を概ね一定に保つ。配管系にはバッファタンク(図2中でBT:Buffer Tank)を設けることが好ましい。アルゴンガスの供給圧力の変動が、より少なくなってチャンバ室2内の圧力調節が容易になり、アルゴンガス消費量が、より低減されるからである。
次に、溶湯移送方法について説明する。本発明に係る溶湯移送方法は、溶湯を貯留した一の炉から、その一の炉より低位に設置される他の炉へ、サイホン作用により溶湯を移送する方法である。ここで、図2、及び図5(a)、図5(b)、図5(c)を参照しながら、一の炉を移送元である中継炉とし、他の炉を移送先である保持炉として説明する。図5(a)、図5(b)、図5(c)は図2中のチャンバ室の断面のみを表した図(BTやVTは省略)であり、本発明に係る溶湯移送方法の過程の一例を説明する図である。
先ず、図2に示す如く中継炉32と保持炉33とを溶湯移送ポンプ1の吸引管4とチャンバ室2と吐出管3とにより連通する(第一の工程)。ここで連通するとは、吸引管4の管口を中継炉32に入れ吐出管3の管口を保持炉33に入れ、少なくとも吸引管4が中継炉32の溶湯30中に浸漬した状態にすることをいう。
次に、図5(a)に示されるように、弁棒11bを下方にストロークさせ弁体11aを弁座10に密着させることにより、保持炉33側に配置された吐出管3とチャンバ室2との接続口を閉じる。併せて、給排気孔5に配管、自動弁を介し接続された真空ポンプを自動弁を開けた後に稼動させてチャンバ室2を減圧し、中継炉32の溶湯30中に管口を浸漬した吸引管4よりチャンバ室2中へ溶湯30を吸い込む(第二の工程)。チャンバ室2内の圧力は、圧力センサ9により検出され、一定の負圧状態に維持される。
続いて、図5(b)に示されるように、チャンバ室2に吸い込まれた溶湯30が所定量に達した後に、弁棒11bを僅かに上方にストロークさせ弁体11aを弁座10から離反させることにより、吐出管3とチャンバ室2との接続口を半ば開き、保持炉33へ溶湯30を吐出する(第三の工程)。チャンバ室2に吸い込まれた溶湯30の量は、湯面計8によりチャンバ室2の湯面レベルを検出することにより求められる。
次に、保持炉33中に溶湯30が溜まっていき、保持炉33の溶湯30中に吐出管3の管口が浸漬したら、給排気孔5に接続された真空ポンプにつながる配管の自動弁を閉じ、真空ポンプを停止させて、チャンバ室2の減圧を停止し所定の圧力を保持する。併せて、給排気孔5に接続されたアルゴンガスタンクにつながる配管の自動弁を開けて、チャンバ室2にアルゴンガスを吹き込みシールする(第四の工程)。この状態で、中継炉32と保持炉33との間は吸引管4、吐出管3及びチャンバ室2中の溶湯30で連続してつながり、且つ、その間の最高圧力が大気圧より小さい。従って、サイホン作用が生じ、溶湯30は、中継炉32から吸引管4、チャンバ室2、吐出管3を介して保持炉33へ継続して移送される(図5(c))。
本発明に係る溶湯移送方法においては、図2に示すように、移送先である保持炉33に湯面計38(LI)を設け、保持炉33の湯面レベルを検知し、その湯面レベルにより弁棒11bを上下ストロークさせて弁体11aと弁座10との間隔を変更し、吐出管3とチャンバ室2との接続口の開口面積を変化させて、移送中の溶湯30の流量を調整することが好ましい。保持炉33の湯面レベルの変動を、一定に出来る、乃至、所定範囲内に抑えられるからである。例えば、湯面レベル情報を別途設ける制御系に渡し、その制御系からの指令により弁棒11bを動作させることで実現出来る。保持炉33の湯面レベルの変動を一定乃至所定範囲内に制御することによって、保持炉33に移送した溶湯30の酸化等を防止、乃至、より抑えることが出来る。又、図2に示す如く保持炉33においてもアルゴンガスによるシールを行っている場合に、アルゴンガスの使用量を低減出来る。
次に、溶湯移送装置について説明する。本発明に係る溶湯移送装置は、金属を溶融乃至溶解して溶湯を得る1乃至複数の溶解炉と、溶解炉に対し低位に設置され鋳造金型へ溶湯を注湯する1乃至複数の保持炉と、の間に備わる溶湯移送装置である。即ち、溶湯を製造(金属を溶融乃至溶解)する装置から溶湯を使用(金型に充填)する装置までの移送にかかる装置であり、少なくとも、溶解炉と保持炉との中間位に設置され密閉された1乃至複数の中継炉と、溶湯を中継炉から吸引し保持炉へ吐出する1乃至複数の、本発明に係る上記した溶湯移送ポンプと、から構成される。低位、中間位とは溶湯がサイホン作用によって流れ得るか否かによって決まる高さ方向の相対的な位置関係をいい、例えばサイホン作用により溶湯は溶解炉から中継炉に溶湯は流れ得て中継炉から保持炉に流れ得る。先に説明した図2に示す溶湯移送ポンプ1と中継炉32及び保持炉33は、本発明に係る溶湯移送装置を構成要素の一例に相当する。
図3は、本発明に係る溶湯移送装置の一実施形態を示す立面図である。金属が溶融乃至溶解され溶湯が製造される溶解炉31は最も高位にあり、図示しない金型へ注湯するための保持炉33が最も低位にあり、中継炉32は、両者の中間位に位置して設けられている。溶湯は、溶解炉31から重力に従い中継炉32に移送され、次に中継炉32から溶湯移送ポンプ1によって保持炉33へサイホン作用により移送される。
中継炉32は、溶解炉31から重力によっての溶湯移送が可能なように例えば溶解炉31近傍に配置される。保持炉33は、中継炉32から重力のみによっての溶湯移送が可能な場合もあるが、保持炉33と中継炉32との間の平面上の障害により重力のみによって移送が不可能な場合にも、溶湯移送ポンプ1を用いることによって、溶湯を移送することが可能になる。従って、工場の平面配置の自由度が増し、より効率的な機器装置等の配置設計をすることが出来、土地の有効利用が図れる。
溶湯移送装置の基本形は、図3に示すように溶解炉31と中継炉32と溶湯移送ポンプ1と保持炉33とを各々1基設けた装置であるが、それぞれを複数備えていてもよく、工場の配置を優先して設計することが出来る。例えば、溶解炉から保持炉との間に複数の直列につながる中継炉を存在させてもよく、中継炉から金型へ注湯する(保持炉が中継炉を兼ねる)態様も含まれる。又、中継炉とは溶湯の中継をする炉であるとともに保持炉を含む概念である。更に、中継炉は溶湯の配分をする炉として用いることが出来る。
図4は、本発明に係る溶湯移送装置の他の実施形態を示す系統図であり、溶湯移送装置の構成要素たる溶解炉31、中継炉32、溶湯移送ポンプ1、及び保持炉33をそれぞれ複数設けるとともに、ネットワークを形成した態様を示している。3基の溶解炉31を有し一の溶解炉31から2基の中継炉32へ溶湯を移送出来、そのうちの一の中継炉32から4基の溶湯移送ポンプ1の少なくとも何れか1基を用いて5基の保持炉33へ溶湯を移送することが可能である。この態様の場合、溶湯移送ポンプ1においては一のチャンバ室に複数の吸引管及び吐出管が設けられ、自動弁等により吸引管及び吐出管を選択して移送元及び移送先を決定することが出来る。
例えばこのようなネットワークを形成することにより、溶解炉から保持炉までの溶湯経路が複数になり、各構成要素にトラブルが生じた場合にも停止に至ることなく操業を継続させることが可能である。又、操業継続中に定期メンテナンスを実施することが可能であり、工場稼働率の向上に寄与する。
本発明に係る溶湯移送ポンプ及び溶湯移送方法は、移送元及び移送先を限定せず応用範囲が広く汎用性を有し、移送中の溶湯の酸化、ガス吸収等を防止し、清浄度を少なくとも維持することが出来るとともに、移送先の湯面レベルを一定乃至所定範囲に調節可能であり、移送先における溶湯の汚染防止を図ることが可能である。又、リフトで溶湯の入った取鍋を運搬、配湯するといった従来行われていた作業が不要となり、鋳造工程にかかる安全性の向上、省人化による費用削減にも、寄与する。
本発明に係る溶湯移送ポンプを用い構成した溶湯移送装置は、工場内における溶解炉、保持炉等の配置にかかり、より自由な設計を可能とするとともに、複数の中継炉等の構成要素でネットワークを形成することによって、メンテナンス性及び鋳造工程の信頼性の向上を図ることが出来る。
1…溶湯移送ポンプ、2…チャンバ室、3…吐出管、4…吸引管、5…給排気孔、6…ヒータ、7…温度センサ、8…湯面計、9…圧力センサ、10…弁座、11a…弁体、11b…弁棒、12…確認窓、13…非常用湯面計、21…空間(チャンバ室)、22…シリンダ(半開用)、23…シリンダ(全開用)、24…ロータリアクチュエータ、30…溶湯、31…溶解室、32…中継炉、33…保持炉、38…湯面計。
Claims (9)
- サイホン作用により溶湯を移送するポンプであって、
所定の空間を有するチャンバ室と、前記チャンバ室に通じる吸引管及び吐出管と、前記チャンバ室を減圧する減圧手段と、前記吐出管とチャンバ室との接続口に設けられる接続口開閉手段と、を有することを特徴とする溶湯移送ポンプ。 - 前記チャンバ室に、湯面計及び不活性ガスによるシール手段が備わる請求項1に記載の溶湯移送ポンプ。
- 前記接続口開閉手段が、前記吐出管とチャンバ室との接続口に備わる弁座と、前記弁座に座る弁体と、前記弁体を前記弁座に対し連続的に密着・離反可能にする上下ストローク手段を備える弁棒と、を有する請求項1に記載の溶湯移送ポンプ。
- 前記弁棒が、前記弁体を前記弁座に密着させて摺動可能にする回転手段を備える請求項3に記載の溶湯移送ポンプ。
- 金属を溶融乃至溶解して溶湯を得る1乃至複数の溶解炉と、前記溶解炉に対し低位に設置され鋳造金型へ溶湯を注湯する1乃至複数の保持炉と、の間に備わる溶湯移送装置であって、
少なくとも、前記溶解炉と前記保持炉との中間位に設置され密閉された1乃至複数の中継炉と、溶湯を前記中継炉から吸引し前記保持炉へ吐出する請求項1〜4の何れか一項に記載の1乃至複数の溶湯移送ポンプと、から構成される溶湯移送装置。 - 前記保持炉及び前記中継炉の何れか若しくは両方に、湯面計が備わる請求項5に記載の溶湯移送装置。
- 前記保持炉及び前記中継炉の何れか若しくは両方に、不活性ガスによるシール手段が備わる請求項5又は6に記載の溶湯移送装置。
- 溶湯を貯留した一の炉から前記一の炉より低位に設置される他の炉へサイホン作用により溶湯を移送する方法であって、
前記一の炉と前記他の炉とを、吸引管と前記吸引管と通じるチャンバ室と前記チャンバ室に通じる吐出管とにより連通する第一の工程と、前記他の炉側に配置された前記吐出管とチャンバ室との接続口を閉じるとともに前記チャンバ室を減圧し、前記一の炉の溶湯中に管口を浸漬した前記吸引管より前記チャンバ室中へ溶湯を吸い込む第二の工程と、前記チャンバ室に吸い込まれた溶湯が所定量に達した後に前記吐出管とチャンバ室との接続口を開き、前記他の炉へ溶湯を吐出する第三の工程と、前記他の炉に吐出された溶湯中に前記吐出管の管口が浸漬した後に前記チャンバ室の減圧を停止し所定の圧力を保持するとともに前記チャンバ室に不活性ガスを吹き込みシールしつつ、一の炉からチャンバ室を介して他の炉へ溶湯の移送を継続する第四の工程と、を有することを特徴とする溶湯移送方法。 - 前記他の炉の湯面レベルを検知し、その湯面レベルが所定範囲になるように、前記吐出管とチャンバ室との接続口の開口面積を変化させ溶湯の流量を調整する請求項8に記載の溶湯移送方法。
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