[go: up one dir, main page]

JP2005083200A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005083200A
JP2005083200A JP2003312611A JP2003312611A JP2005083200A JP 2005083200 A JP2005083200 A JP 2005083200A JP 2003312611 A JP2003312611 A JP 2003312611A JP 2003312611 A JP2003312611 A JP 2003312611A JP 2005083200 A JP2005083200 A JP 2005083200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
air
feedback correction
correction amount
lean
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003312611A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3997971B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kato
浩志 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003312611A priority Critical patent/JP3997971B2/ja
Publication of JP2005083200A publication Critical patent/JP2005083200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3997971B2 publication Critical patent/JP3997971B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】応答性能を落とすことなく、またリッチ/リーンスパイクのような大きな外乱が入った場合であっても過補正を生じない内燃機関の空燃比制御装置を提供する。
【解決手段】触媒7に流入する排ガスの目標空燃比を算出する目標空燃比算出手段21と、排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段16と、検出空燃比が目標空燃比になるようにフィードバック補正量を算出するフィードバック補正量算出手段22と、フィードバック補正量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段31とを有する内燃機関の空燃比制御装置であって、リーン又はリッチの燃焼限界空燃比と目標空燃比とに基づいて、リッチ又はリーンの燃焼限界空燃比と目標空燃比とあいだに、リッチ又はリーンの応答限界空燃比を設定する応答限界設定手段と、検出空燃比が応答限界空燃比を超えるときはフィードバック補正量を制限するフィードバック補正量制限手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、触媒の転換性能を発揮するように空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
三元触媒は触媒雰囲気が理論空燃比付近のときにNOx、HC、COを同時に効率的に浄化する。しかし三元触媒の酸素ストレージ量が飽和量に達したり、逆に酸素を全く保持しない状態になると、HC、CO、NOxの浄化効率が低下するので、触媒の酸素ストレージ量を一定にするようにエンジンの空燃比制御を行っている。
このような空燃比制御としては、従来より、排気通路に設けた空燃比センサによって検出した検出空燃比が目標空燃比と一致するように制御する空燃比フィードバック制御が広く行われている。そのフィードバック制御としては、例えばPID制御があり、また、最近はロバスト性を向上させるためにスライディングモード制御を用いる方法も提案されている(特許文献1参照)。
特開平8−232713号公報
しかし、このようなフィードバック制御では、目標空燃比への応答性の向上には限界がある。すなわち、リッチ/リーンスパイクのような大きな外乱が入った場合には、目標値に対する偏差が大きくなる。そのため、その偏差を修正するために補正量を大きくするのであるが、その後外乱が消滅した場合には、その補正量分だけ過補正となってしまう。したがって、運転性能を成立させるためには、応答性能を落とさざるを得ず、排気性能については空燃比センサのポテンシャルを十分に発揮できていない。
このように、応答性を向上させた場合に外乱に対してロバスト性が低下するということは、無駄時間を持つ系においては原理上避けることができない。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、応答性能を落とすことなく、またリッチ/リーンスパイクのような大きな外乱が入った場合であっても過補正を生じない内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、触媒(7)の転換性能に基づいてその触媒に流入する排ガスの目標空燃比を算出する目標空燃比算出手段(21)と、前記触媒に流入する排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段(16)と、前記空燃比検出手段で検出する空燃比が前記目標空燃比になるように、前記検出空燃比に基づいてフィードバック補正量を算出するフィードバック補正量算出手段(22)と、前記フィードバック補正量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段(31)とを有する内燃機関の空燃比制御装置であって、リーン側又はリッチ側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比とに基づいて、リッチ側又はリーン側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比とあいだに、リッチ側又はリーン側の応答限界空燃比を設定する応答限界設定手段(ステップS2)と、前記空燃比検出手段で検出した空燃比が、前記応答限界空燃比を超えるときはフィードバック補正量を制限するフィードバック補正量制限手段(ステップS8〜S10)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、燃焼限界空燃比及び目標空燃比に基づいて応答限界空燃比を設定し、空燃比検出手段で検出した空燃比が、応答限界空燃比を超えるときはフィードバック補正量を制限するようにしたので、想定以上のスパイク外乱が付加された場合にはフィードバック制限がかかるので過補正となることがない。その一方で、通常の空燃比フィードバック範囲であれば従来通りの高い応答性を維持することができる。
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1は本発明による内燃機関の空燃比制御装置を示す概略構成図である。
1はエンジン本体、2は吸気通路、3は排気通路、4はスロットル弁、5は燃料噴射弁、6は点火プラグである。
燃料噴射弁5からの燃料噴射量及び燃料噴射時期、点火プラグ6による火花点火の時期は、運転条件に応じてエンジンコントローラ11によって制御される。すなわちエンジンコントローラ11はクランク角センサ(ポジションセンサ12と位相センサ13からなる)からの信号、エアフローメータ14からの吸入空気流量の信号を、水温センサ15からの信号などと共に入力し、これら信号に基づいて燃料噴射弁5からの燃料噴射量及び噴射時期を制御し、また点火プラグ6による火花点火の時期を制御する。
エンジンの排気通路3には酸素ストレージ機能を有し触媒雰囲気が理論空燃比付近のときにNOx、HC、COを同時に浄化する三元触媒7を備える。この三元触媒7の酸素ストレージ量が飽和量に達したり、逆に酸素を全く保持しない状態になるとHC、CO、NOxの浄化効率が低下するので、エンジンコントローラ11では三元触媒7の酸素ストレージ量を演算し、三元触媒7の転換効率を最大に保つべく三元触媒7の酸素ストレージ量が一定となるように三元触媒7の上流側に設けた広域空燃比センサ16の出力と三元触媒7の下流側に設けたO2センサ17の出力とに基づいてエンジンの空燃比制御を行う。
この制御は概略次のようなものである(詳細は特表2003−522898号参照)。すなわちエンジンコントローラ11は三元触媒7に流入する排気の空燃比とエンジンの吸入空気量とに基づいて三元触媒7の酸素ストレージ量を推定演算するが、このとき酸素ストレージ量の演算を高速成分HO2と低速成分LO2とに分けて行う。具体的には酸素吸収時は高速成分HO2を優先して吸収し、高速成分HO2を吸収しきれない状態になったら低速成分LO2を吸収し始めるとして演算を行う。また酸素放出時は低速成分LO2と高速成分HO2との比(LO2/HO2)が一定割合ARに達しない場合は、高速成分HO2から優先して酸素を放出するとし、比LO2/HO2が一定割合になったらその比LO2/HO2を保つように低速成分LO2と高速成分HO2との両方から酸素を放出するとして酸素ストレージ量の演算を行う。
そして、演算された酸素ストレージ量の高速成分HO2が目標値よりも多いときは、エンジンの空燃比をリッチ側に制御して高速成分HO2を減少させ、目標値よりも少ないときは空燃比をリーン側に制御して高速成分HO2を増大させる。
この結果、酸素ストレージ量の高速成分HO2が目標とする値に保たれるので、三元触媒7に流入する排気の空燃比が理論空燃比からズレたとしても、応答性の高い高速成分HO2から直ちに酸素が吸収又は放出されて触媒雰囲気が理論空燃比方向に修正され、三元触媒7の転換効率が最大に保たれる。
さらに、演算誤差が累積すると演算される酸素ストレージ量が実際の酸素ストレージ量とズレてくるが、三元触媒7の下流がリッチ又はリーンになったタイミングで酸素ストレージ量(高速成分HO2及び低速成分LO2)をリセットすることで演算値と実際の酸素ストレージ量とのズレを修正する。
このように酸素ストレージ量に応じて目標空燃比を変化させ、こうして変化する目標空燃比が得られるように空燃比のフィードバック制御を行うというのが一般的な制御内容である。
(本発明の基本的な考え方)
さて、ここから理解を容易にするために本発明の基本的な考え方について説明する。
最初に従来の問題点を説明する。従来の空燃比制御において応答性を高めると、スパイクノイズ(外乱)に対してロバスト性が悪化する。それを図10に沿って説明する。すなわち、リッチスパイクが入ると、空燃比センサで検出した検出空燃比の目標空燃比に対する偏差が大きくなる(図10(A))。そのため、その偏差を修正するために空燃比フィードバック補正値ALPHAも大きく変化する(図10(B))。そして、(1)リッチスパイクが消滅する。(2)空燃比センサの出力には排気系の遅れがあるので、ALPHAはリッチスパイクが消滅した後もリーンのままである。(3)この状態ではリーン化させたALPHA分、燃焼空燃比もリーンになってしまう。(4)排気空燃比でリーンを検出する時点では、燃焼空燃比はリーン燃焼限界空燃比を超えてしまい、失火に至る可能性がある。(5)なお、排気空燃比検出と燃焼空燃比との間の無駄時間が小さく、フィードバック制御も超高応答であれば、多少燃焼空燃比のリーン化を改善可能であるが、完全に行うことはできない。
そこで本発明では、空燃比(検出空燃比)が変化した場合に、従来通りのフィードバック制御を行う応答範囲の限界空燃比(応答限界空燃比)を設定し、その応答限界空燃比を超えたらフィードバック制御のゲインを切り替える(小さくする)ようにしたのである。このようにすることで、リッチスパイク等の過大な外乱が入らないときは、応答性を高く維持できるとともに、想定以上のスパイク外乱が付加された場合にはフィードバックを制限するので空燃比フィードバック補正値ALPHAが大きく変化しすぎることがなく、その後、外乱がなくなっても過補正となってリーン燃焼限界空燃比を超えることがない。
なお、本制御に適用可能なフィードバック制御としては、スライディングモード制御、PID制御が考えられる。そこで、それらの制御を適用した場合に、フィードバックゲインをどの程度にすればよいのかという点を含めて、以下に説明を行う。
(スライディングモード制御の場合)
図2はスライディングモード制御でフィードバック制御する場合のブロック図である。
スライディングモード制御では、目標空燃比が得られるようにスライディングモードコントローラ(スライディングモード制御部)22を有する。このスライディングモードコントローラ22は、切換関数演算部23、非線形入力演算部24、線形入力演算部25、積分器26、加算器27、換算部28及び補正制限部29を備える。このスライディングモードコントローラ22の制御の概略は以下である(詳細は特開2003−90252号参照)。
検出空燃比AFSAF及び目標空燃比TGABFに基づいて切換関数演算部23で現時刻nにおける状態量σ(n)の演算を行う。この状態量σ(n)に基づいて非線形入力演算部24で非線形入力unlを算出する。同様に状態量σ(n)に基づいて線形入力である等価制御入力ueqを、線形入力演算部25で算出する。算出された等価制御入力ueqを積分器26で積分し、その積分値に非線形入力unlを加算して得た空燃比操作量uslを、換算部28で空燃比フィードバック補正係数ALPHAに換算し、補正制限部29で補正量制限する。そして燃料噴射量演算部31において、この空燃比フィードバック補正値ALPHA及びこれ以外の各種補正を、基本噴射パルス幅TPに対して行って、次の式により燃料噴射パルス幅CTIを演算する。そしてこの燃料噴射パルス幅CTIを用いて燃料噴射弁5を間欠的に駆動する。なお燃料噴射パルス幅CTIは以下の式で演算する。
CTI=(TP*TFBYA+KATHOS)*(ALPHA+KBLRC-1)+TS+CHOS
ただし、TFBYA:目標当量比、KATHOS:燃料フィードフォワード補正値、ALPHA:空燃比フィードバック補正値、KBLRC:空燃比学習値、TS:無効噴射パルス幅、CHOS:気筒別燃料フィードフォワード補正値である。
基本噴射パルス幅TPは、エアフローメータ14で計測される吸入空気量に基づいて演算する。
燃料フィードフォワード補正値KATHOS及びその気筒別補正値CHOSは、基本噴射パルス幅TP及び水温センサ15で検出した水温と、クランク角センサ(ポジションセンサ12と位相センサ13からなる)で検出した回転速度とから演算する。
目標当量比TFBYAは、水温センサ15で検出した水温に基づいて演算する。
検出空燃比AFSAFは、広域空燃比センサ16にて検出する。
目標空燃比TGABFは、広域空燃比センサ16及びO2センサ17の信号に基づいて目標空燃比演算部21にて算出する。
以上をふまえ、本発明の具体的な制御内容について説明する。
図3はフィードバックゲイン(空燃比フィードバック補正値ALPHA)を算出するフローチャートである。
ステップS1では、上述のようにして触媒にストレージされた酸素量から目標空燃比TGABFを求める。
ステップS2では、その目標空燃比TGABFに基づいてフィードバック応答範囲を計算する。ここで図4を参照してフィードバック応答範囲の計算法について説明する。なお図4はリッチ側応答限界空燃比の考え方を説明する図である。(1)はじめにリーン側燃焼限界空燃比LEANLMTと目標空燃比TGABFとの差分を求める。(2)目標空燃比TGABFを中心としてリッチ側に同じ幅をとった値をリッチ側応答限界空燃比richlmtとする。
またリーン側の応答限界空燃比については、(1)リッチ側燃焼限界空燃比RICHLMTと目標空燃比TGABFとの差分を求める。(2)目標空燃比TGABFを中心としてリーン側に同じ幅をとった値をリーン側応答限界空燃比leanlmtとする。
なお、空燃比はリーン過ぎると失火してエンストにつながったりノッキングを生じることからリーン側燃焼限界空燃比が定まる。一例を挙げるならばA/F=11.0である。また、空燃比はリッチ過ぎると発生トルク、レスポンスの低下につながることからリッチ側燃焼限界空燃比が定まる。一例をあげるならばA/F=16.0である。
以上より、フィードバック応答範囲の上下限値は以下の式から算出できる。
リーン側応答限界ΔA/F:leanlmt = -(RICHLMT#-TGABF)
リッチ側応答限界ΔA/F:richlmt = -(LEANLMT#-TGABF)
なお、このようにリーン側燃焼限界空燃比からリッチ側応答限界空燃比を設定すること(リッチ側燃焼限界空燃比からリーン側応答限界空燃比を設定すること)、その応答限界空燃比は上述のような簡単な式で表すことができること、また、そのようにすることで過補正がなく適切な制御が行われるということは、本件発明者が誠意研究を重ねることにより見いだしたものである。
再び図3に戻る。ステップS3において検出空燃比AFSAFがフィードバック範囲内であるときは、ステップS4以降に進む。
ステップS4において切換関数の値を求る。この切換関数は具体的には以下である。
Figure 2005083200
次にステップS5において非線形入力unl(n)を算出する。具体的には以下である。
Figure 2005083200
続いてステップS6において等価制御入力を求める。具体的には以下である。
Figure 2005083200
そしてステップS7において空燃比フィードバック補正値ALPHAを算出する。その概略について説明すると以下である(詳細は特開2003−90252号参照)。すなわち、等価制御入力ueqを積分器26で積分し、その積分値に非線形入力unlを加算して空燃比操作量uslを算出する。そして以下の式により空燃比フィードバック補正係数ALPHAを算出する。
Figure 2005083200
なお、シリンダ吸入空燃比CYLAFは以下の式により導き出される。
Figure 2005083200
一方、ステップS3でフィードバック範囲外であると判定した場合は、ステップS8以降に進む。
ステップS8において切換関数の値を求る。この切換関数は具体的には以下であり、傾き補正係数SLNTGNがかかっている。
Figure 2005083200
次にステップS9において非線形入力unl(n)を算出する。具体的には以下である。
Figure 2005083200
続いてステップS10において傾き補正をいれた等価制御入力を算出する。具体的には以下である。
Figure 2005083200
このようにすることで、図5に示すように、検出空燃比AFSAFがフィードバック追従領域内にいる場合は、切換関数の傾きを実線のように大きくとり、追従領域を外れた場合は破線のように傾きを小に変更する。
そして、(1)応答限界空燃比を超えた場合は傾き小の切換関数に追従する。(2)応答限界空燃比内となれば傾き大の切換関数へ追従する。(3)したがって応答範囲内であれば性能は従来と等価である。
次に図6のタイムチャートを参照して効果について説明する。
本実施形態では、(1)触媒にストレージされた酸素量から求めた目標空燃比TGABFと、リーン側燃焼限界空燃比LEANLMTとの差分を求める。(2)そして、目標空燃比TGABFを中心としてリッチ側に同じ幅をとった値をリッチ側応答限界空燃比richlmtとするようにした。(3)そして検出空燃比AFSAFがrichlmtを超えたら切換関数傾きを補正係数SLNTGNにより低下させるようにした。
このゲインの低下により、(4)非線形ゲインは実線のようになり破線に比べて小さくなる。(5)また等価制御入力が小さくなり積分量も小さくなるものの、積算は停止しないので定常偏差は吸収可能である。
したがって、以上のようにすることで、想定以上のスパイク外乱が付加された場合にはフィードバック制限がかかるので過補正となることがない。したがって、従来(破線)は空燃比がリーン限界を超えることがあり、失火の可能性があったが、本願(実線)ではリーン限界を超えることがなくなったのである。また、実際の空燃比(検出空燃比)からフィードバック追従範囲を算出するので、必要以上にフィードバック速度を低下させることがない。さらに、通常の空燃比フィードバック範囲であれば従来通りの高い応答性を維持することができるのである。また、切換関数の傾きを変化させることで非線形ゲイン、積分ゲインの元々の設定を流用してもフィードバック速度を低下することができ、積分も停止しないので、定常的に大きな外乱が付加された場合でも吸収することが可能である。
(PID制御の場合)
続いて、PID制御でフィードバック制御する場合について説明する。図7はPID制御でフィードバック制御する場合のブロック図である。
この場合は、理論空燃比の運転時に目標空燃比が得られるようにPIDコントローラ(PID制御部)42を有する。そして、PIDコントローラ42は、比例分(P分)補正量算出部43、積分分(I分)補正量算出部44、微分分(D分)補正量算出部45、加算器46及び補正制限部47を備える。
そして、PIDコントローラ42は、検出空燃比AFSAF及び目標空燃比TGABFに基づいて、P分補正量、I分補正量、D分補正量を算出する。そして各補正量を加算して空燃比フィードバック補正値ALPHAを算出する。補正制限部47で補正量制限した後、燃料噴射量演算部31において、スライディングモード制御の場合と同様に燃料噴射パルス幅CTIを演算する。そしてこの燃料噴射パルス幅CTIを用いて燃料噴射弁5を間欠的に駆動する。
以上をふまえ、本発明の具体的な制御内容について説明する。
図8はフィードバックゲイン(空燃比フィードバック補正値ALPHA)を算出するフローチャートである。
ステップS1〜S3については、スライディングモード制御の場合と同様であるので、説明を省略する。
ステップS3で検出空燃比AFSAFがフィードバック範囲内であるときは、ステップS14以降に進む。すなわち、比例分(P分)補正量を算出し(ステップS14)、積分分(I分)補正量を算出したのち(ステップS15)、両者を加算して空燃比フィードバック補正値ALPHAを算出する(ステップS16)。なお、以上の制御は通常のPID制御と同じである。
一方、ステップS3でフィードバック範囲外であると判定した場合は、ステップS17以降に進む。すなわち、比例分(P分)補正量を算出する(ステップS17)。なお、この算出法は、ステップS14と同様であり、従来のPID制御と同じである。そしてその比例分(P分)補正量が下記のようにして求めた最大量以内であるか否かを判断する(ステップS18)。なお最大量は以下のようにして算出する。
リッチ側追従P分付加最大量=TALPGAI*(-(LEANLMT#-TGABF))
ただし、TALPGAI:P分ゲインテーブル参照値
なお、リーン側については以下の式により最大量を算出する。
リーン側追従P分付加最大量=TALPGAI*(-(RICHLMT#-TGABF))
最大量を超えなければ、続いてステップS19へ進んで以下の式により積分ゲインを求める。
応答限界を超えたときの積分ゲイン=TALIGAI*AFIGDWN#
ただし、TALIGAI:I分ゲインテーブル参照値
なお、AFIGDWNはゲイン補正量であり、1未満の定数(例えばAFIGDWN#=0.5)である。そのゲイン補正係数AFIGDWN#を乗算することで積分ゲインは小さくなる。
一方、ステップS18において比例分(P分)補正量が限界リミッタ値を超えているときはステップS20へ進んで比例分(P分)補正量はその限界リミッタ値に固定して、ステップS19へ進んで積分分(I分)補正量にAFIGDWN#を乗算して積分ゲインを求める。
次に図9のタイムチャートを参照して効果について説明する。
本実施形態では、(1)触媒にストレージされた酸素量から求めた目標空燃比TGABFと、リーン側燃焼限界空燃比LEANLMTとの差分を求める。(2)そして目標空燃比TGABFを中心としてリッチ側に同じ幅をとった値をリッチ側応答限界空燃比richlmtとするようにした。(3)そして検出空燃比AFSAFがrichlmtを超えたら積分分(I分)でのみ追従するようにした。(4)すなわち比例分(P分)ゲインをリーン燃焼限界空燃比LEANLMTと目標空燃比TGABFから算出したリミッタで制限する。(5)また積分分(I分)ゲインは補正係数AFIGDWNを乗算することによって低下する。ただし積算を停止しないので定常偏差を吸収可能である。
以上のようにすることで、想定以上のスパイク外乱が付加された場合にはフィードバック制限がかかるので過補正となることがない。したがって、従来(破線)はリーン限界空燃比を超えることがあり、失火の可能性があったが、本願(実線)ではリーン限界空燃比を超えることがなくなったのである。また、P分ゲイン制限はフィードバック範囲から算出しI分ゲイン補正値のみを設定することで、元々の設定を流用してもフィードバック速度を低下することができ、積分も停止しないので定常的に大きな外乱が付加された場合でも吸収することができるのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
本発明による内燃機関の空燃比制御装置を示す概略構成図である。 スライディングモード制御でフィードバック制御する場合のブロック図である。 フィードバックゲインを算出するフローチャートである。 リッチ側応答限界空燃比の考え方を説明する図である。 スライディングモード制御の位相平面上の動き方を示す図である。 効果について説明するタイムチャートである。 PID制御でフィードバック制御する場合のブロック図である。 フィードバックゲインを算出するフローチャートである。 効果について説明するタイムチャートである。 従来の問題点を説明する図である。
符号の説明
1 エンジン本体
2 吸気通路
3 排気通路
4 スロットル弁
5 燃料噴射弁
6 点火プラグ
7 三元触媒
16 広域空燃比センサ(空燃比検出手段)
21 目標空燃比演算部(目標空燃比演算手段)
22 スライディングモードコントローラ(フィードバック補正量算出手段)
31 燃料噴射量演算部(燃料噴射量制御手段)
ステップS2 応答限界設定手段
ステップS8〜S10 フィードバック補正量制限手段

Claims (6)

  1. 触媒の転換性能に基づいてその触媒に流入する排ガスの目標空燃比を算出する目標空燃比算出手段と、
    前記触媒に流入する排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記空燃比検出手段で検出する空燃比が前記目標空燃比になるように、前記検出空燃比に基づいてフィードバック補正量を算出するフィードバック補正量算出手段と、
    前記フィードバック補正量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、
    を有する内燃機関の空燃比制御装置であって、
    リーン側又はリッチ側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比とに基づいて、リッチ側又はリーン側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比とあいだに、リッチ側又はリーン側の応答限界空燃比を設定する応答限界設定手段と、
    前記空燃比検出手段で検出した空燃比が、前記応答限界空燃比を超えるときはフィードバック補正量を制限するフィードバック補正量制限手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記応答限界設定手段は、リッチ側の応答限界空燃比と前記目標空燃比との差が、リーン側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比との差に等しくなるようにリッチ側の応答限界空燃比を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記応答限界設定手段は、リーン側の応答限界空燃比と前記目標空燃比との差が、リッチ側の燃焼限界空燃比と前記目標空燃比との差に等しくなるようにリーン側の応答限界空燃比を設定する、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. フィードバック制御をスライディングモード制御で行い、
    前記フィードバック補正量制限手段は、切換関数の傾きを低下させることでフィードバック補正量を制限する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. フィードバック制御をPID制御で行い、
    前記フィードバック補正量制限手段は、比例分量を制限することでフィードバック補正量を制限する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. フィードバック制御をPID制御で行い、
    前記フィードバック補正量制限手段は、積分分ゲインを低下させることでフィードバック補正量を制限する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
JP2003312611A 2003-09-04 2003-09-04 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Lifetime JP3997971B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003312611A JP3997971B2 (ja) 2003-09-04 2003-09-04 内燃機関の空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003312611A JP3997971B2 (ja) 2003-09-04 2003-09-04 内燃機関の空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005083200A true JP2005083200A (ja) 2005-03-31
JP3997971B2 JP3997971B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=34413818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003312611A Expired - Lifetime JP3997971B2 (ja) 2003-09-04 2003-09-04 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3997971B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247426A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP2007315249A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247426A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP2007315249A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3997971B2 (ja) 2007-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2526591B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4314636B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US20070220862A1 (en) Deterioration detecting apparatus for catalyst
JP2005048724A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP5002171B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH06264787A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US20180030911A1 (en) Exhaust purification system and catalyst regeneration method
US20100078000A1 (en) Air-fuel ratio control device of internal combustion engine
JP2518247B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH04339147A (ja) 内燃エンジンの空燃比制御装置
JP3997971B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3939026B2 (ja) 三元触媒の酸素ストレージ量制御装置
JPH0819870B2 (ja) リ−ンバ−ンエンジンの空燃比制御装置
JP3826997B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4247730B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3826996B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2004019568A (ja) 内燃機関の排出ガス浄化装置
JP2000282925A (ja) 三元触媒の酸素ストレージ量制御装置
JP3979212B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP4636214B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2020026756A (ja) エンジン制御装置及エンジン制御方法
JP4072412B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4064092B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP4019861B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP3775570B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3997971

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130817

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140817

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term