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JP2005075743A - ダイズ種子からの揮発性画分及び組成物 - Google Patents

ダイズ種子からの揮発性画分及び組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚傷害、皮膚疾患の治療、細胞再生増進及び体毛増殖促進に優れた薬剤の提供。
【解決手段】ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子からの揮発性画分であって、以下のステップ:
(a)約15重量%未満の濃度のアルコールを含有するアルコール溶液中、又は水中に種子の粗抽出物を供給し;そして
(b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
を含むプロセスによって調製され;且つ、HPCLで保持時間2.910、5.190、13.190及び50.815分にピークを有する揮発性画分。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として、皮膚傷害の治療において、皮膚疾患の治療において、細胞再生の促進において、及び体毛の増殖促進において効果を有するダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子からの揮発性画分に関する。
大豆及び黒大豆を包含する、ダイズ[Glycine max(L)Merrill]は、世界の油及びタンパク質の最も重要な供給源である。例えば、大豆は、加工処理して、サラダオイルとして、又はマーガリン及びショートニングの製造用として使用される食用の半乾性油を得ることができる。大豆油は、又、塗料、リノリウム、オイルクロス、印刷インキ、石鹸、殺虫剤及び消毒薬の製造において使用することができる。なお又、油工業の副産物から得られるレシチンリン脂質は、食品、化粧品、医薬、皮革、塗料、プラスチックス、石鹸及び洗剤において、湿潤剤及び安定化剤として使用することができる。大豆粕は、非常にタンパク質の豊富な家畜用の飼料である。更に、大豆タンパク質は、合成繊維、接着剤、織物の糊づけ、防水加工、消火用泡、その他の製造において使用することができる。
医学的使用においては、大豆は多くの疾病に効果を有することが報告されている。
大豆は、腸、心臓、腎臓、肝臓及び胃の機能を調節するための栄養補助食品として使用することができる。大豆油は不飽和脂肪酸を多く含んでいるので、高コレステロール血症と闘うために使用することができる。大豆からの医薬レシチンは、抗脂肝剤として機能する。更に、抗硬直因子として知られるスチグマステロール及びある種の抗高血圧症薬におけるジオスゲニンの代わりとして使用されるシトステロールは大豆から調製された。大豆において発見されたイソフラボン及び植物エストロゲンは、乳癌、前立腺癌及び大腸癌を含む種々の癌に対して予防効果を有することが示唆された(非特許文献1)。植物ステロール添加マーガリンの消費は、又、中高年の高コレステロール血症者の総血漿コレステロール及びLDL−コレステロール濃度を低減することが見出された(非特許文献2)。
大豆からのある種の抽出物は、又、医薬効果を有することが報告されている。茶大豆種、秋田在来の種皮から得た70%水性アセトン抽出物の、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルに対する捕捉活性が開示されている(非特許文献3)。60℃未満で粉末鉱石の下でゆっくりと焙煎し、Aspergillus oryzaeで三日間にわたって発酵して各成分を低分子物質に変換した胚芽抽出物、大豆、米糠、ティア グラス(tear grass)、ゴマ、小麦、シトロン、緑茶、緑葉抽出物及び発芽米からの抽出物は、抗酸化効果を有することが見出された(非特許文献4)。ニンジン、アブラナの緑葉、及び黒豆、アズキ、緑豆、及び大豆を含む豆類の煮沸抽出物は、高い抗ガン促進及びラジカル捕捉活性を有することが示された(非特許文献5)。黒豆の水抽出物も、又、ラットにおける血清グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(sGOT)及び血清グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ(sGPT)活性を測定することによって、アセトアミノフェン誘発肝傷害に対する効果が報告されている(非特許文献6)。低級脂肪族アルコール及び低沸点エステルの混合系からなる抽出液での大豆種子の抽出物が、渇きを癒すためのリフレッシュドリンク剤として示された(特許文献1)。
大豆からのある種の特別な抽出物が、ある種の皮膚疾患の治療における化粧品又は医薬に適用されることが見出された。
一定の比率でスフィンゴミエリン及びリン脂質を含有する大豆抽出物が、乾燥肌の治療用の化粧品に使用されることが開示された(特許文献2)。そのような抽出物は、熟した全粒大豆又は脱脂大豆粉を、脂肪族アルコールのみを使用して又は水との混合物で抽出し、次いで脂肪族炭化水素及び脂肪族ケトンで処理することによって製造された。それ故、抽出物は脂質可溶性である。
乳清(ホエー)及びキハダ抽出物から選択される一つ又はそれ以上の植物抽出物、及び更にコガネバナ、コンフリー及びダイズから選択される一つ又はそれ以上の抽出物を含有するざ瘡薬、面皰産生阻害剤又は化粧料組成物が、ざ瘡又はざ瘡に起因する炎症性のひび割れた皮膚のような皮膚疾患の予防又は治療に効果があることが見出された(特許文献3)。組成物は、一般の飲料、食品、その他の製造に使用することができる。
大豆又は大豆の水抽出液から得られたマロニルイソフラボングリコシド及び、例えば、マロニルダイジン等は、上皮細胞増殖促進剤として使用された(特許文献4)。グリコシドは、45〜65℃で2〜4時間、苛性ソーダでpH7.5〜pH9.0に調節した水の中に皮をむいた大豆を液浸し、大豆を除去して水抽出溶液として浸漬水を得、限外ろ過膜によって抽出溶液からタンパク質を除去してろ液を得、ろ液を吸着剤と接触させ、そしてアルコールの水性溶液又はアルコールのアルカリ性水性溶液を使用することによって吸着した物質からグリコシドを溶出することによって得ることができる。
微生物による発酵大豆製品は、又、抗活性酸素作用組成物、薬剤、食品、化粧品及び医薬品として適用されている(例えば、特許文献5)。
しかしながら、いずれの公知技術も、ダイズからの低濃度のアルコールを含む或いは含まない揮発性画分が、皮膚傷害及び皮膚疾患を治療するために容易に調製されることを教示又は示唆していない。
特許第1117767号明細書 米国特許出願公開US2002/0009509A1号公報 特開2001−097842号公報 特許第9059166号明細書 特許第4139132号明細書 Adlercreutz,H.;「植物エストロゲン類と癌(Phyto−oestrogens and cancer)」.The Lancet Oncology,2002,Vol.3,p.364−373 Matvienko,O.A., Lewis,D.S.,Swanson, M.,Aendt,B.,Rainwater,D.L.,Stewart,J.,and Alekel,D.L.;「牛挽き肉での大豆植物ステロールの1日1回投与は、若年の軽症高コレステロール血症の男性の血清総コレステロール及びLDLコレステロールを減少させる」、Am.J.Clin.Nutr.,2002,76,p.57−64 Takahata,Y.,O.−Kameyama,M.,Furuta,S.,Takahashi,M.,andSuda,I.;「高ラジカル捕捉活性を有する茶大豆種皮中の高重合プロシアニジン」、J.Agric.Food Chem.,2001,49,p.5843−5847 Minamiyama,Y.,Yoshikawa,T.,Tanigawa,T.,Takahashi,S.,Naito,Y.,Ichikawa,H.,and Kondo,M.;「加工処理した穀類食品の抗酸化効果」、J.Nutr.Sci.Vitaminol.,1994,40,p.467−477 Maeda,H.,Katsuki,T.,Akaike,T.and Yasutake,R.;「脂質過酸化ラジカルと癌促進効果の間の高い相関性:種々の植物抽出物によるエプスタイン・バーウイルス/Bリンパ球系における癌促進の抑制及びアルキル過酸化ラジカルの捕捉」、Jpn.J.Cancer Res.,1992,83,p.923−928 Wu.S.−J.,Wang,J.−S.and Chang,C.−H.;「マメ科植物の肝保護活性の評価」、Phytomedicine,2001,Vol.8(3),p.213−219
本発明は、皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖促進の劇的な効果を示す、ダイズの種子からの揮発性画分を提供するものである。
本発明の揮発性画分は、
(a)約15重量%未満の濃度のアルコールを含有するアルコール溶液中、又は水中に種子の粗抽出物を供給し;そして
(b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で粗抽出物を蒸発させて、揮発性画分を得る;
ステップを含むプロセスによって調製される。
該揮発性画分は、いずれの公知のダイズの種子抽出物とも異なっている。何故なら、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のパターンは独特のプロフィールを示しているからである。特に、内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いて200nmで測定した、揮発性画分50μlのHPLCスペクトルは、変動係数8%で、保持時間2.910、5.190、13.190、及び50.815分にピークを有する。ただし、この場合の移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速は1mL/分である。
本発明は、又、本発明の揮発性画分を含む組成物を提供する。特に、該組成物は、医薬組成物、化粧品組成物又は皮膚の洗浄用組成物に使用することができる。
本発明によれば、ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の揮発性画分は、皮膚傷害の治療、皮膚障害の治療、細胞の再生増進、及び体毛の増殖促進において劇的な効果を有することが、意外にも見出された。
本発明によれば、ダイズの種子からの揮発性画分は、
(a)約15重量%未満の濃度のアルコールを含有するアルコール溶液中、又は水中に種子の粗抽出物を供給し;そして
(b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で粗抽出物を蒸発させて、揮発性画分を得る;
ステップを含むプロセスによって調製される。
アルコールを約15%未満の濃度で含有するアルコール溶液中又は水中の種子の粗抽出物から得られる揮発性画分が、皮膚科学における効果を有することが意外にも発見された。該揮発性画分は容易に調製される。ダイズの種子から調製された医薬又は化粧品の製品は、(1)大豆が長年消費されてきたこと、そして非毒性であると信じられること、及び(2)大豆は高価でないことから有利である。
本発明の実施態様において、ダイズの種子からの粗抽出物は、約15重量%未満の濃度のアルコール溶液又は水を用いた抽出によって得られる。当業者により通常使用される植物種子から粗抽出物を得るいかなる方法も、本発明の実施に使用することができる。例えば、粗抽出物は、種子を、粉砕、撹拌、攪乱、切断又は切り刻みのような、いかなる通常の手段であれ小片に細分化し、約15重量%未満の濃度のアルコール溶液に浸漬することによって得ることができる。好ましい実施態様において、アルコールの濃度は、約10重量%未満、より好ましくは約3重量%又は約2重量%である。本発明によれば、粗抽出物は、又、水で抽出することもできる。好ましい実施態様において、種子片は、約5重量部から約10重量部の範囲のアルコール又は水に浸漬される。当業者によって通常使用される、種子を細分化し細分化した種子から抽出するいかなる方法も、本発明の実施に使用することができる。
本発明によれば、粗抽出物は、約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度、好ましくは約60℃から約110℃で、蒸発される。揮発性画分は、蒸気を冷却することによって液体の形で採取することができる。
本発明の好ましい実施態様において、一定の気圧及び温度で粗抽出物を蒸発し、その蒸気を冷却することによって該揮発性画分を採取するプロセスは、ロータリーエバポレーターで実施することができ、ここで、蒸気は、冷水が供給される凝縮管に蒸発され、そして蒸気は凝縮管を通過して冷却され、揮発性画分が液状で採取される。操作は単純でコストは低い。
本発明による揮発性画分は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析され、同定することができる。例えば、内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いて200nmで測定した、揮発性画分50μlのHPLCスペクトルは、変動係数8%で、保持時間2.910、5.190、13.190、及び50.815分にピークを有する。ただし、この場合の移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速は1mL/分である。スペクトルによれば、揮発性画分中の物質は強い極性を示す。それらは、公知文献に開示された他の成分とは大きく異なっている。例えば、ダイゼイン(daidzein)及びゲニステイン(genistein)は、その構造中に四つの環を有し、弱い極性を有する。
本発明の一つの好ましい実施態様において、皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖促進において、ダイズの種子を補助するために幾種類かの薬草が加えられる。本発明によれば、揮発性画分は、ダイズの種子、及び、ゴマの種子、リョクトウの種子及び抗菌薬草から成る群から選択される少なくとも一つの材料を含む原料から得られる。該原料からの揮発性画分の調製並びに揮発性画分の分析及び同定は、上記に記載されている。好ましくは、抗菌薬草は、掌葉大黄の乾燥根茎、ダイオウの乾燥根茎、キハダの乾燥樹皮及びオウバクの乾燥樹皮からなる群から選択される。別の態様において、原料は、好ましくは、約40から約100%のダイズの種子、0から約50%のゴマの種子、0から約50%のリョクトウの種子及び0から約30%の抗菌薬草を含む。
本発明の更に好ましい実施態様の一つにおいて、原料は、約70%のダイズの種子、約20%のゴマの種子、約5%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎、及び約5%のキハダ又はオウバクの乾燥樹皮を含む。該原料は約2%のアルコール中に浸漬される。
本発明の別の好ましい実施態様において、原料は、約80%のダイズの種子及び約20%のリョクトウの種子を含む。該原料は約2%のアルコール中に浸漬される。
本発明の更に別の好ましい実施態様において、原料は、約80%のダイズの種子及び約20%のゴマの種子を含む。該原料は約2%のアルコール中に浸漬される。
本発明の更に別の好ましい実施態様において、原料は、約90%のダイズの種子及び約10%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎を含む。該原料は水中に浸漬される。
本発明の更に別の好ましい実施態様において、原料は、約80%のダイズの種子、約10%のゴマの種子及び約10%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎を含む。該原料は水中に浸漬される。
本発明の最も好ましい実施態様において、原料は、約53%のダイズの種子、約20%のゴマの種子、約17%のリョクトウの種子、約5%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎及び約5%のキハダ又はオウバクの乾燥樹皮を含む。該原料は約3%又は約2%のアルコール中又は水中に浸漬される。更に、内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いて200nmで測定した、揮発性画分50μlのHPLCスペクトルは、変動係数8%で、保持時間2.896、5.111、12.944、及び49.603分にピークを有する。ただし、この場合の移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速は1mL/分である。
本発明は、又、本発明による揮発性画分を含む組成物を提供する。好ましくは、組成物は、医薬組成物、化粧品組成物及び皮膚の洗浄用組成物から成る群から選択される。本発明による好ましい実施態様において、組成物は、更に、ボルネオール等の抗菌剤を含む。好ましくは、本発明による揮発性画分の量は、全組成物重量の約70%から約80%の範囲である。
本発明の一つの実施態様において、組成物は、人に容易に適用される軟膏を形成するボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル(POE)から選ばれる一種又は二種以上を更に含む。
皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法は、皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進、及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量で、本発明による組成物を適用することを含む。
本発明に記載の揮発性画分は、皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進、及び体毛の増殖促進に有用である。例えば、皮膚傷害又は皮膚疾患は、熱傷害、日焼け、照射性傷害、急性及び慢性外傷、斑状出血、皮膚炎、斑、丘疹、小結節、小水疱、気腫性嚢胞、膿疱、膨疹、斑点、嚢胞、鱗屑、痂皮、ひび、潰瘍、ざ瘡、乾皮症、落屑、そう痒、アレルギー性皮膚炎、皮疹及び毛嚢欠損を包含する。好ましくは、本発明による組成物は、熱傷害、照射性傷害、急性及び慢性外傷、皮膚炎、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損を治療するのに効果的である。
以下に記載する動物モデルにおいて、本発明による揮発性画分は、肉芽、傷痕形成性及びアレルギーなしに大領域の皮膚欠損を治癒するのに効果的であることが証明された。更に、毛嚢欠損は治癒することができ、体毛は紅斑又は焼痂なしに再び増殖することができた。本発明による揮発性画分で治療された創傷の治癒率及び状態は、従来の医薬よりもよりよいものである。本発明による揮発性画分で治療された創傷は、瘢痕なしに治癒し、治癒した創傷の皮膚の色は、正常な皮膚の色と同じであった。更に、組織学的試験において、本発明による揮発性画分で治療された創傷の皮膚組織は、通常、外観に大きな障害と複雑な再建手術を生ずる原因となる線維性変性を示さなかった。
更に、アレルギー反応、炎症、膿疱又は紅疹は、本発明による揮発性画分で治療された創傷には見出されなかった。治療後、創傷の副器官及び細胞は、正常の皮膚と同じに増殖した。対照的に、従来の医薬で治療した創傷は、副器官及び細胞の数はより少なく、創傷の線維幅は正常よりも大きかった。
更に、本発明による揮発性画分は、照射傷害の治療にも効果的である。これまで、照射傷害の治療に有効な薬物はなかった。照射傷害にかかった人において、揮発性画分で治療された後の創傷は、体毛にほとんど損傷を示さず、アレルギーは示さないことが、意外にも見出された。
更に、創傷治癒において通常見られる炎症も組織の萎縮も、本発明による揮発性画分で治療された創傷には見出されなかった。揮発性画分は、皮膚が損傷された創傷の治癒に効果的である。それ故、本発明は、大きな領域と皮膚創傷を治療するのに、よりよい、便利な、そして経済的な方法を提供するものである。
以下の実施例は、例示のみの目的のものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子からの揮発性画分の調製
ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子、ゴマ(Sesamum indicum)の種子、リョクトウ(Phaseolus radiatus L.)の種子、掌葉大黄(Rheum palmatum)又はダイオウ(大黄、Rhei Risoma)の乾燥根茎及びキハダ(Phellodendron amurense Rupr.)又はオウバク(黄柏、Phellodendri Cortex)の乾燥樹皮を含む原料を粉にし、アルコール又は蒸留水8重量部で抽出して、粗抽出物を得た。含量を表1に示す。揮発性画分は、1気圧未満の圧力、60℃の温度で、冷水を供給した濃縮管を通過させるロータリーエバポレーター(EYELA N−1000S、1000S−W)を用いて、粗抽出物を蒸発させることによって得た。
Figure 2005075743
画分1の50μlのHPLCの結果を図1に示す。HPLCは、内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムで、移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速は1mL/分で行われた。HPLCは、Waters Alliance2795HTで行われ、スペクトル測定は、Waters Photo Diode Array2996によって190から400nmで行われた。200nmで測定したスペクトルに示すように、変動係数8%で、保持時間2.910、5.190、13.190、及び50.815分に鋭いピークがあった。
画分3の50μlのHPLCの結果を図2に示す。HPLCは、内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムで、移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速は1mL/分であった。HPLCは、Waters Alliance2795HTで行われ、スペクトルは、Waters Photo Diode Array2996によって190から400nmで測定された。200nmで測定されたスペクトルに示すように、変動係数8%で、保持時間2.896、5.111、12.944、及び46.603分に鋭いピークがあった。
実施例2
軟膏の調製
本発明による軟膏を表2に例示する。
Figure 2005075743
本発明の軟膏は、当業者によって通常使用されるいかなる従来の方法を用いても調製することができる。
実施例3
ウサギにおける全層皮膚創傷に対する効果
動物の処置:
体重2.9〜3.1kgの雌性成獣ニュージランドホワイトウサギ、5羽、を動物モデルとして用いた。各ウサギは、単独でケージに入れ、固形飼料及び水で飼育した。ウサギは、塩酸ケタミン25〜40mg/kgで麻酔した。各ウサギの背中を入念に毛刈りし、6カ所の全層皮膚(各領域は、1.5×1.5cm2)を切除した。ここで、全層皮膚は、表皮、真皮及び皮筋層を含む。
投与及び頻度:
各ウサギの創傷6領域を、画分1〜6をそれぞれ含む軟膏で、1日2回治療した。軟膏は、0.35g/cm2の量を局所に塗布した。
創傷の臨床的評価:
創傷は、毎日観察し、創傷治癒の過程を記録するため、光、焦点距離及び口径の同一条件下で、週に3回、参照用スケールと共に写真撮影した。これに加えて、創傷の大きさも測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2005075743
上記の結果は、創傷が(図3に示すように)全て治癒したことを示している。本発明による賦形剤(画分5を含む軟膏)も、又、全層皮膚創傷の治療に効果を有していた。
体毛増殖の評価:
新しい体毛の長さを測定した。画分1〜6を含む軟膏で治療した全ての創傷の体毛は、平均約1.76cmの長さであり(図4に示すように)、治療しない領域のそれは平均0.1〜0.2cmであった。
結果は、本発明による揮発性画分が毛嚢欠損を修復する能力を有し、体毛増殖を促進した。これに加えて、本発明による賦形剤も、又、体毛増殖の増強に効果的であった。
実施例4
ラットにおける全層皮膚創傷に対する効果
動物の処置:
雄性、成獣スプラーグ−ドーリーラットは、台湾国立Cheng Kung大学実験動物センターから購入した。体重300〜350gのラットは、塩酸ケタミン25〜40mg/kgで麻酔した。各ラットの背中を電気クリッパで入念に毛刈りした。各ラットは、単独でケージに入れ、固形飼料及び水で飼育した。各ラットについて、2.5×2.5cm2の領域の全層皮膚を切除した。ここで、全層皮膚は、表皮、真皮、及び皮筋層を含む[B.Hafemannら、真皮の組織工学用コラーゲン/エラスチン膜の使用、Burns.1999;25:373−384;H.−J.Wangら、広範に拡張したメッシュの自己由来の中間層皮膚移植片増殖を増強するブタ真皮鋳型の使用、J.Trauma.1997、2月;42(2):177−182]。
投与及び頻度:
2実験群のラットを、実施例2で用いられた画分7及び8を含む軟膏で治療し、各群はラット3匹を含んでいた。医薬組成物を、0.35g/cm2及び高さ0.1〜0.2cmの量で、創傷に局所塗布した。全ての創傷は、滅菌ガーゼ及び弾性包帯により手当てし、包帯を毎日交換した。
実施例3と類似の評価方法を用い、創傷の大きさを測定した。結果を表4に示す。
Figure 2005075743
画分7及び8を含む軟膏で治療した創傷は治癒した。特に、画分7を含む医薬組成物で治療した創傷領域はより速やかに減少した。
実施例5
深部中間層皮膚熱傷の治癒に対する効果
動物の処置:
雌性、成獣スプラーグ−ドーリーラットは、台湾国立Cheng Kung大学実験動物センターから購入した。体重230〜280gのラット9匹は、塩酸ケタミン25〜40mg/kgで麻酔した。各ラットの背中を電気クリッパで、背中の中間部の予定した創傷領域を入念に毛刈りした。各ラットは、単独でケージに入れ、固形飼料及び水で飼育した。ラットの熱傷は、Walker and Mason[Z−R.Gaoら、皮膚ドナー部位及び深部中間層皮膚熱傷用の創傷用手当用品としてのブタ真皮コラーゲン、Burns.1992;18(6):492−496]によって記載された方法を用いて、背部皮膚表面を、4×4cm2の領域で深部中間層皮膚熱傷を生じるように設計された鋳型を通して、75℃の水に15秒間露出して生成させた。
投与及び頻度:
ラットの実験群(G3)を、アルコール含量を3%とした以外は実施例2と同様にして、画分3と同じように画分9を含む本発明に記載の医薬組成物で治療した。ラットの、無治療の1つの対照群(G1)とスルファジアジン銀(SWISS PHARMACEUTICAL CO.,LTD.)で治療した1つの比較群(G2)を用いた。各群はラット3匹を含んでいた。薬物は、体毛が増殖するまで、1日2回、0.35g/cm2の量を創傷に局所塗布した。
創傷の臨床的評価:
実施例3と類似した評価方法を用い、又、創傷の大きさを測定した。結果を表5に示す。
Figure 2005075743
創傷治癒の進行において、本発明による軟膏で治療した創傷は瘢痕なしに治癒し、皮膚の色は正常と同じであった。しかしながら、スルファジアジン銀で治療した創傷には瘢痕が生じた。更に、ラットの創傷は、第37日目においても創傷領域の2.86%に瘢痕が残っていた従来のスルファジアジン銀で治療したよりも早く、第18日目で治癒した。
新しい体毛増殖の成績(スコア)も評価し、記録した。新しい体毛増殖スコアは、以下のように定義された:「−2」は、幾分痂皮及び紅斑があり、新しい体毛増殖はないもの;「−1」は、幾分紅斑があり、新しい体毛増殖はないもの;「0」は、正常の皮膚で、新しい体毛増殖はないもの;「+1」は、幾分新しい体毛増殖があるもの;及び「+2」は、創傷領域のおよそ50%の新しい体毛増殖があるもの。
新しい体毛増殖スコアを、表6に列挙する。
Figure 2005075743
表6に示したように、本発明の軟膏は、従来のスルファジアジン銀よりも新しい体毛増殖により効果的であった。新しい体毛増殖は、本発明による医薬組成物で治療した第18日目に観察され、新しい体毛増殖の50%は第35日目に観察された。本発明による医薬組成物で治療した創傷には、紅斑も痂皮も認められなかった。しかしながら、従来の薬物で治療した場合は、新しい体毛増殖は見られなかった。
皮膚の組織学的評価:
創傷が完全に治癒した後に、ラットを麻酔して各ラットの皮膚組織を採取し、B.Hafemannら(B.Hafemannら、真皮の組織工学用コラーゲン/エラスチン膜の使用、Burns.1999;25:373−384)によって記載された評価方法を使用して組織学的試験を行った。試料を採取し、ホルムアルデヒド中に貯蔵した。各検体は、パラフィンブロックに包埋し、薄切片を調製し、ヘマトキシリン・エオジン法を用いて染色した。検体は、光学顕微鏡及び透過型電子顕微鏡で観察した。
組織学的試験の結果は、無治療のラット上皮組織の厚さが(図5に示すように)平らでなく、顆粒層が厚くなっていることを示した。線維層は、深部皮膚に見られた。従来のスルファジアジン銀で治療したラット群でも(図6に示すように)、又、不均一な厚さの上皮組織を有することが示された。線維層は深部皮膚に見られ、毛嚢は崩壊していた。一方、本発明による軟膏で治療した創傷は(図7に示すように)、正常であるように見え、多数の毛嚢が再生していた。線維層は、真皮の表面領域に見られた。
実施例6
ラットにおける大領域の全層皮膚傷害に対する効果
動物の処置:
雄性、成獣スプラーグ−ドーリーラットは、台湾国立Cheng Kung大学実験動物センターから購入した。体重300〜350gのラットは、塩酸ケタミン25〜40mg/kgで麻酔した。各ラットの背中を電気クリッパで入念に毛刈りした。各ラットは、単独でケージに入れ、固形飼料及び水で飼育した。各ラットについて、4.0×4.0cm2の領域の全層皮膚を切除した。ここで、全層皮膚は表皮、真皮、及び皮筋層を含む。
投与及び頻度:
ラットの実験群は、実施例5の画分9を含む軟膏で治療された。スルファジアジン銀(SWISS PHARMACEUTICAL CO.,LTD.)で治療したラットの1つの比較群(G2)も、又、使用された。各群は、ラット5匹を含んでいた。軟膏は、0.75g/cm2及び高さ0.1〜0.2cmの量で、創傷に局所塗布した。全ての創傷は、滅菌ガーゼ及び弾性包帯により手当てし、包帯を毎日交換した。
実施例3と類似の評価方法を用い、創傷の大きさを測定した。結果を表7に示す。
Figure 2005075743
創傷治癒の進行において、本発明による軟膏で治療した創傷は、アレルギーなしに治癒した。しかしながら、スルファジアジン銀で治療した創傷には瘢痕が生じた。更に、スルファジアジン銀で治療した創傷には、重篤なアレルギーが見られた。本発明による医薬組成物で治療したラットの治癒率(約25〜31日)は、スルファジアジン銀で治療した(約37日)よりも早かった。
皮膚の組織学的評価:
組織学的評価方法は、実施例5に記載された通りである。
第45日目に行った組織学的試験の結果は、従来のスルファジアジン銀で治療した創傷は、深部真皮に線維層を有していることが観察されることを示した。いくつかの表皮細胞は死亡し、胼胝を形成していた。慢性炎症及び好酸球浸潤の両者が真皮に観察された。いくらかの線維も、又、創傷から0.5cm離れたところに形成していた。
本発明による軟膏で治療したラットの群では、新生した上皮は均一で、多数の毛嚢が生成した。ほんの少しの線維が形成したのみであった。
第95日目に行った組織学的試験の結果は、従来のスルファジアジン銀で治療した創傷には、不均一な上皮層を有していることが観察される(図8に示すように)ことを示した。線維層が深部真皮に形成された。少量の毛嚢が生成した。
図9に示すように、本発明による軟膏で治療したラットの群では、新生した上皮は均一で、多数の毛嚢が生成した。
実施例7
局所電子照射皮膚傷害に対する効果
動物の処置:
雌性、成獣スプラーグ−ドーリーラットは、台湾国立Cheng Kung大学実験動物センターから購入した。体重250〜300gのラットは、単独でケージに入れ、固形飼料及び水で飼育した。
ラットの照射は、John E.Moulder and James J.Fisher[ラット皮膚の放射線に対する反応:各No.の画分の役割と総処置時間、Cancer、6月、1976年、37(6):2762−2767]によって記載されたのと類似の方法を用いて行われた。ラットは、照射前に、40〜50mg/kgのペントバルビタールナトリウム塩(TCI.東京)の腹腔内投与により麻酔した。臀筋領域にわたる皮膚は完全に体毛を剃り落とし、照射前に、右と左の臀筋上の所望の2×2cm2の照射領域に印をつけた。線形加速器(Varian Associates,Inc.,CA,U.S.A.)によって発生した6MeVの電子ビームを照射に用いた。
分割照射及び単回照射を試験した。分割照射では、ラット3匹に対し、右及び左の臀筋に照射した。照射は、毎週2回、5週間行い、総線量は各領域につき37.5Gyであった。
投与及び頻度:
分割照射における照射傷害は、照射の後に1日1回、投与量0.25g/cm2の実施例5で用いられた画分9を含む軟膏で治療し、単回照射における照射傷害は、一日二回治療した。治療なしのラットは、対照(G2)として使用した。照射しないラットの一つのブランク群(G3)は、ブランクとした。
臨床評価
皮膚反応スコア[Yoshinao Abe and Muneyasu Urano、多回、一日二回照射後のマウスの分割照射側に依存した急性皮膚反応、J.Radiation Oncology Biol. Phys.1990年2月;18(2):359−364;Yu−Jen Chenら、ラットにおける急性放射線皮膚炎に対するテトランドリン及びツボクサ抽出物の効果、Biol.Pharm.Bull.1999年7月;22(7):703−706]を評価し、照射後30日間記録した。皮膚反応スコアは、以下のように定義された:「0」は正常皮膚を示し;「0.5」は照射した領域の50%未満に軽い脱毛が起こる、又は体毛の脱色が起こることを示し;「1.0」は照射した領域の約50%に脱毛が起こることを示し;「1.5」は照射した領域の50%以上に脱毛が起こり、いくつかの脱毛は紅皮を伴うことを示し;「2.0」は完全な脱毛及び照射した領域の50%未満に乾燥した落屑が起こることを示し;「2.5」は照射した領域の50%以上に乾燥した落屑が起こることを示し;「3.0」は幾分湿潤した落屑が起こることを示し;「3.5」は領域の殆どに湿潤した落屑が起こることを示す。
皮膚反応スコアを評価した。結果を表8に示す。
Figure 2005075743
G1では、裂傷初期と僅かの体毛損傷が創傷に見られ、皮膚はアレルギーを示さなかった。
結果は、分割照射試験の場合と同様であった。
皮膚の組織学的評価:
実施例5におけると同様の評価方法を使用した。
図10に示すように、G1において、表皮細胞は、多層の上皮細胞を覆っていることが見出された。又、多数の毛嚢が再生された。
図11に示すように、G2において、ほんの少量の毛嚢が観察された。
図12に示すように、G3において、組織は対照として使用した。
治療した創傷の組織は密であったが、無治療のものは粗であった。
実施例8
ウサギ耳における皮膚炎に対する効果
ウサギ耳における皮膚炎は、図13に示すように、発赤、腫れ、炎症、潰瘍及び出血を有することが見出された。
アルコール含量を0%とした以外は画分3に類似した画分10を用いた以外は実施例2と同じようにして、本発明による軟膏を創傷に3日間塗布した。
第1日目は、潰瘍が消失し、発赤が軽減した。毛嚢が図14に示すよう現れた。
第2日目は、皮膚組織が回復し、ほんの軽い発赤が観察された。毛嚢は図15に示すよう明らかであった。
第3日目は、皮膚組織及び色彩は正常であった。体毛が、図16に示すように毛嚢に生えてきた。
実施例9
糖尿病性創傷に対する効果
68歳の男性が糖尿病に20年間かかっていた。彼の左足の足指は切断された。創傷は、図17に示すように重篤な壊疽変性を示した。彼の右足の足指は切断されたが、しかし創傷治癒は図18に示すように良好でなかった。
画分9を含む軟膏が、創傷に1日2〜3回塗布された。
図19に示すように、2ヶ月間左足の治療の後、いくつかの肉芽組織が認められ、そして創傷は、それ以上壊死の進行がなく治癒し始めた。
5ヶ月間左足の治療の後、図20に示すように、創傷は瘢痕なしに完全に治癒した。図21に示すように、右足も又、瘢痕なしに完全に治癒した。
実施例10
慢性うっ血性潰瘍に対する効果
80歳の男性の両下腿は、図22に示すように色素過剰症及びうっ血性潰瘍に20年間かかっていた。
画分9を含む軟膏を、創傷に1日2〜3回塗布した。
図23に示すように、2週間足を治療した後、創傷は治癒し始めた。
図24に示すように、4週間足を治療した後、創傷は瘢痕なしに完全に治癒した。
実施例11
斑状出血に対する効果
女性患者は、図25に示すように、事故に起因する斑状出血を有していた。
創傷は、3日の間、1日1回、冷湿布で予備治療され、その後画分9を含む軟膏を1日2〜3回塗布した。
斑状出血は消失し、創傷は図26に示すように、治療後3日目に治癒した。自動車事故の前から既に存在していた瘢痕の色も又、図27に示すように、7日間の治療の後、平らになり薄くなった。
実施例12
擦過傷に対する効果
女性患者は、図28に示すように事故に起因する擦過傷を有していた。
画分9を含む軟膏を、創傷に1日2〜3回塗布した。
創傷は、図29に示すように、7日間の治療の後治癒した。
実施例13
縫合創傷に対する効果
男性患者は、3cmの裂傷と20針の縫合の人中の重篤な裂傷、0.8cmの裂傷と4針の縫合の鼻梁、及び1cmの裂傷と6針の縫合及び1.5cmの裂傷と8針の縫合の上唇を有していた。
画分9を含む軟膏を、創傷に1日2〜3回塗布した。
創傷は、図30に示すように、瘢痕なしに完全に治癒した。
実施例14
アトピー性皮膚炎に対する効果
4.5歳の女性は、慢性アトピー性皮膚炎を有していた。頚部及び上胸部の皮膚は、図31に示すように、長期間の局所コルチコステロイド療法の後に、痒み、発赤、腫張、かさかさの状態、湿潤状態、痂皮状態及びかさぶた状態であった。
画分10を含む軟膏を、創傷に1日2〜3回塗布した。
図32に示すように、1週間の治療の後、痒み、発赤、腫張、かさかさの状態、湿潤状態、痂皮状態及びかさぶた状態は、軽減し減少した。
図33に示すように、4週間の治療の後、皮膚病変は殆ど沈静化した。
図34に示すように、6週間の治療の後、皮膚病変は、後のリバウンド効果もなく完全に治癒した。
本発明の実施態様が例示され記載されているが、種々の変形及び改良は、当業者によって行うことができる。本発明の実施態様は、それ故に、例示的に記載されたものであり、限定的な意味で記載されたものではない。本発明は、例示したような特定の形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱していない全ての変形は、付属する特許請求の範囲に定義された範囲内にある。
図1は、本発明のプロセスによって得られた画分1のHPLCスペクトルを例示したものである;図1a:0から20分;図1b:20から40分;図1c:40から60分。 図2は、本発明のプロセスによって得られた画分3のHPLCスペクトルを例示したものである;図2a:0から20分;図2b:20から40分;図2c:40から60分。 図3は、実施例3における本発明による軟膏で治療した全層皮膚創傷の写真を例示したものである。 図4は、実施例3における本発明による軟膏で治療した、全層皮膚創傷での毛の増殖の状態を示す写真を例示したものである;図4a:画分1から3を含む軟膏;図4b:画分4から6を含む軟膏。 図5は、実施例5における治療なしの深部中間層熱傷の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図6は、実施例5におけるスルファジアジン銀で治療した、深部中間層熱傷の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図7は、実施例5における本発明による軟膏で治療した、深部中間層熱傷の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図8は、実施例6におけるスルファジアジン銀で治療した、大領域の全層皮膚創傷の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図9は、実施例6における本発明による軟膏で治療した、大領域の全層皮膚創傷の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図10は、実施例7における本発明による軟膏で治療した、照射皮膚傷害の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図11は、実施例7における治療なしの照射皮膚傷害の組織学的検査の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図12は、実施例7における正常組織の結果の顕微鏡写真を例示したものである。 図13は、実施例8における治療前のウサギ耳の皮膚炎の写真を例示したものである。 図14は、実施例8における第1日目の本発明による軟膏で治療後のウサギ耳の皮膚炎の写真を例示したものである。 図15は、実施例8における第2日目の本発明による軟膏で治療後のウサギ耳の皮膚炎の写真を例示したものである。 図16は、実施例8における第3日目の本発明による軟膏で治療後のウサギ耳の皮膚炎の写真を例示したものである。 図17は、実施例9における糖尿病性創傷の写真を例示したものである。 図18は、実施例9における糖尿病性創傷の写真を例示したものである。 図19は、実施例9における2ヶ月間本発明による軟膏で治療した糖尿病性創傷の写真を例示したものである。 図20は、実施例9における5ヶ月間本発明による軟膏で治療した糖尿病性創傷の写真を例示したものである。 図21は、実施例9における5ヶ月間本発明による軟膏で治療した糖尿病性創傷の写真を例示したものである。 図22は、実施例10における慢性うっ血性潰瘍の写真を例示したものである。 図23は、実施例10における2週間本発明による軟膏で治療した慢性うっ血性潰瘍の写真を例示したものである。 図24は、実施例10における4週間本発明による軟膏で治療した慢性うっ血性潰瘍の写真を例示したものである。 図25は、実施例11における斑状出血の写真を例示したものである。 図26は、実施例11における3日間本発明による軟膏で治療した斑状出血の写真を例示したものである。 図27は、実施例11における7日間本発明による軟膏で治療した斑状出血の写真を例示したものである。 図28は、実施例12における擦過傷の写真を例示したものである。 図29は、実施例12における7日間本発明による軟膏で治療した擦過傷の写真を例示したものである。 図30は、実施例13における本発明による軟膏で治療した縫合創傷の写真を例示したものである。 図31は、実施例14におけるアトピー性皮膚炎の写真を例示したものである。 図32は、実施例14における1週間本発明による軟膏で治療したアトピー性皮膚炎の写真を例示したものである。 図33は、実施例14における4週間本発明による軟膏で治療したアトピー性皮膚炎の写真を例示したものである。 図34は、実施例14における6週間本発明による軟膏で治療したアトピー性皮膚炎の写真を例示したものである。

Claims (49)

  1. ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子からの揮発性画分であって、以下のステップ:
    (a)約15重量%未満の濃度のアルコールを含有するアルコール溶液中、又は水中に種子の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    を含むプロセスによって調製され;且つ、
    内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPCL)を通じて200nmで測定した、該揮発性画分50μlのスペクトルが、変動係数8%で、保持時間2.910、5.190、13.190及び50.815分にピークを有し、ここで、移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速が1mL/分である;
    である揮発性画分。
  2. 揮発性画分が蒸気を冷却することによって液状で採取される請求項1記載の揮発性画分。
  3. アルコールの濃度が約5重量%未満である請求項1記載の揮発性画分。
  4. ステップ(a)における粗分画が水中である請求項1記載の揮発性画分。
  5. ステップ(b)における温度が約60℃から約110℃までの範囲である請求項1記載の揮発性画分。
  6. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖促進の効果を有する請求項1記載の揮発性画分。
  7. 請求項1記載の揮発性画分を含む組成物。
  8. 医薬組成物、化粧品組成物又は皮膚の洗浄用組成物の製造のために使用される請求項7記載の組成物。
  9. 皮膚傷害又は皮膚疾患の治療において使用するためのものである請求項7記載の組成物。
  10. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、日焼け、照射性傷害、急性及び慢性外傷、斑状出血、皮膚炎、斑、丘疹、小結節、小水疱、気腫性嚢胞、膿疱、膨疹、斑点、嚢胞、鱗屑、痂皮、ひび、潰瘍、ざ瘡、乾皮症、落屑、そう痒、アレルギー性皮膚炎、皮疹、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項9記載の組成物。
  11. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、照射性傷害、急性及び慢性外傷、皮膚炎、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項9記載の組成物。
  12. 抗菌剤を更に含む請求項7記載の組成物。
  13. ボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を更に含む請求項7記載の組成物。
  14. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の請求項7記載の組成物を患者の創傷に適用することを含む患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法。
  15. ダイズ[Glycine max(L)Merr.]の種子、及び、ゴマ(Sesamum indicum)の種子、リョクトウ(Phaseolus radiatus L.)の種子及び抗菌薬草から成る群から選択された少なくとも1つを含む原料からの揮発性画分であって、以下のステップ:
    (a)約15重量%未満の濃度のアルコールを含有するアルコール溶液中、又は水中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    を含むプロセスによって調製され;且つ、
    内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPCL)を通じて200nmで測定した、揮発性画分50μlのスペクトルが、変動係数8%で、保持時間2.910、5.190、13.190、及び50.815分にピークを有し、ここで、移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速が1mL/分である;
    である揮発性画分。
  16. 抗菌薬草が、掌葉大黄(Rheum palmatum)の乾燥根茎、ダイオウ(大黄、Rhei Risoma)の乾燥根茎、キハダ(Phellodendron amurense Rupr.)の乾燥樹皮及びオウバク(黄柏、Phellodendri Cortex)の乾燥樹皮から成る群から選択されたものである請求項15記載の揮発性画分。
  17. 原料が、約40から約100%のダイズの種子、0から約50%のゴマの種子、0から約50%のリョクトウの種子及び0から約30%の抗菌薬草を含む請求項15記載の揮発性画分。
  18. 揮発性画分が蒸気を冷却することによって液状で採取される請求項15記載の揮発性画分。
  19. アルコールの濃度が約5重量%未満である請求項15記載の揮発性画分。
  20. ステップ(a)における粗分画が水中浸漬である請求項15記載の揮発性画分。
  21. ステップ(b)における温度が約60℃から約110℃までの範囲である請求項15記載の揮発性画分。
  22. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖促進の効果を有する請求項15記載の揮発性画分。
  23. 請求項15記載の揮発性画分を含む組成物。
  24. 医薬組成物、化粧品組成物又は皮膚の洗浄用組成物の製造のために使用される請求項23記載の組成物。
  25. 皮膚傷害又は皮膚疾患の治療において使用するための請求項23記載の組成物。
  26. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、日焼け、照射性傷害、急性及び慢性外傷、斑状出血、皮膚炎、斑、丘疹、小結節、小水疱、気腫性嚢胞、膿疱、膨疹、斑点、嚢胞、鱗屑、痂皮、ひび、潰瘍、ざ瘡、乾皮症、落屑、そう痒、アレルギー性皮膚炎、皮疹、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項25記載の組成物。
  27. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、照射性傷害、急性及び慢性外傷、皮膚炎、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷、及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項25記載の組成物。
  28. 抗菌剤を更に含む、請求項23記載の組成物。
  29. ボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を更に含む請求項23記載の組成物
  30. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の請求項23記載の組成物を患者の創傷に適用することを含む患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法。
  31. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約70%のダイズの種子、約20%のゴマの種子、約5%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎及び約5%のキハダ又はオウバクの乾燥樹皮を含む原料からの揮発性画分を含む組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法であって、該揮発性画分が:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製される方法。
  32. 組成物が、所望によりボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸から選ばれる一種又は二種以上を含む請求項31記載の方法。
  33. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約53%のダイズの種子、約20%のゴマの種子、約17%のリョクトウの種子、約5%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎、及び約5%のキハダ又はオウバクの乾燥樹皮を含む原料からの揮発性画分であって:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製され;且つ、
    内径(I.D.)4.6mm、長さ(L)250mm及び粒子径5μmのWaters Sphersorb(TM)−ODS2カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPCL)を通じて200nmで測定した、揮発性画分50μlのスペクトルが、変動係数8%で、保持時間2.896、5.111、12.944及び46.603分にピークを有し、ここで、移動相は、0から5分が95%H2O/5%CH3CN;5分から30分が95%H2O/5%CH3CNの勾配;30分から80分が75%H2O/25%CH3CNの勾配;80分から100分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;100分から101分が0%H2O/100%CH3CNの勾配;及び101分が95%H2O/5%CH3CNであり、流速が1mL/分である;
    である揮発性画分。
  34. 請求項33記載の揮発性画分を含む組成物。
  35. 医薬組成物、化粧品組成物又は皮膚の洗浄用組成物の製造のために使用される請求項34記載の組成物。
  36. 皮膚傷害又は皮膚疾患の治療において使用するためのものである請求項34記載の組成物。
  37. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、日焼け、照射性傷害、急性及び慢性外傷、斑状出血、皮膚炎、斑、丘疹、小結節、小水疱、気腫性嚢胞、膿疱、膨疹、斑点、嚢胞、鱗屑、痂皮、ひび、潰瘍、ざ瘡、乾皮症、落屑、そう痒、アレルギー性皮膚炎、皮疹、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項36記載の組成物。
  38. 皮膚傷害又は皮膚疾患が、熱傷害、照射性傷害、急性及び慢性外傷、皮膚炎、壊疽、慢性うっ血性潰瘍、擦過傷、アトピー性皮膚炎、縫合創傷、糖尿病創傷及び毛嚢欠損から成る群から選択されたものである請求項36記載の組成物。
  39. 抗菌剤を更に含む請求項34記載の組成物。
  40. ボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を更に含む請求項34記載の組成物
  41. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、請求項34記載の組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法。
  42. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約80%のダイズの種子及び約20%のリョクトウの種子を含む原料からの揮発性画分を含む組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法であって;該揮発性画分が:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製される方法。
  43. 組成物が、所望によりボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を含む請求項42記載の方法。
  44. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約80%のダイズの種子及び約20%のゴマの種子を含む原料からの揮発性画分を含む組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法であって;揮発性画分が:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製される方法。
  45. 組成物が、所望によりボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を含む請求項44記載の方法。
  46. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約90%のダイズの種子及び約10%掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎を含む原料からの揮発性画分を含む組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法であって、該揮発性画分が:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製される方法。
  47. 組成物が、所望によりボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を含む請求項46記載の方法。
  48. 皮膚傷害の治療、皮膚疾患の治療、細胞の再生増進及び体毛の増殖を促進するために有効な十分な量の、約80%のダイズの種子、約10%のゴマの種子及び約10%の掌葉大黄又はダイオウの乾燥根茎を含む原料からの揮発性画分を含む組成物を患者の創傷に適用することを含む、患者における皮膚傷害又は皮膚疾患を治療する方法であって、該揮発性画分が:
    (a)約2%のアルコール中に原料の粗抽出物を供給し;そして
    (b)約1気圧未満の気圧及び約110℃未満の温度で、粗抽出物を蒸発させて揮発性画分を得る;
    ステップを含むプロセスによって調製される方法。
  49. 組成物が、所望によりボルネオール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、パルミチン酸、セチルアルコール、蜜ろう及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上を含む請求項48記載の方法。
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