JP2005085708A - 局所加熱装置方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1.半田溶融温度、2.部品の耐熱温度、3.電子回路基板の温度を正確に検出するめ、放射温度計を用い、加熱時にリアルタイムな温度検出を正確に行いながら温度フィードバック制御を行って、理想的な温度プロファイルになる局所加熱装置を得ること。
【解決手段】本発明の一実施例の局所加熱装置100は、電子回路基板Bに実装されている部品Pをリワークする場合に赤外線放射熱源110で加熱するに当たって、レンズ120及びマスク130で投射光が目的とする部品Pのみに投射され、その加熱温度を2次元輻射温度計の放射温度計150を用い、その2次元輻射温度計にフィルターを介して正確な温度測定を行い、またこの2次元輻射温度計により加熱時の温度をリアルタイムに温度検出を行いながら赤外線放射熱源110へ温度フィードバック制御を行って、理想的な加熱温度プロファイルになるように行っている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の一実施例の局所加熱装置100は、電子回路基板Bに実装されている部品Pをリワークする場合に赤外線放射熱源110で加熱するに当たって、レンズ120及びマスク130で投射光が目的とする部品Pのみに投射され、その加熱温度を2次元輻射温度計の放射温度計150を用い、その2次元輻射温度計にフィルターを介して正確な温度測定を行い、またこの2次元輻射温度計により加熱時の温度をリアルタイムに温度検出を行いながら赤外線放射熱源110へ温度フィードバック制御を行って、理想的な加熱温度プロファイルになるように行っている。
【選択図】図1
Description
本発明は、加熱対象物、特に電子部品、機械部品などの部品が実装されている配線回路基板において、不良部品の半田を溶融して配線回路基板から取り外したり、良品部品を取り付ける時の局所加熱装置に関するものである。
以下、加熱対象物として電子回路基板を採り上げて説明する。電子機器の超小型化に伴い、電子部品の実装も高密度、超小型化している。一方、半田付け材料である鉛半田は環境に対する配慮から無鉛半田の採用へと急速に進んでおり、半田付け技術に対する別な課題を生み出すこととなった。それは無鉛半田の溶融温度の上昇(鉛半田183℃→無鉛半田:Su−Ag−Cuは217℃)に伴って電子部品の耐熱限界に対する余裕が小さく、半田付け温度の管理幅が±6℃程度となっている。この温度幅は従来の鉛半田による半田付け温度管理技術を大きく見直す必要を意味する。
電子部品の小型化は同時に多機能を一つの半導体装置に集約した大型半導体装置、例えば、QFP(Quad Flat Packageの略)型半導体装置、BGA(Ball Grid Arrayの略)型半導体装置などの採用による電子機器の小型化も目指すこととなり、結局、電子部品の小型化と大型化の2極化が主流となった。このことは電子部品の実装、とりわけリワーク技術に下記のような新たな技術的課題を生み出すこととなった。
即ち、図5に示したように、プリント基板のような電子回路基板B上に、例えば、1.0mm×0.5mmの小型部品Paが0.6mmの隙間で配列されている場合のリワークである。不良部品を外して良品部品を実装するには、半田ごてや熱風加熱器1を用いるが、半田ごてはこて先が大き過ぎ、部品の隙間や部品Paと電子回路基板Bとの隙間に入らなかったり、こて先を細くしても接触面積が小さいために熱伝達が小さく、半田Sが溶融しない。なお、図5において、符号4はプリヒータを指す。
一方、熱風加熱器1、即ち、ヒータ2と、その先端部に固定されている枠3と、熱風Hwを送り出す送風機(不図示)からなる熱風加熱器1を用いた場合は、風速を速くすると、図6に示したように、周辺の小型部品Paを吹き飛ばしたり、電子回路基板B、小型部品Paを焦がしたりする。これを避けるため熱風Hwを遅くすると熱伝達率が小さくなり、温度が上がらず、半田Sは溶融しない。
次に、例えば、60mm×60mmのBGAのような大型部品Pbをリワークする場合、通常は枠3付き熱風加熱器1を使用するが、大面積のためにパッケージ表面の温度分布は均一にできない。これはパッケージの一点を熱管理しても他の部分の温度は変動するため、±5℃程度の温度管理は不可能である。更に、熱風Hwは枠3と電子回路基板Bの隙間からパッケージの周囲に流れ、熱風Hwの流速が増し、加熱温度が上がり、周囲の小型部品Pbの半田Sを溶融し、吹き飛んでしまうか、周辺の電子回路基板Bを焦がしてしまう(図6)。
部品のリワークでは、一度半田Sを溶融して不良部品を電子回路基板Bから外すが、電子回路基板BのパッドDp上に残っている半田Sを溶融して除去する。そして次に、パッドDp上に半田ペーストを必要量供給する。その後、良品部品の電極を電子回路基板B上のパッドとの精密な位置合わせをして部品を搭載し、再加熱して半田付けを行う。ここで、図7に示したように、特に残り半田を除去する工程では、半田こて5のこて先や熱風加熱しながら半田Sを吸い取り網6(図7A)や半田吸収器7(図7B)によって除去するのが一般的で、作業として煩雑で電子回路基板B上のパッド(銅箔)Dpなどを剥がしてしまう。
また、電子回路基板Bはリフロー工程で加熱されるため反っていることが多く、光学系を透過させた放射熱光源は、その反り(凹凸)によって焦点がボケ、温度が変化して加熱し過ぎ、或いは温度が上がらず、半田Sが溶融しないといった最適な半田付けができない。
更に、対象部の温度を実際に検知していないため、実際には加熱して半田Sを溶融する課程で電子部品P、電子回路基板Bの耐熱温度を超えた状態で半田付けをしてしまうことがある。そのため部品の損傷、電子回路基板Bの焦がしなどが発生し品質面に影響が出る。また加熱不足において、半田が溶融せず半田付けがされていない場合もある。
以上のような課題を解決するために、数々の発明がなされ、出願されている。それらの中の幾つかの特許公開された発明を以下に採り上げて説明する。
先ず初めに、特開平08−300181「自動半田付け用プリヒータ装置」を採り上げる。この発明は、図8に示したように、電子部品実装基板10の下方に補助加熱として複数台の赤外線加ヒータ3と、この遠赤外線ヒータ3の加熱温度を制御するヒータ温度調節器4と、電子部品実装基板10の上面側に、その電子部品実装基板10の半田付け領域を集中的に加熱する熱風発生器5と、輻射熱温度計6とを備えて構成されている。
前記輻射熱温度計6は熱風発生器5から発生した熱風が電子部品実装基板10の上面に吹き付けられた時、その電子部品実装基板10が最も高温となる位置を計測し得るように設置されている。また、輻射熱温度計6で検出される温度情報は、熱風温度調節器7に常時送り込まれ、この温度情報に基づいて熱風発生器5の熱風温度が所定温度に自動調整されるようになっている。
つまり局所加熱として上方から熱風加熱し、部品周辺の電子部品実装基板10において最も温度が高くなるところを輻射熱温度計6で検出する方法である。熱風での局所加熱は部品周辺を焦がしてしまう欠点などがあり、これをカバーする方法として記載されている。
次に、2番目の公開特許として特開2003−112258「加工装置及び加工方法とこれを用いた生産設備」を挙げることができる。この技術内容は、公開広報の図12(本明細書においては図9)において、被加工物13を接合する際に光エネルギーを照射する光源101と、この光源101から光エネルギーを接合位置に導く光学系2と、被加工物13を載置するテーブル5aを備え、被加工物13を加熱する加熱装置5bをテーブル5aに設けた加工装置が開示されている。
3番目の公開特許として特開2002−363609「はんだ付け装置とそのはんだ付け方法」を挙げることができる。この技術内容は、図10及び図11(公開特許公報の図1及び図2に相当)に示したように、電子部品3(3−1〜3−n)を実装面に搭載した基板2を、所定の加熱条件に基づいて加熱源1−1〜1−nで加熱して電子部品3(3−1〜3−n)を基板2に半田付けする半田付け装置であって、加熱条件を、基板2の熱容量、電子部品3(3−1〜3−n)の熱容量及び電子部品3(3−1〜3−n)の温度応答性の何れか、もしくはこれらの組み合わせに基づいて設定し(オフライン)、その値と比較しながら制御系でフィードバックする構成を採っている。
しかし、最初の特開平08−300181については、半田付けにおいては、
1.半田が溶ける温度の検出
2.部品の耐熱温度の検出
3.電子回路基板の温度の検出
の3点が重要であり、この発明内容における輻射熱温度計6は1カ所の検出を想定しているため前記3点の検出は同時には不可能である。
1.半田が溶ける温度の検出
2.部品の耐熱温度の検出
3.電子回路基板の温度の検出
の3点が重要であり、この発明内容における輻射熱温度計6は1カ所の検出を想定しているため前記3点の検出は同時には不可能である。
第2番目の公開特許、特開2003−112258では、被加工物13に対向して温度検出器5cが設けられているが、光エネルギー電源101とレーザダイオード装置1とから光学系2を介して投射される光エネルギーが被加工物13周辺に当たり、そして反射すると、半田部がやがて溶融し始め、クリーム状態から液状に変化する。この時、反射率が変化する。そのため、輻射温度計では正確な温度が測定できない。従って、このための対策が必要である。
また、この発明においては、加熱時では温度の検出をしていないため、加熱時のリアルタイムな温度フィードバックはなされていない。
最後の第3番目の公開公報、特開2002−363609では、熱容量の異なる部品毎に加熱体を設置している。それらの加熱体は予め部品が適正になるような加熱体温度を決めておき(オフライン)、それら各値と比較しながら制御系でフィードバックするようにしていることから、輻射温度計を用いて、加熱時にリアルタイムに温度を検出しながら理想温度プロファイルになるようフィードバック制御を行うことができない。
以上、それぞれの課題がある。
本発明はこのような課題を解決しようとするものであって、1.半田が溶ける温度の検出、2.部品の耐熱温度の検出、3.電子回路基板の温度の検出を行うため、2次元輻射温度計の放射温度計を用い、その放射温度計にフィルターを介して、或いは、余計な波長をカットするためのチョッパーを設けて正確な温度測定を行い、またこの放射温度計により、加熱時にリアルタイムの温度検出を行いながら赤外線放射熱源への温度フィードバックを行って、理想的な加熱温度プロファイルになるように制御される局所加熱装置を得ることを目的とするものである。
それ故、前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の局所加熱装置は、赤外線放射熱源と、該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、該放射温度計に前方に配設され、所定の波長以上の放射線を透過させるハイパスフィルターと、前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器とを備えて構成されていることを特徴とする。
そして請求項2に記載の本発明の局所加熱装置は、赤外線放射熱源と、該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、前記赤外線放射熱源の光軸と直角に交わる光軸上に光軸を備え、前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、前記赤外線放射熱源と前記放射温度計との光軸の交わる位置に45度の角度で配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を断続的に遮断するチョッパー羽根を備えたチョッパーと、前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器とを備えて構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明の局所加熱装置は、赤外線放射熱源と、該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、前記赤外線放射熱源の光軸と直角に交わる光軸上に光軸を備え、前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、前記赤外線放射熱源と前記放射温度計との光軸の交わる位置に45度の角度で配設され波長フィルターと、前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器とを備えて構成されていることを特徴とする。
前記各局所加熱装置における放射温度計は熱画像を検出する熱2次元輻射温度計であることを特徴とする。
そしてまた、請求項1、請求項2、請求項3に記載の局所加熱装置における前記放射温度計は熱画像を検出する熱2次元輻射温度計であり、前記マスクは熱画像を検出する2次元輻射温度計である前記放射温度計により得られる温度2次元信号によって前記マスク上の所定の部分の光透過量が制限される2次元光制限マスクであってもよい。その2次元光制限マスクは液晶パネルのマスクであることが好ましい。
更にまた、請求項3に記載の局所加熱装置における前記波長フィルターは赤外線放射熱源からの投射光の内、8μm以下の光を前記加熱対象物側に反射し、8μm以上の光を透過するものであることことが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、
1.対象部品の本体、その周辺の温度を2次元輻射温度計で検出し、そのデータをフィードバックしながら加熱をするため、熱の掛け過ぎ、加熱不足がなく、最適な半田付けができる
2.加熱対象物が電子回路基板である場合は、その電子回路基板の状態(凹凸、基板の反りなど)による放射熱光源の不安定加熱を光学手段の自動フォーカスと2次元輻射温度計によってフィードバックを掛けながら加熱することができる
3.フィルター或いはチョッパー機構を用いることで、2次元輻射温度計に余計な波長光が入らないため、温度誤差が少ない
4.電子回路基板上に形成されているパッド上に残っている半田を加熱しながら除去できるため煩雑な作業を避けることができる
5.レンズなどの光学手段とマスクの組み合わせにより、対象部品を最適な温度で加熱できる
など、数々の優れた効果が得られる。
1.対象部品の本体、その周辺の温度を2次元輻射温度計で検出し、そのデータをフィードバックしながら加熱をするため、熱の掛け過ぎ、加熱不足がなく、最適な半田付けができる
2.加熱対象物が電子回路基板である場合は、その電子回路基板の状態(凹凸、基板の反りなど)による放射熱光源の不安定加熱を光学手段の自動フォーカスと2次元輻射温度計によってフィードバックを掛けながら加熱することができる
3.フィルター或いはチョッパー機構を用いることで、2次元輻射温度計に余計な波長光が入らないため、温度誤差が少ない
4.電子回路基板上に形成されているパッド上に残っている半田を加熱しながら除去できるため煩雑な作業を避けることができる
5.レンズなどの光学手段とマスクの組み合わせにより、対象部品を最適な温度で加熱できる
など、数々の優れた効果が得られる。
先ず、図を用いて、本発明の第1実施例の局所加熱装置の構成を説明する。
図1は本発明の第1実施例の局所加熱装置の構成図であって、同図Aは加熱対象物としての小型部品を加熱する場合のもの、同図Bは加熱対象物としての大型部品を加熱する場合のものである。
この第1実施例の局所加熱装置100は、赤外線放射熱源110、複数枚のレンズなどからなる光学手段120(以下、代表して「レンズ」と記す)、マスク130、ローパスフィルター140、放射温度計150、ハイパスフィルター160、温調器170,出力装置180、電子回路基板Bの裏面からその電子回路基板Bを加熱する予備加熱器190などとから構成されている。なお、符号Bは電子回路基板B、符号Paは加熱対象物の一つである小型部品、そして符号Pbは加熱対象物の他の一つである大型部品を指す。
赤外線放射熱源110はハロゲンランプ111と反射鏡112とから構成されている。この赤外線放射熱源110からの赤外線光Irはレンズ120を透過し、加熱対象物である小型部品Pa或いは大型部品Pbを照射する。この場合、レンズ120により小型部品Pa、大型部品Pbに対応した照射エリアを確保する。
また、部品の平面形状に照射エリアを近づけるために、レンズ120にマスク130を配設し、加熱対象物以外の余分な部分を加熱しないようにする。即ち、加熱対象物の形状に合った照射を行う。従って、このマスク130は小型部品Paや大型部品Pbのような加熱対象物の長方形や正方形などの形状に打ち抜いた固定マスクである。また、そのように加熱対象物の形状に打ち抜いた固定マスクであってもよいが、液晶パネルのような2次元光制限マスクを用い、これを放射温度計150からの信号によって制御して赤外線光Irの透過範囲を変更させることができる2次元光制限マスクを用いることが好ましい。
ローパスフィルター140は赤外線放射熱源110からの投射赤外線光Irの長波長、例えば、8μm以上をスフィルター140でカットし、加熱対象物を効率よく加熱できるようにする。しかし、このローパスフィルター140を配設すると、赤外線放射熱源110のパワーが、場合によっては減少してしまうことがあるので、これは省略してもよい。
一方、加熱し始めの段階から放射温度計150により加熱対象物の温度を検知し、その検知温度を赤外線放射熱源110の温調器170及び出力装置180からなる温度制御部へ伝送する。温調器170には、加熱対象物の加熱温度特性に対応した理想的な温度プロファイルが予め設定されてあり、その設定されてある最適温度と放射温度計150で検知した温度を照合し、差が生じた場合は、赤外線放射熱源110を制御し、赤外線の照射光量を補正しながら加熱する。
一般に市販されている放射温度計150は、波長λ(8μm〜16μm)の範囲で加熱対象物からの温度を検知し、これ以外の波長λ0 の周囲からの外乱光は誤差として検出してしまう。それ故、ハイパスフィルター160を放射温度計150の前に配設し、そのハイパスフィルター160を透過させて余計な波長λ0 の外乱光が放射温度計150に入らないようしている。放射温度計150は小型部品Paの場合は、2次元輻射温度計を用いてもよいが、シングルポイントタイプを用いてもよい。大型部品Pbの場合は2次元輻射温度計を用いる。
以上記したような構成の局所加熱装置100を用いて加熱対象物を加熱すれば、加熱対象物の大小にかかわらず、レンズ120及びマスク130によって、赤外線放射エネルギーを加熱対象物の表面形状に合致させて所定の温度で加熱することができ、従って、従来の熱風加熱のように、加熱対象物の周囲の電子回路基板B、部品に熱ダメージを与えることはなく、また、その周囲の小型部品Paを吹き飛ばすようなことがない。
更に、その投射赤外線光Irの長波長、例えば、8μm以上をローパスフィルター140でカットし、放射温度計150はハイパスフィルター160によって長波長、例えば、8μm以上のものを受光して加熱対象物からの温度を検出する。
また、部品の加熱に求められている温度プロファイルによって、不良部品を取り外す時も、残りの半田を除去する時も、そして良品部品を半田付けする時も、対象となる部分の温度を時々刻々フィードバックすることから、加熱対象物の加熱を最適な温度管理で行うことかできる。
なお、温度のフィードバックの方法としては、非接触の放射温度計150が2次元輻射温度計であれば、熱センサを格子状に配列して(例えば、8個×8個=64個)、加熱対象物の表面温度を熱画像として検出し、投射光を制限する光制限マスクに透過させれば、加熱対象物の表面の温度分布のバラツキを最小限に止めることができる。
以上記したように、本局所加熱装置100を用いれば、加熱対象物の温度を管理しながら正確に加熱することができる。
次に、図2及び図3を用いて、本発明の第2実施例の局所加熱装置200の構成を説明する。
図2は加熱対象物が大型部品である場合の本発明の局所加熱装置の構成図であり、図3は加熱対象物が小型部品である場合の本発明の局所加熱装置の構成図である。
図2及び図3において、この局所加熱装置200は、ハロゲンランプ211と反射鏡212とから構成されている赤外線放射熱源210、光学手段である複数のレンズ220、マスク230、シャッター兼ミラー(チョッパー羽根)241とモータ242とスキャン用トリガーセンサ243とからなるチョッパー240、非接触2次元輻射温度計である放射温度計250、レンズ260、温調器270、出力装置280、電子回路基板Bの裏面からその電子回路基板Bを加熱する予備加熱器290などとから構成されている。
前記第1実施例の局所加熱装置100の動作及び作用と異なる点はチョッパー240を用いている点である。赤外線放射熱源210の光軸と直角に交わる光軸線上に放射温度計250を配設し、その交差する所にシャッター兼ミラー241を配設されている。このシャッター兼ミラー241はモータ242により所定の周期で一定の速度で回転するチョッパー構造であり、またスライドさせるように構成してもよい。
赤外線放射熱源210により小型部品Pa(図3)或いは大型部品Pb(図2)のような加熱対象物を加熱する時は、シャッター兼ミラー241は交差する所には無い。加熱対象物の温度を検知する時は、シャッター兼ミラー241が図示の位置に在って、赤外線放射熱源210を遮断し、小型部品Paや大型部品Pbなどの加熱対象物から放射される放射エネルギーをシャッター兼ミラー241のミラー面241mで反射させ、放射温度計250に入射するようにして温度を検出する。
このようにチョッパー240を用いることにより、放射温度計250には赤外線放射熱源110から反射される可能性のある余計な波長は入らず、誤差が生じない。
スキャン用トリガーセンサ243はシャッター兼ミラー241の回転周期を検出し、その出力で放射温度計250内のシャッター(不図示)を同期して開閉させている。
なお、マスク230は図1で説明したマスク130の各種構造と同様のものを用いることができる。
以上記したように、本局所加熱装置200を用いれば、放射温度計250に余計な波長の放射光が入射しないので、加熱対象物の温度を管理しながらより一層正確に加熱することができる。
次に、図4を用いて、本発明の第3実施例の局所加熱装置300の構成を説明する。図4はその構成図である。本局所加熱装置300は、前記第2実施例の局所加熱装置200にチョッパー240という機械的な機構が導入されていることを避けて、全て光学的に処理しようという考えに基づいて構成された装置である。
本局所加熱装置300は、ハロゲンランプ311と反射鏡312とから構成されている赤外線放射熱源310、レンズ320、マスク330、波長フィルター(カットオンフィルター)340、非接触2次元輻射温度計である放射温度計350、温調器370、出力装置380、電子回路基板Bの裏面からその電子回路基板Bを加熱する予備加熱器390などとから構成されている。
次に、本局所加熱装置300の動作及び作用を説明する。赤外線放射熱源310の光学軸と放射温度計350の光学軸との交差する所に波長λ以下は反射し、波長λ以上は透過する波長フィルター340を45度の角度で配設、固定する。赤外線放射熱源310から発した光エネルギーを波長λ1 、例えば、8μm以上は透過させ、波長λ1 (8μm)以下は反射し、加熱対象物の大型部品Pbを加熱する。加熱されている大型部品Pbから放射される輻射は波長λ1 (8μm)以上を波長フィルター340で透過させ、放射温度計350で誤差の少ない温度として検知する。
放射温度計350により加熱対象物の温度が検知されると、その検知温度を温調器370及び出力装置380からなる温度制御部へ伝送し、加熱対象物を加熱するのに理想的な加熱温プロファイルと照合しながら赤外線放射熱源310を制御する。この動作は第1実施例の局所加熱装置100及び第2実施例の局所加熱装置200の動作と同様である。
以上記したように、本発明の局所加熱装置は、2次元輻射温度計の放射温度計を用いたことにより半田の溶融温度の検出、部品の耐熱温度の検出温度、電子回路基板の温度の検出などを同時に行うことができ、特に放射温度計の前にフィルターを介するか、チョッパーを設け、余計な波長をカットするため放射温度計で正確な温度の測定を行える。また、放射温度計を用い、加熱時にリアルタイムで加熱対象物の温度を検出しながら理想的な温度プロファイルになるように赤外線放射熱源の、ひいては加熱対象物の加熱温度のフィードバック制御を行うことができる。
前記各実施例の局所加熱装置においては、加熱対象物として小型部品、大型部品、電子回路基板、半田などを採り上げて説明したが、一般に同一の金属或いは異なる種類の金属を半田付けや溶接を行う場合、半田付けや溶接を必要とする箇所は無論のこと、その近傍をも加熱し過ぎると、半田付け部分、溶接部分及びその近傍の金属は早く劣化してしまうので、そのような金属の半田付けや溶接を行う場合にも本発明を応用することで、必要な部分のみを正確に加熱することができ、そしてその金属材料の特性に見合った加熱を正確に行うことができる。従って、本発明は電子回路基板に実装されている電子部品のリワークにのみ限定されるものではないことを付言する。
100,200,300 それぞれ本発明の第1実施例、第2実施例、第3実施例の局所加熱装置、
110,210,310 赤外線放射熱源
111,211,311 ハロゲンランプ
120,220,320 レンズ(光学手段)
130,230,330 マスク
140 ローパスフィルター
150,250,350 放射温度計
160 ハイパスフィルター
170,270,370 温調器
180,280,380 出力装置
240 チョッパー
241 シャッター兼ミラー
242 モータ
243 スキャン用トリガーセンサ
260 レンズ(光学手段)
340 波長フィルター(カットオンフィルター)
190,290,390 予備加熱器
110,210,310 赤外線放射熱源
111,211,311 ハロゲンランプ
120,220,320 レンズ(光学手段)
130,230,330 マスク
140 ローパスフィルター
150,250,350 放射温度計
160 ハイパスフィルター
170,270,370 温調器
180,280,380 出力装置
240 チョッパー
241 シャッター兼ミラー
242 モータ
243 スキャン用トリガーセンサ
260 レンズ(光学手段)
340 波長フィルター(カットオンフィルター)
190,290,390 予備加熱器
Claims (8)
- 赤外線放射熱源と、
該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、
前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、
前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、
該放射温度計に前方に配設され、所定の波長以上の放射線を透過させるハイパスフィルターと、
前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器と
を備えて構成されていることを特徴とする局所加熱装置。 - 赤外線放射熱源と、
該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、
前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、
前記赤外線放射熱源の光軸と直角に交わる光軸上に光軸を備え、前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、
前記赤外線放射熱源と前記放射温度計との光軸の交わる位置に45度の角度で配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を断続的に遮断するチョッパー羽根を備えたチョッパーと、
前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器と
を備えて構成されていることを特徴とする局所加熱装置。 - 赤外線放射熱源と、
該赤外線放射熱源と加熱対象物との間に配設され、前記赤外線放射熱源からの投射光を前記加熱対象物の表面に集光させる複数枚のレンズなどからなる光学手段と、
前記光学手段に配設され、前記投射光を前記加熱対象物の形状に応じて透過させるマスクと、
前記赤外線放射熱源の光軸と直角に交わる光軸上に光軸を備え、前記加熱対象物からの放射熱を計測する放射温度計と、
前記赤外線放射熱源と前記放射温度計との光軸の交わる位置に45度の角度で配設され波長フィルターと、
前記放射温度計の出力側に接続され、前記加熱対象物の理想的な加熱プロファイルが入力されており、該加熱プロファイルと計測温度とを比較し、その比較値に応じた制御信号で前記赤外線放射熱源を制御する温調器と
を備えて構成されていることを特徴とする局所加熱装置。 - 前記放射温度計は熱画像を検出する熱2次元輻射温度計であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の局所加熱装置。
- 前記放射温度計は熱画像を検出する熱2次元輻射温度計であり、前記マスクは熱画像を検出する2次元輻射温度計である前記放射温度計により得られる温度2次元信号によって前記マスク上の所定の部分の光透過量が制限される2次元光制限マスクであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の局所加熱装置。
- 前記2次元光制限マスクは液晶パネルのマスクであることを特徴とする請求項1に記載の局所加熱装置。
- 前記波長フィルターは赤外線放射熱源からの投射光の内、8μm以下の光を前記加熱対象物側に反射し、8μm以上の光を透過するものであることを特徴とする請求項3に記載の局所加熱装置。
- 前記加熱対象物が電子回路基板であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の局所加熱装置。
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